IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 王子ホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-包装袋 図1
  • 特開-包装袋 図2
  • 特開-包装袋 図3
  • 特開-包装袋 図4
  • 特開-包装袋 図5
  • 特開-包装袋 図6
  • 特開-包装袋 図7
  • 特開-包装袋 図8
  • 特開-包装袋 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184617
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B65D81/05 400
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186356
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2020056290の分割
【原出願日】2020-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川辺 真
(72)【発明者】
【氏名】守中 隆治
(57)【要約】
【課題】収容物品と包装袋の内側面との間の空間に空気を簡易に充填し、緩衝材としての機能を容易く維持させることを可能にする包装袋を提供する。
【解決手段】開口部11と胴部12と底部13と一対の側縁部14a、14bとを有する袋状のフィルムから成り、胴部12の内部に空気が充填された状態で緩衝材として機能する緩衝体1を備える包装袋100であって、緩衝体1は、開口部11の周縁部を胴部12の内側に折り返した折り返し部112と、折り返し部112のうち互いに対向する外側面113同士を接着し、緩衝体1の一方の側縁部14aから他方の側縁部14bまで直線状に延びて所定位置で途切れている線状接着部114と、緩衝体1の胴部12の内部に空気を供給するための空気供給孔115とを備え、包装袋100は緩衝体1を覆う紙層2を有し、紙層2において、緩衝体1の空気供給孔115が形成された位置に対応するように差込口251が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と胴部と底部と一対の側縁部とを有する袋状のフィルムから成り、前記胴部の内部に空気が充填された状態で緩衝材として機能する緩衝体を備える包装袋であって、
前記緩衝体は、
前記開口部の周縁部を前記胴部の内側に折り返した折り返し部と、
前記折り返し部のうち互いに対向する外側面同士を接着し、前記緩衝体の一方の側縁部から他方の側縁部まで直線状に延びて所定位置で途切れている線状接着部と、
前記所定位置に形成され、前記緩衝体の前記胴部の内部に空気を供給するための空気供給孔と
を備え、
前記包装袋は、前記緩衝体を覆う紙層を有し、
前記紙層において、前記緩衝体の前記空気供給孔が形成された位置に対応するように差込口が設けられることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記緩衝体は、前記包装袋に収容される物品を取り囲むように配置構成され、
前記紙層は、前記取り囲むように配置構成された緩衝体を覆う1層以上の紙層であることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記緩衝体の一対の側縁部に対応する位置に配置された前記紙層には、一対のマチ部を有するように、山折り線および谷折り線がそれぞれ形成されており、
前記緩衝体の開口部および底部に対応する位置に配置された前記紙層には、折り返すための山折り線および谷折り線が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項4】
前記緩衝体は、合成樹脂製のフィルムで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項5】
前記緩衝体は、2層以上の前記フィルムを袋状に溶着することで形成されていることを特徴とする請求項4に記載の包装袋。
【請求項6】
前記緩衝体は、前記緩衝体の前記胴部の内部に空気が充填されることによって、前記包装袋の緩衝材となっていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項7】
前記紙層は、クラフト紙で構成されることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項8】
前記クラフト紙の坪量は、50g/m2以上、150g/m2以下であることを特徴とする請求項7に記載の包装袋。
【請求項9】
前記クラフト紙の坪量は、70g/m2以上であることを特徴とする請求項8に記載の包装袋。
【請求項10】
前記包装袋は、角底貼り袋、六角底貼り袋の軽包装袋、クラフト紙からなる重包装袋の群から選択されるいずれかの貼り袋であることを特徴とする請求項2に記載の包装袋。
【請求項11】
前記緩衝体において、所定の空間を有する気室を画成するように、前記緩衝体の互いに対向する面を溶着するシール部をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項12】
前記シール部は、前記緩衝体において、2以上の気室を画成するように設けられ、
各気室ごとに、前記空気供給孔が設けられることを特徴とする請求項11に記載の包装袋。
【請求項13】
前記シール部は、2本の櫛状のものが互いに噛み合った櫛状のパターンで溶着されることによって形成されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の包装袋。
【請求項14】
1つの前記空気供給孔から前記緩衝体の前記胴部の内部に空気を充填するときに、2以上の気室内に空気が行き渡るように、前記気室を画成している前記シール部の一部にシールされない非シール部が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の包装袋。
【請求項15】
前記シール部は、前記緩衝体の前記胴部の内部に空気が充填された状態において前記気室が筏状を呈するように設けられることを特徴とする請求項14に記載の包装袋。
【請求項16】
前記折り返し部の折り返し幅は、40mm以上であることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の包装袋。
【請求項17】
前記折り返し部の折り返し幅は、200mm以下であることを特徴とする請求項16に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容状態の物品を内部に設けられた緩衝体で保護するための包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を包装袋で梱包する際、物品の運搬中に外部からの衝撃を緩和したり(衝撃緩和性)、物品が包装箱の中で上下左右に移動することを抑制するようにしたり(密閉性)するため、物品と包装袋の内側壁との間に緩衝材を配置することが広く行われている。当該緩衝材は、包装袋と別体で且つ複数の構成となっている場合が多く、開梱した後に別途廃棄する必要が生じ手間が掛かる場合が考えられる。
【0003】
そこで、外袋と内袋とが一体となっている包装用袋であって、外袋と内袋との間の空間に空気を充填することで収容物品の緩衝材として機能させることを図ったものが、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-176770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の包装用袋では、外袋と内袋との間の空間に空気を充填し密封する際に専用の装置が別途必要となり、その装置を用意するのにコストが掛かり、操作するのに手間が掛かることが予想される。
【0006】
本発明の目的は、収容物品と包装袋の内側面との間の空間に空気を簡易に充填し、緩衝材としての機能を容易く維持させることを可能にする包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による包装袋は、開口部と胴部と底部と一対の側縁部とを有する袋状のフィルムから成り、前記胴部の内部に空気が充填された状態で緩衝材として機能する緩衝体を備える包装袋であって、前記緩衝体は、前記開口部の周縁部を前記胴部の内側に折り返した折り返し部と、前記折り返し部のうち互いに対向する外側面同士を接着し、前記緩衝体の一方の側縁部から他方の側縁部まで直線状に延びて所定位置で途切れている線状接着部と、前記所定位置に形成され、前記緩衝体の前記胴部の内部に空気を供給するための空気供給孔とを備え、前記包装袋は、前記緩衝体を覆う紙層を有し、前記紙層において、前記緩衝体の前記空気供給孔が形成された位置に対応するように差込口が設けられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、上記袋状のフィルムにおいて折り返し部のうち互いに対向する外側面同士を一部を残して接着することで空気供給孔を形成し、当該空気供給孔を介して空気を充填したときに当該空気供給孔周辺が逆止弁として機能するので、充填された空気が簡単に包装袋の内部から逃げなくなる結果、上記衝撃緩和性および密閉性が、低コストおよび少ない手間で実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装袋の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る包装袋の展開平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る包装袋の断面図であって、(a)は図2のIIIa-IIIa方向断面図であり、(b)は図2のIIIb-IIIb方向断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る包装袋であって、一部を折り返した組み立て途中の展開平面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る包装袋の断面図であって、(a)は図1のVa-Va方向断面図であり、(b)は図1のVb-Vb方向断面図である。
図6図3(a)に示す断面図の一部であって、包装袋の緩衝体の空気供給孔付近に掛かる内圧について説明するための図であり、(a)は包装袋の緩衝体に空気を充填するための細長のチューブを空気供給孔に差込み、空気を充填し始めた状態、(b)は包装袋の緩衝体に空気を充填し終えた状態、(c)は包装袋の緩衝体から細長のチューブを取り出した状態、をそれぞれ表す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る包装袋の展開平面図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る包装袋の展開平面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る包装袋の断面図であって、図1のVa-Va方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は本形態の態様に限定されるものではない。
【0011】
<第1実施形態>
<構造>
図1は本発明の第1実施形態に係る包装袋100の斜視図であり、図2は本実施形態に係る包装袋100の展開平面図であり、図3は本実施形態に係る包装袋100の断面図であって、図3(a)は図2のIIIa-IIIa方向断面図であり、図3(b)は図2のIIIb-IIIb方向断面図である。図3、後述の図5および図6では、説明の便宜上、緩衝体1の厚みを1本の線で表している。
【0012】
本発明に係る包装袋100は、小物(例えば腕時計、図中では楕円柱で表現)等の物品3を内部に収容し、収容した物品3と包装袋100の内側壁との間に空気を充填することが可能な空間を有する袋状のフィルムを備えるものである。
【0013】
本実施形態に係る包装袋100は、図1および図2に示すように、開口部11と胴部12と底部13と一対の側縁部14a、14bとを有する袋状のフィルムから成る緩衝体1と、紙層2で構成されている。
【0014】
緩衝体1は、胴部12の内部に空気が充填された状態で緩衝材として機能するものである。緩衝体1と紙層2とは、互いに対向する面同士を、接着部4を介して接着されている。
【0015】
接着部4は、図2に示すように、緩衝体1の一方の側縁部14aから他方の側縁部14bまで、直線状に延在するように、開口部11側に1本、胴部12側に1本の計2本設けられている。本実施形態では、接着部4は直線状であるが、本発明ではこれに限られず、点状のものでも良い。また、本実施形態では、緩衝体1に空気が充填され緩衝体1が膨張し形状変化することを考慮して、紙層2の張った状態に対して緩衝体1は少し余裕のある状態で、紙層2に対して緩衝体1が2本の接着部4を介して接着されていることが好ましい。
【0016】
また、緩衝体1は、図1および図2に示すように、開口部11の周縁部を胴部12の内側に折り返した折り返し部112と、折り返し部112のうち互いに対向する外側面113同士を接着し、緩衝体1の一方の側縁部14aから他方の側縁部14bまで直線状に延びて所定位置で途切れている線状接着部114と、所定位置に形成され、緩衝体1の胴部12の内部に空気を供給するための空気供給孔115とを備える。
【0017】
緩衝体1の底部13において、第1層(上層)と第2層(下層)とが連続しており、左側縁部14aに沿って直線状に延在するように接着部141aによって接着されており、右側縁部14bに沿って直線状に延在するように接着部141bによって接着されていることによって、緩衝体1は、袋状になっている。
【0018】
また、紙層2において、緩衝体1の空気供給孔115が形成された位置に、配置されるように、紙層2の端縁から中央に向かって第1切込み線C1a、第2切込み線C1bを形成することで、後述の細長の空気供給チューブSが差し込み可能な空気供給孔115の位置を示唆する差込口251が設けられる。この差込口251は、紙層2の製造工程において、紙層2に緩衝体1を貼り合わせる際やその後に、紙層2の差込口251の位置と、緩衝体1の空気供給孔115の位置とが合わせられる。
【0019】
緩衝体1は、包装袋100に収容される物品3を取り囲むように配置構成され、包装袋100は、取り囲むように配置構成された緩衝体1を覆う1層以上の紙層2を有する。
【0020】
紙層2は、図1および図2に示すように、第1面部21、第2面部22、第3面部23、第4面部24、第5面部25、第1左側折り畳み部Fa、第2左側折り畳み部Fd、第1右側折り畳み部Fb、第2右側折り畳み部Fcを備える。
【0021】
第2面部22は第1側面部221と第2側面部222とを備え、第3面部23は第3側面部231と第4側面部232とを備える。
【0022】
第1左側折り畳み部Faは、第1左面部21a、第2左面部221a、第3左面部222a、第4左面部231a、第5左面部232a、第6左面部24a、第7左面部25aを備える。
【0023】
第2左側折り畳み部Fdは、第6面部26を備える。本実施形態では、第2左側折り畳み部Fdは、第6面部26の1面で構成されているが、ほかの折り畳み部と同様の構成であってもよい。
【0024】
第1右側折り畳み部Fbは、第1右面部21b、第2右面部221b、第3右面部222b、第4右面部231b、第5右面部232b、第6右面部24b、第7右面部25bを備える。
【0025】
第2右側折り畳み部Fcは、第1右端面部21c、第2右端面部221c、第3右端面部222c、第4右端面部231c、第5右端面部232c、第6右端面部24c、第7右端面部25cを備える。
【0026】
第1面部21は第1罫線L1を介して第1側面部221に接続しており、第1側面部221は第13罫線L13を介して第2側面部222に接続している。
【0027】
第1面部21は第2罫線L2を介して第3側面部231に接続しており、第3側面部231は第24罫線L24を介して第4側面部232に接続している。
【0028】
第1面部21は第5罫線L5を介して第1左面部21aに接続しており、第7罫線L7を介して第1右面部21bに接続している。
【0029】
第1左面部21aは第6罫線L6を介して第6面部26に接続しており、第1右面部21bは第8罫線L8を介して第1右端面部21cに接続している。
【0030】
第4面部24は第3罫線L3を介して第2側面部222に接続しており、第5面部25は第4罫線L4を介して第4側面部232に接続している。
【0031】
第1左面部21aと第1側面部221とは第2左面部221aを介して接続されており、第1左面部21aは第1左罫線L1aを介して第2左面部221aに接続しており、第1側面部221は第51罫線L51を介して第2左面部221aに接続している。
【0032】
第2左面部221aと第2側面部222とは第3左面部222aを介して接続されており、第2左面部221aは第2左罫線L13aを介して第3左面部222aに接続しており、第2側面部222は第52罫線L52を介して第3左面部222aに接続している。
【0033】
第3左面部222aと第4面部24とは第6左面部24aを介して接続されており、第3左面部222aは第3左罫線L3aを介して第6左面部24aに接続しており、第4面部24は第53罫線L53を介して第6左面部24aに接続している。
【0034】
第1左面部21aと第3側面部231とは第4左面部231aを介して接続されており、第1左面部21aは第4左罫線L2aを介して第4左面部231aに接続しており、第3側面部231は第54罫線L54を介して第4左面部231aに接続している。
【0035】
第4左面部231aと第4側面部232とは第5左面部232aを介して接続されており、第4左面部231aは第5左罫線L24aを介して第5左面部232aに接続しており、第4側面部232は第55罫線L55を介して第5左面部232aに接続している。
【0036】
第5左面部232aと第5面部25とは第7左面部25aを介して接続されており、第5左面部232aは第6左罫線L4aを介して第7左面部25aに接続しており、第5面部25は第56罫線L56を介して第7左面部25aに接続している。
【0037】
第1右面部21bと第1側面部221とは第2右面部221bを介して接続されており、第1右面部21bは第1右罫線L1bを介して第2右面部221bに接続しており、第1側面部221は第71罫線L71を介して第2右面部221bに接続している。
【0038】
第2右面部221bと第2側面部222とは第3右面部222bを介して接続されており、第2右面部221bは第2右罫線L13bを介して第3右面部222bに接続しており、第2側面部222は第72罫線L72を介して第3右面部222bに接続している。
【0039】
第3右面部222bと第4面部24とは第6右面部24bを介して接続されており、第3右面部222bは第3右罫線L3bを介して第6右面部24bに接続しており、第4面部24は第73罫線L73を介して第6右面部24bに接続している。
【0040】
第1右面部21bと第3側面部231とは第4右面部231bを介して接続されており、第1右面部21bは第4右罫線L2bを介して第4右面部231bに接続しており、第3側面部231は第74罫線L74を介して第4右面部231bに接続している。
【0041】
第4右面部231bと第4側面部232とは第5右面部232bを介して接続されており、第4右面部231bは第5右罫線L24bを介して第5右面部232bに接続しており、第4側面部232は第75罫線L75を介して第5右面部232bに接続している。
【0042】
第5右面部232bと第5面部25とは第7右面部25bを介して接続されており、第5右面部232bは第6右罫線L4bを介して第7右面部25bに接続しており、第5面部25は第76罫線L76を介して第7右面部25bに接続している。
【0043】
第1右端面部21cと第2右面部221bとは第2右端面部221cを介して接続されており、第1右端面部21cは第1右端罫線L1cを介して第2右端面部221cに接続しており、第2右面部221bは第81罫線L81を介して第2右端面部221cに接続している。
【0044】
第2右端面部221cと第3右面部222bとは第3右端面部222cを介して接続されており、第2右端面部221cは第2右端罫線L13cを介して第3右端面部222cに接続しており、第3右面部222bは第82罫線L82を介して第3右端面部222cに接続している。
【0045】
第3右端面部222cと第6右面部24bとは第6右端面部24cを介して接続されており、第3右端面部222cは第3右端罫線L3cを介して第6右端面部24cに接続しており、第6右面部24bは第83罫線L83を介して第6右端面部24cに接続している。
【0046】
第1右端面部21cと第4右面部231bとは第4右端面部231cを介して接続されており、第1右端面部21cは第4右端罫線L2cを介して第4右端面部231cに接続しており、第4右面部231bは第84罫線L84を介して第4右端面部231cに接続している。
【0047】
第4右端面部231cと第5右面部232bとは第5右端面部232cを介して接続されており、第4右端面部231cは第5右端罫線L24cを介して第5右端面部232cに接続しており、第5右面部232bは第85罫線L85を介して第5右端面部232cに接続している。
【0048】
第5右端面部232cと第7右面部25bとは第7右端面部25cを介して接続されており、第5右端面部232cは第6右端罫線L4cを介して第7右端面部25cに接続しており、第7右面部25bは第86罫線L86を介して第7右端面部25cに接続している。
【0049】
緩衝体1は、合成樹脂製のフィルムで構成される。緩衝体1は、2層以上のフィルムを袋状に溶着することで形成されている。緩衝体1は、上述したように、緩衝体1の胴部12の内部に空気が充填されることによって、包装袋100の緩衝材となっている。本実施形態では、紙層2は、クラフト紙で構成される。当該クラフト紙は、JIS P 3401に規定されるものが使用されうる。
【0050】
本発明の効果を奏する上で、好ましくは、クラフト紙の坪量は50g/m2以上、150g/m2以下であり、より好ましくは、坪量は70g/m2以上である。
【0051】
紙層2は、本実施形態によるクラフト紙に限られず、クラフト紙には、さらに合成樹脂繊維を含む層が積層されてもよい。
【0052】
また、本実施形態による包装袋は、上面視で略矩形のものであるがこれに限られず、包装袋100は、角底貼り袋、六角底貼り袋等の軽包装袋、クラフト紙等からなる重包装袋の群から選択されるいずれかの貼り袋であってもよい。
【0053】
<製袋機による包装袋製造の流れ>
本実施形態に係る包装袋の製造工程では製袋機が用いられる。夫々ロールから供給されたウェブ状の紙層2とフィルム層(緩衝体1の元になるフィルム)は流れとともに重ね合わされ、紙層とフィルム層は必要に応じて糊付けあるいは溶着され包装袋の袋材が形成される。
【0054】
各層が重ね合わされた袋材は、流れ方向の両端が内側に折りたたまれて筒状に貼り合わされることで、折り返し部112が形成され、折り返し部112のうち互いに対向する外側面113同士が線状接着部114により接着され、流れ方向と直交する方向において両端縁が貼り合わされ接着部141aおよび接着部141bにより接着された後、一定の長さの筒状物(包装袋100の1つ分)に断裁される。
【0055】
上述したように、折り返し部112には逆止弁の機能を有する空気供給孔115が形成される。本発明者は、空気供給孔115の形成の仕方を工夫し、通常の重包装袋の製造工程に組み込んで行うことが出来るようにした。
【0056】
また、本発明者は、折り返し部112および空気供給孔115が逆止弁として機能する上で、包装袋100の折り返し部112の上記流れ方向に直交する方向(図2では左右方向)における長さ(つまり、開口部11の周縁部を胴部12の内側に折り返したときの折り返し部112の折り返し幅)としては、緩衝体1に使用されるフィルム層(プラスチック製のフィルム)の厚さが50μmである場合、40mm以上が好ましいことを発見した。これに加えて、本発明者は、細長の空気供給チューブSを用いて空気供給孔115に差し込んで、緩衝体1内に空気を吹き込んだり、逆に緩衝体1内から空気供給チューブSを介して空気を抜いたりすることを考慮すると、当該折り返し部112の折り返し幅は、200mm程度以下であることが好ましいことを発見した。この折り返し部112の折り返し幅は、緩衝体1に使用されるフィルム層が、より薄く柔軟なプラスチック製のフィルムである場合、40mmよりも短くなりうる。
【0057】
緩衝体1に使用されるフィルム層の材質としては、包装資材として用いられるような、ポリエチレン、(CPP、OPP等の)ポリプロピレン、PET、ポリアミド等から、柔軟で熱加工可能な樹脂全般が使用可能であり、特に柔軟で熱加工性に優れたCPPは好ましく用いられる。
【0058】
<梱包手順>
図4は本実施形態に係る包装袋100であって、一部を折り返した組み立て途中の展開平面図であり、図5は本実施形態に係る包装袋100の断面図であって、図5(a)は図1のVa-Va方向断面図であり、図5(b)は図1のVb-Vb方向断面図である。図5中、ドット状のハッチング部分は充填空気を表す。
【0059】
袋状のフィルムである緩衝体1の中に物品3を入れて、紙層2に形成された罫線に沿って折り返していき、第1左側折り畳み部Fa、第2左側折り畳み部Fd、第1右側折り畳み部Fb、および第2右側折り畳み部Fcをそれぞれ折り畳み、折り畳んだときに出来上がった端部を封止し、空気供給孔115から空気を充填すると、図1に示すような包装袋が出来上がる。
【0060】
具体的には、先ず、緩衝体1の中に物品3を入れた状態で、紙層2の一対の側部にマチ部がそれぞれ形成されるように、第1罫線L1、第1左罫線L1a、第1右罫線L1b、および第1右端罫線L1cを谷折り、第13罫線L13、第2左罫線L13a、第2右罫線L13b、および第2右端罫線L13cを山折り、第3罫線L3、第3左罫線L3a、第3右罫線L3b、および第3右端罫線L3cを谷折りして、第1側面部221、第2左面部221a、第2右面部221b、および第2右端面部221c、第2側面部222、第3左面部222a、第3右面部222b、および第3右端面部222c、並びに第4面部24、第6左面部24a、第6右面部24b、および第6右端面部24cを、第1面部21、第1左面部21a、第1右面部21b、および第1右端面部21cに対して折り返し、第2罫線L2、第4左罫線L2a、第4右罫線L2b、および第4右端罫線L2cを谷折り、第24罫線L24、第5左罫線L24a、第5右罫線L24b、および第5右端罫線L24cを山折り、第4罫線L4、第6左罫線L4a、第6右罫線L4b、および第6右端罫線L4cを谷折りして、第3側面部231、第4左面部231a、第4右面部231b、および第4右端面部231c、第4側面部232、第5左面部232a、第5右面部232b、および第5右端面部232c、並びに第5面部25、第7左面部25a、第7右面部25b、および第7右端面部25cを、第1面部21、第1左面部21a、第1右面部21b、および第1右端面部21cに対して折り返すことにより、図4に示す状態になる。
【0061】
次に、第2右側折り畳み部Fcを、第8罫線L8、第81罫線81、第82罫線82、第83罫線83、第84罫線84、第85罫線85、第86罫線86を介して、内側に折り返し、さらに、第1右側折り畳み部Fbを、第7罫線L7、第71罫線71、第72罫線72、第73罫線73、第74罫線74、第75罫線75、第76罫線76を介して、内側に折り返し、第4面部24や第5面部25に固定手段(不図示、例えばテープ)により固定する。
【0062】
そして、第2左側折り畳み部Fdを、第6罫線L6を介して、内側に折り返し、さらに、第1左側折り畳み部Faを、第5罫線L5、第51罫線51、第52罫線52、第53罫線53、第54罫線54、第55罫線55、第56罫線56を介して、内側に折り返し、第4面部24や第5面部25に固定手段(不図示、例えばテープ)により固定する。
【0063】
図6図3(a)に示す断面図の一部であって、包装袋100の緩衝体1の空気供給孔115付近に掛かる内圧について説明するための図であり、図6(a)は包装袋100の緩衝体1に空気Aを充填するための細長のチューブSを空気供給孔115に差込み、空気Aを充填し始めた状態、図6(b)は包装袋100の緩衝体1に空気Aを充填し終えた状態、図6(c)は包装袋100の緩衝体1から細長のチューブSを取り出した状態、をそれぞれ表す図である。
【0064】
(差込口251を介して、)空気供給孔115に細長のチューブ(例えばストロー)Sを挿入し、図6(a)に示すように、梱包者は細長のチューブSを介して空気Aを緩衝体1に充填し、図6(b)に示すように、緩衝体1の内部に空気Aが充填されると、細長のチューブSに対して緩衝体1の空気供給孔115付近の上層フィルム1uおよび下層フィルム1dを介して内圧Pが掛かり、図6(c)に示すように、図6(b)に示す状態から、細長のチューブSを緩衝体1から抜き取ると、図1に示されたような包装袋100が出来上がる。図6(c)に示すように、この状態で、細長のチューブSに対して緩衝体1のフィルムを介して空気供給孔115付近の上層フィルム1uおよび下層フィルム1dに内圧Pが掛かる結果、上層フィルム1uと下層フィルム1dが上下に簡単に開かない状態になり空気供給孔115付近が逆止弁として機能することになって、緩衝体1内部から簡単に空気Aが抜けることがなくなり、緩衝体1が緩衝材として機能することになる。すなわち、包装袋100に収容された物品3が、図5(a)および図5(b)に示すように、空気Aが充填され膨張した緩衝体1のフィルム層によって略隙間無く包まれ、緩衝体1の中で宙吊り状態となって、収容物品3が包装袋100の中で上下左右に移動することを抑制し、物品3は包装袋100の中に安定に保持されることが可能となる。
【0065】
従来、物品を包装袋で梱包する際、物品の運搬中に外部からの衝撃を緩和したり(衝撃緩和性)、物品が包装箱の中で上下左右に移動することを抑制するようにしたり(密閉性)するため、物品と包装袋の内側壁との間に緩衝材を配置することが広く行われているが、当該緩衝材は、包装袋と別体で且つ複数の構成となっている場合が多く、開梱した後に別途廃棄する必要が生じ手間が掛かる場合が考えられることに鑑み、外袋と内袋とが一体となっている包装用袋であって、外袋と内袋との間の空間に空気を充填することで収容物品の緩衝材として機能させることを図ったものが、例えば、特許文献1に開示されている。
【0066】
しかしながら、特許文献1に記載の包装用袋では、外袋と内袋との間の空間に空気を充填し密封する際に専用の装置が別途必要となり、その装置を用意するのにコストが掛かり、操作するのに手間が掛かることが予想される。
【0067】
本実施形態によれば、上記袋状のフィルムにおいて折り返し部のうち互いに対向する外側面同士を一部を残して接着することで空気供給孔を形成し、当該空気供給孔を介して空気を充填したときに当該空気供給孔周辺が逆止弁として機能するので、充填された空気が簡単に包装袋の内部から逃げなくなる結果、上記衝撃緩和性および密閉性が、低コストおよび少ない手間で実現することが可能となる。
【0068】
また、特許文献1に記載の包装用袋は、透明であるため中身の収容物品が見えるが、本実施形態によれば、透明な袋状のフィルムである緩衝体1を、不透過性の紙層2で覆うので、収容される物品の秘匿性や機密性を保持することが可能になる。
【0069】
さらに、本実施形態に係る包装袋100の未使用時には、2枚の合成樹脂フィルムで形成された袋状の部分には空気を入れないため、通常の紙包装袋と同様かさばらずに保管することが可能である。
【0070】
また、本実施形態に係る包装袋100は、重包装袋の公知の製造工程を大きく変更することなく製造可能であり、紙層2と合成樹脂フィルム層(緩衝体1のフィルム層)を全面で接着することなく製造されるため、使用後の包装袋100を廃棄する際に、容易に紙層2と合成樹脂フィルム層を分離することが出来るため、資源の循環利用上も好ましいことになる。
【0071】
特許文献1に記載の袋は合成樹脂製袋であるため、空気を充填すると全体が外側に膨らんで、球状に近づくことが避けられず、包装体の保管や輸送の際に取り扱いにくいことが考えられるが、本実施形態では、外層に紙層2を設けることにより、空気を充填した後の包装袋100の形状は箱状にすることが出来、更に紙層2同士の摩擦によって荷崩れなどを防止することが可能である。
【0072】
具体的には、表層が坪量50g/m2以上、150g/m2以下の紙層2であることにより、空気を吹き込んだ際の包装袋100の形状は上下面が平坦に保たれ、効率的に輸送や保管をすることが出来る。該紙層2の坪量は70g/m2以上であることがより好ましく、クラフト紙であると包装袋100同士が滑って荷崩れを起こすことを防止できるため更に好ましい。また、包装袋100として、角底袋や六角底袋の様な貼り袋であると、内容物を充填した包装袋100が箱状等のより安定した形状となるため更に好ましい。
【0073】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態では、第1実施形態と異なり、内部に空気を供給したときに、袋状のフィルムの緩衝体1’が所望の形状に膨張するように、緩衝体1’の互いに対向する内側面同士をシール部によってシールする。本実施形態に係る包装袋100’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0074】
図7は、本実施形態に係る包装袋100’の展開平面図である。本実施形態では、緩衝体1’において、所定の空間を有する気室を画成するように、緩衝体1’の互いに対向する面を溶着するシール部をさらに備える。シール部は、緩衝体1’において、2以上の気室を画成するように設けられ、各気室ごとに、空気供給孔115が設けられる。
【0075】
本実施形態では、図7に示すように、シール部15a、15bは、緩衝体1’において、3つの気室を画成するように設けられ、各気室ごとに、空気供給孔115が設けられる。
【0076】
また、緩衝体1’は、図7に示すように、開口部11の周縁部を胴部12の内側に折り返した折り返し部112と、折り返し部112のうち互いに対向する外側面113同士を接着し、緩衝体1’の一方の側縁部14aから他方の側縁部14bまで直線状に延びて所定位置で3箇所途切れている線状接着部114と、3つの所定位置に形成され、緩衝体1’の内部に空気を供給するための空気供給孔115、115a、115bとを備える。
【0077】
緩衝体1’の底部13において、第1実施形態と同様に、第1層(上層)と第2層(下層)とが連続しており、左側縁部14aに沿って直線状に延在するように接着部141aによって接着されており、右側縁部14bに沿って直線状に延在するように接着部141bによって接着されていることによって、緩衝体1’は、袋状になっている。本実施形態では、さらに、シール部15aおよび15bが、開口部11から胴部12を通って底部13に亘る第1方向に沿って、それぞれ形成されており、つまり、接着部141aの延在方向と略平行にシール部15aが延在しており、接着部141bの延在方向と略平行にシール部15bが延在していることにより、袋部が3つ出来ている。
【0078】
また、紙層2において、緩衝体1’の空気供給孔115、115a、115bが形成された位置に、配置されるように、紙層2の端縁から中央に向かって第1切込み線C1aおよび第2切込み線C1b、第3切込み線C2aおよび第4切込み線C2b、並びに第5切込み線C3aおよび第6切込み線C3b、を形成することで、細長の空気供給チューブSがそれぞれ差し込み可能な3つの空気供給孔115、115a、115bの位置を示唆する3つ差込口251、252、253が設けられる。
【0079】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得られるほか、内部に空気を供給したときに、袋状のフィルムの緩衝体1’が所望の形状に膨張するように、緩衝体1’の互いに対向する内側面同士をシール部によってシール可能なので、様々な機能を包装袋100’に付与することが可能となる。例えば、上記のように、複数の気室が形成されることにより、1つの袋が破けたりしても、緩衝材としての機能を失わずに済ませることが可能となる。
【0080】
本実施形態では、シール部は緩衝体1’に直線状に2本設けられているが、本発明ではこれに限られず、シール部は、互いに噛み合った櫛状のパターンで溶着されることによって形成されてもよい。また、本実施形態では、空気供給孔が3つ設けられているが、本発明では、空気供給孔を1つにして、1つの空気供給孔115から緩衝体1’の胴部12の内部に空気を充填するときに、2以上の気室内に空気が行き渡るように、気室を画成しているシール部15aおよび15bの一部にシールされない非シール部を設ける態様も許容するものである(以下の第3実施形態を参照)。
【0081】
<第3実施形態>
本発明の第2実施形態では、内部に空気を供給したときに、緩衝体1’に3つの袋部が形成されるように、緩衝体1’の互いに対向する内側面同士をシール部15aおよび15bによって2箇所シールして、各袋部に3つの空気供給孔がそれぞれ設けられているが、第3実施形態では、第2実施形態と異なり、内部に空気を供給したときに、緩衝体1’’に筏状の袋部が複数形成されるように、シール部15aおよび15bに加えて、シール部15aおよび15bの延在方向に直交する方向に沿って緩衝体1’’の互いに対向する内側面同士をシールするシール部16およびシール部17a~17fを設けることによって縦横格子状にシールして、当該筏状の袋部に空気供給孔が1つ設けられている(後述の図8を参照)。この構成により、緩衝体1’’に形成された筏状の袋部が有する気室によって、緩衝体1’’内の空気の片寄りを防止することが可能となる(後述の図9を参照)。シール部15a、シール部15b、シール部16、およびシール部17a~17fがいわば膨らみ防止用のシールとして機能している。本実施形態に係る包装袋100’’を構成する各要素のうち、同様の機能を有するものについては、第1実施形態および第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0082】
図8は、本実施形態に係る包装袋100’’の展開平面図である。本実施形態では、緩衝体1’’において、所定の空間を有する気室を8個持つ筏状の袋部が3つ形成されるように、シール部15aおよび15bに加えて、緩衝体1’’の互いに対向する面を縦横格子状に溶着するシール部16およびシール部17a~17fをさらに備える。すなわち、シール部15a、シール部15b、シール部16、およびシール部17a~17fは、緩衝体1’’の胴部12の内部に空気が充填された状態において気室が筏状を呈するように設けられている。本実施形態では、緩衝体1’’に空気供給孔115が1つ設けられ、空気供給孔115の配置は、第1実施形態と同様である。
【0083】
本実施形態では、図8に示すように、シール部15a、15bは、第2実施形態と同様に、開口部11から胴部12を通って底部13に亘る第1方向に沿って、それぞれ形成されている。また、本実施形態では、図8に示すように、直線状のシール部16およびシール部17a~17fの7本のシール部が、当該第1方向に直交する第2方向(本発明では、当該第1方向に交差する方向でもよい)に沿って、それぞれ形成されている。
【0084】
本実施形態では、1つの空気供給孔115から緩衝体1’’の内部に空気を供給することで、24個の気室全部に空気が行き渡るように、気室を囲むシール部の一部に、シールされていない非シール部18が設けられている(図8中のシール部を示す直線状のハッチングが途切れている部分)。具体的には、図8に示すように、シール部15a、シール部15b、シール部16、およびシール部17a~17fが直線状に延びて所定位置で途切れるように、1つの気室に対して少なくとも1つの非シール部18が設けられている。すなわち、シール部15a、シール部15b、シール部16、およびシール部17a~17fに設けられた非シール部18は、1つの吹込み口(空気供給孔115)からの空気で膨らむように、気室として完全に区切られない様に設けられたものである。
【0085】
シール部16は、折り返し部112のうち緩衝体1’’の内部側部分(図6(a)~図6(c)に示す符号1uの部分)の内側面と、緩衝体1’’の開口部11の折り返し部112に背向する折り返し背向部のうち緩衝体1’’の内部側部分(図6(a)~図6(c)に示す符号1の引き出し線が接している側の部分)の内側面との対向する2面を溶着して形成されている。一方、シール部15a、15b、およびシール部17a~17fは、緩衝体1’’の全部のフィルム層を溶着(例えば挟んでヒートシール加工)して形成されており、折り返し部112および折り返し背向部の4層の場合は4層を溶着し、折り返し部112および折り返し背向部以外の領域の2層の場合は2層を溶着することで形成されている。
【0086】
また、本実施形態に係る緩衝体1’’は、第1実施形態と同様に、図8に示すように、開口部11の周縁部を胴部12の内側に折り返した折り返し部112と、折り返し部112のうち互いに対向する外側面113同士を接着し、緩衝体1の一方の側縁部14aから他方の側縁部14bまで直線状に延びて所定位置で途切れている線状接着部114と、所定位置に形成され、緩衝体1’’の内部に空気を供給するための空気供給孔115とを備える。
【0087】
さらに、本実施形態では、第1実施形態と同様に、紙層2において、緩衝体1’’の空気供給孔115が形成された位置に、配置されるように、紙層2の端縁から中央に向かって第1切込み線C1aおよび第2切込み線C1bを形成することで、細長の空気供給チューブSがそれぞれ差し込み可能な空気供給孔115の位置を示唆する差込口251が設けられる。
【0088】
図9は、本実施形態に係る包装袋100’’の断面図であって、図1のVa-Va方向断面図である。図9を参照すると、空気供給孔115から空気を供給したときに、緩衝体1’’の袋部の気室が12個存在し、それらの配置構成によって筏状を呈していることが理解される。図8に示す展開した包装袋100’’では、当該断面に対応する袋部の気室は8個であるが、紙層2に形成された第1罫線L1~第4罫線L4に沿って包装袋100’’を折り返して、緩衝体1’’に空気を供給したときに、当該第1罫線L1~第4罫線L4がいわば気室を画成する境界として機能することによって4個の気室が8個の気室になっている。
【0089】
本実施形態によれば、空気供給孔115から空気を供給したときに、包装袋100’’に収容された物品3が、図9に示すように、空気Aが充填され筏状に膨張した緩衝体1’’のフィルム層によって包まれ、緩衝体1の中で宙吊り状態となって、収容物品3が包装袋100’’の中で上下左右に移動することを抑制し、物品3は包装袋100’’の中に安定に保持されることが可能となる。
【0090】
さらに、緩衝体1’’に縦横格子状にシール部が形成されているため、各気室に充填される空気量が実質的に決定され、図9に示すように、緩衝体1’’に空気を充填するときに、各気室がある程度一定の厚みを有するエアマット状に膨張するので、第1実施形態および第2実施形態と比較して、緩衝体1’’内の充填空気の片寄りを抑制し、収容物品3を外部衝撃から、より確実に保護することが可能となる。
【符号の説明】
【0091】
1 緩衝体
2 紙層
3 物品
4 接着部
11 開口部
12 胴部
13 底部
14 側縁部
14a 左側縁部
14b 右側縁部
15a、15b シール部
100 包装袋
112 折り返し部
113 外側面
114 線状接着部
115 空気供給孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9