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  • 特開-農作物用温水及び給水システム 図1
  • 特開-農作物用温水及び給水システム 図2
  • 特開-農作物用温水及び給水システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184505
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】農作物用温水及び給水システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20231221BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20231221BHJP
   A01G 25/02 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A01G7/00 601Z
A01G27/00 504B
A01G25/02 601K
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099309
(22)【出願日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2022-0073935
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523231233
【氏名又は名称】ジーアルティ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ オクノ
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA17
2B022DA19
(57)【要約】
【課題】本発明は農作物用温水及び給水システムに関し、詳しくは、農作物の凍霜害と枯死を防止するための気候変化現象対応用の農作物用温水及び給水システムに関する。
【解決手段】本発明はボイラー11によって高温水を生成して貯蔵し、給水源ポンプ12から供給される常温水を貯蔵する高温水兼給水槽10と、給水源ポンプ12から供給されて高温水に混合される常温水を貯蔵する小容量の給水槽20と、高温水兼給水槽10と給水槽20に高温水兼給水ポンプ22aと給水ポンプ22bを付設した吐出管21a、21bをそれぞれ連結し、前記吐出管21a、21bを統合して連結した噴射導管23と、前記噴射導管23に設置した温水温度検知手段26、40と、を含み、高温水兼給水槽10に貯蔵されている高温水と給水槽20の常温水を混合した温水を農作物の周囲に噴射するか、高温水兼給水槽に貯蔵されている常温水を農作物に噴射するようにしたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラーによって高温水を生成して貯蔵し、給水源ポンプから供給される常温水を貯蔵する高温水兼給水槽と、
前記給水源ポンプから供給されて前記高温水に混合される常温水を貯蔵する小容量の給水槽と、
前記高温水兼給水槽と給水槽に、高温水兼給水ポンプを付設した吐出管と給水ポンプを付設した吐出管をそれぞれ連結し、前記吐出管を統合して連結された噴射導管と、
前記噴射導管に設置した温水温度検知手段と、を含み、
前記高温水兼給水槽に貯蔵されている前記高温水と前記給水槽の常温水とを混合した温水を農作物の周囲に噴射する、または、前記高温水兼給水槽に貯蔵されている常温水を前記農作物に噴射するようにした農作物用温水及び給水システム。
【請求項2】
前記高温水兼給水槽は可変容量化された請求項1に記載の農作物用温水及び給水システム。
【請求項3】
前記高温水兼給水ポンプの前記吐出管は、前記高温水兼給水ポンプの入口側に、栄養剤供給手段が付設された、請求項1に記載の農作物用温水及び給水システム。
【請求項4】
前記噴射導管は、前記高温水兼給水槽の上面より高い位置にチェック弁が設置された、請求項1に記載の農作物用温水及び給水システム。
【請求項5】
前記高温水兼給水槽の下部と、前記給水ポンプの前記吐出管における前記給水ポンプの入口側に、給水誘導管を設置した請求項1に記載の農作物用温水及び給水システム。
【請求項6】
前記高温水兼給水槽にレベルセンサが設置された請求項1に記載の農作物用温水及び給水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農作物用温水及び給水システムに関し、詳しくは、農作物の凍霜害と枯死を防止するための気候変化現象対応用の農作物用温水及び給水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、気候変化現象のため冬から春に季節が変わる際に気温が急上昇して、例えば、果樹の花が早く咲いている際に急に気温が氷点下に下がる現象が発生している。前記のように気温が氷点下に下がって花が凍霜害を受けたら、実が実らない、なたは、実った実が腐って収穫が減少するか不可能になり、野菜類などは成長が止まるか凍死する現象が起こっている。
【0003】
また、農作物が成長する際に日照りが続いて給水が不十分であれば、農作物の成長不良現象が発生するか枯死することで莫大な経済的損失を引き起こしてしまう。
【0004】
上述した果樹の花と野菜類の凍霜害などを防止するために、薪ボイラーで生成した温水を通常的にプラスチックで一体に成形した円筒状の飲用水用低用量水タンク(最大容量10トン)に40~50℃の温水を貯蔵しておき、水タンクに連結される噴射導管に設置したスプリンクラーを介して果樹の花の周囲または野菜類などに噴射することを一部の農家で実施したことがある。
【0005】
そして、日照りの際に農作物の枯死防止または成長促進のために、上述した凍霜害防止用の低用量水タンクまたは別途の水タンクに地下水管井から取水した地下水などを貯蔵しておき、必要な際に農作物に給水している。
【0006】
しかし、上述した凍霜害防止用薪ボイラーで生成した温水を水タンクに貯蔵しておき、果樹の花の周囲または野菜類などに噴射することは、水タンクに貯蔵されている40~50℃の温水が、気温が急に氷点下に下がった際に冷却されることによって所期の目的を達成することが難しく、また、薪ボイラーは林業廃棄物を燃料として使用することで燃料を随時に投入する必要があるため管理者が常住しなければならず、煩わしくて別途の人件費がかかってしまう。
【0007】
また、上述した低用量水タンクに貯蔵されている地下水などを農作物に給水することは、水タンクに貯蔵される地下水などの量が少ないため十分な給水が困難という実情があり、水タンクに貯蔵されている地下水が消尽されれば地下水を取水して補充することができるが、水タンクの容量が少なくて随時補充しなければならないため煩わしいのが実情である。
【0008】
本発明の発明者は上述した凍霜害防止及び給水システムの問題点を是正した果樹の凍霜害防止及び給水システムを発明し、特許文献1に開示した。
【0009】
前記特許文献1の果樹の凍霜害防止及び給水システムは、
ボイラーで加熱された熱媒体を、温度センサを設置した温水加熱槽に内蔵されている放熱管に供給して温水を生成する温水生成手段と、
前記温水加熱槽の下部に、その下部をポンプ付設移送導管に連結し温度センサを設置した温水槽と、を備え、
前記温水加熱槽と温水槽の上部を循環導管で連結し、前記循環導管と前記ポンプ付設移送導管によって温水槽の温度調節手段を形成し、温水加熱槽内の温水を温水槽に強制的に循環させて温水槽内の温水が適正温度を維持するようにし、
前記温水槽の下部にポンプ付設噴射導管を連結し、果樹周囲の大気に温水を噴射して果樹周囲の温度を上昇させ、
前記ポンプ付設移送導管のポンプの後方と噴射導管のポンプの後方に給水管を連結し、
前記給水管の入口側に用水源に連結されるポンプ付設球水道管を連結したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2352478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前記特許文献1の果樹の凍霜害防止及び給水システムは、常に適正温度の温水を果樹の周囲に噴射するため、花の凍霜害を防止し、また、一つのシステムで農作物に給水をすることができるという長所があるが、2つの温水槽を備えているため構造が複雑で生産コストが多くかかり、設置面積を大きく占めるため土地の利用が合理的ではないという問題点がある。
【0012】
本発明は上述した問題点を是正し、構造を単純化しながらも大きい面積に植えられている果樹の花と野菜類の凍霜害防止を良好にすると共に、農作物の給水も便利で十分に行うことができる農作物用温水及び給水システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
ボイラーによって高温水を生成して貯蔵し、給水源ポンプから供給される常温水を貯蔵する高温水兼給水槽と、
前記給水源ポンプから供給されて前記高温水に混合される常温水を貯蔵する給水槽と、
前記高温水兼給水槽と給水槽に、高温水兼給水ポンプを付設した吐出管と給水ポンプを付設した吐出管をそれぞれ連結し、前記吐出管を統合して連結された噴射導管と、
前記噴射導管に設置した温水温度検知手段と、を含み、
前記高温水兼給水槽に貯蔵されている高温水と給水槽の常温水とを混合した温水を農作物の周囲に噴射する、または、前記高温水兼給水槽に供給される常温水を農作物に噴射するようにしたものである。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高温水兼給水槽が可変容量化されたものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の高温水兼給水ポンプの吐出管の高温水兼給水ポンプの入口側に栄養剤供給手段が付設されたものである。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の噴射導管が、高温水兼給水槽の上面より高い位置にチェック弁が設置されたものである。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の高温水兼給水槽の下部と、給水ポンプの吐出管における給水ポンプ入口側に、給水誘導管を設置したものである。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の高温水兼給水槽にレベルセンサを設置したものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の請求項1は、高温水兼給水槽を一つのみ設置し、小容量の給水槽を付設することで、構造が簡単で設置面積を小さく占めることで土地利用の生産性を向上させるものである。
【0020】
そして、80~90℃の高温水を常温水に混合して適正温度の温水を大量に生成することができるため、従来のものと同じ容量の温水加熱槽(温水加熱槽兼給水槽)を使用しながらも、従来のものの2倍の面積に植えた果樹の花と野菜類などの凍霜害を良好に防止することができる。
【0021】
また、温水加熱槽兼給水槽を温水の生成と給水の目的で兼用することで、システムの生産性が向上されて農作物の生産原価を大幅に節減することができる。
【0022】
その上、日照りの際に農作物に十分に給水することができるため、農作物の所得増大に寄与することができる。
【0023】
請求項2は、温水加熱槽兼給水槽を可変容量化することで、樹木、野菜類などに十分に温水または給水をすることができるものである。
【0024】
請求項3は、高温水兼給水ポンプの吐出管に、高温水兼給水ポンプの入口側に栄養剤供給手段を付設することで、農作物に温水または給水を噴射する際に栄養剤を混合することで成長促進に寄与することができるものである。
【0025】
請求項4は、噴射導管の高温水兼給水槽の上面より高い位置にチェック弁を設置することにより、温水または給水が吐出されない際に高温水または給水が大気に放出されることを防止することで、温水または給水を再吐出する際に迅速に対応することができ、不必要な損失を防止することができるものである。
【0026】
請求項5は、高温水兼給水槽の下部と給水ポンプの吐出管の給水ポンプの入口側に給水誘導管を設置することで、農作物に吸収する際に給水ポンプも駆動させて噴射圧を増大することで、良好な噴射をすることができるものである。
【0027】
請求項6は、高温水兼給水槽にレベルセンサを設置することで、高・低水位センサが故障したら応急用に使用すると共に、農作物に給水する際に水位制御の機能もすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施例の構成図である。
図2】本発明の第1、2実施例の制御ブロック図である。
図3】本発明の第2実施例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は本発明の第1実施例の構成図であり、図2は本発明の第1、2実施例の制御ブロック図であって、本発明の第1実施例は高温水兼給水槽10と給水槽20に大別される。
【0030】
前記高温水兼給水槽10は、ステンレススチールまたは強化熱硬化性プラスチック(Sheet Molding Compound、SMC、不飽和ポリエステル樹脂に充填剤、触媒、離型剤などを混合したコンパウンドにガラス繊維を含浸補強したもの)で製造された単位パネルを任意の個数で組み立てて、断面を四角形などの多角形に形成して可変容量化したものである。
【0031】
前記のように高温水兼給水槽10を可変容量化すれば、樹木、野菜類などに十分な温水または給水を供給することができるため、果樹の花の凍霜害または樹木、野菜類などの成長障害を良好に防止することができる。
【0032】
前記高温水兼給水槽10は液体または気体燃料用ボイラー11であって、給水源ポンプ12によって管井から取水した地下水または上水道などの常温水を、給水導管13を介して3ウェイ弁14を介在して連結した分岐導管15aに供給されて、80~90℃の高温水を生成して貯蔵しておき、大気温度が氷点下(例えば、-1.5℃)に下降したら分岐導管15bを介して小容量の給水槽20に供給される常温水と混合して設定温度(45~50℃)の温水を果樹の花の周囲に噴射して凍霜害を防止し、前記高温水の温度制御は高温水兼給水槽10の側面に設置されている高温水センサ18の出力値を制御器40に入力して設定された設定値によって制御される。
【0033】
そして、前記高温水兼給水槽10の側面には循環ポンプ16’を付設した高温水循環管16を連結して高温水を強制に循環させることで、高温水兼給水槽10の断面を多角形に形成することで発生する低調な循環の問題点を是正している。
【0034】
前記高温水兼給水槽10には高・低水位センサ17を設置し、給水源ポンプ12と3ウェイ弁14を制御することで、分岐導管15aに供給される給水量を制御する。
【0035】
一方、前記高温水兼給水槽10は大気温度が零度以上を維持して高温水を生成する必要がなければ、日照りなどに備えて高温水兼給水槽10を常温水の貯蔵用途に使用するが、この場合は給水源ポンプ12によって供給される常温水を分岐導管15aに供給されて貯蔵しておき、噴射導管23を介して農作物に給水する。
【0036】
そして、前記高温水兼給水槽10と給水槽20に吐出管21a、21bをそれぞれ連結して高温水兼給水ポンプ22aと給水ポンプ22bを付設し、前記吐出管21a、21bを統合して噴射導管23を連結し、前記噴射導管23に噴射ノズル24を設置して、噴射ノズル24から温水または常温水である給水を農作物に噴射して果樹の花の凍霜害を防止し、野菜類などの成長を促進するが、前記のように温水を噴射する際には吐出管21bに設置した弁31bは開放し、分岐導管15bに設置した弁31aを制御して給水槽20に流入される給水量を調節する。
【0037】
また、前記噴射導管23には温水温度の検知手段である吐出温水センサ26を設置し、吐出管21a、21bの出口側の温水の温度が設定温度(45~50℃)の±5℃になったらその出力値と制御器40に設定されている設定値を比較して高温水兼給水ポンプ22aと給水ポンプ22bの吐出量を調節するか、温水または給水の温度が設定温度より高いか低ければ、つまり、吐出温水の温度が高ければ給水ポンプ22bの故障、吐出温水の温水が低ければ高温水兼給水ポンプ22aの故障と判断して故障したポンプを迅速に修理することができる。
【0038】
前記吐出管21aの高温水兼給水ポンプ22aの入口側に栄養剤供給手段33を付設するが、前記栄養剤供給手段33は、栄養剤貯蔵タンク34と高温水兼給水ポンプ22aの入口側に連結した弁35’付設導管35で構成し、農作物に温水または給水を噴射する際に栄養剤を混合することで成長促進に寄与する。
【0039】
また、前記噴射導管23の高温水兼給水槽10の上面より高い位置にチェック弁27を設置し、噴射導管23に温水または給水が吐出される際には閉鎖され、温水または給水が吐出されない際には開放されるようにすることで、高温水兼給水槽10に貯蔵されている高温水または給水がサイフォン現象によって大気に放出されることを防止することで、温水または給水が必要な際に迅速に対応できるようにし、不必要な損失を防止する。
【0040】
前記3ウェイ弁14、弁31a、31bは手動式または電磁式を使用するが、電磁式を使用する際には図2のように各種センサ17、18、26、28の出力値を制御器40に入力して給水源ポンプ12、3ウェイ弁14、高温水兼給水ポンプ22a、給水ポンプ22b、弁31a、31b、及びボイラー11を制御する。
【0041】
説明していない符号28は外気温センサである。
【0042】
以下、本発明の第1実施例の作用をモード別に説明する。
1.農作物の凍霜害防止
天気予報によって大気温度が氷点下に下がることが予報されれば、3ウェイ弁14を分岐導管15a、15b側に開放し、分岐導管15bに設置した弁31aも開放した後、給水源ポンプ12によって常温水(給水)を高温水兼給水槽10と給水槽20に供給して詰めた後、ボイラー11を稼働して高温水兼給水槽10に貯蔵されている常温水を加熱して80~90℃の高温水を生成して貯蔵されている状態を維持し、貯蔵されていた高温水の温度が下がったら、高温水センサ18の出力値によってボイラー11が再稼働されて、高温水兼給水槽10は常に適正温度の高温水が貯蔵されている状態を維持する。
【0043】
前記のように高温水兼給水槽10に高温水が貯蔵されている状態で外気温が氷点下(例えば、-1.5℃)に下がったら、外気温センサ28の出力値が制御器40に入力され、吐出管21bに設置されている弁31bが開放されると共に、高温水兼給水ポンプ22aと給水ポンプ22bが駆動されながら高温水兼給水槽10に貯蔵されている高温水と給水槽20に貯蔵されている常温水(給水)(この常温水は消尽された量だけ続けて補充される)が各吐出管21a、21bに吐出されながら、噴射導管23で設定温度(45~50℃)を維持しながらノズル24を介してタイマーの設定時間だけ果樹の花の周囲に噴射されて果樹の花の周囲の温度が上昇されることで、果樹の花、樹木及び野菜類などの凍霜害を防止する(前記の一連の弁操作及びポンプ駆動は手動式に行われてもよい)。
【0044】
一方、前記のように設定温度の温水が噴射されて高温水兼給水槽10内の高温水の水位が下降(高温水の消尽)したら、常温水が補充されると共にボイラー11の稼働によって高温水兼給水槽10には常に適正量の高温水が貯蔵されている状態を維持する。
【0045】
しかし、本発明の高温水兼給水槽10は可変容量化され、その容量は通常果樹園などの面積に応じて調節して設置するものであり、高温水兼給水槽10に貯蔵される高温水の量は果樹の花などの一回の凍霜害防止に所要される十分な量を生成するように製作されるため、前記のように高温水の量が一回の噴射量を充足すれば、最初に貯蔵されて加熱された高温水のみでも所期の目的が達成されるため、温水の水位が下降しても常温水の補充は行われない。
【0046】
2.農作物の給水
3ウェイ弁14は分岐導管15a側にのみ開放し、吐出管21bに設置した弁31bを閉鎖した後、給水源ポンプ12によって常温水を高温水兼給水槽10に供給すると共に高温水兼給水ポンプ22aの駆動によって常温水を噴射導管23に噴射し農作物に噴射することで、日照りなどの際に農作物の枯死を防止し成長を促進する。
【0047】
図3は本発明の第2実施例の構成図であって、前記第1実施例との差は、高温水兼給水槽10の下部と吐出管21bの給水ポンプ22b入口側に給水誘導管37を追加に設置し、高温水兼給水槽10内にレベルセンサ38を追加に設置したものであるため、その差についてのみ説明し、同じ技術手段については前記第1実施例を援用する。
【0048】
前記給水誘導管37は農作物の給水時にのみ使用するものであって、高温水兼給水槽10に貯蔵及び供給される常温水を実施例1のように高温水兼給水ポンプ22aのみを使用する際に噴射導管23から噴射される噴射圧が低下するという欠点を是正するために、高温水兼給水槽10の給水を、給水誘導管37を介して給水ポンプ22bの吸入側に供給し、高温水兼給水ポンプ22aと給水ポンプ22bをいずれも使用(駆動)して噴射圧を増大することで、農作物に良好な給水を行うことができるようになる。
【0049】
前記のように作用する際、吐出管21bに設置されている弁31dは閉鎖され、給水誘導管37に設置されている弁31cは開放される。
【0050】
前記レベルセンサ38は、高・低水位センサ17が故障したら応急用に使用すると共に、農作物の給水の際に水位制御の機能も兼ねている。
【符号の説明】
【0051】
10:高温水兼給水槽 13:給水導管
15a、15b:分岐導管 20:給水槽
22a:高温水兼給水ポンプ 22b:給水ポンプ
23:噴射導管
図1
図2
図3