(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184755
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】針注射を容易にするための装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/42 20060101AFI20231221BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20231221BHJP
【FI】
A61M5/42
A61M5/20 572
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192259
(22)【出願日】2023-11-10
(62)【分割の表示】P 2020532883の分割
【原出願日】2018-12-19
(31)【優先権主張番号】62/608,981
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アミット リメイエ
(57)【要約】
【課題】ペン針の注射を支援する装置を提供する。
【解決手段】安全ペンと前記安全ペンの針挿入を助けるために構成された装置とを含むシステムである。前記装置が、ハウジングであって、皮膚表面に接触するように構成された載置面と、前記安全ペンを受容するように構成された穴であって、前記穴は、前記安全ペンが前記穴内で底に達して前記針挿入のために前記安全ペンを位置付けできるように構成されている、穴と、を含むハウジング、を備え、前記安全ペンは、本体、ボス、及び前記ボスに固定された針を有するハブを含む安全ペン針と協働する安全機構を備え、前記安全機構が前記針を使用後にシールドしてロックして再使用を防ぐ安全機構を備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全ペンと前記安全ペンの針挿入を助けるために構成された装置とを含むシステムであって、前記装置が、
ハウジングであって、
皮膚表面に接触するように構成された載置面と、
前記安全ペンを受容するように構成された穴であって、
前記穴は、前記安全ペンが前記穴内で底に達して前記針挿入のために前記安全ペンを位置付けできるように構成されている、穴と、を含むハウジング、
を備え、
前記安全ペンは、本体、ボス、及び前記ボスに固定された針を有するハブを含む安全ペン針と協働する安全機構を備え、前記安全機構が前記針を使用後にシールドしてロックして再使用を防ぐ安全機構を備えている、システム。
【請求項2】
前記ハウジングが均一な厚さを備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハウジングが透明または半透明である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ハウジングが実質的に長方形形状を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記載置面が実質的に平坦である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハウジングが、少なくとも1つのブランドまたは商標、企業名およびロゴ、患者情報、教育指示、認識情報、画像、バーコード、およびスキャン可能なQRコード(登録商標)を含む情報の模様を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記情報の模様は、前記ハウジングの前記載置面の反対側の前記ハウジングの面に配置されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハウジングの前記載置面の反対側の前記ハウジングの面が実質的に平坦である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記穴は、テーパ状にされていて前記安全ペンの受容を改善するようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記テーパの第1直径が、前記ハウジングの前記載置面に位置づけられており、
前記テーパの第2直径が、前記ハウジングの前記載置面の反対側の前記ハウジングの面に位置づけられており、
前記第2直径が前記第1直径よりも大きい、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
テーパ状にされた前記穴が、前記安全ペンのテーパ状の外面に実質的に対応している、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記安全ペンが前記穴内で底に達したときに前記安全ペンの底部末端表面が前記ハウジングの前記載置面と面一になるように、前記ハウジングが構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記ハウジングを照明するLEDを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記LEDは、前記ハウジングの前記穴に隣接している、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記載置面が、平坦、滑らか及び連続的な表面を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記載置面が、前記穴の周りに均一に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記安全機構の早すぎる作動が防止されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記安全機構が、前記針を使用後にシールドしてロックするように作動される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記安全機構が、前記針が前記薬剤を配送するために延ばされたときに作動する引っ込み可能なシールドを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記安全機構が作動されるとき、前記安全機構が前記針を永久的にロックして再使用を防いでいる、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、35U.S.C.セクション119(e)の下で、2017年12月21日に提出された米国仮出願番号62/608,981の利益を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、針注射、特に安全ペン針を用いて行われる針注射に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
安全ペン針は、医療用注射器および他の注射器、特に薬剤配送ペン注射器と同様に使用されることが当技術分野でよく知られている。注射前後の使用済み針のシールドは、そのような装置によって提供される。ただし、シールドが存在するため、医療従事者が針の露出または針の注射を確認し、安全な起動を提供することは困難な場合がある。
【0004】
図1と
図2に示すように、ボディマス指数(BMI)が高いか、皮膚が柔らかい患者に安全ペン針を使用すると、皮下注射を確認することが難しい場合がある。たとえば、注射中の皮膚のくぼみは、注射力の変動、過剰な圧力によるあざ、早すぎる安全機構の作動、斜めの針挿入などの問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
従来のペン針は、注射中に皮膚がくぼんだときにも問題が発生する可能性がある。これらの問題には、注射力の変化、過度の圧力によるあざ、および斜めの針挿入の原因が含まれる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様は、ペン針の注射を支援する装置を提供することである。このような装置は、患者の皮膚、特にBMIが高い皮膚や柔らかい皮膚を自動的に平らにする。この装置は、ペン針を実質的に自己中心付けし、過剰な力を減らし、早すぎる作動の可能性を最小限に抑え、より信頼性が高く正確な皮下針挿入プロセスを提供する。
【0007】
本発明の上記および/または他の態様は、注射器による針挿入を助けるように構成された装置を提供することによって達成することができ、装置は、皮膚表面に接触するように構成された載置面を有するハウジングと、注射器と係合するように構成された穴と、穴と実質的に同心で注射器との係合を改善するテーパとを含む。
【0008】
本発明の追加のおよび/または他の態様および利点は、以下の詳細な説明に記載され、または詳細な説明から明らかであり、または本発明の実施により知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上記の態様および特徴は、添付の図面を参照して行われる本発明の例示的な実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【0010】
【
図1】
図1は、従来技術の安全ペン針と患者の皮膚の側面斜視図である。
【
図2】
図2は、患者の皮膚に挿入されている先行技術の安全ペン針の針の側面斜視図である。
【
図3】
図3は、ペン針の注射を助けるための装置の第1の例示的な実施形態の正面斜視図である。
【
図4】
図4は、安全ペン針に係合するように構成され、皮膚表面に載置された
図3の装置の断面図である。
【
図5】
図5は、安全ペン針と係合し、ペン針が患者の皮膚を突き刺している
図3の装置の断面図である。
【
図6】
図6は、LEDを備えた
図2の装置の第2の例示的な実施形態の正面斜視図である。
【
図9】
図9は、装置と係合するように構成されたペン針を有する薬剤配送ペンの第3の例示的な実施形態の断面図である。そして
【
図10】
図10は、ペン針に係合し、患者の皮膚を突き刺している
図9の装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態の詳細な説明
上記のように、
図1は、ハウジング12、安全機構の一部を形成する可動針シールド14、および針カニューレ16を含む、先行技術の使い捨て安全ペン針10に取り付けられた薬剤配送ペン8を示す。安全ペン針10は、患者の皮膚表面78に注射される。安全ペン針10を使用すると問題が発生する場合がある。
図2に示されるように、柔らかい皮膚または高いボディマス指数(BMI)を有する患者に対して安全ペン針10に加えられる圧力は、皮膚表面78のくぼみ77を引き起こし得る。このくぼみ77は、制御されない可変の注射力を生み出す可能性がある。
【0012】
具体的には、医療従事者が安全ペン針10を皮膚表面78に押し付けなければならない力の大きさまたは強さを正確かつ一貫して決定できないことがある。その結果、安全ペン針10の安全機構は、過度の注射力によって早すぎて作動される可能性がある。以下でさらに説明するように、安全機構が作動し、続いてロックされると、安全ペン針10はもはや操作可能ではない。あるいは、安全シールド14が安全機構を完全に後退させて作動させることをくぼみ77が困難にする可能性がある。この場合、もし安全機構が作動しないと、安全ペン針10が潜在的に再利用される可能性があり、これは望ましくない。結局、医療従事者からの過剰な注射力および加えられた圧力はまた、患者の皮膚表面78に挫傷を作り出す可能性がある。
【0013】
皮膚表面78のくぼみ77はまた、安全ペン針10の針16の角度付き挿入を作り出すことがある。皮膚表面78上での平坦な配置を達成することは困難であるため、安全ペン針10の針16は、皮膚表面78に対して実質的に垂直な方向に挿入されないことが多い。したがって、安全ペン針10が皮膚の所望の皮下領域に挿入されているかどうか、医療従事者には確信がない。安全ペン針10が皮膚の皮下領域を越えて挿入されると、患者の筋肉に望まないアクセスが行われる可能性がある。安全ペン針10が挿入され、皮下領域ではなく皮膚の真皮または表皮領域に配置される場合、患者は適切な投薬効果を経験しない可能性がある。
【0014】
皮膚表面78のくぼみ77は、皮膚の皮下領域へ一定の深さでの薬剤堆積を達成することを困難にする可能性がある。換言すれば、注射の再現性および注射の変動性の低減は、針の注射中に皮膚表面78のくぼみ77が生じる場合、達成するのが難しい。
【0015】
安全ペン針10への針16の角度付き挿入は、安全機構の早すぎる作動を引き起こし得る。さらに、安全ペン針10が実質的に垂直な方向で皮膚表面78と係合しない場合、医療従事者への偶発的な針刺し損傷が起こり得る。
【0016】
従来のペン針でも、注射中に皮膚にくぼみが生じたときに同様の問題が発生する可能性がある。これらの問題には、注射力の変動、薬剤の堆積深度の変動、過度の圧力によるあざ、および角度付きの針挿入によることが含まれる。
【0017】
皮膚表面78のくぼみ77に関連する問題を回避するために、医療従事者は、通常、皮膚表面78を伸ばして平坦な表面を作り出す。あるいは、医療従事者は、患者の皮膚表面78をつまんで、皮膚の皮下層にアクセスする。ただし、これらの方法は、適切な針の深さを達成して皮下層を分離するには信頼性が低く、一貫性のない方法である。また、皮膚表面78を扱うことにより、あざができる場合がある。
【0018】
上記のような従来技術における課題を考慮して、
図3に示されるような装置25は、安全ペン針10などの注射器による針挿入を助けるために提供される。示されている特定の装置25は、格納可能なシールド14を備えた安全ペン針10での使用を目的としているが、装置25の実施形態は、一般に入手可能な安全ペン針(
図3~8)および従来のペン針(
図9および10)、およびシリンジなどのペン針以外の注射器で使用され得る。
【0019】
図3~5に示すように、装置25はハウジング30を含む。好ましくは、ハウジング30は、透明、または半透明で白色または明るい色のポリマーでできていて、以下でさらに説明するように照明を可能にする。ハウジング30は、好ましくは長方形の形状であり、クレジットカードと同様のサイズである。好ましくは、ハウジング30は実質的に平らなクレジットカードのように形作られる。しかしながら、人間工学を改善するために他の形状およびサイズが考えられる。例えば、ハウジング30は、指グリップを含み、より容易な取り扱いを提供し、適切な形状の外形とすることができる。ハウジング30の形状およびサイズは、適切な表面積が提供されて皮膚表面78と係合し本明細書に記載される利点を達成する限り、変更可能である。
【0020】
ハウジング30は、上面34および底面38を含む。好ましくは、上面および底面34、38の両方は、実質的に平坦かつ滑らかである。あるいは、上面および/または底面34、38は、滑らかな凸面または滑らかな凹面などの異なる外形を含むように設計することができる。そのような外形は、例えば、適切なまたは改善された皮膚接触を識別する触覚フィードバックなど、より良いユーザー体験を提供することができる。
【0021】
上面34は、ブランドまたは商標、企業名およびロゴ、患者情報、教育指示、認識情報、画像、バーコード、およびスキャン可能なQRコード(登録商標)(図示)の少なくとも1つを含む情報の模様42を有する。一実施形態では、患者または医療従事者は、スマートフォンまたはモバイル装置のカメラを使用して、安全ペン針10および装置25の適切な操作に関する情報を提供するウェブサイトにリンクされたQRコード(登録商標)をスキャンすることができる。
【0022】
底面38は、載置面を提供し、患者の皮膚表面78と接触するように構成される。
図4は、針を挿入する前に患者の皮膚表面78に載置された装置25を示している。
図5は、安全ペン針10の針16が挿入されたときに患者の皮膚表面78に載置された装置25を示している。上記のように、底面38は、安全ペン針10の針挿入のための平坦な皮膚表面78を有利に作成するために、実質的に平坦かつ滑らかである。
【0023】
図3~5はまた、テーパ状50であって安全ペン針10と係合するように構成された穴46を有するハウジング30を示している。テーパ50は、穴46と実質的に同心である。テーパ50および穴46は、ハウジング30の他の部分とは異なる色を有する。好ましくは、ハウジング30は、着色されていないかまたはより薄い色であり、透明、半透明または不透明とすることができ、一方でテーパ50および穴46はより暗い色である。選択された色は、テーパ50および穴46がハウジング30上でより目立つことを有利に可能にする。
【0024】
テーパ50は、第1直径54および第2直径58を含む。テーパ50の第1直径54は、ハウジング30の底面38に位置付けられている。テーパ50の第2直径58は、ハウジング30の上面34に位置付けられている。第2直径は、第1直径よりも大きい。
【0025】
テーパ50の第2直径58は、好ましくは、安全ペン針10のハウジング12の外径よりもわずかに大きいサイズに形成されている。テーパ50の第1直径54は、好ましくは、安全ペン針10のハウジング12の外径よりもわずかに小さいサイズに形成されている。言い換えると、テーパ50は、安全ペン針10のテーパ状の外面に実質的に対応するように構成されるが、挿入を容易にすることを可能にしている。このようにして、安全ペン針10の挿入の深さが有利に制御されている。
【0026】
具体的には、安全ペン針10がテーパ50に挿入されると、安全ペン針10のハウジング12の末端部は、最初は緩い嵌合を介して入る。続いて、安全ペン針10のハウジング12の末端部は、例えば緩く、あるいはタイトに嵌合してまたはぴったりと嵌合して、底に達し、後者の場合、装置25の第1直径54に固定される。その結果、安全ペン針10のハウジング12の末端部は、装置25の載置面38と面一になる。したがって、使用中、装置25の底面38は、針挿入を改善するために、皮膚表面78に対してより大きくより均等に分散された表面圧力を提供する。
【0027】
別の実施形態では、テーパ50は、第1直径54、第2直径58および第3直径(図示せず)を含む。第2直径58は、上記の実施形態と同じである。第1直径54は、安全ペン針10のハウジング12の外径よりも小さいが、安全シールド14が入るのに十分大きい。第3直径は、テーパ50より下でおよび第1直径54と第2直径58との間で、段状の表面を作成している。第3直径は、安全ペン針10のハウジング12の外径よりもわずかに大きいサイズである。操作中、安全ペン針10は、テーパ50の第2直径58に挿入され、第3直径で段状の表面の底に達している。安全ペン針10のハウジング12は載置面38と面一ではないが、段状の表面の厚さは公知であり、したがって、挿入の深さもこの方法で制御することができる。
【0028】
さらに、
図3~5に示されるように、穴46およびテーパ50は、係合すると、装置25内の安全ペン針10を実質的に自己中心付けする。穴46はまた、患者の皮膚表面78との係合時に、安全ペン針10の実質的に垂直な針進入を有利に提供する。
【0029】
装置25は、イソプロピルアルコール、漂白剤、および他の洗浄剤などの一般的な洗浄方法および材料を使用することにより、容易に洗浄できるように意図されている。この利点を提供するために、装置25は、例えば、浅い隙間がなく集まった汚れが伝わる領域がないように設計されている。
【0030】
図4および5は、安全ペン針10および装置25の操作を示している。
図4では、安全ペン針10はまだ使用されていない。したがって、安全機構はロックされていない。装置25は、患者の皮膚表面78上に配置されている。具体的には、載置面38は、患者または医療従事者によって加えられる押圧力を介して皮膚表面78に接触する。
【0031】
続いて、
図5に示すように、安全ペン針10が装置25の穴46に挿入される。安全シールド14は、安全ペン針10のハウジング12の内側に引っ込められて、安全機構を作動させる。同時に、安全ペン針10の針16が患者の皮膚表面78に挿入され、薬剤が配送される。
【0032】
薬剤配送が完了した後、安全ペン針10は装置25から取り外される。安全ペン針10が取り外されると、安全機構はハウジング12から延びて針16を覆う。安全機構がロックして針16を永久的にシールドし、安全ペン針10が再び使用されるのを防ぐ。
【0033】
上述のように、安全ペン針10を実質的に自己中心付けし、皮膚に実質的に垂直に進入することに加えて、装置25は、従来技術では実現されない追加の利点を提供する。装置25の平坦な載置面38は、標的部位での皮膚表面78の自動的な平坦化を提供する。これは特に、BMIの高い患者や柔らかい皮膚の患者に役立つ。医療従事者は、装置25に直接および/または安全ペン針10を介して押圧力を加えて、装置25を皮膚表面78に接触させて平坦化させることができる。
【0034】
皮膚表面78を平坦化することは、有利には、皮膚の皮下領域へ一貫した深さで薬剤を堆積することを可能にする。したがって、注射は再現性があり、注射のばらつきが少なくなる。
【0035】
装置25の比較的大きな表面積のために、ある範囲の力が医療従事者によって有利に加えられて、安全ペン針10の針16が患者の皮膚の皮下層に入ることを確実にすることができる。結果として、安全ペン針10の針挿入を支援するための装置25の使用は、手動で皮膚を伸ばして平坦化したり、皮膚をつまんだりするよりも優れた性能を提供する。
【0036】
安全ペン針10の針16が患者の皮膚に実質的に垂直に挿入されると、安全機構が不注意にまたは早すぎて作動される可能性がはるかに低くなる。したがって、安全機構が使用前に安全ペン針10を望まずにロックする可能性が低い。上記を考慮して、装置25が支援のために使用される場合、患者および医療従事者は、安全ペン針10の使用に対してより信頼を得、結果はより信頼できるものとなる。
【0037】
図6~8は、装置25の第2の例示的な実施形態を示している。この実施形態は、上記の実施形態と同様であるが、透明または半透明のハウジング30を照明する発光ダイオード(LED)70をさらに含む。LED70は、ハウジング30内に、穴46に隣接して配置される。
図8の電気回路図に示されるように、LED70は、選択的な作動および非作動のために、スイッチ74および抵抗器76を介してバッテリー72に接続されている。スイッチ74は、ハウジング30の上面34上、または使用中に装置25が把持される場所に隣接するハウジング30の側面上に、ボタンまたはメンブレンスイッチとして提供されることが可能であり、その結果、スイッチは、ユーザーによって簡単に操作され得る。
【0038】
LED70は、有利には、ハウジング30を照明して、装置25のテーパ50および穴46をよりよく視覚化する。上述のように、テーパ50および穴46に対するハウジング30の異なる色は、LED70と組み合わせて、テーパ50および穴46がハウジング30上でさらにより目立つことを有利に可能にする。したがって、医療従事者および患者は、安全ペン針10を最も効果的に使用するために、装置25の自己中心付けメカニズムをよりよく見ることができる。
【0039】
また、LED70は、有利なことに、医療従事者および患者が暗い場所で装置25および安全ペン針10を使用するのを助ける。これらの低照明条件は、病院および外来治療施設で典型的である。
【0040】
図9および10は、薬剤配送ペン8に取り付けられた従来のペン針110と共に使用するための、装置125の第3実施形態を図示する。ペン針110は、ハブ112の基端部に本体を有するハブ112と、ハブ112の末端部に配置されたボスと、針カニューレ116とを含む。針カニューレ116は、ハブ112の末端部でボスに固定される。
【0041】
装置125は、上述の実施形態と同様であるが、従来のペン針110と共に使用されるように構成されている。装置125は、上記と同様に、上面134および底面138を有するハウジング130を含む。装置125は、第1直径154および第2直径158を有する穴146を含む。第1および第2直径154、158は、実質的に同心である。第1直径154は、針116の外径よりも大きく、ハブ112のボスの外径よりも大きく、ハブ112の本体の外径よりも小さいサイズである。第1直径154は、段状の表面150内で開放している。段状の表面150は、第2直径158のところで上面134から凹んだ面である。第2直径158は、ハブ112の本体の外径よりもわずかに大きくなるようなサイズにされていて、ペン針110を穴146に案内する。別の実施形態(図示せず)では、第2直径158は、装置125内へのペン針110の挿入を容易にするために、第1実施形態と同様にテーパ状になっている。
【0042】
操作中、薬剤配送ペン8は、ペン針110が装置125の穴146内に挿入されるように保持される。ハブ112の本体の末端部は、装置125の段状の表面150と接触して底に達する。同時に、針カニューレ116が患者の皮膚に挿入される。ユーザーから加えられた力は、薬剤配送ペン8を通って、ハブ112の本体の末端部に移動する。段状の表面150は、加えられた力を受け、その力を装置125の底面138に渡って分配する。したがって、装置125は、主に皮膚表面のくぼみを防ぐために、上述の多くの利点を提供し、実質的に垂直な方向に挿入される針カニューレ116のための実質的に滑らかな表面を提供し、注射力の変動を減らし、注射の堆積深度の変動を減らす。
【0043】
特定の例示的な実施形態の前述の詳細な説明は、本発明の原理およびその実際の用途を説明する目的で提供され、それにより、当業者は、様々な実施形態の本発明を理解し、考えられる特定の使用に適した様々な変更を加えることができる。この説明は、必ずしも網羅的であること、または本発明を開示された正確な実施形態に限定することを意図したものではない。本明細書に開示される実施形態および/または要素のいずれかは、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わされて、具体的に開示されない様々な追加の実施形態を形成し得る。したがって、追加の実施形態が可能であり、本明細書および本発明の範囲内に含まれることが意図されている。この明細書は、別の方法で達成できるより一般的な目標を達成するための具体的な例を説明している。
【0044】
この出願で使用される「前」、「後」、「上」、「下」という用語「上向き」、「下向き」、および他の方向のための記述子は、本発明の例示的な実施形態の説明を容易にすることを意図し、本発明の例示的な実施形態の構造を特定の位置または向きに限定することを意図しない。「実質的に」または「およそ」などの程度の用語は、所与の値の外の合理的な範囲、例えば、説明された実施形態の製造、組み立て、および使用に関連する一般的な許容範囲を指すことが当業者に理解される。