(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184500
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】濃度測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/59 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G01N21/59 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023099162
(22)【出願日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0073401
(32)【優先日】2022-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523231059
【氏名又は名称】韓國恩替股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】洪永鎬
(72)【発明者】
【氏名】朴敬元
(72)【発明者】
【氏名】李東▲哲▼
(72)【発明者】
【氏名】李庸珍
(72)【発明者】
【氏名】趙洛賢
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059AA05
2G059BB04
2G059DD17
2G059DD18
2G059EE01
2G059FF04
2G059FF08
2G059GG03
2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
2G059JJ02
2G059JJ22
2G059KK01
2G059KK09
2G059MM01
2G059MM05
(57)【要約】
【課題】濃度測定装置を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る濃度測定装置は、測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、測定対象である試料を透過する前記測定光の一部である第1測定光を受光する測定部、及び前記試料を透過しない前記測定光の一部である第2測定光を受光するリファレンス測定部を含見える前記測定部から検出される光量と前記リファレンス測定部から検出される光量に基づいて前記試料の吸光量を測定し、前記試料の化学物質濃度を測定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、
測定対象である試料を透過する前記測定光の一部である第1測定光を受光する測定部と、
前記試料を透過しない前記測定光の一部である第2測定光を受光するリファレンス測定部と、
を含み、
前記測定部で検出される光量と前記リファレンス測定部で検出される光量に基づいて前記試料の吸光量を測定し、前記試料の化学物質濃度を測定する、濃度測定装置。
【請求項2】
前記測定部は、
前記第1測定光を受光する測定フォトダイオードセンサと、
前記測定フォトダイオードセンサで前記第1測定光をフォーカシングする第1レンズと、
を含む、請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項3】
前記リファレンス測定部は、
前記第2測定光を受光するリファレンスフォトダイオードセンサと、
前記リファレンスフォトダイオードセンサで前記第2測定光をフォーカシングする第2レンズと、
を含む、請求項2に記載の濃度測定装置。
【請求項4】
前記発光部と前記試料との間に位置し、前記測定光を前記第1測定光及び前記第2測定光に分離させる分光部をさらに含み、
前記分光部は、前記第1測定光を透過させ、前記第2測定光を反射させるビームスプリッタである、請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項5】
前記発光部、前記測定部、前記リファレンス測定部が内部に配置されるハウジングと、
前記ハウジングの内部に配置され、前記ハウジングの内部温度を保持させる恒温モジュールと、
をさらに含み、
前記恒温モジュールは、
前記ハウジングの少なくとも一部を横切って延びる試料供給管と、
前記第1光源に連結されて前記第1光源の熱を発散させるヒートシンクと、
前記ハウジングの内部温度を検出する温度検出センサと、
前記ハウジングの内部を冷却させるファンと、
を含む、請求項1に記載の濃度測定装置。
【請求項6】
前記ビームスプリッタと前記リファレンス測定部との間に位置し、前記第2測定光を前記リファレンス測定部に向かうようにする反射ミラーをさらに含む、請求項4に記載の濃度測定装置。
【請求項7】
測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、
前記測定光の測定対象である試料を透過する前記測定光を受光する測定部と、
前記測定部の異常事態を検証する検証部と、
を含み、
前記検証部は、検証光を発生させる第2光源を含み、
前記第2光源は試料を経過することなく前記測定部に受光される、濃度測定装置。
【請求項8】
前記検証部は、特定の波長の光をフィルタリングする光フィルタをさらに含み、
前記測定部と試料との間に光フィルタが位置し、前記光フィルタは、前記測定光を透過させて前記検証光を前記測定部に向かって反射させ、
前記第2光源で発生させる前記検証光の光量と、前記測定部で受光される前記検証光の光量とを比較して前記測定部の異常事態が検証される、請求項7に記載の濃度測定装置。
【請求項9】
測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、
検証光を発生させる第2光源を含む検証部と、
前記発光部と測定対象である試料との間に位置し、前記測定光を第1測定光及び第2測定光に分光させる分光部と、
前記試料を透過する前記第1測定光を受光する測定部と、
前記試料を透過しない前記第2測定光を受光するリファレンス測定部と、
を含み、
前記測定部で検出される光量と前記リファレンス測定部で検出される光量に基づいて前記試料の吸光量を測定し、前記試料の化学物質濃度を測定し、
前記検証光は前記測定部の異常事態を検証し、
前記測定部は測定フォトダイオードセンサを含み、
前記リファレンス測定部はリファレンスフォトダイオードセンサを含み、
前記分光部は、
前記第1測定光を透過させ、前記第2測定光は反射させるビームスプリッタであり、
前記測定フォトダイオードセンサ又は前記リファレンスフォトダイオードセンサの老朽化程度により交替のアラームが提供される、濃度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の様々な実施形態は濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体は様々な段階を介して製造され、例えば、エッチング工程段階では薬液を使用してもよい。薬液の濃度は、半導体の品質に影響を与えられることから、半導体の製造に使用される薬液の濃度は一定に保持される必要がある。
【0003】
薬液の濃度を管理するために、薬液の濃度を測定することができる。例えば、滴定方式を利用したり、吸光程度を判断する方式で薬液の濃度が測定され得る。例えば、大韓民国公開特許第10-2021-0048111号には、濃度測定装置及びそのシステムと濃度測定方法が開示されている。
【0004】
前述した背景技術は、発明者が本発明の導出過程で保持したり習得したものであり、必ず本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態に係る目的は、薬液の濃度を測定する濃度測定装置を提供することにある。
【0006】
一実施形態に係る目的は、測定に適切な温度を保持して信頼性のある測定結果が取得できるようにする濃度測定装置を提供することにある。
【0007】
一実施形態に係る目的は、装置部品の老朽化程度をモニタリングできる濃度測定装置を提供することにある。
【0008】
一実施形態に係る目的は、自己検証を行って異常の有無を判別できる濃度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態に係る濃度測定装置は、測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、測定対象である試料を透過する前記測定光の一部である第1測定光を受光する測定部と、前記試料を透過しない前記測定光の一部である第2測定光を受光するリファレンス測定部とを含み、前記測定部で検出される光量と前記リファレンス測定部で検出される光量に基づいて前記試料の吸光量を測定し、前記試料の化学物質濃度を測定する。
【0010】
前記測定部は、前記第1測定光を受光する測定フォトダイオードセンサと、前記測定フォトダイオードセンサで前記第1測定光をフォーカシングする第1レンズとを含むことができる。
【0011】
前記リファレンス測定部は、前記第2測定光を受光するリファレンスフォトダイオードセンサと、前記リファレンスフォトダイオードセンサで前記第2測定光をフォーカシングする第2レンズと含み、前記発光部と前記試料との間に位置し、前記測定光を前記第1測定光及び前記第2測定光に分離させる分光部をさらに含み、前記分光部は、前記第1測定光を透過させ、前記第2測定光を反射させるビームスプリッタであってもよい。
【0012】
一実施形態に係る濃度測定装置は、前記発光部、前記測定部、前記リファレンス測定部が内部に配置されるハウジングと、前記ハウジングの内部に配置され、前記ハウジングの内部温度を保持させる恒温モジュールとをさらに含み、前記恒温モジュールは、前記ハウジングの少なくとも一部を横切って延びる試料供給管と、前記第1光源に連結されて前記第1光源の熱を発散させるヒートシンクと、前記ハウジングの内部温度を検出する温度検出センサと、前記ハウジングの内部を冷却させるファンとを含むことができる。
【0013】
一実施形態に係る濃度測定装置は、前記ビームスプリッタと前記リファレンス測定部との間に位置し、前記第2測定光を前記リファレンス測定部に向かうようにする反射ミラーをさらに含むことができる。
【0014】
一実施形態に係る濃度測定装置は、測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、前記測定光の測定対象である試料を透過する前記測定光を受光する測定部と、前記測定部の異常事態を検証する検証部とを含み、前記検証部は、検証光を発生させる第2光源を含み、前記第2光源は試料を経過することなく前記測定部に受光されることができる。
【0015】
前記検証部は、特定の波長の光をフィルタリングする光フィルタをさらに含み、前記測定部と試料との間に光フィルタが位置し、前記光フィルタは、前記測定光を透過させて前記検証光を前記測定部に向かって反射させ、前記第2光源で発生させる前記検証光の光量と、前記測定部で受光される前記検証光の光量とを比較して前記測定部の異常事態が検証されることができる。
【0016】
一実施形態に係る一実施形態に係る濃度測定装置は、測定光を発生させる第1光源を含む発光部と、検証光を発生させる第2光源を含む検証部と、前記発光部と測定対象である試料との間に位置し、前記測定光を第1測定光及び第2測定光に分光させる分光部と、前記試料を透過する前記第1測定光を受光する測定部と、前記試料を透過しない前記第2測定光を受光するリファレンス測定部とを含み、前記測定部で検出される光量と前記リファレンス測定部で検出される光量に基づいて前記試料の吸光量を測定し、前記試料の化学物質濃度を測定し、前記検証光は前記測定部の異常事態を検証し、前記測定部は測定フォトダイオードセンサを含み、前記リファレンス測定部はリファレンスフォトダイオードセンサを含み、前記分光部は、前記第1測定光を透過させ、前記第2測定光は反射させるビームスプリッタであり、前記測定フォトダイオードセンサ又は前記リファレンスフォトダイオードセンサの老朽化程度により交替のアラームが提供されることができる。
【発明の効果】
【0017】
一実施形態に係る濃度測定装置は、薬液の濃度を測定することができる。
【0018】
一実施形態に係る濃度測定装置は、測定に適切な温度を保持して信頼性のある測定結果を取得することができる。
【0019】
一実施形態に係る濃度測定装置は、装置部品の老朽化程度をモニタリングすることができる。
【0020】
一実施形態に係る濃度測定装置は、自己検証を行って異常の有無を判別することができる。
【0021】
一実施形態に係る濃度測定装置の効果は、以上で言及したものなどに限定されず、言及されない他の効果は、下記の記載によって当業者にとって明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態に係る濃度測定装置の外部形状の斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る濃度測定装置の概略図である。
【
図3】一実施形態に係る濃度測定装置の濃度測定原理を示す。
【
図4】一実施形態に係る濃度測定装置の測定モードを示す。
【
図5】過酸化水素水に対する光の波長ごとの透過性を示す。
【
図7】一実施形態に係る濃度測定装置の検証モードを示す。
【
図8】一実施形態に係る濃度測定装置の老朽化測定に関する内容を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して実施形態について詳説する。しかし、本明細書で開示する特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示したものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されるものではない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれているものと理解されなければならない。
【0024】
実施形態で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0025】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0026】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0027】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されたり接続されるが、各構成要素間で別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」され得ると理解できるのであろう。
【0028】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0029】
図1は、一実施形態に係る濃度測定装置100の外部形状の斜視図であり、
図2は、一実施形態に係る濃度測定装置100の概略図である。
【0030】
一実施形態に係る濃度測定装置100は
図2に示すような構成を含み、
図2に示している構成は、
図1に示された形状を有するハウジング110の内部の任意の位置に収容されてもよい。
【0031】
図1を参照すると、一実施形態に係る濃度測定装置100の外部形状を構成できるハウジング110の形状は様々である。
【0032】
図2を参照すると、一実施形態に係る濃度測定装置100は、測定光LMを発生させる発光部120、測定光LMを測定光LMの一部である第1測定光LM1と第2測定光LM2とに分離させる分光部130、測定対象である試料Tを透過する第1測定光LM1を受光する測定部160、試料Tを透過しない第2測定光LM2を受光するリファレンス測定部170、第2測定光LM2をリファレンス測定部170に向かわせる反射ミラー140、測定部160の異常事態を検証する検証部180、及び装置を制御する制御部(図示せず)を含んでいる。
【0033】
発光部120は、測定光LMを発生させる第1光源121及び測定光LMを平行に透過させ得る視準レンズ122を含む。また、第1光源121はLEDを含んでもよい。
【0034】
第1光源121が発生させる光の波長は様々である。これについては後述する。
【0035】
分光部130は、例えば、発光部120と試料Tとの間に位置し、また、分光部130は、第1測定光LM1を透過させて第2測定光LM2を反射させることができる。一方、第1測定光LM1及び第2測定光LM2の区別は、透過及び反射による相対的な概念であることを当技術分野の当業者は理解できるのであろう。
【0036】
また、分光部130は第1測定光LM1を透過させ、第2測定光LM2を反射させるビームスプリッタ131であってもよい。ビームスプリッタ131は、測定光LMに対して様々な配向を有してもよい。例えば、ビームスプリッタ131は、測定光LMの一部である第1測定光LM1を透過させて測定光LMの一部である第2測定光LM2を反射させるように配向してもよい。例えば、ビームスプリッタ131は、入射される測定光LMが全反射されないように配向されてもよい。
【0037】
一方、測定対象となる試料Tは試料部150に配置されてもよい。試料Tは、外部から設けられる配管(図示せず)を介して試料部150に供給され得る。
【0038】
測定部160は、第1測定光LM1を受光する測定フォトダイオードセンサ162及び測定フォトダイオードセンサ162に第1測定光LM1をフォーカシングする第1レンズ161を含む。
【0039】
測定フォトダイオードセンサ162は、光信号を電気信号に変換させ得るフォトダイオードセンサであってもよい。例えば、測定フォトダイオードセンサ162は、受光される第1測定光LM1の光量を電気的信号に変換させて制御部(図示せず)に伝達することができる。
【0040】
第1レンズ161は、第1測定光LM1を測定フォトダイオードセンサ162に受光させるために、第1測定光LM1を測定フォトダイオードセンサ162にフォーカシングすることができる。第1レンズ161は、様々な形態のレンズであってもよい。例えば、第1レンズ161は球面レンズ又は非球面レンズであってもよい。
【0041】
反射ミラー140は、ビームスプリッタ131とリファレンス測定部170との間に設けられてもよい。反射ミラー140は様々な形態のミラーであってもよい。例えば、反射ミラー140は平坦な形態のミラーであってもよく、入射される第2測定光LM2を全て平行に反射させてもよい。
【0042】
リファレンス測定部170は、第2測定光LM2を受光するリファレンスフォトダイオードセンサ172及びリファレンスフォトダイオードセンサ172に第2測定光LM2をフォーカシングする第2レンズ171を含む。
【0043】
レファレンスフォトダイオードセンサ172は、光信号を電気信号に変換できるフォトダイオードセンサであってもよい。例えば、レファレンスフォトダイオードセンサー172は、受光される第2測定光LM2の光量を電気的信号に変換させて制御部(図示せず)に伝達してもよい。
【0044】
第2レンズ171は、第2測定光LM2をリファレンスフォトダイオードセンサ172に受光させるために、第2測定光LM2をリファレンスフォトダイオードセンサ172にフォーカシングしてもよい。第2レンズ171は様々な形態のレンズであってもよい。例えば、第2レンズ171は、球面レンズ又は非球面レンズであってもよい。
【0045】
図3は、一実施形態に係る濃度測定装置100の濃度測定原理を示す。以下、一実施形態に係る濃度測定装置100の濃度測定原理について説明する。
【0046】
図3を参照すると、一実施形態に係る濃度測定装置100の一部の構成が図示されている。発光部120に対応できる光源で光が発生した後、光は試料Tに透過される。透過された光は、測定部160に対応できる検出計に受光される。ここで、試料Tの過酸化水素水(H
2O
2)又は硫酸(H
2SO
4)の濃度に応じて、光の吸光される程度が変わり得る。従って、光の透過以前の光量と透過以後の光量に基づいて、試料Tの吸光量を測定して試料Tの化学物質濃度を測定することができる。
【0047】
図4は、一実施形態に係る濃度測定装置100の測定モードを示す。
【0048】
図2及び
図4を共に参照すると、一実施形態に係る濃度測定装置100は、測定光LMを第1測定光LM1と第2測定光LM2に分光させるビームスプリッタ131により同じ測定光LMを同じ波長の2つの部分光に分離させ、それぞれ測定部160とレファレンス測定部170に受光させることができる。
【0049】
第1測定光LM1は、試料Tを透過して一部が吸光されるが、第2測定光LM2は、試料Tを透過しないため全く吸光されない。第1測定光LM1を介して吸光後の光量が分かり、第2測定光LM2を介して吸光されない測定光LM自体の光量が分かるため、第1測定光LM1と第2測定光LM2とを比較し、吸光量を測定することができる。このような吸光量を介して結論的に濃度測定装置100は、試料Tの化学物質濃度を測定し得る。
【0050】
ここで、溶液の種類に応じて、特定溶液は特定の波長の光を多く吸収できるため、測定対象の試料T溶液の種類に応じて適切な波長の光を選択することができる。過酸化水素水溶液及び硫酸溶液に対する適切な波長の光は、以下で説明する。
【0051】
図5は、過酸化水素水に対する光の波長ごとの透過性を示す。
【0052】
図5を参照すると、x軸は波長を示し、y軸は透過性を示す。特定の波長で透過性が高ければ、その特定の波長では溶液に対する吸光が円満に行われないことを意味する。
【0053】
約275nmの紫外線領域で過酸化水素水の濃度差(例えば、3.7%、1.85%及び0.92%)により光の透過する程度が大きく変わることが分かる。従って、溶液の過酸化水素水の濃度を測定するとき、紫外線領域の測定光(例えば、
図4の測定光LM)が使用されてもよい。
【0054】
図6を参照すると、x軸は波長を示し、y軸は透過性を示す。特定の波長で透過性が高ければ、その特定の波長では溶液に対する吸光が円満に行われないことを意味する。
【0055】
約2200nmの赤外線領域で硫酸の濃度差(例えば、1~10%)により光の透過される程度が大きく変わることが分かる。従って、溶液の硫酸の濃度を測定するとき、赤外線領域の測定光(例えば、
図4の測定光LM)が使用されてもよい。
【0056】
図7は、一実施形態に係る濃度測定装置100の検証モードを示す。
【0057】
図7を参照すると、検証部180は、検証光LCを発生させる第2光源181及び特定波長の光をフィルタリングする光フィルター182を含む。検証光LCは、試料Tを経過せず測定部160の測定フォトダイオードセンサ162に受光されてもよい。
【0058】
光フィルタ182は、試料部150と測定部160との間に設けられてもよい。
【0059】
また、光フィルタ182は、
図4に示されている測定モードで測定光LMにいずれの影響を及ぼさないように測定光LMを透過させ、検証モードでのみ検証光LCに対して機能できるように検証光LCを測定部160に向かって反射させることができる。
【0060】
例えば、光フィルタ182は、バンドパスフィルタであってもよい。例えば、光フィルタ182は、測定光(例えば、
図4の測定光LM)として使用される赤外線及び紫外線領域の光を通過させ、その間の領域の光を反射させるバンドパスフィルタであってもよい。
【0061】
そのため、検証光LCは赤外線と紫外線との間の領域の光であってもよい。例えば、検証光LCは、240nmと2200nmとの間の波長を有する光であってもよい。例えば、検証光LCは、約515nmの波長を有する光であってもよい。
【0062】
検証モードでは、第1光源121から測定光LMが発生しないことがあり、第2光源181でのみ検証光LCが発生することがある。その後、検証光LCは、光フィルタ182によって測定部160の測定フォトダイオードセンサ162に受光され、第2光源181で発生させる前記検証光LCの光量と前記測定部160で受光される前記検証光LCの光量とを比較して前記測定部160の異常事態を検証することができる。例えば、測定フォトダイオードセンサ162に異常がある場合、発生する検証光LCの光量とは異なる値が測定され、測定フォトダイオードセンサ162に異常がない場合は、発生される検証光LCの光量と同じ値が測定される。
【0063】
図8は、一実施形態に係る濃度測定装置100の老朽化測定に関する内容を示す。例えば、濃度測定装置100は、情報を表示できるディスプレイ(図示せず)を含んでもよく、前記ディスプレイに
図8に示すような情報が表示される。
【0064】
老朽化測定に関して、センサの仕様上、寿命、使用時間、リファレンス測定部170で測定される光量などが表示されることができる。
【0065】
初期にリファレンス測定部170で測定される光量に対比して、予め指定された比率だけ減少した光量が測定される場合にアラームが提供されてもよい。
【0066】
一方、濃度測定は、試料Tを経過しない光(例えば、
図4に示す第2測定光LM2)及び試料Tを経過する光(例えば、
図4に示す第1測定光LM1)を比較して実行されるため、センサの老朽化に関係なく、信頼性のある値を取得することができる。
【0067】
また、一実施形態に係る濃度測定装置100は、ハウジングの内部に配置されている恒温モジュール(図示せず)を含んでもよい。温度変化に応じて、溶液の吸光量が変わり得るため、前記恒温モジュールは、測定に適切な環境のために温度を保持させることができる。
【0068】
前記恒温モジュールは、ハウジング(例えば、
図1に示すハウジング110)の少なくとも一部を横切って延びる試料供給管(図示せず)、第1光源(例えば、
図2に示す第1光源121)に連結されて前記第1光源の熱を発散させるヒートシンク(図示せず)、前記ハウジングの内部温度を検出する温度検出センサ(図示せず)、前記ハウジングの内部を冷却させるファン(図示せず)を含んでもよい。
【0069】
前記試料供給管は、例えば、試料部(例えば、
図2に示す試料部150)に連結されて前記試料部に試料を供給してもよい。前記試料供給管の延長経路は様々である。例えば、前記試料供給管は、前記ハウジングの内部において、一部は直線に延長されてもよく、一部はカーブになってもよく、一部は巻回されてもよい。前記視標供給管が前記ハウジングの内部で長い試料供給経路を形成することにより、試料の温度はハウジングの内部に設定されている温度と同じであるか、それに近く保持されてもよい。
【0070】
前記ヒートシンクは、前記第1光源が測定光を発生させて発生し得る熱を放熱させることができる。
【0071】
前記温度検出センサは、前記ハウジングの内部温度を検出して前記ファンの作動を制御するための温度情報を提供することができる。例えば、前記温度検出センサは、ペルチェ素子を含んでもよく、前記ペルチェ素子により測定されたハウジングの内部温度が設定温度よりも高ければ、前記ファンを作動させて前記ハウジングの内部温度は設定温度の近くに保持されることができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても適切な結果を達成することができる。
【0073】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【外国語明細書】