(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184631
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】患者関与および治療コンプライアンスを管理するための分析を含む医療流体送達システム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/28 20060101AFI20231221BHJP
G16H 50/50 20180101ALI20231221BHJP
【FI】
A61M1/28 130
G16H50/50
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188227
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2022524642の分割
【原出願日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/930,889
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】クリスティ エリザベス ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ルイス クデルカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン アラン ハンドラー
(72)【発明者】
【氏名】アイオン ジェイノス ケレメン
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンソニー ペニー
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ エー. サルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー トーマス ゲバート
(72)【発明者】
【氏名】アシュカン コルザド
(72)【発明者】
【氏名】リチャード スコット テッセル
(57)【要約】
【課題】患者関与および治療コンプライアンスを管理するための分析を含む医療流体送達システムの提供。
【解決手段】ある実施例では、インターフェースデバイスは、透析を受ける患者に関して透析機械から治療データを受信する。分析プロセッサは、治療データを処方療法またはプログラムの記録と比較することによって、透析治療パラメータ値を決定する。透析治療パラメータ値は、損失された治療時間パラメータ値、損失された滞留時間パラメータ値、および/または完了された治療日パラメータ値を含み得る。分析プロセッサは、透析治療パラメータ値を臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させる。透析治療パラメータ値は、患者が処方療法またはプログラムに準拠している程度に関するインジケーションを提供し、必要とされる場合、患者がコンプライアンスを改良することに役立つために臨床医によって使用され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方治療の患者中止を予測するためのシステムであって、前記システムは、
メモリデバイスであって、
患者の群に関する治療データおよび患者データを含む訓練データセットであって、前記訓練データはまた、前記患者が処方療法またはプログラムの治療を中止したかどうかに関するインジケーションを含む、訓練データセットと、
前記訓練データセットを使用して形成される少なくとも1つの患者予測モデルであって、前記少なくとも1つの患者予測モデルは、少なくとも(i)APD機械によって発生されたアラートのカウントまたは頻度、(ii)腹膜透析サイクルに関連する情報、(iii)患者の血圧値、および(iv)患者の体重値の入力を含む、少なくとも1つの患者予測モデルと、
処方療法またはプログラムを受けている標的患者に関する患者データおよび以前の治療データと
を記憶する、メモリデバイスと、
前記メモリデバイスに通信可能に結合される予測プロセッサであって、前記予測プロセッサは、
標的患者に関して前記APD機械から前記治療データを受信することと、
インターフェースデバイスによって受信された前記治療データを前記メモリデバイスに記憶することと、
前記標的患者の患者データ、治療データ、および以前の治療データを前記少なくとも1つの患者予測モデルに適用することによって、前記標的患者に関する懸念スコアを決定することと、
前記懸念スコアを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、予測プロセッサと
を備える、システム。
【請求項2】
前記懸念スコアは、前記標的患者が、前記処方療法またはプログラムの治療を終了するか、またはその治療の頻度を低減させるかのうちの少なくとも1つであろう確率を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記予測プロセッサは、
前記懸念スコアに寄与した最も有意な懸念パラメータを識別することと、
前記最も有意な懸念パラメータのインジケーションを前記臨床医デバイス上の前記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うようにさらに構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の懸念スコアに関連させるデータ構造を含む、請求項1または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記メモリデバイスに通信可能に結合された指針プロセッサ(310c)をさらに備え、前記指針プロセッサは、
前記標的患者の前記懸念スコアを前記ある範囲の懸念スコアと比較することと、
前記比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、
前記少なくとも1つの推奨を前記臨床医デバイス上の前記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方治療の患者中止を予測するための方法であって、前記方法は、
メモリデバイスに、
患者の群に関する治療データおよび患者データを含む訓練データセットであって、前記訓練データはまた、前記患者が処方療法またはプログラムの治療を中止したかどうかに関するインジケーションを含む、訓練データセットと、
前記訓練データセットを使用して形成される少なくとも1つの患者予測モデルであって、前記少なくとも1つの患者予測モデルは、少なくとも(i)APD機械によって発生されたアラートのカウントまたは頻度、(ii)腹膜透析サイクルに関連する情報、(iii)患者の血圧値、および(iv)患者の体重値の入力を含む、少なくとも1つの患者予測モデルと、
処方療法またはプログラムを受けている標的患者に関する患者データおよび以前の治療データと
を記憶することと、
前記メモリデバイスに通信可能に結合される予測プロセッサにおいて、標的患者に関して前記APD機械から前記治療データを受信することと、
前記予測プロセッサを介して、前記治療データを前記メモリデバイスに記憶することと、
前記予測プロセッサを介して、前記標的患者の患者データ、治療データ、および以前の治療データを前記少なくとも1つの患者予測モデルに適用することによって、前記標的患者に関する懸念スコアを決定することと、
前記予測プロセッサを介して、前記懸念スコアを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることと
を含む、方法。
【請求項7】
前記懸念スコアは、前記標的患者が、前記処方療法またはプログラムの治療を終了するか、またはその治療の頻度を低減させるかのうちの少なくとも1つであろう確率を示す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記予測プロセッサを介して、前記懸念スコアに寄与した最も有意な懸念パラメータを識別することと、
前記予測プロセッサを介して、前記最も有意な懸念パラメータのインジケーションを前記臨床医デバイス上の前記ユーザインターフェース内に表示させることと
ををさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の懸念スコアに関連させるデータ構造を含む、請求項6または8に記載の方法。
【請求項10】
前記メモリデバイスに通信可能に結合された指針プロセッサをさらに備え、前記指針プロセッサは、
前記メモリデバイスに通信可能に結合された指針プロセッサを介して、前記標的患者の前記懸念スコアを前記ある範囲の懸念スコアと比較することと、
前記指針プロセッサを介して、前記比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、
前記指針プロセッサを介して、前記少なくとも1つの推奨を前記臨床医デバイス上の前記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方治療の患者中止を予測するための予測プロセッサであって、前記予測プロセッサは、
処方療法またはプログラムを受けている標的患者に関してAPD機械から治療データを受信することと、
前記治療データをメモリデバイスに記憶することと、
訓練データセットを使用して形成される少なくとも1つの患者予測モデルにアクセスすることであって、前記少なくとも1つの患者予測モデルは、少なくとも(i)APD機械によって発生されたアラートのカウントまたは頻度、(ii)腹膜透析サイクルに関連する情報、(iii)患者の血圧値、および(iv)患者の体重値の入力を含み、前記訓練データセットは、患者の群に関する治療データおよび患者データを含み、前記訓練データはまた、前記患者が処方療法またはプログラムの治療を中止したかどうかに関するインジケーションを含む、ことと、
前記標的患者の患者データ、治療データ、および以前の治療データを前記少なくとも1つの患者予測モデルに適用することによって、前記標的患者に関する懸念スコアを決定することと、
前記懸念スコアを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、予測プロセッサ。
【請求項12】
前記懸念スコアは、前記標的患者が、前記処方療法またはプログラムの治療を終了するか、またはその治療の頻度を低減させるかのうちの少なくとも1つであろう確率を示す、請求項11に記載の予測プロセッサ。
【請求項13】
前記予測プロセッサは、
前記懸念スコアに寄与した最も有意な懸念パラメータを識別することと、
前記最も有意な懸念パラメータのインジケーションを前記臨床医デバイス上の前記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うようにさらに構成される、請求項11または12に記載の予測プロセッサ。
【請求項14】
前記メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の懸念スコアに関連させるデータ構造を含む、請求項11または13に記載の予測プロセッサ。
【請求項15】
前記予測プロセッサは、
前記標的患者の前記懸念スコアを前記ある範囲の懸念スコアと比較することと、
前記比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、
前記少なくとも1つの推奨を前記臨床医デバイス上の前記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うようにさらに構成される、請求項14に記載の予測プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
長い期間にわたって医療環境外の患者に関与することは、現在、事実上不可能なタスクである。ジム会員になる、またはトレッドミルを購入することと同様に、多くの患者は、典型的には、強気に出がちである。最初から、患者は、自己施行医療治療(例えば、医療流体送達治療)を躊躇なく取り入れがちである。多くの場合、これらの医療治療は、患者の自宅および/または診療所において行われる。医療流体送達治療に関して、患者は、毒素の蓄積に対抗するために自身の血液を清潔にするために、自身を医療流体送達機械(または腎不全治療流体を含有する容器)に接続する必要性がある。治療の一部は、自身の体重を計ること、自身の血圧を計ること、および/または自身の治療に関連する情報を記録すること等、患者が実施する必要性がある管理タスクを含み得る。患者によって記録される情報は、多くの場合、治療が処方通り進行していることを確実にするために、臨床医によって精査される。臨床医はまた、治療の調節が、必要とされるかどうかを決定するために、記録されたデータを精査する。
【0002】
経時的に、患者は、治療の繰り返しが、その目新しさを失い、ありきたりの日常的な義務になるため、意欲が低下した状態になる。想像し得るように、患者は、自己施行医療治療または同一の治療のために週に何度も診療所に通うことと比較して、むしろ、より興奮する、寛げる、または刺激的な活動に関与したいであろう。多くの患者が、治療を継続する間、患者は、時として、治療に伴う付加的タスクを実施することを省略し始める。付加的タスクを省略し、治療への意欲が低下した状態になることは、進行中の治療に関する臨床監督におけるギャップを生む潜在性を有する。患者が、治療にさらに関与しなくなるにつれて、患者は、治療を省き始め、処方時間の一部のみにわたって治療を実施し、またはそれらを完全に放棄し、プロセスにおいて自身の健康を危険に曝し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
患者順守を決定および/または予測するための医療流体データ転送システムが、本明細書に開示される。医療流体データ転送システムは、患者が、自動化腹膜透析(「APD」)機械等の医療流体送達機械を使用する、または別様にそれと相互作用する方法を追跡することによって、患者の治療コンプライアンスを改良するように構成される。いくつかの実施形態では、医療流体データ転送システムは、医療流体送達機械からのデータを分析し、1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに対する患者の順守を決定する。患者順守が、規定された閾値を下回っている、または閾値を下回る傾向がある場合、医療流体データ転送システムは、1つまたはそれを上回るエビデンスベースのアルゴリズムモデルを動作させてもよい。本明細書に開示されるように、モデルは、1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに対する患者順守が、患者が被っている場合がある潜在的問題に対処することによって改良され得る方法に関する推奨を臨床医に提供するように構成される。
【0004】
いくつかの実施形態では、医療流体データ転送システムは、代替として、または加えて、自身の治療を中止する、または規定された順守閾値を下回るリスクのある患者を識別するように構成される、1つまたはそれを上回る人工知能(「AI」)患者予測モデルを含んでもよい。1つまたはそれを上回るAI患者予測モデルは、所与の患者が治療を終了する、または所望の順守閾値を下回り得る確率を示す、懸念スコアを決定するように構成される。AI患者予測モデルは、医療流体送達機械からの治療データと、これが処方療法に関連する際、容易に入手可能な患者情報とを考慮することによって、懸念スコアを決定する。したがって、AI患者予測モデルは、患者の医療記録内に記録される第三者データまたは他の医療データにアクセスする必要性を伴わずに、容易に入手可能なデータを使用して、患者のリスクを正確に決定するように構成される。懸念スコアを提供することに加えて、本明細書に説明される例示的AI患者予測モデルは、懸念スコアが計算される方法に関する可視性または洞察を提供するように構成される。例えば、AI患者予測モデルは、懸念スコアに寄与したいくつかの有意な理由または属性を提供してもよい。いくつかの実施形態では、医療流体データ転送システムは、AI患者予測モデルによって識別された有意な属性に基づいて、臨床医のための順守推奨を発生させてもよい。
【0005】
医療流体送達機械によって実施される1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに対する患者順守を分析することに加えて、本明細書に開示される医療流体データ転送システムはまた、アラーム疲労を追跡する、および/または患者のカテーテルが問題を被っているかどうかを決定してもよい。ある実施例では、医療流体データ転送システムは、具体的患者に関する医療流体送達機械によって発生されたアラームの回数およびタイプを追跡してもよい。医療流体送達機械は、アラームに基づいて、1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに関連する問題を識別してもよい。医療流体送達機械は、次いで、1つまたはそれを上回るエビデンスベースの、および/またはAIモデルを使用し、患者または関連する臨床医のために発生されるアラームを回避するための推奨を提供してもよい。医療流体データ転送システムはまた、患者アラーム疲労を限定または回避する試みとして、臨床医および/または患者が、一部のアラームを消す、またはアラームに対処することを可能にし得る。
【0006】
別の実施例では、医療流体データ転送システムは、医療流体送達機械から充填および排出データを受信し、カテーテルステータスを決定するように構成される。医療流体送達機械は、1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに関する充填または排出時間が、規定された閾値を下回る場合、患者のカテーテル設置が誤っている、または漏出が存在すると決定してもよい。さらに、医療流体データ転送システムは、1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに関する充填または排出時間が、規定された閾値を上回る場合、カテーテルが部分的に遮断されている、またはフィブリンストランドの蓄積を有していると決定してもよい。
【0007】
例示的医療流体データ転送システムは、それに応じて、順守情報として提供される、患者の治療結果の全体像を決定する。医療流体データ転送システムは、1つまたはそれを上回る処方療法および/またはプログラムに対する患者順守を改良するための推奨および/または指針を提供するために、順守情報を使用してもよい。さらに、医療流体データ転送システムは、自身の治療を減少させる、または完全に中止するリスクのある患者を予測してもよい。本明細書に開示される医療流体データ転送システムは、それに応じて、それらの相互作用および1つまたはそれを上回る医療流体送達機械の使用を追跡し、促すことによって、1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに対する患者順守を改良する。言い換えると、医療流体データ転送システムは、患者の治療に透明性を提供し、これは、治療データが、順守問題が発生している、または発生の初期段階にあることを示すとき、臨床医が早期に介入することを可能にする。本透明性は、それに応じて、患者の医学的条件が悪化する前に臨床医が介入することを可能にする。
【0008】
本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、例えば、血漿交換、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、および持続的腎置換療法(「CRRT」)治療のための流体送達に適用可能である。本明細書に説明される医療流体データ転送システムはまた、腹膜透析(「PD」)、静脈内薬物送達、および栄養流体送達にも適用可能である。これらのモダリティは、本明細書では、集合的に、または概して、個別に医療流体送達または治療と称され得る。
【0009】
上記のモダリティは、1つまたはそれを上回るポンプ、弁、ヒータ(必要とされる場合)、オンライン医療流体発生機器(必要とされる場合)、圧力センサ、伝導率センサ、温度センサ、空気検出器、血液漏出検出器、および同等物のうちのいずれか1つ、またはそれを上回るもの、または全て等のセンサ、ユーザインターフェース、および上記に説明される機器を制御するための1つまたはそれを上回るプロセッサおよびメモリを採用し得る制御ユニット等の医療流体を送達するために必要とされるコンポーネントを格納する、医療流体送達機械によって提供されてもよい。医療流体送達機械はまた、血液を清潔にするための透析器または血液濾過器および/または水分、透析流体、または他の流体を浄化するための限外濾過器等の1つまたはそれを上回る濾過器を含んでもよい。
【0010】
本明細書に説明される医療流体送達機械および医療流体データ転送システムおよび方法論は、在宅ベースの機械と併用されてもよい。例えば、本システムは、患者の便宜に応じて動作される在宅HD、HF、またはHDF機械と併用されてもよい。1つのそのような在宅システムが、2011年10月4日に発行され、「High Convection
Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」と題され、2004年11月4日に出願され、本願の譲受人に譲渡された、米国特許第8,029,454号(「第’454号特許」)に説明されている。他のそのような在宅システムも、2013年3月12日に発行され、「Enclosure for a Portable Hemodialysis System」と題され、2008年8月27日に出願された、米国特許第8,393,690号(「第’690号特許」)に説明されている。上記の参照文献のそれぞれの全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0011】
下記に詳細に説明されるように、本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、多くの異なるタイプのデバイスを備える、多くの機械、患者、臨床医、医師、保守人員、電子医療記録(「EMR」)データベース、ウェブサイト、患者および臨床医通信を介して発生されるデータを取り扱うリソース計画システム、およびビジネスインテリジェンスを含み得る、包含的プラットフォームまたはシステム内で動作してもよい。本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、システム全体内で、そのルールおよびプロトコルに違反することなくシームレスに動作する。
【0012】
本明細書の開示に照らして、かついかようにも本開示を限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第1の側面では、自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方療法またはプログラムに対する患者順守を管理するためのシステムは、治療が提供されるべき日のスケジュールと、処方治療持続時間と、推定される処方治療滞留時間とを含む、患者に関する処方療法またはプログラムの記録を記憶する、メモリデバイスを含む。メモリデバイスはまた、APD機械によって発生される、治療データを記憶する。治療データは、処方治療またはプログラムに従ってAPD機械によって実施された透析治療毎の治療持続時間、流体滞留時間、および日付を示す。本システムはまた、ネットワークを介してAPD機械に通信可能に結合される、インターフェースデバイスを含む。インターフェースは、APD機械から治療データを受信するように構成される。本システムはさらに、インターフェースデバイスおよびメモリデバイスに通信可能に結合される、分析プロセッサを含む。分析プロセッサは、インターフェースデバイスによって受信された治療データをメモリデバイスに記憶し、処方治療持続時間と透析治療の治療持続時間との間の差異または比率としての損失された治療時間パラメータ値を決定し、推定される処方治療滞留時間と透析治療の流体滞留時間との間の差異または比率としての損失された滞留時間パラメータ値を決定し、治療が提供されるべき日のスケジュールと透析治療の日付との間の差異または比率としての完了された治療日パラメータ値を決定するように構成される。分析プロセッサはまた、損失された治療時間パラメータ値、損失された滞留時間パラメータ値、および完了された治療日パラメータ値を臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0013】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第2の側面によると、メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の損失された治療時間パラメータ値、ある範囲の損失された滞留時間パラメータ値、またはある範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つに関連させるデータ構造を含む。
【0014】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第3の側面によると、本システムはさらに、メモリデバイスに通信可能に結合される、指針プロセッサを含む。指針プロセッサは、患者に関する損失された治療時間パラメータ値、損失された滞留時間パラメータ値、または完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つを、その範囲の損失された治療時間パラメータ値、その範囲の損失された滞留時間パラメータ値、またはその範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの個別の少なくとも1つと比較し、比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択し、少なくとも1つの推奨を臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0015】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第4の側面によると、分析プロセッサは、損失された治療時間パラメータ値、損失された滞留時間パラメータ値、および完了された治療日パラメータ値を、患者の以前の治療からの以前の損失された治療時間パラメータ値、以前の損失された滞留時間パラメータ値、および以前の完了された治療日パラメータ値と関連付けてメモリデバイスに記憶し、治療の処方治療持続時間と比較した患者に関する実際の治療時間を示すために、現在および以前の損失された治療時間パラメータ値を使用して、第1のグラフを作成し、第1のグラフを臨床医デバイスの第1のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0016】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第5の側面によると、分析プロセッサは、推定される処方治療滞留時間と比較した患者に関する実際の滞留時間を示すために、現在および以前の損失された滞留時間パラメータ値を使用して、第2のグラフを作成し、第2のグラフを臨床医デバイスの第2のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0017】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第6の側面によると、患者に関する処方療法またはプログラムの記録は、充填閾値または排出閾値のうちの少なくとも1つを含み、治療データは、治療に関する流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つを含む。分析プロセッサは、流体充填時間、流体充填時間の週間平均、流体排出時間、または流体排出時間の週間平均のうちの少なくとも1つが、充填閾値または排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させるように構成される。
【0018】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第7の側面によると、アラートは、患者のカテーテルに関する問題を示す。
【0019】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第8の側面によると、患者に関する処方療法またはプログラムの記録は、充填閾値または排出閾値のうちの少なくとも1つを含み、治療データは、治療に関する流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つを含む。分析プロセッサは、流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つが、充填閾値または排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させるように構成される。
【0020】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第9の側面によると、流体充填時間は、治療のサイクルにわたる平均流体充填時間を含み、流体排出時間は、治療のサイクルにわたる平均流体排出時間を含む。
【0021】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第10の側面によると、自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方治療の患者中止を予測するためのシステムは、患者の群に関する治療データおよび患者データを含む、訓練データセットを記憶する、メモリデバイスを含む。訓練データはまた、患者が処方療法またはプログラムの治療を中止したかどうかに関するインジケーションを含む。メモリデバイスはまた、訓練データセットを使用して形成される、少なくとも1つの患者予測モデルを記憶する。少なくとも1つの患者予測モデルは、少なくとも(i)APD機械によって発生されたアラートのカウントまたは頻度、(ii)腹膜透析サイクルに関連する情報、(iii)患者の血圧値、および(iv)患者の体重値の入力を含む。メモリデバイスはさらに、処方療法またはプログラムを受けている標的患者に関する患者データおよび以前の治療データを記憶する。本システムはまた、ネットワークを介してAPD機械に通信可能に結合される、インターフェースデバイスを含む。インターフェースは、標的患者に関してAPD機械から治療データを受信するように構成される。本システムはさらに、インターフェースデバイスおよびメモリデバイスに通信可能に結合される、予測プロセッサを含む。予測プロセッサは、インターフェースデバイスによって受信された治療データをメモリデバイスに記憶し、標的患者の患者データ、治療データ、および以前の治療データを少なくとも1つの患者予測モデルに適用することによって、標的患者に関する懸念スコアを決定し、懸念スコアを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0022】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第11の側面によると、懸念スコアは、標的患者が、処方療法またはプログラムの治療を終了するか、またはその治療の頻度を低減させるかのうちの少なくとも1つであろう確率を示す。
【0023】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第12の側面によると、予測プロセッサは、懸念スコアに寄与した最も有意な懸念パラメータを識別し、最も有意な懸念パラメータのインジケーションを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0024】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第13の側面によると、メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の懸念スコアに関連させるデータ構造を含む。
【0025】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第14の側面によると、本システムはさらに、メモリデバイスに通信可能に結合される、指針プロセッサを含む。指針プロセッサは、標的患者の懸念スコアをその範囲の懸念スコアと比較し、比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択し、少なくとも1つの推奨を臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させるように構成される。
【0026】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第15の側面によると、透析機械によって施行される処方療法またはプログラムに対する患者順守を管理するための方法は、インターフェースデバイスにおいて、透析機械から治療データを受信することを含む。治療データは、処方治療またはプログラムに従って透析機械によって実施された透析治療に関する治療持続時間、流体滞留時間、および日付を示す。本方法はまた、インターフェースデバイスに通信可能に結合される分析プロセッサを介して、治療データを処方療法またはプログラムの記録と比較することによって、透析治療パラメータ値を決定することを含む。記録は、治療が提供されるべき日のスケジュールと、処方治療持続時間と、推定される処方治療滞留時間とを含む。透析治療パラメータ値は、処方治療持続時間と透析治療の治療持続時間との間の差異または比率としての損失された治療時間パラメータ値、推定される処方治療滞留時間と透析治療の流体滞留時間との間の差異または比率としての損失された滞留時間パラメータ値、または治療が提供されるべき日のスケジュールと透析治療の日付との間の差異または比率としての完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも2つを含む。本方法はさらに、分析プロセッサを介して、損失された治療時間パラメータ値、損失された滞留時間パラメータ値、または完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも2つを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることを含む。
【0027】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第16の側面によると、本方法はさらに、分析プロセッサを介して、受信された治療データおよび記録をメモリデバイスに記憶することを含む。
【0028】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第17の側面によると、透析機械は、自動化腹膜透析(「APD」)機械または血液透析機械を含む。
【0029】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第18の側面によると、患者に関する処方療法またはプログラムの記録は、充填閾値または排出閾値のうちの少なくとも1つを含み、治療データは、治療に関する流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第19の側面によると、本方法はさらに、分析プロセッサを介して、流体充填時間、流体充填時間の週間平均、流体排出時間、または流体排出時間の週間平均のうちの少なくとも1つが、充填閾値または排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させること、または分析プロセッサを介して、流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つが、充填閾値または排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させることのうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第20の側面によると、アラートは、患者のカテーテルに関する問題を示す。
【0032】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第21の側面によると、本方法はさらに、分析プロセッサを介して、医療流体送達推奨をある範囲の損失された治療時間パラメータ値、ある範囲の損失された滞留時間パラメータ値、またはある範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つに関連させるデータ構造にアクセスすることと、分析プロセッサを介して、患者に関する損失された治療時間パラメータ値、損失された滞留時間パラメータ値、または完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つを、その範囲の損失された治療時間パラメータ値、その範囲の損失された滞留時間パラメータ値、またはその範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの個別の少なくとも1つと比較することと、分析プロセッサを介して、比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、分析プロセッサを介して、少なくとも1つの推奨を臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることとを含む。
【0033】
本開示の第22の側面では、
図1-20のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものに関連して開示される構造、機能性、および代替のうちのいずれかは、
図1-20のうちの任意の他の1つまたはそれを上回るものに関連して開示される任意の他の構造、機能性、および代替と組み合わせられてもよい。
【0034】
本開示および上記の側面に照らして、したがって、改良された医療流体送達システムを提供することが、本開示の利点である。
【0035】
処方療法またはプログラムに対する患者順守を決定し、患者が医療流体送達機械によって施行される治療を早期に終了することを防止することが、本開示の別の利点である。
【0036】
類似する処方療法またはプログラムを受ける患者の訓練データセットを使用して、処方療法またはプログラムに対する患者順守を予測することが、本開示のさらなる利点である。
【0037】
改良された臨床医または介護者指針および効率を提供することが、本開示のさらなる利点である。
【0038】
透析治療からの改良された患者転帰を提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0039】
異なるタイプの医療流体送達機械に適用され得る医療流体データ転送システムおよび方法論を提供することが、本開示のまた別の利点である。
【0040】
付加的特徴および利点が、以下の詳細な説明および図に説明され、それから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの付加的特徴および利点が、図および説明を考慮して、当業者に明白となるであろう。また、任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要性はなく、個々の有利な実施形態を別個に請求することが、明確に想定される。また、本明細書に使用される言語が、発明的主題の範囲を限定するためではなく、主として、可読性および命令目的のために選択されていることに留意されたい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方療法またはプログラムに対する患者順守を管理するためのシステムであって、上記システムは、
メモリデバイスであって、
治療が提供されるべき日のスケジュールと、処方治療持続時間と、推定される処方治療滞留時間とを含む患者に関する上記処方療法またはプログラムの記録と、
上記APD機械によって発生される治療データであって、上記治療データは、上記処方治療またはプログラムに従って上記APD機械によって実施された透析治療毎の治療持続時間、流体滞留時間、および日付を示す、治療データと
を記憶する、メモリデバイスと、
ネットワークを介して上記APD機械に通信可能に結合されるインターフェースデバイスであって、上記インターフェースは、上記APD機械から上記治療データを受信するように構成される、インターフェースデバイスと、
上記インターフェースデバイスおよび上記メモリデバイスに通信可能に結合される分析プロセッサであって、上記分析プロセッサは、
上記インターフェースデバイスによって受信された上記治療データを上記メモリデバイスに記憶することと、
上記処方治療持続時間と上記透析治療の治療持続時間との間の差異または比率としての損失された治療時間パラメータ値を決定することと、
上記推定される処方治療滞留時間と上記透析治療の流体滞留時間との間の差異または比率としての損失された滞留時間パラメータ値を決定することと、
上記治療が提供されるべき日のスケジュールと上記透析治療の日付との間の差異または比率としての完了された治療日パラメータ値を決定することと、
上記損失された治療時間パラメータ値、上記損失された滞留時間パラメータ値、および上記完了された治療日パラメータ値を臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、分析プロセッサと
を備える、システム。
(項目2)
上記メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の損失された治療時間パラメータ値、ある範囲の損失された滞留時間パラメータ値、またはある範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つに関連させるデータ構造を含む、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記メモリデバイスに通信可能に結合された指針プロセッサであって、
上記患者に関する上記損失された治療時間パラメータ値、上記損失された滞留時間パラメータ値、または上記完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つを、上記ある範囲の損失された治療時間パラメータ値、上記ある範囲の損失された滞留時間パラメータ値、または上記ある範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの個別の少なくとも1つと比較することと、
上記比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、
上記少なくとも1つの推奨を上記臨床医デバイス上の上記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、指針プロセッサ
をさらに備える、項目2に記載のシステム。
(項目4)
上記分析プロセッサは、
上記損失された治療時間パラメータ値、上記損失された滞留時間パラメータ値、および上記完了された治療日パラメータ値を、上記患者の以前の治療からの以前の損失された治療時間パラメータ値、以前の損失された滞留時間パラメータ値、および以前の完了された治療日パラメータ値と関連付けて上記メモリデバイスに記憶することと、
上記治療の処方治療持続時間と比較した上記患者に関する実際の治療時間を示すために、現在および以前の損失された治療時間パラメータ値を使用して、第1のグラフを作成することと、
上記第1のグラフを上記臨床医デバイスの第1のユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、項目1または3に記載のシステム。
(項目5)
上記分析プロセッサは、
上記推定される処方治療滞留時間と比較した上記患者に関する実際の滞留時間を示すために、現在および以前の損失された滞留時間パラメータ値を使用して、第2のグラフを作成することと、
上記第2のグラフを上記臨床医デバイスの第2のユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、項目4に記載のシステム。
(項目6)
上記患者に関する上記処方療法またはプログラムの記録は、充填閾値または排出閾値のうちの少なくとも1つを含み、上記治療データは、上記治療に関する流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つを含み、
上記分析プロセッサは、上記流体充填時間、流体充填時間の週間平均、上記流体排出時間、または流体排出時間の週間平均のうちの少なくとも1つが、上記充填閾値または上記排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させるように構成される、
項目1、3、または5に記載のシステム。
(項目7)
上記アラートは、上記患者のカテーテルに関する問題を示す、項目6に記載のシステム。
(項目8)
上記患者に関する上記処方療法またはプログラムの記録は、充填閾値または排出閾値のうちの少なくとも1つを含み、上記治療データは、上記治療に関する流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つを含み、
上記分析プロセッサは、上記流体充填時間または上記流体排出時間のうちの少なくとも1つが、上記充填閾値または上記排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させるように構成される、
項目6に記載のシステム。
(項目9)
上記流体充填時間は、上記治療のサイクルにわたる平均流体充填時間を含み、上記流体排出時間は、上記治療のサイクルにわたる平均流体排出時間を含む、項目6に記載のシステム。
(項目10)
自動化腹膜透析(「APD」)機械によって施行される処方治療の患者中止を予測するためのシステムであって、上記システムは、
メモリデバイスであって、
患者の群に関する治療データおよび患者データを含む訓練データセットであって、上記訓練データはまた、上記患者が処方療法またはプログラムの治療を中止したかどうかに関するインジケーションを含む、訓練データセットと、
上記訓練データセットを使用して形成される少なくとも1つの患者予測モデルであって、上記少なくとも1つの患者予測モデルは、少なくとも(i)APD機械によって発生されたアラートのカウントまたは頻度、(ii)腹膜透析サイクルに関連する情報、(iii)患者の血圧値、および(iv)患者の体重値の入力を含む、少なくとも1つの患者予測モデルと、
処方療法またはプログラムを受けている標的患者に関する患者データおよび以前の治療データと
を記憶する、メモリデバイスと、
ネットワークを介して上記APD機械に通信可能に結合されるインターフェースデバイスであって、上記インターフェースは、標的患者に関して上記APD機械から上記治療データを受信するように構成される、インターフェースデバイスと、
上記インターフェースデバイスおよび上記メモリデバイスに通信可能に結合される予測プロセッサであって、上記予測プロセッサは、
上記インターフェースデバイスによって受信された上記治療データを上記メモリデバイスに記憶することと、
上記標的患者の患者データ、治療データ、および以前の治療データを上記少なくとも1つの患者予測モデルに適用することによって、上記標的患者に関する懸念スコアを決定することと、
上記懸念スコアを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、予測プロセッサと
を備える、システム。
(項目11)
上記懸念スコアは、上記標的患者が、上記処方療法またはプログラムの治療を終了するか、またはその治療の頻度を低減させるかのうちの少なくとも1つであろう確率を示す、項目10に記載のシステム。
(項目12)
上記予測プロセッサは、
上記懸念スコアに寄与した最も有意な懸念パラメータを識別することと、
上記最も有意な懸念パラメータのインジケーションを上記臨床医デバイス上の上記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、項目10または11に記載のシステム。
(項目13)
上記メモリデバイスは、医療流体送達推奨をある範囲の懸念スコアに関連させるデータ構造を含む、項目10または12に記載のシステム。
(項目14)
上記メモリデバイスに通信可能に結合された指針プロセッサであって、
上記標的患者の懸念スコアを上記ある範囲の懸念スコアと比較することと、
上記比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、
上記少なくとも1つの推奨を上記臨床医デバイス上の上記ユーザインターフェース内に表示させることと
を行うように構成される、指針プロセッサ
をさらに備える、項目13に記載のシステム。
(項目15)
透析機械によって施行される処方療法またはプログラムに対する患者順守を管理するための方法であって、上記方法は、
インターフェースデバイスにおいて、上記透析機械から治療データを受信することであって、上記治療データは、処方治療またはプログラムに従って上記透析機械によって実施された透析治療に関する治療持続時間、流体滞留時間、および日付を示す、ことと、
上記インターフェースデバイスに通信可能に結合される分析プロセッサを介して、上記治療データを上記処方療法またはプログラムの記録と比較することによって、透析治療パラメータ値を決定することであって、上記記録は、治療が提供されるべき日のスケジュールと、処方治療持続時間と、推定される処方治療滞留時間とを含み、上記透析治療パラメータ値は、
上記処方治療持続時間と上記透析治療の治療持続時間との間の差異または比率としての損失された治療時間パラメータ値、
上記推定される処方治療滞留時間と上記透析治療の流体滞留時間との間の差異または比率としての損失された滞留時間パラメータ値、または、
上記治療が提供されるべき日のスケジュールと上記透析治療の日付との間の差異または比率としての完了された治療日パラメータ値
のうちの少なくとも2つを含む、ことと、
上記分析プロセッサを介して、上記損失された治療時間パラメータ値、上記損失された滞留時間パラメータ値、または上記完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも2つを臨床医デバイス上のユーザインターフェース内に表示させることと
を含む、方法。
(項目16)
上記分析プロセッサを介して、上記受信された治療データおよび上記記録をメモリデバイスに記憶することをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記透析機械は、自動化腹膜透析(「APD」)機械または血液透析機械を含む、項目15または16に記載の方法。
(項目18)
上記患者に関する上記処方療法またはプログラムの記録は、充填閾値または排出閾値のうちの少なくとも1つを含み、上記治療データは、上記治療に関する流体充填時間または流体排出時間のうちの少なくとも1つを含む、項目15または17に記載の方法。
(項目19)
上記分析プロセッサを介して、上記流体充填時間、流体充填時間の週間平均、上記流体排出時間、または流体排出時間の週間平均のうちの少なくとも1つが、上記充填閾値または上記排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させること、または、
上記分析プロセッサを介して、上記流体充填時間または上記流体排出時間のうちの少なくとも1つが、上記充填閾値または上記排出閾値のうちの個別の少なくとも1つを超える場合、アラートを発生させること
のうちの少なくとも1つをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
上記アラートは、上記患者のカテーテルに関する問題を示す、項目19に記載の方法。
(項目21)
上記分析プロセッサを介して、医療流体送達推奨をある範囲の損失された治療時間パラメータ値、ある範囲の損失された滞留時間パラメータ値、またはある範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つに関連させるデータ構造にアクセスすることと、
上記分析プロセッサを介して、上記患者に関する上記損失された治療時間パラメータ値、上記損失された滞留時間パラメータ値、または上記完了された治療日パラメータ値のうちの少なくとも1つを、上記ある範囲の損失された治療時間パラメータ値、上記ある範囲の損失された滞留時間パラメータ値、または上記ある範囲の完了された治療日パラメータ値のうちの個別の少なくとも1つと比較することと、
上記分析プロセッサを介して、上記比較に基づいて、少なくとも1つの推奨を選択することと、
上記分析プロセッサを介して、上記少なくとも1つの推奨を上記臨床医デバイス上の上記ユーザインターフェース内に表示させることと
をさらに含む、項目15または19に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、少なくとも1つの医療流体送達機械を含む、医療流体データ転送システムを図示する、概略図である。
【0042】
【
図2】
図2は、本開示のある実施形態による、医療流体送達機械の概略図である。
【0043】
【
図3】
図3は、本開示のある実施形態による、臨床医サーバを含む、
図1の医療流体データ転送システムの概略図である。
【0044】
【
図4】
図4は、本開示のある例示的実施形態による、医療流体送達機械からの治療データの分析処理のために構成される、
図3の臨床医サーバの略図である。
【0045】
【
図5】
図5は、本開示のある例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって実施される、少なくともいくつかの算出を図示する、略図である。
【0046】
【
図6】
図6は、本開示のある例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的ダッシュボードユーザインターフェースの略図である。
【0047】
【
図7】
図7-9は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的患者順守分析ユーザインターフェースの略図である。
【
図8】
図7-9は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的患者順守分析ユーザインターフェースの略図である。
【
図9】
図7-9は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的患者順守分析ユーザインターフェースの略図である。
【0048】
【
図10】
図10および11は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的カテーテル分析ユーザインターフェースの略図である。
【
図11】
図10および11は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的カテーテル分析ユーザインターフェースの略図である。
【0049】
【
図12】
図12および13は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的アラーム分析ユーザインターフェースの略図である。
【
図13】
図12および13は、本開示の例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、例示的アラーム分析ユーザインターフェースの略図である。
【0050】
【
図14】
図14は、本開示のある例示的実施形態による、
図3および4の臨床医サーバによって提供される、推奨を伴う例示的患者順守ユーザインターフェースの略図である。
【0051】
【
図15】
図15は、本開示のある例示的実施形態による、医療流体送達機械からの治療データに基づいて、患者順守、カテーテル、およびアラーム分析データを決定するための例示的プロシージャのフロー図である。
【0052】
【
図16】
図16は、本開示のある例示的実施形態による、医療流体送達機械からの治療データの予測処理のために構成される、
図3の臨床医サーバの略図である。
【0053】
【
図17】
図17は、本開示のある例示的実施形態による、
図16の臨床医サーバによって提供される、懸念スコアユーザインターフェースの略図である。
【0054】
【
図18】
図18は、本開示のある例示的実施形態による、懸念スコアユーザインターフェースの別の略図である。
【0055】
【
図19】
図19は、本開示のある例示的実施形態による、
図16の臨床医サーバによって提供される推奨を伴う、例示的患者懸念スコアユーザインターフェースの略図である。
【0056】
【
図20】
図20は、本開示のある例示的実施形態による、医療流体送達機械からの治療データを使用して、患者順守を予測するための例示的プロシージャのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
医療流体送達システムが、本明細書に開示される。例示的医療流体送達システムは、医療流体送達機械からの治療データを使用して、1つまたはそれを上回る処方療法および/またはプログラムに対する患者の順守を改良するように構成される。例示的医療流体送達システムは、例えば、患者を治療している臨床医の臨床医デバイスに提供される、順守分析を決定する。順守情報は、患者が経時的に処方療法を順守している程度に関して示す情報を含む。順守情報は、処方療法が患者によって完了された日数を含んでもよい。順守情報はまた、治療の間に処方療法を早期に終了する患者からもたらされ得る、損失された治療時間および/または低流体滞留時間を含んでもよい。臨床医は、順守情報を使用し、処方療法の変更が必要とされるかどうか、および/または患者介入/教育が必要とされるかどうかを決定してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、順守情報はまた、施行される治療からの排出および充填時間を、処方療法に関する規定された、および/または閾値排出および充填時間と比較する、カテーテル分析情報を含んでもよい。規定された、および/または閾値時間からの排出および充填時間の逸脱は、患者のカテーテルが不適切に位置付けられている、または整合されていることを示し得る。逸脱はまた、患者の詰まりまたはフィブリンストランドからのカテーテルの部分的遮断を示し得る。臨床医は、カテーテル分析情報を使用し、患者の治療順守がカテーテル性能によって影響を受けているかどうかを決定し、カテーテルに対する是正措置(交換または再位置付け等)を行ってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、順守情報はさらに、アラームタイプおよびアラーム発生頻度の概要を提供する、アラーム分析情報を含んでもよい。臨床医は、アラーム情報を使用し、患者が被っている場合がある問題を識別してもよい。アラーム分析情報はまた、カテーテル分析情報および/または治療順守情報を強化するために使用されてもよい。例えば、アラームは、患者が治療の途中で充填および/または排出時間をバイパスし、治療を早期に終了していることを示し得る。
【0060】
いくつかの実施形態における医療流体送達システムは、1つまたはそれを上回るエビデンスベースのモデルを使用し、患者順守を改良するための推奨および/または指針を決定してもよい。推奨および/または指針は、例えば、国際腹膜透析学会(「ISPD」)、全米腎臓基金(「NKF」)、および/またはNKF疾患転帰品質イニシアチブ(「DOQI」)によって提供される公式指針に基づいてもよい。医療流体送達システムは、患者毎の順守分析を、順守分析値をある推奨および/または指針に関連させるデータ構造と比較する。医療流体送達システムは、比較を使用し、推奨を臨床医および/または患者に自動的に伝送する。
【0061】
いくつかの実施形態における医療流体送達システムは、1週間から1か月先以内に治療を低減または中止するリスクが高いと見なされる患者を識別するように構成される、1つまたはそれを上回る患者予測モデルを使用してもよい。患者予測モデルは、医療流体送達システムに関連する実質的に全ての患者に関する以前の治療データを使用して訓練される、AIモデルおよび/または機械学習モデルを含んでもよい。リスクのある患者を識別することに加えて、患者予測モデルは、分析に影響を及ぼした少なくとも3~5つの上位寄与因子または属性を決定する。臨床医は、寄与因子の知識を使用し、介入アクションまたはリスク軽減ステップを決定し、処方療法またはプログラムに対する患者の順守を改良してもよい。いくつかの事例では、医療流体送達システムは、1つまたはそれを上回るエビデンスベースのモデルを使用し、識別された寄与因子および/またはリスクスコアに基づいて、臨床医および/または患者に関する推奨または指針を自動的に決定する。
【0062】
処方療法またはプログラムおよび対応する治療が、本明細書に言及される。処方療法またはプログラムは、医療流体送達機械が患者に治療を施行するように動作するべき方法を定義する、1つまたはそれを上回るパラメータに対応する。腹膜透析療法に関して、パラメータは、患者の腹膜腔の中に圧送されるべき新鮮な透析流体の量(または率)、流体が患者の腹膜腔内に留まるべき時間の量(すなわち、滞留時間)、および滞留期間が終了した後に患者から圧送または排出されるべき使用済み透析流体および限界濾過(「UF」)の量(または率)を規定してもよい。複数のサイクルを伴う治療に関して、パラメータは、サイクル毎の充填、滞留、および排出量および治療の過程の間に実施されるべきサイクルの合計回数(1回の治療が、1日毎に提供される、または別個の治療が、日中および夜間に提供される)を規定してもよい。加えて、パラメータ(またはデバイスプログラム)は、治療が医療流体送達機械によって施行されるべき日付/時間/日(例えば、スケジュール)を規定してもよい。さらに、処方療法のパラメータは、ブドウ糖レベル等の透析流体の濃度レベルに加えて、治療毎に投与されるべき透析流体の合計体積を規定してもよい。
【0063】
処方療法は、医療流体送達機械によって提供される治療毎にパラメータを規定し得るが、機械によって報告される治療データは、異なり得る。本明細書に議論されるように、治療データは、測定、検出、または決定されたパラメータ値を示す、医療流体送達機械によって発生されるデータを指す。例えば、処方療法は、治療が、それぞれ45分の滞留時間を伴う5つの別個のサイクルを備えるべきであることを規定し得るが、医療流体送達機械は、それぞれ30分の滞留時間を伴うより少ないサイクルが提供される治療を施行し得る。処方パラメータからの差異は、患者が療法プログラムを上書きする、または治療を早期に中止することに起因し得る。医療流体送達機械は、治療が施行される様子を監視し、それに応じて、動作を示すパラメータを提供する。治療データに関するパラメータは、例えば、患者に投与された透析流体の合計量、動作されるサイクルの回数、サイクルあたりの充填量、サイクルあたりの滞留時間、サイクルあたりの排出時間/量、除去されたUFの推定される量、治療開始時間/日付、および/または治療終了時間/日付を含んでもよい。治療データはまた、圧送された流体の量を圧送に費やされる時間で除算することによって決定される、充填率および排出率等の計算されたパラメータを含んでもよい。治療データはさらに、治療の間に生じたアラームの識別、アラームの持続時間、アラームの時間、アラームと関連付けられる事象、および/またはアラームを引き起こした問題が解決されたかどうか、またはアラームが消されたかどうかに関するインジケーションを含んでもよい。
【0064】
治療データに加えて、医療流体送達システムは、患者データを使用してもよい。本明細書に開示されるように、患者データは、治療データから決定されてもよい。例えば、医療流体送達システムは、治療データの日付に基づいて、医療流体送達機械に関する患者の経験レベルを決定してもよい。加えて、または代替として、患者データは、臨床医/患者によって提供される、処方療法またはプログラム内で規定される、および/または患者登録を介して提供され得る、人口統計データを含んでもよい。人口統計データは、患者年齢、性別、患者移動性レベル、患者の腎臓条件、処方履歴等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、患者データおよび/または治療データは、医療流体送達システムが、データベース内に位置する適切な患者記録内に受信されたデータを記憶することを可能にする、識別子を含んでもよい。識別子は、患者識別子、患者氏名、および/または医療流体送達システムの識別子を含んでもよい。
【0065】
分析データもまた、本明細書に言及される。下記により詳細に議論されるように、分析データは、処方療法またはプログラムの1つまたはそれを上回るパラメータと比較された、および/または規定された閾値と比較された治療データを指す。分析データは、治療データのパラメータ値と処方療法において規定された対応するパラメータ値との間の差異を表してもよい。分析データはまた、治療データのあるパラメータと処方療法および/またはプログラムからの対応するパラメータ(または規定された限界/閾値)との間の比率を表してもよい。分析データは、単一の治療に関する比較または複数の治療に関する経時的な傾向を表してもよい。分析データはまた、患者が、処方療法またはプログラムに関する治療を中止する、または治療の自身の施行を有意に低減させ得ることを示し得る因子を決定するためにAIまたは機械学習を使用する、1つまたはそれを上回る患者予測モデルからの出力を表してもよい。
【0066】
本明細書に議論されるように、医療流体送達機械は、患者の住居に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、医療流体送達機械は、完全サービスの医療施設および/またはセルフサービスの医療施設に位置してもよい。いくつかの実施形態では、患者は、自身の住居に位置する第1の医療流体送達機械を使用し、セルフサービスの医療施設に位置する第2の医療流体送達機械を使用してもよい。これらの実施形態では、医療流体送達システムは、順守分析、カテーテル分析、アラーム分析、および/または患者予測分析のうちの少なくとも1つに関する第1および第2の医療流体送達機械からの治療データを組み合わせるように構成される。いくつかの事例では、医療流体送達システムは、医療流体送達機械別の、および/または施設ベースの治療と比較した在宅ベースの治療別の報告されたデータの内訳を提供するように構成される。
I.医療流体送達システム実施形態
【0067】
本明細書に開示される例示的医療流体送達システムは、1つまたはそれを上回る医療流体送達機械を含む。医療流体送達機械の一実施例は、腎不全療法機械である。腎不全療法機械に関して、種々の原因に起因して、患者の腎臓系は、機能しなくなり得る。腎不全は、いくつかの生理学的撹乱を生じさせる。例えば、腎不全を被る患者は、もはや水分およびミネラルの平衡を保つ、または日常の代謝負荷を排泄することができない。窒素代謝の毒性最終生産物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)は、患者の血液および組織中に蓄積し得る。
【0068】
腎臓不全および低減された腎臓機能は、透析を用いて治療されている。透析は、身体から、正常に機能している腎臓がそうでなければ除去するであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎臓機能の置換のための透析治療は、治療が救命的であるため、多くの人々にとって重要である。
【0069】
1つのタイプの腎臓不全治療は、一般に、患者の血液から老廃物を除去するために拡散を使用する、血液透析(「HD」)である。拡散勾配が、拡散を引き起こすために、患者の血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解質溶液との間の半浸透性透析器を横断して起こる。
【0070】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する代替腎置換療法である。HFは、治療の間に体外回路に代替液または補液(典型的には、10~90リットルのそのような流体)を添加することによって遂行される。代替液および治療の間に患者によって蓄積される流体は、HF治療の過程にわたって限外濾過され、中および大分子を除去する際に特に有益である対流輸送機構を提供する(血液透析では、透析セッションの間に得られる流体とともに、少量の老廃物が除去されるが、しかしながら、その限外濾過液の除去からの溶質牽引は、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0071】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる治療モダリティである。HDFは、拡散クリアランスを提供するために、標準的血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用する。加えて、代替液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0072】
大部分のHD(HF、HDF)治療は、センターで行われる。在宅血液透析(「HHD」)に向かう傾向が、1つには、HHDが毎日実施され得、典型的には、週に2または3回行われるセンター内血液透析治療に優る療法利益を提供するため、今日存在する。研究によって、頻繁な治療が、より頻度が低いが、おそらく、より長い治療を受ける患者よりも多くの毒素および老廃物を除去することが示されている。より頻繁に治療を受ける患者は、治療に先立って2または3日分の毒素を蓄積しているセンター内患者と比較して多くのダウンサイクルを被らない。ある地域では、最も近い透析センターは、患者の自宅から何マイルも離れ、全行程を含めた治療時間として1日の大部分を費やす場合がある。対照的に、HHDは、1晩にわたって、または患者が寛いでいる、働いている、または別様に生産的である間の日中に行われ得る。
【0073】
別のタイプの腎臓不全療法は、腹膜透析であり、これは、透析流体とも呼ばれる透析液をカテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入する。透析流体は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析流体の中に通過し、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して起こる。透析における浸透剤が、浸透勾配を提供する。使用済みまたは消耗済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0074】
持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、および潮汐流透析、および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの腹膜透析療法が、存在する。CAPDは、手動透析治療である。ここでは、患者は、使用済みまたは消耗済み透析液流体が患者の腹膜腔から排出することを可能にするために、埋込されたカテーテルをドレインに手動で接続する。患者は、次いで、カテーテルを通して患者の中に新鮮な透析流体を注入するために、新鮮な透析流体のバッグにカテーテルを接続する。患者は、カテーテルを新鮮な透析流体バッグから接続解除し、透析流体が腹膜腔内で滞留することを可能にし、そこで、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、起こる。ある滞留期間後、患者は、例えば、1日あたり4回手動透析手技を繰り返し、各治療は、1時間~6時間続く。手動腹膜透析は、患者から有意な量の時間および努力を要求し、改良の余地がある。
【0075】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析治療が排出、充填、および滞留サイクルを含む点においてCAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動的にサイクルを実施する。APD機械は、治療サイクルを手動で実施する必要性から、かつ日中に供給物を運搬する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテルに、新鮮な透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析流体を透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械はまた、透析流体が腔内で滞留することを可能にし、廃棄物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の無菌透析流体バッグを含み得る。
【0076】
APD機械は、使用済みまたは消耗済み透析液を患者の腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスのように、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析の間に起こる。「最後の充填」は、APDの終わりに起こり、次の治療まで患者の腹膜腔内に留まる。
【0077】
機械によって実施される上記のモダリティのいずれも、スケジュールベースで実行され得、スタートアッププロシージャを要求し得る。例えば、透析患者は、典型的には、隔日、毎日等の処方療法またはプログラムによって規定されるスケジュールベースで治療を実施する。血液治療機械は、典型的には、例えば、消毒手技を実行するための設定のために、治療前にある量の時間を要求する。上記のモダリティに関する患者は、忙しい生活を送り、治療をスケジューリングされた日に実施する計画または実行する用事を有している場合がある。
【0078】
患者のための在宅治療の魅力の多くは、患者が主に自身のスケジュールに従って自宅で治療を実施することを可能にすることによって提供される生活様式の柔軟性を中心に展開される。しかしながら、在宅医療流体送達機械は、患者に指示し、それを制約するソフトウェアタイマを含み得る。在宅血液透析システムは、例えば、治療前、治療間、および治療後シーケンスを始めるために、患者が在宅血液透析機械の直近にいることを要求し得る。
【0079】
一特定の実施例では、療法機械は、治療の間にそれらを消毒することによってあるコンポーネントを再使用してもよい。本機械は、消毒タイマが終了する前に患者または介護者が本機械を使用して治療を開始することを要求する、1つまたはそれを上回る消毒タイマを採用してもよい。そうでなければ、患者は、治療を開始する前に別の消毒手技が完了されるまで待機する必要性があるであろう。ある実施形態における療法機械は、本機械のグラフィカルユーザインターフェースを介して治療開始時間期限を通信する。
【0080】
本開示のシステムおよび方法論のソフトウェアが、本機械が「患者接続」ソフトウェア状態にあるときは常に、患者および/または介護者と本機械との間の通信を無効にすることが想定される。例えば、臨床医が、現在患者を治療している機械にコマンドを送信しようとする場合、コマンドは、コマンドがその機械に転送されないようにミドルウェアソフトウェアアプリケーションによって遮断されてもよい。ミドルウェアソフトウェアアプリケーションは、次いで、臨床医に返信し、その機械がビジーであり、通信を受け取らないことを知らせてもよい。
【0081】
本明細書に説明される実施例は、血液、透析流体、代替液、および/または静脈内薬物(「IV」)等の医療流体を送達する、任意の医療流体送達システムに適用可能である。実施例は、特に、本明細書では、集合的に、または概して、個別に処方療法またはプログラムと称される、全ての形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、持続的腎置換療法(「CRRT」)、および腹膜透析(「PD」)等の腎臓不全療法のために非常に適している。医療流体送達機械は、代替として、大容量蠕動タイプポンプまたはシリンジポンプ等の薬物送達または栄養流体送達デバイスであってもよい。本明細書に説明される機械は、在宅設定において使用されてもよい。例えば、データ転送コンポーネントを用いて動作する機械は、例えば、患者が眠っている間の夜間に起動され得る、在宅HD機械とともに採用されてもよい。本開示の医療流体データ転送システムおよび方法論は、代替として、病院および/または診療所における臨床医または看護師を補助するために使用されてもよい。
【0082】
ここで図面、特に、
図1を参照すると、医療流体データ転送システム10が、図示される。例示的システム10は、多くの医療流体送達機械90(その1つのタイプが、下記に詳細に議論される)を含む。医療流体データ転送システム10の機械90は、同一のタイプ(例えば、全てPD機械)である、または異なるタイプ(例えば、HD、PD、CRRT、および医療または栄養流体送達の混合)であってもよい。
【0083】
単一の医療流体送達90が、コネクティビティサーバ118と通信するものとして図示されるが、システム10は、同一のタイプまたは上記に列挙される異なるタイプの複数の医療流体送達システムおよび機械の動作を管理する。例えば、サーバ118に接続され、システム10とともに動作する、M個の数の血液透析機械90、N個の数の血液濾過機械90、O個の数のCRRT機械90、P個の数の腹膜透析機械90、Q個の数の在宅薬物送達機械90、およびR個の数の栄養または薬物送達機械90が、存在してもよい。MからRまでの数は、同一または異なる数であってもよく、ゼロ、1、または1を上回るものであってもよい。
図1では、医療流体送達機械90は、療法機械90として図示される(自宅が破線によって示される)。
【0084】
療法機械90は、その前端部において、水処理デバイス60から浄化水を受容してもよい。水処理デバイス60は、ある実施形態では、イーサネット(登録商標)ケーブルを介して療法機械90に接続する。図示される実施形態における療法機械90は、血圧モニタ104、計量器、例えば、無線計量器106、および無線タブレットユーザインターフェース122等のユーザインターフェース等の水処理デバイス60以外の他のデバイスとともに動作する。療法機械90は、一実施形態では、モデム102を介して無線でサーバ118に接続する。これらのコンポーネントはそれぞれ、(そうである必要性はないが)
図1の破線によって境界画定されるように、患者の自宅内に位置してもよい。コンポーネント60、104、106、および122のうちのいずれか1つ、またはそれを上回るもの、または全ては、療法機械90と有線または無線で通信してもよい。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFi
TM、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、赤外線、または任意の他の好適な無線通信技術を介してであってもよい。代替として、コンポーネント60、104、106、および122のうちのいずれか1つ、またはそれを上回るもの、または全ては、有線通信を介して療法機械90と通信してもよい。
【0085】
例示的コネクティビティサーバ118は、医療デバイスシステムハブ120を介して医療流体送達機械90と通信する。例示的システムハブ120は、各療法機械90およびその周辺機器に関するデータおよび情報が、機械90とサーバ118に接続される他のデバイスとの間でコネクティビティサーバ118を介して行き来することを可能にする。図示される実施形態では、システムハブ120は、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、ビジネスインテリジェンスポータル160、HIPAA準拠データベース124、製品開発チーム128、および、例えば、診療所または病院126a-126nにおいて保守される電子医療記録データベースに接続される。コネクティビティサーバ118および/またはポータル130、150、および160は、ゲートウェイデバイスを含んでもよい。
【0086】
図示される電子医療記録(「EMR」)データベースは、診療所または病院126a-126nに位置し、患者に関する電子情報を記憶してもよい。システムハブ120は、機械90のログファイルから収集されたデータ(例えば、治療データ)を病院または診療所データベース126a-126nに伝送し、その患者の医療記録を併合または補完してもよい。診療所または病院126a-126nにおけるデータベースは、患者特有治療および処方データ(例えば、処方療法またはプログラム)を含有してもよく、そのようなデータベースへのアクセスは、高度に制限されてもよい。例示的企業リソース計画システム140は、苦情、請求情報、およびライフサイクル管理情報等の患者および臨床医ウェブサイトアクセスを介して発生されたデータを取得およびコンパイルするように構成される。ウェブポータル150は、患者および患者を治療する診療所152a-152nが、公的に利用可能であるウェブサイトにアクセスすることを可能にする。ビジネスインテリジェンスポータル160は、システムハブ120からデータを収集し、データをマーケティング162、研究および開発164、および品質/医薬品安全性監視166に提供する。
【0087】
本明細書に説明されるシステム、方法、およびプロシージャは、1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムまたはコンポーネントを使用して実装され得ることを理解されたい。コンポーネントのプログラムは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読取専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、磁気または光学ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意のコンピュータ可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、本明細書に説明される開示される方法およびプロシージャの全てまたは一部を実施する、またはその実施を促進する、プロセッサによって実行されるように構成されてもよい。
【0088】
一実施形態では、療法機械90は、患者の自宅における患者に対して在宅腹膜透析等の在宅治療を実施し、次いで、その治療の結果を(治療データとして)1つまたはそれを上回るサーバと通信し得るシステムハブ120に報告する。下記により詳細に説明されるように、1つまたはそれを上回るサーバは、その患者の健康および福祉を管理することに関与する臨床医、医師、および/または看護師に報告するために、治療データを分析する。
【0089】
ある実施形態における療法機械90は、例えば、Linux(登録商標)オペレーティングシステムを使用してログファイルを書き込む。ログファイルは、周辺デバイスデータを含む、関連する療法機械90のデータをドキュメント化する。ログファイルは、拡張マークアップ言語(「XML」)、コンマ区切り値(「CSV」)、またはテキストファイルのうちのいずれか1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。ログファイルは、療法機械90のソフトウェアによって管理されるファイルサーバリポジトリの中に設置される。また、機械90に送信されないデータを、周辺デバイス、例えば、水処理デバイス60において記憶することも、想定される。そのようなデータは、別様に周辺デバイスへの有線または無線接続を介して取得される、または他のデータ接続または記憶媒体を通してダウンロードされてもよい。例えば、保守技師は、例えば、イーサネット(登録商標)接続を介して、水処理デバイス60または無線計量器106に接続されるラップトップを介して付加的データにアクセスすることができる。代替として、付加的データは、周辺デバイスから遠隔で読み出されてもよく、療法機械90は、周辺デバイスと医療流体データ転送システムの認可されたクライアントとの間のデータ転送通信路としての役割を果たす。
【0090】
一実施形態では、療法機械90は、例えば、インターネットを介して、コネクティビティサービスを使用し、モデム102とシステムハブ120との間で治療データを転送する。ここでは、専用回線が、療法機械90をモデム102を介してコネクティビティサーバ118に接続するために、各患者の自宅において提供されてもよい。一実施形態における療法機械90は、別個の、例えば、3G、4G、または5Gモデム102を使用してインターネットにアクセスする。モデム102は、VodafoneTM等のインターネットサービスプロバイダ(「ISP」)を使用してもよい。一実装では、コネクティビティサービスプロバイダ(例えば、コネクティビティサーバ118のプロバイダ)によって開発されたコネクティビティエージェント114が、療法機械90上にインストールされ、本機械の一次制御プロセッサ(「ACPU」)50上で起動される。1つの好適なコネクティビティサービスは、AxedaTMによって提供され、これは、医療デバイスとコネクティビティサーバ118との間にセキュアに管理される接続116を提供する。
【0091】
図1の例示的コネクティビティエージェント114は、療法機械90が、コネクティビティサーバ118に接続し、治療データをコネクティビティサーバ118に、およびそれから転送することを可能にするように構成される。エージェント114およびサーバ118を介して動作するコネクティビティサービスは、機械90との接続がセキュアであることを確実にし、データが機械90のファイアウォールを通して正しく通過することを確実にし、データまたはシステムクラッシュが存在しているかどうかを検出し、コネクティビティサーバ118が正しい療法機械90と通信していることを確実にする。
【0092】
一実施形態では、療法機械90は、コネクティビティエージェント114がオンにされる、またはアクティブ化されているときのみコネクティビティサーバ118に接続してもよい。治療および治療後消毒の間、機械90およびその周辺機器が機能している間に、一実施形態では、コネクティビティエージェント114は、自動的にオフにされ、これは、治療および消毒の間、または機械90が作動中である、または起動しているとき、療法機械90がいずれのエンティティとも通信せず、データを送信または受信することを防止する。療法機械90が、アイドル状態であるとき、例えば、治療および事後消毒が完了した後、ACPU50は、一実施形態では、コネクティビティエージェント114をオンにする。ある実施形態では、コネクティビティエージェント114は、治療および可能性として事前治療の間にオフである。治療後、コネクティビティエージェント114は、コネクティビティサービスを使用して、療法機械90からログファイルを読み出し、治療データをコネクティビティサーバ118に転送する。コネクティビティサービスは、データパケットをそれらの適切な宛先にルーティングするが、一実施形態では、データを修正しない、それにアクセスしない、またはそれを暗号化しない。
【0093】
図1の医療流体データ転送システム10では、コネクティビティサーバ118を介したコネクティビティサービスは、システムハブ120を介して、サービスポータル130、診療所または病院126a-126n、およびウェブポータル150等の種々の場所にデータを通信してもよい。コネクティビティサーバ118は、保守人員132a-132nおよび/または臨床医が、適切な療法機械90および3G、4G、または5Gモデム102等のネットワークを横断する種々のアセットおよび機械またはモデムシリアル番号を含む、それらの関連付けられる情報を追跡し、読み出すことを可能にする。コネクティビティサーバ118はまた、保守人員の監督者134によって承認され、サービスポータル130を介して遠隔で取得されるファームウェアアップグレードを受信し、それを認可された療法機械90および水処理デバイス60等の関連付けられる周辺機器に提供するために使用されてもよい。
A.
例示的医療流体送達機械
【0094】
ここで
図2を参照すると、医療流体送達機械90に関するHDフロー概略図の実施例が、図示される。
図2のHDシステムは、比較的に複雑であるため、
図2およびその議論はまた、上記に議論される腎不全療法モダリティのうちのいずれかおよびIV、薬物送達、または栄養流体送達機械のためのサポートも提供する。概して、簡略化されたバージョンの透析流体またはプロセス流体送達回路を有する医療流体送達機械90が、示される。血液回路もまた、簡略化されるが、透析流体回路が簡略化されるほどではない。回路が、本開示の説明をより容易にするために簡略化されており、本システムが、実装される場合、上記の参照することによって組み込まれる刊行物に見出されるもの等の付加的構造および機能性を有するであろうことを理解されたい。
【0095】
図2の医療流体送達機械90は、血液回路20を含む。例示的血液回路20は、患者12から血液を引動し、それに血液を戻す。血液は、動脈ライン14を介して患者12から引動され、静脈ライン16を介して患者に戻される。動脈ライン14は、患者12と採血連通する、動脈針14bに接続する動脈ラインコネクタ14aを含む。静脈ライン16は、患者と返血連通する、静脈針16bに接続する静脈ラインコネクタ16aを含む。動脈および静脈ライン14および16はまた、ばね荷重フェールセーフ機械的ピンチクランプであり得る、ラインクランプ18aおよび18vを含む。ラインクランプ18aおよび18vは、一実施形態では、緊急状況において自動的に閉鎖される。
【0096】
動脈および静脈ライン14および16はまた、それぞれ、超音波空気検出器を含み得る、空気または気泡検出器22aおよび22vを含む。空気または気泡検出器22aおよび22vは、それぞれ、動脈および静脈ライン14および16内の空気を検出するように構成される。空気が、空気検出器22aおよび22vのうちの1つによって検出される場合、医療流体送達機械90は、ラインクランプ18aおよび18vを閉鎖し、血液および透析流体ポンプを一時停止させ、治療が再開され得るように空気を一掃するように患者に命令を提供する。
【0097】
血液ポンプ30が、図示される実施形態では、動脈ライン14内に位置する。血液ポンプ30は、第1の血液ポンプポッド30aと、第2の血液ポンプポッド30bとを含む。血液ポンプポッド30aは、入口弁32iおよび出口弁32oとともに動作する。血液ポンプポッド30bは、入口弁34iおよび出口弁34oとともに動作する。ある実施形態では、血液ポンプポッド30aおよび30bは、それぞれ、シェル内に位置する可撓性ダイヤフラムを伴う、例えば、球形の硬質外側シェルを含む血液容器であり、ダイヤフラムポンプを形成する。各ダイヤフラムの片側は、血液を受容する一方、各ダイヤフラムの他方の側は、正および負の空気圧によって動作される。血液ポンプ30は、代替として、動脈ライン14とともに動作する蠕動ポンプまたは動脈ライン14および静脈ライン16とともに動作する複数の蠕動ポンプである。
【0098】
図2に示されるように、ヘパリンバイアル24およびヘパリンポンプ26が、血液ポンプ30と血液濾過器40(例えば、透析器)との間に位置する。ヘパリンポンプ26は、空気圧ポンプまたはシリンジポンプ(例えば、ステッパモータ駆動シリンジポンプ)であってもよい。血液濾過器40の上流にヘパリンを供給することは、濾過器の膜の凝固を防止することに役立つ。
【0099】
一次制御プロセッサ(「ACPU」)または制御ユニット50が、1つまたはそれを上回るプロセッサおよびメモリを含む。制御ユニット50は、空気検出器22aおよび22v(および温度センサ、血液漏出検出器、伝導率センサ、圧力センサ、およびアクセス切断トランスデューサ86、88等の医療流体送達機械90の他のセンサ)から空気検出信号を受信し、ラインクランプ18aおよび18v、血液ポンプ30、ヘパリンポンプ26、透析流体ポンプ64および96、および弁32i、32o、34i、34o、68i、68o、98i、および98o等のコンポーネントを制御する。静脈ライン16を介して血液濾過器40から退出する血液は、空気トラップ28を通して流動する。例示的空気トラップ28は、透析された血液が静脈ライン16を介して患者12に戻される前に、血液から空気を除去する。
【0100】
図2の医療流体送達機械90の血液透析バージョンでは、透析流体は、血液濾過器40の膜の外側に沿って圧送される一方、血液は、血液濾過器膜の内側を通して圧送される。透析流体は、水浄化ユニット60を介した水の浄化を始めとして調製される。1つの好適な水浄化ユニットが、「Water Purification System and
Method」と題され、2011年4月25日に出願された米国特許公開第2011/0197971号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される)に記載されている。ある実施形態では、水浄化ユニット60は、水が、一実装では、0.03エンドトキシン単位/ml(「EU/ml」)を下回り、0.1コロニー形成単位/ml(「CFU/ml」)を下回るように、水道水を浄化する(例えば、病原体および塩素等のイオンを除去する)ための濾過器および他の構造を含む。水浄化ユニット60は、血液回路20と、透析流体回路70とを含む、血液透析機械90の筐体またはシャーシとは別個の筐体内に提供されてもよい。
【0101】
透析流体回路70が、図示を容易にするために、再び、
図2において大幅に簡略化される。現実における透析流体回路70は、上記の参照することによって組み込まれる刊行物に記載される関連構造および機能性の全てを含んでもよい。透析流体回路70のある特徴が、
図2に図示される。図示される実施形態では、透析流体回路70は、血液濾過器行き透析流体ポンプ64を含む。例示的ポンプ64は、一実施形態では、血液ポンプ30と同一に構成される。ポンプ64は、ポンプ30のように、それぞれ、入口弁68iおよび出口弁68oを有する、ポンプポッド66の対を含み、これは、再び、球状に構成されてもよい。2つのポンプポッドは、血液ポンプ30のように、一方のポンプポッドが、HD透析流体を用いて充填される一方、他方のポンプポッドが、HD透析流体を放出するように、交互に動作される。
【0102】
ポンプ64は、血液濾過器行き透析流体ポンプである。使用済み透析流体を排出するように押動するために、排出ライン82内に位置する弁98iおよび98oとともに動作する別の二重ポッドポンプチャンバ96が、存在する。重炭酸塩カートリッジ72を通して浄化水を圧送するための第3のポッドポンプ(図示せず)が、存在する。酸容器74から混合ライン62の中に酸を圧送するために使用される第4のポッドポンプ(図示せず)が、存在してもよい。第3および第4のポンプ、一実施形態では、混合ライン62と血液濾過器行き透析流体ポンプ64との間の緩衝透析流体タンク(図示せず)に起因して、連続圧送が混合ライン62においてあまり重要ではないため、単一のポッドポンプであってもよい。
【0103】
第5のポッドポンプ(図示せず)が、HD療法が提供されるときに既知の量の限外濾過(「UF」)を除去するために、排出ライン82において提供されてもよい。医療流体送達機械90は、限外濾過液が患者から除去された量を制御および把握するために、UFポンプを追跡する。医療流体送達機械90は、必要な量の限外濾過液が治療の終わりまでに患者から除去されることを確実にする。
【0104】
上記に説明されるポンプはそれぞれ、代替として、圧送管とともに動作する蠕動ポンプであってもよい。該当する場合、システム弁は、依然として、本開示の特徴に従って空気圧で作動されてもよい。
【0105】
一実施形態では、水浄化ユニット60からの浄化水は、重炭酸塩カートリッジ72を通して混合ライン62に沿って圧送される。容器74からの酸が、混合ライン62に沿って、重炭酸塩カートリッジ72から流動する重炭酸塩水の中に圧送され、電解的かつ生理学的に適合性の透析流体溶液を形成する。浄化水を重炭酸塩および酸と適切に混合するために使用されるポンプおよび温度補償伝導率センサは、図示されないが、上記の参照することによって組み込まれる刊行物に詳細に開示されている。
【0106】
図2はまた、透析流体が、血液濾過器40に到達する前に、ヒータ78および限外濾過器80を通して新鮮な透析流体ライン76に沿って圧送され、その後、使用済み透析流体が、排出ライン82を介して排出されるように圧送されることを図示する。ヒータ78は、透析流体を体温または約37℃まで加熱する。限外濾過器80はさらに、血液濾過器40に到達する前に透析流体を清浄にし、浄化し、透析流体から、例えば、重炭酸塩カートリッジ72または酸容器74を介して導入される異物および/または汚染物質を濾過する。
【0107】
例示的透析流体回路70はまた、サンプルポート84を含む。透析流体回路70はさらに、血液漏出検出器(図示されないが、血液濾過器40の繊維が断裂しているかどうかを検出するために使用される)と、全てが上記の参照することによって組み込まれる刊行物に詳細に例証および説明される、平衡チャンバ、複数の透析流体弁、および透析流体保持タンク等の図示されない他のコンポーネントとを含んでもよい。
【0108】
図示される実施形態では、医療流体送達機械90は、透析流体を血液濾過器を通して一度圧送し、次いで、使用済み透析流体を排出するように圧送する、オンライン通過システムである。血液回路20および透析流体回路70は両方とも、血液回路20および透析流体回路70が、再使用され得るように、各治療後に温水消毒されてもよい。一実装では、血液濾過器40を含む血液回路20は、約1ヶ月にわたって毎日温水消毒および再使用されてもよい一方、透析流体回路70は、約6ヶ月にわたって温水消毒および再使用されてもよい。
【0109】
代替実施形態では、例えば、CRRTに関して、滅菌された透析流体または注入液の複数のバッグが、ともに群化され、次々と使用される。そのような場合では、空の供給バッグは、排出または消耗済み流体バッグとしての役割を果たすことができる。
【0110】
医療流体送達機械90は、
図2の破線によって示されるような封入体を含む。機械90の封入体は、治療のタイプ、治療がセンター内または在宅治療であるかどうか、および透析流体/注入液供給がバッチタイプ(例えば、袋詰め)であるかまたはオンラインであるかに応じて変動する。
【0111】
いくつかの実施形態では、
図2の医療流体送達機械90は、1つまたはそれを上回る処方PD療法またはプログラムを実施するように構成される。これらの実施形態では、新鮮な透析流体は、0.5%~10%、好ましくは、1.5%~4.25%のブドウ糖(またはより一般的に、グルコース)を有する溶液または混合物を含む腹膜透析透析液を含む。腹膜透析透析液は、例えば、本開示の譲受人によって市販される、Dianeal(登録商標)、Physioneal(登録商標)、Nutrineal(登録商標)、および/またはExtraneal(登録商標)透析液を含んでもよい。透析液は、加えて、または代替として、あるパーセンテージのイコデキストリンを含んでもよい。
【0112】
PD実施形態では、血液濾過器を含む血液回路20は、除去される。代わりに、新鮮な透析流体ライン76は、患者12の腹膜腔に近接して設置されるカテーテルに接続される。カテーテルはまた、排出ライン82に接続され、これは、蓄積したUFを含む使用済み透析流体を除去する。いくつかの実施形態では、排出ライン82は、これが患者の腹膜腔に戻される前に使用済み透析流体を清潔にするように構成される、吸着剤カートリッジ等の再循環デバイスに接続されてもよい。いくつかの事例では、再循環デバイスは、廃棄透析液から尿毒素を除去し、治療剤(イオンおよび/またはグルコース等)を再注入してもよい。1つの一般的に使用される吸着剤は、リン酸ジルコニウムから作製され、これは、尿素の加水分解から発生されるアンモニアを除去するために使用さる。
B.例示的医療流体送達システムのコネクティビティ実施形態
【0113】
図3は、本開示のある例示的実施形態による、
図1の医療流体データ転送システム10の略図を図示する。例示的医療流体データ転送システム10は、例えば、患者によって動作される、パーソナルモバイル通信デバイス122と、臨床医によって動作される、臨床医デバイス152とを含む。医療流体データ転送システム10はまた、
図1および2に関連して上記に議論される個別のデバイスに類似する、血圧モニタ104と、計量器106と、療法機械90(例えば、医療流体送達機械)とを含む。パーソナルモバイル通信デバイス122、療法機械90、血圧モニタ104、および計量器106は、例えば、患者の自宅、セルフサービスの診療所、および/またはサービス付き医療診療所に位置してもよい。
【0114】
療法機械90は、任意のタイプの血液透析機械、腹膜透析機械、CRRT機械、薬物および/または栄養流体送達機械、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。療法機械90は、例えば、持続的循環腹膜透析(「CCPD」)、潮汐流自動化腹膜透析(「APD」)、および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を提供してもよい。療法機械90は、典型的には、患者が眠っている間に排出、充填、および滞留サイクルを自動的に実施してもよい。
【0115】
例示的療法機械90はまた、命令を表示し、ユーザから制御入力を受信するための1つまたはそれを上回る制御インターフェース301を含んでもよい。制御インターフェース301は、ボタン、制御パネル、および/またはタッチスクリーンを含んでもよい。制御インターフェース301はまた、ユーザが、療法機械90の画面上のあるウィンドウまたはユーザインターフェースにナビゲートすることを可能にするように構成されてもよい。制御インターフェース301はさらに、療法機械90を動作させる、または制御するための命令を提供してもよい。
【0116】
例示的療法機械90は、臨床医サーバ304および/または臨床医データベース306から遠隔で1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムを受信してもよい。加えて、または代替として、療法機械90は、処方療法またはプログラムを用いて制御インターフェース301を介してローカルでプログラムされてもよい。本明細書に議論されるように、処方療法は、療法機械90が患者(例えば、
図1の患者12)に1つまたはそれを上回るスケジューリングされた治療を施行するべき方法を規定するパラメータを含む。療法パラメータは、段階毎の持続時間に加えて、腹膜透析療法に関する充填-滞留-排出サイクルの数を含んでもよい。療法パラメータはまた、投与されるべき透析流体の合計体積(および/またはサイクルあたりに投与されるべき流体の体積)、ブドウ糖濃度、および/または標的UF除去レベルを含んでもよい。療法パラメータはまた、治療日付のスケジュールと、合計治療持続時間とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、臨床医サーバ304は、処方療法パラメータのうちのいずれか1つを遠隔で更新してもよい。
【0117】
例示的血圧モニタ104は、患者の血圧および/または脈拍を測定するように構成される任意のデバイスを含む。例えば、血圧モニタ104は、腎不全療法治療の前、その間、および/またはその後に患者の血圧を測定してもよい。血圧モニタ104は、患者の血圧を示すデジタル値を表示してもよい。代替として、血圧モニタ104は、測定された血圧を示すために、数値と整合するダイヤルを伴う物理的スケールを表示してもよい。いくつかの実施形態では、血圧モニタ104は、医療情報が、記録されるとき、患者入力が、全ての値を閲覧するために要求されるように、別個のウィンドウにおいて治療前、その間、および/またはその後の血圧値を記憶してもよい。血圧モニタ104は、療法機械90と統合されてもよい。別の実施形態では、血圧モニタ104は、スマートウォッチまたはフィットネス追跡デバイス等のウェアラブルセンサを含んでもよい。血圧モニタ104は、有線または無線接続を介して、測定された血圧値(例えば、治療データ)を療法機械90および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122に伝送してもよく、これは、次いで、処理のためにシステムハブ120にルーティングされる。
【0118】
例示的重量計106は、患者または治療コンポーネントの質量を測定するように構成される任意のデバイスを含む。例えば、重量計106は、腎不全療法治療の前、その間、および/またはその後に患者の体重を測定してもよい。加えて、または代替として、重量計106は、腎不全療法を追跡するために、供給または排出バッグを測定してもよい。具体的には、重量計106は、除去されたUFの量または患者に提供された流体の量を測定するために使用されてもよい。重量計106は、重量を示すデジタル値を表示してもよい。代替として、重量計106は、有線または無線接続を介して、測定された重量値(例えば、治療データ)を療法機械90および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122に伝送してもよく、これは、次いで、処理のためにシステムハブ120にルーティングされる。
【0119】
集合的に、血圧モニタ104および計量器106は、医療デバイスと称される。医療流体データ転送システム10が、注入ポンプ(例えば、シリンジポンプ、線形蠕動ポンプ、大容量ポンプ(「LVP」)、携帯型ポンプ、マルチチャネルポンプ)、酸素センサ、呼吸モニタ、グルコースメータ、血圧モニタ、心電図(「ECG」)モニタ、および/または心拍数モニタ等の付加的医療デバイスを含み得ることを理解されたい。他の実施例では、医療流体データ転送システム90は、より少ない医療デバイスおよび/またはともに統合される医療デバイス(例えば、療法機械90と統合される血圧モニタ104)を含んでもよい。
【0120】
図3に示されるように、療法機械90は、ネットワーク302を介してコネクティビティサーバ118に通信可能に結合される。
図1および2に関連して上記に議論されるように、コネクティビティサーバ118は、療法機械90とシステムハブ120との間の双方向通信を提供する。ネットワーク302は、インターネットおよび/またはセルラーネットワークを含む、任意の有線または無線ネットワークを含んでもよい。
【0121】
例示的システムハブ120はまた、臨床医サーバ304および臨床医データベース306に通信可能に結合される。下記により詳細に説明されるように、臨床医サーバ304は、治療データに対する分析を実施するための1つまたはそれを上回る命令、ルーチン、アルゴリズム、アプリケーション、またはプログラム310を実行するように構成される。臨床医データベース306は、システム10と関連付けられる患者毎の処方療法またはプログラムを記憶するように構成される。臨床医データベース306はまた、個別の療法機械90からの治療データおよび/または患者データを含む、患者毎の1つまたはそれを上回る記録を記憶するように構成される。臨床医データベース306はまた、治療および/または患者データに対して臨床医サーバ304によって実施される分析の結果を記憶してもよい。さらに、臨床医データベース306は、ISPD、NKF、および/またはNKF DOQIによって規定されるような治療推奨および/または指針を、患者療法順守、カテーテル動作、および/またはアラームに対応する分析値の範囲と関連させるデータ構造を記憶してもよい。
【0122】
図3に図示されるように、例示的医療流体データ転送システム10は、ネットワーク308を介した臨床医デバイス152および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122へのデータの伝送を促進するために、ウェブポータル150を含む。例示的ネットワーク308は、インターネットおよび/またはセルラーネットワーク等の任意の有線および/または無線ネットワークを含んでもよい。ウェブポータル150は、治療データ、患者データ、分析データ、および/または推奨/指針の通信を提供する、1つまたはそれを上回るアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)または他のネットワークインターフェースを含んでもよい。いくつかの事例では、ウェブポータル150は、認可されたユーザおよび/またはデバイスのみが、臨床医サーバ304および/または臨床医データベース306と通信し得るように、ゲートウェイデバイスおよび/またはファイアウォールとして構成されてもよい。さらに、ウェブポータル150は、接続されるデバイス122および152毎に別個のセッションを作成してもよい。
【0123】
臨床医デバイス152および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122は、臨床医サーバ304および/または臨床医データベース306と通信するために、ウェブポータル150とインターフェースをとるように構成される、アプリケーション320を含んでもよい。例えば、アプリケーション320は、治療データ、患者データ、および/または分析データを表示する、データフィールド(下記にさらに議論される)を伴う1つまたはそれを上回るユーザインターフェースを含んでもよい。データフィールドは、ウェブポータル150における1つまたはそれを上回るAPIにマッピングされ、これは、臨床医データベース306および/または臨床医サーバ304における1つまたはそれを上回るデータ構造にリンクされる。アプリケーション320を介したユーザインターフェースの選択は、要求メッセージをアプリケーション320からウェブポータル150に伝送させ、要求されたユーザインターフェースに関連するデータフィールドを識別する。要求メッセージはまた、患者を識別してもよい。応答して、ウェブポータル150は、1つまたはそれを上回る要求メッセージを臨床医データベース306および/または臨床医サーバ304に伝送し、識別された患者および識別されたデータフィールドと関連付けられる治療、患者、および/または分析データを読み出す。
【0124】
他の事例では、アプリケーション320は、臨床医サーバ304によってホストまたは管理されるウェブポータル150を介して1つまたはそれを上回るウェブページにアクセスするように構成される、ウェブブラウザである。これらの他の事例では、臨床医サーバ304は、1つまたはそれを上回るウェブページにおいてユーザインターフェースおよび対応するデータフィールドを提供する。ユーザは、ウェブブラウザと相互作用し、所望のデータを閲覧する、または打ち込んでもよい。アプリケーション320はまた、デバイス122および152上にネイティブ制御または他のインストールされたアプリケーションを含んでもよい。
【0125】
いくつかの事例では、ウェブポータル150は、治療データおよび/または分析データをテキストベースの標準またはHealth-Level-7(「HL7」)標準(例えば、医療標準)からウェブベースのメッセージ(例えば、HTTPメッセージ、ハイパーテキストマークアップ言語(「HTML」)メッセージ、拡張マークアップ言語(「XML」)メッセージ、JavaScript Object Notation(「JSON」)ペイロード等)に変換するように構成される。他の実施形態では、コネクティビティサーバ118は、療法機械90からのHL7治療データを、臨床医サーバ304による処理および臨床医データベース306による記憶のために、テキストベースまたはウェブベースのフォーマット(例えば、JSONフォーマット)に変換するように構成される。
【0126】
図3の図示される実施例では、例示的パーソナルモバイル通信デバイス122および臨床医デバイス152は、命令を記憶するメモリ324と通信する、プロセッサ322を含む。命令のうちの少なくともいくつかは、プロセッサ322によって実行されると、プロセッサ322に、臨床医データベース306内に記憶される治療データ、患者データ、および/または分析データを表示し、それと相互作用するためのインターフェースを提供させる、アプリケーション320を定義または規定する。プロセッサ322は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、コントローラ等として構造化されたデジタルおよび/またはアナログ回路を備えてもよい。メモリ324は、揮発性または不揮発性記憶媒体を含む。さらに、メモリ324は、任意のソリッドステートまたはディスク記憶媒体を含んでもよい。
II.
治療分析実施形態
【0127】
図3の例示的臨床医サーバ304は、療法機械90(例えば、医療流体送達機械)からの患者治療データを分析し、処方療法またはプログラムに対する患者の順守を決定するように構成される。
図4は、本開示のある例示的実施形態による、臨床医サーバ304の略図を示す。図示される実施例では、臨床医サーバ304は、分析プロセッサまたはエンジン312aおよびインターフェース310bとして構成される、アプリケーション310を含む。いくつかの実施形態では、アプリケーション310はまた、指針プロセッサまたはエンジン310cを含んでもよい。プロセッサ310a-310cは、臨床医デバイス152(および/またはパーソナルモバイル通信デバイス122)上での表示のために治療データが処理、記憶、およびアクセスされるべき方法を規定する、1つまたはそれを上回る機械可読命令によって定義される。
A.
データ分析実施形態
【0128】
図4に示されるように、分析プロセッサ310aは、療法機械90から治療データ402を受信する。治療データ402は、順守を決定するために使用されるデータ402aと、カテーテル動作性を決定するために使用されるデータ402bと、アラーム疲労を決定するために使用されるデータ402cとを含む。データ402は、療法機械90から1つまたはそれを上回る治療ログファイル内に受信される。分析プロセッサ310aは、データ標識、メタデータ、またはファイル内のデータ設置に関する事前プログラムされた知識を使用して、ログファイルから必要とされるデータを解析または別様に抽出するように構成される。いくつかの実施形態では、データ402は、療法機械90から臨床医データベース306内に受信され、続けて、分析プロセッサ310aによってアクセスされる。
【0129】
いくつかの実施形態では、治療データ402は、臨床医データベース306内のデータを記憶または編成するための識別子を含んでもよい。例えば、療法機械90は、データ402および/または患者識別子を伴うデバイス識別子を含んでもよい。分析プロセッサ310aは、治療データ402および対応する分析データをデータベース306内の適切な患者記録に記憶するために識別子を使用するように構成される。いくつかの事例では、分析プロセッサ310aは、治療データ402が在宅療法機械90または診療所に位置する機械90からのものであるかどうかに関して区別するために識別子を使用してもよい。分析プロセッサ310aは、患者が自宅において、または臨床設定においてより順守するかどうかを決定するために、治療施行場所を区別してもよい。
【0130】
例示的臨床医データベース306は、治療データ402に加えて、患者データ412を記憶してもよい。患者データ412は、患者に関連する情報を含む。患者データ412は、患者識別子、患者氏名、患者年齢、性別、医学的条件、腎臓状態情報、および/または療法機械90に関する推定される経験レベルを含んでもよい。患者データ412は、パーソナルモバイル通信デバイス122および/または臨床医デバイス152から臨床医データベース306に伝送されてもよい。いくつかの実施形態では、患者データ412は、患者が、本明細書に開示される医療流体データ転送システム10に登録されるときに提供される。
【0131】
順守に関連する治療データ402aは、治療が療法機械90によって施行された日付および/または時間のインジケーションを含む。治療データ402aはまた、治療の持続時間および治療のサイクル毎の測定された滞留時間(および/または全てのサイクルにわたる累積滞留時間)を含む。いくつかの実施形態では、治療データ402aはまた、患者に提供された透析液の合計体積、腹膜透析流体のブドウ糖レベル、除去されたUFの推定される量、および/または治療の間に起こった療法関連事象のインジケーション(治療の一時停止等)を含んでもよい。
【0132】
カテーテル動作性に関連する治療データ402bは、サイクル毎の充填時間または率(および/または全てのサイクルにわたる累積充填時間)を含む。治療データ402bはまた、サイクル毎の排出時間または率(および/または全てのサイクルにわたる累積排出時間)を含む。いくつかの事例では、分析プロセッサ310aは、治療の全てのサイクルにわたる平均充填時間および排出時間を計算するように構成される。いくつかの実施形態では、治療データ402cは、少なくとも部分的に遮断されたカテーテルを示し得る、サイクルの充填または排出段階の間のライン閉塞に起因して治療の間にアクティブ化した任意のアラームのインジケーションを含んでもよい。治療データ402cはまた、不整合されたカテーテルを示し得る、サイクルの充填または排出段階の間の流体漏出に起因して治療の間にアクティブ化した任意のアラームのインジケーションを含んでもよい。
【0133】
アラーム疲労に関連する治療データ402cは、治療の間に療法機械90によって発生されたアラームのインジケーションを含む。治療データ402cはまた、アラームタイプ、アラームの持続時間、および/またはアラームをトリガした条件が改正されたかどうか、または患者がアラームを消した、またはバイパスしたかどうかに関するインジケーションを含んでもよい。治療データ402cはさらに、アラームが拡大されたかどうか、または治療がアラームの結果として終了されたかどうかに関するインジケーションを含んでもよい。
【0134】
図5は、本開示のある例示的実施形態による、
図4の分析プロセッサ310aによって実施される算出のうちの少なくともいくつかを図示する、略図である。例示的実施形態では、分析プロセッサ310aは、治療データ402を処方療法またはプログラムにおいて規定される1つまたはそれを上回るパラメータ404と比較するように構成される。パラメータ404のうちの少なくともいくつかは、一般的または患者特有閾値または限界を含んでもよい。図示される実施形態では、分析プロセッサ310aは、患者に関するデータベース306内に記憶される処方療法またはプログラムからあるパラメータを識別するように構成される。分析プロセッサ310aは、パラメータ404を識別するために、データ標識、フィールド名、メタデータ、および/またはテキスト設置を使用してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、患者特有または一般的閾値または限界は、パラメータ404として臨床医データベース306内に記憶されてもよい。
【0135】
図5に示されるように、治療データ402aは、その間に療法機械90が処方療法を施行した治療持続時間を示す、治療持続時間パラメータ402aaを含んでもよい。分析プロセッサ310aは、療法機械90が治療を施行するべき長さを示す、治療持続時間パラメータ402aaと処方治療持続時間パラメータ404aとの間の差異を比較または決定するように構成される。比較の結果は、順守分析データ406a(すなわち、損失された治療時間パラメータ406aa)として記憶される。損失された治療時間パラメータ406aaは、治療時間が、分析下の治療が早期に終了されることに起因して損失された量を示す。
【0136】
図4に示されるように、分析プロセッサ310aは、損失された治療時間パラメータ406aaを患者に関連する記録内で臨床医データベース306に記憶するように構成される。損失された治療時間パラメータ406aaにおける値は、累積の損失された治療時間パラメータ値を決定するために、以前の治療からの値と合計されてもよい。いくつかの実施形態では、分析プロセッサ310aは、治療時間が治療の早期終了に起因して損失された量のパーセンテージを決定するために、累積の損失された治療時間と(すでに施行された治療に関する)合計処方治療時間との比率を決定してもよい。
【0137】
図5に再び目を向けると、治療データ402aは、療法機械90が、透析流体が排出の前に患者の腹膜腔内に留まることを可能にした長さを示す、滞留時間パラメータ402abを含んでもよい。滞留時間パラメータ402abは、治療の全てのサイクルにわたる平均である、またはサイクル毎の滞留時間値を含んでもよい。分析プロセッサ310aは、(例えば、予期または処方される充填および排出時間に基づいて)推定される滞留時間を示す、滞留時間パラメータ402abと推定される滞留時間パラメータ404bとの間の差異を比較または決定するように構成される。比較の結果は、順守分析データ406a(すなわち、損失された滞留時間パラメータ406ab)として記憶される。損失された滞留時間パラメータ406abは、UFを吸収するための時間が、分析下の治療(または具体的滞留時間)が早期に終了されることに起因して損失された量を示す。
【0138】
図4に示されるように、分析プロセッサ310aは、滞留時間パラメータ406abを患者に関連する記録内で臨床医データベース306に記憶するように構成される。滞留時間パラメータ406abにおける値は、累積の損失された滞留時間パラメータ値を決定するために、以前の治療からの値と合計される、または組み合わせられてもよい。いくつかの実施形態では、分析プロセッサ310aは、滞留時間が、治療(または個々の滞留)が早期に終了されることに起因して損失された量のパーセンテージを決定するために、累積の損失された滞留時間と(すでに施行された治療に関する)合計の推定される滞留時間との比率を決定してもよい。
【0139】
図5に再び目を向けると、治療データ402bは、療法機械90が患者の腹膜腔からUFおよび透析流体を排出するまでに経過した時間の長さを示す、排出時間パラメータ402baを含んでもよい。排出時間パラメータ402baは、サイクル毎の値または治療の間の全てのサイクルにわたる平均を含んでもよい。分析プロセッサ310aは、排出時間パラメータ402baと1つまたはそれを上回る閾値404cとの間の差異を比較または決定するように構成される。第1の閾値を上回る排出時間値は、患者から透析流体およびUFを排出するために、予期されるものよりも付加的な時間がかかることを示し、これは、カテーテル内の部分的遮断に起因し得る。第2の閾値を下回る排出時間値は、予期されるものよりも少ない時間が、患者から透析流体およびUFを排出するために必要とされることを示し得、これは、いくつかの事例では、一部の流体を漏出させる誤って設置されたカテーテルに起因し得る。比較の結果は、カテーテル分析データ406b(すなわち、差異パラメータ406ba)として記憶される。アラートが、発生されるべきである場合、分析プロセッサ310aは、アラートを臨床医デバイス152に伝送させるように構成される。
【0140】
図4に示されるように、分析プロセッサ310aは、カテーテル分析データ406bを患者に関連する記録内で臨床医データベース306に記憶するように構成される。カテーテル分析データ406bにおける値および/またはアラームインジケーションは、累積排出時間傾向を決定するために、以前の治療からの値および/またはアラームのインジケーションと組み合わせられてもよい。いくつかの実施形態では、分析プロセッサ310aは、ユーザインターフェースにおける表示のために、7、30、50、90、および/または180日平均にわたる排出時間の平均または直近の排出時間の平均を決定してもよい。
【0141】
図5に再び目を向けると、治療データ402bは、療法機械90が患者の腹膜腔を透析流体で充填するまでに経過した時間の長さを示す、充填時間パラメータ402bbを含んでもよい。充填時間パラメータ402bbは、サイクル毎の値または治療の間の全てのサイクルにわたる平均を含んでもよい。分析プロセッサ310aは、充填時間パラメータ402bbと1つまたはそれを上回る閾値404dとの間の差異を比較または決定するように構成される。第1の閾値を下回る充填時間値は、患者の腹膜腔に流体を充填するために、予期されるものよりも少ない時間がかかることを示し、これは、いくつかの実施形態では、誤って設置されたカテーテルに起因し得る。第2の閾値を上回る充填時間値は、予期されるものよりも多い時間が、患者の腹膜腔に流体を充填するために必要とされることを示し、これは、カテーテル内の部分的遮断に起因し得る。比較の結果は、カテーテル分析データ406b(すなわち、差異パラメータ406bb)として記憶される。アラートが、発生されるべきである場合、分析プロセッサ310aは、アラートを臨床医デバイス152に伝送させるように構成される。
【0142】
図4に示されるように、分析プロセッサ310aは、カテーテル分析データ406bを患者に関連する記録内で臨床医データベース306に記憶するように構成される。カテーテル分析データ406bにおける値および/またはアラームインジケーションは、累積充填時間傾向を決定するために、以前の治療からの値および/またはアラームのインジケーションと組み合わせられてもよい。いくつかの実施形態では、分析プロセッサ310aは、ユーザインターフェースにおける表示のために、1~2週間以内の充填時間の平均または直近の充填時間の平均を決定してもよい。
【0143】
図5に再び目を向けると、治療データ402cは、治療の間に発生されたアラームを示す、アラームパラメータ402cを含んでもよい。アラームパラメータ402cは、発生されたアラームのタイプ、アラームが発生された時間、アラームの持続時間、アラームをトリガ下条件が回復されたかどうか、またはアラームがバイパスされた、消された、または拡大されたかどうかのインジケーションを規定してもよい。アラームパラメータ402cは、1つまたはそれを上回る閾値404eと比較される。治療の間に発生されたアラームの回数が、ある閾値を超える場合、患者は、アラーム疲労を被っている場合がある。故に、分析プロセッサ310aは、可能性として考えられるアラーム疲労を示す、アラームパラメータ406を臨床医デバイス152への伝送のために作成するように構成される。
【0144】
図4に示されるように、分析プロセッサ310aは、アラーム分析データ406cを患者に関連する記録内で臨床医データベース306に記憶するように構成される。アラーム分析データ406cにおける値および/またはアラームインジケーションは、治療あたりの発生されたアラームの合計回数またはアラームの平均回数を決定するために、以前の治療からの値および/またはアラームのインジケーションと組み合わせられてもよい。いくつかの実施形態では、分析プロセッサ310aは、患者が、在宅機械90対診療所に位置する機械90を使用するときに発生されたアラームの平均回数を決定してもよい。
【0145】
分析プロセッサ310aが、他の治療データパラメータを分析および/または比較し得ることを理解されたい。例えば、分析プロセッサ310aは、患者が療法標的と一致している厳密さ決定するために、治療の間に除去された推定されるUFを除去されるべきUFの処方量と比較してもよい。分析プロセッサ310aは、治療の間に患者に投与された実際の透析流体を処方量と比較してもよい。分析プロセッサ310aはさらに、患者が処方透析流体を使用していることを確実にするために、ブドウ糖レベルを処方ブドウ糖レベルと比較してもよい。さらに、分析プロセッサ310aは、潜在的流体蓄積を検出するために、患者の血圧および/または体重が経時的に変化している様子を追跡してもよい。これらの事例では、分析プロセッサ310aは、血圧および/または体重をベースライン患者血圧または体重および/または率変化閾値と比較してもよい。
【0146】
図4は、いくつかの実施形態では、臨床医サーバ304のアプリケーション310が、分析プロセッサ310aおよび臨床医データベース306に通信可能に結合されるインターフェース310bを含むことを図示する。他の実施形態では、インターフェース310bは、ウェブポータル150内に含まれてもよい。例示的インターフェース310bは、治療データ402、分析データ406、および/または患者データ412を読み取る、または別様に取得するように構成される。インターフェース310bは、臨床医データベース306からデータ402、404、406、および/または412を読み出すための1つまたはそれを上回るAPIを含んでもよい。
【0147】
例示的インターフェース310bは、パーソナルモバイル通信デバイス122および/または臨床医デバイス152上でアプリケーション320から要求メッセージを受信するように構成される。要求メッセージは、例えば、表示のためにユーザインターフェース、データフィールド、および/またはウェブページを識別してもよい。要求メッセージはまた、セッションおよび/または患者を識別してもよい。要求メッセージに応答して、インターフェース310bは、要求されたデータを含む、応答ドキュメント420を作成する。ドキュメント420を作成するために、インターフェース310bは、臨床医データベース306内の要求された患者記録にアクセスし、要求されたデータ402、404、406、および/または412を識別する。データは、ユーザインターフェースによって表示されるグラフに対応する、特異値または経時的な傾向を含んでもよい。インターフェース310bは、アプリケーション320による適切なユーザインターフェースの中への取り込みのために、読み出されたデータをデータフィールド別に応答ドキュメント420に編成する。インターフェース310bはまた、アプリケーション320がデータを適切なデータフィールドまたは変数に記憶することを可能にするために、データに関するメタデータ識別子を標識化または提供してもよい。応答ドキュメント320はまた、要求されたデータがウェブブラウザアプリケーション320内で表示されるべき方法を定義する、ウェブページコード(例えば、httpコードまたはjavascript(登録商標)コード)を含んでもよい。インターフェース310bは、応答ドキュメント420を、ウェブポータル150を介して、パーソナルモバイル通信デバイス122および/または臨床医デバイス152に伝送する。
【0148】
いくつかの実施形態では、分析プロセッサ310aは、新しく処理された分析データ406をインターフェース310bに伝送してもよい。応答して、インターフェース310bは、パーソナルモバイル通信デバイス122および/または臨床医デバイス152におけるユーザインターフェースをほぼリアルタイムで更新してもよい。代替実施形態では、分析プロセッサ310aは、全ての分析データ406をインターフェース310bの代わりに臨床医データベース306に伝送する。これらの代替実施形態では、インターフェース310bは、周期的間隔(例えば、2秒、5秒、10秒、30秒、1分、5分、10分等)において臨床医データベース306からの分析データ406にアクセスし、パーソナルモバイル通信デバイス122および/または臨床医デバイス152上のユーザインターフェースを更新する。
【0149】
図6-13は、本開示のある例示的実施形態による、臨床医データベース306からの少なくともいくつかのデータ402、404、406、および/または412を使用して、パーソナルモバイル通信デバイス122および/または臨床医デバイス152上でアプリケーション320によって作成、レンダリング、または別様に提供される、例示的ユーザインターフェースを図示する。
図6は、本開示のある例示的実施形態による、例示的ダッシュボードユーザインターフェース600の略図を示す。ダッシュボードユーザインターフェース600は、1つまたはそれを上回る療法機械90(例えば、医療流体送達機械)によって施行される1つまたはそれを上回る処方療法またはプログラムに対する規定された患者の順守の全体像を提供する。ユーザインターフェース600は、例えば、臨床医が治療している、または別様に監督することに関与する患者のリストの中からの患者の氏名の選択後に臨床医デバイス152上でアプリケーション320によって表示されてもよい。ユーザインターフェース600は、患者が、他の患者の情報を見ることを許可されないであろうため、フロントまたはローディングページとしてパーソナルモバイル通信デバイス122上でアプリケーション320によって表示されてもよい。
【0150】
ユーザインターフェース600は、トリガ区分602を含む。図示される実施例では、トリガ区分602は、順守分析データの現在の値およびアラートを発生させるためのトリガ値または閾値を表示する。トリガ区分602はまた、トリガ値または閾値に加えて、排出時間および充填時間治療データに関する週間平均の現在の値を表示する。ユーザインターフェース600はまた、診療所平均(または複数の診療所における複数の患者の平均)と比較した患者に関する順守分析データを示す、概要区分604を含む。図示される実施例では、患者は、診療所(それから治療データが受信される)において治療を受ける患者の母集団と比較してより低い順守度を有する。概要区分604はまた、平均充填および排出時間によって規定されるようなカテーテル治療データを示す。概要区分604はさらに、診療所平均と比較した患者に関する治療あたりのアラームの平均回数を示す。概要区分604は、ユーザが、過去30日、60日、90日、および/または180日にわたるデータを閲覧することを可能にする。
【0151】
いくつかの事例では、アプリケーション320は、臨床医が、順守、カテーテル健全性、および/またはアラームに関するトリガ値または閾値を規定することを可能にするように構成される。例えば、ユーザインターフェース600内のリンクまたはフィールドの選択は、アプリケーション600に、トリガ値および/または閾値が臨床医によって修正されることを可能にする、別のユーザインターフェースをロードさせてもよい。閾値は、ある期間にわたる、または治療の間の離散的数またはパーセント増加を含んでもよい。トリガ値または閾値を設定することは、値を臨床医サーバ304のインターフェース310bに伝送させ、閾値パラメータ404として臨床医データベース306に記憶させる。トリガ値を設定することは、例えば、インターフェース310bまたは分析プロセッサ310aに、治療データまたは分析データが閾値またはトリガを超えていることを示す、アイコン、通知、または他のアラートを患者または治療ダッシュボードユーザインターフェース上に(またはプッシュ通知メッセージを介して)表示させる。
【0152】
図7は、本開示のある例示的実施形態による、順守分析データを表示する、順守ユーザインターフェース700を示す。順守ユーザインターフェース700は、特定の患者が、処方治療日、合計治療時間、および/または推定される滞留時間を満たすかどうかに関して示す。そのような情報は、治療施行の低下の早期の検出を提供することによって、臨床医による早期の介入を提供する。概して、90%未満の順守は、技法失敗、腹膜炎率、入院、および/または死亡率の有意な増加と関連付けられる。ユーザインターフェース700は、ユーザインターフェース600内の順守分析データのユーザ選択に応じて、アプリケーション320によって表示されてもよい。
【0153】
ユーザインターフェース700は、30日、60日、90日、または180日期間にわたる順守分析データを示す、数値区分702と、グラフ区分704とを含む。インターフェース700は、患者の順守傾向を提供するために、異なる期間にわたる順守の概要を含む。区分702および704は、(それからデータが受信される)同一の診療所の患者または1つまたはそれを上回る診療所における複数の患者に関する平均順守と比較した患者順守を示す。さらに、区分702および704は、治療がスケジュール通りに実施されなかった損失された治療日のパーセンテージまたは比率、スケジューリングされた治療が実施された完了された治療日のパーセンテージまたは比率、(患者が早期に治療を終了したことを示す)完了された治療からの損失された治療時間のパーセンテージまたは比率、および(患者がサイクルの全滞留段階をバイパスしたことを示す)完了された治療からの損失された滞留時間のパーセンテージまたは比率を示す。損失された滞留時間情報は、これが、除去のために患者のUFを吸収するための機会または処方時間が損失された量を伝えるため、特に重要である。
【0154】
図8は、ユーザインターフェース600または700内の治療データの選択に応じて、アプリケーション320によって表示され得る、治療時間ユーザインターフェース800を示す。ユーザインターフェース800は、処方治療時間を実際の治療時間に関連させる、患者に関する治療時間の散布プロットを示す。図示される実施例では、
図4のインターフェース310bは、ドキュメント420内に、スケジューリングされた治療の日毎の個々の治療時間および処方治療時間を伝送するように構成される。アプリケーション320は、ドキュメント420からの治療データをユーザインターフェース800と関連付けられるデータフィールドの中に書き込み、散布プロットを発生させる。示されるように、処方治療時間は、約450分から480分にわずかに経時的に増加する。比較すると、実際の治療時間は、変動し、概して、処方治療時間を下回る。ユーザは、ユーザインターフェース800の散布プロット上の各データ点にわたってマウスオーバーし、アプリケーション320に時間、日付、および/または処方される/実際の治療時間値を表示させてもよい。ユーザインターフェース800はまた、30日、60日、90日、または180日期間にわたる平均の実際の治療時間を示す。
【0155】
図9は、ユーザインターフェース600または700内の滞留データの選択に応じて、アプリケーション320によって表示され得る、滞留時間ユーザインターフェース900を示す。ユーザインターフェース900は、推定される滞留時間(処方または規定された充填および排出時間から計算される)を実際の滞留時間に関連させる、患者に関する滞留時間の散布プロットを示す。示されるように、推定される滞留時間は、治療におけるサイクル毎に約87分において一定のままである。比較すると、実際の滞留時間は、変動し、概して、推定される滞留時間を下回る。ユーザは、散布プロット上の各データ点にわたってマウスオーバーし、アプリケーションに時間、日付、および/または推定される/実際の滞留時間値を表示させてもよい。ユーザインターフェース900はまた、30日、60日、90日、または180日期間にわたる平均の実際の滞留時間を示す。
【0156】
図10および11は、ユーザインターフェース600または700内の排出または充填時間分析データの選択に応じて、アプリケーション320によって表示され得る、個別の排出および充填時間ユーザインターフェース1000および1100を示す。排出および充填時間ユーザインターフェース1000および1100は、治療あたりの平均排出および充填時間の散布プロットを示す。表示される情報は、充填または排出時間の緩慢な減少または増加が、1日単位で見られるときに目立たない場合がある、患者のカテーテルに関する問題の早期のインジケーションを提供する。データは、カテーテル流動制限、不整合、詰まり、および/またはフィブリンストランドの蓄積を示し得る。
【0157】
排出時間ユーザインターフェース1000は、本実施形態では、平均排出時間が17分から19分に増加したことを示す、傾向線に関連する治療あたりの個々の平均排出時間を示す。ユーザインターフェース1000はまた、7日、30日、60日、90日、または180日期間にわたる平均の実際の排出時間を示し、排出時間の直近の増加がカテーテルに関する問題を示し得ることを示す。充填時間ユーザインターフェース1100は、本実施形態では、平均充填時間が8分から7.5分に減少したことを示す、傾向線に関連する治療あたりの個々の平均充填時間を示す。排出時間の変化に対する充填時間の変化の差異は、より速い充填率が、カテーテルの部分的遮断によって影響を受けない場合がある、流動制限を示す情報を提供し得る。ユーザは、ユーザインターフェース1000および1100内のデータ点のうちのいずれかにわたってマウスオーバーし、値の日付、時間、および値/分を閲覧してもよい。
【0158】
図12および13は、本開示の例示的実施形態による、アラーム分析データを表示するためのアラームユーザインターフェース1200および1300を示す。
図12のアラームユーザインターフェース1200は、治療の間に療法機械90によって発生されたアラームの平均回数の散布プロットを含む。プロットはまた、アラームの傾向線を含む。プロットは、患者に関するアラーム問題を解決し、より良好な休息期間およびそれらの処方療法またはプログラムに対するより良好な順守を提供するために、早期の介入のために臨床医によって使用されてもよい。治療あたりのアラームの増加は、順守問題、カテーテル問題、および/または技法失敗を示し得る。アラームの増加は、患者の睡眠障害およびアラーム疲労につながり得る。いくつかの事例では、ユーザインターフェースは、アラームが発生された日付/時間およびアラームのタイプおよび/またはアラームが消された、拡大された、または解決されたかどうかに関するインジケーションを示してもよい。ユーザインターフェース1200はまた、30日、60日、90日、または180日期間にわたるアラームの平均回数を示す。
【0159】
図13は、異なる期間にわたる治療あたりの平均アラームタイプを含む、ユーザインターフェース1300を示す。アラームタイプは、例えば、充填の手動バイパス、排出の手動バイパス、スマート排出アラート、および滞留時間の手動バイパスを含む。図示されるアラームは、患者が処方されたものよりも早期に充填、滞留、および排出段階を終了していることを示す。他の実施形態では、ユーザインターフェース1300は、アクセス切断検出、ライン閉塞等を示すアラームを表示してもよい。いくつかの実施形態では、アラームはまた、測定された治療データが、治療前/後の血圧、血糖、事前/事後患者体重、心拍数、排出されたUF、kt/V、CCI、充填体積、排出体積、運搬器タイプ、手動交換の回数等に関する1つまたはそれを上回る閾値を超えるかどうかを示してもよい。ユーザインターフェース1300内に示されるアラームの回数およびアラームのタイプは、再発生するアラームの回数を低減させる、または患者治療順守問題を識別することに役立つための療法介入のために、臨床医によって使用されてもよい。
B.
治療推奨実施形態
【0160】
図4に再び目を向けると、臨床医サーバ304上の例示的アプリケーション310は、エビデンスベースの分析を提供する、またはエビデンスベースのモデルを適用するように構成される、指針プロセッサ310cを含んでもよい。指針プロセッサ310cは、データ402、404、406、および/または412を分析し、処方療法および/またはプログラムに関する臨床利益およびリスクに関する推奨および/または指針を提供するように構成される。推奨および/または指針は、順守、カテーテル問題、および/またはアラーム問題を改良するために、患者に能動的に働きかけるために臨床医によって実施可能である。
【0161】
いくつかの実施形態では、臨床医データベース306は、推奨および/または指針をデータ402、404、406、および/または412のうちの少なくともいくつかの部分または範囲に関連させるデータ構造428を記憶する。推奨および/または指針は、ISPD、NKF、NKF DOQI、および/または査読済みの刊行物等の全国的に認められた権威によって提供されてもよい。推奨または指針は、処方療法またはプログラムを修正するために、推奨される療法またはプログラム設定またはパラメータを含んでもよい。推奨または指針はまた、通知閾値に関する推奨される設定または範囲を含んでもよい。推奨または指針はさらに、分析/メトリックの定義、付加的情報を伴うウェブサイトへのリンク、類似する患者に関する典型的な臨床医値、潜在的な患者関連リスク、および/または患者に連絡を取る、カテーテルまたは療法機械90に関する保守をスケジューリングする、または療法機械90に関するいくつかのアラームを消す等の臨床医が行うべきアクションを含んでもよい。
【0162】
図4の例示的指針プロセッサ310cは、データ402、404、406、および/または412をデータ構造428内に提供される推奨および/または指針に関する1つまたはそれを上回る閾値または範囲と比較するように構成される。データ402、404、406、および/または412のうちの少なくともいくつかが、推奨または指針に対応する場合、指針プロセッサ310cは、識別された推奨または指針を含む、推奨ドキュメント430を作成する。指針プロセッサ310cは、インターフェース310bに、表示のために推奨ドキュメント430をアプリケーション320に伝送させる。
【0163】
指針ドキュメント430を作成するために、指針プロセッサ310cは、関連する推奨および/または指針のテキストを含んでもよい。加えて、または代替として、指針プロセッサ310cは、データ構造428内に記憶される事前に規定された指針または推奨のリストにアクセスしてもよい。指針プロセッサ310cは、比較に対応する事前に規定された指針または推奨を識別する。識別を行った後、指針プロセッサ310cは、事前に規定された指針または推奨を推奨ドキュメント430に書き込む。いくつかの実施形態では、指針プロセッサ310cは、関連する指針または推奨内の1つまたはそれを上回るリンクを介してウェブページまたは他のウェブベースのコンテンツにアクセスし、指針ドキュメント430の中への取り込みのためのテキストまたはマルチメディアコンテンツを取得してもよい。
【0164】
図14は、ユーザが指針プロセッサ310cによって決定される推奨または指針を閲覧することを可能にするアイコン1402を伴う、
図7の順守ユーザインターフェース700を示す。アプリケーション320は、推奨ドキュメント430が受信された後、アイコン1402を表示してもよい。代替として、アイコン1402の選択は、推奨ドキュメント430を作成させるための命令を指針プロセッサ310cに伝送させてもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、アイコン1402の選択は、アプリケーション320に、推奨ユーザインターフェース1404を表示させる。図示される実施例では、指針プロセッサ310cは、並行して、または以前に、90%を下回る順守分析値を有する患者のための推奨が存在することを決定している。指針プロセッサ310cは、関連付けられる推奨および指針を抽出し、これは、ユーザインターフェース1404内に示される。指針は、患者が順守を改良することに役立つために臨床医が行い得るアクションに加えて、低順守率に関する可能性として考えられる原因の簡潔な解説を含む。ユーザインターフェース1404内の推奨は、臨床医を支援するための付加的情報またはコンテンツを伴うウェブサイトまたはウェブページへのリンクを含む。いくつかの事例では、リンクは、臨床医が患者に迅速に接続することを可能にするために、電子メールプログラムを開かせる、テキストメッセージングプログラムを開かせる、または患者への電話を開始してもよい。他の事例では、リンクは、処方療法またはプログラムに関する編集可能なフィールドを伴うユーザインターフェースを開かせてもよい。臨床医は、正当である場合、インターフェースを使用し、新しい処方療法またはプログラムを修正または作成してもよく、これは、療法機械90への伝送に先立って、処理/検証のために臨床医サーバ304に伝送される。
C.治療分析の例示的プロシージャ
【0166】
図15は、本開示のある例示的実施形態による、処方療法またはプログラムの治療データ402および/または閾値/パラメータ406を使用して、分析データ406を作成するための例示的プロシージャ1500のフロー図である。プロシージャ1500は、
図15に図示されるフロー図を参照して説明されるが、プロシージャ1500と関連付けられるステップを実施する多くの他の方法も、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックのうちの多くの順序は、変更されてもよく、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられてもよく、説明されるブロックのうちの多くは、随意であってもよい。ある実施形態では、ブロックの数は、決定される分析データに基づいて、変更されてもよい。さらに、推奨および/または指針を決定するステップは、省略されてもよい。プロシージャ1500に説明されるアクションは、1つまたはそれを上回る命令によって規定され、例えば、臨床医サーバ304および/または臨床医データベース306を含む、複数のデバイス間で実施されてもよい。
【0167】
例示的プロシージャ1500は、
図15において、臨床医サーバ304が、1つまたはそれを上回る療法機械90(例えば、医療流体送達機械)から患者に関する治療データ402を受信するときに開始される(ブロック1502)。臨床医サーバ304は、治療が終了した後に治療データ402を受信する。他の事例では、臨床医サーバ304は、5秒毎、10秒毎、30秒毎、1分毎、5分毎、15分毎、1時間毎、24時間毎等の周期的ベースで治療データを受信する。いくつかの実施形態では、臨床医サーバ304は、受信された治療データ402をHL7フォーマットからJSONフォーマットまたはテキストベースのフォーマットに変換してもよい。臨床医サーバ304は、受信されたデータに対応する処方療法のパラメータまたは規定された閾値404を識別する(ブロック1504)。例えば、臨床医サーバ304は、臨床医データベース306内の患者記録にアクセスし、処方療法のパラメータを決定してもよい。臨床医サーバ304はまた、臨床医データベース306にアクセスし、アラートを発生させるための任意のデフォルトまたは臨床医が規定した閾値またはトリガを決定してもよい。
【0168】
例示的臨床医サーバ304は、次いで、治療データ402のうちの少なくともいくつかと処方療法のパラメータおよび/または規定された閾値404との間の差異を比較または決定することによって、分析パラメータを決定する。これは、
図5に関連して上記に説明されるように、損失された治療時間分析データ406aa(ブロック1506)、平均滞留時間分析データ406ab(ブロック1508)、平均充填時間分析データ406bb(ブロック1510)、および平均排出時間分析データ406ba(ブロック1512)を決定することを含んでもよい。例示的臨床医サーバ304はまた、治療データ402を処理し、発生されたアラームの回数、アラームのタイプ、および/またはアラームがバイパスされた、消された、解決された、または拡大されたかどうかを決定することによって、アラーム分析データ406cを決定する(ブロック1514)。
【0169】
臨床医サーバ304は、次いで、分析データ406のうちのいずれかが、1つまたはそれを上回る閾値を超えるかどうかを決定する(ブロック1516)。ある閾値を超える場合、臨床医サーバ304は、アラートを発生させ、これは、ドキュメント420を介して臨床医デバイス152上のアプリケーション320に伝送される(ブロック1518)。他の事例では、アラートは、アプリケーション320がドキュメント420を受信するためにアクティブである、および/または接続されていることを検出した後、臨床医サーバ304によって提供される。アラートは、順守率、平均滞留時間、平均排出時間、平均充填時間、発生されたアラームの回数等の臨床医が規定した、またはデフォルト閾値を超えていることを示す。例示的臨床医サーバ304はまた、分析データ406を臨床医データベース306内の1つまたはそれを上回る患者記録に記憶する(ブロック1520)。臨床医サーバ304またはウェブポータル150は、後で、パーソナルモバイル通信デバイス122または臨床医デバイス152におけるアプリケーション320上でのレンダリングおよび表示のための要求に応じて、記憶されたデータ406を読み出してもよい。
【0170】
臨床医サーバ304は、いくつかの実施形態では、例えば、アラートが発生されたかどうかに基づいて、または分析データ406に基づいて、推奨または指針が提供されるべきかどうかを決定してもよい。推奨が、発生されるべきである場合、臨床医サーバ304は、適切な、または対応する推奨を決定し、アプリケーション320を介した伝送および表示のために推奨ドキュメント430を作成する(ブロック1522)。
図15の例示的プロシージャ1500は、次いで、終了してもよい。プロシージャ1500は、付加的治療データが受信されるとき、再び開始されてもよい。
III.
治療予測実施形態
【0171】
いくつかの実施形態では、例示的臨床医サーバ304は、1つまたはそれを上回るAIモデル、機械学習モデル、エンジン、および/または予測分析を使用し、患者が療法機械90によって実施される治療を中止する、または低減させ得る尤度を決定するように構成される、アプリケーション310を含む。
図16は、本開示のある例示的実施形態による、予測プロセッサ310dを含む、臨床医サーバ304のアプリケーション310の略図である。
【0172】
例示的予測プロセッサ310dは、少なくとも5~7日前に、最大で21~30日前に患者中止を予測するように構成または訓練される、LightGBMモデルおよび/またはフィードフォワードニューラルネットワークモデル等の1つまたはそれを上回るAIモデルを含んでもよい。予測プロセッサ310dは、繰り返しの6~12か月期間の患者に関する治療データ402および/またはログを備える、訓練データセット1602を使用して訓練される。治療データ402は、本期間の間に分析され、少なくとも5~14日間の治療においてギャップを経験した患者を識別する。予測プロセッサ310dは、治療データ402、患者データ412、および/または臨床医データベース306の記録内に記憶される任意の閾値を識別された患者に相関させる。したがって、予測プロセッサ310dは、治療を中止した患者を識別するデータセットと、治療を中止したそれらの患者対治療を中止しなかった患者の治療および個人的特性とを保有する。
【0173】
例示的予測プロセッサ310dは、治療データ402および/または患者データ412をモデル化された患者と比較することによって、モデル出力1604を決定するように構成される。モデル出力1604は、処方療法またはプログラムの自身の治療を中止する、または低減させる、検討中の患者の平均予測確率を含む。予測確率は、治療データ402(患者の治療データ402の履歴を含む)および患者データ412を訓練データまたはモデル化データと比較し、少なくとも3~5つ(またはそれを上回る)パラメータを使用して、患者のデータが訓練またはモデル化データセットと合致または相関する厳密さを決定することによって決定される。例えば、治療を中止した他の患者の治療データとほぼ同じである患者の治療データ402は、予測プロセッサ310dによって、治療を中止する95%~100%の予測確率を有すると決定される。しかしながら、検討中の患者の治療データが、治療を中止した他の患者のデータからの逸脱を有する(データが治療を継続した患者のデータに似始めたことを意味する)場合、予測プロセッサ310dによって決定される予測確率は、より低い。
【0174】
いくつかの実施形態では、訓練データセット1602は、治療データ402および/または患者データ412の表を含み、各行は、患者の処方治療の日を規定する。列は、その患者の治療の日に関する治療データ402および/または患者データ412(例えば、入力特徴)を含んでもよい。列はまた、患者がその後治療を中止したかどうかに関するインジケーション(例えば、標的変数)を含んでもよい。さらに、訓練データセット1602のうちの少なくともいくつかは、モデル化プロセスから除外され、代わりに、訓練データが予測モデルを適切に訓練したかどうかを確実にするために、ホールドアウトまたは検証データとして使用されてもよい。
【0175】
いくつかの実施形態では、訓練後、予測モデルは、再帰的特徴除去を使用し、懸念スコアの決定に実質的に寄与しないパラメータを除去するように構成される。加えて、または代替として、予測モデルのパラメータは、パラメータ空間にわたるベイズ検索を使用して最適化されてもよい。さらに、予測モデルは、より長い時間間隔からの治療データおよび/または患者データを使用して、訓練モデルに対して実施される1つまたはそれを上回る予測が不安定にならなかったことを確実にするために、使用前に安定性に関して試験されてもよい。
【0176】
訓練された予測モデルを使用して、予測プロセッサ310dは、予測確率を「懸念スコア」として分類し、これがある閾値を超える(例えば、治療を終了する50%の可能性を上回る)場合、懸念スコアを関連する臨床医に報告してもよい。懸念スコアを報告することに加えて、予測プロセッサ310dは、比較的に高いスコアを引き起こした重要なパラメータまたは寄与因子を含み、または識別し、それによって、AIまたは機械学習モデルまたはエンジンに関する透明性を提供してもよい。いくつかの実施形態では、重要なパラメータは、重要性または懸念スコアとの相関に基づいて、加重されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、予測プロセッサ310dは、患者が(少なくとも2週間にわたって)処方療法を終了するであろう確率に関する第1の懸念スコアと、患者が治療頻度または持続時間を低減させるであろう確率に関する第2の懸念スコアとを決定してもよい。
【0177】
いくつかの事例では、予測プロセッサ310dは、教師あり学習アプローチを用いて構成され、これは、現在および履歴の治療/患者データを、治療を継続または中止する患者の実際の転帰(例えば、標的変数)と比較する。予測プロセッサ310dは、治療データが、予測ウィンドウ(着目日付の以降の2週間以内、その日付から始まる1週間等の予測の時間フレーム)の間のある時点に始まる少なくとも2週間の期間にわたって機械90によってアップロードされなかったときを識別することによって、患者が治療を中止したと決定する。言い換えると、予測プロセッサ310dは、いかなる治療も、少なくとも2週間にわたって存在しないと決定し、これは、(訓練セット内の)患者が、治療を中止したことを示す。訓練セットからの患者を使用して標的患者の懸念スコアを決定するために、予測プロセッサ310dのAIまたは機械学習システムは、パラメータ入力を使用して、モデル化データへの最適なフィッティングモデルを決定する。予測プロセッサ310dは、モデルの過剰フィッティングを回避するために、訓練のために使用されない「ホールドアウトセット」に対して交差検証および試験等の技法を使用するように構成されてもよい。
【0178】
いくつかの事例では、予測プロセッサ310dは、患者/治療データ入力を受信し、現在の値と事前の値との間の差分を提供し、時間フレーム(28日間等)にわたる値(アラート等)の傾向および累積カウントを示すモデルを使用する。加えて、予測プロセッサ310dは、脈圧(単一の測定における収縮期血圧と拡張期血圧との間の差異)等の他の派生データ要素を含んでもよい。1日毎に、予測プロセッサ310dは、傾向/累積カウントに加えて、標的変数懸念スコアを発生させてもよい。予測プロセッサ310dは、その患者に関する標的変数(例えば、患者が予測ウィンドウの間に療法機械90を使用することを中止した(または中止しなかった)かどうかを示すための1または0)との比較のために、患者治療データ入力(1日あたりの患者あたりの入力のセット)を予測モデルに提供する。予測プロセッサ310dは、次いで、1つまたはそれを上回る機械学習モデル(LGBM、ニューラルネットワーク、およびロジスティック回帰のような)を使用し、標的変数が「1」である(例えば、患者が予測ウィンドウの間のある時に始まる療法機械90の使用を中止するであろう)確率(0と1との間の小数)を発生させてもよい。
【0179】
いくつかの実施形態では、検討中の患者に関する治療データの小さいサブセットのみが、分析において使用されてもよい。例えば、予測プロセッサ310dは、検討中の患者に関する直近の治療データ402(例えば、5~7日以内のデータ)を除外してもよい。さらに、予測プロセッサ310dは、分析のために直近の5~30日、好ましくは、7~21日以内に受信された治療データのみを使用してもよい。したがって、患者の過去の長期のコンプライアンスが、将来の予測される治療順守を偏らせることはできず、むしろ、短期の傾向が、考慮され、これは、近い将来の療法中止をより示す。
【0180】
予測プロセッサ310dの1つまたはそれを上回る患者予測モデルおよび/またはエンジンによって使用される重要なパラメータは、
-排出時間(治療あたりの加重平均、最大、平均、最小、変動、および/または累積排出時間)、
-排出体積(初期または累積、排出値の加重平均値、最大値、平均値、最小値、および/または変動値のうちの少なくとも1つを含み得る)、
-治療あたりの推定される日/夜間UF除去量(除去された推定されるUFの加重平均値、最大値、平均値、最小値、および/または変動値のうちの少なくとも1つを含む)、
-滞留時間(治療あたりの加重平均、最大、平均、最小、変動、または累積排出時間)、-充填時間(治療あたりの平均または累積充填時間)、
-治療の間に機械90によって発生された拡大するメッセージ/アラーム/アラート(月間/週間/治療あたりのアラーム、メッセージ、またはアラートの間の加重平均値、最大値、平均値、最小値、および/または変動値を含み得る)、
-累積アラーム/アラート、
-療法機械90に関する経験の日数(事前処方療法を含む)、
-診療所における治療の日数、
-患者が処方療法を受けた日数、
-処方療法が改訂された回数、
-別個の治療の間の(例えば、日中治療と夜間治療との間の)平均時間、
-各治療におけるサイクルの数、
-患者年齢、
-患者性別、
-処方療法識別子、
-合計治療体積(治療流体体積の加重平均値、最大値、平均値、最小値、および/または変動値を含み得る)、
-治療持続時間(治療持続時間の加重平均値、最大値、平均値、最小値、および/または変動値を含み得る)、
-患者治療前/後体重(患者体重の加重平均値、最大値、平均値、最小値、および/または変動値を含み得る)、
-患者血圧(加重平均、最大、平均、最小、変動拡張期および/または収縮期血圧のうちの少なくとも1つを含む)、
-患者心拍数、および、
-患者腎臓条件を含む。
【0181】
予測モデルが、上記のパラメータのうちの少なくとも3つ、および20~30個もの数のパラメータを使用することを理解されたい。懸念スコアが、ある閾値を超える場合、インターフェース310bは、懸念スコアと、上位のいくつかの寄与する重要なパラメータとを含む、ドキュメント1606を作成するように構成される。インターフェース310bはまた、予測プロセッサ310dの患者予測モデル/エンジンにおいて使用された重要なパラメータ毎の患者の値を含んでもよい。他の実施形態では、懸念スコアおよび上位の重要なパラメータは、アプリケーション320を介して臨床医によって要求されるとき、インターフェース310bによって提供されてもよい。
【0182】
図17は、本開示のある例示的実施形態による、懸念スコアユーザインターフェース1700を示す。ユーザインターフェース1700は、懸念スコアおよび上位のいくつかの重要なパラメータ(本実施例では、上位5つの重要なパラメータ)を表示する。重要なパラメータは、患者に関する値を含む。本実施例では、患者は、将来(例えば、以降の1~4週間内に)治療を中止する62%の可能性を有する。患者が治療を中止し得るインジケータは、アラートの拡大する回数、アラートの累積カウント、除去されたUFの平均量、患者の血圧、および長い排出時間を含む。
【0183】
本情報を精査する臨床医は、患者が治療を終了することに先立って介入する機会を有する。患者は、患者が機械を使用することに苛立つ(アラートおよび血圧によって示されるように)と同時に、より長い時間がかかりながら(より長い排出時間)、利益が低減されている(少ないUF除去)と感じていることを伝え得る。応答して、臨床医は、患者に連絡を取り、UFをより迅速に除去することに役立つために、異なるブドウ糖レベルが必要とされるかどうかを決定することができる。臨床医はまた、患者がアラームおよび/またはアラートをオフに設定することを回避することに役立ち得る。全体として、臨床医は、患者が療法を中止する前に予想および行動することを可能にすることによって、患者が治療を継続する良好な機会を有する。
【0184】
図18は、本開示のある例示的実施形態による、懸念スコアユーザインターフェース1800の別の実施形態を示す。ユーザインターフェース1800は、臨床医が治療に関与する患者に関する報告を含む。ユーザインターフェース1800は、患者氏名、識別子、および懸念スコアを含む。ユーザインターフェース1800はまた、患者毎の重要なパラメータを含む。重要な因子が、患者の間で異なることを理解されたい。本患者特有分析は、臨床医が、患者が治療を中止するリスクの具体的原因を絞り込み、それに対処することを可能にする。ユーザインターフェース1800はまた、患者の傾向を示すために、以前の懸念スコアの一覧を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、臨床医サーバ304のアプリケーション310は、重要なパラメータに対処するための推奨を提供するために、指針プロセッサ310cを含んでもよい。指針プロセッサ310cは、患者の重要なパラメータを、データ構造428(
図16に示される)内に提供される異なる推奨および/または指針に割り当てられた値または値の範囲と比較するように構成される。推奨または指針は、重要なパラメータ、すなわち、上位の識別された重要なパラメータ毎に決定される、または概して、懸念スコアに基づいて提供されてもよい。
【0186】
重要なパラメータおよび/または懸念スコアのうちの少なくともいくつかが、具体的な推奨または指針に対応する場合、指針プロセッサ310cは、識別された推奨または指針を含む、推奨ドキュメント430を作成する。指針プロセッサ310cは、インターフェース310bに、表示のために推奨ドキュメント430をアプリケーション320に伝送させる。
図19は、ユーザが、指針プロセッサ310cによって決定された推奨または指針を閲覧することを可能にするアイコン1902を伴う、
図17の順守ユーザインターフェース1700を示す。アイコン1902の選択は、アプリケーション320に、推奨ユーザインターフェース1900を表示させる。
【0187】
図示される実施例では、指針プロセッサ310cは、62%の懸念スコアを有する患者のための推奨が存在すると決定する。指針プロセッサ310cは、関連付けられる推奨および指針を抽出し、これは、ユーザインターフェース1900内に示される。指針は、患者が処方療法に対する順守を改良することに役立つために臨床医が行い得るアクションに加えて、懸念スコアに関する可能性として考えられる原因の簡潔な解説を含む。ユーザインターフェース1900は、それに応じて、類似する治療を受ける患者の予測分析に基づいて、処方療法に対する患者の順守を改良するように臨床医を誘導する。
【0188】
図20は、本開示のある例示的実施形態による、患者が処方療法を中止する、または処方療法に対する治療を低減させる可能性が高いかどうかを予測および報告するための例示的プロシージャ2000のフロー図である。プロシージャ2000は、
図20に図示されるフロー図を参照して説明されるが、プロシージャ2000と関連付けられるステップを実施する多くの他の方法も、使用され得ることを理解されたい。例えば、ブロックのうちの多くの順序は、変更されてもよく、あるブロックは、他のブロックと組み合わせられてもよく、説明されるブロックのうちの多くは、随意であってもよい。ある実施形態では、推奨および/または指針を決定するステップは、省略されてもよい。プロシージャ2000に説明されるアクションは、1つまたはそれを上回る命令によって規定され、例えば、臨床医サーバ304および/または臨床医データベース306を含む、複数のデバイス間で実施されてもよい。
【0189】
例示的プロシージャ2000は、
図20において、臨床医サーバ304が、患者群に関する訓練治療データ1602を受信するときに開始される(ブロック2002)。臨床医サーバ304は、類似する処方療法またはプログラムを有する患者、同一のタイプの透析療法(例えば、HDまたはPD療法)を処方された患者、同一のタイプの医療流体送達機械から療法を受けた患者、および/または過去1年以内に処方療法および/またはプログラムを受けた患者を識別および選択してもよい。いくつかの事例では、訓練データは、過去6~18か月にわたる臨床医サーバ304による分析下の全ての患者に関する治療データを含む。
【0190】
例示的臨床医サーバ304は、訓練治療データ1602を使用し、例えば、LightGBMモデルおよび/またはニューラルネットワークモデルを含む、1つまたはそれを上回る患者予測モデルまたはエンジンを作成する(ブロック2004)。臨床医サーバ304は、次いで、分析下の患者に関する治療データ402および/または患者データ412にアクセスする(ブロック2006)。臨床医サーバ304は、治療データ402および/または患者データ412を1つまたはそれを上回る患者予測モデルに適用し、懸念スコア1604を決定する(ブロック2008)。上記に議論されるように、懸念スコアは、患者が早期に自身の処方治療を終了する(および/または有意に低減させる)であろう確率を含む。臨床医サーバ304はまた、懸念スコアに主として寄与した上位のいくつかの重要なパラメータまたは属性を決定してもよい(ブロック2010)。これは、少なくとも1つの重要なパラメータまたは10個もの数の重要なパラメータを含んでもよい。
【0191】
例示的臨床医サーバ304は、懸念スコアをある閾値と比較してもよい(ブロック2012)。ある閾値を超える場合、臨床医サーバ304は、アラートを発生させ、これは、ドキュメントまたはメッセージ1606を介して臨床医デバイス152上のアプリケーション320に伝送される(ブロック2014)。アラートは、懸念スコアに関して臨床医が規定した、またはデフォルト閾値を超えていることを示し、患者が自身の治療を終了する、または低減させるリスクがあることを臨床医にアラートする。例示的臨床医サーバ304はまた、懸念スコアおよび重要なパラメータ1604(および/または懸念スコアの計算に寄与した全てのパラメータ)を
図16の臨床医データベース306内の1つまたはそれを上回る患者記録に記憶する(ブロック2016)。臨床医サーバ304またはウェブポータル150は、後で、パーソナルモバイル通信デバイス122または臨床医デバイス152におけるアプリケーション320上でのレンダリングおよび表示のための要求に応じて、記憶されたデータ1604を読み出してもよい
【0192】
臨床医サーバ304は、いくつかの実施形態では、例えば、アラートが発生されたかどうかに基づいて、または懸念スコア1604に基づいて、推奨または指針が提供されるべきかどうかを決定してもよい。推奨が、発生されるべきである場合、臨床医サーバ304は、適切な、または対応する推奨を決定し、アプリケーション320を介した伝送および表示のために推奨ドキュメント430を作成する(ブロック2018)。
図20の例示的プロシージャ2000は、次いで、終了してもよい。プロシージャ200は、付加的治療データが受信されるとき、再び開始されてもよい。
IV.
結論
【0193】
本明細書に説明される本好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって網羅されることを意図している。
【外国語明細書】