(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184723
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20231221BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20231221BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20231221BHJP
G03G 21/10 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
G03G21/18 157
G03G21/16 176
G03G21/18 164
G03G21/18 121
G03G21/18 153
G03G21/16 190
G03G15/08 390A
G03G15/08 364
G03G21/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191665
(22)【出願日】2023-11-09
(62)【分割の表示】P 2019189732の分割
【原出願日】2019-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2019032129
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平山 明延
(72)【発明者】
【氏名】原田 達朗
(72)【発明者】
【氏名】末重 良宝
(72)【発明者】
【氏名】矢田 剛之
(57)【要約】
【課題】第1カートリッジから第2カートリッジが分離可能に構成された画像形成ユニットにおいて、第2カートリッジから第1カートリッジに駆動力を伝達する。
【解決手段】画像形成装置の装置本体に装着される画像形成ユニットは、第1回転軸線の周りに回転可能な被駆動部を有する第1カートリッジと、第1カートリッジから分離可能に構成された第2カートリッジであって、装置本体から駆動力を受けるように構成された入力部と、第2回転軸線の周りに回転可能であり、駆動力を被駆動部に伝達するように構成された駆動伝達部と、を有する第2カートリッジと、を有する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に装着される画像形成ユニットであって、
第1回転軸線の周りに回転可能な被駆動部を有する第1カートリッジと、
前記第1カートリッジから分離可能に構成された第2カートリッジであって、前記装置本体から駆動力を受けるように構成された入力部と、第2回転軸線の周りに回転可能であり、前記駆動力を前記被駆動部に伝達するように構成された駆動伝達部と、を有する第2カートリッジと、
を有することを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項2】
前記被駆動部の少なくとも一部は、前記装置本体に対する前記第2カートリッジの挿入方向について、上流側に向けて露出されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成ユニット。
【請求項3】
前記駆動伝達部の少なくとも一部は、前記装置本体に対する前記第2カートリッジの挿入方向について、下流側に向けて露出されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成ユニット。
【請求項4】
前記装置本体に対する前記第2カートリッジの挿入方向について、前記第1回転軸線は、前記第2回転軸線の下流側に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項5】
前記第2カートリッジの挿入方向は、前記第2回転軸線に交差する方向であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項6】
前記被駆動部はギアであり、前記駆動伝達部は、前記被駆動部と直接かみ合うギアであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項7】
前記第2回転軸線に直交する方向について、前記第1カートリッジに対する前記第2カートリッジの移動を規制する規制部を有し、
前記第2回転軸線の方向に見たとき、前記被駆動部の歯先円と前記駆動伝達部の歯底円の間に隙間が形成され、かつ前記駆動伝達部の歯先円と前記被駆動部の歯底円の間に隙間が形成されるように、前記規制部は前記第2カートリッジの移動を規制することを特徴とする請求項6に記載の画像形成ユニット。
【請求項8】
前記第2カートリッジは、前記第1カートリッジが前記装置本体に装着された状態において前記装置本体に着脱可能に構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記第2カートリッジは、前記装置本体に対する挿入動作によって前記第1カートリッジに結合されるように構成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記第1カートリッジは、回転可能に構成された像担持体を有し、
前記第2カートリッジは、前記像担持体に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像剤担持体を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
前記第1カートリッジは、
前記像担持体から廃トナーを除去するクリーニング部材と、
前記廃トナーを搬送する搬送部材を有し、
前記駆動伝達部及び前記被駆動部を介して前記搬送部材に駆動が伝達されるように構成されることを特徴とする請求項10に記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
前記第1カートリッジは、前記廃トナーを前記第1カートリッジの外部に排出するための第1開口部を有し、
前記第2カートリッジは、前記第1開口部から排出された前記廃トナーを受け入れる第2開口部と、前記廃トナーを収容する収容部と、を有する、
ことを特徴とする請求項11に記載の画像形成ユニット。
【請求項13】
前記第1カートリッジは、前記装置本体から駆動を受けるように構成された第1の入力部を有し、
前記第2カートリッジに設けられた前記入力部は第2の入力部であり、
前記像担持体は、前記第1の入力部を介して駆動を伝達されることで回転し、前記現像剤担持体は、前記第2の入力部を介して駆動を伝達されることで回転するように構成されることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項14】
前記第2カートリッジは、現像剤収容部と、前記現像剤収容部に収容されたトナーを撹拌する撹拌部材と、を有し、
前記撹拌部材は、前記入力部を介して伝達される駆動力によって駆動されることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【請求項15】
装置本体と、
前記装置本体に装着された請求項1から14のいずれか1項に記載の画像形成ユニットと、を備え、
前記画像形成ユニットを用いて記録媒体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置及び画像形成装置に用いられる画像形成ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置において、電子写真プロセスを行うための部材を装置本体に対して着脱可能なカートリッジに配置し、ユーザーや保守担当者が容易に交換作業を行えるようにしてユーザビリティの向上を図ったものがある。特許文献1には、感光ドラム及び現像ローラを有するプロセスカートリッジを装置本体から引き出し可能なトレイに装着し、トレイを装置本体に挿入することでプロセスカートリッジが装置本体に装着される構成が記載されている。一方、感光体ユニットには、感光体に転写されずに残った廃トナーを搬送する廃トナー搬送手段を備えたものがある。特許文献2には、現像ユニットが装置本体から受けた駆動力を用いてクリーニングユニットの廃トナー搬送部材を動かす構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-157389号公報
【特許文献2】特開2002-196585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載の構成では感光ドラムを有するクリーニングユニット及び現像ローラを有する現像ユニットが一つのカートリッジに配置されている。
【0005】
本発明は、第1カートリッジから第2カートリッジが分離可能に構成された画像形成ユニットにおいて、第2カートリッジから第1カートリッジに駆動力を伝達することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、画像形成装置の装置本体に装着される画像形成ユニットであって、第1回転軸線の周りに回転可能な被駆動部を有する第1カートリッジと、前記第1カートリッジから分離可能に構成された第2カートリッジであって、前記装置本体から駆動力を受けるように構成された入力部と、第2回転軸線の周りに回転可能であり、前記駆動力を前記被駆動部に伝達するように構成された駆動伝達部と、を有する第2カートリッジと、を有することを特徴とする画像形成ユニットである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1カートリッジから第2カートリッジが分離可能に構成された画像形成ユニットにおいて、第2カートリッジから第1カートリッジに駆動力を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】実施例1に係る装置本体及び感光体カートリッジの斜視図。
【
図5】実施例1に係る感光体カートリッジと装置本体のガイド部材の斜視図。
【
図6】実施例1に係る感光体カートリッジの挿入動作について説明するための図(a~c)。
【
図7】実施例1に係る現像カートリッジとトレイの斜視図(a、b)。
【
図8】実施例1に係る現像カートリッジをトレイに支持させる動作の様子を表す図。
【
図9】実施例1に係る現像カートリッジをトレイに支持させる動作の様子を表す図。
【
図10】実施例1に係る現像カートリッジをトレイに支持させる動作の様子を表す図。
【
図11】実施例1に係る現像カートリッジをトレイに支持させる動作の様子を表す図。
【
図12】実施例1に係る現像カートリッジと感光体カートリッジの係合について説明するための図。
【
図13】実施例1に係る現像カートリッジと感光体カートリッジの係合について説明するための図。
【
図14】実施例1に係る現像カートリッジと感光体カートリッジの係合について説明するための図。
【
図15】実施例1に係る感光体カートリッジの支持構成について説明するための図。
【
図16】実施例1に係る感光体カートリッジの支持構成について説明するための図。
【
図17】実施例1に係る感光体カートリッジの断面図(a)及び側面図(b)。
【
図18】実施例1に係るプロセスユニットの分解図。
【
図19】実施例1に係るプロセスユニットの分解図。
【
図20】実施例1に係るプロセスユニットの分解図。
【
図21】実施例1に係るプロセスユニットの分解図。
【
図22】実施例1に係るプロセスユニットと装置本体の部材との位置関係を示す図。
【
図23】実施例1に係るプロセスユニットと装置本体の駆動連結について説明するための図(a~d)。
【
図24】実施例1に係る感光体カートリッジの装着動作の様子を表す側面図(a、b)。
【
図25】実施例1に係る感光体カートリッジの装着動作の様子を表す上面図(a、b)。
【
図26】実施例1に係るカートリッジ間の廃トナーの受け渡しについて説明するための図。
【
図27】実施例1に係るプロセスユニットの断面図(a)及び側面図(b)。
【
図28】実施例1に係るプロセスユニットの断面図(a)及び側面図(b)。
【
図29】実施例2に係る画像形成装置の装置本体及びトレイを示す斜視図。
【
図30】実施例2に係る感光体カートリッジ及び上段トレイの斜視図(a、b)。
【
図31】実施例2に係る感光体カートリッジを上段トレイに支持させる動作の様子を表す図。
【
図32】実施例2に係る感光体カートリッジを上段トレイに支持させる動作の様子を表す図。
【
図33】実施例3に係る感光体カートリッジと現像カートリッジの側面図。
【
図34】実施例3に係る感光体カートリッジと現像カートリッジの断面図。
【
図35】実施例3に係る第1アイドラギアと被駆動ギアの係合を説明する図(a、b)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための例示的な形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
以下の説明における画像形成装置の例としては、複写機、プリンタ、複合機、商業印刷装置等が挙げられる。外部のコンピュータから入力された画像情報や原稿から読取った画像情報に基づいて、記録媒体に画像を形成する。記録媒体としては、普通紙及び厚紙等の紙、プラスチックフィルム、コート紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、様々な材質及び形状のシート材が用いられる。
【実施例0011】
実施例1に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本実施例に係る画像形成装置IFの断面構成を示す概略図であり、
図2は感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの概略図である。
図1に示すように、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCは画像形成装置IFの装置本体Aに装着され、記録媒体であるシートPに画像を形成するためのプロセスユニットPUを構成している。装置本体Aとは、画像形成装置IFから感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを除いた部分であり、画像形成装置IFの枠体を構成する金属フレームや筐体の表面を覆う外装カバーを含む。
【0012】
プロセスユニットPUは、画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な本実施例の画像形成ユニットである。また、感光体カートリッジBは本実施例の第1カートリッジであり、現像カートリッジCは本実施例の第2カートリッジである。
【0013】
<画像形成装置の概略>
図1に示すように、本実施例の画像形成装置IFは、レーザビームを用いて感光ドラム62の表面に静電潜像を形成し、現像剤を用いて現像した画像をシートPに転写する電子写真式のレーザビームプリンタである。装置本体Aには、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの他に、露光手段としてのレーザスキャナ3、定着手段としての定着装置9、シート積載部としてのシートトレイ4が設けられている。また、装置本体Aは、シートトレイ4からシートPが搬送される方向に沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、搬送ローラ対5c、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、及び排出トレイ11を有する。
【0014】
図2に示すように、感光体カートリッジBは、感光ドラム62、帯電手段としての帯電ローラ66、クリーニング手段としてのクリーニング部材77を有する。本実施例の像担持体である感光ドラム62はドラム状の感光体である。現像カートリッジCは、現像剤担持体としての現像ローラ32、現像剤収容部としてのトナー室29、及びトナー供給室28を有する。帯電処理を行う帯電ローラ66、現像処理を行う現像ローラ32、転写処理を行う転写ローラ7、クリーニング処理を行うクリーニング部材77は、いずれも、電子写真プロセスにおいて感光体に働きかけるプロセス手段の例である。
【0015】
画像形成装置IFがシートPに対する画像形成を開始する指令(プリントスタート信号)を受け取ると、感光ドラム62は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。バイアス電圧が印加された帯電ローラ66は、感光ドラム62の外周面に接触し、ドラム表面を一様かつ均一に帯電させる。レーザスキャナ3は、画像情報に基づいて変調されたレーザ光Lを(
図1参照)、感光体カートリッジBに設けられたレーザ開口71bを介して感光ドラム62に照射し、ドラム表面に静電潜像を書き込む。
【0016】
図2に示すように、現像カートリッジCにおいてトナー室29に収容されている現像剤は、順次、トナー供給室28へ送り込まれる。トナー供給室28において、現像ローラ32の内側に配置されたマグネットローラ34の磁力により、トナーTは現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32と感光ドラム62とが対向する現像領域に到達したトナーTは、感光ドラム62の表面の電位分布に応じて現像ローラ32からドラム表面に転移する。これにより、ドラム表面の静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0017】
このようなプロセスに並行して、レーザスキャナ3による露光動作に同期したタイミングでシートPの給送が行われる。
図1に示すピックアップローラ5aは、シートトレイ4に積載されたシート束の最上位のシートPに当接し、シートPをシートトレイ4から送り出す。給送ローラ対5bは、ピックアップローラ5aからシートPを受け取って1枚ずつ分離しながら搬送ローラ対5cへ搬送する。搬送ローラ対5cは、転写ガイド6を経由して、感光ドラム62と転写ローラ7との間の転写部にシートPを搬送する。転写ローラ7にバイアス電圧が加えられることにより、感光ドラム62に担持されたトナー像は転写部においてシートPに転写される。
【0018】
トナー像が転写されたシートPは、感光ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bからなる回転体対と、加熱ローラ9aを介してシートPを加熱する熱源(例えば、ハロゲンランプ)を有し、シートPを挟持して搬送しながらシート上のトナー像に熱及び圧力を加える。これにより、トナー粒子が溶融し、その後固着することで、シートPに画像が定着する。画像の定着処理を受けたシートPは、排出ローラ対10によって装置本体Aの上部に設けられた排出トレイ11に排出される。
【0019】
クリーニング部材77は、転写部においてシートPに転写されずに感光ドラム62に残った残留トナー等の異物を除去する。これにより、感光ドラム62の表面が清掃されて再び画像形成プロセスに使用可能な状態となる。
【0020】
<プロセスユニットのカートリッジ構成>
次に、プロセスユニットPUの構成について説明する。なお、以下の説明において、感光ドラム62の回転軸線の方向(軸方向)及びこれに平行な現像ローラ32の軸方向を、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの基準軸方向(或いは長手方向)とする。基準軸方向において、装置本体Aから感光体カートリッジB及び現像カートリッジCが駆動力を受け取るためのカップリングが設けられている側を感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。
【0021】
図2に示すように、感光体カートリッジBの筐体は、クリーニング枠体71と、クリーニング枠体71に溶着等の方法で固定された蓋部材72とによって構成される。クリーニング枠体71は、自身の開口部に配置された感光ドラム62を支持し、かつ、感光ドラム62の外周面に接触した状態の帯電ローラ66及びクリーニング部材77を支持している。クリーニング枠体71には上述のレーザ開口71bが設けられている(
図18も参照)。また、蓋部材72はクリーニング枠体71の下側を覆う部材であり、クリーニング枠体71と共に、クリーニング部材77によって感光ドラム62から除去された廃棄物を収容する空間81を形成している。クリーニング部材77が回収する廃棄物の主な成分は、転写部においてシートに転写されなかった廃トナーであり、その他にシートPから感光ドラム62に付着した紙粉等も回収される。
【0022】
感光ドラム62は、基準軸方向における両端部をクリーニング枠体71によって回転可能に支持され、装置本体Aに設けられた駆動源である駆動モータ(不図示)から駆動力を供給されて図中矢印R方向に回転駆動されるように構成されている。具体的に、
図21に示すように、基準軸方向の駆動側においては、感光ドラム62の端部に設けられたボス部63がクリーニング枠体71に固定されているドラム軸受73の穴部73aに回転可能に嵌合している。一方、非駆動側においては、
図19に示すように、クリーニング枠体71に設けられた穴部71cに圧入されたドラム軸78が、感光ドラム62の非駆動側の端部64に設けられた穴部に嵌合して感光ドラム62を回転可能に支持している。
【0023】
クリーニング部材77は、ゴム等の弾性材料で形成されたブレード状の部材であるクリーニングブレード77aと、ブレードを支持する支持部材77bと、を有する。クリーニングブレード77aは、感光ドラム62の回転方向に対してカウンター方向に感光ドラム62に当接している。即ち、クリーニングブレード77aは、その先端部が感光ドラム62の回転軸線に近付くほど感光ドラム62の回転方向における上流側へ向かうように、ドラム表面との接点を通る感光ドラム62の径方向に対して傾斜している。また、感光ドラム62が配置されているクリーニング枠体71の開口部の縁部には、クリーニング枠体71から廃トナーが漏れることを防止するためのドラム当接シート65が、感光ドラム62に当接するように配置されている。
【0024】
帯電ローラ66は、基準軸方向の両端部において、帯電ローラ軸受67を介してクリーニング枠体71によって回転可能に支持されている。また、帯電ローラ66は、帯電ローラ軸受67が付勢部材68により感光ドラム62に向けて加圧されることで、感光ドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、感光ドラム62に追従して回転する。なお、感光体カートリッジBから感光ドラム62及び帯電ローラ66を除いた部分(71,72,77)は、感光ドラム62のクリーニングを主な機能とするクリーニングユニット60を構成している。
【0025】
現像カートリッジCは、現像ローラ32と、マグネットローラ34と、現像容器23と、現像ブレード42と、ローラ当接シート33とを有する。マグネットローラ34はマグネットローラ34の内側に配置され、現像容器23に対して固定されている。現像ブレード42及びローラ当接シート33は、現像ローラ32が配置されている現像容器23の開口部に配置されている。現像ブレード42は、現像ローラ32に担持されて現像領域へ向かうトナーTの層厚を規制すると共に、トナーTを摩擦帯電させる。ローラ当接シート33は、トナー供給室28のトナーTが現像カートリッジCの外部に漏れ出ることを防ぐ。
【0026】
上述のトナー室29及びトナー供給室28は、現像容器23の内部に形成されている。トナー室29には第1搬送部材43、第2搬送部材44及び第3搬送部材50が配置されており、各搬送部材43,44,50は回転することでトナーTを撹拌する撹拌部材として機能し、トナーTを撹拌しながらトナー供給室28へ向けて搬送する。現像容器23は、基準軸方向の駆動側に固定される駆動側サイド部材26(
図18参照)と共に、現像カートリッジCの筐体20を構成している。
【0027】
現像ローラ32は、基準軸方向における両端部を、現像容器23に固定された軸受部材27,37(
図18参照)により回転可能に支持されている。また、現像ローラ32の両端部には、現像ローラ32の外径に比べて若干大きな外径を有する間隔保持部材38(
図18参照)が取り付けられている。間隔保持部材38が感光ドラム62の外周面に当接することで、現像領域における現像ローラ32と感光ドラム62との間に所定の微小な隙間が維持される。
【0028】
図2に示すように、現像容器23にはトナー室29とトナー供給室28とを連通する開口部29a(破線で示す部位)が設けられている。装置本体Aに装着された現像カートリッジCが最初に使用されるまでは、この開口部29aがシール部材45によって封止され、トナーTがトナー室29に封入された状態となっている。シール部材45はポリエチレンなどの材料からなるシート状の部材で、一端側が開口部29aの周囲において現像容器23に溶着されており、他端側は第1搬送部材43に固定されている。そして、現像カートリッジCが最初に使用されるときに第1搬送部材43が回転すると、シール部材45は現像容器23との溶着部分が剥がされながら第1搬送部材43に巻き取られる。これによって開口部29aが開放されるため、トナーTがトナー供給室28に流入して現像ローラ32がトナーTを担持可能な状態となる。
【0029】
<カートリッジの着脱>
次に、装置本体Aに対して感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを着脱するための構成について説明する。
図3は、感光体カートリッジBと現像カートリッジCを着脱するために開閉扉13を開いた装置本体Aの斜視図である。開閉扉13は、装置本体Aの1つの側面に回動可能に設けられ、開閉扉13を開くことでカートリッジ挿入口17が開いた状態となる。本実施例の感光体カートリッジB及び現像カートリッジCは、共通の開口部であるカートリッジ挿入口17を介して矢印「D」の方向に挿入されることで装置本体Aに装着され、その反対方向に引き抜かれることで装置本体Aから取り外される。以下、
図2における矢印「D」の方向を指してカートリッジの挿入方向Dとする。なお、本実施例では、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCが、装置本体Aに対して、基準軸方向Xに垂直な略同一の方向(
図1における左右方向)に着脱されるものとして説明するが、着脱方向は適宜変更可能である。
【0030】
装置本体Aは、装着状態の感光体カートリッジB及び現像カートリッジCに対して基準軸方向Xの駆動側から対向する駆動側板15と、非駆動側から対向する非駆動側板16とを有する。駆動側板15及び非駆動側板16には、感光体カートリッジBの着脱を補助するための後述のガイド部材が取り付けられている。また、現像カートリッジCの着脱を補助するためのトレイ18が、カートリッジ挿入口17を介して装置本体Aから引き出し可能に配置されている。
【0031】
まず、感光体カートリッジBの着脱構成について説明する。
図2で示すように、現像カートリッジCには、カートリッジの挿入方向Dに見て感光体カートリッジBに重なる部分23pが設けられている。この部分23pは、挿入方向Dにおいて感光体カートリッジBよりも上流側において、現像容器23の上面が上方に突出した形状であり、平面位置が異なるところで鉛直方向における位置が感光体カートリッジBと重なっている。これにより、感光体カートリッジBは、現像カートリッジCが装置本体Aに装着されている状態では着脱されず、
図4で示すように現像カートリッジCが装着されていない状態で装置本体Aに装着可能となる。また、上記部分23pにより、挿入方向Dに視て感光体カートリッジBと重なる空間を利用して現像容器23の容積を増やすことができ、新品の状態においてトナー室29に封入されるトナー量及び/又は後述の廃トナー室30の容量を大きな値に設定できる。
【0032】
図5は装置本体Aに対する感光体カートリッジBの挿入をガイドするガイド構成を示す斜視図である。装置本体Aには、本実施例の案内手段であるガイド部材19a,19bが設けられている(
図3も参照)。感光体カートリッジBには、ガイド部材19a,19bによって案内される第1被ガイド部73e,71h及び第2被ガイド部71a,71gが設けられている。第1被ガイド部73e,71hは基準軸方向Xにおけるカートリッジの両側に設けられ、第2被ガイド部71a,71gも基準軸方向Xにおけるカートリッジの両側に設けられている。また、挿入方向Dに関して、第1被ガイド部73e,71hは第2被ガイド部71a,71gよりも下流に位置する。本実施例におけるこれらの被ガイド部は、いずれもカートリッジの側面から基準軸方向Xに突出する軸部材(ボス形状)である。
【0033】
図6(a)~(c)は感光体カートリッジBを装置本体Aに装着する際のガイド部材19a,19bの作用を表している。なお、駆動側のガイド部材19a及びこれに対応する被ガイド部73e,71aの図示は省略するが、以下で説明する非駆動側の動作と同様の動作が行われる。まず、作業者(ユーザ又保守担当者)は第1被ガイド部73e,71hがガイド部材19a,19bの上面に接するように感光体カートリッジBを挿入方向Dに挿し込む(
図6(a))。さらにガイド部材19bに沿って感光体カートリッジBを挿し込むと、第1被ガイド部71h及び第2被ガイド部71gの両方がガイド部材19bに接触して挿入方向Dにガイドされる(
図6(b))。
【0034】
さらに感光体カートリッジBが挿し込まれ、第1被ガイド部71hはガイド部材19bから離脱する。これと略同時に、駆動側の第1被ガイド部73eはガイド部材19aから離脱する。第1被ガイド部73e,71hがガイド部材19a,19bから離脱することで、感光体カートリッジBは、ガイド部材19a,19bに支持されている第2被ガイド部71a,71gを中心にして自重によって下方に揺動する。
【0035】
なお、装置本体Aには、後述するように感光体カートリッジBの駆動側の端部を支持する駆動軸支持部材1、及び感光体カートリッジBの被駆動側の端部を支持する非駆動側支持部材12が設けられている。そして、挿入方向Dにおける感光体カートリッジBの位置に関して、ガイド部材19a,19bが第1被ガイド部73e,71hを支持可能な範囲は、駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12が感光体カートリッジBを支持可能な範囲と一部重複する。駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12が感光体カートリッジBを支持可能な範囲とは、具体的には
図15、
図16において各支持部材(1,12)の第2支持部1b,12bが感光体カートリッジBの被支持部(73d,71f)を支持可能な範囲を指す。駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12については後に詳しく説明する。
【0036】
従って、第1被ガイド部73e,71hがガイド部材19a,19bから離脱すると、感光体カートリッジBは、挿入方向Dの下流側において駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12によって支持された状態となる。このとき、挿入方向Dの上流側においては第2被ガイド部71a,71gがガイド部材19a,19bによって支持されている。そして、感光体カートリッジBがさらに挿し込まれることで装置本体Aに対する所定の装着位置に到達すると、感光体カートリッジBは装置本体Aに対して位置決めされ、かつ、装置本体Aの駆動源に連結された状態となる(
図6(c))。感光体カートリッジBの位置決め構成及び駆動伝達構成については後述する。
【0037】
次に、現像カートリッジCの着脱構成について説明する。
図7(a)、(b)に示すように、現像カートリッジCの着脱はトレイ18に支持された状態で行われる。本実施例の引き出し部材であるトレイ18は、装置本体Aに設けられたレールによって挿入及び引き出し可能に支持されている。トレイ18は、現像カートリッジCに設けられた被支持面20aを支持する支持面18a,18eと、トレイ18に対する現像カートリッジCの位置を規制する位置規制部18b,18fを有している。本実施例における位置規制部18b,18fは、支持面18a,18eから鉛直方向下方に凹んだ略矩形状の凹形状である。現像カートリッジCの底面における駆動側の端部には、
図7(b)に示すように位置規制部18bに嵌合する被規制部20bが、被支持面20aに対して下方に突出した位置に設けられている。また、現像カートリッジの被駆動側の端部には、
図7(a)に示すように位置規制部18fに嵌合する被規制部20fが、被支持面20aに連続する板状に形成され、かつ、被支持面20aから基準軸方向Xに突出するように設けられている。
【0038】
図8に示すように、トレイ18の支持面18aは、トレイ18の挿入方向D1(本実施例では現像カートリッジCの挿入方向Dに同じ)の下流に延びるほど鉛直方向下方に向かうように水平面に対して傾斜している。位置規制部18bは、被規制部20bの引き出し方向D2(挿入方向D1の反対方向)へのトレイ18に対する相対移動を規制する第1規制面18cと、被規制部20bの挿入方向D1へのトレイ18に対する相対移動を規制する第2規制面18dとを有する。また、略鉛直方向に延びる第1規制面18cと支持面18aとは、面取り部である斜面18gによって接続されている。
【0039】
なお、ここでは駆動側の構成を説明したが、非駆動側の支持面18e、位置規制部18fも同様の構成を備えている。即ち、
図7(b)に示すように、位置規制部18fは、現像カートリッジCの被規制部20fの引き出し方向D2へのトレイ18に対する相対移動を規制する第1規制面18hを有する。また、位置規制部18fは、被規制部20bの挿入方向D1へのトレイ18に対する相対移動を規制する第2規制面18iを有する。また、略鉛直方向に延びる第1規制面18hと支持面18eとは、面取り部である斜面18jによって接続されている。
【0040】
作業者がトレイ18を挿入方向D1に移動させるとき、現像カートリッジCは装置本体Aに設けられた部材から引き出し方向D2の力を受けることがある。このような場合でも、トレイ18の第1規制面18c,18hが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを押圧することで、現像カートリッジCはトレイ18と一体的に挿入方向D1に向かって移動する。また、作業者がトレイ18を引き出し方向D2に移動させるとき、現像カートリッジCは装置本体Aに設けられた部材から挿入方向D1の力を受けることがある。このような場合でも、トレイ18の第2規制面18d,18iが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを押圧することで、現像カートリッジCはトレイ18と一体的に引き出し方向D2に向かって移動する。
【0041】
なお、本実施形態では被規制部20b,20fを凸形状とし、位置規制部18b,18fを被規制部20b,20fに嵌合する凹形状とする構成例を説明したが、他の形状によってトレイ18に対する現像カートリッジCの相対移動を規制してもよい。例えば、トレイ18の底面から上方に突出する1つ以上の凸部を設け、現像カートリッジCにこの凸部に嵌合する凹部を設けてもよい。この場合も、凸部と凹部が嵌合することで、現像カートリッジCのトレイ18に対する挿入方向D1及び引き出し方向D2への相対移動が規制された状態となり、トレイ18の挿入又は引き出しに伴って現像カートリッジCを移動させることができる。またトレイ18の平面座標において、図示された位置とは異なる任意の位置に、位置規制部18f,18f、被規制部20b,20fに相当する構成を設けるようにしても良い。これでも同様の作用を得ることができる。
【0042】
図8~
図12は、現像カートリッジCをトレイ18に支持させる動作を基準軸方向Xにおける駆動側から見た様子を表している。以下の説明では駆動側の動作について説明するが、非駆動側においても同様の動作が行われる。
【0043】
図8に示すように、現像カートリッジCは、装置本体Aから現像カートリッジCの着脱が可能な所定の位置まで引き出された状態のトレイ18に対して上方からセットされる。作業者は、現像カートリッジCの把持部を把持した状態でカートリッジをトレイ18の上方から下方に向けて降ろす(矢印E)。すると、
図9に示すように、被規制部20bの底面20eがトレイ18の支持面18aに当接する。支持面18aは傾斜しているため、現像カートリッジCを矢印G方向にスライドさせることで、作業者は被規制部20bが位置規制部18bに嵌合する位置まで現像カートリッジCを容易に移動させることができる。
【0044】
図10に示すように、被規制部20bが位置規制部18bに近付くと、被規制部20bの底面20eが支持面18aから離脱して斜面18gに接する。斜面18gの傾斜は支持面18aよりも大きいため、現像カートリッジCの自重によって被規制部20bが斜面18gに沿って矢印H方向に滑落し、さらに斜面18gから離脱して矢印E方向に落下する。その結果、
図11に示すように、現像カートリッジCの被規制部20bが位置規制部18bに嵌合し、かつ、被支持面20aが支持面18aに支持された状態となり、トレイ18へのセットが完了する。
図11の状態では、現像カートリッジCの重量はトレイ18を介して装置本体Aに支持され、かつ、トレイ18に対する現像カートリッジCの水平方向の移動が規制されている。
【0045】
この後、現像カートリッジCは、トレイ18に載せられた状態で挿入方向D1に挿入されることで装置本体Aに装着される。上述した通り、感光体カートリッジBは現像カートリッジCが装着されていない状態で装置本体Aに着脱されるように構成されている。従って、現像カートリッジCの装着動作は、通常、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着されている状態で行われる。
【0046】
<カートリッジの支持構成>
次に、装置本体Aに装着された状態における感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの支持構成について説明する。装置本体Aに装着された状態において、感光体カートリッジBは装置本体Aの駆動側板15及び非駆動側板16(
図3)によって支持される。
【0047】
図15に示すように、駆動側板15には、駆動軸支持部材1と、上述のガイド部材19aとが設けられている。駆動軸支持部材1は、第1支持部1a、第2支持部1b、ガイド溝1c、切欠き部1dが一体的に形成された部材であり、後述の第1駆動軸14を回転可能に支持している。感光体カートリッジBのドラム軸受73には、第1支持部1aに支持される第1被支持部73b、第2支持部1bに支持される第2被支持部73dが設けられている。基準軸方向Xにおける駆動側において、装着状態の感光体カートリッジBは、第1被支持部73b、第2被支持部73d及び第2被ガイド部71aがそれぞれ第1支持部1a、第2支持部1b及びガイド部材19aに当接した状態で、装置本体Aに支持される。駆動軸支持部材1のガイド溝1c及び切り欠き部1dについては後述する。
【0048】
また、
図16に示すように、非駆動側板16には、非駆動側支持部材12と、ガイド部材19bとが設けられている。非駆動側支持部材12は、第1支持部12a及び第2支持部12bを備えている。感光体カートリッジBのクリーニング枠体71には、第1支持部12a及び第2支持部12bに支持される突起71fが設けられている。基準軸方向Xにおける非駆動側において、装着状態の感光体カートリッジBは、突起71fが第1支持部12a及び第2支持部12bに当接し、第2被ガイド部71gがガイド部材19aに当接した状態で、装置本体Aに支持される。
【0049】
次に、現像カートリッジCの支持構成について説明する。
図18、
図20に示すように、現像カートリッジCの基準軸方向Xにおける両端部には、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが設けられている。本実施例の被係合部である第1支持穴23a及び第2支持穴23bはカートリッジの挿入方向Dに延びる溝形状であり、現像容器23に設けられている。
【0050】
図19、
図21に示すように、感光体カートリッジBの基準軸方向Xにおける両端部には、第1吊り穴71i,71i及び第2吊り穴71j,71jが設けられ、この第1吊り穴71i及び第2吊り穴71jにそれぞれ結合ピン69,69が圧入固定されている。ただし、
図19は
図18の円で示した部分を下側から見た斜視図であり、
図21は
図20の円で示した部分を下側から見た斜視図である。各結合ピン69は、基準軸方向Xに延びる軸状部材である。結合ピン69,69は、いずれも、第1支持穴23a及び第2支持穴23bに係合する本実施例の係合部である。
【0051】
図12~
図14は、現像カートリッジCが装置本体Aに挿入される過程で現像カートリッジCと感光体カートリッジBとが係合する様子を表している。以下、基準軸方向Xにおける駆動側から見た動作を説明するが、非駆動側においても第2支持穴23b及び結合ピン69によって同様の動作が実現される。
【0052】
上述した通り、現像カートリッジCは、トレイ18に載置された状態で、トレイ18と共に挿入方向Dに向かって装置本体Aに挿入される。
図12に示すように、第1支持穴23aの開口部には斜面23cが設けられており、現像カートリッジCが挿入される際には感光体カートリッジBの結合ピン69に対して斜面23cが最初に当接する。
【0053】
斜面23cは、挿入方向Dの下流に向かって鉛直方向の上方へ向かうように水平面に対して傾斜している。従って、斜面23cが結合ピン69に当接した後、現像カートリッジCがさらに挿入されると、斜面23cが結合ピン69に乗り上げるようにして現像カートリッジCが上方に持ち上がる。そして、
図13に示すように、第1支持穴23aが結合ピン69に係合した状態(斜面23cより溝形状の底部に近い領域が結合ピン69に当接した状態)となる。これに平行して、基準軸方向Xにおける反対側では、第2支持穴23bが斜面23cにおいて結合ピン69に当接した後、結合ピン69に係合する。
【0054】
第1支持穴23a及び第2支持穴23bが結合ピン69に係合した状態では、現像カートリッジCの重量の少なくとも一部が結合ピン69を介して感光体カートリッジBに支持された状態となる。また、現像カートリッジCは結合ピン69を支点として現像ローラ32が感光ドラム62に接近及び離間する方向に揺動可能である。
図14に示すように、トレイ18に設けた付勢部材100が現像カートリッジCの現像容器23の底面(底部)を上方に押圧することで、現像ローラ32は結合ピン69を中心としてI方向の付勢力を受ける。これにより、上述の間隔保持部材38が感光ドラム62に当接し、現像ローラ32が感光ドラム62に対して位置決めされる。本実施例の付勢手段である付勢部材100は、例えばトレイ18の底部に設置されたバネ部材である。
【0055】
ここで、第1支持穴23a及び第2支持穴23bの斜面23cが結合ピン69に乗り上げるように現像カートリッジCが移動するとき、結合ピン69が斜面23cを押し返すことで、現像カートリッジCには挿入方向Dとは反対方向の力が作用する。しかし、上述したように、トレイ18に設けられた位置規制部18b,18fの第1規制面18c,18hが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを挿入方向Dに押圧するため、現像カートリッジCはトレイ18と共に挿入方向Dへ移動できる。第1規制面18c,18hと被規制部20b,20fの上下方向における嵌合長さは、斜面23cが結合ピン69に乗り上げた状態でも第1規制面18c,18hと被規制部20b,20fとの当接が維持されるように設定される。
【0056】
また、トレイ18を引き出す場合、第1支持穴23a及び第2支持穴23bから結合ピン69を離脱させる際に現像カートリッジCには引き出し方向とは反対の挿入方向Dの力が作用する。しかし、上述したように、トレイ18に設けられた位置規制部18b,18fの第2規制面18d,18iが現像カートリッジCの被規制部20b,20fを引き出し方向に押圧するため、現像カートリッジCはトレイ18と共に引き出し方向へ移動できる。第2規制面18d,18iと被規制部20b,20fの上下方向における嵌合長さは、結合ピン69が第1支持穴23a及び第2支持穴23bから抜け出る過程を通して第2規制面18d,18iと被規制部20b,20fとの当接が維持されるように設定される。
【0057】
このように、本実施例では、感光体カートリッジBの着脱がガイド部材19a,19bによって案内され、現像カートリッジCの着脱がトレイ18に支持された状態で行われる。そして、現像カートリッジCを支持しているトレイ18を基準軸方向Xに交差する方向(挿入方向D)に挿入する動作により、装置本体Aに装着されている感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが係合する。従って、画像形成ユニットが複数のカートリッジからなる構成において、カートリッジの交換作業を容易なものとし、ユーザビリティの高い画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することができる。
【0058】
なお、本実施例では付勢部材100がトレイ18に設けられているが、付勢部材は現像ローラを感光ドラムに当接させる方向に力を働かせるように配置されていれば他の場所に設けてもよい。また、第1支持穴23a及び第2支持穴23bの溝形状は、本実施例のように挿入方向Dの上流に延びるほど鉛直方向上方に向かうように水平面に対して若干傾斜させておくと好適である。これにより、結合ピン69に係合した各支持穴が結合ピン69から離脱することを防ぐことができる。さらに、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが結合ピン69に係合した状態における現像カートリッジCの姿勢を、現像カートリッジCに作用する重力により、第1支持穴23aが結合ピン69を付勢するようにすることでより一層離脱を防止できる。
【0059】
また、付勢部材100は、トレイ18の挿入方向Dにおける上流側の端部に丸みを持たせた形状とすると好適である。これにより、トレイ18を装置本体Aに挿入する動作に伴って、現像カートリッジCを容易に付勢部材100の上に乗り上げることが可能となる。
【0060】
また、本実施例では、トレイ18の挿入動作に伴って現像カートリッジCが付勢部材100に乗り上げるものとして説明したが、別の形態として、トレイ18の挿入動作後に所定の操作を行うことで付勢部材が現像カートリッジCを付勢するようにしてもよい。例えば、トレイ18の底面に付勢部材100が通過可能な開口部を形成すると共に、付勢部材100が開閉扉13(
図3)の開閉に連動して移動するようにしておく。そして、トレイ18を挿入した後、開閉扉13を閉じることで付勢部材100がトレイ18の開口部を介して現像カートリッジCに当接する位置まで移動するようにする。また、開閉扉13を開くことで付勢部材100がトレイ18の開口部を介してトレイ18及び現像カートリッジCの引き出しを妨げない位置まで退避するようにすればよい。
【0061】
<カートリッジへの駆動入力>
次に、装置本体Aから感光体カートリッジBへ駆動を入力する構成について説明する。
図15に示すように、感光体カートリッジBと現像カートリッジCの基準軸方向Xにおける駆動側の側面には、装置本体Aから駆動力を受けるためのドラムカップリング70及び現像カップリング21が設けられている。ドラムカップリング70は、第1軸部材である装置本体Aの第1駆動軸14と連結される第1連結部を構成し、現像カップリング21は、第2軸部材である装置本体Aの第2駆動軸99と連結される第2連結部を構成する。なお、本実施形態のドラムカップリング70は感光ドラム62と同軸上に配置され(
図21参照)、ドラムカップリング70及び感光ドラム62が一体回転するドラムユニットとして、ドラム軸受73によって回転可能に支持されている。
【0062】
ドラムカップリング70及び現像カップリング21は、いずれも感光体カートリッジBと現像カートリッジCに対して傾斜可能(つまり、カップリング部材の回転軸線が基準軸方向Xに対して傾斜可能)な構成となっている。以下で説明するように、ドラムカップリング70及び現像カップリング21は、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを装置本体Aに挿入及び引き抜きする動作に伴って第1駆動軸14及び第2駆動軸99に係合及び離脱するように構成されている。
【0063】
図23(a)に示すように、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着されていないとき、ドラムカップリング70は第1の付勢部材であるねじりコイルばね24によって先端が挿入方向Dの下流側を向くように付勢されている。
図23(b)に示すように、感光体カートリッジBが装置本体Aに挿入されるとき、感光体カートリッジBが装着位置に到達する前にドラムカップリング70が第1駆動軸14に係合する。つまり、第1駆動軸14に設けられたキー14aがドラムカップリング70のキー溝70aに嵌合し、第1駆動軸14の回転に伴ってドラムカップリング70が回転する状態となる。そして、ねじりコイルバネ24の付勢力に抗してドラムカップリング70が第1駆動軸14に押圧されることで、感光体カートリッジBが装着位置に到達したときはドラムカップリング70が概ね基準軸方向Xに延びている状態となる。
【0064】
同様に、
図23(c)に示すように、現像カートリッジCが装置本体Aに装着されていないとき、現像カップリング21は第2の付勢部材であるねじりコイルばね25によって先端が挿入方向Dの下流側を向くように付勢されている。
図23(d)に示すように、現像カートリッジCが装置本体Aに挿入されるとき、現像カートリッジCが装着位置に到達する前に現像カップリング21が第2駆動軸99に係合する。つまり、第2駆動軸99に設けられたキー99aが現像カップリング21のキー溝21aに嵌合し、第2駆動軸99の回転に伴って現像カップリング21が回転する状態となる。そして、ねじりコイルバネ25の付勢力に抗して現像カップリング21が第2駆動軸99に押圧されることで、現像カートリッジCが装着位置に到達したときは現像カップリング21が概ね基準軸方向Xに延びている状態となる。
【0065】
図23(d)に示す状態では、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCがそれぞれドラムカップリング70及び現像カップリング21を介して装置本体Aから駆動力を受け取ることが可能である。以上説明した通り、基準軸方向Xに対して傾斜可能なカップリング部材を配置したことで、カートリッジを装置本体に対して挿入及び引き抜きする動作によって、カートリッジと装置本体との駆動伝達を円滑に連結及び解除することが可能となる。
【0066】
<感光ドラムの軸方向の位置決め>
次に、基準軸方向Xに関して感光体カートリッジBを位置決めするための構成を説明する。
図15及び
図22に示すように、装置本体Aの第1駆動軸14は、駆動側板15に設けられた駆動軸支持部材1によって回転可能に支持されている。駆動軸支持部材1には、感光体カートリッジBを装置本体に装着する際に基準軸方向Xにおけるカートリッジの位置を規制する規制部として、前述のガイド溝1cが設けられている。本実施例のガイド溝1cは、駆動軸支持部材1の第2支持部1bの上面から下方に凹み、かつ、カートリッジの挿入方向Dに延びる溝形状である。ガイド溝1cに対して挿入方向Dの下流側には前述の切欠き部1dが設けられている。
【0067】
また、装置本体Aには、規制溝2aを有する規制部材2が設けられている。規制溝2aは、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着されている状態で基準軸方向Xにおけるカートリッジの位置を規制するために装置本体に設けられた規制部として働く。規制溝2aは、略鉛直方向に延び、かつ、カートリッジの挿入方向Dの上流に向かって開放された溝形状である。
【0068】
図21に示すように、感光体カートリッジBのドラム軸受73には、ガイド溝1cに嵌合する凸部74と、規制溝2aに嵌合する被規制部61とが設けられている。凸部74は、ドラム軸受73が駆動軸支持部材1の第2支持部1bに支持される第2被支持部73dから下方に突出している。また、被規制部61は、挿入方向Dにおけるドラム軸受73の端面(装着状態において規制部材2に対向する面)から挿入方向Dの下流に向かって突出している。
【0069】
図24及び
図25は、感光体カートリッジBを装置本体Aに装着する際の上述の位置決め構成の作用を説明するための図であり、
図24(a)、(b)は基準軸方向Xから見た様子、
図25(a)、(b)は上方から見た様子を表す。
図24(a)及び
図25(a)に示すように、感光体カートリッジBが挿入方向Dに挿入されていくと、ドラム軸受73の凸部74が駆動軸支持部材1のガイド溝1cに入り込む。これにより、基準軸方向Xにおける感光体カートリッジBの位置が規制されるため、ドラムカップリング70が感光体カートリッジBの挿入に伴って第1駆動軸14と円滑に連結される。
【0070】
さらに感光体カートリッジBが挿入方向Dに移動すると、
図24(b)及び
図25(b)に示すように、ドラム軸受73の凸部74は駆動軸支持部材1の切欠き部1dに到達してガイド溝1cから離脱する。従って、凸部74とガイド溝1cとの嵌合による感光体カートリッジBの位置規制は解除される。一方、感光体カートリッジBが装着位置に到達するまでの間に、ドラム軸受73に設けられた被規制部61が装置本体Aに設けられた規制溝2aに嵌合する。これにより、感光体カートリッジBが装置本体Aに装着された状態においては、被規制部61と規制溝2aとの嵌合によって基準軸方向Xにおける感光体カートリッジBの位置決めがなされる。基準軸方向Xは画像形成プロセスにおける感光ドラム62の主走査方向であるため、このような位置決め構成で感光ドラム62の位置決めを高い精度で行うことで、画像品質の向上に貢献する。
【0071】
なお、ガイド溝1c及び凸部74の基準軸方向Xのクリアランスは、必ずしも規制溝2a及び被規制部61の基準軸方向Xのクリアランスと一致させる必要はない。例えば、前者の値を後者の値より小さく設定して画像形成動作を行う際の感光ドラム62の位置決め精度を高めてもよい。また、本実施例ではカートリッジの装着時に位置決めを行う部分(ガイド溝1c及び凸部74)と、カートリッジが装着された状態で位置決めを行う部分(規制溝2a及び被規制部61)が別個に設けられているが、これらをまとめて配置しても構わない。例えば、ガイド溝1cを本実施例の切欠き部1dの範囲まで延長して、カートリッジが装着された状態でも凸部74がガイド溝1cに係合するようにしてもよい。
【0072】
<カートリッジの取り外し>
感光体カートリッジB及び現像カートリッジCを装置本体Aから取り外す場合は、以上で説明した装着動作の過程を逆にたどって取り外し作業を行えばよい。現像カートリッジCを取り外す場合、作業者は装置本体Aの開閉扉13を開いた状態でトレイ18を挿入方向Dの反対側に引き出す。すると、第1支持穴23a及び第2支持穴23bが結合ピン69,69から離脱して現像カートリッジCと感光体カートリッジBの係合が解除される。また、現像カップリング21は装置本体Aの第2駆動軸99から離脱する。トレイ18を所定の位置まで引き出した状態で現像カートリッジCをトレイ18から上方に持ち上げることで、現像カートリッジCの取り外しが完了する。その後、作業者はさらに感光体カートリッジBを取り外してもよく、新しい現像カートリッジCをトレイ18にセットして現像カートリッジCのみを交換してもよい。
【0073】
本実施例では、感光体カートリッジBの耐用期間が、新品の現像カートリッジCに封入されているトナーが消費されるまでの平均期間に比べて長い構成となっている。従って、感光体カートリッジBを交換する必要がない場合は現像カートリッジCのみを交換することが可能である。
【0074】
感光体カートリッジBを取り外す場合、作業者は、現像カートリッジCが取り外された状態で感光体カートリッジBを挿入方向Dの反対側に引き出す。すると、感光体カートリッジBは装置本体Aの駆動軸支持部材1及び非駆動側支持部材12から離脱し、ドラムカップリング70は第1駆動軸14から離脱する。その後、ガイド部材19a,19bに沿ってカートリッジをさらに引き出すことで、感光体カートリッジBの装置本体Aからの取り外しが完了する。
【0075】
<廃トナー搬送>
次に、クリーニング部材によって感光ドラムから回収される廃トナーを搬送するための構成について説明する。
図17(a)は、感光体カートリッジBの内部構成を説明するために、
図17(b)の切断線G-Gで切断した断面図である。
図17(a)に示すように、クリーニング部材77(
図2参照)によって感光ドラム62の表面から除去された廃トナーは、感光体カートリッジBの内部に配置された第1スクリュー86及び第2スクリュー87によって搬送される。第1スクリュー86及び第2スクリュー87は、本実施例において感光体からの廃棄物を搬送する搬送手段である。
【0076】
第1スクリュー86は、感光ドラム62及びクリーニング部材77の近傍に、回転軸線が基準軸方向Xを向くように配置され(
図2参照)、廃トナーを基準軸方向Xの駆動側に搬送する。第2スクリュー87は、感光体カートリッジBの内部において、第1スクリュー86の搬送方向における下流側の端部に、第1スクリュー86に対して交差する向きで配置されている。第1スクリュー86は上述のドラムカップリング70から駆動力を受け取って回転し、第2スクリュー87は第1スクリュー86から駆動力を受け取って回転する。なお、実施例3で詳しく説明するように、第1スクリュー86及び/又は第2スクリュー87が、現像カップリング21から駆動力を受け取って回転するようにしてもよい。
【0077】
蓋部材72には、現像カートリッジCへ向けて廃トナーを排出可能な第1開口部としての廃トナー排出口72aが設けられている。廃トナー排出口72aは、第2スクリュー87の搬送方向において、第2スクリュー87の下流部分に対向する位置に設けられている。クリーニング部材77によって感光ドラム62から除去された廃トナーは、まず、第1スクリュー86によって基準軸方向Xに沿って搬送され、次に第2スクリュー87によって廃トナー排出口72aに搬送され、感光体カートリッジBの外部に排出される。
【0078】
図26は感光体カートリッジBと現像カートリッジCとの位置関係を示す斜視図であり、
図27(b)は、
図27(a)に示すプロセスユニットPUを切断線J-Jで切断した断面図である。
図26及び
図27(b)に示すように、現像容器23の上面において廃トナー排出口72aと対向する位置には、廃トナーを受け入れるための第2開口部としての廃トナー受入口23dが設けられている。また、現像容器23には、カートリッジの挿入方向Dにおいてトナー室29に対して上流側(現像ローラ32から遠い側の端部)に、廃トナーを収容する収容部である廃トナー室30が設けられている。廃トナー排出口72aから排出された廃トナーは、廃トナー受入口23dを通って現像カートリッジCの廃トナー室30に流入する。
【0079】
図28(a)は、現像カートリッジCを
図28(b)に示す切断線K-Kで切断した断面図である。
図27及び
図28に示すように、廃トナー室30には第3スクリュー88が設けられている。第3スクリュー88は、基準軸方向Xに延びる廃トナー室30の内部に、軸線方向が基準軸方向Xを向くように(つまり、第1スクリュー86と略平行に)配置されている。また、第3スクリュー88は不図示のギア列を介して、現像カップリング21から駆動力を伝達されて回転する。以上の構成により、感光体カートリッジBから廃トナー受入口23dを通って現像カートリッジCの廃トナー室30に流入する廃トナーは、第3スクリュー88によって基準軸方向Xに適宜搬送されて廃トナー室30に充填される。
【0080】
なお、感光体カートリッジBの廃トナー排出口72a及び現像カートリッジCの廃トナー受入口23dには、それぞれ不図示のシャッターが設けられている。感光体カートリッジB及び現像カートリッジCが装置本体Aに装着されている状態ではこれらのシャッターが開いた状態となり、廃トナー排出口72aと廃トナー受入口23dとが連通する。現像カートリッジCが装置本体Aから取り外された場合等、感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが分離された状態では、それぞれのシャッターが閉まった状態となり、廃トナーが外に漏れるのを防止する。
【0081】
このようなシャッター機構の具体的な構成例としては、次のものが挙げられる。各カートリッジの筐体に対して挿入方向Dにスライド可能なシャッター部材を配置すると共に、開口部を閉じる位置へ向けて各シャッターを付勢する付勢部材を配置する。そして、現像カートリッジCの挿入動作に伴って、現像カートリッジCの一部が感光体カートリッジBのシャッターを挿入方向Dにスライドさせて廃トナー排出口72aを開くようにする。また、これに並行して感光体カートリッジBの一部が現像カートリッジCのシャッターを挿入方向Dとは反対側にスライドさせて廃トナー受入口23dを開くようにすればよい。なお、例えば上方を向いている現像カートリッジCの廃トナー受入口23dについてはシャッターを設けずに開放状態としてもよい。
次に、実施例2に係る画像形成装置について説明する。本実施例は、感光体カートリッジが上述のトレイ18とは異なる他の引き出し部材に支持された状態で装置本体に挿入される点で実施例1と異なっている。その他の実施例1と同様の構成及び作用を有する要素については、実施例1と共通の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、感光体カートリッジB及び現像カートリッジCの着脱がそれぞれトレイ(18,101)に支持された状態で行われる。そして、現像カートリッジCを支持しているトレイ18を基準軸方向Xに交差する方向(挿入方向D)に挿入する動作により、装置本体Aに装着されている感光体カートリッジBと現像カートリッジCとが係合する。従って、本実施例の構成によっても、カートリッジの交換作業を容易なものとし、ユーザビリティの高い画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することができる。