(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184532
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】画像制御プログラム、画像制御装置及び画像制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20231221BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20231221BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20231221BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
G09B29/00 F
G09G5/00 530M
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175052
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2022002830の分割
【原出願日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2018163042
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】巽 恭子
(72)【発明者】
【氏名】八木 静孝
(72)【発明者】
【氏名】陳 佳▲き▼
(72)【発明者】
【氏名】福本 喬彦
(57)【要約】
【課題】線の形状によって経路及び当該経路上の地点を表現する経路線と、地点情報表記とを含む画像から、当該形状とは異なる形状を持つ経路線と、地点情報表記とを含む画像に画像を切り替える場合において、切り替え後の画像においてもユーザが経路上の地点と地点情報表記との対応関係を容易に把握することができる画像制御プログラム等を提供する。
【解決手段】経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点を表現する第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像を表示部に表示させる第1処理と、前記第1の画像から切り替わって表示される第2の画像であって、前記経路を示す線であって前記形状とは異なる形状の第2の線を、前記地点と前記地点情報表記とを対応付けて表示する当該第2の画像を前記表示部に表示させる第2処理を行う。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
経路を示す線であって当該線の形状によって複数の地点を含む経路を示す第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像を表示部に表示させる第1処理と、
前記経路を示す線であって前記第1の線の形状とは異なる形状の第2の線を、前記地点と前記地点情報表記とを対応付けて表示する当該第2の画像を前記表示部に表示させる第2の処理と、
を実行させることを特徴とする画像制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、経路を含む画像を切り替えて表示する表示制御に関する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置は、現在位置から目的地までの経路を示した地図を表示部に表示しながら経路案内を行う。この地図には経路を示す線(以下、「経路線」という場合がある)であって、その形状によって当該経路上の地点(例えば、右左折すべき交差点など、経路が折れ曲がる地点)を表現する線が強調して表示される。また、経路を示した地図とともに、経路上の地点に関連する情報(地点名称や現在位置から当該地点までの距離などを示す情報)を示す地点情報表記が表示部に表示される。ユーザは、経路が示された地図と地点情報表記とに基づいて、右左折を行うべき地点と当該地点に関する情報を取得することができ、より円滑に経路を移動することができる。
【0003】
一方で、カーナビゲーション装置は、オーディオ機能やテレビ機能などを備え、オーディオ情報(アーティスト名、アルバム名、曲名などの情報)やテレビ映像を表示部に表示することができる。しかしながら、表示部の表示領域は有限であり、表示することできる情報の量は限られている。
【0004】
そこで、経路を簡略化して表示することにより、表示部における経路を表示する領域を縮小させ、他の情報を表示する領域を拡大することができれば、多くの情報をユーザに提供することができる。特許文献1には、経路を簡略化する手法として経路を直線で表す手法が開示されている。この手法は、従来のカーナビゲーション装置においても高速道路を案内する場合などに採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、経路が示された地図と地点情報表記とを表示する画像から、簡略化した経路と地点情報表記とを表示する画像に画像を切り替えることとした場合、切り替え前の画像では経路線の形状によって経路上の地点と地点情報表記との対応関係を把握しやすかったのに対して、切り替え後の画像では経路が別の形状で表示されているため、両者の対応関係を把握しにくいという問題がある。
【0007】
本願発明は、こうした事情に鑑み、線の形状によって経路及び当該経路上の地点を表現する経路線と地点情報表記とを含む画像から、当該形状とは異なる形状を持つ経路線と地点情報表記とを含む画像に画像を切り替える場合において、切り替え後の画像においてもユーザが経路上の地点と地点情報表記との対応関係を容易に把握することができる画像制御プログラム等を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、コンピュータに、経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点を表現する第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像を表示部に表示させる第1処理と、前記第1の画像から切り替わって表示される第2の画像であって、前記経路を示す線であって前記形状とは異なる形状の第2の線を、前記地点と前記地点情報表記とを対応付けて表示する当該第2の画像を前記表示部に表示させる第2処理と、を実行させることを特徴とする。
【0009】
請求項8に記載の発明は、経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点を表現する第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像を表示部に表示させる第1処理手段と、前記第1の画像から切り替わって表示される第2の画像であって、前記経路を示す線であって前記形状とは異なる形状の第2の線を、前記地点と前記地点情報表記とを対応付けて表示する当該第2の画像を前記表示部に表示させる第2処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項9に記載の発明は、画像制御装置による画像制御方法であって、経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点を表現する第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像を表示部に表示させる第1処理工程と、前記第1の画像から切り替わって表示される第2の画像であって、前記経路を示す線であって前記形状とは異なる形状の第2の線を、前記地点と前記地点情報表記とを対応付けて表示する当該第2の画像を前記表示部に表示させる第2処理工程と、を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における表示制御装置100の構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施例における車載装置200の構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施例における詳細経路画像300Aから簡易経路画像300Fへの画像切り替え時の画像遷移例を示す図である。
【
図4】簡易経路画像300Fの変形例1を示す図である。
【
図5】簡易経路画像300Fの変形例2を示す図である。
【
図6】簡易経路画像300Fの変形例3を示す図である。
【
図7】簡易経路画像300Fの変形例4を示す図である。
【
図8】簡易経路画像300Fの変形例5を示す図である。
【
図9】簡易経路画像300Fの変形例6を示す図である。
【
図10】簡易経路画像300Fの変形例7を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願発明を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、表示制御装置100は第1処理手段101、第2処理手段102を備える。
【0014】
第1処理手段101は、経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点を表現する第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像を表示部に表示させる。
【0015】
第2処理手段102は、前記第1の画像から切り替わって表示される第2の画像であって、前記経路を示す線であって前記形状とは異なる形状の第2の線を、前記地点と前記地点情報表記とを対応付けて表示する当該第2の画像を前記表示部に表示させる。
【0016】
表示制御装置100によれば、経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点を表現する第1の線と、当該地点に関連する情報を表す地点情報表記と、を含む第1の画像から、経路を示す線であって第1の線の形状とは異なる形状の第2の線を、経路上の地点と地点情報表記とを対応付けて表示する第2の画像に切り替わることから、切り替え後の画像においてもユーザが経路上の地点と地点情報表記との対応関係を容易に把握することができる。
【実施例0017】
次に、上述した実施形態に対応する実施例について説明する。なお、以下に説明する実施例は、本願発明を、車載装置200に適用した場合の実施例である。
【0018】
[1.車載装置200の構成]
図2を用いて、本実施例における車載装置200の構成について説明する。
図2に示すように、車載装置200は、制御部211と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等からなる記憶部212と、キーボード又はリモートコントローラ、タッチパネル等からなる入力部213と、表示ユニット214と、バスライン215と、入出力インターフェース部220と、車速センサ221と、角速度センサ222と、加速度センサ223と、舵角センサ224と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部225と、を備えて構成されている。
【0019】
車速センサ221は、例えば車載装置200が搭載されている車両から取得される車速パルス等を用いた速度検出処理等を用いて当該車両の現在速度を検出し、速度データを出力する。角速度センサ222は、当該車両の、例えば方向変化の角速度を検出し、単位時間当たりの角速度データ及び相対方位データを出力する。加速度センサ223は、当該車両の例えば前後方向の加速度を検出し、単位時間当たりの加速度データ等を出力する。舵角センサ224は、当該車両の舵角を検出し、舵角データ等を出力する。GNSS受信部225は、GNSS衛星からの航法電波を受信し、GNSS測位データを出力する。
【0020】
記憶部212は、表示ユニット214に各種画像(後述する詳細経路画像と簡易経路画像を含む)を表示するためのデータを記憶する。例えば、地図を表示するための地図データや、経路を探索する際に用いる地図情報、道路リンク情報などが格納される。また、記憶部212は、オペレーティングシステムや、アプリケーションプログラム等の各種プログラムを記憶する。特に、記憶部212は、表示ユニット214に後述する詳細経路画像と簡易経路画像とを切り替えて表示するための表示制御プログラムを記憶している。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、CD、DVD、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込むようにしても良い。
【0021】
入力部213は、ユーザの入力操作を受け付けて、操作内容を示す操作信号を制御部211に送信する。
【0022】
表示ユニット214は、制御部211の制御下で画像データに基づいて画像を表示する。表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bと、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ214c等を備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、バスライン215を介して制御部211から送られる制御データに基づいて、表示ユニット214全体の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、即時表示可能な画像データを一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ214cに画像が表示される。
【0023】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。そして、CPU211aが、ROM211bや記憶部212に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種手段として機能する。制御部211又はCPU211aは、「コンピュータ」に対応する。
【0024】
また、制御部211は、車速センサ221、角速度センサ222、加速度センサ223、舵角センサ224及びGNSS受信部225と、バスライン215及び入出力インターフェース部220を介して接続されている。
【0025】
制御部211は、GNSS測位データに基づく衛星測位や、速度データ、角速度データ、相対方位データ、加速度データ、舵角データ等に基づく自立測位、又は、これらを組み合わせたハイブリッド測位等を行い、自車両(「自車」という場合がある)の現在位置(緯度、経度、高度)を示す現在位置情報を取得する。
【0026】
[2.制御部211による画像の切り替え制御]
制御部211は、記憶部212に記憶された地図データ等に基づいて生成した画像データと、画像の切り替えに関する制御データとを表示ユニット214に送信することにより、ディスプレイ214cに表示させる画像の切り替えを制御する。当該制御は、制御部211が表示制御プログラムを実行することにより行われる。以下、
図3を用いて、ディスプレイ214cに表示させる画像と、制御部211による画像の切り替え制御について説明する。
【0027】
[2.1.詳細経路画像から簡易経路画像への切り替え制御]
図3は、詳細経路画像から簡易経路画像へ画像を切り替える場合の画像遷移例を示す図である。
図3(A)は、詳細経路画像300Aの一例を示す図であり、
図3(F)は、簡易経路画像300Fの一例を示す図である。また、
図3(B)から
図3(E)は、詳細経路画像300Aから簡易経路画像300Fに画像が切り替わる際、その過程で表示される中間画像300B-300Eの一例をそれぞれ示す図である。
【0028】
詳細経路画像300A、簡易経路画像300Fは、目的地までの経路をユーザに案内するための経路案内画像であり、それぞれ、車載装置200を搭載する自車を示す自車マークMと、経路線301A、301Fを表示する。
【0029】
本実施例では、ユーザは経路案内画像がディスプレイ214cに表示される際の表示モードを2つの表示モードの中から選択することができる。表示モードは詳細モードと簡易モードがあり、制御部211は詳細モードが選択されている場合には、詳細経路画像300Aを表示させ、簡易モードが選択されている場合には、簡易経路画像300Fを表示させる。
【0030】
なお、本実施例では、画像切り替え前の画像(詳細経路画像300A)を表示させる処理を第1処理といい、画像切り替え後の画像(簡易経路画像300F)を表示させる処理を第2処理という。
【0031】
詳細経路画像300Aは、目的地までの経路を示す経路線301Aを描写した地図と、経路線301A上の地点に関する情報を表す地点情報表記311、312、313とを含む。詳細経路画像300Aでは、常に進行方向が上になるように地図を表示するとともに、自車マークMを中央下方部の位置に固定的に表示する。経路線301Aは、地図上の道路に重なって、例えば、道路の色とは異なる色や太さで描写され、経路である道路と経路でない道路とをユーザが判別できるようになっている。また、経路線301Aは、その形状によって経路線301A上の地点321、322を表現する。すなわち、経路線301Aは、線の折れ曲がっている部分により経路上の地点を表現している。経路上の地点は、例えば、右折又は左折が行われる地点である交差点又はランドマークなどである。
【0032】
地点情報表記311、312、313は、経路上の地点に関する情報を表記する。特に
、地点情報表記311は、地点321に関する情報を表記し、地点情報表記312は、地点322に関する情報を表記する。
【0033】
また、地点情報表記311、312、313の並び順は、それぞれが対応する地点の自車の現在位置(以下、「現在位置」は「自車の現在位置」を示す)からの通過順に基づく。本実施例の詳細経路画像300Aでは、自車マークMを中央下方部の位置に固定的に表示するため、下側から順に、1番目に通過する地点に関する情報を表記する地点情報表記311、2番目に通過する地点に関する情報を表記する地点情報表記312、3番目に通過する地点に関する情報を表記する地点情報表記313を表示する。
【0034】
更に、詳細経路画像300Aの例では、経路線301Aによって地点322の次に進路変更を行う地点(3番目に通過する地点)が詳細経路画像300Aに表示しきれないが、当該次に進路変更を行う地点に対応する地点情報表記313を表示している。このとき、地点情報表記313に対応する地点が経路線301Aの形状で表現されていないので、地点情報表記313については地点情報表記311、312と表示形態(例えば、表示する色)を異ならせてもよい。なお、表示する地点情報表記の数は、表示領域に表示可能な数を上限として、設定された数だけ表示することとしてもよい。
【0035】
地点情報表記311、312、313が表す地点に関する情報とは、例えば、当該地点で曲がる方向、現在位置から当該地点までの距離、当該地点の名称などである。本実施例では、1番目に通過する地点321に対応する地点情報表記311では、地点321で曲がる方向、現在位置から地点321までの距離、地点321の名称を表記し、2番目、3番目に通過する地点に対応する地点情報表記312や地点情報表記313では、当該地点で曲がる方向、現在位置から当該地点までの距離を表示する。但し、2番目以降に通過する地点に対応する地点情報表記が、当該地点で曲がる方向、現在位置から当該地点までの距離、当該地点の名称を表記することとしてもよいし、これらの一部を表記することとしてもよい。
【0036】
そして、ユーザが表示モードを詳細モードから簡易モードに切り替える操作を行うと、制御部211は詳細経路画像300Aから簡易経路画像300Fに画像を切り替える。
【0037】
簡易経路画像300Fは、目的地までの経路を示す直線である経路線301Fと、経路上の地点に関する情報を表す地点情報表記311、312、313とを含む。詳細経路画像300Aと簡易経路画像300Fを比較すると、詳細経路画像300Aでは経路線301Aはその形状によって経路上の地点321、322を表現するが、簡易経路画像300Fでは経路線301Fはその形状によって経路上の地点321、322を表現しない。また、簡易経路画像300Fでは地図が表示されない。更に、地点情報表記311、312、313については、詳細経路画像300Aと簡易経路画像300Fとで表示形態及び表示位置を変更しない。地点情報表記311、312、313の表示形態と表示位置を変更しないことにより、詳細経路画像300Aから簡易経路画像300Fに画像が切り替わった際にユーザが見失いにくくすることができる。なお、表示形態又は表示位置の少なくとも何れか一方を略同一に表示することとしてもよく、この場合、表示形態及び表示位置の双方が変化する場合よりもユーザの混乱を防ぐことができる。
【0038】
簡易経路画像300Fは、経路線301Fの形状によって経路上の地点321、322を表現しないため、地点情報表記311、312との対応関係をユーザが把握しにくい。そこで、制御部211は、経路線301F上の点であって地点321、地点322に対応する点を決定して、当該点を地点マーク331、332で表す。地点マークは、ユーザが一目で経路線301F上の点であることを認識できる表示形態を有する。なお、本実施例の地点マークは、経路線301Fの太さより直径が長い円形の表示形態を有するが、経路線301F上の点であることをユーザが一目で分かる表示形態であれば他の表示形態であってもよい。
【0039】
ユーザは、地点マーク331、332と自車マークMとの位置関係と、地点情報表記311、312の位置関係(並び順)により、経路線301Fと地点情報表記311、312との対応関係(すなわち、地点マーク331が地点情報表記311に対応し、地点マーク332が地点情報表記312に対応すること)を把握することができる。簡易経路画像300Fは、地点マーク331と地点情報表記311を結ぶ接続線341と、地点マーク332と地点情報表記312を結ぶ接続線342とを含む。これにより、ユーザは、地点マーク331が地点情報表記311に対応し、地点マーク332が地点情報表記312に対応することを明確に把握することができる。
【0040】
ここで、制御部211が、経路線301F上の点であって地点321、地点322に対応する点(地点マークを描写する位置)を決定する方法について説明する。まず、制御部211は、詳細経路画像300Aにおける自車マークMから地点321までの長さと、簡易経路画像300Fにおける自車マークMから地点マーク331までの長さとが略同一になるように、経路線301F上の地点321に対応する点を決定する。これにより、詳細経路画像300Aと簡易経路画像300Fにおいて1番目に通過する地点までの長さが変化しないことから、ユーザに違和感を与えることがなく、詳細経路画像300Aから簡易経路画像300Fに画像を切り替えることできる。
【0041】
また、制御部211は、経路線301F上の地点マーク331で表す点から自車マークMまでの長さと、現在位置から地点321、地点321から地点322までの移動距離に基づいて、経路線301F上の地点322に対応する点を決定する。
図3の例では、現在位置から地点321までの移動距離が300m、地点321から地点322までの移動距離が180mである。ここで、経路線301F上の地点マーク331で表す点から自車マークMまでの長さ2.5cmである場合であれば、地点マーク331が表す点から1.5cm(=(2.5×180)/300)先の点を、地点322に対応する点として決定する。
【0042】
制御部211は、自車の移動に伴って、地点321、322に対応する経路線301F上の点をそれぞれ決定し、地点マーク331、332を表す位置を変更する処理を繰り返す。これにより、自車の移動に伴って、地点マーク331、332の位置が自車マークMに近づく方向に移動する。
【0043】
一方で、制御部211は、詳細経路画像300Aから直ぐに簡易経路画像300Fに画像を切り替えるのではなく、詳細経路画像300A、中間画像300B-300E、簡易経路画像300Fの順に画像を切り替えて表示させる。
【0044】
中間画像300B-300Eは、それぞれ、自車マークMと、経路を示す経路線301B-301Eを表示する。中間画像300B-300Eは、詳細経路画像300Aにおける経路線301Aの形状から簡易経路画像300Fにおける経路線301Fの形状(直線形状)に変化する過程を表す。また、中間画像300B、中間画像300Cに示すように、詳細経路画像300Aに表されていた地図を徐々に消去していく。
【0045】
以上説明したように、本実施例における車両装置200は、制御部211(「第1処理手段」、「第2処理手段」の一例)が、経路を示す線であって当該線の形状によって当該経路上の地点321、322を表現する経路線301A(「第1の線」の一例)と、地点321、322に関連する情報を表す地点情報表記311、312と、を含む詳細経路画像300A(「第1の画像」の一例)をディスプレイ214c(「表示部」の一例)に表示させ、詳細経路画像300Aから切り替わって表示される簡易経路画像300F(「第2の画像」の一例)であって、経路線301Aの形状とは異なる形状の経路線301F(「第2の線」の一例)を、地点321、322と地点情報表記311、312とを対応付けて表示する簡易経路画像300Fをディスプレイ214cに表示させる。
【0046】
したがって、本実施例における車載装置200によれば、経路線301Aと、地点情報表記311、312と、を含む詳細経路画像300Aから、経路線301Aの形状とは異なる形状の経路線301Fを、経路上の地点321、322と地点情報表記311、312とを対応付けて表示する簡易経路画像300Fに切り替わることから、切り替え後の画像においてもユーザが経路上の地点と地点情報表記との対応関係を容易に把握することができる。
【0047】
また、本実施例における車両装置200において、制御部211は、第2処理では、地点321、322に対応する経路線301F上の点と当該地点321、322に関連する地点情報表記311、312との対応関係を示す地点マーク331、332(「記号」の一例)を含む簡易経路画像300Fを表示させる。これにより、ユーザが経路上の地点と地点情報表記との対応関係を容易に把握することができる。
【0048】
更に、本実施例における車両装置200において、制御部211(決定処理手段)は、現在位置を基準とする地点までの距離に基づいて、経路線301F上の点の位置を決定する決定処理を行い、第2処理では、当該決定した位置に地点マーク331、332を表示する簡易経路画像300Fを表示させる。これにより、ユーザは、現在位置から各地点までの距離感、各地点間の距離感を把握することができる。
【0049】
更にまた、本実施例における車両装置200において、制御部211は、第2処理では、簡易経路画像300Fに表示される地点情報表記311、312、313を、詳細経路画像300Aに表示される地点情報表記311、312、313と略同一の表示形態とする、又は、略同一の表示位置とする、の少なくとも何れか一方で表示する簡易経路画像300Fを表示させる。これにより、地点情報表記311、312、313に関する表示形態が変化することによるユーザの混乱を防止することができる。
【0050】
更にまた、本実施例における車両装置200において、詳細経路画像300Aの経路線301A上における自車マークMの位置(現在位置)から1番目に通過する地点321までを示す線の長さと、簡易経路画像300Fの経路線301Fにおける自車マークMの位置(現在位置)から1番目に通過する地点を表す地点マーク331までを示す線の長さが略同一である。これにより、詳細経路画像300Aと簡易経路画像300Fにおいて、経路線301Aと経路線301Fとで現在位置から1番目に通過する地点を示す線の長さが変化して、案内地点までの線が示す距離、即ち縮尺が変化することによるユーザの混乱を防止することができる。
【0051】
[3.変形例]
次に、本実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は適宜組み合わせることができる。
【0052】
[3.1.変形例1]
上記実施例では、
図3(F)に示すように、簡易経路画像300Fにおいて地点マーク331、332と地点情報表記311、312とを結ぶ接続線341、342をそれぞれ表示することとしたが、
図4に示すように、接続線341、342を表示しなくてもよい。地点マーク331、332と地点情報表記311、312を現在位置からの通過順に基づく並び順で表示することにより、接続線341、342が表示されなくても、地点マーク331、332と地点情報表記311、312との対応関係を把握することができる。
【0053】
[3.2.変形例2]
上記実施例では、
図3(A)に示すように、詳細経路画像300Aにおいて、経路線301Aで地点322の次に進路変更を行う地点が詳細経路画像300Aに表示しきれないが当該次に進路変更を行う地点に対応する地点情報表記313も表示している。これに伴い、
図3(F)に示すように、簡易経路画像300Fにおいても地点情報表記313を表示しているが、
図5に示すように、地点マークを表示することのない地点に関する地点情報表記313は、表示しないこととしてもよい。そして、制御部211は、自車の移動に伴い、地点322の次に進路変更を行う地点を地点マークで表すことができることとなった場合には、地点マーク及び当該地点マークの示す地点に関する情報を表記する地点情報表記313を表示させることとする。
【0054】
[3.3.変形例3]
上記実施例では、
図3(A)、(F)に示すように、詳細経路画像300Aにおける自車マークMから地点321までの長さと、簡易経路画像300Fにおける自車マークMから地点マーク331までの長さとが略同一になるように地点マーク331を表示し、現在位置からの地点321、322までの実距離を反映させた位置に地点マーク332を表示することとしたが、簡易経路画像300Fに表示する地点情報表記の数に応じて地点マークを表示する位置を決定してもよい。例えば、
図6に示すように、地点情報表記を3つ表示する場合には、それぞれの位置が等間隔になるように地点321、322、323に対応する3つの地点マーク331、332、333を表示することとしてもよい。この場合、対応する地点マークが表示されていないにもかかわらず、地点情報表記が表示されている違和感をユーザに与えることがない。
【0055】
[3.4.変形例4]
上記実施例では、
図3(F)に示すように、簡易経路画像300Fにおいて地点マーク331、332と地点情報表記311、312とを結ぶ接続線341、342は、水平となるように表示されているが、接続線は斜めに表示することとしてもよい。例えば、
図7に示すように、現在位置から地点情報表記311により情報を表記する地点までの距離が300m、地点情報表記312により情報を表記する地点までの距離が400m、地点情報表記313により情報を表記する地点までの距離が500m(すなわち、各地点の間の距離が100m)である場合には、経路線301F上にそれぞれの地点を表す地点マーク331、332、333が近接して表示される。このような場合には、地点マーク331、332、333と地点情報表記311、312、313との対応関係が明確になるように、接続線341、342、343を表示するが、このとき、接続線342、343は斜めに表示することとしてもよい。
【0056】
[3.5.変形例5]
上記実施例では、
図3(F)に示すように、簡易経路画像300Fにおいて地点マーク331、332と地点情報表記311、312とを結ぶ接続線341、342をそれぞれ表示することとしたが、これに代えて、経路線301F上に表示する地点マークの表示形態をそれぞれ異ならせ、各地点マークの表示形態を地点情報表記と対応付けて表示させることとしてもよい。例えば、
図8に示すように、地点情報表記311により情報を表記する地点321を示す地点マーク331を白丸の表示形態で表示し、地点情報表記312により情報を表記する地点322を示す地点マーク332Aを白三角形の表示形態で表示することとし、地点情報表記311内に白丸の表示形態を有するマーク311Aを表示し、地点情報表記312内に白三角形の表示形態を有するマーク312Aを表示する。これにより、地点マーク331と地点情報表記311との対応関係と、地点マーク332と地点情報表記312との対応関係を明確にすることができる。
【0057】
[3.6.変形例6]
図9に示すように、簡易経路画像300Fに表示する経路線301Fを太くして、棒状に表示させることとしてもよい。経路線301Fを太くすると線の内部にマークを表示することができるので、そこに地点と地点情報表記との対応関係を明確とするマークを表示することとしてもよい。例えば、地点情報表記311により情報を表記する地点321を示す地点マーク331Bを「丸1」の表示形態で表示し、地点情報表記312により情報を表記する地点322を示す地点マーク332Bを「丸2」の表示形態で表示することとし、地点情報表記311内に「丸1」の表示形態を有するマーク311Bを表示し、地点情報表記312内に「丸2」の表示形態を有するマーク312Bを表示する。これにより、地点マーク331Bと地点情報表記311との対応関係と、地点マーク332Bと地点情報表記312Bとの対応関係を明確にすることができる。
【0058】
[3.7.変形例7]
上記実施例では、
図3(F)に示すように、簡易経路画像300Fに表示する経路線301Fは直線としたが、
図10に示すように、経路線301Fは曲がっていてもよい。このように、経路線301Fを簡易経路画像300Fの下部、右部に沿って表示することにより、
図3(F)の例よりも多くの地点情報表記311、312、313、314、315を表示することができる。
【0059】
[3.8.変形例8]
上記実施例では、地点情報表記により関連する情報を表示する地点として交差点や進路変更を行う地点を例に挙げたが、経由地となっている店舗などの施設が存在する地点であってもよい。
【0060】
[3.9.変形例9]
上記実施例では、
図3(A)に示すように、地点情報表記311として交差点に関連する情報を表示する場合に、進行方向、距離、交差点名称を表示しているが、進行方向のみを表示することとしてもよいし、車線(レーン)に関する情報をさらに追加して表示することとしてもよい。