(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184690
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】通信ユニット、電動作業機および通信制御方法
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
B25F5/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190879
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2022153837の分割
【原出願日】2017-06-16
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】草川 卓也
(72)【発明者】
【氏名】福本 匡章
(57)【要約】
【課題】他の電動作業機を連動して作動させる際のユーザの使い勝手を向上させる。
【解決手段】電動作業機1に搭載されるように構成された通信ユニット30は、通信部31と、通信制御部32とを備える。通信部31は、無線により通信を行う。通信制御部32は、通信部31を介して情報の送信を行う。通信制御部32は、動作モードとして少なくとも1つの送信モードを有する。その少なくとも1つの送信モードには、電動作業機1における作業機要素の動作状態を示す動作情報を通信部31を介して周期的に送信する動作送信モードが含まれる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動作業機に搭載されるように構成された電動作業機用通信ユニットであって、
無線により通信を行うように構成された通信部と、
前記通信部を介して情報の送信を行うように構成された通信制御部であって、動作モードとして少なくとも1つの送信モードを有し、前記少なくとも1つの送信モードには、前記電動作業機における作業機要素の動作状態を示す動作情報を前記通信部を介して周期的に送信する動作送信モードが含まれる、通信制御部と、
を備える電動作業機用通信ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記少なくとも1つの送信モードは、前記動作送信モードを含む2つ以上の前記送信モードを含み、
さらに、操作入力を受け付けるように構成された操作部を備え、
前記通信制御部は、前記動作モードがいずれかの前記送信モードであるときに前記操作部により前記操作入力が受け付けられた場合、その操作入力に基づいて前記動作モードを現在の前記送信モードとは別の前記送信モードに切り替えるように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記通信制御部は、前記送信モード毎に異なる情報を前記通信部を介して周期的に送信するように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
さらに、
表示部と、
前記通信制御部の前記動作モードがいずれかの前記送信モードである場合に、現在の前記送信モードが前記動作送信モードか否かを識別可能な送信モード識別情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備える電動作業機用通信ユニット。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
少なくとも2種類の送信周期が、それぞれ、いずれか1つ以上の前記送信モードにおける前記情報を周期的に送信する際の送信周期として設定されている、電動作業機用通信ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記動作送信モードには、前記少なくとも2種類の送信周期のうち最も短い送信周期が設定されている、電動作業機用通信ユニット。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
当該電動作業機用通信ユニットとは別の電動作業機用通信ユニットを別ユニットとして、
前記少なくとも1つの送信モードは、登録送信モードを含み、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記登録送信モードである場合、当該電動作業機用通信ユニットを示す特定の自ユニット情報を前記別ユニットに登録させるための登録情報を前記通信部を介して周期的に送信するように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記少なくとも1つの送信モードは、解除送信モードを含み、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記解除送信モードである場合、前記自ユニット情報が登録されている前記別ユニットにおける前記自ユニット情報の登録を解除させるための解除情報を、前記通信部を介して周期的に送信するように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
当該電動作業機用通信ユニットとは別の電動作業機用通信ユニットを別ユニット、前記別ユニットが搭載される電動作業機を別機器として、
前記通信制御部は、前記通信部を介して情報の受信を行うように構成され、前記動作モードとして少なくとも1つの受信モードを有し、前記少なくとも1つの受信モードには、前記別ユニットから送信される、その別ユニットが搭載された前記別機器における作業機要素の動作状態を示す外部動作情報が、前記通信部を介して受信されたか否かを周期的に監視し、前記外部動作情報が受信された場合、その受信された外部動作情報を出力する動作受信モードが含まれる、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記少なくとも1つの受信モードは、待機受信モードを含み、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記待機受信モードである場合、前記通信部を介して受信される情報を周期的に監視し、前記通信部を介して前記外部動作情報が受信された場合に、前記動作モードを前記動作受信モードに切り替えるように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記動作受信モードにおける前記周期的に監視する際の監視周期は、前記待機受信モードにおける前記周期的に監視する際の監視周期よりも短い周期に設定されている、電動作業機用通信ユニット。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記少なくとも1つの受信モードは、登録受信モードを含み、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記登録受信モードである場合、前記通信部を介して前記別ユニットを示す特定の別ユニット情報が受信された場合は、その受信された別ユニット情報を登録するように構成されており、
前記別ユニットは、前記外部動作情報を送信する際、前記別ユニット情報も送信するように構成されており、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記待機受信モードであるときに前記通信部を介して前記外部動作情報及び前記別ユニット情報が受信された場合、その受信された別ユニット情報が前記登録されている場合に、前記動作モードを前記動作受信モードに切り替えるように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
前記少なくとも1つの受信モードは、解除受信モードを含み、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記解除受信モードである場合、前記通信部を介して特定の解除情報が受信された場合は、前記別ユニット情報の登録を解除させるように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項14】
請求項9~請求項13のいずれか1項に記載の電動作業機用通信ユニットであって、
さらに、
表示部と、
表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記動作モードが前記動作受信モードであるときに前記通信部を介して前記外部動作情報が受信された場合、その受信された外部動作情報に基づき、前記別機器における作業機要素が動作中であるか否かを識別可能な外部動作識別情報を前記表示部に表示させるように構成されている、
電動作業機用通信ユニット。
【請求項15】
電動作業機であって、
作業機要素を駆動する駆動部と、
無線により通信を行うように構成された通信部と、
前記通信部を介して情報の送信を行うように構成された通信制御部であって、動作モードとして少なくとも1つの送信モードを有し、前記少なくとも1つの送信モードには、前記作業機要素の動作状態を示す動作情報を前記通信部を介して周期的に送信する動作送信モードが含まれる、通信制御部と、
を備える電動作業機。
【請求項16】
電動作業機であって、
作業機要素を駆動する駆動部と、
無線により通信を行うように構成された通信部と、
前記通信部を介して情報の受信を行うように構成された通信制御部であって、動作モードとして少なくとも1つの受信モードを有し、前記少なくとも1つの受信モードには、当該電動作業機とは別の電動作業機から送信される、その別の電動作業機における作業機要素の動作状態を示す外部動作情報が、前記通信部を介して受信されたか否かを周期的に監視し、前記外部動作情報が受信された場合、その受信された外部動作情報を出力する動作受信モードが含まれる、通信制御部と、
前記通信制御部から前記外部動作情報が出力された場合、その出力された外部動作情報が、前記別の機器における作業機要素が動作中であることを示している場合に、前記駆動部に対して前記当該電動作業機の前記作業機要素を駆動させるように構成された駆動制御部と、
を備える電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動作業機における無線通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、工作機械と集塵装置の双方に通信手段を設け、各通信手段の通信を利用して、工作機械と集塵装置とを連動して動作させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2628431号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なる電動作業機同士で通信手段を用いて通信を行う場合、一般に、特定の相手のみと一対一で通信を行う。つまり、連動させたい特定の相手を指定してその特定の相手と通信を行うことによりその特定の相手を連動させることが一般的である。
【0005】
しかし、そのような特定の相手のみとの連動は、ユーザにとって必ずしも使い勝手が良いとは言えない。例えば、ある電動作業機の作動時に、他の2つ以上の電動作業機を連動させたい場合も生じ得る。
【0006】
本開示の1つの局面は、他の電動作業機を連動して作動させる際のユーザの使い勝手を向上させることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの局面における電動作業機用通信ユニット(以下、「通信ユニット」と略称する)は、電動作業機に搭載されるように構成され、通信部と、通信制御部とを備える。通信部は、無線により通信を行うように構成されている。通信制御部は、通信部を介して情報の送信を行うように構成され、動作モードとして、少なくとも1つの送信モードを有する。その少なくとも1つの送信モードには、動作送信モードが含まれる。動作送信モードは、電動作業機における作業機要素の動作状態を示す動作情報を通信部を介して周期的に送信する動作モードである。
【0008】
このような構成によれば、動作モードが動作送信モードに設定されている場合、動作情報が周期的に送信される。これにより、動作情報を受信可能に構成された他の少なくとも1つの電動作業機は、周期的に受信される動作情報に応じて容易に送信元の電動作業機と連動して作動することができる。そのため、他の電動作業機を連動して作動させる際のユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0009】
前記少なくとも1つの送信モードは、動作送信モードを含む2つ以上の送信モードを含んでいてもよい。この場合、さらに、操作入力を受け付けるように構成された操作部を備え、通信制御部は、動作モードがいずれかの送信モードであるときに操作部により操作入力が受け付けられた場合、その操作入力に基づいて動作モードを現在の送信モードとは別の送信モードに切り替えるように構成されていてもよい。このような構成によれば、ユーザは、送信モードを容易に切り替えることができる。
【0010】
通信制御部は、送信モード毎に異なる情報を通信部を介して周期的に送信するように構成されていてもよい。このような構成によれば、送信モード毎に情報を適宜割り当てておくことで、送信モードに応じて種々の情報を送信することができる。また、例えば、動作送信モードとは別に、動作情報を送信しない送信モードを備えるようにすることで、他の電動作業機に動作情報を送信させないようにすることもできる。つまり、他の電動作業機を連動させるか連動させないかを容易に選択することができる。
【0011】
通信ユニットは、さらに、表示部と、表示制御部とを備えていてもよい。表示制御部は、通信制御部の動作モードがいずれかの送信モードである場合に、現在の送信モードが動作送信モードか否かを識別可能な送信モード識別情報を表示部に表示させる。
【0012】
このような構成によれば、動作モードが何れかの送信モードに設定されている場合に、ユーザは、動作送信モードであるか否か、即ち動作情報が送信されるモードであるか否かを容易に認識することができる。
【0013】
また、少なくとも2種類の送信周期が、それぞれ、いずれか1つ以上の送信モードにおける情報を周期的に送信する際の送信周期として設定されていてもよい。このような構成によれば、送信モードに応じて送信周期を適切に設定でき、送信モードにおける消費電力を低減可能となる。
【0014】
そして、動作送信モードに対しては、上記少なくとも2種類の送信周期のうち最も短い送信周期が設定されていてもよい。動作送信モードに対して最も短い送信周期が設定されることで、動作情報の変化を迅速に周囲に伝えることができる。
【0015】
ここで、当該電動作業機用通信ユニットとは別の電動作業機用通信ユニットを、別ユニットとする。このとき、当該通信ユニットは、次のように構成されていてもよい。即ち、上記少なくとも1つの送信モードは、登録送信モードを含んでいてもよい。そして、通信制御部は、動作モードが登録送信モードである場合、電動作業機用通信ユニットを示す特定の自ユニット情報を別ユニットに登録させるための登録情報を通信部を介して周期的に送信するように構成されていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、動作モードを登録送信モードに設定することで、自ユニット情報を別ユニットに登録させることができる。これにより、例えば、動作情報送信時に自ユニット情報を合わせて送信することで、自ユニット情報が登録されている別ユニットに対してのみ動作情報を有効化させるようにすることが可能となる。
【0017】
また、上記少なくとも1つの送信モードは、解除送信モードを含んでいてもよい。そして、通信制御部は、動作モードが解除送信モードである場合、自ユニット情報が登録されている別ユニットにおける自ユニット情報の登録を解除させるための解除情報を、通信部を介して周期的に送信するように構成されていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、動作モードを解除送信モードに設定することで、自ユニット情報が登録されている別ユニットからその自ユニット情報の登録を解除させることができる。
【0019】
ここで、当該電動作業機用通信ユニットとは別の電動作業機用通信ユニットを別ユニットとし、この別ユニットが搭載される電動作業機を別機器とする。このとき、当該通信ユニットは、次のように構成されていてもよい。即ち、通信制御部は、通信部を介して情報の受信を行うように構成され、動作モードとして少なくとも1つの受信モードを有していてもよい。そして、その少なくとも1つの受信モードには、動作受信モードが含まれていてもよい。動作受信モードは、別ユニットから送信される、その別ユニットが搭載された別機器における作業機要素の動作状態を示す外部動作情報が、通信部を介して受信されたか否かを周期的に監視し、外部動作情報が受信された場合、その受信された外部動作情報を出力する受信モードである。
【0020】
このような構成によれば、動作モードとして、上記の送信モードに加えて、受信モードも備えている。そして、動作モードを動作受信モードに設定することで、別ユニットから受信した外部動作情報を出力することができる。これにより、例えば、当該通信ユニットが搭載されている電動作業機に対して外部動作情報を出力して、その外部動作情報に基づいて電動作業機を連動動作させることができる。
【0021】
上記少なくとも1つの受信モードは、待機受信モードを含んでいてもよい。そして、通信制御部は、動作モードが待機受信モードである場合、通信部を介して受信される情報を周期的に監視し、通信部を介して外部動作情報が受信された場合に、動作モードを動作受信モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、通常は待機受信モードで動作させ、外部動作情報が受信される場合に動作受信モードで動作させることができる。つまり、外部動作情報が受信されるか否かに応じた適切な受信モードで動作させることができる。
【0023】
動作受信モードにおける周期的に監視する際の監視周期は、待機受信モードにおける周期的に監視する際の監視周期よりも短い周期に設定されていてもよい。このような構成によれば、外部から受信される動作情報の変化を迅速に把握することができる。
【0024】
また、上記少なくとも1つの受信モードは、登録受信モードを含んでいてもよい。そして、通信制御部は、動作モードが登録受信モードである場合、通信部を介して別ユニットを示す特定の別ユニット情報が受信された場合は、その受信された別ユニット情報を登録するように構成されていてもよい。さらに、別ユニットは、外部動作情報を送信する際に別ユニット情報も送信するように構成されていてもよく、通信制御部は、動作モードが待機受信モードであるときに通信部を介して外部動作情報及び別ユニット情報が受信された場合、その受信された別ユニット情報が登録されている場合に、動作モードを動作受信モードに切り替えるようにしてもよい。
【0025】
このような構成によれば、別ユニット情報を容易に登録することができる。そして、その登録した別ユニット情報に対応した外部動作情報が受信された場合に、その外部動作情報を有効に処理することができる。
【0026】
また、上記少なくとも1つの受信モードは、解除受信モードを含んでいてもよい。そして、通信制御部は、動作モードが解除受信モードである場合、通信部を介して特定の解除情報が受信された場合は、別ユニット情報の登録を解除させるように構成されていてもよい。このような構成によれば、登録されている別ユニット情報を容易に登録解除することができる。つまり、必要に応じて適宜別ユニット情報の登録及び解除を行うことができる。
【0027】
受信モードを備えた通信ユニットは、さらに、表示部と、表示制御部とを備えていてもよい。表示制御部は、動作モードが動作受信モードであるときに通信部を介して外部動作情報が受信された場合、その受信された外部動作情報に基づき、別機器における作業機要素が動作中であるか否かを識別可能な外部動作識別情報を表示部に表示させるように構成されていてもよい。このような構成によれば、ユーザは、別機器の作動状態を容易に認識することができる。
【0028】
本開示の他の局面は、電動作業機であって、作業機要素を駆動する駆動部と、無線により通信を行うように構成された通信部と、通信制御部とを備える。通信制御部は、通信部を介して情報の送信を行うように構成されており、動作モードとして少なくとも1つの送信モードを有する。その少なくとも1つの送信モードには、作業機要素の動作状態を示す動作情報を通信部を介して周期的に送信する動作送信モードが含まれる。
【0029】
このような構成によれば、動作モードが動作送信モードに設定されている場合、動作情報が周期的に送信される。これにより、動作情報を受信可能に構成された他の少なくとも1つの電動作業機は、周期的に受信される動作情報に応じて容易に当該電動作業機と連動して作動することができる。そのため、他の電動作業機を連動して作動させる際のユーザの使い勝手を向上させることができる。
【0030】
本開示のさらに他の局面は、電動作業機であって、作業機要素を駆動する駆動部と、無線により通信を行うように構成された通信部と、通信制御部と、駆動制御部とを備える。通信制御部は、通信部を介して情報の受信を行うように構成されており、動作モードとして少なくとも1つの受信モードを有する。その少なくとも1つの受信モードには、当該電動作業機とは別の電動作業機から送信される、その別の電動作業機における作業機要素の動作状態を示す外部動作情報が、通信部を介して受信されたか否かを周期的に監視し、外部動作情報が受信された場合、その受信された外部動作情報を出力する動作受信モードが含まれる。駆動制御部は、通信制御部から外部動作情報が出力された場合、その出力された外部動作情報が、別の機器における作業機要素が動作中であることを示している場合に、駆動部に対して当該電動作業機の作業機要素を駆動させるように構成されている。
【0031】
このような構成によれば、動作モードを動作受信モードに設定することで、別の電動作業機から受信した外部動作情報に基づいて作業機要素を駆動させることができる。そのため、他の電動作業機を連動して作動させる際のユーザの使い勝手を向上させることができる。
本開示のさらに他の局面は、作業機本体に着脱可能に構成されたバッテリパックである。作業機本体はモータを備える。モータは、バッテリパックから供給される電力により駆動される。バッテリパックは、作業機本体へ電力を供給するように構成されたバッテリと、第1の通信ユニットとを備える。第1の通信ユニットは、通信部と、通信制御部とを備える。通信部は、第1通知または第2通知が入力される。通信部は、入力された第1通知または第2通知を無線送信する。
通信制御部は、第1モード及び第2モードのいずれかに選択的に設定される。第1モードに設定された通信制御部は、第1周期で、通信部を介して、所定の第1の情報を含む第1通知を送信する。第2モードに設定された通信制御部は、第2周期で、通信部を介して、第1の情報とは異なる所定の第2の情報を含み且つ第1の情報を含まない第2通知を送信する。第2周期は第1周期とは異なる。
本開示のさらに他の局面は、上記のバッテリパックと作業機本体とを備える電動作業機である。
本開示のさらに他の局面は、モータと第1の通信ユニットとを備える電動作業機である。第1の通信ユニットは、通信部と、通信制御部とを備える。通信部は、第1通知または第2通知が入力され、入力された第1通知または第2通知を無線送信する。通信制御部は、第1モードまたは第2モードのいずれかに選択的に設定される。第1モードに設定された通信制御部は、第1周期で、通信部を介して、所定の第1の情報を含む第1通知を送信する。第2モードに設定された通信制御部は、第2周期で、通信部を介して、第2通知を送信する。第2通知は、第1の情報とは異なる所定の第2の情報を含み且つ第1の情報を含まない。第2周期は、第1周期とは異なる。
本開示のさらに他の局面は、通信ユニットから通知を無線送信する通知送信方法である。通信ユニットは、モータを備えた電動作業機に設けられていてもよい。あるいは、通信ユニットは、バッテリを含むバッテリパックに設けられていてもよい。この場合、通信ユニットは、バッテリの電力により動作し、バッテリパックは作業機本体に着脱可能に構成されており、作業機本体はモータを備え、モータはバッテリの電力により駆動されるように構成されていてもよい。
そして、当該通知送信方法は、
通信ユニットを第1モードに設定することと、
通信ユニットが第1モードに設定されることに応じて、通信ユニットから、第1周期で、所定の第1の情報を含む第1通知を無線送信することと、
通信ユニットを第2モードに設定することと、
通信ユニットが第2モードに設定されることに応じて、通信ユニットから、第2周期で、第1の情報とは異なる所定の第2の情報を含み且つ第1の情報を含まない第2通知を無線送信することと、
を備え、前記第2周期は、前記第1周期とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】電動工具及び通信ユニットの電気的構成を示す説明図である。
【
図3】集塵機及び通信ユニットの電気的構成を示す説明図である。
【
図4】表示部の構成及び表示パターンを示す説明図である。
【
図5】送信主体ユニットとしての作動時における動作例を示す説明図である。
【
図6】サーチ主体ユニットとしての作動時における動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)通信システムの概要
図1に示す通信システムは、2つの電動作業機1、50と、モバイル機器100とを備える。2つの電動作業機1、50のうちの一方の電動作業機1は、本実施形態では、電動工具である。以下の説明では、電動作業機1を電動工具1と称する。2つの電動作業機1、50のうちの他方の電動作業機50は、本実施形態では、集塵機である。以下の説明では、電動作業機50を集塵機50と称する。
【0034】
電動工具1は、例えば、被加工部材の切断を主目的として使用され、作業機要素として円形のノコ刃を備えたマルノコである。勿論、電動工具1がマルノコであることは一例にすぎず、他の電動工具、延いては他の電動作業機であってもよい。
【0035】
集塵機50は、作業機要素として例えば吸気用のファンを備え、当該ファンが作動することにより周囲の塵や埃などが吸引されるように構成されている。本実施形態では、集塵機50は、電動工具1の動作時に発生する粉塵や切削屑などを集塵機50に吸引させることができる。
【0036】
電動工具1は、通信ユニット30を着脱可能に構成されている。集塵機50も、通信ユニット30を着脱可能に構成されている。
図1は、電動工具1及び集塵機50のそれぞれに通信ユニット30が装着されている状態を示している。なお、以下の説明では、電動工具1に装着される通信ユニット30のことを第1通信ユニット30と称し、集塵機50に装着される通信ユニット30のことを第2通信ユニット30と称することがある。第1通信ユニット30及び第2通信ユニット30は、それぞれ、無線によるデータの送信及び受信が可能である。
【0037】
第1通信ユニット30及び第2通信ユニット30は、互いに無線通信を行うことにより、集塵機50を電動工具1に連動して動作させることができる。即ち、電動工具1の動作中、電動工具1が動作中であることを示す情報を第1通信ユニット30から送信させ、その情報が第2通信ユニット30で受信されて集塵機50に伝達されることで、集塵機50を電動工具1に連動して動作させることができる。
【0038】
第1通信ユニット30及び第2通信ユニット30は、所定の通信方式にて無線通信を行うことが可能に構成されている。所定の通信方式は、本実施形態では例えばBluetooth Low Energy(以下、「BLE」と称する)の通信規格に従った通信方式である。なお、「Bluetooth」は登録商標である。
【0039】
モバイル機器100は、例えばスマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンなどの、無線通信可能な情報処理装置である。モバイル機器100も、前述の通信方式にて、第1通信ユニット30及び第2通信ユニット30と無線通信を行うことができる。
【0040】
(1-2)電動工具および通信ユニットの電気的構成
次に、電動工具1及び第1通信ユニット30の電気的構成について、
図2を用いて説明する。電動工具1は、工具本体10と、バッテリパック25とを備える。バッテリパック25は、工具本体10に着脱可能である。第1通信ユニット30も、前述の通り工具本体10に着脱可能である。
図2は、工具本体10にバッテリパック25及び第1通信ユニット30が装着された状態を示している。
【0041】
バッテリパック25は、繰り返し充電可能なバッテリ26を備える。本実施形態のバッテリ26は、例えばリチウムイオン二次電池である。ただし、バッテリ26はリチウムイオン二次電池以外の他の二次電池であってもよい。バッテリパック25は、図示しない充電器に装着することによって、バッテリ26を充電できるように構成されている。
【0042】
なお、バッテリ26は工具本体10に内蔵されていてもよい。また、電動工具1の電源がバッテリ26であること自体、あくまでも一例であり、電動工具1は、バッテリ26以外の他の電源から電力供給を受けて動作可能な構成であってもよい。例えば、商用電源等の交流電源のコンセントから電源コードを介して交流電力を取り込み、その交流電力によって電動工具1が動作する構成であってもよい。
【0043】
工具本体10は、モータ11と、コントローラ12と、電源部13と、トリガスイッチ14と、ロール判別部15と、コネクタ16とを備える。トリガスイッチ14は、トリガ形式の操作スイッチである。トリガスイッチ14は、ユーザ操作によりオン又はオフにされる。
【0044】
コネクタ16は、工具本体10に第1通信ユニット30が装着された場合に第1通信ユニット30のコネクタ36と接続される。コネクタ16は、電源端子16a、グランド端子16b、ロール判別端子16c及び動作信号端子16dを備える。
【0045】
電源端子16aは、電源部13における第1電源電圧Vc1の出力端子に接続される。グランド端子16bは、グランドラインに接続される。ロール判別端子16cは、ロール判別部15に接続される。動作信号端子16dは、コントローラ12に接続される。
【0046】
バッテリ26の電力(以下、「バッテリ電力」と称する)は、コントローラ12及び電源部13に入力される。電源部13は、バッテリ電力に基づき、バッテリ26の電圧よりも低い電源電圧を生成する。本実施形態では、電源部13は、第1電源電圧Vc1及び第2電源電圧Vc2を生成する。第1電源電圧Vc1は例えば5Vである。第2電源電圧Vc2は例えば3.3Vである。
【0047】
電源部13で生成された各電源電圧Vc1、Vc2は、工具本体10内の各部の動作用電源電力として利用される。また、第1電源電圧Vc1は、電源端子16aから外部へ供給可能に構成されている。
【0048】
コントローラ12は、CPU21及びメモリ22を含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ22は、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリを含む。メモリ22には、電動工具1の各種機能を実現するための各種プログラムやデータが記憶されている。電動工具1が有する各種機能は、CPU21がメモリ22に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。
【0049】
なお、コントローラ12により実現される各種機能は、前述のようなソフトウェア処理に限るものではなく、その一部又は全部の機能を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現してもよい。
【0050】
コントローラ12は、トリガスイッチ14がオンされると、トリガスイッチ14の操作状態に応じてバッテリ電力をモータ11へ供給することによりモータ11を駆動させる。モータ11が駆動されると、モータ11により作業機要素(例えばノコ刃)が回転し、作業機要素による作業が可能となる。コントローラ12は、トリガスイッチ14がオフされると、モータ11へのバッテリ電力の供給を停止することによりモータ11を停止させる。モータ11が停止されると、作業機要素の回転が停止する。
【0051】
なお、コントローラ12は、基本的には、トリガスイッチ14の操作状態に応じてモータ11を駆動又は停止させるが、トリガスイッチ14がオンされていてもモータ11を停止させる場合があってもよい。例えば、バッテリパック25が、バッテリ26からの放電中に特定の放電停止条件が成立した場合に工具本体10へ放電停止信号を出力するように構成されていてもよい。そして、工具本体10のコントローラ12は、バッテリパック25から放電停止信号が入力された場合は、トリガスイッチ14がオンされていてもモータ11を停止させるようにしてもよい。
【0052】
また、コントローラ12は、モータ11の動作状態を示す動作信号を動作信号端子16dへ出力する。具体的に、コントローラ12は、モータ11を駆動させている場合は、動作信号として、モータ11が駆動されていることを示す駆動中信号を動作信号端子16dへ出力する。コントローラ12は、モータ11を停止させている状態から駆動を開始させたときに駆動中信号を出力してもよいし、モータ11を駆動させている間、連続的又は離散的に駆動中信号を出力してもよい。
【0053】
コントローラ12は、モータ11の駆動を停止させた場合、動作信号として、モータ11が停止されたことを示す停止中信号を動作信号端子16dへ出力する。なお、モータ11を駆動させている間に連続的又は離散的に駆動中信号を出力するように構成されている場合は、その駆動中信号の出力を停止させることをもって停止中信号の出力として扱うようにしてもよい。また、モータ11を停止させている間、連続的又は離散的に特定の停止中信号を出力するように構成されていてもよい。
【0054】
ロール判別部15は、工具本体10に装着されている第1通信ユニット30に対し、当該第1通信ユニット30がどのように動作すべきかを判別するためのロール判別情報を出力する。工具本体10のロール判別部15は、本実施形態では、ロール判別情報として、第2電源電圧Vc2を、抵抗15aを介して出力する。第1通信ユニット30は、後述するように、ロール判別情報に基づいて、送信主体ユニット及びサーチ主体ユニットのうち何れか一方の作動形態にて作動する。
【0055】
第1通信ユニット30は、通信部31と、通信制御部32と、電源部33と、ボタン34と、表示部35と、コネクタ36とを備える。ボタン34は、ユーザによる操作入力を受け付ける。具体的に、ボタン34は、ユーザによる、第1通信ユニット30の動作モードを切り替えるための押し操作を受け付ける。
【0056】
コネクタ36は、第1通信ユニット30が工具本体10に装着された場合に工具本体10のコネクタ16と接続される。コネクタ36は、電源端子36a、グランド端子36b、ロール判別端子36c、動作信号端子36d、3つのシリアル通信端子36e、36f、36g、及び予備端子36hを備える。
【0057】
電源端子36aは、電源部33に接続される。グランド端子36bは、グランドラインに接続される。他の6つの端子36c、36d、36e、36f、36g、36hは、通信制御部32に接続される。
【0058】
第1通信ユニット30が工具本体10に装着されると、第1通信ユニット30の電源端子36aは工具本体10の電源端子16aに接続され、第1通信ユニット30のグランド端子36bは工具本体10のグランド端子16bに接続され、第1通信ユニット30のロール判別端子36cは工具本体10のロール判別端子16cに接続され、第1通信ユニットの動作信号端子36dは工具本体10の動作信号端子16dに接続される。
【0059】
第1通信ユニット30が工具本体10に装着されると、工具本体10で生成された第1電源電圧Vc1が、電源端子36aを介して第1通信ユニット30に入力される。第1通信ユニット30に入力された第1電源電圧Vc1は、少なくとも、電源部33及び表示部35に入力される。
【0060】
電源部33は、入力された第1電源電圧Vc1に基づき、所定電圧値の制御電圧Vdを生成する。制御電圧Vdは例えば3.3Vである。電源部33で生成された制御電圧Vdは、通信部31及び通信制御部32を少なくとも含む、第1通信ユニット30内の各部の動作用電源電力として用いられる。
【0061】
通信部31は、前述の通信規格(例えばBLE)に従った無線通信の電波を送受信する機能を有する。通信部31は、通信制御部32からの送信指示に従い、通信制御部32から入力された送信用の各種データを無線信号に変換して無線送信する。また、通信部31は、外部から受信した無線信号をデータに変換して通信制御部32へ出力する。
【0062】
通信制御部32は、CPU32a及びメモリ32bを含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ32bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリを含む。メモリ32bには、第1通信ユニット30の各種機能を実現するための各種プログラムやデータが記憶されている。第1通信ユニット30が有する各種機能は、CPU32aがメモリ32bに記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。ただし、通信制御部32により実現される各種機能は、ソフトウェア処理に限るものではなく、その一部又は全部の機能を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現してもよい。
【0063】
通信制御部32は、第1通信ユニット30が装着される機器に応じて、送信主体ユニット及びサーチ主体ユニットの何れか一方の作動形態にて作動するように構成されている。
送信主体ユニットとは、少なくとも1つの情報を含むデータである特定の通知を相手を特定せず一方的且つ周期的に送信すること、即ち特定の通知を無線にて定期ブロードキャストすること、を主な作動内容とする作動形態である。なお、本実施形態では特定の通知は複数種類ある。具体的に、特定の通知として、待機通知、連動通知、登録通知及び削除通知がある。これら特定の通知の周期的送信は、例えばBLEにおいては「アドバタイズ」又は「アドバタイジング」と呼ばれているものである。
【0064】
サーチ主体ユニットとは、送信主体ユニットとして作動している他の通信ユニット30から送信される特定の通知をサーチし、特定の通知が受信されたら、その受信された特定の通知に応じた処理を実行すること、を主な作動内容とする作動形態である。
【0065】
通信制御部32は、送信主体ユニット及びサーチ主体ユニットのどちらとして作動すべきかを、ロール判別端子36cから入力されるロール判別情報に基づいて決定する。通信制御部32は、ロール判別端子36cから入力されるロール判別情報が第2電源電圧Vc2である場合は送信主体ユニットとして作動し、ロール判別情報がグランドラインの電圧である場合はサーチ主体ユニットとして作動する。
【0066】
本実施形態の工具本体10は、ロール判別情報として第1電源電圧Vc2を出力するに構成されている。そのため、第1通信ユニット30が工具本体10に装着されている場合、通信制御部32は、送信主体ユニットとして作動する。
【0067】
通信制御部32は、送信主体ユニットとして作動する場合における動作モード(以下、「送信動作モード」と称する)として、待機送信モード、連動送信モード、登録送信モード及び削除送信モードを備える。通信制御部32は、送信主体ユニットとして作動する場合、これら4種類の送信動作モードのうちの何れかに設定され、その設定されている送信動作モードに応じて動作する。
【0068】
待機送信モードは、待機通知を周期的に無線送信(定期ブロードキャスト)する送信動作モードである。待機通知には、送信元の通信ユニット30を示す識別情報、及び待機通知であることを示す情報が含まれる。待機送信モードにおける、待機通知の送信周期Ttr1は、例えば100ms(「ms」はミリ秒)である。
【0069】
連動送信モードは、連動通知を周期的に無線送信(定期ブロードキャスト)する送信動作モードである。連動通知には、送信元の通信ユニット30を示す識別情報、連動通知であることを示す情報、及び、装着されている電動作業機における作業機要素の動作状態を示す機器動作情報が含まれる。連動送信モードにおける、連動通知の送信周期Ttr2は、例えば30msである。
【0070】
登録送信モードは、登録通知を周期的に送信(定期ブロードキャスト)する送信動作モードである。登録通知には、送信元の通信ユニット30を示す識別情報、及び登録通知であることを示す情報(本開示の登録情報の一例に相当)が含まれる。登録送信モードにおける、登録通知の送信周期Ttr3は、例えば100msである。
【0071】
削除送信モードは、削除通知を周期的に送信(定期ブロードキャスト)する送信動作モードである。削除通知には、送信元の通信ユニット30を示す識別情報、及び削除通知であることを示す情報(本開示の解除情報の一例に相当)が含まれる。削除送信モードにおける、削除通知の送信周期Ttr4は、例えば100msである。
【0072】
本実施形態では、連動送信モードにおける連動通知の送信周期Ttr2は、他の待機通知、登録通知及び削除通知の各送信周期Ttr1,Ttr3,Ttr4と比較して最も短い周期に設定されている。
【0073】
なお、例えば、異なる複数の通信ユニットが存在していてそれらがいずれも送信動作モードで動作している場合に、それら複数の通信ユニットによる定期ブロードキャストが同じ送信周期で行われると、受信側の通信ユニットにおいてそれら複数の通信ユニットからの送信データを正常に受信できなくなる可能性がある。具体的に、仮に、複数の通信ユニットからの送信タイミングが重なって、各通信ユニットからの送信データが衝突した場合、各通信ユニットの送信周期が同じであると、次の送信タイミングにおいても再び各通信ユニットからの送信データが衝突する可能性がある。
【0074】
そのため、上記のような複数の通信ユニットからの送信データが衝突するのを抑制するために、各送信周期Ttr1~Ttr4のうち少なくとも1つが、通信ユニットの個体毎に異なる値に設定されていてもよい。
【0075】
第1通信ユニット30には、動作信号端子36dから、装着されている電動作業機の動作信号が入力される。動作信号は、装着されている電動作業機の作業機要素が動作しているか否かを示す信号である。
【0076】
電動工具1の工具本体10は、動作信号として、前述の駆動中信号又は停止中信号を動作信号端子16dを介して出力するように構成されている。駆動中信号は、モータ11が駆動されてモータ11により作業機要素(例えばノコ刃)が回転していることを示す信号である。停止中信号は、モータ11が停止されて作業機要素(例えばノコ刃)も停止していることを示す信号である。
【0077】
第1通信ユニット30が工具本体10に装着されていて、且つ、動作モードが連動送信モードに設定されている場合、通信制御部32は、工具本体10から動作信号端子36dを介して入力される駆動中信号又は停止中信号に基づいて、機器動作情報を生成する。具体的に、駆動中信号が入力されている場合は、機器動作情報として駆動中情報を生成する。一方、停止中信号が入力されている場合は、機器動作情報として停止中情報を生成する。
【0078】
よって、第1通信ユニット30が工具本体10に装着されていて、動作モードが連動送信モードに設定されている場合は、駆動中情報及び停止中情報のいずれか一方を含む連動通知が周期的に送信される。
【0079】
そして、駆動中情報を含む連動通知が集塵機50の第2通信ユニット30で受信されると、後述するように、集塵機50が連動運転される。即ち、集塵機50のモータ51が駆動されて集塵機50の作業機要素が作動し、塵や切屑等の吸引が行われる。その後、停止中情報を含む連動通知が集塵機50の第2通信ユニット30で受信されたら、集塵機50の連動運転が停止される。即ち、集塵機50のモータ51が停止されて集塵機50の作業機要素が停止する。
【0080】
第1通信ユニット30が送信主体ユニットとして作動している場合、ユーザは、第1通信ユニット30のボタン34を押下することにより、送信動作モードを上記4種類のうちの何れかに切り替えることができる。つまり、ユーザは、第1通信ユニットのボタン34を押下することにより、周期的に送信させる特定の通知の内容を切り替えることができる。
【0081】
表示部35は、第1電源電圧Vc1を電源電力として動作し、第1通信ユニット30の動作状態を外部に報知するように構成されている。表示部35は、本実施形態では、
図4に示すように、第1LED35a、第2LED35b及び第3LED35cを備える。第1LED35aは、例えば緑色の光を発光する。第2LED35bは、例えば青色の光を発光する。第3LED35cは、例えば赤色の光を発光する。
【0082】
通信制御部32は、第1通信ユニット30の動作状態に応じて各LED35a~35cを制御する。具体的に、通信制御部32は、動作状態に応じて、各LED35a~35cを、少なくとも
図4に例示した7つの点灯パターンの何れかに制御することができる。なお、
図4に例示した点灯パターンは、本開示の送信モード識別情報の一例である。
【0083】
(1-3)集塵機の構成
次に、集塵機50の電気的構成について、
図3を用いて説明する。
図3は、集塵機50に第2通信ユニット30が装着された状態を示している。この第2通信ユニット30の構成は、
図2に示した、電動工具1に装着されている第1通信ユニット30と同じである。
【0084】
集塵機50は、モータ51と、コントローラ52と、電源部53と、ロール判別部55と、コネクタ56と、コンセント70とを備えている。
コネクタ56は、集塵機50に第2通信ユニット30が装着された場合に第2通信ユニット30のコネクタ36と接続される。コネクタ56は、電源端子56a、グランド端子56b、ロール判別端子56c及び動作信号端子56dを備える。
【0085】
電源端子56aは、電源部53における第1電源電圧Vc1の出力端子に接続される。グランド端子56bは、グランドラインに接続される。ロール判別端子56cは、ロール判別部55に接続される。動作信号端子56dは、コントローラ52に接続される。
【0086】
第2通信ユニット30が集塵機50に装着されると、第2通信ユニット30の電源端子36aは集塵機50の電源端子56aに接続され、第2通信ユニット30のグランド端子36bは集塵機50のグランド端子56bに接続され、第2通信ユニット30のロール判別端子36cは集塵機50のロール判別端子56cに接続され、第2通信ユニットの動作信号端子36dは集塵機50の動作信号端子56dに接続される。第2通信ユニット30が集塵機50に装着されると、集塵機50で生成された第1電源電圧Vc1が、電源端子56aを介して第2通信ユニット30に入力される。
【0087】
モータ51は、吸引用の不図示のファンを駆動させるために設けられている。電源部53は、商用電源からコンセント70を介して供給される交流電力を受電し、その交流電力に基づいて、集塵機50内の各部を動作させるための電源電力を生成する。
【0088】
具体的に、電源部53は、コンセント70を介して入力された交流電力に基づき、第1電源電圧Vc1及び第2電源電圧Vc2を生成する。電源部53で生成された各電源電圧Vc1、Vc2は、集塵機50内の各部の動作用電源電力として利用される。また、第1電源電圧Vc1は、電源端子56aから外部へ供給可能に構成されている。
【0089】
なお、集塵機50の電源が外部から供給される交流電力であることはあくまでも一例である。例えば、電動工具1と同様にバッテリパックを着脱可能な構成、あるいはバッテリが内蔵された構成であって、バッテリからの直流電力によって動作可能な構成であってもよい。
【0090】
また、電動工具1のモータ11及び集塵機50のモータ51の具体的種類は特に限定されるものではなく、それぞれ、例えば機種や使用目的等に応じて適宜決めてよい。例えば、ブラシ付き直流モータを用いてもよいし、ブラシレスモータを用いてもよいし、その他のモータを用いてもよい。
【0091】
コントローラ52は、CPU61及びメモリ62を含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ62は、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリを含む。メモリ62には、集塵機50の各種機能を実現するための各種プログラムやデータが記憶されている。集塵機50が有する各種機能は、CPU61がメモリ62に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。
【0092】
なお、コントローラ52により実現される各種機能は、前述のようなソフトウェア処理に限るものではなく、その一部又は全部の機能を、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現してもよい。
【0093】
コントローラ52は、集塵機50のユーザにより不図示の操作スイッチがオンされると、モータ51を駆動させることにより作業機要素(例えばファン)を回転させて、粉塵や切削屑の吸引が可能な状態にする。また、コントローラ52には、後述するように、第2通信ユニット30から動作信号端子56dを介して連動指令が入力される場合がある。コントローラ52は、その連動指令が入力された場合も、モータ51を駆動させることにより作業機要素を回転させる。
【0094】
ロール判別部55は、集塵機50に装着されている第2通信ユニット30に対してロール判別情報を出力する。集塵機50のロール判別部15が出力するロール判別情報は、本実施形態では、例えばグランドラインの電圧である。
【0095】
集塵機50に装着されている第2通信ユニット30は、集塵機50から入力されるロール判別情報がグランドラインの電圧であることから、サーチ主体ユニットとして動作する。
第2通信ユニット30の通信制御部32は、サーチ主体ユニットとして作動する場合における動作モード(以下、「サーチ動作モード」と称する)として、待機サーチモード、連動サーチモード、登録サーチモード及び削除サーチモードを備える。通信制御部32は、サーチ主体ユニットとして作動する場合、これら4種類のサーチ動作モードのうちの何れかに設定され、その設定されているサーチ動作モードに応じて動作する。
【0096】
待機サーチモードは、通信部31による待機通知の受信の有無を周期的にスキャン(サーチ)するサーチ動作モードである。待機サーチモードにおいて、待機通知をスキャンする周期であるインターバルTinは例えば340msであり、スキャンする一周期内において実際に受信有無を検出する時間であるウィンドウTwは例えば100msである。なお、待機サーチモードであっても、待機通知以外の他の通知が受信された場合は、通知の種類によっては、待機通知以外の通知に対する所定の処理も行う。
【0097】
連動サーチモードは、通信部31による連動通知の受信の有無を周期的にスキャン(サーチ)するサーチ動作モードである。連動サーチモードにおいて、インターバルTinは例えば140msであり、ウィンドウTwは例えば100msである。
【0098】
登録サーチモードは、通信部31による登録通知の受信の有無を周期的にスキャン(サーチ)するサーチ動作モードである。登録サーチモードにおいて、インターバルTinは例えば65msであり、ウィンドウTwは例えば60msである。
【0099】
削除サーチモードは、通信部31による削除通知の受信の有無を周期的にスキャン(サーチ)するサーチ動作モードである。削除サーチモードにおいて、インターバルTinは例えば65msであり、ウィンドウTwは例えば60msである。
【0100】
本実施形態では、待機サーチモードよりも連動サーチモードの方がインターバルTinが短く設定されている。また、登録サーチモード及び削除サーチモードにおけるインターバルTin及びウィンドウTwは、待機サーチモード及び連動サーチモードにおけるインターバルTin及びウィンドウTwよりも短く設定されている。
【0101】
第2通信ユニット30がサーチ主体ユニットとして作動している場合、ユーザは、第2通信ユニット30のボタン34を押下することにより、サーチ動作モードの種類を切り替えることができる。
【0102】
通信制御部32は、動作モードが連動サーチモードに設定されている場合、通信部31を介して連動通知を受信する度に、受信した連動通知に含まれている機器動作情報の内容を判断する。そして、受信した機器動作情報が、例えば上記の駆動中情報のような、連動通知送信元における作業機要素が動作中であることを示す情報であって、且つ連動通知に含まれている識別情報が第2通信ユニット30に登録されている場合は、動作信号端子36dを介して連動指令を出力する。これにより、集塵機50のコントローラ52に連動指令が入力され、集塵機50が連動運転される。
【0103】
そして、連動運転中、受信される機器動作情報が、例えば上記の停止中情報のような、連動通知送信元における作業機要素が停止していることを示す情報に変化した場合は、通信制御部32は、動作信号端子36dを介して停止指令を出力する。これにより、集塵機50のコントローラ52がモータ51を停止させ、連動運転が停止される。
【0104】
なお、連動運転中に集塵機50のコントローラ52に停止指令が入力された場合に、どのタイミングでモータ51を停止させるかについては、適宜決めてよい。例えば、停止指令が入力されたらすぐに停止させてもよい。また例えば、停止指令の入力後、規定時間駆動を継続させてから停止させてもよい。
【0105】
(1-4)通信ユニットの具体的動作例
(1-4-1)電動工具に装着された場合の送信主体ユニットとしての動作例
通信ユニット30が電動工具1に装着された場合の動作例、即ち送信主体ユニットとして動作する第1通信ユニット30の動作例について、
図5を用いて説明する。
【0106】
図5に示すように、第1通信ユニット30に電源電力が供給されずに動作が停止している状態では、表示部35の各LED35a~35cはいずれも消灯される(状態M101)。そして、第1通信ユニット30が電動工具1に装着されて電動工具1から第1電源電圧Vc1が供給されると、第1通信ユニット30が起動(即ち通信制御部32が起動)する(状態M102)。
【0107】
通信制御部32は、起動すると、通信部31を起動させる(状態M102)。即ち、通信部31に対し、起動時間Ts(例えば約3秒)の間、所定の起動処理を行う。起動処理の実行中は、通信制御部32は、表示部35における第3LED35cを点灯させる。
【0108】
さらに、通信制御部32は、ロール判別端子36cから入力されるロール判別情報に基づいて、送信主体ユニット及びサーチ主体ユニットのどちらの作動形態にて作動すべきかを判断する(状態M102)。工具本体10に接続されている場合は、送信主体ユニットとして作動すべきであることを判断する。よって、起動処理終了後は、通信制御部32は、動作モードを待機送信モードに設定する(状態M103)。
【0109】
通信制御部32は、待機送信モードでは、通信部31に対し、送信周期Ttr1(例えば100ms)で待機通知を一方的に送信(定期ブロードキャスト)させるよう指示する。そして、通信制御部32自身は、通常時よりも消費電力が抑制されたスリープ状態に移行する。また、通信制御部32は、待機送信モード中は、表示部35の各LED35a~35cを全て消灯させる。
【0110】
待機送信モード中、ユーザは、ボタン34を押下することによって、動作モードを切り替えることができる。動作モードを切り替えるためのボタン34の押下操作として、本実施形態では、短押し、長押し、超長押し、の3種類がある。
【0111】
短押しとは、ボタン34を押下した後、その押下した状態が第1押下時間Ta1(例えば200ミリ秒)経過する前にボタン34の押下状態を解除する操作である。長押しとは、ボタン34を押下した後、その押下した状態を少なくとも第1押下時間Ta1以上継続させ、且つその押下した状態が第2押下時間Ta2(例えば3秒)経過する前にボタン34の押下状態を解除する操作である。超長押しとは、ボタン34を押下した後、その押下した状態を少なくとも第2押下時間Ta2以上継続させ、且つその押下した状態が第3押下時間Ta3(例えば6秒)経過する前にボタン34の押下状態を解除する操作である。
【0112】
動作モードが待機送信モード(状態M103)である場合に、ボタン34が短押しされた場合は、通信制御部32は、動作モードを、待機送信モードから連動送信モードに切り替える(状態M104)。
【0113】
通信制御部32は、連動送信モードでは、送信周期Ttr2(例えば30ms)で連動通知を一方的に送信(定期ブロードキャスト)する。連動送信モード時に定期送信される連動通知には、前述の通り、工具本体10から入力される動作信号に基づく機器動作情報、即ち、駆動中情報又は停止中情報と、第1通信ユニット30の識別情報とが含まれる。
【0114】
また、通信制御部32は、連動送信モード中、表示部35における第2LED35bを点灯又は点滅させる。具体的に、工具本体10から停止中信号が入力されている場合、即ち機器動作情報として停止中情報を無線送信している場合は、第2LED35bを点滅させる。一方、工具本体10から駆動中信号が入力されている場合、即ち機器動作情報として駆動中情報を無線送信している場合は、第2LED35bを点灯させる。
【0115】
連動送信モード中、ボタン34が短押しされるか、若しくは、工具本体10から駆動中信号が入力されないままTn時間(例えば2時間)以上経過した場合は、通信制御部32は、動作モードを連動送信モードから待機送信モードに切り替える(状態M103)。
【0116】
動作モードが待機送信モード(状態M103)又は連動送信モード(状態M104)に設定されている場合に、ボタン34が長押しされた場合は、通信制御部32は、動作モードを登録送信モードに切り替える(状態M105)。通信制御部32は、登録送信モードでは、送信周期Ttr3(例えば100ms)で登録通知を一方的に送信(定期ブロードキャスト)する。また、通信制御部32は、登録送信モード中は、表示部35における第1LED35aを点滅させる。
【0117】
登録送信モードに設定されていて登録通知を定期送信している間に、その登録通知に対して外部の通信ユニット30から接続要求が送信されてきた場合は、通信制御部32は、登録通知の定期送信を停止して、外部の通信ユニット30との接続を確立させる(状態M106)。そして、外部の通信ユニット30との接続が確立されたら、外部の通信ユニット30と一対一で所定のデータ通信を行うことにより、登録処理を行う(状態M106)。
【0118】
なお、登録通知に対して接続要求を送信してくる外部の通信ユニット30としては、例えば、動作モードが登録サーチモードに設定されている通信ユニット30が挙げられる。例えば、集塵機50に装着されている第2通信ユニット30が登録サーチモードに設定されている場合に、その第2通信ユニット30が登録通知を受信した場合は、その第2通信ユニット30から接続要求が送信される。
【0119】
登録処理は、例えば、外部の通信ユニット30との間で互いに識別情報を送受し合うことにより、それぞれが相手側の識別情報を取得してメモリ32bに記憶させることにより相手側の通信ユニット30を登録する処理である。例えば、工具本体10に装着されている第1通信ユニット30の識別情報が「A0」、集塵機50に装着されている第2通信ユニット30の識別情報が「B1」であるとする。この場合、各通信ユニット30の間で登録処理が行われると、両者間で一方から他方への識別情報の送信が行われ、工具本体10に装着されている第1通信ユニット30には相手側の識別情報である「B1」が登録され、集塵機50に装着されている第2通信ユニット30には相手側の識別情報である「A0」が登録される。
【0120】
外部の通信ユニット30との接続確立後、登録処理が行われている間は、通信制御部32は、表示部35における第1LED35aを点滅させる(状態M106)。そして、登録処理が完了すると、通信制御部32は、表示部35における第1LED35aを点灯させる(状態M107)。そして、外部の通信ユニット30との間で、接続を切断し、データ通信を完了させて、動作モードを連動送信モードに切り替える(状態M104)。
【0121】
なお、動作モードが登録送信モード(状態M105)である間に、ボタン34が短押しされるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動送信モードに切り替える(状態M104)。なお、ここでいうタイムアウトとは、外部機器から接続要求を受信することなく一定時間(例えば20秒)が経過することである。
【0122】
また、登録送信モード中に外部の通信ユニット30から接続要求を受信した後、登録処理が完了するまでの、外部の通信ユニット30との通信接続中(状態M106)、外部の通信ユニット30からの電波が受信されなくなるか若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動送信モードに切り替える(状態M104)。なお、ここでいうタイムアウトとは、外部の通信ユニット30から電波は受信される(つまり接続状態は維持されている)ものの、登録処理が正常に完了することなく一定時間が経過することである。
【0123】
また、動作モードが登録送信モード(状態M105)である間に、他の通信ユニット30ではなく、モバイル機器100から接続要求を受信した場合は、登録通知の定期送信を停止して、モバイル機器100との接続を確立させ、モバイル機器100とデータ通信を行う(状態M108)。そして、モバイル機器100とのデータ通信が完了するか、モバイル機器100からの電波が受信されなくなるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを待機送信モードに切り替える(状態M103)。なお、ここでいうタイムアウトとは、モバイル機器100から電波は受信される(つまり接続状態は維持されている)ものの、データ通信が正常に完了することなく一定時間が経過することである。
【0124】
動作モードが待機送信モード(状態M103)又は連動送信モード(状態M104)に設定されている場合に、ボタン34が超長押しされた場合は、通信制御部32は、動作モードを削除送信モードに切り替える(状態M109)。通信制御部32は、削除送信モードでは、送信周期Ttr4(例えば100ms)で削除通知を一方的に送信(定期ブロードキャスト)する。また、通信制御部32は、削除送信モード中は、表示部35における第3LED35cを点滅させる。
【0125】
削除送信モードに設定されていて削除通知を定期送信している間に、その削除通知に対して外部の通信ユニット30から削除要求が送信されてきた場合は、通信制御部32は、削除通知の定期送信を停止して、外部の通信ユニット30との接続を確立させる(状態M110)。そして、外部の通信ユニット30との接続が確立されたら、外部の通信ユニット30と一対一で所定のデータ通信を行うことにより、削除処理を行う(状態M110)。
【0126】
なお、削除通知に対して接続要求を送信してくる外部の通信ユニット30としては、例えば、動作モードが削除サーチモードに設定されている通信ユニット30が挙げられる。例えば、集塵機50に装着されている第2通信ユニット30が削除サーチモードに設定されている場合に、その第2通信ユニット30が削除通知を受信した場合は、その第2通信ユニット30から接続要求が送信される。
【0127】
削除処理は、例えば、外部の通信ユニット30との間で互いに識別情報を送受し合って、それぞれが登録している相手側の識別情報をメモリ32bから削除させることにより相手側の通信ユニット30の登録を解除する処理である。
【0128】
外部の通信ユニット30との接続確立後、削除処理が行われている間、通信制御部32は、表示部35における第3LED35cを点滅させる(状態M110)。そして、削除処理が完了すると、通信制御部32は、表示部35における第3LED35cを点灯させる(状態M111)。そして、外部の通信ユニット30との間で、接続を切断し、データ通信を完了させて、動作モードを連動送信モードに切り替える(状態M104)。
【0129】
なお、動作モードが削除送信モード(状態M109)である間に、ボタン34が短押しされるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動送信モードに切り替える(状態M104)。また、削除送信モード中に外部の通信ユニット30から接続要求を受信した後、削除処理が完了するまでの、外部の通信ユニット30との通信接続中(状態M110)、外部の通信ユニット30からの電波が受信されなくなるか若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動送信モードに切り替える(状態M104)。
【0130】
(1-4-2)集塵機に装着された場合のサーチ主体ユニットとしての動作例
通信ユニット30が集塵機50に装着された場合の動作例、即ちサーチ主体ユニットとして動作する第2通信ユニット30の動作例について、
図6を用いて説明する。
【0131】
第2通信ユニット30に電源電力が供給されずに動作が停止している状態(状態M201)、及び通信制御部32が起動して通信部31の起動処理が行われている状態(状態M202)については、それぞれ、
図5の状態M101、M102と同じである。
【0132】
第2通信ユニット30が集塵機50に装着されている場合、通信制御部32は、集塵機50から入力されるロール判別情報に基づいて、サーチ主体ユニットとして動作すべきであることを判断する(状態M202)。よって、起動処理終了後は、通信制御部32は、動作モードを待機サーチモードに設定する(状態M203)。
【0133】
通信制御部32は、待機サーチモードでは、所定のインターバルTin及びウィンドウTwにて、待機通知を周期的にスキャンする。また、通信制御部32は、待機サーチモード中は、表示部35において第2LED35bを点滅させる。
【0134】
待機サーチモード中、連動通知が受信されて、且つ、その連動通知に含まれている送信元の識別情報が第2通信ユニット30に登録されている場合は、通信制御部32は、動作モードを、待機サーチモードから連動サーチモードに切り替える(状態M204)。
【0135】
通信制御部32は、連動サーチモードでは、所定のインターバルTin及びウィンドウTwにて、連動通知を周期的にスキャンする。そして、連動通知を受信する度に、その連動通知に含まれている識別情報が自身に登録されているものである場合に、その連動通知に含まれている機器動作情報に基づいて、連動運転をさせるべきか否か判断する。
【0136】
具体的に、機器動作情報として停止中情報が含まれている場合は、通信制御部32は、動作信号端子36dを介して集塵機50へ停止指令を出力することにより、連動運転をさせない。一方、機器動作情報として駆動中情報が含まれている場合は、通信制御部32は、動作信号端子36dを介して集塵機50へ連動指令を出力することにより、連動運転を実行させる。
【0137】
また、通信制御部32は、連動サーチモード中、停止中情報を含む連動通知が受信されて連動運転をさせない場合は、第2LED35bを点滅させる。一方、通信制御部32は、駆動中情報を含む連動通知が受信されて連動運転をさせる場合は、第2LED35bを点灯させる。
【0138】
連動サーチモード中、駆動中情報が受信さないままTz時間(例えば2時間)以上経過した場合は、通信制御部32は、動作モードを連動サーチモードから待機サーチモードに切り替える(状態M203)。
【0139】
動作モードが待機サーチモード(状態M203)又は連動サーチモード(状態M204)に設定されている場合に、ボタン34が長押しされた場合は、通信制御部32は、動作モードを登録サーチモードに切り替える(状態M205)。通信制御部32は、登録サーチモードでは、所定のインターバルTin及びウィンドウTwにて、登録通知を周期的にスキャンする。また、通信制御部32は、登録サーチモード中は、表示部35における第1LED35aを点滅させる。
【0140】
登録サーチモード中に、外部の通信ユニット30から登録通知を受信した場合は、通信制御部32は、登録通知送信元の通信ユニット30に対して前述の接続要求を送信することで、登録通知送信元の通信ユニット30との接続を確立させる(状態M206)。そして、登録通知送信元の通信ユニット30との接続が確立されたら、その通信ユニット30と一対一で所定のデータ通信を行うことにより、登録処理を行う(状態M206)。即ち、登録通知送信元の通信ユニット30の識別情報を登録する。また、自身の識別情報を登録通知送信元の通信ユニット30へ送信する(状態M206)。
【0141】
登録通知送信元の通信ユニット30との接続確立後、登録処理が行われている間は、通信制御部32は、表示部35における第1LED35aを点滅させる(状態M206)。そして、登録処理が完了すると、通信制御部32は、表示部35における第1LED35aを点灯させる(状態M207)。そして、登録通知送信元の通信ユニット30との間で、接続を切断し、データ通信を完了させて、動作モードを連動サーチモードに切り替える(状態M204)。
【0142】
なお、動作モードが登録サーチモード(状態M205)である間に、ボタン34が短押しされるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動サーチモードに切り替える(状態M204)。また、登録サーチモード中に外部の通信ユニット30から登録通知を受信した後、登録処理が完了するまでの、登録通知送信元の通信ユニット30との通信接続中(状態M206)、登録通知送信元の通信ユニット30からの電波が受信されなくなるか若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動サーチモードに切り替える(状態M204)。
【0143】
また、動作モードが登録サーチモード(状態M205)である間に、ボタン34が長押しされた場合は、通信制御部32は、サーチ主体ユニットとしての作動形態から、送信主体ユニットとしての作動形態に切り替える。具体的に、動作モードを、モバイル接続送信モードに切り替える(状態M208)。
【0144】
モバイル接続送信モードは、モバイル接続通知を周期的に無線送信(定期ブロードキャスト)する送信動作モードである。モバイル接続通知には、送信元の第2通信ユニット30を示す識別情報、及びモバイル接続通知であることを示す情報が含まれる。
【0145】
モバイル接続送信モード中、モバイル接続通知がモバイル機器100で受信されると、モバイル機器100から接続要求が送信される。通信制御部32は、モバイル機器100からの接続要求を受信すると、モバイル機器100との接続を確立させ、モバイル機器100と所定のデータ通信を行う(状態M209)。
【0146】
そして、モバイル機器100とのデータ通信が完了するか、モバイル機器100からの電波が受信されなくなるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを待機サーチモードに切り替える(状態M203)。
【0147】
また、モバイル接続送信モード中(状態M208)、ボタン34が短押しされるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを待機サーチモードに切り替える(状態M203)。なお、ここでいうタイムアウトとは、モバイル機器100からの接続要求が受信されることなく一定時間が経過することである。
【0148】
動作モードが待機サーチモード(状態M203)又は連動サーチモード(状態M204)に設定されている場合に、ボタン34が超長押しされた場合は、通信制御部32は、動作モードを削除サーチモードに切り替える(状態M210)。通信制御部32は、削除サーチモードでは、所定のインターバルTin及びウィンドウTwにて、削除通知を周期的にスキャンする。また、通信制御部32は、削除サーチモード中は、表示部35における第3LED35cを点滅させる。
【0149】
削除サーチモード中に、外部の通信ユニット30から削除通知を受信した場合は、通信制御部32は、削除通知送信元の通信ユニット30に対して前述の接続要求を送信することで、削除通知送信元の通信ユニット30との接続を確立させる(状態M211)。そして、削除通知送信元の通信ユニット30との接続が確立されたら、その通信ユニット30と一対一で所定のデータ通信を行うことにより、削除処理を行う(状態M211)。即ち、削除通知送信元の通信ユニットの識別情報をメモリ32bから削除してその識別情報の登録を解除する。
【0150】
削除通知送信元の通信ユニット30との接続確立後、削除処理が行われている間、通信制御部32は、表示部35における第3LED35cを点滅させる(状態M211)。そして、削除処理が完了すると、通信制御部32は、表示部35における第3LED35cを点灯させる(状態M212)。そして、削除通知送信元の通信ユニット30との間で、接続を切断し、データ通信を完了させて、動作モードを連動サーチモードに切り替える(状態M204)。
【0151】
なお、動作モードが削除サーチモード(状態M210)である間に、ボタン34が短押しされるか、若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動サーチモードに切り替える(状態M204)。また、削除サーチモード中に外部の通信ユニット30から削除通知を受信した後、削除処理が完了するまでの、削除通知送信元の通信ユニット30との通信接続中(状態M211)、削除通知送信元の通信ユニット30からの電波が受信されなくなるか若しくはタイムアウトした場合は、通信制御部32は、動作モードを連動サーチモードに切り替える(状態M204)。
【0152】
また、動作モードが削除サーチモード(状態M210)である間に、ボタン34が再び超長押しされた場合は、通信制御部32は、登録されている全ての識別情報について、その登録を解除する(状態M213)。全ての識別情報の登録解除を行っている間(状態M213)、通信制御部32は、表示部35における第3LED35cを点灯させる。全ての識別情報の登録を解除した後は、動作モードを待機サーチモードに切り替える(状態M203)。
【0153】
(1-5)通信制御処理の説明
次に、
図5及び
図6に例示した動作を実現するために通信制御部32が実行する通信制御処理について、
図7を用いて説明する。
【0154】
メモリ32bには、
図7の通信制御処理のプログラムが記憶されている。通信制御部32において、CPU32aは、起動後、メモリ32bから通信制御処理のプログラムを読み込んで実行する。なお、
図7に示す通信制御処理は、
図5及び
図6で説明した各種動作のうちの一部は省略している。
【0155】
通信制御部32のCPU32aは、
図7の通信制御処理を開始すると、S110で、初期処理を行う。初期処理には、通信部31に対する前述の起動処理が含まれる。また、初期処理では、ロール判別情報に基づき、送信主体ユニット及びサーチ主体ユニットのどちらの作動形態にて作動すべきかを判別する。なお、S110では、第3LED35cを点灯させる処理も行う。
【0156】
S120では、S110の初期処理で判別した作動形態がどちらであるか判断する。送信主体ユニットとして作動すべき旨を判別した場合は、S130に進む。S130では、動作モードを待機送信モードに設定し、待機通知を送信周期Ttr1で定期送信する。なお、S130では、表示部35の全LEDを消灯させる処理も行う。
【0157】
S140では、ボタン34が短押しされたか否か判断する。ボタン34が短押しされた場合は、S150で、動作モードを連動送信モードに設定し、連動通知を送信周期Ttr2で定期送信する。なお、S150では、機器動作情報に基づいて第2LED35bを点滅又は点灯させる処理も行う。
【0158】
S160では、連動送信モードから待機送信モードへ戻る条件が成立したか否か判断する。連動送信モードから待機送信モードへ戻る条件が成立した場合は、S130に進む。連動送信モードから待機送信モードへ戻る条件が成立していない場合は、S170に進む。
【0159】
S170では、連動送信モードから登録送信モードへ切り替える条件又は連動送信モードから削除送信モードへ切り替える条件の何れかが成立したか否か判断する。何れの条件も成立していない場合はS150に戻る。何れかの条件が成立した場合は、S180に進む。
【0160】
S180では、動作モードを、登録送信モード及び削除送信モードのうち成立した条件に対応した動作モードへ切り替える。また、S180では、切り替え後の動作モードに応じて表示部35を制御する。また、S180では、登録送信モードに切り替えた場合に接続要求を受信した場合は登録処理を実行し、削除送信モードに切り替えた場合に接続要求を受信した場合は削除処理を実行する。S180の処理後はS150に進む。
【0161】
S140で、ボタン34が短押しされていない場合は、S190に進む。S190では、待機送信モードから登録送信モードへ切り替える条件又は待機送信モードから削除送信モードへ切り替える条件の何れかが成立したか否か判断する。何れの条件も成立していない場合はS130に戻る。何れかの条件が成立した場合は、S200に進む。S200の処理はS180と同じである。S200の処理後はS150に進む。
【0162】
S120で、サーチ主体ユニットとして作動すべき旨を判別した場合は、S210に進む。S210では、動作モードを待機サーチモードに設定し、待機通知を周期的にスキャンする。なお、S210では、第2LED35bを点滅させる処理も行う。
【0163】
S220では、連動通知を受信したか否か判断する。連動通知を受信した場合は、S230で、動作モードを連動サーチモードに設定し、連動通知を周期的にスキャンする。なお、S230では、受信した連動通知に含まれている機器動作情報に基づいて第2LED35bを点滅又は点灯させる処理も行う。
【0164】
S240では、連動サーチモードから待機サーチモードへ戻る条件が成立したか否か判断する。連動サーチモードから待機サーチモードへ戻る条件が成立した場合は、S210に進む。連動サーチモードから待機サーチモードへ戻る条件が成立していない場合は、S250に進む。
【0165】
S250では、連動サーチモードから登録サーチモードへ切り替える条件又は連動サーチモードから削除サーチモードへ切り替える条件の何れかが成立したか否か判断する。何れの条件も成立していない場合はS230に戻る。何れかの条件が成立した場合は、S260に進む。
【0166】
S260では、動作モードを、登録サーチモード及び削除サーチモードのうち成立した条件に対応した動作モードへ切り替える。また、S260では、切り替え後の動作モードに応じて表示部35を制御する。また、S260では、登録サーチモードに切り替えた場合に登録通知を受信した場合は登録処理を実行し、削除サーチモードに切り替えた場合に削除通知求を受信した場合は削除処理を実行する。S260の処理後はS230に進む。
【0167】
S220で、連動通知を受信していない場合は、S270に進む。S270では、待機サーチモードから登録サーチモードへ切り替える条件又は待機サーチモードから削除サーチモードへ切り替える条件の何れかが成立したか否か判断する。何れの条件も成立していない場合はS210に戻る。何れかの条件が成立した場合は、S280に進む。S280の処理はS260と同じである。S280の処理後はS230に進む。
【0168】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0169】
(2-1)送信動作モードとして、上記実施形態に示した4つのモード(待機送信モード、連動送信モード、登録送信モード及び削除送信モード)はあくまでも一例である。送信動作モードの具体的種類や送信する情報の内容は適宜決めてよい。
【0170】
サーチ動作モードについても、上記実施形態に示した4つのモード(待機サーチモード、連動サーチモード、登録サーチモード及び削除サーチモード)はあくまでも一例である。サーチ動作モードの具体的種類や受信処理対象の情報の内容は適宜決めてよい。
【0171】
(2-2)ロール判別情報として、上記実施形態では、第1電源電圧Vc2及びグランドラインの電圧の2種類を挙げたが、これらはあくまでも一例である。これら2種類以外のロール判別情報があってもよい。例えば、第1電源電圧Vc2を分圧する分圧回路を備え、その分圧回路により分圧された電圧(分圧電圧)をロール判別情報として出力するような機器があってもよい。
【0172】
また、ロール判別情報として分圧電圧が入力された場合に通信ユニットをどのような作動態様で作動させるかについても適宜決めてよい。例えば、通信ユニットを介して、通信ユニットが装着された機器と他の機器との間でデータ通信を行うような作動態様であってもよい。その場合、通信ユニットと当該通信ユニットが装着された機器とのデータ通信は、データ通信用の3つの端子36e,36f、36gを用いてもよい。通信ユニットが対応可能なロール判別情報の種類、各ロール判別情報の具体的内容、各ロール判別情報に対する通信ユニットの具体的作動態様、などについては、適宜決めてよい。
【0173】
(2-3)通信ユニット30において、通信制御部32と通信部31とが一体化されていても良い。
また、通信ユニット30が電動作業機に対して着脱可能であることは必須ではなく、電動作業機に内蔵されていてもよい。
【0174】
(2-4)上記実施形態では、電動作業機の一例として、電動工具1及び集塵機50を例示したが、本開示の技術は、他の電動作業機を含む、日曜大工、製造、園芸、工事などの作業現場で使用され、電力供給を受けて作動する作動部を有する各種の現場用電気機器に適用されてもよい。なお、ここでいう作業部とは、本開示の作業機要素を含む概念である。
【0175】
具体的に、例えば、石工用、金工用、木工用の電動工具や、園芸用の作業機、作業現場の環境を整える装置等、作業機要素を備える各種電動作業機に本開示の技術が適用されてもよい。より具体的には、電動ハンマ、電動ハンマドリル、電動ドリル、電動ドライバ、電動レンチ、電動グラインダ、電動マルノコ、電動レシプロソー、電動ジグソー、電動ハンマ、電動カッター、電動チェンソー、電動カンナ、電動釘打ち機(鋲打ち機を含む)、電動ヘッジトリマ、電動芝刈り機、電動芝生バリカン、電動刈払機、電動クリーナ、電動ブロア、電動噴霧器、電動散布機、電動集塵機などの各種電動作業機に本開示が適用されてもよい。また、電動作業機に限らず、例えば現場用ライト、ラジオやスピーカーなどの現場用オーディオ機器などの、電力供給を受けて作動する作動部を有する各種の現場用電気機器に本開示が適用されてもよい。また、バッテリを搭載したバッテリパック、バッテリを充電する充電器、などの現場用電気機器に本開示が適用されてもよい。つまり、各種の現場用電気機器において、本開示の通信ユニットを搭載して、現場用電気機器の内部情報を外部へ無線送信したり、逆に外部から無線にて情報を取得してその情報を適宜現場用電気機器へ伝達したりすることができるようにしてもよい。
【0176】
(2-5)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0177】
1…電動作業機(電動工具)、10…工具本体、11,51…モータ、12,52…コントローラ、13,33,53…電源部、14…トリガスイッチ、15,55…ロール判別部、15a…抵抗、16,36,56…コネクタ、16a,36a,56a…電源端子、16b,36b,56b…グランド端子、16c,36c,56c…ロール判別端子、16d,36d,56d…動作信号端子、21,32a,61…CPU、22,32b,62…メモリ、25…バッテリパック、26…バッテリ、30…通信ユニット、31…通信部、32…通信制御部、34…ボタン、35…表示部、35a…第1LED、35b…第2LED、35c…第3LED、50…電動作業機(集塵機)、100…モバイル機器。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ユニットであって、
第1電動作業機に接続されるように構成されたコネクタと、
無線通信のための電波を送受信するように構成された通信部と、
前記通信部を介して情報を送受信するように構成された通信制御部と、
を備え、
前記通信制御部は、
前記通信制御部の動作モードを第1モードに設定し、
前記動作モードが前記第1モードに設定されている間に所定の切替要件が満たされた場合に前記動作モードを第2モードに切り替える、
ように構成されており、
前記通信制御部は、
前記第1モードでは、前記通信部を介して第2電動作業機または追加の通信ユニットとの通信の接続を確立し、
前記第2モードでは、前記通信部を介してモバイル機器との通信の接続を確立する、若しくは前記通信部を介して前記モバイル機器と通信を行う、
ように構成されており、
前記追加の通信ユニットは前記第2電動作業機に接続されており、
前記モバイル機器は前記追加の通信ユニットから独立している、
通信ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の通信ユニットであって、
前記通信ユニットのユーザによって手動操作されるように構成された手動操作受付部を備え、
前記通信制御部は、前記手動操作受付部に電気的に接続されている、
通信ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の通信ユニットであって、
前記切替要件は、前記手動操作受付部に第1の手動操作がなされた場合に満たされる、
通信ユニット。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
前記通信制御部は、
前記動作モードを第3モードに設定し、
前記動作モードを前記第3モードから前記第1モードに切り替える、
ように構成されている、
通信ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の通信ユニットであって、
前記通信制御部は、前記第3モードでは、前記通信部を介して所定の通知を周期的にスキャンする、若しくは前記通信部を介して前記所定の通知を周期的に送信する、ように構成されている、
通信ユニット。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の通信ユニットであって、
前記通信ユニットのユーザによって手動操作されるように構成された手動操作受付部を備え、
前記通信制御部は、前記動作モードが前記第3モードに設定されている間に前記手動操作受付部に第2の手動操作がなされた場合に、前記動作モードを前記第1モードに切り替えるように構成されている、
通信ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の通信ユニットであって、
前記切替要件は、前記手動操作受付部に第1の手動操作がなされた場合に満たされ、
前記第2の手動操作は、前記第1の手動操作と同じである、
通信ユニット。
【請求項8】
請求項3または請求項7に記載の通信ユニットであって、
前記手動操作受付部は、押しボタンを備え、
前記第1の手動操作は、前記押しボタンを長押しすることを含む、
通信ユニット。
【請求項9】
請求項6または請求項7に記載の通信ユニットであって、
前記手動操作受付部は、押しボタンを備え、
前記第2の手動操作は、前記押しボタンを長押しすることを含む、
通信ユニット。
【請求項10】
請求項4~請求項6のいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
前記通信制御部は、前記モバイル機器との通信の接続が確立されている間に、(i)前記モバイル機器との通信を完了したこと、(ii)前記モバイル機器からの電波が前記通信部で受信されなくなること、または(iii)前記モバイル機器との通信が正常に完了することなく予め設定された時間が経過したこと、に応じて、前記動作モードを前記第3モードに切り替えるように構成されている、
通信ユニット。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の通信ユニットであって、
前記第1電動作業機は、電動工具または集塵機である、
通信ユニット。
【請求項12】
電動作業機であって、
モータと、
無線通信のための電波を送受信するように構成された通信部と、
前記通信部を介して情報を送受信するように構成された通信制御部と、
を備え、
前記通信制御部は、
前記通信制御部の動作モードを第1モードに設定し、
前記動作モードが前記第1モードに設定されている間に所定の切替要件が満たされた場合に前記動作モードを第2モードに切り替える、
ように構成されており、
前記通信制御部は、
前記第1モードでは、前記通信部を介して追加の電動作業機または第1通信ユニットとの通信の接続を確立し、
前記第2モードでは、前記通信部を介してモバイル機器との通信の接続を確立する、若しくは前記通信部を介して前記モバイル機器と通信を行う、
ように構成されており、
前記第1通信ユニットは前記追加の電動作業機に接続されており、
前記モバイル機器は前記追加の電動作業機または前記第1通信ユニットから独立している、
電動作業機。
【請求項13】
請求項12に記載の電動作業機であって、さらに、
前記電動作業機のユーザによって手動操作されるように構成された手動操作受付部を備え、
前記通信制御部は、前記手動操作受付部に電気的に接続されている、
電動作業機。
【請求項14】
請求項13に記載の電動作業機であって、
前記切替要件は、前記手動操作受付部に第1の手動操作がなされた場合に満たされる、
電動作業機。
【請求項15】
請求項12~請求項14のいずれか1項に記載の電動作業機であって、
前記電動作業機は、集塵機または電動工具である、
電動作業機。
【請求項16】
請求項12~請求項15のいずれか1項に記載の電動作業機であって、
第2通信ユニットを備え、
前記第2通信ユニットは、 (i)前記通信部及び前記通信制御部を含み、(ii)前記電動作業機に着脱可能に構成されている、
電動作業機。
【請求項17】
請求項16に記載の電動作業機であって、
前記第2通信ユニットが着脱されるように構成されたコネクタを備える、
電動作業機。
【請求項18】
電動作業機に接続されていて無線通信を行うように構成された通信ユニットで用いられる通信制御方法であって、
前記通信ユニットの動作モードを第1モードに設定することと、
前記動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替えることと、
を備え、
前記第1モードは、追加の電動作業機との無線通信の接続、または前記追加の電動作業機に接続された追加の通信ユニットとの無線通信の接続、を確立するように設定されており、
前記第2モードは、前記追加の通信ユニットから独立したモバイル機器との無線通信の接続を確立する、若しくは前記モバイル機器と無線通信を行う、ように設定されている、
通信制御方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
このような構成によれば、動作モードを動作受信モードに設定することで、別の電動作業機から受信した外部動作情報に基づいて作業機要素を駆動させることができる。そのため、他の電動作業機を連動して作動させる際のユーザの使い勝手を向上させることができる。
本開示のさらに他の局面は、作業機本体に着脱可能に構成されたバッテリパックである。作業機本体はモータを備える。モータは、バッテリパックから供給される電力により駆動される。バッテリパックは、作業機本体へ電力を供給するように構成されたバッテリと、第1の通信ユニットとを備える。第1の通信ユニットは、通信部と、通信制御部とを備える。通信部は、第1通知または第2通知が入力される。通信部は、入力された第1通知または第2通知を無線送信する。
通信制御部は、第1モード及び第2モードのいずれかに選択的に設定される。第1モードに設定された通信制御部は、第1周期で、通信部を介して、所定の第1の情報を含む第1通知を送信する。第2モードに設定された通信制御部は、第2周期で、通信部を介して、第1の情報とは異なる所定の第2の情報を含み且つ第1の情報を含まない第2通知を送信する。第2周期は第1周期とは異なる。
本開示のさらに他の局面は、上記のバッテリパックと作業機本体とを備える電動作業機である。
本開示のさらに他の局面は、モータと第1の通信ユニットとを備える電動作業機である。第1の通信ユニットは、通信部と、通信制御部とを備える。通信部は、第1通知または第2通知が入力され、入力された第1通知または第2通知を無線送信する。通信制御部は、第1モードまたは第2モードのいずれかに選択的に設定される。第1モードに設定された通信制御部は、第1周期で、通信部を介して、所定の第1の情報を含む第1通知を送信する。第2モードに設定された通信制御部は、第2周期で、通信部を介して、第2通知を送信する。第2通知は、第1の情報とは異なる所定の第2の情報を含み且つ第1の情報を含まない。第2周期は、第1周期とは異なる。
本開示のさらに他の局面は、通信ユニットから通知を無線送信する通知送信方法である。通信ユニットは、モータを備えた電動作業機に設けられていてもよい。あるいは、通信ユニットは、バッテリを含むバッテリパックに設けられていてもよい。この場合、通信ユニットは、バッテリの電力により動作し、バッテリパックは作業機本体に着脱可能に構成されており、作業機本体はモータを備え、モータはバッテリの電力により駆動されるように構成されていてもよい。
そして、当該通知送信方法は、
通信ユニットを第1モードに設定することと、
通信ユニットが第1モードに設定されることに応じて、通信ユニットから、第1周期で、所定の第1の情報を含む第1通知を無線送信することと、
通信ユニットを第2モードに設定することと、
通信ユニットが第2モードに設定されることに応じて、通信ユニットから、第2周期で、第1の情報とは異なる所定の第2の情報を含み且つ第1の情報を含まない第2通知を無線送信することと、
を備え、前記第2周期は、前記第1周期とは異なる。
本開示のさらに他の局面は、通信ユニットである。その通信ユニットは、第1電動作業機に接続されるコネクタと、無線通信のための電波を送受信する通信部と、通信部を介して情報を送受信する通信制御部とを備える。通信制御部は、(i)通信制御部の動作モードを第1モードに設定し、(ii)動作モードが第1モードに設定されている間に所定の切替要件が満たされた場合に動作モードを第2モードに切り替える。通信制御部は、(i)第1モードでは、通信部を介して第2電動作業機または追加の通信ユニットとの通信の接続を確立し、(ii)第2モードでは、通信部を介してモバイル機器との通信の接続を確立する、若しくは通信部を介してモバイル機器と通信を行う。追加の通信ユニットは第2電動作業機に接続されている。モバイル機器は追加の通信ユニットから独立している。
本開示のさらに他の局面は、電動作業機である。その電動作業機は、モータと、無線通信のための電波を送受信する通信部と、通信部を介して情報を送受信する通信制御部とを備える。通信制御部は、(i)通信制御部の動作モードを第1モードに設定し、(ii)動作モードが第1モードに設定されている間に所定の切替要件が満たされた場合に動作モードを第2モードに切り替える。通信制御部は、(i)第1モードでは、通信部を介して追加の電動作業機または第1通信ユニットとの通信の接続を確立し、(ii)第2モードでは、通信部を介してモバイル機器との通信の接続を確立する、若しくは通信部を介してモバイル機器と通信を行う。第1通信ユニットは追加の電動作業機に接続されている。モバイル機器は追加の電動作業機または第1通信ユニットから独立している。
本開示のさらに他の局面は、電動作業機に接続されていて無線通信を行うように構成された通信ユニットで用いられる通信制御方法である。当該通信制御方法は、
通信ユニットの動作モードを第1モードに設定することと、
動作モードを第1モードから第2モードに切り替えることと、
を備える。
第1モードは、追加の電動作業機との無線通信の接続、または追加の電動作業機に接続された追加の通信ユニットとの無線通信の接続、を確立するように設定されている。第2モードは、追加の通信ユニットから独立したモバイル機器との無線通信の接続を確立する、若しくはモバイル機器と無線通信を行う、ように設定されている。