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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184497
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】医薬組成物及び溶出性改善方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/496 20060101AFI20231221BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20231221BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20231221BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20231221BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20231221BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231221BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A61K31/496
A61K47/12
A61K47/22
A61K47/04
A61K47/14
A61K9/20
A61P43/00 111
A61P11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098965
(22)【出願日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】P 2022098260
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000109831
【氏名又は名称】トーアエイヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 雄哉
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC15
4C076CC29
4C076DD22Z
4C076DD41
4C076DD42Z
4C076DD43Z
4C076DD45Z
4C076DD59Z
4C076DD63
4C076DD67
4C076EE16
4C076FF06
4C076FF33
4C076FF61
4C076GG01
4C076GG12
4C076GG14
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC50
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA11
4C086NA14
4C086ZA59
4C086ZC02
(57)【要約】
【課題】ニンテダニブ含有医薬組成物のニンテダニブ溶出性を改善する技術を提供すること。
【解決手段】以下の成分(A)及び(B)を含有する医薬組成物。
(A)ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物
(B)pH調整剤
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)及び(B)を含有する、医薬組成物。
(A)ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物
(B)pH調整剤
【請求項2】
成分(B)として酸性pH調整剤を含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
成分(B)として、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、リン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
成分(B)としてフマル酸及びその薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
さらに担体を含有し、且つ当該担体中に成分(A)が分散している、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
成分(A)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(A)〕が0.01以上5以下である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
固形製剤である、請求項1~6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物に、pH調整剤を含有せしめる工程を含む、ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の溶出性を改善する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物及び溶出性改善方法に関する。より詳細には、ニンテダニブを含有する医薬組成物及びその溶出性を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニンテダニブは下記の式(1)で表される低分子チロシンキナーゼ阻害剤であり、特発性肺線維症、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患、進行性線維化を伴う間質性肺疾患の治療に効果を有し、エタンスルホン酸塩として製造販売されている(非特許文献1、2)。
【0003】
【化1】
【0004】
ニンテダニブエタンスルホン酸塩は、軟カプセル剤として製造販売されている。軟カプセル剤は安定性や服用性が不充分であり、錠剤の開発が望まれる。
ニンテダニブの錠剤としては、造粒法で製造されたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2018/177893号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】オフェブカプセル 添付文書 2022年3月改訂(第4版)
【非特許文献2】オフェブカプセル インタビューフォーム 2022年3月改訂(第10版)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ニンテダニブ含有錠剤について本発明者が検討を行ったところ、ニンテダニブの溶出性が不充分であることが判明した。また、崩壊性も不充分であることが分かった。
本発明の課題は、ニンテダニブ含有医薬組成物のニンテダニブ溶出性を改善する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物に、pH調整剤を組み合わせて医薬組成物とすることによって、ニンテダニブ溶出性を改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の<1>~<8>を提供するものである。
<1> 以下の成分(A)及び(B)を含有する、医薬組成物。
(A)ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物
(B)pH調整剤
<2> 成分(B)として酸性pH調整剤を含有する、<1>に記載の医薬組成物。
<3> 成分(B)として、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、リン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、<1>に記載の医薬組成物。
<4> 成分(B)としてフマル酸及びその薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する、<1>~<3>のいずれかに記載の医薬組成物。
【0010】
<5> さらに担体を含有し、且つ当該担体中に成分(A)が分散している、<1>~<4>のいずれかに記載の医薬組成物。
<6> 成分(A)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(A)〕が0.01以上5以下である、<1>~<5>のいずれかに記載の医薬組成物。
<7> 固形製剤である、<1>~<6>のいずれかに記載の医薬組成物。
【0011】
<8> ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物に、pH調整剤を含有せしめる工程を含む、ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の溶出性を改善する方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ニンテダニブ含有医薬組成物のニンテダニブ溶出性を改善できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の医薬組成物は、以下の成分(A)及び(B)を含有する。
(A)ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物
(B)pH調整剤
【0014】
(成分(A))
ニンテダニブ(化学名:(3Z)-3-[({4-[N-メチル-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)アセトアミド]フェニル}アミノ)(フェニル)メチリデン]-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-カルボン酸メチル)は、下記式(1)で表される化合物である。
【0015】
【化2】
【0016】
ニンテダニブの塩は、薬学的に許容されるものであればよく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、溶媒和物としては、水和物、アルコール和物が挙げられる。
【0017】
これらの中でも、ニンテダニブのフリー体、ニンテダニブエタンスルホン酸塩が好ましく、ニンテダニブエタンスルホン酸塩がより好ましい。
なお、ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物は、非晶質でも結晶の状態でもよい。
【0018】
成分(A)の含有量は、不純物低減、崩壊性及びニンテダニブ溶出性等の観点から、本発明の医薬組成物中、5質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上75質量%以下がより好ましく、30質量%以上70質量%以下が更に好ましく、40質量%以上60質量%以下が特に好ましい。成分(A)の含有量を40質量%以上とした場合に、ニンテダニブ溶出性と適度な硬度を両立させやすくなる。
ニンテダニブのフリー体として、1錠あたりに150mgまたは100mg含むことが好ましい。
【0019】
(成分(B))
pH調整剤としては、有機化合物系酸性pH調整剤、無機化合物系酸性pH調整剤、有機化合物系塩基性pH調整剤、無機化合物系塩基性pH調整剤が挙げられる。これらの中では、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、有機化合物系酸性pH調整剤、無機化合物系酸性pH調整剤、有機化合物系塩基性pH調整剤が好ましく、有機化合物系酸性pH調整剤、無機化合物系酸性pH調整剤がより好ましく、有機化合物系酸性pH調整剤が特に好ましい。
有機化合物系酸性pH調整剤は、酸性pH調整剤のうち有機化合物であるものをいう。有機化合物系酸性pH調整剤としては、例えば、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、リンゴ酸などの有機酸、有機酸塩及び溶媒和物(無水クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸二水素ナトリウム等)の他、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等)等が挙げられる。溶媒和物としては、水和物、アルコール和物が挙げられる。
無機化合物系酸性pH調整剤は、酸性pH調整剤のうち無機化合物であるものをいう。無機化合物系酸性pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。
有機化合物系塩基性pH調整剤は、塩基性pH調整剤のうち有機化合物であるものをいう。有機化合物系塩基性pH調整剤としては、例えば、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノエタノールアミンなどのアミン類;酒石酸ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物、コハク酸ナトリウム、酢酸ナトリウム水和物などの有機酸塩及びその溶媒和物が挙げられる。溶媒和物としては、水和物、アルコール和物が挙げられる。
無機化合物系塩基性pH調整剤は、塩基性pH調整剤のうち無機化合物であるものをいう。無機化合物系塩基性pH調整剤としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
酸性pH調整剤は、有機化合物系酸性pH調整剤と無機化合物系酸性pH調整剤とを含む。
【0020】
pH調整剤としては、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、リン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸、リン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、リン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましく、フマル酸、アジピン酸、マロン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましく、フマル酸、アジピン酸、パラオキシ安息香酸エステル及びそれらの薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましく、フマル酸及びその薬学的に許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
有機酸塩としては、有機酸のアルカリ金属塩、有機酸のアルカリ土類金属塩が挙げられる。フマル酸塩としては、フマル酸一ナトリウム、フマル酸二ナトリウム、フマル酸一カリウム、フマル酸二カリウム、フマル酸マグネシウム、フマル酸カルシウムが好ましい。リン酸塩としては、リン酸二水素カリウムが好ましい。パラオキシ安息香酸エステルとしては、パラオキシ安息香酸エチルが好ましい。
【0021】
pH調整剤としては、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが0以上6以下のpH調整剤が好ましく、飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが0.1以上5以下のpH調整剤が好ましく、飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが0.5以上4以下のpH調整剤がより好ましく、飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが0.5以上2.75以下のpH調整剤が更に好ましく、飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが2以上2.75以下のpH調整剤が更に好ましく、飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが2.2以上2.75以下のpH調整剤が特に好ましい。
飽和水溶液としたときの25℃におけるpHが2.75以下のものを用いた場合に、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度が特に良好なものとなる。
【0022】
なお、pH調整剤は、1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0023】
成分(B)の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、1質量%以上30質量%以下が好ましく、2質量%以上20質量%以下がより好ましく、3質量%以上15質量%以下が更に好ましく、7.5質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
【0024】
医薬組成物中の成分(A)に対する成分(B)の含有質量比〔(B)/(A)〕は特に限定されないが、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、0.01以上5以下が好ましく、0.02以上3以下がより好ましく、0.03以上1以下が更に好ましく、0.05以上0.75以下が更に好ましく、0.1以上0.5以下が更に好ましく、0.15以上0.5以下が特に好ましい。
【0025】
本発明の医薬組成物には、その剤形に応じて、上記成分以外に製剤添加物を加えてもよい。こうした製剤添加物としては、例えば、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、流動化剤、結合剤、界面活性剤、コーティング剤、可塑剤、抗酸化剤、甘味剤、矯味剤、着香剤・香料、安定化剤等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
賦形剤としては、例えば、マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール等の糖アルコール系賦形剤;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン系賦形剤の他、リン酸水素カルシウム水和物、無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸カルシウム、乳糖、乳糖水和物、無水乳糖、果糖、白糖、ブドウ糖、結晶セルロース、粉末セルロース等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
賦形剤の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上30質量%以下がより好ましい。
【0027】
滑沢剤としては、例えば、硬化油、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
滑沢剤の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.3質量%以上2質量%以下がより好ましい。
【0028】
崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドンが好ましく、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
崩壊剤の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、0質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましく、3質量%以上25質量%以下が更に好ましく、5質量%以上20質量%以下が更に好ましく、10質量%以上15質量%以下が特に好ましい。
崩壊剤の含有量を10質量%以上とした場合に、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度が特に良好なものとなる。
【0029】
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、好ましくは軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、トウモロコシデンプン、合成ケイ酸アルミニウムである。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
流動化剤の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、0.1質量%以上5質量%以下が好ましく、0.3質量%以上2質量%以下がより好ましい。
【0030】
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポビドン等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結合剤の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0031】
界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80、モノステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤の含有量は、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度等の観点から、本発明の医薬組成物中、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上2質量%以下がより好ましい。
【0032】
コーティング剤としては、例えば、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、メタクリル酸コポリマーS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、カルナウバロウ等が挙げられる。これらのうち1種のみを単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0033】
また、本発明の医薬組成物としては、ニンテダニブ由来の不純物含有量を低減させる観点から、以下の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、且つ成分(C)中に成分(A)が分散している、医薬組成物が好ましく、以下の成分(A)、(B)及び(C)を含有し、且つ成分(C)中に成分(A)が分散した固体分散体を含む医薬組成物がより好ましく、成分(C)中に成分(A)が分散した固体分散体と添加物層とを含み、当該添加物層中に前記固体分散体が分散しており、固体分散体及び添加物層の少なくとも一方が成分(B)を含む、錠剤が特に好ましい。
(A)ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物
(B)pH調整剤
(C)担体
【0034】
固体分散体は、そのまま又は他の成分と組み合わせて医薬組成物とすることができる。なお、「固体分散体」とは、不活性な担体中に薬物が分散した固体状態のものをいう。このような固体分散体を含む医薬組成物とした場合に薬物の溶解性やバイオアベイラビリティが改善され、また放出制御や安定化(凝集制御など)が可能となる。
【0035】
成分(A)を分散させる担体としては、上記した製剤添加物や他の製剤添加物が挙げられるが、ニンテダニブ由来の不純物含有量を低減させる観点から、糖アルコール、ヒプロメロースエステル類、(メタ)アクリル酸系重合体類、硬化油、カルナウバロウ、ポリアルキレングリコール類、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、糖アルコール、硬化油、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、糖アルコール、高級脂肪酸及び高級脂肪酸塩からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。なお、大豆レシチン、モノステアリン酸ソルビタンなどの界面活性剤を更に用いてもよい。
【0036】
糖アルコールとしては、不純物低減、非晶質化容易性の観点から、炭素数4~6の糖アルコールが好ましく、炭素数4~5の糖アルコールがより好ましく、炭素数4の糖アルコールが特に好ましい。糖アルコールとしては、例えば、マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールが挙げられる。糖アルコールの中では、不純物低減の観点から、マンニトール、エリスリトール、キシリトールが好ましく、エリスリトール、キシリトールがより好ましく、エリスリトールが特に好ましい。糖アルコールは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
ヒプロメロースエステル類としては、不純物低減の観点から、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステルが好ましい。ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルは、ヒプロメロースの酢酸及びモノコハク酸の混合エステルである。
【0038】
(メタ)アクリル酸系重合体類としては、不純物低減の観点から、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、メタクリル酸コポリマーS、メタクリル酸コポリマーL及びメタクリル酸コポリマーLDよりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
【0039】
硬化油は、魚油又は他の動物性若しくは植物性の脂肪油に水素を添加して得た脂肪である。
カルナウバロウは、カルナウバヤシの葉から得たロウである。
ポリアルキレングリコール類としては、不純物低減の観点から、マクロゴール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖(砂糖)と植物油由来の脂肪酸から作られるシュガーエステルである。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等が挙げられる。
【0040】
高級脂肪酸、高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、ベヘニン酸、ベヘニン酸ナトリウム等が挙げられる。高級脂肪酸、高級脂肪酸塩は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
成分(A)を分散させる担体の含有量は、不純物低減の観点から、本発明の医薬組成物中、0.1質量%以上40質量%以下が好ましく、10質量%以上30質量%以下がより好ましい。
【0042】
成分(A)に対するそれを分散させる成分(C)の含有質量比〔(C)/(A)〕は特に限定されないが、不純物低減の観点から、0.1以上3以下が好ましく、0.4以上1.5以下がより好ましい。
【0043】
成分(C)中に成分(A)が分散した固体分散体の含有量の合計は特に限定されないが、本発明の医薬組成物中、50質量%以上100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましい。
【0044】
次に、上記添加物層について説明する。
添加物層としては、成分(B)を含有するものが好ましい。添加物層に成分(B)を含有せしめる場合において、成分(B)の含有量は、添加物層中、50質量%以上100質量%以下が好ましく、70質量%以上100質量%以下がより好ましい。
成分(B)以外の添加物としては、上記した製剤添加物(賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、流動化剤、結合剤、界面活性剤、コーティング剤、可塑剤、抗酸化剤、甘味剤、矯味剤、着香剤・香料、安定化剤等)や他の製剤添加物が挙げられる。これらの中でも、添加物層に用いる添加物としては、崩壊剤、滑沢剤が特に好ましい。
【0045】
本発明の医薬組成物は、経口投与用製剤でも非経口投与用製剤でもよいが、好ましくは経口投与用製剤である。また、本発明の医薬組成物としては、固形製剤が好ましく、経口投与用固形製剤がより好ましい。
経口投与用固形製剤の剤形としては、例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、ドライシロップ剤等が挙げられる。これらの中でも、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル剤が好ましく、錠剤がより好ましい。錠剤としては、素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、口腔内崩壊錠、チュアブル錠等が挙げられる。本発明の医薬組成物は、剤形が錠剤の場合であっても、崩壊性、ニンテダニブ溶出性及び硬度が良好である。
【0046】
本発明の医薬組成物は、(A)ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物及び(B)pH調整剤を混合する工程を含む製造方法によって製造できる。例えば錠剤の場合、成分(A)及び(B)並びに必要に応じて製剤添加物を混合した後、打錠することよって、又は成分(A)及び(B)並びに必要に応じて製剤添加物を混合して造粒し、得られた顆粒に対して製剤添加物を混合し、打錠することによって製造できる。
上記各混合は、容器回転式混合機、機械攪拌式混合機等を用いて常法に従って行えばよい。なお、顆粒と製剤添加物とを混合する前又は混合した後に、顆粒及び/又は製剤添加物の粒子径を、粉砕等の手法により整えることが好ましい。この操作によって、錠剤の含量均一性を改善することができる。
また、打錠は、ロータリー打錠機、単発打錠機等を用いて常法に従って行えばよい。本発明によれば、ニンテダニブ錠剤を直接打錠法や湿式造粒法で製造した場合でも崩壊性や溶出性を満足させることができる。
なお、錠剤は、外部滑沢法を用いなくとも圧縮成型が可能であるが、外部滑沢法を用いて成型することもできる。この場合には、滑沢剤を除く成分を混合した後、滑沢剤を杵臼に噴霧しながら打錠を行うか、あるいは、滑沢剤の一部を、滑沢剤を除く成分とあらかじめ混合しておいた後、残りの滑沢剤を杵臼に噴霧しながら打錠を行えばよい。
【0047】
また、成分(A)、(B)及び(C)を含有し、且つ成分(C)中に成分(A)が分散した固体分散体を含む医薬組成物を製造する場合は、ホットメルトエクストルーダー法(以下、「HME法」ともいう。)、スプレードライ法(以下、「SD法」ともいう。)等により固体分散体を得て、必要に応じて造粒、製剤添加物の混合及び打錠等を行えばよい。固体分散体の製造方法としては、HME法が好ましい。HME法で製造した場合でもニンテダニブ由来の不純物含有量を低減させることができる。また、無溶媒で製造可能であり、固体分散体中の成分分布が均一となりやすい。
成分(B)は、成分(A)とともに成分(C)中に分散させる手法、固体分散体を造粒した後に製剤添加物とともに混合する手法、又はこれら両方の手法の組み合わせによって、医薬組成物に含有せしめることができる。
【0048】
HME法としては、成分(A)を成分(C)(必要に応じて更に成分(B)等の他の成分)と溶融混錬する溶融混錬工程と、当該溶融混錬工程で得られた溶融物を固化させる固化工程とを含む方法が挙げられる。より具体的には、成分(A)及び成分(C)(必要に応じて更に成分(B)等の他の成分)を混合して固形状組成物を得る混合工程と、得られた固形状組成物を溶融混錬する溶融混錬工程と、当該溶融混錬工程で得られた溶融物を固化させる固化工程とを含む方法が挙げられる。
【0049】
溶融混錬工程としては、具体的に、成分(A)と成分(C)(必要に応じて更に成分(B)等の他の成分)を加熱しながら混錬押出する工程が挙げられる。溶融混錬工程は、慣用される溶融混錬装置(例えば2軸エクストルーダー)を用いて行うことができる。押出部の形状によって、棒状、シート状、顆粒状及びカプセル状など任意の形態の固体分散体が得られる。
溶融混錬工程の温度は通常成分(C)の融点又はガラス転移点以上であり、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上であり、また、好ましくは250℃以下、より好ましくは220℃以下、更に好ましくは200℃以下である。
溶融混錬時間は、装置に投入する組成物の総量に応じて適宜設定すればよいが、通常1~30分間、好ましくは1~10分間である。
【0050】
固化工程としては、例えば、溶融混錬工程で得られた溶融物を冷却する手法が挙げられる。冷却温度は、通常3~40℃である。
また、固化工程で得られた固化物を整粒する整粒工程を含んでいてもよい。
このようにして得られた固体分散体をそのまま、或いは必要に応じて造粒、製剤添加物の混合及び打錠等することによって、固体分散体を含む医薬組成物を製造できる。
【0051】
そして、上記のようにして、ニンテダニブ溶出性が改善された医薬組成物を製造できる。
【0052】
また本発明は、ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物に、pH調整剤を含有せしめる工程を含む、ニンテダニブ若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの溶媒和物の溶出性を改善する方法を提供する。この態様の発明において、各種文言の意義、各成分の配合量等は全て本発明の医薬組成物について説明したのと同様である。
【実施例0053】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
本実施例において使用した成分は、特に明示しない限り以下のものである。
乳糖:Pharmatose200M(DFEファーマ社製)
エリスリトール:エリスリトールT微粉(三菱ケミカルフーズ社製)
硬化油:ラブリワックス-101(フロイント社製)、ラブリワックス-103(フロイント社製)
ステアリン酸:NF-GenAR(AVANTOR社製)
大豆レシチン:SLP-ホワイト(辻製油社製)
結晶セルロース:セオラスUF-702(旭化成社製)
トウモロコシデンプン:ST-C(日澱化学社製)
ヒドロキシプロピルセルロース:HPC-L(日本曹達社製)
フマル酸:(扶桑化学工業社製)
アジピン酸:(富士フィルム和光純薬社製)
アスコルビン酸:(富士フィルム和光純薬社製)
マロン酸:(富士フィルム和光純薬社製)
酒石酸:(富士フィルム和光純薬社製)
クエン酸:(富士フィルム和光純薬社製)
コハク酸:(富士フィルム和光純薬社製)
リンゴ酸:(富士フィルム和光純薬社製)
パラオキシ安息香酸エチル:(富士フィルム和光純薬社製)
リン酸二水素カリウム:(富士フィルム和光純薬社製)
フマル酸一ナトリウム:(扶桑化学工業株式会社社製)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:NBD-020(信越化学社製)
軽質無水ケイ酸:アドソリダー‐101(フロイント産業製)
含水二酸化ケイ素:アドソリダー‐102(フロイント産業製)
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:ノイシリンUFL2(富士化学工業社製)
無水リン酸水素カルシウム:軽質無水リン酸水素カルシウム(協和化学工業社製)
ケイ酸カルシウム:フローライトR(富田製薬社製)
合成ケイ酸アルミニウム:軽質合成ケイ酸アルミニウム(協和化学工業社製)
クロスポビドン:Kolidon CL(BASF社製)
ステアリン酸マグネシウム:植物性ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業社製)
【0055】
(実施例1 錠剤)
以下の工程により、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を1錠あたりに180.60mg含有する錠剤(質量360mg)を得た。
1)混合工程(1):ニンテダニブエタンスルホン酸塩とステアリン酸とエリスリトールと大豆レシチンを質量比50.2:22.6:2.5:0.5で混合して混合物100gを得た。
2)溶融混錬工程、冷却工程:上記1)で得られた混合物を、2軸エクストルーダー(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Pharma11)により135℃で約4分間溶融混錬した後、20℃に冷却した。
3)整粒工程:上記2)で得られた混錬物を、整粒機(ダルトン社製パワーミルP-02S)を用いて整粒することで、ニンテダニブ固体分散体を得た。
4)混合工程(2):上記3)で得られたニンテダニブ固体分散体及び表1の「混合顆粒」に示す成分を表1に示す組成になるように混合した。
5)打錠工程:単発式打錠機(市橋精機社製HANDTAB-200)を用いて打錠することで、実施例1の錠剤を得た。
【0056】
(実施例2~41及び比較例1~6 錠剤)
表1~11に記載の処方及び製剤重量に従う以外は、実施例1と同様にして錠剤を得た。
【0057】
(比較例7~11 錠剤)
以下の工程により、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を含有する錠剤を得た。
表12の「混合造粒」に示す成分を、乳鉢を用いて表12に示す組成になるように造粒した。得られた造粒物に、表12の「混合顆粒」に示す成分を添加して、単発式打錠機(市橋精機社製HANDTAB-200)を用いて打錠することで、比較例7~11の錠剤を得た。
【0058】
(試験例1 溶出性)
水900mLに錠剤1錠を加え、パドル法により毎分50回転で溶出試験を行い、各採取時点(5分、10分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分)に試験液を採取してニンテダニブの溶出率をHPLCで測定した。60分後、90分後、120分後のニンテダニブ溶出率の結果を表1~12に示す。溶出率が高いほど溶出性が良好といえる。
(試験例2 錠剤硬度)
錠剤硬度計(岡田精工社製ポータブルチェッカーPC-30)を用いて硬度を測定し、得られた硬度(N)を錠剤の破断面積(mm2)で除した値を錠剤硬度(N/mm2)とした。破断面積は、錠剤厚みと錠剤直径により算出した値である。結果を表1~12に示す。1.0N/mm2以上の場合に硬度が良好といえる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【表9】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】
(試験例3 崩壊性)
実施例1~3の錠剤について、試験例1の溶出試験の各採取時点に目視観察を行った。試料が明らかに原形をとどめない軟質の物質となり(ゲル状化)、その軟質物質が試験容器(ベッセル)の底部に認められなくなったとき、試料は崩壊したものとし、その時間を記録した。結果を表13に示す。なお、比較例1、3、4の錠剤についても、崩壊性を同様に評価したところ、試験時間(180分)中に試料は崩壊しなかった。
【0072】
【表13】
【0073】
(試験例4 pH)
表14に示すpH調整剤の飽和水溶液を調製し、pH計(堀場アドバンスドテクノ製pHメータF-72)を用いて、25℃におけるpHを測定した。結果を表14に示す。なお、比較例10の錠剤で使用した無水リン酸水素カルシウムについて、4質量%懸濁溶液の25℃におけるpHを測定したところ6.2だった。
【0074】
【表14】