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特開2023-184514マッチング情報処理システム、方法およびプログラム、同プログラムが記憶された記録媒体、並びに、マッチングアプリ、購買レコメンドシステム、広告最適化システムおよび施策情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184514
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】マッチング情報処理システム、方法およびプログラム、同プログラムが記憶された記録媒体、並びに、マッチングアプリ、購買レコメンドシステム、広告最適化システムおよび施策情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/906 20190101AFI20231221BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231221BHJP
【FI】
G06F16/906
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099825
(22)【出願日】2023-06-19
(31)【優先権主張番号】P 2022098501
(32)【優先日】2022-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521340791
【氏名又は名称】株式会社KandaQuantum
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 悠星
(72)【発明者】
【氏名】元木 大介
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175FA03
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】
マッチングを高速で自動的に行う手段を提供すること。
【解決手段】
処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する分類部と、前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される属性別スコア値規定部と、前記分類部によって規定された第2情報と、前記属性別スコア値規定部によって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報との組み合わせを割り出すマッチング部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する分類部と、
前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される属性別スコア値規定部と、
前記分類部によって規定された第2情報と、前記属性別スコア値規定部によって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報との組み合わせを割り出すマッチング部と、
を備えるマッチング情報処理システム。
【請求項2】
前記マッチング部は、前記組み合わせを割り出すに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、
を用いる、請求項1記載のマッチング情報処理システム。
【請求項3】
処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する第1ステップと、
前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される第2ステップと、
前記第1ステップによって規定された第2情報と、前記第2ステップによって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報とのマッチングを行う第3ステップと、
を有するマッチング情報処理方法。
【請求項4】
前記第3ステップにおいては、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、によって、前記第1情報と前記第3情報とのマッチングを行う、請求項3記載のマッチング情報処理方法。
【請求項5】
処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する分類部と、
前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される属性別スコア値規定部と、
前記分類部によって規定された第2情報と、前記属性別スコア値規定部によって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報との組み合わせを割り出すマッチング部と、
として、
コンピュータを機能させるマッチング情報処理プログラム。
【請求項6】
前記マッチング部は、前記組み合わせを割り出すに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、
を用いる、請求項5記載のマッチング情報処理プログラム。
【請求項7】
請求項5若しくは6記載のマッチング情報処理プログラムが記憶された記録媒体。
【請求項8】
タスクに対して、該タスクに含まれる情報を自然言語処理して該タスクに係るカテゴリもしくはカテゴリ群を規定するタスク分類手段と、
人材に対して、該人材が持つ能力を能力分類別にスコア化した分類別能力値が規定される人材能力値規定手段と、
前記タスク分類手段によって得られたカテゴリもしくはカテゴリ群と、前記人材能力値規定手段によって規定された分類別能力値との間で、前記カテゴリもしくはカテゴリ群と前記分類別能力値との一致率を最大化するようにタスクと人材とのマッチングを行うマッチング手段と、
を備えるマッチング情報処理システム。
【請求項9】
前記マッチング手段は、前記タスクと前記人材とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、或いは、古典イジングマシン、もしくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、
を用いる請求項8記載のマッチング情報処理システム。
【請求項10】
案件に対して、該案件に係る情報に含まれる言語要素を分析して前記案件に係るカテゴリもしくはカテゴリ群を規定すると共に前記案件に係る制約条件が定義される案件分類部と、
前記案件にマッチングされるべきマッチング対象である人材に対して、該人材の履歴情報に包含されもしくは関連付けられる能力が能力分類ごとにスコア化された能力分類別スコア値が規定される人材能力値規定部と、
前記案件分類部によって規定されたカテゴリ若しくはカテゴリ群並びに定義された制約条件と、前記人材能力値規定部によって規定された能力分類別スコア値との間で、前記カテゴリ若しくはカテゴリ群並びに制約条件と前記能力分類別スコア値との一致率を最大化させる案件と人材とのマッチングを行うマッチング部と
を備えるマッチング情報処理システム。
【請求項11】
前記マッチング部は、前記組み合わせを割り出すに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、
を用いる請求項10記載のマッチング情報処理システム。
【請求項12】
前記制約条件は、必要工数(人月)、希望単価、支払単価、人月組合せ条件、のうち少なくともいずれか一つである、請求項10記載のマッチング情報処理システム。
【請求項13】
婚活および/若しくは恋愛に係るマッチングアプリにおいて、
第1の性カテゴリを持つ第1カテゴリ人に対して、該第1カテゴリ人に係る性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して前記第1カテゴリ人に係る人物能力分類ごとにスコア化された第1人物能力分類別スコア値を規定すると共に、前記第1カテゴリ人に係る第1制約条件が定義される第1カテゴリ人人物能力値規定部と、
第2の性カテゴリを持つ第2カテゴリ人に対して、該第2カテゴリ人に係る性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して前記第2カテゴリ人に係る人物能力分類ごとにスコア化された第2人物能力分類別スコア値が規定されると共に、前記第2カテゴリ人に係る第2制約条件が定義される第2カテゴリ人人物能力値規定部と、
前記第1カテゴリ人人物能力値規定部によって規定された第1人物能力分類別スコア値並びに定義された第1制約条件と、前記第2カテゴリ人人物能力値規定部によって規定された第2人物能力分類別スコア値並びに定義された第2制約条件との一致率を最大化させる第1カテゴリ人と第2カテゴリ人とのマッチングを行うマッチング部と、
を備えるマッチングアプリ。
【請求項14】
前記マッチング部は、前記第1カテゴリ人と前記第2カテゴリ人とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、或いは、古典イジングマシン、もしくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いる請求項13記載のマッチングアプリ。
【請求項15】
前記制約条件は、デートあるいは飲食若しくは落合場所に係る場所情報、デートあるいは飲食若しくは落合時間に係る時間情報、のうち少なくともいずれか一つである、請求項13若しくは14記載のマッチングアプリ。
【請求項16】
購買された商品および/若しくは役務に対して、該商品および/若しくは役務に係る情報に含まれる言語要素を分析して前記商品および/若しくは役務に係る商品属性若しくは商品属性群を規定する購買対象属性分類部と、
前記商品および/若しくは役務にマッチングされるべきマッチング対象である人材に対して、該人材の購買履歴情報に包含され若しくは関連付けられる人的属性が属性分類ごとにスコア化された人的属性分類別スコア値が規定される人的属性値規定部と、
前記購買対象属性分類部によって規定された商品属性若しくは商品属性群と、前記人的属性値規定部によって規定された人的属性分類別スコア値との間で、前記商品属性若しくは商品属性群と前記人的属性分類別スコア値と、の一致率を最大化させる商品および/若しくは役務と人材とのマッチングを行うマッチング部と、
を備える購買レコメンドシステム。
【請求項17】
前記マッチング部は、前記商品および/若しくは役務と前記人材とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いる請求項16記載の購買レコメンドシステム。
【請求項18】
広告すべき対象である広告対象に対して、該広告対象に係る情報に含まれる言語要素を分析して前記広告対象に係る広告対象属性若しくは広告対象属性群を規定すると共に、前記広告対象に係る制約条件が定義される広告対象属性分類部と、
前記広告対象にマッチングされるべき広告配信ターゲットである人材に対して、該人材に係る購買履歴情報、性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して前記人材に係る人物属性分類ごとにスコア化された人物属性分類別スコア値を規定すると人物属性値規定部と、
前記広告対象属性分類部によって規定された広告対象属性群並びに定義された制約条件と、前記人物属性値規定部によって規定された人物属性分類別スコア値との一致率を最大化させる広告対象と人材とのマッチングを行うマッチング部と、
を備える広告最適化システム。
【請求項19】
前記マッチング部は、前記広告対象と前記人材とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いる請求項18記載の広告最適化システム。
【請求項20】
前記制約条件は、広告の配信媒体に関する配信媒体情報、広告の配信タイミングに関する配信タイミング情報、広告の配信順番に関する配信順番情報、のうち少なくともいずれか一つである、請求項18若しくは19記載の広告最適化システム。
【請求項21】
処理対象の課題を入力または設定により導入する課題導入部と、
前記課題を解析して解決するための施策を探索する施策探索部と、
前記施策を報知する施策報知部と、
を備え、
前記施策探索部は、
請求項1、2、8、9、10、11または12のうちのいずれか1項記載のマッチング情報処理システム
を備える施策情報処理システム。
【請求項22】
前記課題導入部は、前記課題の導入を文字または音声により行う課題導入手段を備える、請求項21記載の施策情報処理システム。
【請求項23】
前記課題導入手段は、前記課題を文字により導入可能な文字入力または文字認識の機能を有する、請求項22記載の施策情報処理システム。
【請求項24】
前記課題導入手段は、前記課題を音声により導入可能な音声入力または音声認識の機能を有する、請求項22記載の施策情報処理システム。
【請求項25】
前記施策探索部は、前記課題の解決策のヒント情報を収集するための施策候補情報収集手段を有する、請求項21記載の施策情報処理システム。
【請求項26】
前記施策候補情報収集手段は、ネット接続を介して前記課題の解決策のヒント情報を収集するためのチャットGPT機能を有する、請求項25記載の施策情報処理システム。
【請求項27】
前記施策探索部は、
前記課題の解決策のヒント情報を記憶する記憶手段を有し、
前記施策候補情報収集手段は、前記記憶手段から前記ヒント情報を収集するためのチャットGPT機能を有する、請求項25記載の施策情報処理システム。
【請求項28】
前記記憶手段は、特定の組織内でのみ共有される秘匿情報を前記ヒント情報として記憶する秘匿情報記憶手段である、請求項27記載の施策情報処理システム。
【請求項29】
前記施策報知部は、前記施策、前記施策の候補および前記施策のヒント情報の少なくともいずれかを、文字、音声および画像の少なくとも1により報知する施策報知手段を備える、請求項21記載の施策情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、マッチング情報処理システム、方法およびプログラム、同プログラムが記憶された記録媒体、並びに、マッチングアプリ、購買レコメンドシステム、広告最適化システムおよび施策情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3つ以上の異なる対象が存在するとき、最適の組合せを得ることを「マッチング」と定義する。例えば、2人のチームで1つの作業を行う場合、3人の中から最適な組み合わせ(この場合には2通りの組み合わせのどちらが適するか)を決定することがマッチングである。
【0003】
このようなマッチングは、社会やビジネスのあらゆる局面に存在する。典型的には人―人(人対人)の関係において存在するものであり、結婚相談所では男女間の組合せの形成を日常的に行う。しかしながら、マッチングは人―仕事(人対仕事)の関係においても存在する。例えば、大規模プロジェクトにおいて多くの異なる仕事(タスク)が存在し、一方それに関わる異なる能力を有する多くの人材が存在する場合、どの人材をどのタスクに割り振るのが最適であるかという問題が存在する。
【0004】
上述した点は、人―タスク(人対タスク)間マッチングにとどまらない。典型的にはオリンピックスタジアム建設のような大規模プロジェクトでは、人―モノ―金―タスク―時間の多次元マッチング(スケジューリング)の問題が存在する。また、どの個人にどのような商品を紹介/広告すべきかという問題もマッチングの問題である。さらに、もの―もの(モノ対モノ)の関係においても、マッチングの問題は存在し得る。例えば、ある物品を輸入する場合、どこから輸入するのが最適であるかという問題が存在する。
【0005】
特許文献1には、イベントに関心があるユーザを誘導し、イベント会場を盛り上げるべく、第1ユーザ51A及び第2ユーザ51Bをそれぞれ検索する。第1ユーザ51Aは、イベント会場の席を購入済みのユーザである。第2ユーザ51Bは、イベント会場の席を購入しておらず、かつ、ライブ配信コンテンツを受信しており、かつ、イベント会場の付近にいるユーザである。検索した第1ユーザ51A及び第2ユーザ51Bの属性情報を比較し、比較結果が所定の基準を満たす場合に、第1ユーザ51Aの席周辺の空き席の空き席情報を第2ユーザ51Bに通知する、とするイベントとユーザとの間におけるマッチングに関する技術思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-76401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記最適マッチングを得る手段は、これまで多くが経験と勘に頼った人手で行われていた。この作業には問題全体および問題解決手段に精通したエキスパートが、時間をかけて行っていた。例えば人―タスク(案件)マッチングの場合には、規模にも依るが、1時間以上必要であると言われる。婚活では、コンピュータによる探索手段が採られる場合もあるが、それでも最適組合せのカップルを見つけ出すのに、丸一日以上かかるとも言われる。
【0008】
さらには、この最適マッチングの問題は、問題全体(課題)と課題解決手段との関係自体にも当てはまる。すなわち、特定の課題とその課題を最適に解決する課題解決手段との組合せも、最適マッチングの問題の一種であり、課題が複雑になればなるほど、その組合せを見つける(最適な課題解決方法を見つける)には時間が掛かる。
【0009】
このように、最適マッチングを得るには、多大の時間と手間を必要としているのが現状である。
【0010】
本願は、上述した問題点の解決を企図したものであり、本発明の目的は、マッチングを高速で自動的に行う手段、より具体的には、マッチングを高速で自動的に行うことを実現するマッチング情報処理システム、方法およびプログラム、同プログラムが記憶された記録媒体、並びに、マッチングアプリ、購買レコメンドシステム、広告最適化システムおよび施策情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るマッチング情報処理システムでは、処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する分類部と、前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される属性別スコア値規定部と、前記分類部によって規定された第2情報と、前記属性別スコア値規定部によって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報との組み合わせを割り出すマッチング部と、を備える。
【0012】
この場合、処理対象の第1情報に含まれる言語要素を分析して、分類されるべき第2情報を規定し、マッチング対象の第3情報が備える特定の属性ごとの属性別スコア値としての第4情報を規定し、第2情報と第4情報との間での一致率を最大化させる第1情報と第3情報との組み合わせを割り出す。
【0013】
すなわち、言語要素で分析した分析分類と特定の属性についてスコア化したスコア値との組合せの最適化度とも言える関係を「一致率」として統計的にまとめて記憶しておき、あるいは都度新たに求めて更新しておき、入力となる処理対象の第1情報から、マッチング率の高いマッチング対象の第3情報を得ることにより、マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0014】
この場合、まず、統計力学におけるイジングモデルに基づく量子コンピュータ技術、あるいはそれを古典的コンピュータ上で等価的に実現した技術(マルコフ連鎖モンテカルロMCMC法、疑似アニーリング(SA)法、疑似量子アニーリング(SQA)法を含む)、古典コンピュータとは異なるアーキテクチャでイジングモデルを模す量子アニーリングマシン技術(D-Wave-Advantage法、量子アニーリング法、光イジング法)や量子状態を等価的に再現する疑似量子アニーリング技術(デジタルアニーラ、CMOSアニーリングマシン、シミュレイテッド分岐マシンなど)を用いることで、上記のようなマッチングを高速で自動的に行うことを可能とする点を着想した。
【0015】
より具体的には、下記のように着想・創案した。
1)入力1:人の特性、能力を自然言語で記述したドキュメントを規定する/入力として得る(要件を列挙して合致するかしないかを1/0で表して入力しても良い)。
入力2:モノ、組織、時間、金の要件を自然言語で記述したドキュメントを規定する/入力として得る(要件を列挙して合致するかしないかを1/0で表して入力しても良い)。
2)前処理:1)のドキュメントに対して自然言語処理を行い、単語を抽出する。
3)単語からマッチングに必要な要件の記述に適したキーワードを選択する。
4)量子マシンによって最適マッチング(人―人であれば、自分の希望と相手の特性、自分の特性と相手の希望の重なりが最も大きい組合せ)を抽出する。
5)結果の出力(最適だけでなく、ランク付けしてある程度列挙しても良い)。
【0016】
また、本発明の第2の態様として、第1の態様において、前記マッチング部は、前記組み合わせを割り出すに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0017】
そして、上述の態様によれば、これまで人手で1時間~数週間を要していた人―人、人―タスク、人―もの、もの―もの間であっても、第1情報と第3情報とのマッチングの最適化を数秒で行うことが可能となり、効率化と低コスト化が図れ、対象マッチングを高速で自動的に行うことが可能になる。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様に係るマッチング情報処理方法では、処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する第1ステップと、前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される第2ステップと、前記第1ステップによって規定された第2情報と、前記第2ステップによって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報とのマッチングを行う第3ステップと、を有する。
【0019】
また、本発明の第4の態様として、第3の態様において、前記第3ステップにおいては、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、によって、前記第1情報と前記第3情報とのマッチングを行うとしてもよい。
【0020】
そして、これらの態様によっても、第1情報と第3情報とのマッチングの数秒での最適化が可能となり、効率化と低コスト化が図れ、対象マッチングを高速で自動的に行うことが可能になる。
【0021】
また、本発明の第5の態様に係るマッチング情報処理プログラムでは、処理対象である第1情報に対して、該第1情報に含まれる言語要素を分析して前記第1情報が分類されるべき第2情報を規定する分類部と、前記第1情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3情報に対して、該第3情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4情報が規定される属性別スコア値規定部と、前記分類部によって規定された第2情報と、前記属性別スコア値規定部によって規定された第4情報との間で、前記第2情報と前記第4情報との一致率を最大化させる第1情報と第3情報との組み合わせを割り出すマッチング部と、として、コンピュータを機能させる。
【0022】
また、本発明の第6の態様として、第5の態様において、前記マッチング部は、前記組み合わせを割り出すに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0023】
さらにまた、本発明の第7の態様として、第5若しくは6の態様に係るマッチング情報処理プログラムが記憶された記録媒体として実現してもよい。
【0024】
そして、これらの態様によっても、第1情報と第3情報とのマッチングの短時間での最適化が可能となり、効率化と低コスト化が図れ、対象マッチングを高速で自動的に行うことが可能になる。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の第8の態様に係るマッチング情報処理システムでは、タスクに対して、該タスクに含まれる情報を自然言語処理して該タスクに係るカテゴリもしくはカテゴリ群を規定するタスク分類手段と、人材に対して、該人材が持つ能力を能力分類別にスコア化した分類別能力値が規定される人材能力値規定手段と、前記タスク分類手段によって得られたカテゴリもしくはカテゴリ群と、前記人材能力値規定手段によって規定された分類別能力値との間で、前記カテゴリもしくはカテゴリ群と前記分類別能力値との一致率を最大化するようにタスクと人材とのマッチングを行うマッチング手段と、を備える。
【0026】
また、本発明の第9の態様として、第8の態様において、前記マッチング手段は、前記タスクと前記人材とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、或いは、古典イジングマシン、もしくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0027】
これらの態様の場合、前述してきた処理対象の第1情報がタスクの情報であり、分析分類の第2情報がタスクに係るカテゴリ・カテゴリ群を規定するタスク分類に相当し、マッチング対象の第3情報が人材の情報であり、属性別スコア値の第4情報が人材の能力分類別スコア値となる人材能力値に相当する。
【0028】
したがって、タスク分類(第2情報)と人材能力値(第4情報)との組合せの最適化度(一致率)を最大化させるタスク情報(第1情報)と人材情報(第3情報)を得ることにより、マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明の第10の態様に係るマッチング情報処理システムでは、案件に対して、該案件に係る情報に含まれる言語要素を分析して前記案件に係るカテゴリもしくはカテゴリ群を規定すると共に前記案件に係る制約条件が定義される案件分類部と、前記案件にマッチングされるべきマッチング対象である人材に対して、該人材の履歴情報に包含されもしくは関連付けられる能力が能力分類ごとにスコア化された能力分類別スコア値が規定される人材能力値規定部と、前記案件分類部によって規定されたカテゴリ若しくはカテゴリ群並びに定義された制約条件と、前記人材能力値規定部によって規定された能力分類別スコア値との間で、前記カテゴリ若しくはカテゴリ群並びに制約条件と前記能力分類別スコア値との一致率を最大化させる案件と人材とのマッチングを行うマッチング部とを備える。
【0030】
また、本発明の第11の態様として、第10の態様において、前記マッチング部は、前記組み合わせを割り出すに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0031】
また、本発明の第12の態様として、第10の態様において、前記制約条件は、必要工数(人月)、希望単価、支払単価、人月組合せ条件、のうち少なくともいずれか一つであるとしてもよい。
【0032】
これらの態様の場合、処理対象の第1情報が案件情報であり、分析分類の第2情報が案件に係るカテゴリ・カテゴリ群を規定して制約条件を定義する案件分類情報に相当し、マッチング対象の第3情報が人材情報であり、属性別スコア値の第4情報が人材の履歴情報に基づく能力分類別スコア値となる人材能力値に相当する。
【0033】
したがって、案件分類(第2情報)と人材能力値(第4情報)との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる案件情報(第1情報)と人材情報(第3情報)を得ることにより、マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0034】
また、上記課題を解決するために、本発明の第13の態様に係るマッチングアプリでは、婚活および/若しくは恋愛に係るマッチングアプリにおいて、第1の性カテゴリを持つ第1カテゴリ人に対して、該第1カテゴリ人に係る性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して前記第1カテゴリ人に係る人物能力分類ごとにスコア化された第1人物能力分類別スコア値を規定すると共に、前記第1カテゴリ人に係る第1制約条件が定義される第1カテゴリ人人物能力値規定部と、第2の性カテゴリを持つ第2カテゴリ人に対して、該第2カテゴリ人に係る性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して前記第2カテゴリ人に係る人物能力分類ごとにスコア化された第2人物能力分類別スコア値が規定されると共に、前記第2カテゴリ人に係る第2制約条件が定義される第2カテゴリ人人物能力値規定部と、前記第1カテゴリ人人物能力値規定部によって規定された第1人物能力分類別スコア値並びに定義された第1制約条件と、前記第2カテゴリ人人物能力値規定部によって規定された第2人物能力分類別スコア値並びに定義された第2制約条件との一致率を最大化させる第1カテゴリ人と第2カテゴリ人とのマッチングを行うマッチング部と、を備える。
【0035】
また、本発明の第14の態様として、第13の態様において、前記マッチング部は、前記第1カテゴリ人と前記第2カテゴリ人とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、或いは、古典イジングマシン、もしくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0036】
また、本発明の第15の態様として、第13若しくは第14の態様において、前記制約条件は、デートあるいは飲食若しくは落合場所に係る場所情報、デートあるいは飲食若しくは落合時間に係る時間情報、のうち少なくともいずれか一つであるとしてもよい。
【0037】
これらの第13~第15の態様の場合、マッチングアプリであるが、前述からの第1~第12の態様と同様に、処理対象の第1情報、分析分類の第2情報、マッチング対象の第3情報、および、属性別スコア値の第4情報において、第2情報と第4情報との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる第1情報と第3情報を得るものである。すなわち、ここでの態様の場合、第1情報は第1の性カテゴリを持つ第1カテゴリ人の情報、第3情報は第2の性カテゴリを持つ第2カテゴリ人の情報、第2情報と第4情報は、それぞれ第1カテゴリ人と第2カテゴリ人の人材能力値に相当する。
【0038】
そして、ここでの人物能力値は、それぞれの性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して人物能力分類ごとにスコア化された人物能力分類別スコア値を規定すると共に制約条件を定義する。
【0039】
したがって、第1カテゴリ人人材能力値(第2情報)と第2カテゴリ人人材能力値(第4情報)との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる第1カテゴリ人情報(第1情報)と第2カテゴリ人情報(第3情報)を得ることにより、マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0040】
また、上記課題を解決するために、本発明の第16の態様に係る購買レコメンドシステムでは、購買された商品および/若しくは役務に対して、該商品および/若しくは役務に係る情報に含まれる言語要素を分析して前記商品および/若しくは役務に係る商品属性若しくは商品属性群を規定する購買対象属性分類部と、前記商品および/若しくは役務にマッチングされるべきマッチング対象である人材に対して、該人材の購買履歴情報に包含され若しくは関連付けられる人的属性が属性分類ごとにスコア化された人的属性分類別スコア値が規定される人的属性値規定部と、前記購買対象属性分類部によって規定された商品属性若しくは商品属性群と、前記人的属性値規定部によって規定された人的属性分類別スコア値との間で、前記商品属性若しくは商品属性群と前記人的属性分類別スコア値と、の一致率を最大化させる商品および/若しくは役務と人材とのマッチングを行うマッチング部と、を備える。
【0041】
また、本発明の第17の態様として、第16の態様において、前記マッチング部は、前記商品および/若しくは役務と前記人材とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0042】
これらの第16から第17の態様の場合、購買レコメンドシステムであるが、前述からの第1から第15の態様と同様に、処理対象の第1情報、分析分類の第2情報、マッチング対象の第3情報、および、属性別スコア値の第4情報において、第2情報と第4情報との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる第1情報と第3情報を得るものである。すなわち、ここでの態様の場合、第1情報は購買された商品および/若しくは役務(以下「商品・役務」)の情報、第2情報は商品・役務に係る商品属性・商品属性群を規定する購買対象属性情報に相当し、第3情報は人材情報であり、第4情報が人材の購買履歴情報に基づく人的属性分類別スコア値となる人的属性値に相当する。
【0043】
したがって、購買対象属性情報(第2情報)と人的属性値(第4情報)との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる商品・役務情報(第1情報)と人材情報(第3情報)を得ることにより、マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0044】
また、上記課題を解決するために、本発明の第18の態様に係る広告最適化システムでは、広告すべき対象である広告対象に対して、該広告対象に係る情報に含まれる言語要素を分析して前記広告対象に係る広告対象属性若しくは広告対象属性群を規定すると共に、前記広告対象に係る制約条件が定義される広告対象属性分類部と、前記広告対象にマッチングされるべき広告配信ターゲットである人材に対して、該人材に係る購買履歴情報、性格情報、履歴情報、職業分類情報、年齢情報、住居情報、経済情報、趣味情報、生体情報、家族情報のうち少なくともいずれか一つに含まれる言語要素を分析して前記人材に係る人物属性分類ごとにスコア化された人物属性分類別スコア値を規定すると人物属性値規定部と、前記広告対象属性分類部によって規定された広告対象属性群並びに定義された制約条件と、前記人物属性値規定部によって規定された人物属性分類別スコア値との一致率を最大化させる広告対象と人材とのマッチングを行うマッチング部と、を備える。
【0045】
また、本発明の第19の態様として、第18の態様において、前記マッチング部は、前記広告対象と前記人材とのマッチングを行うに当たって、量子コンピュータ実機、あるいは、古典イジングマシン、若しくは、古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法、を用いるとしてもよい。
【0046】
また、本発明の第20の態様として、第18若しくは第19の態様において、前記制約条件は、広告の配信媒体に関する配信媒体情報、広告の配信タイミングに関する配信タイミング情報、広告の配信順番に関する配信順番情報、のうち少なくともいずれか一つであるとしてもよい。
【0047】
これらの第18から第20の態様の場合、広告最適化システムであるが、前述からの第1~第17の態様と同様に、処理対象の第1情報、分析分類の第2情報、マッチング対象の第3情報、および、属性別スコア値の第4情報において、第2情報と第4情報との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる第1情報と第3情報を得るものである。すなわち、ここでの態様の場合、第1情報は広告対象の情報、第2情報は広告対象に係る広告対象属性・広告対象属性群を規定して制約条件を定義する広告対象属性情報に相当し、第3情報は人材情報であり、第4情報が人材に係る人物属性分類別スコア値となる人物属性値に相当する。
【0048】
したがって、広告対象属性情報(第2情報)と人物属性値(第4情報)との組合せの最適化度(一致率)を最大化させる広告対象情報(第1情報)と人材情報(第3情報)を得ることにより、マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0049】
次に、本発明の第21の態様として、本発明の施策情報処理システムでは、処理対象の課題を入力または設定により導入する課題導入部と、前記課題を解析して解決するための施策を探索する施策探索部と、前記施策を報知する施策報知部と、を備え、前記施策探索部は、上記第1、2、8、9、10、11または12の態様のうちのいずれか1の態様に係るマッチング情報処理システムを備えるようにしてもよい。
【0050】
この施策情報処理システムでは、処理対象の課題を導入する課題導入部と、その課題を解決する施策を探索する施策探索部と、その施策を報知する施策報知部と、を備え、施策探索部には、上述してきた各態様のマッチング情報処理システムを備える。
【0051】
この態様の場合、全体として、導入される課題に対して、最適にマッチングする施策を報知する。すなわち、導入された特定の課題とその課題を最適に解決する課題解決手段(施策)との組合せも、最適マッチングの問題の一種であり、この態様では、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0052】
また、本発明の第22の態様として、第21の態様において、前記課題導入部は、前記課題の導入を文字または音声により行う課題導入手段を備えるようにしてもよい。
【0053】
また、本発明の第23の態様として、第22の態様において、前記課題導入手段は、前記課題を文字により導入可能な文字入力または文字認識の機能を有するようにしてもよい。
【0054】
また、本発明の第24の態様として、第22の態様において、前記課題導入手段は、前記課題を音声により導入可能な音声入力または音声認識の機能を有するようにしてもよい。
【0055】
これらの第22~第24の態様では、課題解決の対象となる課題を文字や音声によって導入することにより、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0056】
また、本発明の第25の態様として、第21の態様において、前記施策探索部は、前記課題の解決策のヒント情報を収集するための施策候補情報収集手段を有するようにしてもよい。
【0057】
また、本発明の第26の態様として、第25の態様において、前記施策候補情報収集手段は、ネット接続を介して前記課題の解決策のヒント情報を収集するためのチャットGPT機能を有するようにしてもよい。
【0058】
また、本発明の第27の態様として、第25の態様において、前記施策探索部は、前記課題の解決策のヒント情報を記憶する記憶手段を有し、前記施策候補情報収集手段は、前記記憶手段から前記ヒント情報を収集するためのチャットGPT機能を有するようにしてもよい。
【0059】
また、本発明の第28の態様として、第27の態様において、前記記憶手段は、特定の組織内でのみ共有される秘匿情報を前記ヒント情報として記憶する秘匿情報記憶手段であるようにしてもよい。
【0060】
これらの第25から第28の態様では、例えばチャットGPT機能等を利用して、例えばネット接続を介して、または特定の組織内でのみ共有される秘匿情報を含む記憶手段から、課題の解決策のヒント情報を収集することにより、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0061】
また、本発明の第29の態様として、第21の態様において、前記施策報知部は、前記施策、前記施策の候補および前記施策のヒント情報の少なくともいずれかを、文字、音声および画像の少なくとも1により報知する施策報知手段を備えるようにしてもよい。
【0062】
この第29の態様では、施策に関する情報を報知することにより、導入課題に対して最適マッチングされた施策を知らしめることができ、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決の一助となり得る。
【発明の効果】
【0063】
本発明の各態様によれば、これまで人手で1時間~数週間を要していた人―人、人―タスク、人―もの、もの―もの間のマッチングの最適化を数秒で行うことが可能となり、効率化と低コスト化が図られ、これにより、マッチングを高速で自動的に行うことができ、産業上の大きな進歩をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の一実施形態に係るソフトウェア構成の一例を説明するための概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るハードウェア構成の一例を説明するための概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係るハードウェア的な全体構成の一例を概念的に表した概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係るハードウェア的な全体構成の別の一例を概念的に表した概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係るハードウェア的な全体構成のまた別の一例を概念的に表した概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システムのコンセプト、ビジネス上の応用の考え方・詳細システム設計に係る思想を概念的に説明するための概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システムのコンセプト、ビジネス上の応用の考え方・詳細システム設計に係る思想を概念的に説明するための概略図である。
図8】本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システムのコンセプト、ビジネス上の応用の考え方・詳細システム設計に係る思想を概念的に説明するための概略図である。
図9】本発明の一実施形態に係る施策情報処理システムの概念的な基本構成を説明するための概略図である。
図10】本発明の一実施形態に係る施策情報処理システムのユーザインタフェースの例を説明するための概略図である。
図11図10に続く、図10と同様の例を説明するための概略図である。
図12図11に続く、図11と同様の概略図である。
図13図11に続く、図11と同様の概略図である。
図14図11に続く、図11と同様の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、図面を参照して本発明を実施する為の形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0066】
図1は、本発明の一実施形態に係るソフトウェア構成の一例を説明するための概略図である。同図に典型的に示されるように、本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システム200は、入/出力部210、通信部220、I/F(インタフェース)部230、表示部240(オプショナル)を通常の機能として備えるほか、本願に特有である、分類部250、属性別スコア値規定部260、マッチング部270、及び、これらを制御する制御部280を備えて構成される。なお、上述したマッチング情報処理システムは、本願に係る技術思想を実現する一態様を示したものであって、本技術思想は、マッチング情報処理方法およびプログラム、同プログラムが記憶された記録媒体、並びに、マッチングアプリ、購買レコメンドシステム、広告最適化システム、として実現されることができる。
【0067】
分類部250は、処理対象である第1の情報に対して、この第1の情報に含まれる言語要素を分析して第1の情報が分類されるべき第2の情報を規定する機能を、後述するコンピュータのハードウェア資源を利用することで実現する。
【0068】
属性別スコア値規定部260は、第1の情報にマッチングされるべきマッチング対象である第3の情報に対して、該第3の情報が備える特定の属性ごとにスコア化された属性別スコア値としての第4の情報が規定される機能を、後述するコンピュータのハードウェア資源を利用することで実現する。
【0069】
マッチング部270は、分類部250によって規定された第2の情報と、属性別スコア値規定部260によって規定された第4の情報との間で、第2の情報と第4の情報との一致率を最大化させるような第1の情報と第3の情報との組み合わせを割り出す、すなわちマッチングを導き出す機能を、後述するコンピュータのハードウェア資源を利用することで実現する。
【0070】
図2は、本発明の一実施形態に係るハードウェア構成の一例を説明するための概略図である。同図に典型的に示されるように、本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システム200は、リードオンリメモリ(ROM)2010、ランダムアクセスメモリ(RAM)2020、セントラル・プロセッシング・ユニット(CPU)2030、出力装置(OUTPUT)2040、入力装置(INPUT)2050、インターフェース(I/F)2060を備えて構成されている。セントラル・プロセッシング・ユニット(CPU)2030は、例えばリードオンリメモリ(ROM)2010に格納された各機能を果たすプログラムを読込み、かかるプログラムの指示するとおりに各コンピュータ資源を動かして情報を処理し、その結果として得られる情報を例えばランダムアクセスメモリ(RAM)2020の所定アドレスに書き込んだり、或いは例えば出力装置(OUTPUT)2040に情報を表示したりすることができる。出力装置(OUTPUT)2040は、ディスプレイ、プリンタ等を備えて構成され、必要に応じて各種情報を出力する。また、入力装置(INPUT)2050は、キーボード、バーコードリーダ、スキャナ等を備えて構成され、必要に応じて情報の入力を行うが、情報の入力を可能にするすべての装置を含むものとする。入力装置(INPUT)2050では、セントラル・プロセッシング・ユニット(CPU)2030からの制御にしたがい、必要に応じてキーボード等から入力処理を行って、例えば出力装置(OUTPUT)2040に表示する。また、必要に応じて、セントラル・プロセッシング・ユニット(CPU)2030は、入力装置(INPUT)2050から入力された情報等を、インターフェース(I/F)2060を介して別のシステム10(後述する)に送信することができる。
【0071】
すなわち、本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システム200は、たとえば図1に示したような各ソフトウェア機能と、たとえば図2に示したようなハードウェア資源とが協働することにより、上述したような所望の機能を実現することができる。
【0072】
図3は、本発明の一実施形態に係るハードウェア的な全体構成の一例を概念的に表した概略図である。同図に示されるように、本形態のマッチング情報処理システム200が、(複数あってもよい)クライアント装置10と無線通信を介して接続されている態様をとることもできる。この態様における作用・動作としては、クライアント装置10において、各種取得した情報が、無線送受信部106を介して、リアルタイムでもしくは一定時間間隔ごとに、サーバ装置としてのマッチング情報処理システム200に送信される。これを受信するマッチング情報処理システム200において、上述した各種機能が実行される。この場合には、マッチング情報処理システム200にて上記マッチングに係る情報処理を集中して行うことができる。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態に係るハードウェア的な全体構成の別の一例を概念的に表した概略図である。同図に示されるように、本形態のマッチング情報処理システム200が、複数稼働されるクライアント装置10とネットワークNWを介して接続されている態様をとることもできる。この態様における作用・動作としては、クライアント装置10において、各種取得した情報が、ネットワークNWを介して、リアルタイムで、サーバ装置としてのマッチング情報処理システム200に送信される。これを受信するマッチング情報処理システム200において、上述した各種機能が実行される。マッチングに係る情報処理をリアルタイムで集中して行うことができるから、即時的マッチング機能を実現すること、すなわち、いかなる第1の対象(たとえば人)がいかなる第2の対象(たとえば商品)に対して最大のマッチング適性を持つかを即時的に把握し、これをもとに広告宣伝内容を換えたり、ターゲットを変更したりすることで、たとえばよりマーケティング的効果を発現させるような新たな機能、を実現することができる。こうした新たな機能の実現にはAI(人工知能)機能を活用してもよい。
【0074】
図5は、本発明の一実施形態に係るハードウェア的な全体構成のまた別の一例を概念的に表した概略図である。同図に示されるように、本形態のマッチング情報処理システム200が、複数稼働されるクライアント装置10とは特に接続されていてもいない態様をとることもできる。この態様における作用・動作としては、クライアント装置10において、各種取得した情報が、クライアント装置10に格納される。クライアント装置10のメモリー部に格納された情報は可搬式記録媒体Mにて吸い上げることが可能である。これを吸い上げるマッチング情報処理システム200において、上述した各種機能が実行される。可搬式記録媒体Mを介してマッチング情報処理システム200に集積されるから、マッチング情報処理システム200において、上述したマッチング機能、すなわち、いかなる第1の対象(たとえば人)がいかなる第2の対象(たとえば商品)に対して最大のマッチング適性を持つかについての即時的な把握、が一括して、すなわちバッチ処理的に、実行される。これをもとに広告宣伝内容を換えたり、ターゲットを変更したりすることで、たとえばよりマーケティング的効果を発現させるような新たな機能、を実現することができる。この態様は、大量のデータ処理を行う場合に好適であり、たとえばAI(人工知能)機能を活用してさらなるマーケティング的展開を技術的に図る場合により好適である。
【実施例0075】
図6図8は、本発明の一実施形態に係るマッチング情報処理システムのコンセプト、ビジネス上の応用の考え方・詳細システム設計に係る思想を概念的に説明するための概略図である。
【0076】
<実施例1>タスク―人マッチングへのイジング手段の適用
□シナリオ:「今月分の請求書の処理を行う」や「営業資料を作成する」といった業務で生じる仕事をタスクと呼ぶ。前者は経理担当に、後者は営業担当に割り当てるのが妥当である。このように「誰に・どのタスクを」割り当てるかを決めるマッチング作業は、タスクの概要と人材の能力を考えながら適切に行う必要があり、人手では1日30分(社員数20人程度)ほどかかる。そこで、マッチングを自動で行うシステムを構築した。
□目標:タスク⇒人に割り当てるマッチングを自動化することで,人手で行っていた処理を効率化する。
□施策技術(アイデア):
○自然言語処理を利用したタスク概要の解釈
⇒事務作業・開発・面談といったタスクのクラス分類
○人材の能力値(スコア)に応じて,分類されたタスクの適切な配置
⇒人の分類別能力値とタスクの分類の一致率を最大化
⇒イジング手段の適用
□新たに解決できた課題:タスク対人マッチングの自動化・高速化
【表1】
【0077】
<実施例2>案件―人マッチングへのイジング手段の適用
□シナリオ:人材派遣業にて,案件の求人情報と人材の応募情報に関するメールはそれぞれ1日300件ほど受信される。仮に案件体人材を1対1に割り当てるとしても、その組み合わせは300×300=90000通りほど存在する。このようなマッチングは、「人材の能力値×案件の必要スキル」の組み合わせだけでなく、「希望単価×支払い単価」や「人月の組み合わせ(例えば3人合わせて1人月になるようになど)」といった詳細な項目を考えながら行う必要がある。これを人手で行うと一日1時間以上かかり,毎日の処理は現実的ではないため、本システムを構築した。
□目標:案件⇔人に割り当てるマッチングを自動化することで、人手で行っていた処理を効率化する。
□施策技術(アイデア):
○自然言語処理を用いた案件求人・人材履歴書のスコアリング化
⇒例:人材一は履歴書にWeb開発に関する単語が3つあるので「Web開発のスコア3点」など
○自然言語処理を用いた制約条件の抽出⇒例:案件1は「必要工数0.5人月」など
○スコアリングされたデータベース情報をもとに適切なマッチング(イジング手段)
□新たに解決できた課題:案件対人マッチングの自動化・高速化
【表2】
【0078】
<実施例3>マッチングアプリへのイジング手段の適用
□シナリオ:婚活・恋愛用マッチングアプリにおいて、男女間のマッチングの組み合わせ数はそれぞれの人数をN, MとしたときにN×M通り存在し,2乗のオーダーで計算量が増加する。また、「どのカップルをどの場所でデートするのが適か(人×場所)」「いつ何時に待ち合わせるべきか(人×時間)」といった制約もマッチングアプリ上で反映する必要があり、その計算量は爆発的に増大する。既存のアプリでは、すべての条件を満たすために全探索のアルゴリズムを適用しており、以上の計算量の観点から適切なカップルを提案するのに1日かかる。そこで量子コンピュータ技術もしくは古典コンピュータ上で再現される量子技術(包括してイジング手段と呼ぶ)を適用することで,「人×人/人×時間/人×場所」の同時最適化を図る本手法を提案する。
□目標:既存のアプリでは組み合わせ爆発に起因し、最適なカップリングの導出に1日以上の時間を必要とした。本提案手法によりその高速化を図り、リアルタイムなカップリングの提案を行う。
□施策技術(アイデア):イジング手段(量子コンピュータ実機・古典イジングマシン及び古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法)
□新たに解決できた課題:マッチングアプリにおけるデート場所・スケジュールを加味した男女間カップリングのリアルタイム(0.01秒程度)な提案
【0079】
<実施例4>マーケティングへのイジング手段の適用
□シナリオ1<レコメンドシステムへの応用>
たとえばAmazon(登録商標)などの電子商取引システムにおいて、一度購入した商品から次にユーザーが買いそうな商品を提案するシステムをレコメンドシステムと呼ぶ。現存の技術では協調フィルタリングと呼ばれる購入した商品同士の類似度を計算する手法が適用されているが、レコメンドの精度とはトレードオフに計算量が多大(商品数の2乗程度)となる。そこで、レコメンドシステムを「どの人にどの商品を提案するべきか(人×商品)」というマッチング課題へと読み替え、イジング手段を適用することで精度・速度の面での向上を図る。
□シナリオ2<広告最適化への応用>
商品広告に関して、配信手法には「人×商品×配信タイミング×配信順番×配信媒体」分の組み合わせ数が存在するため、適切な広告配信の計算には1日以上の時間を要する。そこで「配信媒体・タイミング・順番」を制約とし、適切な人材に適切な商品の広告(人×広告)を行うシステムをイジング手段を用いて構築することで、広告配信の適切な組み合わせ計算の高速化を図る。
□目標:どの人にどの商品を広告すれば売上が向上するかの組み合わせを瞬時に提案
□施策技術(アイデア):イジング手段(量子コンピュータ実機・古典イジングマシン及び古典コンピュータ上で再現される疑似アニーリング手法)
□新たに解決できた課題:配信媒体・配信タイミング・配信順序・配信対象を加味した商品広告手法の高速な提案
【0080】
図9図14は、本発明の実施形態に係る施策情報処理システムの概念的な基本構成とユーザインタフェースの例を説明するための概略図である。
【0081】
ここで、まず、施策情報処理システムとは、全体として、導入される課題に対して、最適にマッチングする施策を報知するためのシステムである。言い換えると、導入された特定の課題とその課題を最適に解決する課題解決手段(施策)との組合せとしての最適マッチングを探求するシステムであり、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うということを課題とする。
【0082】
図9に示すように、この施策情報処理システム1では、処理対象の課題を導入する課題導入部2と、その課題を解決する施策を探索する施策探索部3と、その施策を報知する施策報知部4と、を備え、施策探索部3には、上述してきた各態様のマッチング情報処理システムを備える。
【0083】
課題導入部2は、処理対象の課題を導入するために、課題の導入を文字または音声により行うためのディスプレイ21、キーボード22、タッチパネル23、マウス24およびマイク25を有する課題導入手段を備える。この課題導入手段により導入された課題は、それを解決する施策を探索する施策探索部3で処理される。
【0084】
施策探索部3は、前記課題の解決策のヒント情報を収集するための施策候補情報収集手段を有して、課題を解決する施策を探索するためのものであり、基本構成は、上述してきた各態様のマッチング情報処理システム31であり、課題解決の施策探求のための最適マッチングを行う。
【0085】
このため、施策探索部3は、前記課題の解決策のヒント情報を収集するための図示しない施策候補情報収集手段を有する。この施策候補情報収集手段は、ネット接続を介して課題の解決策のヒント情報を収集するためのチャットGPT等のAI機能を有することが好ましい。
【0086】
また、施策探索部3には、課題の解決策のヒント情報を記憶する記憶部(記憶手段)32を有しておき、その記憶部(記憶手段)32からヒント情報を収集するためのチャットGPT等のAI機能を有することが好ましい。
【0087】
この場合、記憶部(記憶手段)32が、特定の組織内でのみ共有される秘匿情報をヒント情報として記憶する秘匿情報記憶手段であっても良い。
【0088】
これらにより、ここでは、例えばチャットGPT機能等を利用して、例えばネット接続を介して、または特定の組織内でのみ共有される秘匿情報を含む記憶手段から、課題の解決策のヒント情報を収集することにより、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決が可能になる。
【0089】
また、同図に示すように、施策探索部3で探索された結果は、ディスプレイ41やスピーカ42等の報知手段を有する施策報知部4に入力され、この施策に関する情報を報知することにより、導入課題に対して最適マッチングされた施策を知らしめることができ、課題解決のための最適マッチングを高速で自動的に行うという課題の解決の一助となり得る。
【0090】
続く、図10図14は、施策情報処理システムのユーザインタフェースの例を説明するための概略図である。
【0091】
ここでは、タブレットやパソコン等で多用されるWEB画面5を、ユーザインタフェースに利用した例を示している。
【0092】
ユーザインタフェースの、特に利用面についての説明をしたいので、各種ハードウェア要素のキーボード22、タッチパネル23、マイク25、記憶部32等は、その存在のみを示しておくに留める。
【0093】
図10に示すように、一般的なWEB画面の構成では、上部にトップバナー、下部にフッター、通常左側側部にサイドバーが表示され、中央部がメインコンテンツとなる。
【0094】
ここでは、サイドバー上に、例えば図13に示す「海外人材件検索」や図14に示す「物件検索」などの、マッチング処理のトリガとなり得るキーワード等が並んでいて、所望のものをクリック等で選択すると、対応する処理が開始される。
【0095】
図11は、探索開始前のイニシャル状態を示し、ここで例えば「海外人材件検索」を選択して、所望の条件として、図12に示すように、「デザインに強く、日本語も話すことができるエンジニアを探しています」と入力してみる。この場合、入力の仕方としては、キーボードやタッチパネル等による文字や画像(イメージ)での入力の他、マイク等からの音声入力等でも良い。
【0096】
この課題の入力(導入)に対して、施策探索部3の内部では、例えばチャットGPT等のAI機能等が起動し、例えば図13のメインコンテンツの右側にある施策報知部4に、例えば図示のように、「お客様の要望を以下のように階層化しました。・デザインに強い。
・日本語を話すことができる。・エンジニア。~、ベストな人材は~」等のように、施策案を提示する。
【0097】
図14も、図12図13と同様の、別の課題についての例を示すものであり、メイン画面左部の課題導入部2に属する部分に、解決したい課題を入力(導入)すると、メイン画面右部の施策報知部4に属する部分に、AI機能による施策案を提示する。
【0098】
<参考>
●マッチング:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000082094.html
●スケジューリング:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000082094.html
●安定結婚問題:
chrome-extension://oemmndcbldboiebfnladdacbdfmadadm/https://www.opt.mist.i.u-tokyo.ac.jp/~iwata/dmi/dmi03j.pdf
【表3】
【表4】
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の各態様によれば、これまで人手で1時間~数週間を要していた人―人、人―タスク、人―もの、もの―もの間のマッチングの最適化を数秒で行うことが可能となり、効率化と低コスト化が図られ、これにより、マッチングを高速で自動的に行うことができ、産業上の大きな進歩をもたらすことができる。
【0100】
したがって、本願発明は、一般消費財、サービス業を含む幅広い各種産業において、広く利用可能性を有している。
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