(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184582
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20231221BHJP
B41J 2/47 20060101ALI20231221BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20231221BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231221BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231221BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
B41J29/00 C
B41J29/00 D
B41J2/47 101Z
G03G15/04
G03G21/16 152
G03G15/00 680
H04N1/00 519
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182290
(22)【出願日】2023-10-24
(62)【分割の表示】P 2019102856の分割
【原出願日】2019-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】操 洋二
(57)【要約】
【課題】 本発明によれば、画像形成装置に設けられたユニットの小型化、ひいては画像形成装置の小型化を可能とすることができる。
【解決手段】 画像形成動作を行うユニットと、ユニットに設けられたユニット基板と、ユニット基板に接続される配線と、配線で第1の基板と接続され、ユニットを制御する制御基板と、を備えた画像形成装置であって、ユニット基板は、配線が接続されるコネクタを有し、コネクタの長手方向は、ユニット基板の短手方向の長さに比べて長く、ユニット基板の短手方向と交差するように設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成動作を行うユニットと、
前記ユニットに設けられたユニット基板と、
前記ユニットを制御する制御基板と、
前記ユニット基板と前記制御基板の間を接続する配線と、
を備えた画像形成装置であって、
前記ユニット基板は、前記配線が接続されるコネクタを有し、
前記コネクタの長手方向における長さは、前記ユニット基板の短手方向の長さに比べて長く、前記コネクタの長手方向が前記ユニット基板の短手方向と斜めに交差するように、前記コネクタは前記ユニット基板に設けられており、
前記コネクタは、前記コネクタの前記長手方向における一端である第1コネクタ端部と他端である第2コネクタ端部を有し、
前記ユニット基板は、前記ユニット基板の前記短手方向における一端である第1ユニット基板端部と他端である第2ユニット基板端部を有し、
前記ユニット基板の前記短手方向において、前記第1コネクタ端部は、前記第2ユニット基板端部より前記第1ユニット基板端部に近く、
前記ユニット基板の前記短手方向において、前記第2コネクタ端部は、前記第1ユニット基板端部より前記第2ユニット基板端部に近く、
前記ユニット基板の前記短手方向において、前記第1コネクタ端部と前記第2コネクタ端部は、前記第1ユニット基板端部と前記第2ユニット基板端部の間にある
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ユニット基板は、前記ユニット基板の短手方向と斜めに交差する斜辺を備えており、前記斜辺は、前記コネクタの長手方向と略平行である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ユニット基板は、半導体レーザと、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を偏向走査する偏向装置の駆動回路と、を含み、
前記ユニットは、前記偏向装置と、光学素子と、これらを内包した光学箱とを備えた光学走査装置である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記配線は、フレキシブルケーブルであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート等の記録媒体上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置で用いられる電気接続構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、画像形成装置の側面に光学走査装置を挿入するための挿入口を備え、画像形成装置と光学走査装置を電気的に接続するコネクタ部を挿入口側に設けることで光学走査装置の交換性を容易にすることが知られている(特許文献1参照)。また、画像形成装置の側面に穴を設け、穴に信号線を通して画像形成装置と光学走査装置を電気接続することで、信号線を接続する作業エリアを確保して画像形成装置の小型化を図ることができる構成が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2014-262546
【特許文献2】特願2008-123798
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、以前にも増して画像形成装置の小型化が望まれている。また、画像形成装置の小型化を実現するためには、光学走査装置や様々なセンサなどの内部ユニットも小型化する必要がある。一般に、制御基板と内部ユニットの電気的な接続は、束線の他、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)やフレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuits)などのフレキシブルケーブルで行われる。
【0005】
そして、束線やフレキシブルケーブルなどの導線は、太さを流される電流の大きさによって決められており簡単に細くすることができず、さらに数を制御に必要な信号の数によって決められており簡単に減らすことができない。よって、複雑な制御を要する内部ユニットに接続される束線やフレキシブルケーブルの幅は小さくできないので、内部ユニットの小型化の妨げになっている。本発明はこの課題を解決するものであり、その目的とするところは、コネクタ接合部の幅が大きいことによって、画像形成装置に設けられたユニットが大型化することを抑制した画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成動作を行うユニットと、ユニットに設けられたユニット基板と、ユニット基板に接続される配線と、配線で第1の基板と接続され、ユニットを制御する制御基板と、を備えた画像形成装置であって、ユニット基板は、配線が接続されるコネクタを有し、コネクタの長手方向は、ユニット基板の短手方向の長さに比べて長く、ユニット基板の短手方向と交差するように設けられていることを特徴とする。
【0007】
また本発明に係る他の画像形成装置は、
画像形成動作に関する情報を取得するユニットと、ユニットに設けられたユニット基板と、ユニット基板に接続される配線と、配線で第1の基板と接続され、ユニットを制御する制御基板と、を備えた画像形成装置であって、ユニット基板は、配線が接続されるコネクタを有し、コネクタの長手方向は、ユニット基板の短手方向の長さに比べて長く、ユニット基板の短手方向と交差するように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置に設けられたユニットの小型化、ひいては画像形成装置の小型化を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1に係る光学走査装置の斜視図と拡大図
【
図2】実施例1に係る装置本体の枠と光学走査装置の斜視図
【
図3】本実施形態の一例に係る画像形成装置の全体構成
【
図4】実施例2に係る装置本体の枠とセンサユニットの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の形状それらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0011】
[画像形成装置の全体構成]
図1を参照し、画像形成装置の全体構成について概要説明する。
図1は、本発明の実施例に係る画像形成装置の一態様であるカラーレーザープリンタ100の全体構成を示す縦断面図である。なお、画像形成装置としては、カラーレーザープリンタの他、複写機やファクシミリ等が挙げられる。
【0012】
カラーレーザープリンタ100は、4個の感光体ドラム1(1Y,1M,1C,1K)を備えている。それぞれの感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、帯電手段(帯電ローラ)2、露光装置(光学走査装置)3、現像手段(現像ユニット)4、転写手段(一次転写ローラ)26、クリーニング手段(クリーナユニット)5等が配設されている。帯電手段2(2Y,2M,2C,2K)は、感光体ドラム1表面を均一に帯電する。露光装置3は、画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光体ドラム1上に静電潜像を形成する。現像ユニット4(4Y,4M,4C,4K)は、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する。転写手段26(26Y,26M,26C,26K)は、感光体ドラム1上のトナー像を中間転写材(中間転写ベルトユニット)12に転写させる。クリーナユニット5(5Y,5M,5C,5K)は、ドラムクリーニングブレード8(8Y,8M,8C,8K)と、廃トナー容器とを有しており、転写後の感光体ドラム1表面に残った転写後トナーを除去する。これらの構成により画像形成手段が構成されている。
【0013】
本実施例では、感光体ドラム1、帯電手段2、現像ユニット4及びクリーナユニット5は、一体的にカートリッジ化され、プロセスカートリッジ7(7Y,7M,7C,7K)としてカラーレーザープリンタ100に着脱可能に構成されている。これら4個のプロセスカートリッジ7(7Y~7K)は、同一構造であるが、異なる色、すなわち、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(BK)のトナーによる画像を形成する点で相違している。
【0014】
像担持体としての感光体ドラム1Y~1Kは、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC)を塗布して構成したものである。感光体ドラム1Y~1Kは、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達することにより、
図1の矢印に示す時計回り方向に回転駆動される。帯電手段2Y~2Kは、ローラ状に形成された導電性ローラで、このローラを感光体ドラム1Y~1K表面に当接させるとともに、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。露光装置3は、プロセスカートリッジ7Y~7Kの鉛直下方に配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム1Y~1Kに対して行う。現像ユニット4は、感光体表面に隣接し、不図示の駆動部により回転駆動される現像ローラ24(24Y,24M,24C,24K)、現像剤塗布ローラ25(25Y,25M,25C,25K)、それぞれ対応する色のトナーを収納したトナー容器を有している。現像ローラ24Y~24Kは、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印加することにより現像を行う。
【0015】
上述の構成により,感光ドラム1Y~1Kは、帯電ローラ2Y~2Kによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット3によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像ユニット4Y~4Kによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、BKのトナー像が形成される。
【0016】
中間転写ベルトユニット12は、中間転写ベルト12aが駆動ローラ12b、テンションローラ12dに張架されており、該テンションローラ12dが矢印E方向に張力をかけている。また、各感光ドラム1Y~1Kに対向して、中間転写ベルト12aの内側に一次転写ローラ26Y~26Kが配設されており、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となっている。各感光ドラム1Y~1Kがそれぞれ矢印方向に回転し、中間転写ベルト12aが矢印F方向に回転し、一次転写ローラ26Y~26Kに正極性のバイアスが印加される。これにより、感光ドラム1Y~1K上に形成されたトナー像は、感光ドラム1Y上のトナー像から順次、中間転写ベルト12a上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。
【0017】
給送装置13は、シート(転写材)Sを収納する給紙カセット11内からシートSを給紙する給紙ローラ9と、給紙されたシートSを搬送する搬送ローラ対10を有している。給紙カセット11は、
図1中本体手前方向へ引き抜くことができるよう構成されており、ユーザーは、給紙カセット11を引き抜き、装置本体から取り外した後、シートSをセットし装置本体へ挿入することでシート補給が完了する。給紙カセット11に収納されたシートSは、給紙ローラ9に圧接され、分離パッド27によって一枚ずつ分離され(摩擦片分離方式)搬送される。そして、給送装置13から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。二次転写部15に搬送されたシートSは、二次転写ローラ16により中間転写ベルト12a上の4色のトナー像を二次転写される。
【0018】
定着手段である定着部14は、シートS上に形成した画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。定着部14は、円筒状の定着ベルト14aと、弾性を有する加圧ローラ14bと、ヒータ等の発熱手段を備えたベルトガイド部材14cと、を有している。加圧ローラ14bは、ベルトガイド部材14cにガイドされた定着ベルト14aを介して、ベルトガイド部材14cと所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成している。加圧ローラ14bが不図示の駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト14aが回転し、不図示の内部ヒータにより定着ベルト14aは加熱される。定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSが定着ニップ部Nの定着ベルト14aと加圧ローラ14bとの間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入される。そして、シートSは、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト14aの外面に密着して定着ベルト14aと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0019】
この定着ニップ部Nを定着ベルト14aと一緒にシートSが挟持搬送されていく過程において定着ベルト14a内のヒータ熱で加熱されシートS上の未定着トナー画像が加熱定着される。定着されたシートSは排紙ローラ対20によって排紙トレイ21に排出される。一方、トナー像転写後に、感光ドラム1表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8によって除去され、除去されたトナーはクリーナユニット5内の廃トナー容器に回収される。また、シートSへの二次転写後に中間転写ベルト12a上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置22によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)に回収される。
【0020】
[露光装置]
以下、露光装置3について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る露光装置3(ユニット)の斜視図であり、
図1(b)はレーザ駆動基板45(ユニット基板)を正面から見た拡大図である。
図1において、露光装置3の光学箱(筐体)40の内部構造の説明のために、カバー部材を取り外している。
図2は、装置本体2のフレームと露光装置3の位置関係を表す図である。なお
図2では、鉛直方向をH、水平方向において、左右方向をW、奥行き方向をDとしている。
【0021】
露光装置3は、装置本体2のフレームを構成する後側板30と前側板32の間において、複数の画像形成ユニット11の下に配置されている。
図1に示すように露光装置3は、略直方体の光学箱40、複数の半導体レーザである光源41、偏向部材42、入射光学系43や結像光学系44の光学素子、電線束(不図示)及びレーザ駆動基板45、を有する。偏向部材42の回転多面鏡、入射光学系43や結像光学系44の光学素子は、光学箱40に内包するように設けられ、光学系を形成する。
【0022】
光源41はレーザ駆動基板45に設けられ、制御基板49からレーザ駆動基板45へ入力されるそれぞれの色の画像情報に従って変調されたレーザ光を出射する。4つの光源41から出射される4つのレーザ光Lは、偏向部材(回転多面鏡)42へ入射する。偏向部材42は、回転させるモータ(不図示)とモータを駆動する駆動回路(不図示)を有する。
【0023】
偏向部材42により偏向されたそれぞれの光ビームLは、結像光学系44(光学レンズ44a、ミラー44b、光学レンズ44c)により案内されてそれぞれの光路を進む。そして、光ビームLは、露光装置3の上部に設けられたそれぞれの照射窓ガラスを通して画像形成ユニット11の感光体ドラム14を露光して画像形成動作を行う。
【0024】
ここで電線束は、露光装置3の内部で電気的に接続する配線であって、偏向部材42へ電力を供給する電力供給電線および偏向部材42へ信号を送る信号線(通信線)を含み、偏向部材42とレーザ駆動基板45を接続している。
【0025】
レーザ駆動基板45は、接合エリア48において半田付けなど接続されたコネクタ46が設けられ、装置本体2の後側板30に設けられた制御基板49とフレキシブルケーブル47で電気的に接続されている(
図2)。このレーザ駆動基板45は、光学箱40の側面に配置されている。具体的には、レーザ駆動基板45の短手方向は、偏向部材42を回転させるモータの回転軸方向、つまり本実施例では鉛直方向Hとなり、レーザ駆動基板45の長手方向は、結像光学系44が配置される平面、つまり本実施例では水平方向の左右方向Wとなるようにしている。
【0026】
フレキシブルケーブル47は、レーザ駆動基板45からカラーレーザープリンタ100の外方へ延び、後側板30に取り付けられた制御基板49まではい回されている。フレキシブルケーブル47は、フレキシブルケーブル47の厚み方向には折り曲げることができるものの、フレキシブルケーブル47の幅方向へは折り曲げることができない。このためフレキシブルケーブル47は、フレキシブルケーブル47の幅方向と交差する方向に適宜、折り曲げられることによりはい回される。
【0027】
フレキシブルケーブル47は、レーザ駆動基板45へ電力を供給する電力線の他、光源41へ信号を送る信号線を含む。このように複雑なカラーレーザープリンタ100においては、電力線や信号線の数を減らすことは困難である。その結果、コネクタ46はフレキシブルケーブル47の導線が配列される幅方向(長手方向)への長さが大きくなることに伴い、コネクタ46の幅L1が大きくなる。
【0028】
一方でレーザ駆動基板45は、電子回路素子、コネクタ46が設けられたプリント基板等の電子回路基板が用いられる。電子回路基板に設けられた回路(パターン)配線は、電子回路基板の一方の面に、回路配線が複数配列された方向(配列方向)において互いに所定の間隔を隔て形成される。回路配線の間隔は、配線間で必要とされる沿面距離を確保する観点のほか、電子回路基板を形成する観点から一定の幅以上とすることが求められる。また回路配線も流される電流の大きさ等に応じて配線幅を一定の幅以上とすることが求められる。このためレーザ駆動基板45は、コネクタ46の幅L1に比べて小さいものの、コネクタ46に繋がる回路配線が複数並んだ方向においては、コネクタ46に繋がる複数の回路配線の幅、配列方向における回路配線の各々の間隔に応じて大きくなる。このため、コネクタ65の長手方向とレーザ駆動基板45の長手方向を平行にした場合、コネクタ46に繋がる複数の回路配線をレーザ駆動基板45の短手方向(鉛直方向H)に延びるように屈曲させなくてはならず、レーザ駆動基板45が小型化できなかった。つまり、コネクタ46の幅L1とコネクタ46に繋がる回路配線の配列方向におけるレーザ駆動基板45の幅L2を共に小さくすることができなかった。
【0029】
そこで本実施例では、コネクタ46の幅L1とレーザ駆動基板45の幅L2が大きくなることを抑制するため、コネクタ46の長手方向とコネクタ46に繋がる回路配線の配列方向とを交差するように配置している。つまり、コネクタ46の長手方向とレーザ駆動基板45の長手方向とを交差するように配置している。
【0030】
この結果、レーザ駆動基板45の鉛直方向における幅L2がコネクタ46の長手方向の幅L1より小さい場合であっても、フレキシブルケーブル47をコネクタ46に電気接続でき、露光装置3の鉛直方向における高さが大きくなることを抑制し、露光装置3を小型化できる。また本実施例では、レーザ駆動基板45は、コネクタ46に近接する辺45aがコネクタ46の長手方向と略平行になるようにされ、コネクタ46はフレキシブルケーブル47が辺45a側から挿入可能とされている。そのため、フレキシブルケーブル47をコネクタ46に差し込む際、作業者の手がレーザ駆動基板45に当たらずに作業できる。さらに本実施例では、コネクタ46はレーザ駆動基板45の前側板32側に、枠体の開口部34(
図2)からアクセス可能な位置に設けられている。そのため、装置本体2に露光装置3が取り付けられた状態で作業者はフレキシブルケーブル47の接続が行えるとともに、フレキシブルケーブル47のコネクタ46付近が見やすくなり、コネクタの接続作業を作業ミスなく確実に行うことができる。
【0031】
(実施例2)
実施例1では、露光装置3の小型化を図るため、露光装置3のレーザ駆動基板45に設けられたコネクタ46を、レーザ駆動基板45の長手方向に対してコネクタ46の長手方向が交差するように配置して構成としている。しかしながら本発明は、画像形成装置の内部に設けられたユニットを小型化するために用いることができ、適用範囲は露光装置3のレーザ駆動基板45に限らない。そこで本実施例では、本発明を画像形成装置100のセンサユニット23(ユニット)に適用した例について説明を行う。なお、本実施例に係る構成について説明では、実施例1と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略し、差異点を中心に説明を行う。
【0032】
図4は、本発明の実施例2としてセンサユニット23の斜視図である。なお、
図4に示したセンサユニット23は、説明のため、カバー部材の一部を除いている。センサユニット23は、中間転写ベルト20に描かれたトナー像の画像情報(画像パターンの位置情報や色の濃淡情報)を取得するために設けられる。センサユニット23で得られた情報は、制御基板49に伝えられ、光ビームLの感光体ドラム14への露光位置や露光の光量などを調整することで高品質なフルカラー画像を得ている。
【0033】
センサユニット23は、長手方向2ヶ所に画像センサ50aを取り付けたセンサ基板50(ユニット基板)、剛性のある金属部品51、センサカバー52を有する。センサ基板50は、接合エリア58において半田付けなど接続されたコネクタ53が設けられ、装置本体2の後側板30に設けられた制御基板49と電線束54などで電気接続されている。センサ基板50は金属部品51に取り付けている。センサ基板50やコネクタ53は、センサカバー52によって覆われており、センサカバー52は搬送経路の一部を担っている。センサユニット23は、中間転写ベルト12aに対向するようにして、装置本体2の後側板30と前側板32にネジ55などで取り付けられる。中間転写ベルト12aは、駆動ローラ12b、テンションローラ12dに張架され、循環走行している。センサユニット23は、中間転写ベルト12aに描かれた画像パターンを検知する特性であるから、センサユニット23と中間転写ベルト12aの位置関係は安定していることが望ましい。本実施例では
図3に示すように、センサユニット23をプロセスカートリッジ7Kと駆動ローラ12bの間に配置している。
【0034】
センサユニット23の近くには、プロセスカートリッジ7K、レジストローラ対17、駆動ローラ12bと二次転写ローラ16によって構成される二次転写部15などが配置されている。画像形成装置100を小型化するには、例えばセンサユニット23を小型化する必要がある。
【0035】
一方でより高品質なフルカラー画像を得るには、画像センサの数を増やしたり、検出する特性情報を増やしたりする必要があり、この場合、電線束54の本数が増える傾向がある。この結果、コネクタ53の長手方向への幅L3が大きくなっていた。
【0036】
また、センサ基板50は、電子回路素子、コネクタ53が設けられたプリント基板等の電子回路基板が用いられる。電子回路基板に設けられた回路(パターン)配線は、電子回路基板の一方の面に、回路配線が複数配列された方向(配列方向)において互いに所定の間隔を隔て形成される。回路配線の間隔は、配線間で必要とされる沿面距離を確保する観点のほか、電子回路基板を形成する観点から一定の幅以上とすることが求められる。また回路配線も流される電流の大きさ等に応じて配線幅を一定の幅以上とすることが求められる。このためセンサ基板50は、コネクタ53の幅L3に比べて小さいものの、コネクタ53に繋がる回路配線が複数並んだ方向においては、コネクタ53に繋がる複数の回路配線の幅、配列方向における回路配線の各々の間隔に応じて大きくなる。このため、コネクタ53の長手方向とセンサ基板50の長手方向を平行にした場合、コネクタ53に繋がる複数の回路配線をセンサ基板50の短手方向に延びるように屈曲させなくてはならず、センサ基板50が小型化できなかった。つまり、コネクタ53の幅L3とコネクタ53に繋がる回路配線の配列方向におけるセンサ基板50の幅L4を共に小さくすることができなかった。
【0037】
そこで本実施例では、コネクタ53の幅L3とセンサ基板50のコネクタ53に繋がる回路配線の配列方向の幅L4が大きくなることを抑制するため、コネクタ53の長手方向とコネクタ53に繋がる回路配線の配列方向とを交差するように配置している。つまり、コネクタ53の長手方向とセンサ基板50の長手方向とを交差するように配置している。
【0038】
この結果、コネクタ53の幅L3がとセンサ基板50の幅L4に比べて大きい場合であってもセンサ基板50を小型化できる他、後側板30に設けた開口部30aを通して電線束54に繋がるコネクタ53に電気接続できる。また、開口部30aから電線束54が差さっているかを確認できるため、作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 感光ドラム
3 露光装置(内部ユニット)
4 現像装置(現像ユニット)
7 プロセスカートリッジ
23 センサユニット(内部ユニット)
40 光学箱
41 半導体レーザ(光源)
42 偏向部材
43 入射光学系
44 結像光学系
44a 光学レンズ
44b ミラー
44c 光学レンズ
45 レーザ駆動基板
46 コネクタ
47 フレキシブルケーブル
49 制御基板
50 センサ基板(センサ50a)
51 金属部品
52 センサカバー
53 コネクタ
54 電線束
55 ネジ
100 画像形成装置
S 用紙
L 光ビーム