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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184712
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231221BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191417
(22)【出願日】2023-11-09
(62)【分割の表示】P 2022509303の分割
【原出願日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2020058886
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】大石 智也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祥子
(57)【要約】
【課題】配達する食べ物の鮮度を適切に保ちつつ、移動中のユーザが効率的にオーダーした食べ物を受け取ること。
【解決手段】情報処理装置3は、ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得する食品情報取得部323と、ユーザの移動に関する情報を取得するユーザ情報取得部324と、食品の属性情報とユーザの移動に関する情報とに応じて、食品をユーザが受け取る場所を決定する決定部325とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得する食品情報取得部と、
前記ユーザの移動に関する情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記属性情報と前記移動に関する情報とに応じて、前記食品を前記ユーザが受け取る場所を決定する決定部とを備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介して食べ物を注文し、その配送を依頼するフードデリバリーサービスが普及しつつある。また、従来、マイクロフォンから入力された音声をネットワーク上のAI(Artificial Intelligence:人工知能)で認識し、入力された音声に応答する音声アシスタント機能を有するスマートスピーカが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該音声アシスタント機能は、ユーザが発した特定の言葉(以下、ウェイクワードと記載)に応じて起動する。このような音声アシスタント機能を用いて、例えば、移動中のユーザが食べ物をオーダーすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-184809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、移動中のユーザの状況やオーダーした食べ物の属性が考慮されておらず、配達する食べ物の鮮度を適切に保つことができず、移動中のユーザが効率的にオーダーした食べ物を受け取ることができない、という問題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、例えば配達する食べ物の鮮度を適切に保ちつつ、移動中のユーザが効率的にオーダーした食べ物を受け取ることができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の情報処理装置は、ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得する食品情報取得部と、前記ユーザの移動に関する情報を取得するユーザ情報取得部と、前記属性情報と前記移動に関する情報とに応じて、前記食品を前記ユーザが受け取る場所を決定する決定部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得する食品情報取得ステップと、前記ユーザの移動に関する情報を取得するユーザ情報取得ステップと、前記属性情報と前記移動に関する情報とに応じて、前記食品を前記ユーザが受け取る場所を決定する決定ステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報処理プログラムは、ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得する食品情報取得ステップと、前記ユーザの移動に関する情報を取得するユーザ情報取得ステップと、前記属性情報と前記移動に関する情報とに応じて、前記食品を前記ユーザが受け取る場所を決定する決定ステップとをコンピュータに実行させるための情報処理プログラムである。
【0009】
また、本発明の記憶媒体は、ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得する食品情報取得ステップと、前記ユーザの移動に関する情報を取得するユーザ情報取得ステップと、前記属性情報と前記移動に関する情報とに応じて、前記食品を前記ユーザが受け取る場所を決定する決定ステップとをコンピュータに実行させるための情報処理プログラムを記憶したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、車載端末の構成を示すブロック図である。
図3図3は、情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、食品情報DBに記憶されるデータの一例を示す図である。
図5図5は、配達地点および配達方法を選択する処理を説明する図である。
図6図6は、情報処理方法を示すフローチャートである。
図7図7は、情報処理方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0012】
(実施の形態1)
〔情報処理システムの概略構成〕
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。情報処理システム1は、移動体である車両VE(図1)の乗員PA(図7参照)に対して、当該乗員PAの要求に応じた食べ物のオーダーを実行するシステムである。なお、ここで乗員PAとは、運転手であっても、同乗者であってもよい。
【0013】
この情報処理システム1は、図1に示すように、車載端末2と、情報処理装置3とを備える。そして、これら車載端末2及び情報処理装置3は、無線通信網であるネットワークNE(図1)を介して、通信を行う。なお、以下の実施の形態の説明では、ユーザ(乗員)が移動手段として自動車を利用している場合を例に記載するが、これに限定されるものではなく、例えば、移動手段が、自転車やバイク、徒歩であってもよい。
【0014】
なお、情報処理装置3と通信を行う車載端末2としては、図1では1台である場合を例示しているが、複数の車両にそれぞれ搭載された複数台であっても構わない。また、1台の車両に乗車している複数の乗員に対してそれぞれサービスを実行するために、1台の車両に車載端末2が複数台、搭載されていても構わない。また、情報処理装置3は、サーバ装置であって、処理結果を車載端末2や店舗の端末装置(図示せず)等に通知する場合を例に説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、情報処理装置3は、食品のオーダーを受け付ける店舗等に設置された装置であってもよい。
【0015】
〔車載端末の構成〕
図2は、車載端末2の構成を示すブロック図である。車載端末2は、例えば、車両VEに設置される据え置き型のナビゲーション装置またはドライブレコーダーである。なお、車載端末2としては、ナビゲーション装置またはドライブレコーダーに限らず、車両VEの乗員PAが利用するスマートフォン等の携帯型端末を採用しても構わない。この車載端末2は、図2に示すように、音声入力部21と、音声出力部22と、撮像部23と、入力部24と、端末本体25と、センサ部26と、表示部27と、を備える。
【0016】
音声入力部21は、音声を入力して電気信号に変換するマイクロフォン211(図7参照)を含み、当該電気信号にA/D(Analog/Digital)変換等を行うことにより音声情報を生成する。本実施の形態1において、音声入力部21にて生成された音声情報は、デジタル信号である。そして、音声入力部21は、当該音声情報を端末本体25に出力する。
【0017】
音声出力部22は、スピーカ221(図7参照)を含み、端末本体25から入力したデジタルの音声信号をD/A(Digital/Analog)変換によってアナログの音声信号に変換し、当該スピーカ221から当該アナログの音声信号に応じた音声を出力する。
【0018】
撮像部23は、端末本体25による制御の下、車両VEの乗員PAを撮影して撮影画像を生成する。そして、撮像部23は、生成した撮影画像を端末本体25に出力する。
【0019】
入力部24は、タッチパネル、キーボードやマウス等の入力デバイスを含み、乗員PAの操作に応じて各種データの入力を受け付ける。そして、入力部24は、入力を受け付けた各種データを端末本体25に出力する。
【0020】
センサ部26は、GPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、加速度センサや方位センサ等のセンサ装置を含み、端末本体25における処理に用いられる情報をセンシングする機能を有する。GPSセンサは、GPS衛星からのGPS信号を受信することで、対象の緯度、経度及び高度を示す情報を測定する。GPSセンサにより取得される情報は、以下では、「位置情報」とも称される。
【0021】
表示部27は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等を用いた表示ディスプレイで構成され、端末本体25による制御の下、各種の画像を表示する。
【0022】
端末本体25は、図2に示すように、通信部251と、制御部252と、記憶部253とを備える。通信部251は、制御部252による制御の下、ネットワークNEを介して情報処理装置3との間で情報の送受信を行う。
【0023】
制御部252は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のコントローラによって、記憶部253に記憶された各種のプログラムが実行されることにより実現され、車載端末2全体の動作を制御する。なお、制御部252は、CPUやMPUに限らず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって構成されても構わない。
【0024】
記憶部253は、制御部252が実行する各種のプログラムや、当該制御部252が処理を行うときに必要なデータ等を記憶する。
【0025】
〔情報処理装置の構成〕
図3は、情報処理装置3の構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、例えば、サーバ装置である。この情報処理装置3は、図3に示すように、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを備える。
【0026】
通信部31は、制御部32による制御の下、ネットワークNEを介して車載端末2(通信部251)との間で情報の送受信を行う。
【0027】
制御部32は、CPUやMPU等のコントローラによって、記憶部33に記憶された各種のプログラム(本実施の形態に係る情報処理プログラムを含む)が実行されることにより実現され、情報処理装置3全体の動作を制御する。なお、制御部32は、CPUやMPUに限らず、ASICやFPGA等の集積回路によって構成されても構わない。この制御部32は、図3に示すように、提案部321、要求情報取得部322、食品情報取得部323と、ユーザ情報取得部324と、決定部325とを備える。
【0028】
提案部321は、乗員PAの状況に基づいて、食品のオーダーを提案する。つまり、提案部321は、乗員PAの空腹や疲労を判定し、乗員PAが空腹や疲労を感じていると判定した場合には、食品のオーダーを提案する。例えば、提案部321は、乗員PAの行動履歴から所定の時間以上、継続して運転を続けている場合や、走行中のルートが渋滞であって、所定の時間以上、渋滞中のルートを走行している場合等に、スピーカ221から食べ物をオーダーすることを提案する音声を出力するように制御する。
【0029】
また、提案部321は、例えば、通信部31を介して車載端末2から撮像部23にて生成された撮影画像を取得し、車両VEの乗員PAの姿勢を検出し、乗員PAの姿勢に基づいて食品のオーダーを提案してもよい。当該乗員PAの姿勢は、当該乗員が無意識にとった姿勢を含む。本実施の形態では、提案部321は、所謂、骨格検知により当該姿勢を検出し、乗員PAが空腹や疲労を感じていると判定した場合には、食品のオーダーを提案する。
【0030】
より具体的に、提案部321は、以下に示す学習モデルを用いた画像認識(AIを用いた画像認識)により、撮影画像内に被写体として含まれる車両VEの乗員PAの骨格を検知することで当該乗員PAの姿勢を検出する。当該学習モデルは、人が撮影された撮影画像に対して当該人の関節点の位置が予めラベリングされた画像を教師画像とし、当該教師画像に基づいて当該関節点の位置を機械学習(例えば深層学習等)することにより得られたモデルである。
【0031】
要求情報取得部322は、車両VEの乗員PAからの食べ物のオーダーを要求する要求情報を取得する。本実施の形態1では、当該要求情報は、車両VEの乗員PAが発した言葉(音声)を音声入力部21が取り込み、当該音声に基づいて当該音声入力部21にて生成された音声情報である。すなわち、要求情報取得部322は、通信部31を介して車載端末2から当該要求情報(音声情報)を取得する。要求情報取得部322は、要求情報取得部322が取得した要求情報(音声情報)を解析する。要求情報取得部322は、要求情報を解析することで、乗員PAがオーダーした食品を特定し、特定した食品を食品情報取得部323に通知する。なお、食べ物をオーダーする方法は、音声による方法に限定させるものではない。
【0032】
食品情報取得部323は、乗員PAがオーダーした食品の属性情報を取得する。例えば、食品情報取得部323は、属性情報として、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルを食品情報DB331から取得する。
【0033】
後述する図4の例を挙げて説明すると、具体例を挙げて説明すると、例えば、乗員PAが「ハンバーガー」をオーダーした場合には、「ハンバーガー」に対応する、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルとして、「レベル3」を食品情報DB331から取得する。
【0034】
ユーザ情報取得部324は、ユーザの移動に関する情報を取得する。例えば、ユーザ情報取得部324は、移動に関する情報として、ユーザの移動手段、ユーザの平均移動速度、ユーザの位置情報、ユーザの移動ルート、ユーザの移動ルートの周辺情報、ユーザの目的地情報のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する。また、ユーザ情報取得部324は、配達地点の指定のあり・なしや、ルート上の受け取り希望のあり・なし等のユーザによる指定情報も取得してもよい。
【0035】
決定部325は、食品の属性情報と移動に関する情報とに応じて、食品をユーザが受け取る場所を決定する。具体的には、決定部325は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに基づき、鮮度が必要な食品ほど食品を提供する店舗から近い場所を食品の受け取り場所として決定する。なお、乗員PAにより配達地点が指定がされている場合には、乗員PAにより指定された配達地点を決定してもよい。
【0036】
例えば、決定部325は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに対応する配達時間を特定する。ここで、決定部325は、ユーザの移動ルートの周辺情報やユーザの目的地情報から特定される天候情報を考慮して、配達時間を補正してもよい。そして、決定部325は、決定した配達時間と配達方法(移動手段)から、食品の配達元の販売店から配達可能な距離(範囲)を決定する。また、決定部325は、ユーザの移動ルートとユーザの位置情報から配達時間内に移動可能な距離(範囲)を決定する。なお、決定部325は、食品が調理する必要があるものである場合には、調理する時間を考慮して決めてもよい。
【0037】
そして、決定部325は、ユーザの平均移動速度、ユーザの位置情報、ユーザの移動ルート、ユーザの移動ルートの周辺情報(天候や渋滞情報等)に基づいて、配達時間内でユーザが移動可能な距離を算出する。そして、決定部325は、決定した販売店の距離の範囲内であって、かつ、ユーザが移動可能な距離の範囲内の位置を食品の受け取り場所として決定する。なお、決定部325は、受け取り場所として、ユーザの移動ルート上を優先的に食品の受け取り場所として決定するが、販売店から配達可能な距離(範囲)が短い場合には、ユーザの移動ルートから外れた地点を受け取り場所として決定するようにしてもよい。なお、乗員PAによりルート上の受け取り希望ありと指定されている場合には、決定部325は、移動ルート上での配達地点から決定し、移動ルート上の受け取り希望がないと指定されている場合にのみ、ユーザの移動ルートから外れた地点を受け取り場所として決定するようにしてもよい。
【0038】
また、決定部325は、属性情報と移動に関する情報とに応じて、食品の受け取り場所とともに、食品の配達方法を決定するようにしてもよい。例えば、決定部325は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに基づき、鮮度が必要な食品ほど移動速度が速い移動手段での配達方法を決定するようにしてもよい。
【0039】
具体例を挙げて説明すると、例えば、決定部325は、アイスクリームやかき氷等の属性が「レベル1」の食品の場合には、配達方法に「バイク」を選択する。また、決定部325は、寿司や海鮮丼等の属性が「レベル2」の食品の場合には、配達方法に「バイク」または「自転車」を選択する。また、決定部325は、ハンバーガ-やパスタ等の属性が「レベル3」の食品の場合には、配達方法に「バイク」、「自転車」、「徒歩」のいずれかを選択する。なお、配達方法は、乗り物に限定されるものではなく、例えば、ドローン等により無人で配達するようにしてもよい。なお、決定部325は、配達地点や配達方法の決定を学習モデルを用いて行ってもよい。
【0040】
その後、決定部325は、決定した結果を車載端末2に通知する。例えば、決定部325は、決定した配達地点を車載端末2に通知し、表示部27に移動ルートとともに、配達地点を表示させる。また、決定部325は、配達予定時刻や配達地点の地名等の情報も車載端末2に通知してもよい。また、決定部325は、配達地点と配達手段を決定した場合には、オーダーを受けた店舗の配達者の端末等に対して配達地点と配達手段を通知するようにしてもよい。
【0041】
記憶部33は、制御部32が実行する各種のプログラム(本実施の形態に係る情報処理プログラム)の他、制御部32が処理を行うときに必要なデータ等を記憶する。この記憶部33は、図3に示すように、食品情報DB331と、ユーザ情報DB332とを備える。
【0042】
食品情報DB331は、食品の属性情報を記憶する。ここで、食品情報DB333には、図4に例示するように、各食品について、「属性」として、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルを記憶する。ここでは、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルの値が大きいほど、食品の配達において許容される配達時間が長く、値が小さいほど、食品の配達において許容される配達時間が短いものとする。なお、食品情報DB331は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルだけでなく、その他、食品の配達時注意情報(割れ物注意、要冷凍など)等を記憶してもよい。
【0043】
ユーザ情報DB332は、前述したユーザの移動に関する情報を記憶する。例えば、ユーザ情報DB332は、ユーザの移動に関する情報として、ユーザの移動手段、ユーザの平均移動速度、ユーザの位置情報、ユーザの移動ルート、ユーザの移動ルートの周辺情報、ユーザの目的地情報を記憶する。
【0044】
例えば、ユーザの平均移動速度は、通信部31を介して車載端末2の加速度センサから取得する走行速度から求められた平均移動速度である。また、例えば、ユーザの位置情報は、通信部31を介して車載端末2のGPSセンサにより取得される位置情報である。ユーザの移動ルートは、車両VEの現在位置から乗員PAに設定された当該車両VEの目的地までのルートである。
【0045】
また、例えば、ユーザの移動ルートの周辺情報は、通信部31を介してVICS(登録商標、Vehicle Information Communication System)センタから取得する渋滞情報や交通情報等の道路交通情報であって、上述した出力データ(GNSSセンサにて受信した測位用データ)から推定される車両VEの現在位置に対応した道路交通情報である。また、ユーザの移動ルートの周辺情報は、移動ルート上の天気や気温等の天候情報を含んでもよい。また、例えば、ユーザの目的地情報は、乗員PAに設定された当該車両VEの目的地の地名や目的地付近の道路交通情報、天候情報である。
【0046】
ここで、図5を用いて、情報処理装置3による、配達地点および配達方法の選択方法の一例を説明する。図5は、配達地点および配達方法を選択する処理を説明する図である。図5の例では、車両VEが所定の移動ルートを移動中に、乗員PAが販売店に対して食べ物をオーダーした場合を例に説明する。
【0047】
情報処理装置10は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに基づき、鮮度が必要な食品ほど食品を提供する店舗から近い場所を食品の受け取り場所として決定する。例えば、情報処理装置10は、乗員PAがアイスクリームやかき氷等の属性が「レベル1」の食品、つまり、食品の配達において許容される配達時間が短い食品をオーダーした場合には、より販売店から近い配達地点「A」を選択する。配達地点「A」は、車両VEの移動ルートとは異なる迂回ルート(図5の点線)上にある。このような場合には、情報処理装置10は、車載端末2に配達地点「A」と迂回ルートを通知し、表示部27に配達地点と迂回ルートを表示させる。
【0048】
また、例えば、情報処理装置10は、乗員PAがアイスクリームやかき氷等の属性が「レベル1」の食品、つまり、食品の配達において許容される配達時間が短い食品をオーダーした場合には、より移動速度が速い移動手段が早い「バイク」を選択する。例えば、情報処理装置10は、店舗に対して、配達地点「A」と移動手段「バイク」を通知する。
【0049】
また、情報処理装置10は、乗員PAが寿司屋や海鮮丼等の属性が「レベル2」の食品をオーダーした場合には、配達地点「A」、「B」を選択する。また、例えば、情報処理装置10は、乗員PAが寿司屋や海鮮丼等の属性が「レベル2」の食品をオーダーした場合には、移動手段として「バイク」、「自転車」を選択する。ここで、情報処理装置10は、例えば、配達地点「A」で移動手段「自転車」で配達するか、配達地点「B」で移動手段「バイク」で配達するかを販売店または乗員PAに選択させるようにしてもよい。
【0050】
また、情報処理装置10は、乗員PAがハンバーガーやパスタ等の属性が「レベル3」の食品、つまり、食品の配達において許容される配達時間が比較的長い食品をオーダーした場合には、販売店から配達地点「A」、「B」、「C」を選択する。また、例えば、情報処理装置10は、乗員PAがハンバーガーやパスタ等の属性が「レベル3」の食品をオーダーした場合には、移動手段として「バイク」、「自転車」、「徒歩」を選択する。ここで、情報処理装置10は、例えば、配達地点「A」で移動手段「徒歩」で配達するか、配達地点「B」で移動手段「自転車」、配達地点「C」で移動手段「バイク」で配達するかを販売店または乗員PAに選択させるようにしてもよい。
【0051】
このように、情報処理装置3では、ユーザが気軽に走行しながら食べ物をオーダーすることができ、オーダーしたメニューによって配達ポイントや配達方法を変えることができる。これにより、情報処理装置3では、メニューの品質を保ちつつ、オーダーした食べ物の効率的な受け取りを可能にする。
【0052】
〔情報処理方法〕
次に、情報処理装置3(制御部32)が実行する情報処理方法について説明する。図6は、情報処理方法を示すフローチャートである。
【0053】
先ず、情報処理装置3の要求情報取得部322は、通信部31を介して車載端末2から食べ物のオーダーを受け付ける(ステップS101)。例えば、要求情報取得部322は、通信部31を介して車載端末2から当該要求情報(音声情報)を取得する。
【0054】
そして、食品情報取得部323は、乗員PAがオーダーした食品の属性情報を取得する(ステップS102)。例えば、食品情報取得部323は、属性情報として、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルを食品情報DB331から取得する。
【0055】
続いて、ユーザ情報取得部324は、ユーザの移動に関する情報を取得する(ステップS103)。例えば、ユーザ情報取得部324は、移動に関する情報として、ユーザの移動手段、ユーザの平均移動速度、ユーザの位置情報、ユーザの移動ルート、ユーザの移動ルートの周辺情報、ユーザの目的地情報のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する。また、ユーザ情報取得部324は、配達地点の指定のあり・なしや、ルート上の受け取りのあり・なし等のユーザによる指定情報を取得してもよい。
【0056】
決定部325は、食品の属性情報と移動に関する情報とに応じて、配達地点および配達手段を決定する(ステップS104)。例えば、決定部325は、ユーザの移動ルート等のユーザの移動に関する情報を考慮しつつ、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに基づき、鮮度が必要な食品ほど食品を提供する店舗から近い場所を配達地点として決定し、鮮度が必要な食品ほど移動速度が速い移動手段での配達手段を決定する。
【0057】
その後、決定部325は、決定した結果を車載端末2に通知する(ステップS105)。例えば、決定部325は、決定した配達地点を車載端末2に通知し、表示部27に移動ルートとともに、配達地点を表示させる。また、決定部325は、配達地点と配達手段を決定した場合には、オーダーを受けた店舗または配達者の端末等に対して配達地点と配達手段を通知するようにしてもよい。
【0058】
ここで図7を用いて、具体的な例を挙げてフードオーダエージェントによるフードオーダサービスの一例を説明する。図7は、情報処理方法を説明する図である。例えば、情報処理装置10は、車両VEの乗員PAに対して、「交通の混雑で疲れていますね。お昼もかねて、コーヒーでもどうですか」という、フードオーダーのサービスを実行するフードオーダエージェントの音声をスピーカ221から出力する。なお、このフードオーダエージェントは、情報処理装置3により起動されたアプリケーションプログラムであり、フードオーダーのサービスを実行するためのタスク(機能)を実行する少なくとも一つのアプリケーションプログラムによって構成されている。
【0059】
これに対して、乗員PAは「ハンバーガーを注文したい」と話すと、音声情報をマイクロフォン211が集音する。この音声情報を情報処理装置10は、要求情報として取得する。そして、フードオーダエージェントが受け取り方法を表示部27に表示する。ここで、フードオーダエージェントは、受け取り方法として、「お店で受け取り」、「ドライブスルーで受け取り」、「配達で受け取り」を表示する。ここで、乗員PAが「配達で受け取り」を選択すると、上述したように、情報処理装置10は、食品の属性情報とユーザの移動に関する情報とに応じて、配達地点や配達手段を決定する。
【0060】
そして、情報処理装置10は、「○時○分ごろ○○通りの○○交差点すぎで配達員が待っています」というエージェントの音声を出力する。その後、乗員PAは、ルート上の○○交差点すぎで配達員からハンバーガーを受け取る。このように、情報処理装置では、ユーザが気軽に走行しながら食べ物をオーダーでき、ユーザの状況を考慮して、食べ物のオーダを提案を行うことができる。乗員PAは、自身の行動を邪魔されることなく、食べ物を注文して受け取ることができる。
【0061】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果を奏する。本実施の形態1に係る情報処理装置3は、ユーザがオーダーした食品の属性情報を取得し、ユーザの移動に関する情報を取得する。そして、情報処理装置3は、ユーザがオーダーした食品の属性情報とユーザの移動に関する情報とに応じて、食品をユーザが受け取る場所を決定する。このため、情報処理装置3によれば、配達する食べ物の鮮度を適切に保ちつつ、移動中のユーザが効率的にオーダーした食べ物を受け取ることが可能である。
【0062】
また、情報処理装置3は、食品の属性情報とユーザの移動に関する情報とに応じて、食品の受け取り場所とともに、食品の配達方法を決定するので、配達する食べ物の鮮度を適切に保つために適した食品の配達方法を選択することが可能である。
【0063】
また、情報処理装置3は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに基づき、鮮度が必要な食品ほど食品を提供する店舗から近い場所を食品の受け取り場所として決定するので、配達する食べ物に応じて、より適した配達地点を決定することが可能である。
【0064】
また、情報処理装置3は、食品の配達において許容される配達時間に応じて設定されるレベルに基づき、鮮度が必要な食品ほど移動速度が速い移動手段での配達方法を決定するので、配達する食べ物に応じて、より適した移動手段での配達方法を決定することが可能である。
【0065】
(その他の実施形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。上述した実施の形態において、情報処理装置3の全ての構成を車載端末2に設けても構わない。この場合には、当該車載端末2は、本実施の形態に係る情報処理装置に相当する。また、情報処理装置3における制御部32の一部の機能を車載端末2に設けても構わない。この場合には、情報処理システム1全体が本実施の形態に係る情報処理装置に相当する。
【符号の説明】
【0066】
3 情報処理装置
321 提案部
322 要求情報取得部
323 食品情報取得部
324 ユーザ情報取得部
325 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7