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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184669
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】歯車ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/20 20060101AFI20231221BHJP
   F16H 1/32 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
F16H1/20
F16H1/32 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190463
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2019037161の分割
【原出願日】2019-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2018040043
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】紀平 誠人
(57)【要約】
【課題】ギヤの歯幅を小さくすることが可能な歯車ユニットを提供する。
【解決手段】歯車ユニット100は、駆動源に接続される第1の歯車1と、第1の歯車1と噛合う第2の歯車2と、第1の歯車1と噛合う第3の歯車3と、第2の歯車2及び第3の歯車3と噛合う第4の歯車4と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源に接続される第1の歯車と、
前記第1の歯車と噛合う第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛合う第3の歯車と、
前記第2の歯車及び前記第3の歯車と噛合う第4の歯車と、を備えたことを特徴とする歯車ユニット。
【請求項2】
前記第4の歯車は、その中心部分に穴を備え、
前記第4の歯車の径は、前記第2の歯車の径及び前記第3の歯車の径よりも大きい、請求項1に記載の歯車ユニット。
【請求項3】
前記第4の歯車を回転自在に支える支持部を有し、
前記第4の歯車の回転軸方向において、前記支持部端面位置と、前記第4の歯車の端面位置とは略同一である、請求項1又は2に記載の歯車ユニット。
【請求項4】
前記第4の歯車は、複数の歯車を含む歯車群と噛合い、
前記第4の歯車の周方向において、前記歯車群のうちの2つの歯車の間に、前記第2の歯車及び前記第3の歯車が配置された、請求項1又は2に記載の歯車ユニット。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の歯車ユニットと、
前記歯車ユニットからの入力を減速して出力する減速部と、を備える減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車ユニット、特に減速機に使用可能な歯車ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、駆動力を伝達する装置、例えば、モータからの入力を伝達するために減速機に設けられた歯車機構が知られている。
【0003】
このような歯車機構として、特許文献1には、内歯が形成された内歯部材と、該内歯部材との共軸関係を保ちながら該内歯部材に回転自在に保持された回転部材と、前記内歯と噛合う外歯が形成された外歯歯車と、モータからの回転を入力し前記外歯歯車を偏心揺動させるクランク軸とを有する減速機が開示されている。モータの駆動軸とクランク軸との間には歯車ユニットが設けられている。この歯車ユニットは、モータの駆動軸の回転をクランク軸まで伝達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4658088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような減速機では、歯車ユニットに含まれるギヤに掛かる負荷が高い。ギヤの耐久性を向上させるためにはギヤの歯幅を大きくすることが必要となる。しかしながら、ギヤの歯幅を大きくすると、減速機のサイズが歯幅の方向に厚くならざるを得ないという問題がある。
【0006】
本発明の目的の一つは、ギヤの歯幅を小さくすることが可能な歯車ユニットを提供することである。本発明のこれ以外の目的は、明細書全体の記載を通じて明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る歯車ユニットは、駆動源に接続される第1の歯車と、第1の歯車と噛合う第2の歯車と、第1の歯車と噛合う第3の歯車と、第2の歯車及び第3の歯車と噛合う第4の歯車と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る歯車ユニットにおいて、第4の歯車は、その中心部分に穴を備え、第4の歯車の径は、第2の歯車の径及び第3の歯車の径より大きくてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る歯車ユニットは、第4の歯車を回転自在に支える支持部を有し、第4の歯車の回転軸方向において、支持部の端面位置と、第4の歯車の端面位置とは略同一であってもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る歯車ユニットにおいて、第4の歯車は、複数の歯車を含む歯車群と噛合い、第4の歯車の周方向において、歯車群のうちのの2つの歯車の間に、第2の歯車及び第3の歯車が配置されてもよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る減速機は、上記の歯車ユニットと、歯車ユニットからの入力を減速して出力する減速部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、ギヤの歯幅を小さくすることが可能な歯車ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の歯車ユニットの概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る歯車ユニットを含む減速機の概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る歯車ユニットを含む偏心揺動減速機を示す断面図である。
図4図3のA-A線に沿った断面を概略的に示す図である。
図5】従来の歯車ユニットの概略図である。
図6】従来の歯車ユニットを含む減速機の概略断面図である。
図7】本発明の他の実施形態の歯車ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1及び図2を参照して本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100の概略図である。図2は、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100を含む減速機の概略断面図である。図示の歯車ユニット100は、モータ等の駆動源(不図示)に接続される第1の歯車(インプットギヤ)1と、該第1の歯車1と噛合う第2の歯車(アイドラーギヤ)2と、第1の歯車1と噛合う第3の歯車(アイドラーギヤ)3と、第2の歯車2及び該第3の歯車3と噛合う第4の歯車(センターギヤ)4と、を備える。
【0016】
また、図示の歯車ユニット100の第4の歯車(センターギヤ)4の径は、第2の歯車2の径及び第3の歯車3の径よりも大きく構成されている。第4の歯車4の中心部分には、円形状の穴9が形成されている。穴9は、第4の歯車4の回転軸方向に沿って延びている。図示の実施形態では、穴9は、第4の歯車4を回転軸方向に貫通する貫通穴である。また、歯車ユニット100は、第4の歯車4を回転自在に支える支持部10(図2参照)を有している。支持部10は、例えば、第4の歯車4に設けられた穴9に嵌合する円柱状の部材である。支持部10は、例えばベアリング12等を介して、キャリア11に対して回転可能に取り付けられている。第4の歯車4の回転軸方向において、支持部10の外側の端面位置と、第4の歯車4の外側の端面位置とは略同一である。
【0017】
歯車ユニット100は、複数の歯車を含む歯車群10を更に有する。図示の実施形態では、歯車群10は、第5の歯車(スパーギヤ)5、第6の歯車(スパーギヤ)6、及び第7の歯車(スパーギヤ)7の3つの歯車を含む。歯車群10に含まれる歯車の数は特に限定されない。図示の歯車ユニット100の第4の歯車4は、歯車群10の第5の歯車(スパーギヤ)5、第6の歯車(スパーギヤ)6、及び第7の歯車(スパーギヤ)7とそれぞれ噛合っている。第4の歯車4の周方向において、第2の歯車2及び第3の歯車3は、歯車群10に含まれる2つの歯車の間に配置されている。図示の実施形態では、歯車群10の第5の歯車(スパーギヤ)5と、第6の歯車(スパーギヤ)6との間に、第2の歯車2及び第3の歯車3が配置されている。このような構成により、駆動源に接続された第1の歯車(インプットギヤ)1からのトルクは、第2の歯車2及び第3の歯車3を介して第4の歯車4に伝達され、第4の歯車4から歯車群10の各歯車(第5の歯車5、第6の歯車6、及び第7の歯車7)に分散される。第1の歯車1からの動力は、第2の歯車2と第3の歯車3とに分散されて第4の歯車4に伝達されるので、第4の歯車4の1箇所に負荷が集中すること抑制できる。したがって、歯車ユニット100に含まれる歯車の歯幅を小さくすることができる。
【0018】
なお、図示の歯車ユニット100において、第2の歯車2と、第3の歯車3とが同一平面上に配置されるよう構成してもよい。また、図示の歯車ユニット100において、第2の歯車2と第3の歯車3は、第1の歯車1と第4の歯車4の中心を結ぶ線を基準にして対称となるよう配置されるよう構成してもよい。また、第2の歯車2と第3の歯車3とは、同一形状・寸法としてもよい。
【0019】
次に、図3及び図4を参照して、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100を含んで構成された偏心揺動減速機110の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100を含む偏心揺動減速機を示す断面図である。図4は、図3のA-A線に沿った断面を概略的に示す図である。
【0020】
図3及び図4に示されるように、偏心揺動減速機110は、駆動源からのトルクを伝達する歯車ユニット100と、歯車ユニット100からの入力を減速して出力する減速部200と、を備えている。駆動源が生成したトルクは、歯車ユニット100の第1の歯車(インプットギヤ)から入力され、第2の歯車(アイドラーギヤ)及び第3の歯車(アイドラーギヤ)を介して第4の歯車(センターギヤ)220に伝達される。そして、第4の歯車(センターギヤ)220に伝達されたトルクは、当該第4の歯車220と噛合うスパーギヤ810を含む歯車群に含まれるに伝達される。この結果、駆動源(モータ)が生成したトルクは、減速部へ伝達される。なお、スパーギヤ810として、他の種類の歯車部品が用いられてもよい。本実施形態の原理は、スパーギヤ810として用いられる特定の種類の歯車部品に限定されない。
【0021】
減速部200は、外筒500と、キャリア600と、歯車部700と、3つの駆動機構800(図3では、3つの駆動機構800のうちの1つが示されている)と、2つの主軸受900と、を備える。
【0022】
外筒500は、略円筒状のケース510と、複数の内歯ピン520と、を含む。ケース510は、キャリア600、歯車部700及び駆動機構800が収容される円筒状の内部空間を規定する。ケース510の内側には、複数の内歯ピン520が設けられている。内歯ピン520のそれぞれは、回転中心軸RCXの延出方向に延びる円柱状の部材である。内歯ピン520のおそれぞれは、その半周面がケース510の内壁から回転中心軸RCXに向けて突出するように、ケース510の内壁に形成された溝部に嵌入される。複数の内歯ピン520は、ケース510の内周面に沿って略一定間隔で環状に並べられ、内歯環を形成する。すなわち、本実施形態において、後述する歯車部700の第1揺動歯車710及び第2揺動歯車720と噛合う内歯は、複数の内歯ピン520によって構成される。
【0023】
キャリア600は、基部610と、第2キャリア部材620と、を含む。基部610は、第2キャリア部材620と減速機用アーム6との間に配置される。キャリア600は、全体的に、円筒状である。キャリア600は、外筒500に対して相対回転可能に設けられている。図示の実施形態では、キャリア600は、外筒500内で回転中心軸RCX周りに回転する。
【0024】
基部610は、第1キャリア部材611(図3を参照)と、3つのシャフト部612(図4を参照)と、を含む。3つのシャフト部612のそれぞれは、第1キャリア部材611から第2キャリア部材620に向けて延びる。第2キャリア部材620は、3つのシャフト部612それぞれの先端面に接続される。3つのシャフト部612のそれぞれは、第1キャリア部材611と第2キャリア部材620との間に配置された歯車部700を貫通し、第2キャリア部材620に接続される。第2キャリア部材620は、リーマボルト、位置決めピンや他の態様によって、3つのシャフト部612それぞれの先端面に接続されてもよい。
【0025】
歯車部700は、第1揺動歯車710と、第2揺動歯車720と、を含む。第1揺動歯車710は、第1キャリア部材611と第2揺動歯車720との間に配置される。第2揺動歯車720は、第2キャリア部材620と第1揺動歯車710との間に配置される。第1揺動歯車710及び第2揺動歯車720の複数の外歯の一部は、複数の内歯ピン520によって形成された内歯環と噛み合う。
【0026】
駆動機構800は、クランク軸820と、2つのジャーナル軸受830と、2つのクランク軸受840と、を含む。クランク軸820は、第1ジャーナル821と、第2ジャーナル822と、第1偏心部823と、第2偏心部824と、を含む。第1ジャーナル821は、キャリア600の第1キャリア部材611によって取り囲まれる。第2ジャーナル822は、キャリア600の第2キャリア部材620によって取り囲まれる。2つのジャーナル軸受830のうちの一方は、第1ジャーナル821と第1キャリア部材611との間に配置される。2つのジャーナル軸受830のうちの他方は、第2ジャーナル822と第2キャリア部材620との間に配置される。
【0027】
スパーギヤ810は、第2ジャーナル822に取り付けられており、スパーギヤ810が回転するとクランク軸820も回転する。これにより、第1偏心部823及び第2偏心部824は、偏心回転する。この間、クランク軸受840を介して第1偏心部823に接続された第1揺動歯車710は、複数の内歯ピン520と噛み合いながら、外筒500内で周回移動することができる。同様に、クランク軸受840を介して第2偏心部824に接続された第2揺動歯車720は、複数の内歯ピン520と噛み合いながら、外筒500内で周回移動することができる。この結果、第1揺動歯車710及び第2揺動歯車720のそれぞれは、外筒500内で、揺動回転を行うことができる。
【0028】
この揺動回転の間、回転中心軸RCXに沿った方向から見て、第1揺動歯車710の中心軸CX1、及び第2揺動歯車720の中心軸CX2のそれぞれは、キャリア600の回転中心軸RCX周りを周回する。中心軸CX1,CX2は、キャリア600の回転中心軸RCXと略平行に延びる軸である。第2揺動歯車720の中心軸CX2と、第1揺動歯車710の中心軸CX1とは、互いに異なる位相でキャリア600の回転中心軸RCX周りを周回してもよいし、略同一の位相でキャリア600の回転中心軸RCX周りを周回してもよい。また、第1揺動歯車710及び第2揺動歯車720は、キャリア600の3つのシャフト部612に接触し、キャリア600を回転中心軸RCX周りに回転させる。したがって、第1揺動歯車710及び第2揺動歯車720は、内歯ピン520に噛み合いながら、ケース510内を周回移動する。
【0029】
図示の偏心揺動減速機110における減速比は、スパーギヤ810と第4の歯車(センターギヤ)220とによって決定される第1減速比、及び、内歯環と歯車部700とによって決定される第2減速比によって定められる。図示の実施形態において、第1減速比は、第2減速比より小さくてもよい。
【0030】
次に、図5及び図6に示される従来の歯車ユニット100´と比較しながら、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100の効果について説明する。図5及び図6に示されるように、従来の歯車ユニット100´では、駆動源(モータ)からの入力をインプットギヤ1´が受け、当該インプットギヤ1´からアイドラーギヤ2´を介して、センターギヤ3´にトルクが伝達される。そして、センターギヤ3´からスパーギヤ4´、5´、6´を介して、駆動源からの入力が減速機120´に伝達される。しかしながら、歯車ユニット100´の構成においては、インプットギヤ1´からの入力は、アイドラーギヤ2´のみを介してセンターギヤ3´に伝達されるため、インプットギヤ1´とアイドラーギア2´とが噛合う位置、及び、アイドラーギア2´とセンターギヤ3´とが噛合う位置において負荷が集中する。このため、耐久性の観点から歯車ユニット100´に含まれる歯車の歯幅を大きくする必要があり、その結果、歯幅の方向における減速機120´のサイズの小型化が困難となる。
【0031】
これに対し、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100は、第1の歯車(インプットギヤ)1と、該第1の歯車1と噛合う第2の歯車(アイドラーギヤ)2と、第1の歯車1と噛合う第3の歯車(アイドラーギヤ)3と、第2の歯車2及び該第3の歯車3と噛合う第4の歯車(センターギヤ)4と、を備える。すなわち、本発明の一実施形態に係る歯車ユニット100では、第1の歯車(インプットギヤ)1からのトルクは、第2の歯車2及び第3の歯車3を介して第4の歯車4に伝達される。第1の歯車1からの動力は、第2の歯車2と第3の歯車3とに分散されて第4の歯車4に伝達されるので、第4の歯車4の1箇所に負荷が集中することを抑制できる。したがって、歯車ユニット100に含まれる歯車の歯幅を小さくすることができる。また、歯幅の方向における減速機120のサイズの小型化を図ることが可能である。
【0032】
次に、図7を参照して、本発明の他の実施形態に係る歯車ユニット100Aについて説明する。図7に示されるように、本発明の他の実施形態に係る歯車ユニット100Aは、歯車ユニット100と同様に、駆動源(モータ)に接続される第1の歯車(インプットギヤ)1Aと、該第1の歯車1Aと噛合う第2の歯車(アイドラーギヤ)2Aと、第4の歯車(センターギヤ)4Aと、歯車群10Aとを備えている。歯車群10Aは、第5の歯車(スパーギヤ)5Aと、第6の歯車(スパーギヤ)6Aと、第7の歯車(スパーギヤ)7Aと、を含む。本発明の他の実施形態に係る歯車ユニット100Aは、第3の歯車を有しておらず、第1の歯車(インプットギヤ)1Aが第2の歯車(アイドラーギヤ)2A及び第7の歯車(スパーギヤ)7Aと噛合っている点で、歯車ユニット100と相違している。すなわち、歯車ユニット100Aにおける第7の歯車7Aは、歯車ユニット100における第3の歯車3及び第7の歯車7の機能を兼ねた歯車に相当する。
【0033】
歯車ユニット100Aにおいても、第1の歯車1からの動力は、第2の歯車2と第7の歯車7とに分散されて第4の歯車4に伝達されるので、第4の歯車4の1箇所に負荷が集中することを抑制できる。したがって、歯車ユニット100Aに含まれる歯車の歯幅を小さくすることができる。また、歯幅の方向における減速機のサイズの小型化を図ることが可能である。
【0034】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。上述の様々な実施形態は、上記に説明したものに限定されず、減速機を含む様々な伝達装置に適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明された伝達装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 第1の歯車
2,810 第2の歯車
3 第3の歯車
4,220 第4の歯車
5 第5の歯車
6 第6の歯車
7 第7の歯車
9 穴
10 歯車群
100,100A 歯車ユニット
110,120 減速機
200 減速部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-11-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯車ユニットと、前記歯車ユニットからの入力を減速して出力する減速部と、キャリアと、を備える減速機であって、
前記歯車ユニットは、
駆動源に接続される第1の歯車と、
前記第1の歯車と噛合う第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛合う第3の歯車と、
前記第2の歯車及び前記第3の歯車と噛合う第4の歯車と、
前記第4の歯車と噛合う第5の歯車と、
を備え、
前記減速部は、前記キャリアに支持され、前記第5の歯車に取り付けられているクランク軸を備え、
前記キャリアは、第1キャリア部材と、前記キャリアの回転軸方向において前記第1キャリア部材と対向している第2キャリア部材と、を有し、
前記第2キャリア部材は、前記第1キャリア部材と対向する第1端面と、前記回転軸方向において前記第1端面と反対側にある第2端面と、を有し、
前記第5の歯車は、前記第2キャリア部材の前記第2端面に配置されている、
ことを特徴とする減速機。
【請求項2】
前記第4の歯車は、その中心部分に穴を備え、
前記第4の歯車の径は、前記第2の歯車の径及び前記第3の歯車の径よりも大きい、請求項1に記載の減速機。
【請求項3】
前記第4の歯車を回転自在に支える支持部を有し、
前記第4の歯車の回転軸方向において、前記支持部端面位置と、前記第4の歯車の端面位置とは略同一である、請求項1又は2に記載の減速機。
【請求項4】
前記第4の歯車は、複数の歯車を含む歯車群と噛合い、
前記第4の歯車の周方向において、前記歯車群のうちの2つの歯車の間に、前記第2の歯車及び前記第3の歯車が配置された、請求項1又は2に記載の減速機。
【請求項5】
前記第2の歯車、前記第3の歯車、及び前記第4の歯車は、前記第2キャリア部材の前記第2端面に配置されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の減速機。