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特開2023-1844963D形状を2Dスケッチ上に推論する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184496
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】3D形状を2Dスケッチ上に推論する方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20231221BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20231221BHJP
   G06F 30/27 20200101ALI20231221BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F30/10 100
G06F30/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023098952
(22)【出願日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】22305878.5
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】500102435
【氏名又は名称】ダッソー システムズ
【氏名又は名称原語表記】DASSAULT SYSTEMES
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ ベルトラン
(72)【発明者】
【氏名】フィヴォス ドガニス
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146DC03
5B146DC05
5B146EA01
5B146EA07
5B146EA12
5B146EA15
5B146EC01
5B146EC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】3D形状を2Dスケッチ上に推論する方法、プログラム、記憶媒体及びシステムを提供する。
【解決手段】3Dシーンで少なくとも1つの3Dモデルを設計するためのコンピュータで実装される方法は、a)設計される3Dモデルのビューを表現するユーザの2Dスケッチを受け入れ、これを平面上に表示するステップと、b)前記2Dスケッチに基づいて、3Dシーン内に配向および位置されて前記ビューに合致する3Dプリミティブを推論するステップと、c)前記平面上に、前記3Dプリミティブの2D投影を実行するステップと、d)前記2Dスケッチ上に、前記2D投影を適合させるステップと、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dシーンで少なくとも1つの3Dモデルを設計するためのコンピュータで実装される方法であって、
a)ユーザの2Dスケッチ(1)を受け入れ、これを平面上に表示するステップであって、前記2Dスケッチ(1)は、設計される3Dモデルのビューを表現する、ステップと、
b)前記2Dスケッチ(1)に基づいて3Dプリミティブ(4)を推論するステップであって、前記3Dプリミティブは、3Dシーン内に配向および位置されて前記ビューに合致する、ステップと、
を備え、
前記方法はまた、
c)前記平面上に、前記3Dプリミティブ(4)の2D投影を実行するステップと、
d)前記2Dスケッチ(1)上に、前記2D投影を適合させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップd)は、
前記2D投影の第1の2D境界正方形(5)を計算するステップと、
前記2Dスケッチ(1)の第2の2D境界正方形(6)を計算するステップと、
前記平面で前記第1の2D境界正方形(5)を変換して、前記第1の2D境界正方形(5)の中央および前記第2の2D境界正方形(6)の中央が一致するステップと、
前記第1の2D境界正方形(5)を均一にスケーリングして、その辺の長さを前記第2の2D境界正方形(6)の辺の長さに適合させるステップと、を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップd)は、
前記2D投影の第1の2D境界長方形(7)を計算するステップと、
前記2Dスケッチ(1)の第2の2D境界長方形(8)を計算するステップと、
前記平面で前記第1の2D境界長方形(7)を変換して、その中央および前記第2の2D境界長方形(8)の中央が一致するステップと、
前記第1の2D境界長方形(7)を均一にスケーリングして、その長辺または短辺のうちの1つの長さを前記第2の2D境界長方形(8)の対応する辺の長さに適合させるステップと、を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップd)は、
前記2D投影の前記2Dスケッチの覆いの第1の2D2値マスク(9)を計算するステップと、
前記2D投影の覆いの第2の2D2値マスク(10)を計算するステップと、
前記平面で前記第2の2D2値マスク(10)を変換し、および、前記第2の2D2値マスク(10)を均一にスケーリングして、前記第1(9)および前記第2(10)の2D2値マスクの重なりを最大化するステップと、を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザの2Dスケッチは、少なくとも第1のストロークのセットおよび第2のストロークのセットを備え、ステップd)は、
前記第1のストロークのセットについて、前記平面で前記第1の2D境界正方形(5)を変換して、その中央および前記第2の2D境界正方形(6)の中央が一致し、前記第1の2D境界正方形(5)を均一にスケーリングして、その辺の長さを前記第2の2D境界正方形(6)の辺の長さに適合させるステップ、または、
前記第1のストロークのセットについて、前記平面で前記第1の2D境界長方形(7)を変換して、その中央および前記第2の2D境界長方形(8)の中央が一致し、前記第1の2D境界長方形(7)を均一にスケーリングして、その長辺または短辺のうちの1つの長さを前記第2の2D境界長方形(8)の対応する辺の長さに適合させるステップと、
前記第2のストロークのセットについて、前記平面で前記第2の2D2値マスク(10)を変換し、および、前記第2の2D2値マスクを均一にスケーリングして、前記第1(9)および前記第2(10)の2D2値マスクの重なりを最大化するステップと、を備える、
請求項1から4に従う方法。
【請求項6】
前記2D投影は、前記2Dスケッチ(1)のエッジ上に少なくとも部分的に適合する、少なくとも1つのエッジ(11)を備え、前記方法は、
前記2D投影のエッジを選択することを含むユーザの入力を受け入れるステップと、
前記2Dスケッチ(1)のエッジを前記2D投影のエッジと交換するステップと、を備える、
請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記2D投影のエッジ(14)に適合するエッジ制限(13)を提供するステップと、
第2のユーザのスケッチ(12)を、所定の閾値を下回る前記2D投影のエッジに対する距離で受け入れるステップと、
前記エッジ制限(13)に対して、前記第2のユーザのスケッチ(12)をスナップするステップと、を備える、
請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記2Dスケッチは、複数のストロークを備え、ステップa)からd)は、各ストロークの後で反復される、
請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記3Dプリミティブは、深層学習モデルを使用して推論され、前記深層学習モデルは、一般的な構造および/または機能的特徴を有する3Dモデルの少なくとも1つのグループで訓練される、
請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記グループの3Dモデルの表現されるサイズに基づいて、前記平面と前記3Dプリミティブとの間の距離を設定するステップを備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
3Dモデルのセットを設計するための方法であって、
請求項1から10のいずれかに記載の方法に従う前記方法を使用して第1の3Dモデル(2)を設計するステップと、
請求項1から10のいずれかに記載の方法に従う前記方法を使用して第2の3Dモデル(3)を設計するステップと、
前記第1の3Dモデル(2)と前記第2の3Dモデル(3)との間の3D制限を検出するステップと、
前記3D制限に基づいて、前記第1の3Dモデル(2)および前記第2の3Dモデル(3)のうちの1つの位置および/または配向を変更するステップと、
を備える方法。
【請求項12】
前記3D制限は、共平面性、接触、共軸性、平行性、対称性のうちの少なくとも1つである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項1から12のいずれかに記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読データ記憶媒体(MEM1、MEM2、MEM3、MEM4)。
【請求項15】
メモリ(MEM1、MEM2、MEM3、MEM4)に結合されたプロセッサ(CP)を備えるコンピュータシステムであって、前記メモリは、請求項1から12のいずれかに記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶する、コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムおよびシステムの分野に関し、より具体的には、3Dシーンで3次元(3D)モデル化されたオブジェクトを設計するためのコンピュータで実装される方法に関する。特に、本発明はスケッチ分野に属する。本発明は、任意の3次元ベースのCADソフトウェアで使用されることが可能であろう。
【背景技術】
【0002】
2Dスケッチおよび3Dモデリングは、工業デザインの2つのメジャーな工程である。スケッチは、設計者に彼らのビジョンを素早く且つおおよそ表現することを許すため、典型的に最初に行われる。設計スケッチは、高度な正確さおよび編集性を提供するCADツールを使用することにより、その後、下流のエンジニアリングおよび下流製造のための3Dモデルへ変換される。
【0003】
しかしながら、設計スケッチおよびCADモデリングはしばしば、異なるスキルを有する異なる専門家によって実行され、設計の反復が煩雑で、費用と時間がかかる。実際に、2Dスケッチから3Dモデルを計算することは、簡単なタスクではない。2Dスケッチの入力について選択された視野角および視点によっては、ユーザが意図した3Dモデルを見つけることが困難になる場合がある。
【0004】
例えば、長方形の2Dスケッチは、3D円柱(正面視野から)または直方体(任意の標準的視野から)のいずれかの表現であることが可能である。さらに、2Dスケッチは、その線が滑らかまたは真っ直ぐでない、または、その遠近感が現実に対して不誠実であり得るように、不正確に描かれ得る。これらの不正確さは、この問題を解決することをさらに難しくしている。様々な方法が、先行技術において、この問題を取り組むことに挑戦している。
【0005】
「Sketch2CAD」(Sketch2CAD:Sequential CAD Modeling by Sketching in Context,ACM Trans.Graph.,Vol.39,No.6,Article164.,2020年12月)では、ユーザは、所望の形状編集をスケッチすることによりオブジェクトを創造し、これは自動的にCADオペレーションへ変換される。更新されたモデルは、既存の形状に基づいて、および、所定のオペレータに対応する入力スケッチストロークに基づいて製造される。Sketch2CADにおいて支持されるオペレータは、面押し出し(face extrusion)、角の面取り(beveling of corner)、適切な多面体の追加/控除(addition/subtraction of a right polyhedron)、および、円柱形状のスイープ(sweeping of a cylindrical shape)である。
【0006】
オペレータタイプは、既存の形状および曲線セグメンテーションマップのベース面を選択するために使用され、それに基づいてオペレータを定義するパラメータが、最適化処理を通じて適合される。しかしながら、Sketch2CADは、いくつかの欠点を有する。オペレータの入力スケッチストロークは、更新されたモデルが推論されることが可能になる前に完全に描かれなければならない。進歩的なフィードバックはない。
【0007】
それゆえ、ユーザが更新されたモデルに満足していない場合、彼は、テキストファイルにおいてオペレータパラメータの煩雑な編集を通じて(例えば、「AddSweepShape」:<plane1、length0.23>)、推論されたCAD命令を修正することのみが可能であり、これは非専門家ユーザにとって複雑であり得る。そのうえ、適切な多面体の追加/控除などのいくつかのオペレータは、3次元で複雑な入力スケッチストロークを必要とし、これは非専門家ユーザにとってすばやく行うことができ得ない。
【0008】
特許文献1は、3D設計の方法を開示しており、その中で、ニューラルネットワークは、2Dスケッチを入力、2Dスケッチによって表現される3Dモデルを出力としている。ニューラルネットワークは、一般的な構造上のおよび/または機能的な特徴を有するオブジェクトの分類に対して学習されるため、3Dモデルが、単一の2Dスケッチに基づいて推論され、すなわち、計算される。そのため、完全にスケッチを描く必要がない。
【0009】
2Dスケッチは、スクリーンの平面上に与えられ、推論された3Dモデルが、2Dスケッチの隣の3Dシーンに与えられる(当該特許出願の図10、11および12を参照)。
【0010】
推論処理の間、2Dスケッチは、連続的に切り取りおよびサイズ変更され、それにより、ニューラルネットワークの入力は、常に中心に置かれて256×256ピクセルの一定のサイズを有する。そのため、推論された3Dモデルは、2Dスケッチのサイズを考慮に入れることもなく、3Dシーン内のその位置を考慮に入れることもない。
【0011】
それゆえ、2Dスケッチおよび3Dモデルを同じスクリーン上で合致させるためには、3Dシーンでの3Dモデルのサイズ変更および再配置、および、視点を変える必要があるだろう。そのような種類の処理は、設計処理を楽にしない。
【0012】
D1(A Suggestive Interface for Image Guided 3D Sketching,Tsang et al.)は、3Dワイヤーフレームモデルをスケッチするための、画像ガイド付きペンベースの示唆的インターフェースに関する。3Dモデルは、直交の構造平面に様々な視点から2Dプロフィール曲線を描くことにより創造される。
【0013】
D2(On Aligning Shapes,Bouagar et al.)は、最小面積の長方形に基づく、2つの形状間の形状位置合わせのための方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】EP特許出願公開第3958162号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Sequential CAD Modeling by Sketching in Context,ACM Trans.Graph.
【非特許文献2】A Suggestive Interface for Image Guided 3D Sketching,Tsang et al.
【非特許文献3】On Aligning Shapes, Bouagar et al.
【発明の概要】
【0016】
そのため、ユーザの現在のスケッチ上に直接表示することが可能な3Dモデルを設計するための、ユーザーフレンドリーなコンピュータで実装される方法を提供する必要性がある。
【0017】
本発明の目的は、3Dシーンで少なくとも1つの3Dモデルを設計するためのコンピュータで実装される方法であって、
a)ユーザの2Dスケッチ(1)を受け入れ、これを平面上に表示するステップであって、前記2Dスケッチ(1)は、設計される3Dモデルのビューを表現する、ステップと、
b)前記2Dスケッチ(1)に基づいて3Dプリミティブ(4)を推論するステップであって、前記3Dプリミティブは、3Dシーン内に配向および位置されて前記ビューに合致する、ステップと、
c)前記平面上に、前記3Dプリミティブ(4)の2D投影を実行するステップと、
d)前記2Dスケッチ(1)上に、前記2D投影を適合させるステップと、
を備えるコンピュータで実装される方法である。
【0018】
本発明はまた、3Dモデルのセットを設計するための方法、コンピュータプログラム製品、非一時的コンピュータ可読データ記憶媒体、および、コンピュータシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の追加の特徴および利点が添付図面と併用して、後続の説明から明らかになる。
【0020】
図1A図1Aは、発明された方法による長方形の直方体の設計の例を示す図である。
図1B図1Bは、発明された方法による長方形の直方体の設計の例を示す図である。
図1C図1Cは、発明された方法による長方形の直方体の設計の例を示す図である。
図1D図1Dは、発明された方法による長方形の直方体の設計の例を示す図である。
図1E図1Eは、発明された方法による長方形の直方体の設計の例を示す図である。
図2A図2Aは、発明された方法による回転円柱の設計の例を示す図である。
図2B図2Bは、発明された方法による回転円柱の設計の例を示す図である。
図2C図2Cは、発明された方法による回転円柱の設計の例を示す図である。
図2D図2Dは、発明された方法による回転円柱の設計の例を示す図である。
図3図3は、境界正方形を使用して、当該2Dスケッチ上に、3Dプリミティブの2D投影を適合させるステップを示す図である。
図4図4は、境界長方形を使用して、当該2Dスケッチ上に、3Dプリミティブの2D投影を適合させるステップを示す図である。
図5図5は、2値マスクを使用して、当該2Dスケッチ上に、3Dプリミティブの2D投影を適合させるステップを示す図である。
図6図6は、2Dスケッチのエッジを2D投影のエッジと交換するステップを示す図である。
図7図7は、エッジ制限に沿って設計するための方法の実施形態を示す図である。
図8図8は、3Dモデルのセットを設計するための方法の実施形態を示す図である。
図9図9は、発明された方法のフローチャートである。
図10図10は、発明された方法を実行するためのコンピュータを示す図である。
図11図11は、方法を実行するため適切なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明された方法の第1の例示は、図1Aから図1Eに関連して開示される。図1Aに示されるように、ストローク1は、CADツールなどのスケッチ環境において、マウス、付属品、または任意の適切な入力手段を使用してユーザによりスケッチされる(図9のステップa))。
【0022】
マウスを使用することにより、ユーザは、ポインタをドラッグする、すなわち、マウスの転移およびマウスボタンのうちの1つの長押しの組合せを行う。タッチモードでは、タッチスクリーンを使用して、ユーザは、タッチスクリーン上に付属品(スタイラスまたは指)を、それらの接触を維持しながら、移動する。
【0023】
図1Bでは、ユーザは、3つの他のストロークをスケッチし続ける。スケッチが複数のストロークを含み得ることを注意することが可能である。本発明では、複雑な描画の異なる部分からストロークが混在しないように、ユーザは、新しい形状を描き始めたときを指示する必要がある。例えば、ユーザは、メニューで専用のコマンドを選択、または、専用のショートカットを使用し得る。
【0024】
1つまたは複数のユーザの2Dスケッチのストロークは、同じ平面、すなわち視錐台に近い面、で受け入れられ、ユーザの透視図から3D形状を表現する。ユーザの2Dスケッチは、コンピュータのスクリーン上に表示される。近似の面は、視点からのユーザの視野方向の眺めに対して垂直である。スケッチが不完全であり得ても、3Dプリミティブは、不完全なスケッチの部分情報に基づいて導き出され(図9のステップb))、スクリーン上に表示される。
【0025】
特許文献1に開示された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)エンコーダは、これら部分情報、および、3Dモデルを定義するデータへ2Dスケッチを符号化する学習されたパターンを使用する。2Dスケッチに基づいてリアルタイム3Dモデルを提供する他の解決策が想定され得る。
【0026】
例えば、図1Cでは、3Dプリミティブは、平行六面体であり、3D形状の透視の視点と合致するように配向および位置されている。推論は、各ストロークの後で、すなわち、付属品とタッチスクリーンとの接触が開放されたとき、または、マウスを押すことが開放されたときに、計算され得る。代替的に、推論は、定期的に計算され得る。両方の実施形態では、3Dプリミティブは、ユーザがスケッチし終えていなくても、表示され得る。
【0027】
つぎに、3Dプリミティブは、近似の面上に投影され(図9のステップc))、2Dスケッチ上に適合される(図9のステップd))。それゆえ、ユーザは、2Dスケッチに重ね合わされた3Dプリミティブのリアルタイムフィードバックを、スクリーン上で受け入れ、これは、ユーザの現在の再構築された3Dモデルを可視化および修正することを助ける。
【0028】
特許文献1に開示された畳み込みニューラルネットワーク(CNN)エンコーダは、リアルタイム3Dプリミティブを推論する、それゆえユーザは、3Dプリミティブのリアルタイムフィードバックを受け入れる。発明された方法のおかげで、設計処理は邪魔されず、ユーザは、提案された推論によってガイドされる間連続的にスケッチすることが可能である。
【0029】
実際、深層学習アーキテクチャを使用することで、高速の計算結果を可能にし(計算時間1秒未満)、それにより、GPUアクセラレーションを活用できる。
【0030】
図1Dでは、2Dスケッチの角のうちの1つから開始する別のストロークが、ユーザによって提供される。再び、図1Eで見ることが可能なように、3Dプリミティブは、新しいストロークに基づいて推論される。
【0031】
任意に、プリミティブの2D投影の変形(プリミティブの2D投影が2Dスケッチ上に適合される方法、例えば、変換やスケーリング)は、3Dプリミティブ上に反映される。代替的に、3Dプリミティブは、直接的にユーザのスケッチ中に変更されて、各ストロークの後で計算されるその投影は、2Dスケッチに適合する。この代替はしかし、2Dエラーから3Dパラメータを修正する方法を知るために、微分可能なレンダリングツールを必要とするため、より複雑である。
【0032】
2Dスケッチ上に適合される2D投影は、視錐台に近い面の3Dプリミティブの透視投影または正投影であり得る。近似の面は、視野方向の眺めに対して垂直な平面であることに注意されたい。
【0033】
正投影図よりも透視図においてスケッチすることはより難しく、それゆえ、本発明は特に、透視図において有用である。そのうえ、透視図に従って表示される写真の上にスケッチする場合、透視図で描くことは重要である。しかしながら、本発明は、透視図に制限されるものではない。初心者のユーザは、正投影図(例えば、平行線および消失点なし)に従って描く傾向があり、正投影図でスケッチする際に何らかの支援を提供することも有用であろう。透視図と正投影図の選択は、専用のコマンドを使用してユーザに委ねることが可能であろうし、デフォルトで設定することも可能であろう。
【0034】
図2A図2B図2Cおよび図2Dは、別のプリミティブでの、発明された方法の別の例を示す図である。図2Aでは、ユーザは、扁平な円1をスケッチし、推論された3Dプリミティブは、半円柱4である(図2B)。ユーザのスケッチおよび推論された3Dプリミティブは、重ね合わされている。そのため、ユーザは、彼のスケッチの即時のフィードバックを受け入れる。図2Cでは、ユーザは、扁平な円から開始し、スクリーン上に垂直に延びるストロークをスケッチする。図2Dで見ることが可能であるように、円柱は、扁平な円および扁平な円から延びるストロークのスケッチから推論される。
【0035】
他の簡略だがカジュアルな3Dプリミティブが、スケッチから推論され得る。示された例は、2D面の押し出しに基づいて3Dプリミティブを開示するが、これらの形状は、ユーザの必要性やユーザの専門知識の領域に応じて、任意のユーザ定義のプリミティブを使用してニューラルネットワークを訓練することにより新しいプリミティブに拡張されることが可能である。
【0036】
例えば、新しいプリミティブテンプレートは、結果の関連性を高め時間を節約するために、データセットに追加されることが可能である。この機能は、ユーザが過去に創造したものに類似する形状の可変性を維持するために、特に興味深い。
【0037】
深層学習アーキテクチャはまた、一般的な構造および/または機能的な特徴を有する3Dモデルの少なくとも1つのグループで訓練され得る。例えば、ユーザが多くのねじを創造した場合、システムは、まさにその最初のストロークからねじを推論するだろう。
【0038】
3Dプリミティブの2Dスケッチへの重ね合わせは、3Dプリミティブの2D投影をスケッチの平面上に実行することによって(ステップc))および2D投影を2Dスケッチ上に適合させること(ステップd))によって達成される。
【0039】
さらなる実施形態では、近くの平面と3Dプリミティブとの間の距離は、深層学習アーキテクチャのグループの3Dモデルの表現されるサイズに基づいて設定され得る。これは、3Dプリミティブが推論されると、3Dシーンにて、ユーザがズームインまたはズームアウトすることを防ぐ。
【0040】
いくつかの実施形態が、2D投影を2Dスケッチに適合させるために考えられている。
【0041】
図3により示される、第1の実施形態によると、2D投影を2Dスケッチ上に適合させる(ステップd)は、2D投影の第1の2D境界正方形5を計算する第1のサブステップを備える(図3の中央部分を参照)。
【0042】
第2のサブステップでは、2Dスケッチ1の第2の2D境界正方形6が計算される(図3の左部分)。第2の2D境界正方形は、2Dスケッチを内包する最も小さな正方形である。第1および第2の2D境界正方形は同時に計算され得る。
【0043】
3Dプリミティブの2D投影を2Dスケッチ上に適合させることは、好ましい実施形態では、平面で第1の2D境界正方形5を変換して、第1の2D境界正方形5の中央と第2の2D境界正方形6の中央とを一致させることにより、および、第1の2D境界正方形5を均一にスケーリングして、その辺の長さが、第2の2D境界正方形6の辺の長さと適合する、すなわち、第1の2D境界正方形5および第2の2D境界正方形6の辺の長さが等しくなる、ことによって、実行され得る。
【0044】
この変換は、均一なスケーリングの前に、または逆に、同時に、動作され得る。
【0045】
推論された3Dプリミティブは、2D投影が2Dスケッチ上に適合した時点でのみ表示され、それにより、ユーザは、即座に3Dプリミティブと2Dスケットとの重ね合わせを見ることができることに注意することが可能である。
【0046】
ユーザを支援するため、適合された2D投影は、ユーザを鼓舞させ、彼が彼の描画を仕上げまたは修正することを助けるために、彼の現在のスケッチ上に、透明(または部分的に透明)で表示される。
【0047】
図4により示される、第2の実施形態によると、2D投影の第1の2D境界長方形7が計算される(図4の中央部分を参照)。2Dスケッチ1の第2の2D境界長方形8が計算される(図3の左部分)。第2の2D境界長方形は、2Dスケッチの全てのポイントを内包する、最も小さな辺を有する長方形である。
【0048】
第1の2D境界長方形7は、平面で変換され、その中央と第2の境界長方形8の中央とが一致する。第1の2D境界長方形7は、均一にスケールされて、その長いまたは短い辺のうちの1つの長さが、第2の2D境界長方形8の対応する辺の長さに適合する。「対応する辺」により、スケーリングがなされて、第1の2D境界長方形7の長い辺の長さが、第2の2D境界長方形8の長い辺の長さと等しくなる、または、第1の2D境界長方形7の短い辺の長さが、第2の境界長方形8の短い辺の長さと等しくなる、ことが理解される。
【0049】
変換は、均一なスケーリングの前に、または逆に、同時に、動作され得る。
【0050】
図4では、境界長方形の辺は、3Dプリミティブおよび2Dスケッチが原則的に垂直に延びるため、垂直および水平に配置される。境界長方形の他の配向が考えられる。
【0051】
例えば、第1の2D境界長方形について、配向は2D境界長方形の領域が最小化される配向であり得る。そして、第2の2D境界長方形の配向は、第1の2D境界長方形の配向と同じであり得る。代替的に、第2の2D境界長方形の配向が、初めに決定され得る。
【0052】
代替的に、2D境界長方形のうちの1つの配向は、辺の長さが最も小さい配向を考慮して計算され得る。
【0053】
2つの境界正方形の1つを他に適合させること、または、2つの境界長方形の1つを他に適合させることは、時間の掛かる処理ではなく、そのため、リアルタイム実装に完全に互換性がある。
【0054】
図5により示される、別の実施形態では、(ステップd)は、2Dスケッチ1の覆いの第1の2D2値マスク9を計算すること、および、3Dプリミティブの2D投影の第2の2D2値マスク10を計算することを備える。マスクは、次々に、または同時に、計算され得る。
【0055】
2値マスクは、2Dスケッチおよび3Dプリミティブの2D投影の凸包または凹包を使用することにより計算され得る。2Dスケッチが部分的である、または、非常に部分的である場合、凸包を使用することが好ましい。2Dスケッチが完全である場合、凹包を使用することがより良いだろう(凹包は、凸包に比べて、より小さな領域を有し、より自然な境界を表現する)。
【0056】
2Dスケッチは、ストロークのセットが少なくとも1つの不連続を有する場合、部分的または不完全であると定義される。
【0057】
そして、3Dプリミティブの2D投影は、平面で第2の2値マスク10を変換し、第2の2D2値マスク10を均一にスケーリングして、第1の2値マスク9および第2の2値マスク10の重なりを最大にすることにより、2Dスケッチ上に適合される。
【0058】
特定の実施形態では、2値マスクの重なりを決定するため、下記に定義される、交差オーバーユニオン(intersection over union)関数IoU(x,y,s)が使用される。
【0059】
【数1】
【0060】
Maskは、第1の2D2値マスク9であり、Maskは、1つの軸(例えば、スクリーンの水平軸)に沿ってxだけ、および、別の軸(例えばスクリーンの垂直軸)に沿ってyだけ変換され、第1の2D2値マスク9に関して係数sに従って均一にサイズ変更される第2の2D2値マスク10である。
【0061】
「+(プラス)」「-(マイナス)」および「*(アスタリスク)」は、両方の2値マスクを含む画像が同じサイズであることを考慮して、それぞれ、画素間加算、画素間減算、および画素間乗法の、画素毎の演算(pixel-wise operation)である。
【0062】
パラメータx、y、およびsは、1に向かう交差オーバーユニオン関数を有するように決定される。
【0063】
2つの2値マスクを比較する任意の他の関数、例えば、一般化した交差オーバーユニオン(Generalized intersection over union)(GIoU)が使用されることが可能であろう。
【0064】
2値マスクに基づいた、第3の実施形態は、第1および第2の実施形態、それぞれ境界正方形および長方形に基づく、よりも時間が掛かり得るが、誤差最小化計算のおかげで、より良い結果を提供することができる。
【0065】
第1および第2の実施形態は、第3の実施形態に統合され得る。例えば、第1または第2の実施形態は、2Dスケッチ上に適合される3Dプリミティブを素早く提供するために、ユーザが、第1のストロークのセットのスケッチを開始する場合に実装され得る。例えば、図1A図1Eおよび図2A図2Dを参照すると、第1または第2の実施形態は、ユーザがそれぞれ長方形または扁平な円をスケッチする場合に実装され得る。そして、第3の実施形態は、ユーザが、第2のストロークのセットで彼のスケッチを洗練する場合に実装され得る。図1A図1Eおよび図2A図2Dを参照すると、第3の実施形態は、ユーザが垂直なストロークを描くことを開始する場合に実装され得る。
【0066】
ユーザは、3Dプリミティブが2Dスケッチに関して十分に中央にないと考える場合、1つの実施形態から他の実施形態へ切り替えることができる。
【0067】
図6により示される、好ましい実施形態では、ユーザは、3Dプリミティブのエッジ11のうちの1つを使用して彼の2Dスケッチを修正および/または仕上げ得る。そのために、ユーザは、例えば、エッジ11をダブルクリックして、またはマウスの左右両方のボダンを押すことにより、あるいはタッチモードでエッジ11をロングタップして、エッジの選択のための入力を提供する。
【0068】
ユーザの入力の位置が3Dのプリミティブ投影のエッジに近い場合(例えば、距離が所定の閾値を下回ることを考慮することにより)、エッジは、2Dスケッチに追加される。代替的に、プリミティブのエッジ、2Dスケッチのエッジ上に少なくとも部分的に適合する、は、2Dスケッチのエッジと交換され得る。
【0069】
有利には、ユーザが、ポインタ(マウスポインタまたはタッチモードの付属品)を3Dのプリミティブ投影のエッジのうちの1つに合わせるときに、エッジの強調表示などのエッジにおける視覚のフィードバックが存在し得る。
【0070】
ユーザはまた、予想される完全な形状を選択し、およびそれゆえ、全ての現在のユーザのストロークを、完全に推論された形状のストロークと交換し得る。これは、表示されたシルエットをダブルクリックする、またはボタンをダブルクリックして結果を検証することによって達成されることが可能である。2D投影と2Dスケッチとが重なるため、ユーザは、簡単に2Dスケッチから3Dプリミティブへ切り替えることが可能であり、これは、本方法のインタラクティブ性に寄与する。
【0071】
図7により示される、別の実施形態によると、ユーザは、スケッチの間ガイドされ得る。推論された3Dプリミティブは、少なくとも1つのエッジを有する。所与のエッジに対してエッジ制限を定義し、それがユーザのスケッチのターゲットとして機能することが可能である。エッジ制限13は、例えば、エッジ14と位置合わせされることにより、エッジ14に適合する。各エッジは、そのため、目に見える投影されたエッジに限定されず、無限のルーラのように振る舞い得る。
【0072】
図7では、ユーザは扁平な円をスケッチし、それゆえ、円柱が推論される。3Dプリミティブのパラメータのうちの1つ、すなわち、円柱の高さ、は、デフォルト値である。エッジ制限は、パラメータに対応するエッジに適用される。
【0073】
ユーザのスケッチ12が、所定の閾値を下回る2D投影のエッジに対する距離で受け入れられる場合、エッジ制限13は、ユーザのスケッチを「引き付ける(attracts)」。エッジ制限13は、無限の線制限として機能し、エッジ制限13に対するユーザのストロークをガイドおよびスナップし得る。そして、3Dプリミティブの新しい推論が、エッジ制限に沿った追加のユーザのスケッチに基づいて計算される。
【0074】
そのため、発明された方法は、ユーザに、非常に限られた数の入力で、およびさらには部分的な入力でも、素早く3D形状を設計することを可能にさせる。すべての相互作用は、可能なかぎり、簡単かつ2つの次元で保たれており、3Dの複雑さは、ユーザからは見えない。
【0075】
ユーザは、1つの3Dモデルを設計する前述のステップを繰り返すことにより、3Dモデルのアセンブリを設計し得る。前述したように、ユーザは、別の3Dモデルを設計するための特定の入力を提供しなければならない、そうでなければ、現在の3Dモデルの修正として解釈され、それゆえ、新しい推論が引き起こされる。
【0076】
図8により例として示される、3Dモデルのセットを設計するための方法は、前述の方法を使用して第1の3Dモデル2を設計する第1のステップを備える。そして、第2のステップでは、第2の3Dモデル3が、前述の方法を使用して設計される。3D制限は、第1の3Dモデル2と第2の3Dモデル3との間で検出される。図8において、3D制限は、第1の3Dモデル2の上側ベースと第2の3Dモデル3下側ベースとの共平面性である。第2の3Dモデル3の3Dの位置および/または配向は、例えば、共平面性、接触、共軸性、平行性、対称性のうちの少なくとも1つが可能である、先述の3D制限に基づいて変更(スナップ)される。
【0077】
例えば、2つのストロークの2D垂直性を優先する2Dスナップツールが既に存在することに注意することが可能である。しかしながら、透視図では、3次元の平行線は透視図において消滅点で合流するため、垂直性または2D平行性のこれらの概念は、もはや有効ではない。発明された方法は、3Dシーンで3Dモデルと直接相互作用するため、透視図におけるスナップを可能にする。
【0078】
本発明の方法は、ハードディスク、ソリッドステートディスク、またはCD-ROMなどのコンピュータ可読媒体上の不揮発性形式に適切なプログラムを記憶し、そのマイクロプロセッサおよびメモリを使用して当該プログラムを実行する、コンピュータネットワークを場合によっては含む、適切にプログラムされた汎用コンピュータによって実行されることが可能である。
【0079】
本発明の例示的な実施形態による方法を実行するために適切なコンピュータ、より正確には設計ステーションを支援するコンピュータ、は、図10を参照して説明される。図10では、コンピュータは、上記説明された処理を実行する中央処理装置CPを含む。処理は、実行可能なプログラム、すなわち、コンピュータ可読命令のセット、として、RAM MEM1またはROM MEM2、またはハードディスクドライブ(HDD)MEM3、DVD/CDドライブMEM4などのメモリに記憶されること、または、リモートに記憶されること、が可能である。本発明の方法による実行可能なプログラムによって処理されることに適した形式の3Dモデルデータベースはまた、メモリデバイスMEM1からMEM4のうちの1つまたは複数に、またはリモートに記憶され得る。
【0080】
特許請求される発明は、本発明の処理のコンピュータ可読命令が記憶されたコンピュータ可読媒体の形式によっては限定されない。例えば、命令およびデータベースは、CD、DVD、フラッシュメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、ハードディスク、または、サーバもしくはコンピュータなどの設計ステーションを支援するコンピュータが通信する任意の他の情報処理デバイスに記憶されることが可能である。プログラムおよびデータベースは、同一のメモリデバイスまたは異なるメモリデバイスに記憶されることが可能である。
【0081】
さらに、CPU PR、およびMicrosoft VISTA、Microsoft Windows7、UNIX(登録商標)、Solaris(登録商標)、LINUX(登録商標)、Apple MAC-OS、および当業者にとって既知の他のシステムなどのオペレーティングシステムと共に実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、もしくはオペレーティングシステムの構成要素、またはそれらの組み合わせとして、本発明の方法を実行するために適切なコンピュータプログラムが設けられることが可能である。
【0082】
中央処理装置CPは、Intel of AmericaからのXenonプロセッサもしくはAMD of AmericaからのOpteronプロセッサであることが可能であり、またはFreescale Corporation of AmericaからのFreescale ColdFire、IMX、もしくはARMプロセッサなどの他のプロセッサタイプであることが可能である。代替的に、中央処理装置CPは、当業者が認識するように、Intel Corporation of AmericaからのCore2 Duoなどのプロセッサであることが可能であり、またはFPGA、ASIC、PLD上で、もしくは離散論理回路を使用して実装されることが可能である。さらに、CPUは、上記説明された本発明の処理のコンピュータ可読命令を実行するよう協同的に作用する複数のプロセッサとして実装されることが可能である。
【0083】
図10において設計ステーションを支援するコンピュータはまた、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのネットワークと相互作用するための、Intel Corporation of AmericaからのIntel Ethernet PROネットワークインタフェースカードなどのネットワークインタフェースNIを含む。設計ステーションを支援するコンピュータはさらに、Hewlett Packard HPL2445w LCDモニタまたはバーチャルリアリティヘッドセットなどのディスプレイDYとインターフェースするためのNVIDIA Corporation of AmericaからのNVIDIA GeForce GTX グラフィックアダプタなどディスプレイコントローラDCを含む。汎用I/OインターフェースIFは、キーボードKBおよび、ローラボール、マウス、タッチパッド、バーチャルリアリティシステムなどの制御デバイスなどのポインティングデバイスPDとインターフェースする。ディスプレイ、キーボードおよびポインティングデバイスは、ディスプレイコントローラおよびI/Oインターフェースと共に、グラフィカルユーザインターフェースを形成する。
【0084】
本発明はまた、タッチモードで実装されることができ、その中で、コンピュータシステムは、3Dシーンを表示することおよび1つの付属品の相互作用を検出することのためのタッチセンシティブディスプレイを備える。
【0085】
ユーザは、タッチパッドと共に、ポインティングデバイスPDを使用して、1つの平面にスケッチする。2Dスケッチは、ディスプレイDY上で見ることが可能である。
【0086】
本発明はまた、没入環境で実装されることが可能であろう。この場合、コンピュータシステムは、バーチャルリアリティヘッドセットを備え、これは、3Dシーンを表示するために、ユーザによって着用される。様々なユーザ相互作用は、タップジェスチャー、ドラッグまたはホールドジェスチャーを検出するためにボタンを備え得る、制御デバイスを使用することにより検出され得る。コンピュータシステムはまた、制御デバイスの位置を判断するために、赤外線センサなどの感知センサを備え得る。
【0087】
ディスクコントローラDKCは、HDD MEM3およびDVD/CD MEM4を通信バスCBに接続し、これは、設計ステーションを支援するコンピュータのすべての構成要素を相互接続するための、ISA、EISA、VESA、PCI、または同様のものであることが可能である。
【0088】
コンピュータはまた、2Dスケッチに基づいて、および、学習されたパターンに基づいて、3Dプリミティブを推論する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)エンコーダを備えるデータ構造がそれに記録されたメモリを備える。当業者は、エンコーダの例示的な説明について特許文献1を参照し得る。
【0089】
設計された3Dモデル、または、設計された3Dモデルのアセンブリは、設計を支援するコンピュータにおけるさらなる使用のために、CD、DVD、フラッシュメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、ハードディスクまたは任意の他のサーバまたはコンピュータに記憶され得る。物理的なオブジェクトは、3Dモデルを含むファイルに基づいて製造され得る。ファイルは、製造処理のために可読フォーマットに変換され得る。
【0090】
ディスプレイコントローラ、ディスクコントローラ、ネットワークインタフェース、およびI/Oインターフェースと同様に、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイスの一般的な特徴および機能性の説明は、それらの特徴が既知であるため、簡潔にするために本明細書では省略される。
【0091】
図11は、本発明の異なる例示的な実施形態による方法を実行するための適切なコンピュータシステムのブロック図である。
【0092】
図11では、ネットワークNWを介して、サーバSCが、アドミニストレータシステムADSおよびエンドユーザコンピュータEUCに接続される。
【0093】
理解が可能なように、ネットワークNWは、インターネットなどのパブリックネットワーク若しくはLANまたはWANネットワークなどのプライベートネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせとすることが可能であり、PSTNまたはISDNサブネットワークも含むことが可能である。ネットワークNWはまた、イーサネットネットワークのような有線であることが可能であり、またはEDGE、3Gおよび4G無線セルラーシステムを含むセルラーネットワークのような無線であることが可能である。無線ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または既知の他の無線通信形態であることも可能である。したがって、ネットワークNWは例示的なものにすぎず、決して本発明の進歩の範囲を限定するものではない。
【0094】
エンドユーザコンピュータのメモリデバイスに格納され、後者のCPUによって実行されるクライアントプログラムは、ネットワークNWを介して、サーバ上の3Dモデルデータベースにアクセスする。
【0095】
1つのアドミニストレータシステムADSおよび1つのエンドユーザシステムEUXのみが示されているが、システムは、制限なく、任意の数のアドミニストレータシステムおよび/またはエンドユーザシステムを支持することが可能である。
【0096】
本明細書に記載されたフローチャートにおける任意の処理、説明またはブロックは、処理における特定の論理機能またはステップを実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を表すと理解すべきであり、代替の実装は本発明の例示的な実施形態の範囲内に含まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dシーンで少なくとも1つの3Dモデルを設計するためのコンピュータで実装される方法であって、
a)ユーザの2Dスケッチ受け入れ、これを平面上に表示するステップであって、前記2Dスケッチ、設計される3Dモデルのビューを表現する、ステップと、
b)前記2Dスケッチ基づいて3Dプリミティブ推論するステップであって、前記3Dプリミティブは、3Dシーン内に配向および位置されて前記ビューに合致する、ステップと、
を備え、
前記方法はまた、
c)前記平面上に、前記3Dプリミティブ2D投影を実行するステップと、
d)前記2Dスケッチに、前記2D投影を適合させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップd)は、
前記2D投影の第1の2D境界正方形計算するステップと、
前記2Dスケッチ第2の2D境界正方形計算するステップと、
前記平面で前記第1の2D境界正方形変換して、前記第1の2D境界正方形中央および前記第2の2D境界正方形中央が一致するステップと、
前記第1の2D境界正方形均一にスケーリングして、その辺の長さを前記第2の2D境界正方形辺の長さに適合させるステップと、を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップd)は、
前記2D投影の第1の2D境界長方形計算するステップと、
前記2Dスケッチ第2の2D境界長方形計算するステップと、
前記平面で前記第1の2D境界長方形変換して、その中央および前記第2の2D境界長方形中央が一致するステップと、
前記第1の2D境界長方形均一にスケーリングして、その長辺または短辺のうちの1つの長さを前記第2の2D境界長方形対応する辺の長さに適合させるステップと、を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップd)は、
前記2D投影の前記2Dスケッチの覆いの第1の2D2値マスク計算するステップと、
前記2D投影の覆いの第2の2D2値マスク計算するステップと、
前記平面で前記第2の2D2値マスク変換し、および、前記第2の2D2値マスク均一にスケーリングして、前記第および前記第の2D2値マスクの重なりを最大化するステップと、を備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザの2Dスケッチは、少なくとも第1のストロークのセットおよび第2のストロークのセットを備え、ステップd)は、
前記第1のストロークのセットについて、前記平面で前記第1の2D境界正方形変換して、その中央および前記第2の2D境界正方形中央が一致し、前記第1の2D境界正方形均一にスケーリングして、その辺の長さを前記第2の2D境界正方形辺の長さに適合させるステップ、または、
前記第1のストロークのセットについて、前記平面で前記第1の2D境界長方形変換して、その中央および前記第2の2D境界長方形中央が一致し、前記第1の2D境界長方形均一にスケーリングして、その長辺または短辺のうちの1つの長さを前記第2の2D境界長方形対応する辺の長さに適合させるステップと、
前記第2のストロークのセットについて、前記平面で前記第2の2D2値マスク変換し、および、前記第2の2D2値マスクを均一にスケーリングして、前記第および前記第の2D2値マスクの重なりを最大化するステップと、を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記2D投影は、前記2Dスケッチエッジ上に少なくとも部分的に適合する、少なくとも1つのエッジ備え、前記方法は、
前記2D投影のエッジを選択することを含むユーザの入力を受け入れるステップと、
前記2Dスケッチエッジを前記2D投影のエッジと交換するステップと、を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記2D投影のエッジ適合するエッジ制限提供するステップと、
第2のユーザのスケッチ、所定の閾値を下回る前記2D投影のエッジに対する距離で受け入れるステップと、
前記エッジ制限対して、前記第2のユーザのスケッチスナップするステップと、を備える、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記2Dスケッチは、複数のストロークを備え、ステップa)からd)は、各ストロークの後で反復される、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記3Dプリミティブは、深層学習モデルを使用して推論され、前記深層学習モデルは、一般的な構造および/または機能的特徴を有する3Dモデルの少なくとも1つのグループで訓練される、
請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記グループの3Dモデルの表現されるサイズに基づいて、前記平面と前記3Dプリミティブとの間の距離を設定するステップを備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
3Dモデルのセットを設計するための方法であって、
請求項1記載前記方法を使用して第1の3Dモデル設計するステップと、
請求項1記載前記方法を使用して第2の3Dモデル設計するステップと、
前記第1の3Dモデル前記第2の3Dモデルの間の3D制限を検出するステップと、
前記3D制限に基づいて、前記第1の3Dモデルよび前記第2の3Dモデルうちの1つの位置および/または配向を変更するステップと、
を備える方法。
【請求項12】
前記3D制限は、共平面性、接触、共軸性、平行性、対称性のうちの少なくとも1つである、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を備えるコンピュータプログラム
【請求項14】
請求項1記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を含む非一時的コンピュータ可読データ記憶媒体
【請求項15】
メモリ結合されたプロセッサ備えるコンピュータシステムであって、前記メモリは、請求項1記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶する、コンピュータシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
図4により示される、第2の実施形態によると、2D投影の第1の2D境界長方形7が計算される(図4の中央部分を参照)。2Dスケッチ1の第2の2D境界長方形8が計算される(図の左部分)。第2の2D境界長方形は、2Dスケッチの全てのポイントを内包する、最も小さな辺を有する長方形である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
ディスクコントローラDCKは、HDD MEM3およびDVD/CD MEM4を通信バスCBに接続し、これは、設計ステーションを支援するコンピュータのすべての構成要素を相互接続するための、ISA、EISA、VESA、PCI、または同様のものであることが可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
1つのアドミニストレータシステムADSおよび1つのエンドユーザコンピュータEUのみが示されているが、システムは、制限なく、任意の数のアドミニストレータシステムおよび/またはエンドユーザコンピュータを支持することが可能である。
【外国語明細書】