(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184643
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】システム、報知端末、サーバー装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20231221BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023189772
(22)【出願日】2023-11-07
(62)【分割の表示】P 2022194598の分割
【原出願日】2012-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】山崎 和恵
(72)【発明者】
【氏名】小林 典仙
(72)【発明者】
【氏名】片桐 康晴
(72)【発明者】
【氏名】尾野 久雄
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって必要なメーターを選択して表示させることのでき、また、多くの種類の情報を的確に表示させることのできる制御システム等を提供する。
【解決手段】本レーダー探知機は、取得したデータに基づくメーター表示をする制御を行う制御システムであって、一つの表示部5の画面上に複数のメーター表示領域を備え、その一つの画面上の少なくともいずれか1のメーター表示領域について、ユーザによって選択された種類のメーター表示をする。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが携帯する携帯端末で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報と、車載装置で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報とに基づき生成された情報の配信を受けて、配信された情報に基づく表示を行う機能を備えた装置。
【請求項2】
前記表示を行う機能は、
前記ユーザーが携帯する携帯端末で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報と、前記車載装置で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報と、が統合されて生成された情報の配信を受けて、配信された情報に基づく表示を行う
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記表示を行う機能は、
前記ユーザーが携帯する携帯端末で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報と、前記車載装置で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報とで確度の評価を異ならせて生成された情報の配信を受けて、配信された情報に基づく表示を行う
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記確度の評価は、過去の交通監視活動の実施履歴に基づいて行われる
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
同一の交通監視活動に対し複数の投稿者からの前記投稿情報がある場合、その交通監視活動についての実施履歴を表示する機能を備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記投稿者が投稿した前記投稿情報と、公開取締情報を同じ表示欄に表示可能に構成し、どちらが表示されているかが区別可能に表示する機能を備える請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ユーザーが携帯する携帯端末で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報と、車載装置で生成された交通監視活動を対象とした投稿情報とに基づいて、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置に配信するための情報を生成し、当該装置に送信する機能を備えるサーバー装置。
【請求項8】
コンピュータに請求項1~6のいずれか1項に記載の装置の機能を実現させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータに請求項7に記載のサーバー装置の機能を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通取締や検問など各種の交通監視活動に関する情報を提供することで車両の運転を支援する運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の運転を支援するための運転支援システムとして、速度取締のレーダ波を受信したときに警報し、運転者の注意を喚起するレーダー探知機等の車載装置が実現されている。このような車載装置の中には、車両の現在位置を測位するGPS機能と、速度取締システムの設置ポイント等のGPSコンテンツのデータベースと、を有し、特定のGPSコンテンツへの接近を検知し、その旨を運転者に報知する装置もある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
上記のような車載装置が接近を報知するGPSコンテンツとしては、速度取締システムの設置ポイントや警察署などの常設ポイントのほか、移動オービスよる速度取締や飲酒検問等の交通監視活動が高頻度で実施される仮設ポイント等がある。車載装置は、各種のGPSコンテンツへの接近を報知することで、交通安全に対する運転者の注意を喚起しようとしている。
【0004】
しかしながら、前記従来の運転支援システムでは、次のような問題がある。すなわち、報知対象が必ず存在する常設ポイントとは異なり、仮設ポイントへの接近を報知しても今現在、その仮設ポイントで交通監視活動が行われているか否かが不明であり、報知内容に基づいて運転者の側でリスクの度合いを個々に判断しなければならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、交通取締や検問など各種の交通監視活動に関する情報を提供して運転を支援するシステムであって、リアルタイム性を高めた運転支援システムを提供しようとする発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、交通安全を促進するために実施される交通監視活動の種別を表す種別情報、及び交通監視活動が行われている監視位置を表す位置情報を含む投稿情報を投稿可能な投稿端末と、
複数の投稿端末からの投稿情報のうち、投稿対象の交通監視活動が共通する複数の投稿情報を統合することにより、交通監視活動に関する種別情報及び位置情報を含む配信情報を生成して配信するサーバー装置と、
サーバー装置から配信された配信情報を取得して報知する報知端末と、を含む運転支援情報配信システムにある。
【0008】
本発明の一態様は、交通安全を促進するために実施される交通監視活動の種別を表す種別情報、及び監視位置を表す位置情報を含む投稿情報を投稿可能であって、本発明の他の態様をなす前記運転支援情報配信システムを構成する投稿端末にある。
【0009】
本発明の一態様は、交通安全を促進するために実施される交通監視活動の種別情報及び監視位置の位置情報を含む配信情報を取得して報知可能であって、本発明の他の態様をなす前記運転支援情報配信システムを構成する報知端末にある。
【0010】
本発明の一態様は、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
本発明の他の態様をなす前記運転支援情報配信システムを構成するサーバー装置の機能を実現するためのサーバー用プログラムにある。
【0011】
本発明の一態様は、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
本発明の他の態様をなす前記投稿端末の機能を実現するための投稿用プログラムにある。
【0012】
本発明の一態様は、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、
本発明の他の態様をなす前記報知端末の機能を実現するための報知用プログラムにある。
【0013】
本発明に係る投稿端末を利用すれば、交通安全を促進するために実施される交通監視活動の種別を表す種別情報、及び監視位置を表す位置情報を含む投稿情報を生成でき、サーバー装置に対して投稿可能である。サーバー装置は、投稿対象の交通監視活動が共通する複数の投稿情報を統合することで、交通監視活動に関する種別情報及び位置情報を含む配信情報を生成する。報知端末は、サーバー装置から配信された配信情報を報知可能である。
【0014】
前記配信情報は、例えば、前記投稿情報に基づいて生成されたリアルタイム性の高い情報とすることができる一方、投稿情報の確度はまちまちであり、正しい情報もあれば間違った情報もあり得る。このように真偽の定かでない複数の投稿情報をそのまま配信してしまうと、報知端末側でどの情報を信じて良いのか混乱を生じるおそれがある。特に、報知端末が車両内に設置されている場合や、可搬型の報知端末を車両内に持ち込んだ場合、例えば運転者が運転中にこのような投稿情報がそのまま配信されると運転の妨げとなるおそれがある。
【0015】
一方、本発明における配信情報は、例えば、複数の投稿情報を統合することで例えば確度が高められた情報とすると良い。この配信情報では、例えば、投稿情報に基づくリアルタイム性と、情報統合によって向上された確度と、が両立されている。リアルタイム性と確度とが両立された配信情報は、運転者にとって有用な情報となり得る。
【0016】
以上のように本発明は、交通取締や検問などの交通監視活動に関する情報を提供して運転を支援するシステムであって、リアルタイム性を向上した運転支援システムを実現するために有用な発明である。
【0017】
本発明における投稿情報の対象となる交通監視活動としては、速度取締、駐車禁止取締、シートベルト取締等の交通取締や、飲酒検問やシートベルト検問等の検問等がある。
本発明におけるサーバー装置は、前記投稿情報の受信機能と前記配信情報の送信機能との両方の機能を備えたものであっても良いし、前記投稿情報を受信するサーバーと、前記配信情報を受信するサーバーと、が専用線、専用通信回線あるいは公衆通信回線等によって接続されたものでもあっても良い。
【0018】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおけるサーバー装置は、前記投稿情報の投稿に関する時刻が所定の時間内にあって、かつ、監視位置が所定範囲内に属している複数の投稿情報を同じ交通監視活動を対象とする投稿情報として取り扱う。
【0019】
前記投稿情報の投稿に関する時刻としては、前記投稿情報が生成された時刻、前記投稿情報が投稿された時刻、前記投稿情報に係る交通監視活動が目撃された時刻などとすると良い。前記投稿に関する時刻が所定の時間内にあるという時間的な近接性と、前記監視位置が所定範囲内に属しているか否かという場所的な近接性と、を組み合わせれば、同じ交通監視活動を対象とした投稿情報を確実性高く抽出でき、確度の高い配信情報を生成できる。前記投稿情報が生成された時刻、及び対象の交通監視活動が目撃された時刻は、投稿端末側で特定される必要がある。投稿された時刻については、投稿情報を送信した時刻を投稿端末側で特定しても良く、投稿情報を受信した時刻をサーバー装置側で特定しても良い。投稿端末側で特定された時刻をサーバー装置側で利用する場合には、その時刻を表す時刻情報を投稿情報の中に含めることが良い。
【0020】
本発明の好適な一態様の運転システムにおける監視位置を表す位置情報は、交通監視活動が行われている監視位置に加えて、交通監視活動が対象とする車両の進行方向を特定可能な情報である。
一方通行の道路を除き、逆向きの両方向に向かって車両が進行できる道路が一般的である。そして、道路で行われる交通監視活動の中には、例えば、道路速度取締や検問など、一方の進行方向のみを対象とするものがある。交通監視活動が対象とする進行方向を特定可能な配信情報であれば、その交通監視活動が行われている道路を運転中の運転者に対して一層有用になる。交通監視活動が対象とする進行方向に向かって走行中の運転者であるか、逆向きに走行中の運転者であるか、に応じて、その配信情報の重要度合いが全く異なってくるからである。
【0021】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおけるサーバー装置は、前記投稿情報の確からしさの度合いである確度を評価すると共に、複数の投稿情報を統合して前記配信情報を生成するに当たって確度に応じて各投稿情報の取扱いを変更する。
確度に応じた投稿情報の取扱いとしては、次のような例がある。例えば、一定の確度以上の投稿情報のみを利用して前記配信情報を生成する。例えば、一定の確度に満たない投稿情報については、同様の投稿情報が複数、投稿されたときに、1件分の投稿情報として取り扱う。例えば、半径100m以内の同一種類の投稿は1件分とする。
【0022】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおけるサーバー装置は、前記投稿情報の投稿者が特定可能な者か否か、及びその投稿者の投稿実績に応じて、対応する投稿情報の確度を評価する。
一般的に、不特定の者による投稿情報よりも、特定の者からの投稿情報の方が確度が高いという推定が可能である。特定の投稿者について、正しい投稿情報を投稿した回数などの実績をポイント化しておき、その特定者による投稿情報の確度を評価する際、そのポイントを利用することも良い。
【0023】
本発明の好適な一態様の運転視線システムにおける投稿端末としては、前記投稿情報の投稿機能が予め組み込まれた専用機と、前記投稿情報の投稿機能を組み込むためのアプリケーションプログラムを含む各種のアプリケーションプログラムをユーザー側が選択してインストール可能な汎用機と、があり、
前記サーバー装置は、前記投稿情報が専用機から投稿された情報であるか、汎用機から投稿されたか情報であるか、に応じて、該投稿情報の確度を評価する。
【0024】
専用機と汎用機とでは、投稿機能を利用するためのユーザー側の導入コストや、前記配信情報に対する期待度が異なってくる。例えば、汎用機のアプリケーションプログラムが無償ソフト等である場合には、前記配信情報にあまり関心を持たない利用者が悪戯で投稿してくる可能性がある。一方、専用機を購入していることを考慮すれば、専用機からの投稿者は前記配信情報に期待感を有していると推定できる。このようなことから、例えば、前記投稿情報自体の詳細度合いや情報の質等がほぼ同様である場合など、前記汎用機による投稿情報よりも前記専用機による投稿情報の確度を高く評価するのが良い。
【0025】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおけるサーバー装置は、過去の交通監視活動の実施状況に関する情報を参照して前記投稿情報の確度を評価する。
例えば、移動オービスによる速度取締が頻繁に行われる地点について、速度取締に関する投稿情報が投稿された場合であれば、その投稿情報の確度を高く評価できる。一方、移動オービスによる速度取締が一度も実施されたことのない地点について、速度取締に関する投稿情報が投稿された場合であれば、まずは、その投稿情報の確度を低く評価する一方、同様の投稿情報が重複して投稿されたときに最初の投稿情報の確度の評価を見直すことも良い。
過去の交通監視活動の実施状況に関する情報としては、例えば、過去の交通監視活動の実施履歴であっても良く、交通監視活動に関して予め記憶された既成交通情報であっても良い。特に、レーダー探知機のような車載機器が投稿情報に依らずに既に蓄積している既成交通情報を、過去の交通監視活動の実施状況に関する情報としても良い。さらに、これらの既に蓄積している既成交通情報に対して過去の投稿情報を加味した情報を、「過去の交通監視活動の実施状況に関する情報」としても良い。
【0026】
本発明の好適な一態様の運転システムにおけるサーバー装置では、前記投稿情報の投稿を受け付けた時点が、対応する交通監視活動に関する配信情報の配信前か配信後かに応じて、当該投稿情報の取扱いが異なっている。
配信前では、いずれの投稿者にとっても、投稿対象の交通監視活動が不意に現れ、通過するまでの短時間にその種別等を判断する必要がある。交通監視活動の地点の登録操作等が、その地点を通り過ぎた後になる傾向があり、実際に登録される地点が実際の地点よりも進行方向前方にずれてくる可能性がある。一方、配信後であれば、配信情報に係る種別の交通監視活動が行われていることが事前に判っているので、実際に行われている交通監視活動の種別が配信情報の通りであるか否かの判断の精度が高くなる傾向にある。また、配信情報に係る地点で実際に交通監視活動が行われているかどうか高い関心を持ちつつ、その地点に接近していくことになるので、登録される地点が実際の地点にぴったりになり易い。あるいは、気の早い投稿者であれば実際の地点よりも手前側にずれる可能性もある。このような事情を考慮して前記配信情報の配信後の投稿情報を取り扱えば、位置精度を含め、その配信情報の確度を向上できる。
【0027】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおけるサーバー装置は、交通監視活動の種別に応じて、前記配信情報を配信するか否か、及び配信を継続する配信時間を決定する。
例えば、移動オービスなどの速度取締などの交通監視活動は、継続時間が概ね判っており、24時間に渡って継続されることはない。このような知見に基づき、配信情報の配信時間を決定するのが良い。
一方、固定式の速度取締やNシステム等に関する情報については、リアルタイム性よりも100%近い確度が求められる傾向にある。そこで、固定式の速度取締やNシステム等を対象とした投稿情報については、受信に応じて配信情報を直ちに配信するよりも、システムの運営者側のスタッフが現場に赴いて目視確認した後、確認済み情報としてユーザーに提供することも良い。
【0028】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおける投稿端末は、前記配信情報に対応する交通監視活動について、実施されていない旨の取消情報を投稿可能であって、
前記サーバー装置は、投稿された前記取消情報の確度を評価し、その確度に応じて対応する配信情報の配信を終了するか否かを決定する。
前記取消情報の投稿を受け付ければ、対応する交通監視活動の終了後、なるべく早く配信を終了できるようになる。対象とする交通監視活動が行われていないにも関わらず、対応する配信情報が配信され続ける状況を出来るだけ短時間に抑制できる。さらに、前記取消情報は、偽の投稿情報に基づく誤った配信情報を早期に配信中止するため、あるいは偽の投稿情報の投稿者についてネガティブな評価を付与するためにも有用である。
【0029】
本発明の好適な一態様の運転支援システムにおけるサーバー装置は、前記取消情報の投稿を受け付けた後、対応する交通監視活動に関する配信情報を配信する場合には、前記取消情報の投稿があった旨の情報を当該配信情報に含める。
ユーザー側では、前記配信情報の確度を判断する際、前記取消情報の投稿有無を考慮に入れて判断できるようになる。対応する交通監視活動が実施されていないことは、前記配信情報に対するユーザー側の信頼感を損なう最大の要因である。配信情報を配信する際、取消情報の投稿があった旨を併せて報知すれば、仮に対応する交通監視活動が実施されていなくても、前記配信情報に対するユーザー側の信頼感の毀損を最小限に近く抑制できる。なお、取消情報の投稿があった旨の情報としては、例えば、統合した投稿情報の中に取消情報の投稿があるか否か、その有無を示す情報であっても良い。特に、取消情報の投稿数を示す情報であると良い。例えば、統合された投稿情報の投稿数と、その投稿数のうちの取消情報の投稿数と、を配信すると良い。
【0030】
本発明の好適な一態様の投稿端末は、ユーザー側の交通監視活動に関する知識レベルに応じて前記種別情報の詳細度合いが異なる投稿情報を生成する手段を備えている。
例えば、対象の交通監視活動が速度取締の場合、その種別としては、ネズミ捕り、移動オービス、追尾等がある。さらに、例えば、移動オービスであれば、レーダー式、ステルス式、光電管式等の種別がある。速度取締などの交通監視活動に深い興味を有し、設備や装置等を一見しただけでその種別を認識できるユーザーであれば、詳細な情報を投稿可能である。一方、速度違反に関する交通監視活動であることを認識できる一方、速度計測に関する知識が乏しいユーザーの場合、投稿に際して詳細な情報を要求すると投稿自体が困難になり、投稿を躊躇させてしまう可能性が高い。そこで、交通監視活動に関する知識があるユーザーが詳細な投稿情報を生成できる一方、そうではないユーザについては、ただ単に速度取締という詳細度合いの投稿情報を投稿できるようにすれば、多様なユーザーによる投稿を促進できる。情報源となる投稿情報が増えれば、配信情報のリアルタイム性や確度を向上できる。
【0031】
本発明の好適な一態様の投稿端末は、現在位置を取得可能であると共に、ユーザー側の操作により生成された前記種別情報に対して、取得した現在位置に基づく位置情報を組み合わせて前記投稿情報を生成する。
この場合には、前記投稿情報に含まれる位置情報の精度を向上できる。現在位置を取得可能な構成としては、例えば、GPSによる測位機能を備える構成や、GPS機能を備える外部端末から現在位置の情報を取得する構成等がある。
【0032】
本発明の好適な一態様の投稿端末は、ユーザー側の操作に応じて前記投稿情報を生成可能な第1の端末と、当該第1の端末から投稿情報を取得して前記サーバー装置に向けて送信する第2の端末と、の組合せにより構成されている。
前記第1の端末は、現在位置を取得可能であると共に、前記投稿情報を記録したコード画像を表示可能な端末であり、
前記第2の端末は、前記第1の端末が表示するコード画像を撮影し、記録された投稿情報を読み取り可能な端末であることが良い。
前記第2の端末としては、カメラ機能を備えたスマートフォン(多機能携帯端末)や、カメラ機能と通信機能を備えたゲーム機などの携帯端末を利用できる。前記第1の端末側では、前記投稿情報が記録されたコード画像を表示するだけで良くなる。このような第1の端末は、3~4インチ程度の表示画面のほか、GPS機能を備えた既存のレーダー探知機が備えるハードウェア的な構成によっても十分に実現可能である。
【0033】
本発明の好適な一態様の投稿端末は、注目地点を含む所定エリアの地図を表示可能であると共に、ユーザー側の操作により該注目地点を特定地点として登録可能であって、
予め登録された特定地点を表す位置情報に対して、ユーザー側の操作により選択された交通監視活動の種別を対応付けることにより前記投稿情報を生成する。
表示された地図上であれば、特定地点を位置精度高く登録できる。このような特定地点の登録を経由して生成された投稿情報は、位置的な精度が高い確度の高い情報となる。
【0034】
本発明の好適な一態様の投稿端末は、現在位置を取得可能であると共に、該現在位置が前記注目地点として設定される。
この場合には、交通監視活動の地点を通り過ぎるとき、すなわち現在位置がその地点のすぐ近くに位置しているときに、前記特定地点の登録操作を行えば、交通監視活動の地点を簡単かつ位置精度良く登録できる。
【0035】
本発明の好適な一態様の報知端末は、現在位置及び現在時刻を取得可能であると共に、現在位置及び現在時刻に応じて、取得した配信情報のうちいずれを報知するかを選択する。
この場合には、運転状況に応じた適切な配信情報を報知できる。例えば、そのユーザーの現在位置から遠く離れており、これから向かうかどうかもわからない地点の交通監視活動の配信情報を報知しても、そのユーザーにとっては価値が低い情報となってしまう。一方、ユーザーの現在位置の近辺で実施されている交通監視活動に関する配信情報は、そのユーザーにとって価値が高い情報であるため、報知するのが良い。さらに、ナビゲーション機能を備え、その経路計算機能によって計算された経路上の地点の交通監視活動については、距離が遠い段階で早期に報知すると良い。
【0036】
本発明の好適な一態様の報知端末が取得する前記配信情報には、その配信情報の確度を表す確度情報が含まれており、
取得した配信情報の確度に応じて報知態様を変更する。
配信情報の確度に応じてその報知態様を変更すれば、報知を受けたユーザー側で配信情報の確度を判断して対処できる。配信情報に対応する交通監視活動が実際には行われていなかったとき、配信情報に対するユーザー側の信頼感が大きく毀損されるおそれがある一方、確度が低い旨を併せて報知しておけば上記の信頼感の毀損を抑制できる。
【0037】
本発明の好適な一態様の報知端末は、前記配信情報の報知態様と前記配信情報の確度との関係を、ユーザー側の操作により設定可能である。
真偽の定かでない配信情報の報知は受けたくないと考えるユーザーが存在する一方、真偽に関わらず全ての配信情報の報知を受けた上で自分で判断したいと考えるユーザーも存在している。上記のようにユーザー側の操作に応じて報知される配信情報を選択できるように構成すれば、様々なユーザーに対して適切に配信情報を報知できるようになる。
【0038】
本発明の好適な一態様の報知端末は、取り付けられた車両の状況を表す車両情報を取得可能であると共に、取得された車両情報に応じて配信情報の報知態様を変更する。
本発明の好適な一態様の報知端末は、前記車両情報として速度を取得可能であると共に、速度取締に関する配信情報については、取得された速度に応じて報知態様を変更する。
例えば、速度取締の交通監視活動の地点に接近したとき、車両の速度が速いときには、対応する配信情報の報知を音声出力したり、警報音を発生する等、運転者が速度を抑えるような報知を行うことが良い。一方、渋滞等していて速度が低いときに同様の報知を行うと、スピードを全く出せない運転者のイライラ感を煽ってしまうおそれがある。このような状態では、接近に応じた前記配信情報の報知を控えることが良い。
【0039】
本発明の好適な一態様の報知端末は、前記配信情報を報知可能であると共に、交通監視活動に関して予め記憶された既成交通情報を報知可能である。
前記規制交通情報の報知は、固定式の速度取締等の交通監視活動の報知に適している。一方、前記配信情報の報知は、移動式オービスや検問やパトカーによるパトロールなど、リアルタイム性が求められる交通監視活動の報知に適している。両者を組み合わせれば、ユーザーである運転者の安全運転をきめ細かく支援できる。
【0040】
本発明の好適な一態様の報知端末は、現在位置を取得可能であると共に、現在位置を基準とした所定エリア内で実施される交通監視活動に関する情報を報知可能であって、
交通監視活動に関する情報を報知するに当たっては、前記配信情報に基づく報知であるか、前記既成交通情報に基づく報知であるか、をユーザー側から区別可能なように報知する。
前記配信情報は、前記規制交通情報に比べてリアルタイム性において優れている一方、確度の点では劣っている。前記配信情報を報知する際、前記規制交通情報とは区別して報知すれば、配信情報の上記のような特性を考慮した有効な活用をユーザー側で判断できるようになる。
【0041】
本発明の好適な一態様の報知端末は、本発明の他の態様の投稿端末と一体化されている。
この場合には、ひとつの端末を利用して、投稿情報の投稿と、配信情報の閲覧等と、が可能になるため、ユーザーにとって便利である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】実施例1における、運転支援システムのシステム構成を示す図。
【
図2】実施例1における、サーバーの構成を示す説明図。
【
図3】実施例1における、会員毎の投稿評価を示す説明図。
【
図4】実施例1における、総合評価の評価方法の説明図。
【
図7】実施例1における、携帯端末を車載した様子を示す図。
【
図8】実施例1における、携帯端末の電気的な構成を示すブロック図。
【
図9】実施例1における、投稿ソフト(投稿アプリ)の画面遷移を示す図。
【
図10】実施例1における、各種設定画面を示す正面図。
【
図11】実施例1における、携帯端末の待機/投稿画面を示す図。
【
図12】実施例1における、ピン一覧画面を示す図。
【
図13】実施例1における、投稿情報を生成する際の画面遷移を示す図。
【
図14】実施例1における、投稿情報を生成する際の画面遷移を示す図。
【
図15】実施例1における、投稿情報を生成する際の画面遷移を示す図。
【
図16】実施例1における、投稿情報を生成する際の画面遷移を示す図。
【
図17】実施例1における、ある交通監視活動に対する投稿情報一覧を示す図。
【
図18】実施例1における、時間的な近接性の条件の説明図。
【
図19】実施例1における、場所的な近接性の基準点の設定方法の説明図。
【
図20】実施例1における、交通監視活動を警報中の待機/投稿画面を示す図。
【
図21】実施例1における、投稿ターゲット情報に関するデータ表示画面を示す図。
【
図22】実施例1における、警報画面(待機/投稿画面)を示す図。
【
図23】実施例1における、警報画面(待機/投稿画面)を示す図。
【
図24】実施例1における、公開取締情報の報知画面(待機/投稿画面)を示す図。
【
図25】実施例2における、レーダー探知機を示す正面側の斜視図。
【
図26】実施例2における、レーダー探知機を示す背面側の斜視図。
【
図27】実施例2における、レーダー探知機の電気的な構成を示すブロック図。
【
図28】実施例2における、レーダー探知機の警報設定を示す図。
【
図29】実施例2における、レーダー探知機によるマップ画面を示す図。
【
図30】実施例2における、警報画面(マップ画面)を示す図。
【
図31】実施例2における、警報画面(マップ画面)を示す図。
【
図32】実施例2における、投稿情報のデータ仕様の説明図。
【
図33】実施例2における、投稿情報を構成する各データの内容の説明図。
【
図34】実施例2における、取締方位のデータ値の説明図。
【
図35】実施例2における、メニュー画面を示す図。
【
図36】実施例2における、ピン設定画面を示す図。
【
図37】実施例2における、メニュー画面を示す図。
【
図38】実施例2における、メニュー画面を示す図。
【
図39】実施例2における、GPSサーチ画面を示す図。
【
図40】実施例2における、投稿を開始する際の画面遷移を示す図。
【
図41】実施例2における、投稿情報を生成する際の画面遷移を示す図。
【
図42】実施例2における、投稿情報を生成する際の画面遷移を示す図。
【
図43】実施例2における、投稿ピンの消去時の画面遷移を示す図。
【
図44】実施例2における、公開取締情報を表示するマップ画面を示す正面図。
【
図45】実施例3における、投稿情報の報知画面を示す正面図。
【
図46】実施例3における、スクロール表示されるメッセージ構成を示す説明図。
【
図47】実施例3における、投稿情報の他の報知画面を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、投稿情報に基づく投稿ターゲット情報(配信情報)を配信する運転支援システムに関する例である。この内容について、
図1~
図24を参照して説明する。
本例の運転支援システム1は、
図1のごとく、投稿サーバー(サーバー装置)11、会員管理サーバー(Myユピテルサーバー)12、投稿端末及び報知端末としての機能を兼ね備える携帯端末2等によって構成されている。
図1の符号101Aが本例の投稿端末としての構成を示し、符号101Bが本例の報知端末の構成を示している。なお、符号102A・Bは、実施例2で説明する投稿端末あるいは報知端末の構成を示している。なお、本例に代えて、投稿サーバー11と会員管理サーバー12とを一体化しても良く、専用線で通信可能に接続しても良い。投稿サーバー11と会員管理サーバー12とは、同じ場所に設置されていても良く、異なる場所に設置されていても良い。
【0044】
(会員管理サーバ-)
会員管理サーバー12は、
図1及び
図2のごとく、本例の運転支援システム1側に登録された会員を管理するサーバー装置である。この会員管理サーバー12は、演算処理を実行するCPUや記憶素子であるROM、RAM等が実装された制御基板(制御部)、ハードディスクドライブ(HDD)等を備えているほか、外部インターフェースとしてLANポート等の通信ポートを備えている。会員管理サーバー12は、通信ポートを介して公衆通信回線に接続され、投稿サーバー11との情報通信が可能になっている。
【0045】
制御部からアクセス可能なハードディスクドライブの記憶領域には、会員を管理するためのユーザー管理データベース121が設けられている。ユーザー管理データベース121では、識別情報である会員ID(マイユピテルID)、ログインパスワード、投稿時の識別情報となる投稿者ID、ユーザー個人情報、会員が個人的に登録した地点の情報(Myユピテルポイント)等が、会員毎に記憶されて管理されている。ユーザー管理データベース121を有する本例の会員管理サーバー12は、投稿サーバー11から照会された会員IDを認証する認証手段としての機能を備えている。
【0046】
(投稿サーバー)
投稿サーバー11は、投稿情報を統合した投稿ターゲット情報を配信するサーバー装置である。この投稿サーバー11は、演算処理を実行するCPUや記憶素子であるROM、RAM等が実装された制御基板(制御部)、ハードディスクドライブ(HDD)等を備えているほか、外部インターフェースとしてLANポート等の通信ポートを備えている。投稿サーバー11は、通信ポートを介して公衆通信回線に接続され、投稿サーバー11や携帯端末2等との情報通信が可能になっている。
【0047】
制御部側からアクセス可能なハードディスクドライブの記憶領域には、交通監視活動に関する情報を格納するGPSターゲット情報データベース111、会員毎の投稿評価を管理するユーザーステータスデータベース113を備えている。
GPSターゲット情報データベース111の記憶領域には、システム側の確認作業を受けた交通監視活動の情報である既成交通情報を記憶する既成GPSエリアのほか、交通監視活動毎に投稿情報を一時記憶する投稿エリア、配信する投稿ターゲット情報を記憶する配信エリア、配信が終了した過去の投稿ターゲット情報を格納する新着情報エリア等が設けられている。新着情報エリアの投稿ターゲット情報は、既成GPSエリアに新たに追加する既成交通情報の候補となる。GPSターゲット情報データベース111としては、ハードディスクなど単一の記憶手段を利用して形成しても良いが、ハードディスクやフラッシュROMなど複数の記憶手段を利用して形成しても良い。
【0048】
既成GPSエリアの既成交通情報は、設置型のオービス等の交通監視施設や、シートベルト取締、飲酒検問等の過去の交通取締活動や、事故の発生頻度等の情報に対して、その位置やエリアを表す位置情報を組み合わせた運転支援情報(POIデータ)である。
投稿エリアの投稿情報は、携帯端末2から投稿されたままの無加工の情報である。詳しくは
図17を参照して後述するが、この投稿エリアでは、交通監視活動毎の投稿情報が投稿順で一覧管理されている。
配信エリアの投稿ターゲット情報は、交通監視活動が共通する複数の投稿情報が統合された配信継続中の情報である。
新着情報エリアの投稿ターゲット情報は、配信が終了した過去の投稿ターゲット情報である。この投稿ターゲット情報は、システム側の管理者による確認作業を受けて既成交通情報として新規登録される可能性がある。例えば、既成交通情報としては未登録のNシステム(自動車ナンバー読取システム)に関する投稿情報が記憶されていた場合、システム側のスタッフが現場で目視確認した後、既成交通情報に新規登録する等のシステム運用が可能である。例えば、既成交通情報としては未登録の検問に関する投稿情報や投稿ターゲット情報が頻繁に記録されている場合、システム側の管理者が、その頻度等に応じて既成交通情報としての登録を検討できる。
【0049】
ユーザーステータスデータベース113に格納される投稿評価は、
図3のごとく、全投稿数、正しい投稿数(正投稿数)、間違い投稿数、全投稿のうち正しい投稿の比率(正投稿率)、総合評価の各評価項目を含んでいる。総合評価のポイントは、正投稿数及び正投稿率に応じて、
図4のように付与される点数である。ユーザーステータスデータベース113では、各評価項目のデータが投稿者(会員)毎に管理されている。なお、過去の投稿実績に基づき投稿が禁止された会員については、総合評価のデータエリアに投稿禁止フラグがセットされる。本例では、総合評価のポイントが、その投稿者による投稿情報の確度として取り扱いされる。
【0050】
本例の投稿サーバー11は、予めインストールされたコンピュータプログラムであるサーバー用プログラムをCPUに実行させることで、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)投稿受信手段
携帯端末2等の投稿情報を公衆通信回線を介して受信する手段。
(2)投稿許可手段
受信した投稿情報の受付を許可するか否かを判定する手段。投稿許可手段は、投稿情報に含まれる会員IDを利用してユーザーステータスデータベース113(
図2)を参照し、許可するか否かを判定する。投稿禁止フラグが付された会員による投稿情報については受付を拒否し、それ以外の投稿情報については受付を許可する。
(3)仕分け手段
受付した投稿情報を交通監視活動毎に仕分けしてGPSターゲット情報データベース111(
図2)の投稿エリアに記憶させる手段。仕分け手段は、投稿対象の位置(交通監視活動の監視位置あるいは監視エリア)の場所的な近接性、その位置が記録された時刻に関する時間的な近接性、及び交通監視活動の種別の共通性という3つの条件に基づき、受付した投稿情報を仕分けする。
(4)投稿ターゲット情報生成手段
交通監視活動が共通すると仕分けされた複数の投稿情報を統合して投稿ターゲット情報を生成する手段。生成された投稿ターゲット情報は、GPSターゲット情報データベース111(
図2)の配信エリアに格納される。
(5)配信手段
投稿ターゲット情報を配信する手段。配信手段は、運転支援システム1側に登録された会員のうち、配信を希望し、かつ、公衆通信回線に直接、又は間接的に接続可能な端末装置を有する会員に対して交通支援情報を配信する。
【0051】
なお、投稿情報を受け付ける機能と、投稿ターゲット情報を生成する機能と、投稿ターゲット情報を配信する機能と、を併せ持つ本例の投稿サーバー11に代えて、各機能を別々のサーバーで構成しても良い。これらの機能を個別に有するサーバーは、通信可能な状態で接続されていれば良く、同じ場所に設置されていても良いが、異なる場所に設置することもできる。
【0052】
(携帯端末)
本例の携帯端末2は、
図5及び
図6のごとく、手のひらサイズの平板状のスマートフォン(多機能携帯電話)である。その正面の大部分は、液晶表示部212(
図8)の表示画面にタッチセンサシート211が積層されたタッチパネル21によって占有され、タッチパネル21にホーム画面(図示略)を表示させるためのホームボタン2Hがタッチパネル21の脇に配置されているのみである。携帯端末2の背面には、撮像手段を構成するカメラ基板22(
図8)に固定されたレンズ孔220が設けられている。
図5及び
図6では図示を省略しているが、電源ボタン200(
図8)等は外周側面に配置されている。本例の運転支援システム1においては、
図7のごとく、車載ホルダー19等を利用して車両のダッシュボード等に固定された状態が携帯端末2の好ましい使用形態である。
【0053】
携帯端末2の内部には、
図8のごとく、制御部20をなす電気回路が形成された制御基板が収容されている。制御部20に対しては、CMOS素子やレンズ等が実装されたカメラ基板22、スピーカ230を駆動するアンプ基板23のほか、電源ボタン200、タッチセンサシート211、液晶表示部212、無線送受信器241、GPS受信器242、クロック部243等が電気的に接続されている。
【0054】
無線送受信器241は、所定周波数帯で無線通信を実行する手段である。本例の無線送受信器241は、電話音声がデジタル化されたデジタル音声データを回線交換により送受信可能であるほか、投稿情報や投稿ターゲット情報やアプリケーションプログラムや地図データ等のデジタルデータをパケット通信により送受信可能である。
【0055】
GPS受信器242は、GPS衛星から飛来するGPS信号を受信し、現在時刻、現在位置の位置情報(緯度経度)、現在速度、高度等を出力する受信器である。GPS受信器242は、
図7のごとく縦の姿勢のとき、背面側の中央上方に位置するように携帯端末2本体に組み込まれている。
【0056】
制御部20は、
図8のごとく、CPU201、記憶素子であるROM202・フラッシュROM203・RAM204、及び入出力インタフェースをなすI/O部205等を備えている。ROM202は、BIOS等を含め各種の制御プログラムを記憶している。フラッシュROM203は、インストールされた各種の処理プログラムを記憶している。RAM204は、CPU201のワークエリアや一時書き込みにも利用される読み書き可能な記憶素子である。
【0057】
制御部20は、ROM202やフラッシュROM203から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、電話機能やデータ通信機能のほか、タッチパネル21に地図を表示する地図表示機能、投稿情報を生成する投稿情報生成機能、投稿情報を投稿する投稿機能、交通監視活動に関する警報機能等を実現する。これらの機能を実現する各手段は、制御部20において形成されている。
【0058】
投稿情報生成機能及び投稿機能は、専用の投稿ソフトのインストールによって組み込まれる。この投稿ソフトは、運転支援システム1側への会員登録を前提として、アプリケーションサーバー15からダウンロード可能である(
図1参照。)。携帯端末2にインストールされた投稿ソフトには、登録した会員に対して付与する会員ID及びログインパスワードの暗号データが組み込まれている。投稿ソフトを携帯端末2で起動するためには、登録に際して付与された会員ID及びパスワードの入力が求められ、暗号データとして組み込まれた情報と入力された情報との完全一致が投稿ソフトの起動条件となっている。本例の運転支援システム1では、投稿ソフトの起動に際して会員ID等の入力を求めることで、会員以外の不特定の者からの投稿を未然に回避している。
【0059】
フラッシュROM203の記憶領域には、地図データが格納された地図データベース、交通監視活動に関するGPSターゲット情報が格納されたGPSターゲット情報データベース111が設けられている。GPSターゲット情報としては、Nシステムの設置情報などの既成交通情報、投稿サーバーから配信を受けた投稿ターゲット情報等がある。
地図データ(MAPデータ)は、地図を提供するサーバーからダウンロード可能である(
図1参照。)。本例では、投稿ソフトのアプリケーションサーバー15の一つが地図サーバーを兼用している。
既成交通情報は、投稿ソフトのインストールの際、GPSターゲット情報データベース111に格納される。
投稿ターゲット情報は、配信を受けたときにGPSターゲット情報に格納され、その後、所定時間が経過したときに消去される。
【0060】
フラッシュROM203の記憶領域には、さらに、投稿対象の交通監視活動に関する情報を記憶する投稿ピン記憶エリアが設けられている。投稿ピン記憶エリアには、4件を限度として、投稿対象の交通監視活動に関する投稿ピン情報を格納できる。投稿ピン情報は、以下の各情報により構成されている。
・地図上に投稿ピンが登録されたピン登録時刻(投稿対象の位置の登録時刻)を表す時刻情報
・交通監視活動が実施される監視位置(投稿ピンの登録位置)の位置情報(緯度経度、住所、自車両の進行方位を180度反転した取締方位)
・交通監視活動の種別、実施態様、方式等を表す活動内容情報(種別情報を含む)
【0061】
本例の携帯端末2の基本動作について説明する。
投稿ソフトがインストールされた携帯端末2のホーム画面(図示略)には、図示しない投稿ソフトのアイコンが表示される。携帯端末2の制御部20は、このアイコンに対するタッチ操作を取り込んだとき、
図9のごとく、起動スプラッシュ画面21Aをタッチパネル21に表示した後、ログイン画面21Bを表示する。ログイン画面21Bは、運転支援システム1側に登録された会員ID及びログインパスワードの入力を求める画面である。
【0062】
制御部20は、ログイン画面21Bを介して入力された会員ID及びログインパスワードが、投稿ソフトに記録された会員ID及びログインパスワードと完全一致しているか照合する。制御部20は、会員ID及びログインパスワードを照合できたとき、タッチパネル21の表示をホーム画面21Cに切り換える。このホーム画面21Cは、注目地点の周辺地図が表示される画面であり、画面下段には、ピン設定ボタン251及び設定ボタン252のほか、インターネット上のレーダー探知機の製品サイトへ誘導するためのWEB誘導ボタン255が配置されている。
【0063】
ホーム画面21Cの画面上では、注目地点が画面中央下側の所定位置に一致するように地図の表示エリアが設定されている。注目地点としては、通常、GPS受信器が取得した現在位置が設定される。制御部20は、注目地点を変更するユーザー操作が入力されない限り、現在位置を注目地点に設定し、その周辺地図をホーム画面21Cに表示する。車両の走行中では、画面中央下側の所定位置に現在位置を表す自車マーク250が位置するように地図の表示エリアが随時変更される。
ホーム画面21Cの右下にある「スパナ」マークの設定ボタン252は、
図10の各種設定画面21Dを表示させるための操作ボタンである。各種設定画面21Dでは、警告表示モードや、音声出力の態様や、警報の順位の設定、地図の表示モード等の設定を変更可能である。設定ボタン252の左隣りのピン設定ボタン251は、注目地点(通常は現在位置)に投稿ピンを登録するための操作ボタンである。
ホーム画面21Cは、投稿ピン262が未登録の場合に表示される基本画面である。一方、1本以上の投稿ピンが登録されている場合には、投稿を開始するための投稿ボタン253が追加された
図11の待機/投稿画面21E(
図11)が基本画面となる。
【0064】
制御部20は、
図9及び
図11のごとく、ホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eを表示する際、GPSターゲット情報データベース111を参照し、現在位置周辺の既成交通情報あるいは投稿ターゲット情報を取得する。制御部20は、これらの情報を情報表示欄254にスクロール表示すると共に、地図上の対応する位置にターゲットアイコン261を表示する。情報表示欄254には、現在位置から近い交通監視活動を警報する文字情報が表示される。なお、
図11中に例示されたターゲットアイコン261のうち丸囲みのHは新Hシステムを示し、丸囲みのNはNシステムを示し、丸囲みのPはパーキングを示している。なお、これらの既成交通情報あるいは投稿ターゲット情報の表示については、後で詳しく説明する。
【0065】
次に、以上のように構成された本例の運転支援システムの動作について説明する。以下、(1)携帯端末2(
図1中の投稿端末101A)による投稿情報の投稿動作、(2)投稿情報を受信した投稿サーバー11による投稿ターゲット情報の生成及び配信動作、(3)投稿ターゲット情報の配信を受けた携帯端末2(
図1中の報知端末101B)による警報動作、をこの順番で説明する。
【0066】
(1)携帯端末2による投稿情報の投稿動作
車両の走行中であって、ホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eに現在位置の周辺の地図が表示されている状況での投稿動作について説明する。
投稿ソフトのユーザーは、移動式オービス等の交通監視活動を目撃したとき、ホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eのピン設定ボタン251(
図11)をタッチ操作することで、現在位置を登録可能である。ピン設定ボタン251のタッチ操作を検出した制御部20は、まず、そのときの時刻、現在位置の緯度経度、及び進行方位をGPS受信器242から取得して一時記憶する。
【0067】
制御部20は、投稿ピン記憶エリアのうちの空きエリアを確認し、その空きエリアに新たな投稿ピン情報を格納する。投稿ピン262の登録時には、一時記憶された時刻、緯度経度、進行方位に基づいて、投稿ピン情報の一部をなす時刻情報、位置情報が記憶される。時刻情報は、一時記憶されたピン登録時刻である。位置情報は、一時記憶された緯度経度、対応する住所、一時記憶された進行方位を180度反転した取締方位である。なお、投稿ピン記憶エリアに空きが無かった場合には、時間的に最先の投稿ピン262が消去されると共に、投稿ピン記憶エリアに記憶された対応する投稿ピン情報が消去されて空きエリアが確保される。待機/投稿画面21Eが表示する地図上では、投稿ピン情報の位置情報に対応する位置に投稿ピン262がセットされる。なお、投稿ピン262は、最大4件までセット可能であり、登録時刻が早いものから順番の数字が付される。投稿ピン記憶エリアにおける投稿ピン情報は、対応する投稿ピンのピン番号が対応付けされた状態で記憶される。
【0068】
制御部20は、投稿ボタン253のタッチ操作を検出したとき、投稿ピン記憶エリアに記憶された投稿ピン情報の一覧を表示するピン一覧画面21F(
図12)をタッチパネル21に表示する。ピン一覧画面21Fには、投稿ピン毎の4個のピン選択ボタン256のほか、リターンボタン257が配置されている。ピン選択ボタン256の右横には、それぞれ、対応する投稿ピン情報がテキスト表示されている。このテキスト表示は、交通監視活動の活動内容情報を除く投稿ピン情報の表示であり、ピン登録時刻のほか、緯度経度、住所、取締方位の表示を含んでいる。本例では、取締方位が投稿情報の必須情報に設定されているため、
図12では、未登録の4番のピンボタン256のほか、方位が未確定の3番のピンボタン256が操作できない状態となっている。
【0069】
なお、本例の携帯端末2のGPS機能による方位測定は、GNSSのスペースセグメント(GPS、SBAS、GLONAS、COMPASS等の人工衛星)、あるいは携帯端末基地局など、複数の放送局から放送される電波のドップラーシフト量による測定もしくは過去の測位地点との相対手法などによって行う。1stFixが終了した後(最初の測位できた後)、車速が時速10km以上に達したときに確定する。その後、測位された方位の値は走行に応じて変動するものの、電源オフまで方位測定は確定状態のままとなる。なお、方位測定が確定した後は、現在位置を非測位であっても待機/投稿画面21Eのピン設定ボタン251を操作できる一方、現在位置を取得できないので投稿ピン262が地図にセットされずにサーチ中表示となる(図示略)。その後、測位状態への復帰に応じて現在位置が取得され、投稿ピン262がセットされる。
【0070】
制御部20は、ピン一覧画面21F中の操作可能なピン選択ボタン256(
図12では、1番、2番のピン選択ボタン256)がタッチ操作されたとき、タッチパネル21に投稿画面21G~K(
図13~
図16)を適宜表示し、投稿ピン情報として記憶する活動内容情報を生成する。
投稿画面21Gは、交通監視活動の種別(カテゴリー)を選択する画面である。投稿画面21H、Iは、交通監視活動の実施態様や方式等を選択する画面である。投稿画面21Jは、生成された投稿情報の確認画面である。投稿画面21Kは、投稿が完了した旨の表示画面である。
ここで、交通監視活動の種別は、オービス、Nシステム、検問、及び取締の交通監視活動の種類である。交通監視活動の実施態様や方式のバリエーションは、交通監視活動の種別によって相違している。例えば、Nシステムであれば、実施態様や方式のバリエーションがない。一方、取締については、ねずみ捕りや移動オービスのバリエーションがあり、さらに移動オービスについてはレーダー式、ステルス式等のバリエーションがある。投稿操作の中で、投稿画面21H、Iが表示されるか否かは、交通取締活動の種別等によって相違してくる。
【0071】
各投稿画面21G~Kのうち、投稿画面21G、21J、21Kは、対象の交通監視活動の種別等によらず、必ず経由する画面である。一方、投稿画面21H、Iは、交通監視活動の種別によっては経由しない画面である。例えば、
図14のごとく、交通監視活動の種別がNシステム(自動車ナンバー読取システム)である場合には、実施態様や方式のバリエションがないので、投稿画面21H、Iは表示されない。一方、
図15のごとく、交通監視活動の種別が取締の場合には、実施態様、方式が細分化されるので、投稿画面21H、Iを表示してユーザーに情報を入力させる必要がある。
【0072】
制御部20は、投稿画面21G~Iを経由する過程で、ユーザー操作によって選択された操作ボタンに対応する活動内容情報を生成し、随時、投稿ピン記憶エリアに格納していく。投稿ピン情報の一部をなす活動内容情報は、投稿画面21Jに到達したときに確定する。この投稿画面21Jには、生成された投稿情報のテキスト表示と共に、投稿ボタン259とリターンボタン257とが配置されている。制御部20は、投稿ボタン259のタッチ操作が検出されたとき、投稿ピン記憶エリアから対応する投稿ピン情報を読み出すと共に、会員IDや登録者ID等の投稿者の会員情報を追加して投稿情報を生成する。制御部20は、このように生成した投稿情報を投稿サーバー11に向けて送信すると共に、その送信の完了時にはタッチパネル21の表示を投稿画面21Kに切り換える。この投稿画面21Kは、数秒間表示され、その後、ホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eへの復帰に応じて表示終了される。
【0073】
なお、交通監視活動の実施態様や方式等を選択させる投稿画面21Gを除く投稿画面21H、Iには、いずれも、「その他/不明」という選択ボタン258が設けられている。この「その他/不明」の選択ボタン258が操作されたとき、制御部20は、
図13~
図16に例示する投稿画面21のシーケンスを経由することなく、投稿ピン記憶エリアに記憶された活動内容情報を確定し、投稿画面21Jを直ちに切換表示する。このような仕様の本例の携帯端末2では、例えば、オービス(速度違反)の方式の違いを知らないユーザーであっても、その知識レベルに応じて「オービスが設置されている」という詳細レベルの投稿情報を比較的簡単に生成可能である。一方、オービスの方式の違いに詳しい知識レベルの高いユーザーであれば、投稿画面21I上でいずれかの方式を選択することで、詳細レベルの高い投稿情報を生成可能である。
【0074】
また、
図15のごとく、種別が取締の場合であれば、投稿画面21Hで「その他/不明」の選択ボタン258を選択することで、投稿画面21Iをパスできる。知識レベルのあまり高くないユーザーにとっては、投稿画面21が次々に繰り出されることが面倒に感じられるおそれがある一方、上記のように投稿画面21の一部がパスされる仕様は、あまり詳しくないユーザーによる投稿活動の活性化にも有効である。
【0075】
以上のような携帯端末2の動作によって投稿される投稿情報には、投稿画面21Jのテキスト表示のごとく、以下の情報が含まれている。このうち、時刻情報及び位置情報については、投稿ピン262の登録時に投稿ピン記憶エリアに格納された情報であり、活動内容情報については、投稿画面21G~Iを経由する過程で投稿ピン記憶エリアに格納された情報である。会員情報は、投稿ピン記憶エリアから読み出された投稿ピン情報に対して、投稿する際に追加される。
・ピン登録時刻を表す時刻情報
・交通監視活動が実施される監視位置の位置情報(緯度経度、住所、方位)
・交通監視活動の種別、実施態様、方式等を表す活動内容情報
・会員IDや登録者ID等の投稿者の会員情報
【0076】
(2)投稿サーバー11による投稿ターゲット情報の生成及び配信動作
投稿サーバー11は、携帯端末2から投稿情報を受信したとき、まず、会員管理サーバー12の認証を求める。認証を求められた会員管理サーバー12は、投稿サーバー11から受信した会員情報を利用してユーザー管理データベース121(
図2)を参照し、該当する会員の存否を判断する。該当する会員が有効に存在しているとき、その会員の投稿者IDが会員管理サーバー12から返信される。
【0077】
投稿サーバー11は、会員管理サーバー12の認証を受けたとき、ユーザーステータスデータベース113を参照し、その投稿者について投稿禁止フラグの有無を確認する。投稿サーバー11は、投稿禁止フラグがセットされた投稿情報については受付することなく消去する一方、投稿禁止フラグがセットされていない投稿情報については受付処理を実行する。この受付処理では、まず、その投稿情報の投稿時刻(着信時刻)を対応付けて投稿情報が一時記憶されると共に、交通監視活動毎の仕分けが実行される。この仕分けでは、交通監視活動の種別が共通しているという種別の共通性の条件と、半径100mの範囲(所定範囲)内に位置しているという場所的な近接性の条件と、所定の時間内に投稿情報が投稿されたという時間的な近接性の条件と、が全て満たされる他の投稿情報が前記投稿エリアの中から検索される。全ての条件を充足する他の投稿情報が検索できたとき、新たに受け付けた投稿情報について、当該他の投稿情報と交通監視活動が共通すると仕分けされ、
図17の投稿情報一覧のごとく順次、受付順の投稿番号が付されて投稿エリアに記憶される。一方、種別の共通性の条件と、場所的な近接性と、時間的な近接性の条件と、を満たす過去の投稿情報が投稿エリアに記憶されていなかった場合には、投稿サーバー11は、新たに受け付けた投稿情報を起点(投稿番号001)として
図17と同様の投稿情報一覧を新たに生成する。
【0078】
投稿サーバー11は、新たな投稿情報を
図17の投稿情報一覧に追加するに当たって、新たな投稿情報の投稿者IDを利用してユーザーステータスデータベース113を参照し、投稿者の投稿評価を照会する。
図3を参照して上述した通り、投稿者毎の投稿評価の項目としては、全投稿数、正投稿数、間違い投稿数、正投稿率、総合評価の各項目がある。投稿サーバー11は、同図の投稿情報一覧に対して新たな投稿情報を追加する際、投稿者の総合評価(
図3)のポイントを積算して累積ポイントを算出して記憶する。詳しくは後述するが、この累積ポイントは、投稿情報に基づく投稿ターゲット情報の確度の評価値等として利用される。なお、本例では、全ての投稿情報を
図17のように記録しているが、これに代えて、総合評価のポイントが基準点を下回る投稿情報については、
図17のリストに登録することなく消去しても良い。
【0079】
図17の投稿情報一覧のうちの情報詳細レベルは、投稿情報に含まれる活動内容情報の詳細度合いを表す値である。投稿画面21H及びI(
図13~
図16)において、いずれも、その他以外の有意な選択がなされて生成された投稿情報の詳細レベルは3、投稿画面21H、Iのうちのいずれか一方のみで有意な選択がなされて生成された投稿情報は詳細レベル2、投稿画面21Gのみで有意な選択がなされて生成された投稿情報は詳細レベル1となっている。当然ながら、実施態様及び方式の区別がなく投稿画面21H及びIが提示されることがないNシステムについては、全ての投稿情報の情報詳細レベルがレベル1となる。一方、種別、実施態様、方式が様々で、投稿画面21H及びIが提示されるネズミ捕りなどの情報詳細レベルは、詳細レベル1~3まで投稿情報によって様々となる。
【0080】
ここで、新たに受付した投稿情報を仕分けする際の条件である時間的な近接性の条件、場所的な近接性の条件について説明する。
時間的な近接性の条件は、新たな投稿情報のピン登録時刻が、先行する投稿情報のピン登録時刻を基準とした所定の時間内に含まれているという条件である。この所定の時間は、先行する投稿情報の投稿者の総合評価(
図3)、及び監視位置の通行量に応じて、
図18のごとく、各投稿情報について異なる時間が設定される。投稿評価のうち総合評価のポイントが高い投稿情報ほど、所定の時間として長い時間が設定される。また、監視位置が都市部か郡部か、幹線道路か否か、監視位置が属する所轄の警察署管内の車両保有台数等に応じて予め想定された通行量が多いほど所定の時間として短い時間が設定され、通行量が少ないほど長い時間が設定される。
【0081】
図18のごとく、例えば、第1の投稿情報の受信後、上記の場所的な近接性及び種別の共通性の2つの条件を満たす第2の投稿情報が受信されたとき、その到着時刻が、第1の投稿情報について設定された所定の時間内(図中、下向き矢印が表す時間)であれば、この第2の投稿情報が交通監視活動が共通していると仕分けされる。また、例えば、第4の投稿情報の受信後の上記の2つの条件を満たす第5の投稿情報については、その到着時刻が第4の投稿情報に設定された所定の時間の経過後である一方、第3の投稿情報に設定された所定の時間内である。これにより、第5の投稿情報は、第4の投稿情報と同様、第3の投稿情報と交通監視活動が共通すると仕分けされる。
【0082】
場所的な近接性の条件は、新たな投稿情報による位置が基準点を中心とした半径100m以内に含まれているという条件である。この基準点の位置は、投稿情報が順次、仕分けされていく際、
図19のごとく、随時、その位置が変動する。ここで、B1、B2、B3・・・は、対応する投稿ターゲット情報を配信する前の各投稿情報を表し、A1、A2、A3・・・は、対応する投稿ターゲット情報を配信した後の各投稿情報を表している。AあるいはBに続く数字は、投稿された順番を示している。例えば、B1の投稿情報は、一番最初に投稿された起点となる投稿情報である。A1は、対応する投稿ターゲット情報が配信された後、最初に投稿された投稿情報である。同図中の上下方向は、時間の推移を表している。左右方向は、投稿対象の交通監視活動が実施される道路上の進退方向の位置を表している。車両の進行方向に対して、右側が後退側を示し、左側が前進側を示している。
【0083】
投稿サーバー11は、起点となる投稿情報B1を受け付けると、まず、対応する監視位置を最初の基準点1(
図19中、丸囲み1の点)として設定する。その後、この基準点1を中心とした半径100mの範囲内を監視位置とし、かつ、種別が共通する交通監視活動に関する新たな投稿情報B2を受け付けると、この投稿情報B2の監視位置と、基準点1と、の中間に当たる位置を新たな基準点2に設定する。この基準点2(丸囲み2の点)を中心とした半径100mの範囲内を監視位置とし、かつ、種別が共通する交通監視活動に関する新たな投稿情報B3を受け付けると、この投稿情報B3の監視位置(B3)と基準点2との距離を3等分した距離分、基準点2から監視位置(B3)側に離れた位置を新たな基準点3(丸囲み3の点)に設定する。基準点2が2件の投稿情報に基づく点である一方、監視位置(B3)は1件の投稿情報のみに基づく点であることから、この基準点3の位置は、加重平均の考え方に基づく中間的な位置に決定される。また、投稿情報B3の受付に応じてこの基準点3が設定された後、投稿情報B4がグルーピングされた場合には、この投稿情報B4の監視位置(B4)と基準点2との距離を4等分した距離分、基準点3から監視位置(B4)側に離れた位置を新たな基準点3に設定する。
【0084】
なお、加重平均の係数は、投稿ターゲット情報の配信前と配信後とで相違している。具体的には、配信前の投稿情報の監視位置については、上記の加重平均の係数を1とし、例えば、基準点が4件の投稿情報に基づいていれば、新たな監視位置と基準点との距離を5等分した距離分、新たな監視位置側にずらしている。一方、配信後の投稿情報の監視位置については、上記の加重平均の係数を2とし、例えば、基準点が6件の投稿情報に基づいていれば、新たな監視位置と基準点との距離を8等分の2倍の距離分、新たな監視位置側にずらしている。
【0085】
このように投稿ターゲット情報の配信前後で取り扱いを異ならせる理由を説明する。配信前では、いずれの投稿者にとっても、交通監視活動が不意に現れ、通過するまでの短時間にその種別等を判断する必要がある。そのため、交通監視活動の地点の登録操作等が、その地点を通り過ぎた後になる傾向があり、実際に登録される投稿ターゲットの地点が実際の地点よりも進行方向前方(通り過ぎる方向)にずれてくる可能性が高い。一方、配信後であれば、投稿ターゲット情報に係る種別の交通監視活動が行われていることが事前に判っているので、実際に行われている交通監視活動の種別が投稿ターゲット情報の通りであるか否かの判断の精度が高くなる傾向にある。また、投稿ターゲット情報に係る地点で実際に交通監視活動が行われているかどうか高い関心を持ちつつ、その地点に接近していくことになるので、登録される地点が実際の地点にぴったりになり易い。上記のように配信前後で基準点を決定する際の加重平均の係数を相違させ、配信後の投稿情報の監視位置の係数を高くすれば、監視位置の高精度が期待される配信後の投稿情報を、速やかに基準点の位置に反映でき、その位置精度を向上できる。
【0086】
投稿サーバー11は、
図17の投稿情報一覧の累積ポイントが所定の基準ポイントを超えた交通監視活動について、投稿情報を統合して配信用の投稿ターゲット情報の生成を開始する。この投稿ターゲット情報には、以下の各情報が含まれている。
・投稿情報のうち最先のピン登録時刻を表す時刻情報
・交通監視活動が実施される監視位置の位置情報(緯度経度、住所、方位)
・交通監視活動の種別、実施態様、方式を表す活動内容情報 ・投稿ターゲット情報の確からしさの度合いを表す確度情報
【0087】
投稿ターゲット情報のうちの位置情報には、直近の10件の投稿情報の平均の位置の緯度経度、その緯度経度に対応する住所、及び直近の10件の投稿情報の平均の方位が設定される。なお、場所的な近接性を判断する際の基準点(
図19)を、投稿情報に含める位置情報中の緯度経度、住所に設定することも良い。
投稿ターゲット情報のうちの活動内容情報を生成するに当たって、投稿サーバー11は、投稿者毎の投稿評価(
図3)を参照し、総合評価点が7点以上であって、かつ、正投稿率が70%以上の投稿者による投稿情報を選択する。選択された投稿情報の活動内容情報の相違が詳細レベルの相違のみであって、実施態様や方式等については相違がない場合には、詳細レベルが最も高い投稿情報の活動内容情報がそのまま、投稿ターゲット情報に含める活動内容情報に設定される。一方、実施態様や方式等について相違があった場合、多数決によって決定された活動内容情報が投稿ターゲット情報に含められる。多数決によって決まらない場合には、選択された投稿情報のうち詳細かつ正投稿率が高い投稿者による活動内容情報が優先される。
投稿ターゲット情報のうちの確度情報には、最新の累積ポイントがそのまま設定される。
【0088】
本例の投稿サーバー11は、上記のように生成された投稿ターゲット情報を全て前記新着情報エリアに記憶させると共に、設置型のオービス及びNシステム以外の投稿ターゲット情報を公衆通信回線を利用して配信する。投稿サーバー11は、設置型のオービス、Nシステムに関する投稿ターゲット情報については配信することなく記憶し、その後、システム管理者等による出力操作に応じて出力する。設置型のオービス、Nシステムの新設情報でもある投稿ターゲット情報は、システム側のスタッフにより目視確認され、目視確認できたときに既成GPSエリア(
図2のGPSターゲット情報データベース111)に登録される。このように登録された既成交通情報は、オービスやNシステム等のGPSコンテンツへの接近を警報するレーダー探知機等のユーザーに向けて配信等されると共に、その後、携帯端末2向けにダウンロードされる投稿ソフトに含められる。
【0089】
(3)携帯端末2による警報動作
次に、携帯端末2による警報について説明する。本例の携帯端末2は、投稿ソフトのインストール時にGPSターゲット情報データベース111に組み込まれた既成交通情報、及び配信を受けてGPSターゲット情報データベース111に格納された投稿ターゲット情報を利用した警報を実行可能である。このような警報は、ホーム画面21C(
図9)あるいは待機/投稿画面21E(
図11)の表示中に実行される。投稿ターゲット情報の受信後のホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eでは、
図20のごとく、既成交通情報のターゲットアイコン261Cが円形マークで表示され、投稿ターゲット情報(配信情報)のターゲットアイコン261Rが四角形マークで表示される。
【0090】
投稿ターゲット情報の四角形のターゲットアイコン261Rは、投稿ターゲット情報に含まれる確度情報が表す確度に応じて色分けされて表示される。確度が低いものが寒色系の色で表示され、確度が高くなるにつれて暖色系の色に変化し、確度が高いものは赤色で表示される。なお、これに代えて、あるいは加えて、投稿ターゲット情報の確度に応じて、四角形マークの大きさを変更しても良い。
【0091】
携帯端末2の制御部20は、四角形のターゲットアイコン261Rに対するタッチ操作を検出したとき、
図21のごとく、投稿ターゲット情報の詳細データ等を表示するデータ表示画面21Lを表示する。このデータ表示画面21Lでは、投稿ターゲット情報の詳細データのほか、確度、投稿件数、高評価の投稿者の占有割合、同様の交通監視活動の過去の実績、投稿者リストが表示される。制御部20は、投稿者リスト中のいずれかの投稿者に対するタッチ操作を検出したとき、その投稿者による投稿内容、及びその投稿者の総合評価のポイントの表示画面(図示略)を切換表示する。なお、既成交通情報に対応する円形のターゲットアイコン261Cに対するタッチ操作時についても、対応する既成交通情報の詳細情報が表示される。
【0092】
さらに、ホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eを表示中の携帯端末2は、
図22及び
図23のごとく、車両の走行に応じて、既成交通情報あるいは投稿ターゲット情報の交通監視活動の監視位置(GPSターゲット)に接近したとき、その種別に応じた警報を実行する。制御部20は、ホーム画面21Cあるいは待機/投稿画面21Eの表示中、GPSターゲット情報データベース111を参照し、現在位置の周辺の既成交通情報あるいは投稿ターゲット情報を取得する。制御部20は、周辺の既成交通情報あるいは投稿ターゲット情報のGPSターゲットについて、現在地からの距離を随時計算し、この距離に応じて対応するGPSターゲットへの接近を検知する。
【0093】
図22は、Nシステムの設置位置(監視位置)への接近時の警報、及びシートベルト取締のエリア(監視エリア)に接近したときの警報の例である。前者は、エリアではなくポイントで実施される交通監視活動の警報例である。後者は、エリアで実施される交通監視活動の警報例である。
待機/投稿画面21Eの表示中にNシステムの設置位置まで340m手間の地点に到達したとき、制御部20は、「Nシステム 340m」等のテキスト表示を情報表示欄254に表示すると共に、Nシステムを表すイラスト265を画面内にポップアップ表示する。
シートベルト取締のエリアの340m手前の地点に到達すると、制御部20は、「シートベルト取締 340m」等のテキスト表示を情報表示欄254に表示すると共に、対応するイラスト265を画面内にポップアップ表示する。さらに、シートベルト取締のエリア内を走行中、すなわち現在位置がそのエリア内に属しているとき、制御部20は、「シートベルト取締」等のテキスト表示を情報表示欄254に表示する。そのエリアを通過したとき、すなわち現在位置がそのエリアから出たときには、情報表示欄254の文字表示を消去し、元の待機/投稿画面21E等が表示される状態に復帰させる。
【0094】
図23は、高速道オービスの設置位置への接近時の警報の例である。高速道路のオービスの設置位置への接近時の警報開始のタイミングは、そのときの車速が制限速度を超過しているか否かに応じて異なる。制限速度を超過している場合には、制御部20は、同図中の左端図のように、2000m手間の地点に到達したときに「高速道オービス 2000m」等のテキスト表示を情報表示欄254に表示すると共に、対応するイラスト265をポップアップ表示する。加えて、制御部20は、「2キロ先、○○道、ループコイルオービスです。」といった音声警報を実行する。
【0095】
一方、制限速度以内であるときには、制御部20は、同図中の中央図のように、1000m手間の地点に到達したときに「高速道オービス 1000m」等のテキスト表示を情報表示欄254に表示すると共に、対応するイラスト265をポップアップ表示する。さらに、「1キロ先、○○道、レーダー式オービスです。」といった音声警報を実行する。その後、500m手前の地点に達したときには、「カメラは右側です。」といった音声をスピーカ230から出力させる。
さらに、直前300mの地点に到達したときには、その旨をテキスト表示する情報表示欄254を表示すると共に、「300m先、○○道 レーダー式オービスです。走行速度は120キロです。」といった音声警報を実行する。
【0096】
なお、投稿サーバー11によって配信される投稿ターゲット情報の中に公開取締情報を加えることも良い。この場合には、
図24のような公開取締情報の報知や警報等が可能になる。同図は、「8月1日からシートベルト取締週間です。」というテキスト表示を情報表示欄254にスクロール表示している例である。
【0097】
以上のように、本例の携帯端末2を利用すれば、交通安全を促進するために実施される交通監視活動の種別を表す種別情報、及び監視位置を表す位置情報を含む投稿情報を生成でき、投稿サーバー11に対して投稿可能である。投稿サ-バ-11は、投稿対象の交通監視活動が共通する複数の投稿情報を統合することで、交通監視活動に関する種別情報及び位置情報を含む投稿ターゲット情報(配信情報)を生成する。他の携帯端末2は、投稿サーバー11から投稿ターゲット情報を利用した報知や警報等を実行可能である。
【0098】
携帯端末2からの投稿情報は、リアルタイム性の高い情報が含まれている一方、投稿情報の確度はまちまちであり、正しい情報もあれば間違った情報もあり得る。このように真偽の定かでない複数の投稿情報をそのまま配信してしまうと、配信を受けた携帯端末2側でどの情報を信じて良いのか混乱を生じるおそれがある。
一方、本例の投稿サーバー11によれば、複数の投稿情報を統合することで確度が高められた投稿ターゲット情報を配信可能である。この投稿ターゲット情報は、投稿情報に基づくリアルタイム性と、情報統合によって向上された確度と、が両立された利用し易く有用な情報となっている。
【0099】
特に、本例では、時間的な近接性、交通監視活動の種別の共通性、及び場所的な近接性の3条件を判断することで、統合する投稿情報を仕分けしている。このような仕分けによれば、特定の交通監視活動に対する投稿情報を精度良く抽出できる。さらに、このように仕分けされた投稿情報を統合して投稿ターゲット情報を生成するに当たっては、投稿情報の確度をそれぞれ評価した上で、確度が高い投稿情報を選択的に利用している。投稿ターゲット情報は、確度の高い投稿情報を統合して生成された情報であるため、その確度が高くなっている。また、確度の評価を経た投稿情報を統合して生成された投稿ターゲット情報については、確度の評価が容易であり、配信する側、及び配信を受ける側で管理し易くなっている。配信側では、確度に応じて選択的に投稿ターゲット情報を配信することも良い。投稿ターゲット情報の配信を受ける側では、確度に応じて選択的に報知あるいは警報等を実行することも良い。
【0100】
以上のように本例の運転システム1は、交通取締や検問などの交通監視活動に関する投稿情報に基づく投稿ターゲット情報を配信して運転を支援するためのシステムであって、配信する投稿ターゲット情報のリアルタイム性と確度(信頼度)とが両立された優れたシステムである。
【0101】
配信された投稿ターゲット情報に係る交通監視活動が実施されていない旨の取消情報を投稿情報として生成できるように構成しても良い。例えば、待機/投稿画面21Eの四角形のターゲッアイコン261R(
図20)をタッチ操作して表示される
図21のデータ表示画面21Lに、取消情報を送信するための取消投稿ボタンを追加配置することも良い。投稿サーバー11側では、受け付けた取消情報の認証を、投稿情報の場合と同様に実施するのが良い。取消情報の受付後の投稿ターゲット情報の配信時には、取消情報を受け付けた旨、及び取消投稿数等の情報を含めることも良い。これらの情報を表示する取消投稿表示欄を
図21のデータ表示画面21Lに追加しても良い。さらに、同種の取消情報の投稿数や高評価の投稿者の占有割合等によって取消情報の確度を評価し、その確度が予め定められた閾値を超えたときに対応する投稿ターゲット情報の配信を中止することも良い。
【0102】
なお、投稿ターゲット情報の配信を終了した後、元になった投稿情報を新着情報記憶エリアに格納することも良い。これらの投稿情報は、投稿ターゲット情報を既成交通情報に新規登録するか否かを検討する際の参考情報として有用である。
投稿ターゲット情報の配信を終了した後、
図17の投稿情報一覧の各投稿情報について、投稿者の評価を実行し、その評価結果を評価項目の内容に反映させると良い。正しい投稿を行う投稿者であれば、投稿評価がどんどん高くなる一方、間違い投稿を行う投稿者であれば、投稿評価がどんどん落ちていき、投稿評価に差がついてくる。投稿評価の差が顕著になれば、投稿サーバー11が投稿情報を受け付けた際、その取り扱いを容易に決定できるようになり、統合情報の統合が容易となって、投稿ターゲット情報の確度を向上できる。
本例に代えて、システム側では特定できない投稿者からの投稿を受け付ける一方、不特定の特定者の投稿情報については、確度が低い投稿情報として取り扱うことも良い。この場合には、投稿数を増やすことができる。
【0103】
本例では、投稿ターゲット情報の確度に応じて色分け等した表示している。これに加えて、投稿ターゲット情報を表示するか否かの確度に関する閾値をユーザー側の操作によって調節可能としても良い。加えて、確度に対する投稿ターゲット情報の表示態様をユーザー側の操作によって設定可能に構成することも良い。
【0104】
なお、携帯端末2において投稿ピン262を登録した後、投稿情報を送信するまでの間に、ドラッグ等のユーザー操作によって地図上の投稿ピン262の位置を修正できるように構成することも良い。この場合、投稿ピン262の位置修正操作が行われた旨のピン修正情報を投稿情報に含めることも良い。投稿サーバー11では、ピン修正情報を含まない投稿情報よりも、ピン修正情報を含む投稿情報の方が位置情報の位置精度が高いと推定して取り扱い、投稿ターゲット情報の位置情報に反映させることも良い。
【0105】
ユーザー操作によって、投稿ターゲット情報のターゲットアイコン261R(
図20)の位置を修正できるように携帯端末2を構成することも良い。さらに、ターゲットアイコン261Rの位置修正操作が行われた旨のアイコン修正情報を投稿情報に含めることも良い。投稿サーバー11側では、アイコン修正情報を含む投稿情報を位置精度が高いと推定して取り扱い、投稿ターゲット情報の位置情報に反映させると良い。
投稿サーバー11に地図データベースを具備させることも良い。投稿情報に係る監視位置が特定地点に位置するよう、地図データを利用して周知のマップマッチングを実行すれば、監視位置の位置精度を確保でき、投稿ターゲット情報の位置精度を向上できる。マップマッチングにおける特定地点としては、例えば、道路上の地点や、過去に取締等が実施された地点であることも良い。
【0106】
本例の携帯端末2は、投稿ターゲット情報に係るターゲットアイコン261R(
図20)に対するタッチ操作に応じて、
図21のごとく投稿ターゲット情報の詳細データ等を表示するデータ表示画面21Lを表示する。このデータ表示画面21Lでは、投稿情報の時刻順で投稿者をリスト表示しているが、これに代えて、総合評価のポイントが高い投稿者をランキング表示することも良い。
【0107】
本例では、
図4のごとく正投稿数及び正投稿率によって投稿者の総合評価のポイントを決定し、これにより各投稿者による投稿情報の確度を評価している。これに代わる投稿情報の確度の評価方法としては、他のユーザからの評価による方法や、予め収集してある過去の取締位置データとの距離の接近度合いに応じて評価する方法等が考えられる。例えば、投稿ターゲット情報のターゲットアイコン261R(
図20)をタッチ操作(例えばダブルタップ)したときに、統合された元の投稿情報の監視位置が表示されるように構成することも良い。さらに、各監視位置をタッチ操作することで対応する投稿者の評価画面が切換表示されるように構成すれば、携帯端末2側から各投稿者を比較的簡単に評価できるようになる。
【0108】
(実施例2)
本例の運転支援システム1は、実施例1の運転支援システムを基にして、投稿端末の構成を変更した例である。この内容について、
図1、
図2及び
図25~
図44を用いて説明する。
本例の投稿端末102Aは、
図1及び
図2のごとく、カメラ機能付きの携帯端末2とレーダー探知機4との組み合わせにより構成されている。本例の運転支援システム1では、レーダー探知機4が表示するコード画像670(
図42)を携帯端末2で撮影することで、そのコード画像670に記録された投稿情報を投稿できる。この投稿では、運転支援システム1側への会員登録が不要となっている。本例の運転支援システム1では、会員ID等に代えて、レーダー探知機4の製品情報(シリアル番号など)を利用して投稿元の照会が行われる。
【0109】
本例の会員管理サーバー12のユーザー管理データベース121では、
図1及び
図2のごとく、実施例1と同様のデータ管理に加えて、製品購入後のユーザー登録により提示された氏名、住所、年齢、職業等の個人情報がシリアル番号を対応付けて管理されている。
本例の投稿サーバー11のユーザーステータスデータベース113では、会員毎の投稿評価(
図3参照。)のほか、購入者毎の
図3と同種の投稿評価が記憶され管理されている。購入者毎の投稿評価には、レーダー探知機4のシリアル番号が対応付けされている。
【0110】
本例の携帯端末2は、実施例1の携帯端末と同様のハードウェア的な構成を有している。追加的な機能としては、コード画像からデジタル情報を読み取るコード読取機能がある。この機能は、後述するようにレーダー探知機4が表示するコード画像670(
図42)に記録されたデジタル情報である投稿ターゲット情報の読み取りに利用される。
【0111】
レーダー探知機4が表示するコード画像670から投稿ターゲット情報を読み取り、投稿サーバ-11に投稿する機能は、実施例1の投稿ソフトとは異なる別の投稿ソフトをインストールすることで実現される。本例の投稿ソフトについては、会員登録等を必要とせず誰でもダウンロードでき、起動に際して会員ID等の入力を求められることもない。本例の運転支援システム1では、投稿者の認証に代えて、投稿ターゲット情報を生成したレーダー探知機4の製品認証によって投稿が許可される。
【0112】
本例のレーダー探知機4は、
図25及び
図26のごとく、薄型矩形状のケース本体5を備え、そのケース本体5の背面側下方から取り付けられるブラケット58を介して車両のダッシュボードなどに貼り付けて設置される車載装置である。なお、このレーダー探知機4は、ブラケット58の変更に応じてサンバイザー裏側やルームミラー裏側等にも設置可能である。
【0113】
設置時に運転者側に面するケース本体5の前面には、3.2インチカラー画面のタッチパネル45が設けられている。このタッチパネル45は、タッチ位置を検知する透明シート状のタッチスクリーン451(
図27)がTFTドットマトリックス液晶ディスプレイ452(
図27)に積層された表示パネルである。運転者側から見てタッチパネル45の右外側には音量調整ボタン51が配置され、左外側には電源ボタンなど各種の操作ボタン52、及びフルカラーLED427が埋設された発光部53が配置されている。タッチパネル45の右下には、図示しない操作リモコンの赤外線を受信する赤外線受光部428の受光面55が設けられている。本例のレーダー探知機4は、タッチパネル45に対する指先のタッチ操作、ボタン操作、リモコン操作等により操作可能である。操作ボタン52のうち上側のメモリーボタン522は、4個の登録メニューボタン63(
図35)をマップ画面62にポップアップ表示させるための操作ボタンである。
【0114】
運転者側から見てケース本体5の右側面には、挿抜可能な記録媒体であるSDカードなどのメモリカード471を挿入するためのカード挿入口57が設けられている。ケース本体5の背面下部にはUSBコネクタ50が設けられている。このUSBコネクタ50には、車両のシガーソケットから延設されるシガープラグコードや、後述するOBD(On-board Diagnostics)コネクタを含むOBDアダプタコードや、USBケーブル等が接続される。レーダー探知機4は、USBコネクタ50に接続されたこれらのコードを介して電源供給を受けて動作する。
【0115】
レーダー探知機4は、
図27のごとく、制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、前出の構成のほか、GPS受信器421、マイクロ波受信器422、無線受信器423、加速度センサー424、ジャイロ425、クロック部426、スピーカ46、メモリカードリーダ47等が電気的に接続されている。さらに、レーダー探知機4では、制御部40からアクセス可能なデータベース400が設けられている。
【0116】
GPS受信器421は、GPS衛星から飛来するGPS信号を受信し、現在時刻、現在の位置情報(緯度経度)、現在の速度、高度等を出力する受信器である。GPS受信器421は、レーダー探知機4の背面側の中央上方に位置するようにケース本体5内に組み込まれている。なお、GPS受信器421から現在位置の位置情報を取得した制御部40が現在位置の変動に基づいて車両の速度を計算することも可能である。
【0117】
マイクロ波受信器422は、移動式レーダー等の速度測定装置(以下、単にレーダーという。)から発せられるマイクロ波長帯のレーダー波を受信する受信器である。
無線受信器423は、所定周波数の無線を受信する受信器である。本例の無線受信器423は、各種の無線電波に対応できるよう、複数の周波数のうちの何れかを選択的に設定可能である。
マイクロ波受信器422及び無線受信器423は、レーダー探知機4の背面側に位置するようにケース本体5内に組み込まれている。このような組み込み位置は、車両前方から飛来する電波等の受信に適している。なお、マイクロ波受信器422では、マイクロ波の電界強度として、強度が低いほうからLv1~Lv5の5段階が設定されている
【0118】
クロック部426は、カレンダー情報を出力する時計である。カレンダー情報は、年月日を表すデータ及び現在時刻を表すデータを含んでいる。1日1回、GPS受信器421から現在時刻が取得できた場合には、その時刻を利用して、クロック部426の現在時刻(日時を含む)を校正している。
スピーカ46は、ケース本体5の底面に開口するスピーカ孔(図示略)を介して音声などを出力できるようにケース本体5内に組み付けられている。
メモリカードリーダ47は、メモリカード471に記録されたデータを読み込み制御部40に転送する。このメモリカードリーダ47には、カード挿入口57に挿入されたメモリカード471が装着される。
【0119】
制御部40は、CPU、ROM、RAM、EEPROM等の不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコン(図示略)によって構成されている。
ROMには、CPUに実行させるソフトウェアプログラム等が格納されている。
EEPROM等の不揮発性メモリの記憶エリアには、警報設定などの設定情報を格納する設定情報記憶エリアが設けられている。
【0120】
データベース400は、制御部40のマイコン内あるいはマイコン外付けの不揮発性メモリ(例えばEEPROM)により構成されている。製品出荷時のデータベース400には、地図データ、警報対象や各種の施設や観光地などの位置情報を含むGPSコンテンツ、制限速度などの規制情報等のほか、様々な音声出力用情報が格納されている。さらに、データベース400には、音声合成(TTS:Text To Speech)に利用される多数の音声データが格納されている。
【0121】
データベース400の格納データは、メモリーカード471を利用して更新可能である。地図データやGPSコンテンツや音声出力用情報などの更新データが格納されたメモリカード471をメモリカードリーダ47に装着すれば、制御部40の制御によりその更新データが読み出され、データベース400内のデータを更新できる。特に、音声出力用情報を追加したり更新すれば、発音の態様を変更したりバリエーションを増やすことが可能である。なお、ハードディスク等に更新データが格納されたPCをUSB接続し、データベース400を更新することも可能である。
【0122】
制御部40のマイコン内あるいはマイコン外付けの不揮発性メモリ(例えばEEPROM)の記憶領域には、さらに、投稿対象の交通監視活動に関する情報を格納する投稿ピン記憶エリアが設けられている。投稿ピン記憶エリアには、投稿対象の交通監視活動に関する投稿ピン情報を4件まで格納できる。なお、本例の投稿ピン情報のデータ仕様が実施例1とは若干相違している。投稿ピン情報のデータ仕様については
図32等を参照して後で説明する。
【0123】
レーダー探知機4は、ROMから読み出したソフトウェアプログラムをCPUに実行させることで各種の機能を実現する。このレーダー探知機4の機能としては、タッチパネル45に各種の画面を表示する表示機能、各種の警報をする警報機能、OBD機能、設定機能、登録機能等がある。警報機能としては、GPS警報機能、RD警報機能、無線警報機能等、一般的なレーダー探知機が備える機能がある。さらに、本例のレーダー探知機4は、投稿情報を生成する投稿情報生成機能、投稿情報をコード画像に変換して表示するコード表示機能を備えている。これらの機能を実現する各手段は、制御部40において形成されている。
【0124】
OBD機能は、車両の点検規格であるOBD2規格に基づいて車両側に設けられたOBDポート(故障診断ポート)を介して車両情報を取得する機能である。このOBD機能は、車両側のOBDポートに接続されるOBDコネクタを含むOBDアダプタコードを介してレーダー探知機4が車両側に接続された状況に限って機能する。車両のOBDポートから取得できる車両情報としては、例えば、車速、エンジン回転数、エンジン負荷率、点火時期、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度(スロットル開度)、ウインカー情報(左右のウインカーの動作情報)、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角情報等がある。なお、OBD機能による車両情報の取り込みは0.5秒毎に実行される。
【0125】
設定機能は、レーダー探知機4の動作に関する各種の設定を行う機能である。設定としては、
図28のごとく、各種警報を実行させるか否かの警報設定がある。警報設定による運転支援モードとしては、ノーマルモード、ミニマムモード、スペシャルモード、オールオンモード、マニュアルモードがある。ノーマルモードは、製品出荷時の初期設定モードである。マニュアルモード以外の各モードでは、各警報対象に応じた動作(オンオフ)が予め規定されている。マニュアルモードでは、警報対象に応じた動作をユーザーがマニュアルで設定可能である。ミニマムモードは、RD警報機能、無線警報機能、GPS警報機能のすべてにおいて、必要最低限の警報対象だけを警報する設定である。ノーマルモードは機能同士のバランスを重視したモードであり、ミニマムモードの項目に加え取締に関する項目のうち重要度が高いものを警報対象として警報する設定である。スペシャルモードはノーマルモードの項目に加え取締に関する項目はすべて警報対象として警報する設定である。
【0126】
登録機能は、ユーザーである運転者が個人的な地点(マイポイント)や地域(マイエリア)を登録する機能であり、制御部40においてソフトウェア的に実現される登録手段により実行される。
【0127】
GPS警報機能は、オービス(自動速度違反取締装置)等の警報対象への接近を警報する機能である。GPS警報機能では、警報対象の位置と現在位置との間の距離を求める演算処理が所定時間間隔(例えば1秒)で繰り返し実行される。この距離が所定の接近距離に到達して警報地点アプローチというイベントが発生したとき、その旨を表すGPS警報が実行される。
【0128】
GPS警報機能による警報対象としては、オービス、取締エリア、検問エリア、交差点監視ポイント、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急カーブ、分岐合流ポイント、ETCレーン等がある。データベース400では、これらの目標物の種別情報、その位置(特定位置)を示す位置情報(緯度経度)、タッチパネル45に表示する模式図または写真のデータ、及び音声データが対応付けされた状態で、GPSコンテンツ(POIデータ)として格納されている。警報対象として、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント等を含めても良い。
【0129】
なお、GPS警報機能の警報対象以外のGPSコンテンツとしては、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。これらのGPSコンテンツに関する音声出力用情報は、おしゃべり機能によって音声出力される。
【0130】
RD警報機能は、レーダー式取締装置から発せられるレーダー波(マイクロ波)の入射を警報する機能である。マイクロ波受信器422によるレーダー波の受信(以下RD受信)というイベントが発生したとき、その旨を表すRD警報が実行される。
【0131】
無線警報機能は、緊急車両等の走行等の妨げとならないように警報する機能である。緊急車両等の発する無線電波の受信(以下無線受信)というイベントが発生したとき、運転者に注意を促す無線警報が実行される。警報対象としては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等がある。
【0132】
投稿情報生成機能は、実施例1の携帯端末の投稿情報生成機能と同様、投稿情報を生成する機能である。投稿情報の生成手順については、後で説明する。
コード表示機能は、生成された投稿情報を2次元のコード画像に変換し、タッチパネル45に表示する機能である。本例では、2次元のコード画像として、QRコード(登録商標)を採用している。コード画像としては、1次元のバーコード等、各種のコード画像を採用できる。コード画像は2次元コードとしたが、1次元のバーコード等、各種のコード画像を採用しても良い。
コード画像に代えて、文字を表示し、その文字を文字認識させるようにしても良い。あるいは、IRDA、IRDX、NFC、Bluetooth(登録商標)などの無線通信等を用いても良い。
これらを組み合わせても良い。携帯端末に実装されている表示機能や通信機能に対応する機能を用いた方式で投稿情報をやりとりする構成とすると良い。
【0133】
以上のような構成のレーダー探知機4の主たる機能であって、制御部40等の制御によって実現される警報機能の基本動作について説明する。RD受信や無線受信や警報地点アプローチなどの警報対象のイベントが発生していない待受状態では、マップ画面62(
図29)が表示される待受状態となる。警報地点アプローチ、RD受信、無線受信のうちの何れかのイベントが待受状態下で発生したとき、制御部40は、GPS警報機能、RD警報機能、無線警報機能のうち、対応する機能を実行する処理を実行する。なお、2つ以上のイベントが同時発生したときの各機能の優先順位は、高いほうから、RD警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順となっている。
【0134】
マップ画面62では、
図29のごとく、現在位置の周辺の地図が表示される。マップ画面62では、車両の進行方向が常に上を向くと共に、画面の下部中央が現在位置になるように地図が表示される。現在位置には自車アイコン601が表示される。このマップ画面62の左上隅には、車両の進行方位をイラスト表示するコンパス626及び車速表示625が配置され、右上隅には、時刻表示621が配置されている。マップ画面62の左下隅には、現在位置の町名等を表示するアドレス表示622が配置されている。
【0135】
待受状態において、RD受信や無線受信や警報地点アプローチといった警報対象のイベントが発生したとき、制御部40は、マップ画面62に警報情報を重ねて表示(ポップアップ表示)すると共に、警報内容を音声出力する。このとき、発光部53の発光色が待受状態を表す青から赤に変化し、これにより注意を要する旨が表示される。
GPS警報では、
図30のごとく、警報内容のシンボル表示629を含む取締地点の写真表示628、及び残り距離や方角を示すレーダー表示アイコン(ミニレーダー)627が、マップ画面62にポップアップ表示される。
RD警報では、
図31のごとく、警報内容のシンボル表示629を含む取締地点の写真表示628、及び残り距離や方角を示すレーダー表示アイコン627が、マップ画面62にポップアップ表示される。なお、レーダー表示アイコン627の残り距離としては、受信したレーダー波の電界強度(Lv1~Lv5)から推定される距離が表示される。
無線警報では、RD警報とほぼ同様のため図示を省略する無線警報画面が表示される。
【0136】
次に、本例の運転支援システムが取り扱う投稿情報(含む投稿ピン情報)のデータ仕様、及びシステムの動作について説明する。
本例の運転支援システムが取り扱う投稿情報のデータ仕様は、
図32の通りである。なお、同図では、通信に必要となるヘッダー情報等の図示を省略してある。本例の投稿情報では、実施例1の会員情報がレーダー探知機4の製品情報(シリアル番号等)に置き換えられている。また、本例の投稿ピン情報には、実施例1の投稿ピン情報に対して、投稿対象の交通監視活動の実施時期を表す鮮度情報、取締方位の種別を表す方位種別情報(
図32~
図34)が追加されている。なお、
図32の投稿ピン情報を構成するX、Y、A・・・等の各データの内訳は、
図33(a)の通りである。同図(a)の各データのうち、T、R、Mの各データの内容は、同図(b)、(c)、(d)の通りである。
【0137】
鮮度情報は、投稿対象の交通監視活動の実施時期を表す情報である。対象の交通監視活動の実施時期に応じて、
図33(c)のごとく、鮮度を表すデータ値が規定されている。例えば、現在実施中の交通監視活動を対象とする投稿情報であれば、鮮度の値がゼロになり、1週間を超えて1ヶ月以内に実施された交通監視活動を対象とする投稿情報であれば、鮮度の値が20になる。一方、常設設置タイプのオービス等を対象とした投稿情報については、鮮度のデータ値が255になる。
方位種別情報は、位置情報に含まれる取締方位を補足する情報である。方位種別情報を利用すれば、反対車線の監視活動の取締方位を指定できるほか、交通監視活動が走行車線の右側か左側かの指定等も可能になる。例えば、走行車線を対象とした交通監視活動であれば、
図34における0x02の進行方位(車両の進行方向)を180度反転した0x01が取締方位の種別となる。例えば、中央分離帯に設置されたオービスの手前で投稿ピンが登録されたとき、走行車線の右斜め方向にオービスが設定されていることになる。この場合の取締方位の種別は、同図における0x10の方位となる。
【0138】
本例の運転支援システム1では、(1)レーダー探知機4を利用した投稿ターゲット情報の生成、(2)携帯端末2による投稿情報の送信、(3)会員管理サーバー12による投稿情報の認証、の各動作等が実施例1の運転支援システムとは相違している。以下、(1)~(3)の各動作の内容をそれぞれ説明する。
【0139】
(1)投稿情報の生成
レーダー探知機4の制御部40は、
図29のマップ画面62の表示中にメモリーボタン522の操作を検出したとき、
図35のごとく、ピン設定ボタン634を含む4個の登録メニューボタン63を画面上にポップアップ表示する。登録メニューボタン63としては、投稿ピン64(
図36)を登録するピン設定ボタン634のほかに、ボタンを押した時の自車測位位置の緯度経度を2次元バーコード表示させるITYマップボタン631、マイエリアを登録するマイエリアボタン632、登録エリアをキャンセルするキャンセルボタン633がある。
【0140】
ピン設定ボタン634がタッチ操作されたとき、制御部40は、
図36のごとく、マップ画面62の現在位置に投稿ピン64をセットすると共に、その投稿ターゲットの位置情報(緯度経度、住所、取締方位)及びピン登録時刻を前記投稿ピン記憶エリアに登録する。投稿ピン記憶エリアに最大4件の投稿ピン情報を登録可能な本例のレーダー探知機4では、第1ピン~第4ピンまで4本を限度として投稿ピン64を登録可能である。同図は、全てのピンが空きであったため、投稿ピン64として第1ピンが現在位置にセットされると共に、そのときの位置情報やピン登録日時等が第1ピンに対応付けて記憶された例である。なお、交通監視活動の種別、実施態様、方式等を表す活動内容情報については、その後のユーザー操作(
図40~
図42)に応じて生成され投稿ピン記憶エリアに記憶される。
【0141】
4本全ての投稿ピン64が登録済みで投稿ピン記憶エリアに4件の投稿ピン情報が記憶されている場合には、メモリーボタン522の操作に応じて
図37の登録メニューボタン63がポップアップ表示される。ここでは、「ピンが一杯です。」の表示を含む登録メニューボタン634Aにより、投稿ピン64(
図36)を登録ができない旨が表示される。
なお、本例では、取締方位が投稿情報に必須の情報となっているので、実施例1と同様、GPS機能による進行方位が未確定の状態では、投稿ピン64の登録ができないようになっている。制御部40は、進行方位が未確定の状態でメモリーボタン522が操作されたとき、方位未確定を表す登録メニューボタン634Bを含む登録メニューボタン63をポップアップ表示する(
図38)。また、GPS機能による測位が行われていない非測位の状態でメモリーボタン522が操作されたときには、制御部40は、マップ画面62の上部に、GPSサーチ中である旨をテロップ表示する(
図39)。
【0142】
制御部40は、マップ画面62(
図29など)に対するタッチ操作を検出したとき、
図40の最上段の設定画面67Aを表示する。この設定画面67Aには、投稿情報を投稿するための投稿ボタン670を含む各種のメニューボタンが配置されている。投稿ボタン670がタッチ操作されたとき、制御部40は、同図中、中段の投稿ピンメニュー画面67Bの表示に切り換える。この投稿ピンメニュー画面67Bは、確認ボタン671Aと消去ボタン671Bとが投稿ピン毎に配置された画面である。なお、未登録の投稿ピンについては、操作ボタン671A・Bがシャドー表示されると共に操作不可能な状態となる。ピン確認ボタン671Aへのタッチ操作を検出した制御部40は、その投稿ピンに対応する投稿ピン情報を前記投稿ピン記憶エリアから読み出す。制御部40は、読み出した投稿ピン情報のうちの位置情報(緯度経度、住所、取締方位)及び時刻情報(ピン登録日時)のテキスト表示のほか、投稿処理を開始するための投稿ボタン672等が配置されたピン確認画面67Cを表示する。投稿情報の生成は、この投稿ボタン672のタッチ操作に応じて開始される。
【0143】
制御部40は、
図41のごとく、ピン確認画面67C内の投稿ボタン672のタッチ操作を検出したとき、交通監視活動の種別等に応じて、
図41及び
図42の投稿画面67D~67Iを適宜、タッチパネル45に表示する。
図41の投稿画面67D~Fは、投稿対象の交通監視活動の種別(カテゴリー)や、その実施態様や、方式等の活動内容情報(
図32)を生成する画面である。投稿画面67D~Fは、それぞれ、実施例1の投稿画面21G~I(
図13~
図16)に相当している。制御部40は、投稿画面67D~67Fの画面上でのユーザー操作に応じて生成された活動内容情報を、投稿ピン記憶エリアに記憶された投稿ピン情報に追加する。なお、投稿対象の交通監視活動の種別を選択する投稿画面67Dを除き、実施態様や方式等を選択する投稿画面67E、Fには、その他あるいは不明を選択する操作ボタンが設定されている。投稿画面67E、Fにその他等を選択する操作ボタンを設ける目的は、交通取締にあまり詳しくないユーザーによる投稿を簡単にして投稿を活性化するためである。
【0144】
図42の投稿画面67Gは、投稿対象の交通監視活動の実施時期を表す鮮度情報(
図32)を入力するための操作画面である。この投稿画面67Gには、現在実施中を選択する操作ボタンのほか、1週間以内の操作ボタン、1ヶ月以内の操作ボタン、3ヶ月以内の操作ボタン等が配置されている。実施例1の運転支援システム1は、現在実施中の交通監視活動を対象とする投稿が想定されたシステムである一方、本例のシステムでは、過去の交通監視活動を対象とした投稿も可能になっている。制御部40は、投稿画面67G上で選択された操作ボタンに応じた鮮度情報を、投稿ピン記憶エリアに記憶された投稿ピン情報に追加する。
投稿画面67Hは、取締方位の種別を選択するための投稿画面である。この投稿画面67Hには、「走行車線」、「反対車線」、「右方向」、「左方向」、「走行車線右側方」、「走行車線左側方」、「反対車線左側方」、「反対車線右側方」の操作ボタンが配置されている。制御部40は、投稿画面67H上で選択された操作ボタンに応じた方位種別情報(
図32~
図34)を、投稿ピン記憶エリアに記憶された投稿ピン情報に追加する。
【0145】
上記のように投稿画面67Hでいずれかの操作ボタンが操作されると、投稿ピン情報(
図32)の生成が完了する。制御部40は、投稿ピン記憶エリアから投稿ピン情報を読み出したうえ、製品情報(
図32)を追加して投稿情報を生成する。そして、この投稿情報が記録されたコード画像670を生成し、
図42のごとく、このコード画像670を含む投稿画面67Iをタッチパネル45に表示する。
投稿ユーザーは、コード画像対応の投稿ソフトを起動した携帯端末2でコード画像670を撮影すれば良い。コード画像670を撮影した携帯端末2では、画像処理が実行され、撮影画像中のコード画像670の切り出し、及びコード画像670に記録された投稿情報の読取りが実行される。携帯端末2の制御部は、このように読み取った投稿情報を直ちに投稿サーバー11に向けて送信する。
【0146】
投稿サーバー11は、投稿情報を受信したとき、まず、会員管理サーバー12の認証を求める。認証を求められた会員管理サーバー12は、投稿サーバー11から受信した製品情報(シリアル番号等)を利用してユーザー管理データベース121を参照し、該当する購入者の存否を判断する。該当する購入者が有効に存在しているとき、その購入者の投稿者IDが会員管理サーバー12から返信される。投稿サーバー11は、会員管理サーバー12の認証を受けたとき、ユーザーステータスデータベース113を参照し、その投稿者について投稿禁止フラグの有無を確認する。投稿サーバー11は、投稿禁止フラグがセットされた投稿情報については受付することなく消去する一方、投稿禁止フラグがセットされていない投稿情報については受付処理を実行する。
【0147】
本例の受付処理は、鮮度情報(
図33)のデータ値がゼロの投稿情報と、それ以外の投稿情報と、異なっている。鮮度情報がゼロ、すなわち現在実施中の交通監視活動を対象としたリアルタイムの投稿情報については、実施例1と同様の取り扱いがなされ、配信用の投稿ターゲット情報の元情報となる。
一方、それ以外の投稿情報、すなわちNシステムなど常設の交通監視活動に関する投稿情報(鮮度情報のデータ値が255)、及び過去の交通監視活動に関する投稿情報については、投稿サーバー11の実施例1と同様の新着情報エリアに格納され、新規登録される既成交通情報の元情報となる。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
【0148】
なお、投稿画面67E~H(
図41及び
図42)には、投稿画面67Iにジャンプするための「直ぐ投稿ボタン」を設けることも良い。実施例1の投稿画面21G(
図13~
図16)に相当する投稿画面67Dによってオービスボタン、Nシステムボタン、取締ボタン、検問ボタンのいずれかが選択されれば、交通監視活動の種別が確定する。このように交通監視活動の種別が確定した後であれば、その後、投稿画面67E~Hの直ぐ投稿ボタンが操作されても、その確定した種別を表す種別情報を含む投稿情報を生成可能である。
【0149】
登録された投稿ピン64(
図36等)の消去は、
図40中段の投稿ピンメニュー画面67Bの消去ボタン671Bの操作により実行可能である。この消去ボタン671Bが操作されると、
図43(a)のごとく、消去を確認する画面、及び消去を完了した旨を表示する画面を経由して、対応する投稿ピンの消去が完了する。
図40最上段の設定画面67Aにおいて右下隅に配置されたシステムボタンを操作すれば、
図43(b)のごとく、データ消去画面を切換え表示できる。このデータ消去画面で投稿ピンボタンを選択すれば、投稿ピン及び対応する投稿ピン情報を一括消去できる。
【0150】
本例の運転支援システム1が配信する投稿ターゲット情報は、実施例1と同様、現在実施中の交通監視活動に関する情報である。これに代えてあるいは加えて、鮮度情報(
図33)が255又はゼロ以外の過去の交通監視活動に関する投稿情報を統合して生成された投稿ターゲット情報を配信することも良い。この場合には、例えば、2ヶ月前に実施された交通監視活動を対象とした1件又は複数の投稿情報と、1ヶ月前の同種の交通監視活動に対する投稿情報と、1週間以内の同種の交通監視活動に対する投稿情報と、を統合して、交通監視活動の実施頻度が高い要注意地点に関する投稿ターゲット情報を生成可能である。
なお、ここで、2ヶ月前の共通の交通監視活動に対する投稿情報として、上記の1件又は複数の投稿情報が仕分けされるためには、実施時期に関する時間的な近接性、場所的な近接性及び種別の共通性の3条件が満たされる必要がある。また、2ヶ月前の特定の交通監視活動に対する投稿情報に対して、1ヶ月前、同様に実施された交通監視活動に対する投稿情報が共通の交通監視活動に対するものとして仕分けされるためには、場所的な近接性及び種別の共通性の2条件が満たされる必要がある。
【0151】
本例では、レーダー探知機4が表示するコード画像670(
図42)を利用して、携帯端末2に投稿情報を転送している。これに代えて、WiFi等の無線通信によって、レーダ探知機4と携帯端末2とを通信可能な状態で接続し、投稿情報を転送しても良い(
図1参照。)。例えば、携帯端末2側で専用ソフトが起動している状態下で、レーダー探知機4のタッチパネル45に表示された投稿ボタンを操作すれば、その投稿情報が携帯端末2を経由して投稿されるように構成することも良い。レーダー探知機4にWiFi機能を具備させるためには、WiFiモジュール等を組み込めば良い。携帯端末2は、アクセスポイント(テザリング)機能を有する携帯端末であれば良い。
【0152】
携帯端末2と無線通信可能なレーダー探知機4であれば、携帯端末2を経由して投稿ターゲット情報の配信を受けることも可能である。レーダー探知機4側で投稿ターゲット情報の報知や警報等が可能になる。さらに、公開取締情報を配信すれば、
図44のごとく、レーダー探知機4による公開取締情報の報知が可能になる。同図に例示するレーダー探知機4は、配信を受けた公開取締情報をマップ画面62の最下段にスクロール表示している。
【0153】
なお、実施例1の投稿情報と、本例の投稿情報と、の両方に対応可能な運転支援システムであっても良い。実施例1の投稿情報と、本例の投稿情報と、が統合されて投稿ターゲット情報が生成される場合があっても良い。この場合、携帯端末2で生成された投稿情報と、レーダー探知機4で生成された投稿情報と、で、確度の評価を異ならせることも良い。例えば、レーダー探知機4を購入し実際に使用している投稿者については、警報機能等を重要視していると共に交通取締に関する知識が豊富な人物を想定できる。このような投稿者による投稿情報については、確度を高く評価できる可能性が高い。
【0154】
本例では、投稿ターゲット情報の確度として、投稿情報一覧の累積ポイント(
図17)を利用している。これに加えて、過去の交通監視活動の実施履歴に基づいて確度を評価しても良い。例えば、過去、同様の交通監視活動が実施された履歴が有る場合には、累積ポイントの120%の値(2割増しの値)を確度に設定したり、累積ポイントに対して履歴ポイントを加算したりすることも良い。履歴ポイントとしては、実施頻度等が反映されたポイントが良い。過去の交通監視活動の実施履歴を判断するに当たっては、既成交通情報の利用のほか、新着情報エリアの投稿ターゲット情報を利用することも良い。
【0155】
車両の速度等、OBD機能によって取得された車両情報に応じて、投稿ターゲット情報の報知あるいは警報態様を変更することも良い。例えば、制限速度を超える速度の場合、移動式オービス等に関する投稿ターゲット情報が非常に重要となる。
【0156】
(実施例3)
本例は、実施例1の運転支援システムを基にして、投稿情報がそのまま配信される場合を設けた例である。この内容について、
図17及び
図45~
図47を参照して説明する。
【0157】
配信の対象となる投稿情報としては、例えば、投稿者の投稿評価のポイントが例えば8点以上であって未だ投稿ターゲット情報に反映されていない投稿情報や、警ら中のパトカーなど監視位置の変動を伴いリアルタイム性が重要になる投稿情報等がある。
図45は、警ら中の白バイに関する投稿情報の表示例である。同図は、携帯端末2のタッチパネル21に表示された地図上で、警ら中の白バイの投稿情報に対応する監視位置に情報ピン271が表示されている。同図では、情報ピン271をタップ(タッチ操作)したときに表示されるバルーン表示275も図示している。バルーン表示275には、投稿日時、投稿情報に係る交通監視活動の活動内容等が表示される。なお、リアルタイム性が重要な投稿情報については、表示される時間に6時間等の制限を設定し、携帯端末2側でこの制限時間を管理し、制限時間の経過に応じて情報ピン271を消去することも良い。なお、対象の交通監視活動の種別によって、情報ピン271のイラストを変更しても良く、リスクの度合いによって情報ピン271の表示色や大きさを変更することも良い。
【0158】
さらに、同図では、タッチパネル21の表示画面の最下段にスクロール表示欄278を設けてある。このスクロール表示欄278は、上記のように配信された投稿情報のうち、タッチパネル21に表示された地図エリア内に監視位置が含まれない投稿情報の表示欄である。このような表示を設ければ、地図エリアには含まれない遠方に監視位置がある投稿情報を表示できる。遠方の範囲としては、20km等の範囲を設定できる。また、車両の進行方向に位置する遠方の投稿情報や、走行中の道路上に位置する遠方の投稿情報等を選択的に表示することも良い。なお、実施例1で参照した
図24の公開取締情報をスクロール表示欄278に表示することも良いが、この場合には、公開取締情報と投稿情報とで背景色を変更する等、投稿情報か公開取締情報かの区別を容易にするための工夫を施すと良い。
【0159】
投稿情報をスクロール表示する際のメッセージ構成としては、例えば、
図46の構成を採用できる。このようなメッセージ構成の場合、例えば、「ユッピぃさん(35) 6月6日10時30分 [スピード取締(レーダー)] 愛知県岡崎市岩津町 ユピテル前 いつものところでやってるよ。気を付けて!」等のメッセージをスクロール表示できる。なお、投稿経験値については、投稿回数に比例して上昇する値が良い。例えば、
図3に示す正投稿数や総合評価などを投稿経験値として採用しても良い。なお、投稿を好む投稿マニアのようなユーザーを増やすためには、投稿経験値の年間トップ3を表彰して景品を贈る等のイベントも有効である。年末の時期に投稿経験値の年間トップ3を選択するプログラムを投稿サーバーに具備させることも良い。このようなイベントは、投稿のインセンティブとなると共に、より正確な投稿情報の収集に寄与する。
【0160】
投稿情報の配信は、投稿サーバーから自動配信(例えば10分毎)しても良い。
図45のごとく、更新ボタン272を設け、この更新ボタン272の操作に応じて直ちに配信が実行されるように構成することも良い。さらに、投稿情報の配信は、希望するユーザーに対してのみ選択的に配信することも良い。確度が十分でない投稿情報については、配信を希望しないユーザーも存在するからである。
【0161】
投稿情報を配信するために、47都道府県毎の配信ファイルを利用することも良い。このような配信ファイルを利用すれば、例えば、愛知県内を走行中のユーザーに対して、同県内の投稿情報を一括して配信できる。都道府県毎の配信ファイルの配信時には、現在位置が属する都道府県の配信ファイルに加えて、隣接する都道府県の配信ファイルを同時に配信しても良い。さらに、配信ファイルに含める投稿情報としては、投稿時刻(投稿サーバーが受付した時刻)から6時間以内の投稿情報に限定しても良い。1件分の投稿情報としては、例えば、以下の内容であることも良い。
・緯度経度 例、34.794025度、137.117188度
・表示期間 例、2012年6月6日10時25分~2012年6月6日16時25分
・取締内容 例、スピード取締(白バイ)
・住所情報
都道府県 例、愛知県
市区町村名 例、西尾市
町名番地 例、○○町2番地
・詳細場所や付近の目印となるもの(データ無しの場合もあり)
例、西幡豆のJAとスギ薬局の間の交差点から幸田方面に向かう道
・コメント(データ無しの場合もあり)
例、よくやってる場所です。制限速度40km気をつけて。
・ユーザー情報
ユーザー名 例、ユッピぃ
投稿経験値 例、121
【0162】
本例の携帯端末2では、
図45の投稿ボタン273のタッチ操作によって投稿情報の生成を開始できる。投稿ボタン273をタッチ操作すると、図示しない投稿ページが表示される。この投稿ページには、投稿ボタン273がタッチ操作されたときの緯度経度、年月日時分、住所情報のテキスト表示のほか、交通監視活動の種別等を選択するための回転ドラムのような操作手段であるピッカービューを設けることも良い。詳細場所やコメントについては、テキスト入力させるのが良い。なお、テキスト入力が面倒な投稿者にも対応できるよう、詳細場所やコメントについては入力をパスできるようにしても良い。コメント等がパスされた場合には、投稿サーバー側で気の利いたコメントを追加するように構成することも良い。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
【0163】
本例では、地図エリア外の遠方の投稿情報については、画面最下段にスクロール表示している。これに代えて、
図47のごとく、地図エリアに対して、右側に監視位置が位置する投稿情報については、画面右側端部の短冊状のスペース278Rにスクロール表示し、上側に監視位置が位置する投稿情報については、画面最上段のスペース278Uにスクロール表示することも良い。この場合には、スクロール表示される位置に応じて、遠方の投稿情報の方角を把握できるようになる。
【0164】
以上、実施例1~3のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0165】
1 運転支援システム
101A、102A 投稿端末
101B、102B 報知端末
11 投稿サーバー(サーバー装置)
111 GPSターゲット情報データベース
113 ユーザーステータスデータベース
12 会員管理サーバー
121 ユーザー管理データベース
2 携帯端末
21C ホーム画面
21E 待機/投稿画面
21G~K 投稿画面
262 投稿ピン
4 レーダー探知機
45 タッチパネル
62 マップ画面
64 投稿ピン
67D~I 投稿画面
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通監視活動を対象とした投稿情報に基づいてサーバ装置により配信された配信情報であって、前記交通監視活動が実施される監視位置の位置情報と、当該配信情報の確度を表す確度情報とが少なくとも含まれる配信情報を受信する機能と、
受信した前記配信情報に基づいて、地図上の前記位置情報により特定される監視位置にアイコンを表示させる機能であって、前記確度情報が表す確度に応じて前記アイコンを異ならせる機能と、
を有する装置。
【請求項2】
前記アイコンを表示させる機能は、前記確度に応じて、前記アイコンの色又は大きさを変更する
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記アイコンに対する操作を検出すると、当該アイコンに対応する前記交通監視活動についての詳細データを表示する機能を有する
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記詳細データを表示する機能は、同一の前記交通監視活動に対し複数の投稿者からの前記投稿情報がある場合、当該交通監視活動についての実施履歴を表示する機能を備える
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記受信する機能が受信する前記投稿情報として、ユーザーが携帯する携帯端末で生成された交通監視活動を対象とした第1の投稿情報と、車載装置で生成された交通監視活動を対象とした第2の投稿情報とがある
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
コンピュータに請求項1~5のいずれか1項に記載の装置の機能を実現させるためのプログラム。