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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184768
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231221BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231221BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21S2/00 484
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192784
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2021090023の分割
【原出願日】2021-05-28
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 銀河
(72)【発明者】
【氏名】椋本 英
(57)【要約】
【課題】高輝度化を確保しつつ、要求される配光特性を実現すること。
【解決手段】実施形態の面状照明装置は、基板と、第1の光学素子と、第2の光学素子とを備える。前記基板は、複数の光源が2次元に配置される。前記第1の光学素子は、前記複数の光源の出射側に配置され、前記複数の光源から出射された光を集光する。前記第2の光学素子は、前記第1の光学素子によって集光された光の配光を第1の軸方向に対して傾ける。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源が2次元に配置された基板と、
前記複数の光源の出射側に配置され、前記複数の光源から出射された光を集光する第1の光学素子と、
前記第1の光学素子によって集光された光の配光を第1の軸方向に対して傾ける第2の光学素子と、
を備える、面状照明装置。
【請求項2】
前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在し、前記第1の軸方向における視野範囲を調整する第1のレンチキュラーレンズと、
前記第1の軸方向に延在し、輝度分布を調整する第2のレンチキュラーレンズと、
を更に備える、請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在し、前記複数の光源から出射された光を前記第1の軸方向に対して集光するリニアフレネルレンズを前記第1の光学素子として有し、前記基板に対向する面とは反対側の面に前記リニアフレネルレンズが設けられる集光レンズと、
前記第2の軸方向に延在するリニアプリズムを前記第2の光学素子として有し、前記集光レンズに対向する面とは反対側の面に前記リニアプリズムが設けられる配光レンズと、
前記配光レンズの出射側に配置され、前記配光レンズに対向する面に前記第1のレンチキュラーレンズが設けられ、前記配光レンズに対向する面とは反対側の面に前記第2のレンチキュラーレンズが設けられる視野範囲調整レンズと、
を備える、請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
前記視野範囲調整レンズの出射側に配置される拡散シート、
を更に備える、請求項3に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在し、前記複数の光源から出射された光を前記第1の軸方向に対して集光するリニアフレネルレンズを前記第1の光学素子として有し、前記基板に対向する面とは反対側の面に前記リニアフレネルレンズが設けられる第1レンズと、
前記第1レンズに対向する面に前記第2のレンチキュラーレンズが設けられ、前記第1レンズに対向する面とは反対側の面に前記第2の光学素子として前記第2の軸方向に延在するリニアプリズムが設けられる第2レンズと、
前記第2レンズに対向する面に前記第1のレンチキュラーレンズが設けられる第3レンズと、
を備える、請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記第3レンズは、前記第2レンズに対向する面とは反対側の面に拡散面が形成されている、請求項5に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在し、前記複数の光源から出射された光を前記第1の軸方向に対して集光するリニアフレネルレンズを前記第1の光学素子として有し、前記第2の軸方向に延在するリニアプリズムを前記第2の光学素子として有し、前記基板に対向する面に前記リニアフレネルレンズが設けられ、前記基板に対向する面とは反対側の面に前記リニアプリズムが設けられた第1レンズと、
前記第1レンズの出射側に配置され、前記第1レンズに対向する面に前記第2のレンチキュラーレンズが設けられ、前記第1レンズに対向する面とは反対側の面に前記第1のレンチキュラーレンズが設けられる第2レンズと、
を備える、請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項8】
前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在し、前記複数の光源から出射された光を前記第1の軸方向に対して集光するリニアフレネルレンズを前記第1の光学素子として有し、前記基板に対向する面に前記リニアフレネルレンズが設けられ、前記基板に対向する面とは反対側の面に前記第2のレンチキュラーレンズが設けられた第1レンズと、
前記第2の軸方向に延在するリニアプリズムを前記第2の光学素子として有し、前記第1レンズに対向する面に前記リニアプリズムが設けられ、前記第1レンズに対向する面とは反対側の面に前記第1のレンチキュラーレンズが設けられる第2レンズと、
を備える、請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項9】
前記第1の光学素子として、前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在し、前記第1の軸方向に対して集光する第1のリニアフレネルレンズと、前記第1の軸方向に延在し、前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に対して集光する第2のリニアフレネルレンズを有する、請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項10】
前記第1の光学素子として、前記第1の軸方向及び前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に対して集光する同心円フレネルレンズを有する、請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項11】
前記複数の光源それぞれに対応する開口が配列されるように形成され、前記開口を囲う壁面が反射面となる壁部を有するリフレクタ、
を備え、
前記壁部は、前記第1の軸方向に延在する複数の第1の壁部と前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在する複数の第2の壁部とを格子状に組み立てた形状であり、
前記第1の壁部の高さは。前記第2の軸方向に対する視野範囲により規定され、
前記第2の壁部の高さは。前記第1の軸方向に対する視野範囲により規定される、請求項1~10のいずれか1つに記載の面状照明装置。
【請求項12】
前記壁部の底面は、前記光源の発光面より出射側に位置するように配置される、請求項11に記載の面状照明装置。
【請求項13】
複数の光源が2次元に配置された基板と、
前記複数の光源それぞれに対応する開口が配列されるように形成され、前記開口を囲う壁面が反射面となる壁部を有するリフレクタと、
を備え、
前記壁部は、第1の軸方向に延在する複数の第1の壁部と前記第1の軸方向と直交する第2の軸方向に延在する複数の第2の壁部とを格子状に組み立てた形状であり、
前記第1の壁部の高さは、前記第2の軸方向に対する視野範囲により規定され、
前記第2の壁部の高さは、前記第1の軸方向に対する視野範囲により規定される、面状照明装置。
【請求項14】
前記第2の壁部の高さは、前記第1の壁部の高さより高い、請求項13に記載の面状照明装置。
【請求項15】
複数の光源が、第1の軸方向と前記第1の軸方向に直交する第2の軸方向との2次元に配置された基板と、
壁面が反射面となる壁部を有するリフレクタと、
を備え、
前記壁部は、前記第2の軸方向に延在し、前記複数の光源が前記第1の軸方向において配置される間隔に合わせて、前記第1の軸方向に沿って複数配置され、
前記壁部の高さは、前記第1の軸方向に対する視野範囲により規定される、面状照明装置。
【請求項16】
前記壁部の底面は、前記光源の発光面より出射側に位置するように配置される、請求項13~15のいずれか1つに記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライトとして用いられる面状照明装置では、用途に応じた配光特性を実現するため様々な光学レンズが用いられる(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-221605号公報
【特許文献2】特開2012-203092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶表示装置のバックライトの特性として、高輝度化、高効率化とともに、光軸を傾けるなどの特殊な配光特性が要求されてきている。しかしながら、従来の装置では、高輝度化を確保しつつ、要求される視野範囲に対して効率良く光の配光を制御することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高輝度化を確保しつつ、要求される配光特性を実現することができる面状照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る面状照明装置は、基板と、第1の光学素子と、第2の光学素子とを備える。前記基板は、複数の光源が2次元に配置される。前記第1の光学素子は、前記複数の光源の出射側に配置され、前記複数の光源から出射された光を集光する。前記第2の光学素子は、前記第1の光学素子によって集光された光の配光を第1の軸方向に対して傾ける。
【0007】
本発明の一態様に係る面状照明装置は、高輝度化を確保しつつ、要求される配光特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態にかかる面状照明装置に要求される配光特性を説明するための図である。
図2図2は、図1に示す面状照明装置の概要を説明するための図である。
図3図3は、図1に示す面状照明装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図4図4は、図1に示す面状照明装置のA-A断面図及びB-B断面図である。
図5図5は、図3に示すリフレクタの斜視図である。
図6図6は、図3に示すリフレクタの正面図、C-C断面図及びD-D断面図である。
図7図7は、第1の変形例を説明するための図である。
図8図8は、第2の変形例を説明するための図である。
図9図9は、第3の変形例を説明するための図である。
図10図10は、第4の変形例を説明するための図である。
図11図11は、第5の変形例を説明するための図である。
図12図12は、第6の変形例を説明するための図である。
図13図13は、第7の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態に係る面状照明装置について図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態にかかる面状照明装置1に要求される配光特性を説明するための図である。図1は、実施形態にかかる面状照明装置1の外形図であり、図1では、便宜上、面状照明装置1の発光面がX-Y平面内にあり、面状照明装置1の厚み方向をZ方向としている。
【0011】
図1において、面状照明装置1は、略長方形状の板状の外形を有しており、フレーム9の開口9aの内側から光が出射するようになっている。なお、面状照明装置1の外形は図示のものに限られない。図に示す「光軸シフト」は、光軸を傾けることを意味する。
【0012】
図1に示す一例では、面状照明装置1のY軸の負方向側(図では斜め右下)に光軸を傾け、狭い視野範囲が要求されていることを示している。一方、図1に示す一例では、面状照明装置1のX軸方向における配光特性として、発光面の法線方向を光軸として広い視野範囲が要求されていることを示している。
【0013】
そこで、面状照明装置1は、光源から出射された光を集光する第1の光学素子と、第1の光学素子によって集光された光の配光をY軸方向に対して傾ける第2の光学素子とを備える。Y軸方向は、第1の軸方向の一例である。なお、実施形態は、第1の軸方向をX軸方向とする場合でも適用可能である。以下、実施形態の面状照明装置1の構成例について詳細に説明する。
【0014】
図2は、図1に示す面状照明装置の概要を説明するための図である。図2は、図1に示す面状照明装置1のA-A断面図を簡略化した図である。図2では、フレーム9は省略している。なお、以下では、A-A断面図を縦断図と記載する場合がある。また、図1に示す面状照明装置1のB-B断面図を横断図と記載する場合がある。
【0015】
図2において、基板2の上には、LED(Light Emitting Diode)等による複数の光源3が配置されている。なお、図2ではY軸方向に配置された複数の光源3が図示されているが、X軸方向おいても、複数の光源3が複数配置されている(後述する図4参照)。すなわち、基板2には、複数の光源3が2次元に配置されている。複数の光源3それぞれは、個別に駆動が行われ、いわゆるローカルディミングに対応することができる。
【0016】
そして、複数の光源3の出射側には、複数の光源3から出射された光を集光する第1の光学素子が設けられた集光レンズ5が配置され、集光レンズ5によって集光された光の配光をY軸方向に対して傾ける第2の光学素子が設けられた配光レンズ6が配置される。集光レンズ5及び配光レンズ6について、図3及び図4を用いて説明する。
【0017】
図3は、図1に示す面状照明装置1を模式的に示す斜視図であり、図4は、図1に示す面状照明装置のA-A断面図及びB-B断面図である。図4の左図は、縦断面図であるA-A断面図であり、図4の右図は、横断面図であるB-B断面図である。なお、図4の縦断図には、Y軸方向に対する光線のふるまいを模式的に示し、図4の横断図には、X軸方向に対する光線のふるまいを模式的に示している。
【0018】
集光レンズ5は、Y軸方向と直交するX軸方向に延在し、複数の光源3から出射された光をY軸方向に対して集光するリニアフレネルレンズ5aを第1の光学素子として有する。リニアフレネルレンズ5aは、基板2に対向する面とは反対側の面(集光レンズ5の出射側の面)に設けられる。なお、X軸方向は、第2の軸方向の一例である。
【0019】
リニアフレネルレンズ5aは、シリンダ状の凸レンズをフレネルレンズとしたプリズム構造を有しており、X軸方向に延びる溝を有している。リニアフレネルレンズ5aは、直下に配置される光源3のピッチ(Y軸方向のピッチ)に合わせて溝が周期的に形成されている。
【0020】
配光レンズ6は、集光レンズ5によって集光された光の配光をY軸方向に対して傾ける第2の光学素子として、X軸方向に延在するリニアプリズム6aを有する。リニアプリズム6aは、集光レンズ5に対向する面とは反対側の面(配光レンズ6の出射側の面)に設けられる。リニアプリズム6aは、X軸方向に延在する略三角柱のプリズム構造を有し、Y軸方向に連続して配置される。これにより、配光レンズ6の出射側の面には、X軸方向に延びる溝が形成される。リニアプリズム6aのY-Z面の断面形状は、三角形であり、底辺のY軸の正方向側の点と頂点とを結ぶ辺の底角は、底辺のY軸の負方向側の点と頂点とを結ぶ辺の底角より小さい。
【0021】
図4の縦断図おいて、光源3から出射された光は、集光レンズ5に入射し、集光レンズ5の上側の面に設けられたリニアフレネルレンズ5aによって屈折し、略平行光となって出射する。そして、図4の縦断図おいて、集光レンズ5から出射された平行光は、配光レンズ6に入射し、配光レンズ6の上側の面に設けられたリニアプリズム6aによって光軸が傾けられて出射する。
【0022】
一方、図4の横断図おいて、光源3から出射された光は、集光レンズ5に入射して、集光レンズ5の上側の面に設けられたリニアフレネルレンズ5aによって略屈折されずに出射する。そして、図4の横断図おいて、集光レンズ5から出射された光は、配光レンズ6に入射して、配光レンズ6の上側の面に設けられたリニアプリズム6aによっては略屈折されずに出射する。
【0023】
このように、Y軸方向に対しては、集光レンズ5は、複数の光源3から出射された光を集光して略平行光として配光レンズ6に効率よく入射させ、配光レンズ6は、入射光の光軸を傾けて出射させる。これにより、面状照明装置1は、要求される配光特性を高輝度で実現することができる。なお、実施形態は、X軸方向に対しては、光軸シフトは必要ではなく、また、要求される視野範囲が比較的広いので、複数の光源3から出射された光をX軸方向に対して集光する必要がない。このことから、実施形態の集光レンズ5には、Y軸方向に延在するリニアフレネルレンズを設けておらず、配光レンズ6には、Y軸方向に延在するリニアプリズムを設けていない。かかる構成による効果については後に詳述する。
【0024】
更に、実施形態にかかる面状照明装置1は、配光レンズ6から出射した光を、要求されている視野範囲とするため、図2図3及び図4に示すように、視野範囲調整レンズ7を配光レンズ6の出射側に配置する。視野範囲調整レンズ7は、図4に示すように、配光レンズ6に対向する面(入射側の面)に設けられる第1のレンチキュラーレンズ7aと、配光レンズ6に対向する面とは反対側の面(出社側の面)に設けられる第2のレンチキュラーレンズ7bとを有する。
【0025】
第1のレンチキュラーレンズ7aは、X軸方向に延在し、Y軸方向における視野範囲を調整する。第1のレンチキュラーレンズ7aは、X軸方向に延在するかまぼこ状の微細半円筒型のプリズム構造を有している。また、第2のレンチキュラーレンズ7bは、Y軸方向に延在し、X軸方向における輝度分布を調整する。第2のレンチキュラーレンズ7bは、Y軸方向に延在するかまぼこ状の微細半円筒型のプリズム構造を有している。
【0026】
このように、実施形態では、集光を行うリニアフレネルレンズと、目標の光軸へ傾けるリニアプリズムと、集光と拡散との双方を行って視野範囲及び輝度分布を調整するレンチキュラーレンズとを組み合わせることで、高輝度化と均一性を確保しつつ、目標の視野範囲への配光制御を可能とすることができる。
【0027】
なお、図3及び図4には図示していないが、面状照明装置1は、図2に示すように、視野範囲調整レンズ7の出射側に拡散シート8が配置されても良い。拡散シート8は、第1のレンチキュラーレンズ7aや第2のレンチキュラーレンズ7bに起因する筋状のムラ等を解消するために有用である。
【0028】
そして、直下型バックライトである面状照明装置1では、図2図3及び図4に示すように、複数の光源3と、集光レンズ5との間には、複数の光源3が出射する光を効率良く集光レンズ5に入射させるため、リフレクタ4が配置されている。リフレクタ4は、図4に示すように、複数の光源3それぞれに対応する開口4bが配列されるように形成され、開口4bを囲う壁面が反射面4aとなる壁部4cを有する。実施形態では、リフレクタ4は、開口4bを囲む4つの反射面4aを有する。
【0029】
実施形態の面状照明装置1は、X軸方向は広視野となり、Y軸方向は狭視野となる視野特性が求められる。上記の実施形態では、主に上述した集光レンズ5、配光レンズ6、視野範囲調整レンズ7等のレンズ機能による光学特性の制御により、かかる視野特性を実現している。しかし、光源3とレンズとの中間に位置するリフレクタ4の構造によって、レンズを介して得られる視野特性が変化する可能性がある。従って、リフレクタ4の構造を、要求される特性に合わせることが、上述したレンズ機能により実現できた目標の視野範囲への配光制御を確実にするうえで好適である。
【0030】
以下、実施形態にかかるリフレクタの構造について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、図3に示すリフレクタの斜視図であり、図6は、図3に示すリフレクタの正面図、C-C断面図(縦断面)及びD-D断面図(横断面)である。
【0031】
壁部4cは、Y軸方向に延在する複数の第1の壁部4c-1とX軸方向に延在する複数の第2の壁部4c-2とを格子状に組み立てた形状となっている。なお、壁部4cは、第1の壁部4c-1の底面と第2の壁部4c-2の底面が面一となるように組み立てられる。反射面4aは、壁部4cの壁面である。X軸方向で隣り合う2つの第1の壁部4c-1の間で対向する2つの反射面4a-1は、Z軸正方向に向かうにつれて互いに離れるように傾斜している。また、Y軸方向で隣り合う2つの第2の壁部4c-2の間で対向する2つの反射面4a-2は、Z軸正方向に向かうにつれて互いに離れるように傾斜している。リフレクタ4は、反射の効果を高めるため、例えば、白色の樹脂等により形成される。実施形態のリフレクタ4は、射出成型による成形品である。
【0032】
そして、第1の壁部4c-1の高さは、X軸方向に対する視野範囲により規定され、第2の壁部4c-2の高さは、Y軸方向に対する視野範囲により規定される。実施形態では、Y軸方向においては、狭視野特性が求められるため、図6の縦断面に示すように、第2の壁部4c-2の高さを高くする。第2の壁部4c-2を高くすることで、光源3からの広い配光成分を反射面4a-2で反射させ、当該光源3に対応するセグメントのリニアフレネルレンズ5aに集めることができる。
【0033】
また、第2の壁部4c-2を高くすることは、隣接するセグメントのリニアフレネルレンズ5aへ入り込む光を遮断する役割も担っており、意図しない配光が発生することを回避する機能も有する。
【0034】
一方、実施形態では、X軸方向においては、広視野特性が求められるため、図6の横断面に示すように、第1の壁部4c-1の高さを低くすることで光源3からの広い配光成分を遮断せずに利用している。実施形態では、X軸方向(長手方向)に延びる第2の壁部4c-2の高さは、Y軸方向(短手方向)に延びる第1の壁部4c-1の高さより高い。
【0035】
そして、実施形態のリフレクタ4は、図4に示すように、開口4bが光源3の発光面より出射側に位置するように配置されている。光源3の発光面は、光源3の上面に対応する。換言すると、リフレクタ4の壁部4cの底面4dは、図4に示すように、光源3の発光面より高い位置になるように、基板2から浮いた状態で配置される。
【0036】
実施形態では、基板2の短手方向(Y軸方向)に対する集光のみを行うため、基板2の長手方向(X軸方向)に延在する一軸のリニアフレネルレンズ5aのみを採用している。その結果、実施形態では、長辺方向のレンズ位置ずれを無視することができる。なお、実施形態では、視野範囲調整レンズ7において、X軸方向、Y軸方向の双方においてレンチキュラーレンズを設けているが、レンチキュラーレンズは同一形状パターンのため、レンズ位置ずれの考慮は不要である。
【0037】
リフレクタ4を基板2に接地させた場合、リフレクタ4の壁部4cと光源3とが近接した状態となり、リフレクタ4と光源3とが膨張伸縮した際に、互いに干渉してしまう可能性がある。これに対して、実施形態では、フレクタ4の開口4bを光源3の発光面から高い位置に配置しているので、リフレクタ4と光源3とが膨張伸縮しても、リフレクタ4の壁部4cと光源3とが接触する可能性がない。
【0038】
光源3の間隔が狭いことから、リフレクタ4の底面4dを基板2の上に配置すると、底面4dを大きくすることができず、射出成型の成形性の観点からリフレクタ4の壁部4cを高くすることが困難である。一方、実施形態では、リフレクタ4の開口4bは、上面視において、光源3の発光面よりも大きいのであれば、光源3の外周よりも小さくすることができる。すなわち、実施形態では、開口4bを小さくすることができる。換言すると、実施形態では、底面4dを大きくすることができ、その結果、射出成型で作成されるリフレクタ4の壁部4cを高くすることができる。このようなことから、実施形態では、ローカルディミング時の高コントラスト化、不必要な配光の除去という効果が得られる。
【0039】
(変形例)
上記実施形態で説明した面状照明装置1はあくまでも一例であり、種々の変更が可能である。以下では、面状照明装置1の変形例について説明する。
【0040】
(第1の変形例)
第1の変形例の面状照明装置1は、実施形態と同様のプリズム構造(リニアフレネルレンズ5a、リニアプリズム6a、第1のレンチキュラーレンズ7a、第2のレンチキュラーレンズ7b)を有するが、各プリズム構造の配置が、実施形態と異なる。
【0041】
図7は、第1の変形例を説明するための図である。まず、第1の変形例の面状照明装置1は、第1レンズとして、実施形態と同じく、基板2に対向する面とは反対側の面にリニアフレネルレンズ5aが設けられた集光レンズ5を第1レンズとして備える。そして、第1の変形例の面状照明装置1は、第2レンズ60と第3レンズ70とを備える。
【0042】
第2レンズ60は、第1レンズ(集光レンズ5)に対向する面に第2のレンチキュラーレンズ7bが設けられ、第1レンズ(集光レンズ5)に対向する面とは反対側の面にX軸方向に延在するリニアプリズム6aが設けられる。第3レンズ70は、第2レンズ60に対向する面に第1のレンチキュラーレンズ7aが設けられる。
【0043】
第1の変形例では、Y軸方向において、光源3から出射された光は、配光レンズ5(第1レンズ)の出射面で集光されて略平行光となり、第2レンズ60の出射面で光軸が傾けられ、第3レンズ70の入射面で視野範囲が調整される。また、第1の変形例では、X軸方向において、光源3から出射された光は、第2レンズ60の入射面で輝度分布が調整される。かかるレンズの構成順序でも、実施形態と同様、高輝度化を確保しつつ、要求される配光特性を実現することができる。
【0044】
そして、第3のレンズ70は、第2レンズ60に対向する面とは反対側の面に拡散面80が形成されている。第1の変形例では、第2のレンチキュラーレンズ7bを、リニアプリズム6aを有するレンズに設けることから、第3レンズ70の上面に、拡散シート8と同様の機能を有する拡散面80を形成することができ、部品点数を削減できる。
【0045】
(第2の変形例)
第2の変形例の面状照明装置1は、実施形態と同様のプリズム構造(リニアフレネルレンズ5a、リニアプリズム6a、第1のレンチキュラーレンズ7a、第2のレンチキュラーレンズ7b)を有するが、各プリズム構造の配置とレンズ点数が、実施形態と異なる。
【0046】
図8は、第2の変形例を説明するための図である。第2の変形例の面状照明装置1は、第1レンズ51と第2レンズ61とを備える。第1レンズ51は、基板2に対向する面にリニアフレネルレンズ5aが設けられ、基板2に対向する面とは反対側の面にリニアプリズム6aが設けられる。また、第2レンズ61は、第1レンズ51の出射側に配置され、第1レンズに対向する面に第2のレンチキュラーレンズ7bが設けられ、第1レンズ51に対向する面とは反対側の面に第1のレンチキュラーレンズ7aが設けられる。
【0047】
第2の変形例では、Y軸方向において、光源3から出射された光は、第1レンズ51の入射面で集光されて略平行光となり、第1レンズ51の出射面で光軸が傾けられ、第2レンズ61の出射面で視野範囲が調整される。一方、第2の変形例では、X軸方向において、光源3から出射された光は、第2レンズ61の入射面で輝度分布が調整される。かかるレンズの構成順序でも、実施形態と同様、高輝度化を確保しつつ、要求される配光特性を実現することができる。
【0048】
(第3の変形例)
第3の変形例の面状照明装置1は、第2の変形例と同様、2つのレンズで構成され、実施形態と同様のプリズム(リニアフレネルレンズ5a、第1のレンチキュラーレンズ7a、第2のレンチキュラーレンズ7b)を有するが、光軸シフト用のリニアプリズムの形状がリニアプリズム6aと異なる。
【0049】
図9は、第3の変形例を説明するための図である。第3の変形例の面状照明装置1は、第1レンズ52と第2レンズ62とを備える。第1レンズ52は、基板2に対向する面にリニアフレネルレンズ5aが設けられ、基板2に対向する面とは反対側の面に第2のレンチキュラーレンズ7bが設けられる。また、第2レンズ62は、X軸方向に延在するリニアプリズム62aを第2の光学素子として有し、第1レンズ52に対向する面にリニアプリズム62aが設けられ、第1レンズ52に対向する面とは反対側の面に第1のレンチキュラーレンズ7aが設けられる。
【0050】
リニアプリズム62aは、X軸方向に延在する略三角柱のプリズム構造を有し、Y軸方向に連続して配置される。リニアプリズム62aのY-Z面の断面形状は、逆三角形であり、底辺のY軸の正方向側の点と頂点とを結ぶ辺の底角は、底辺のY軸の負方向側の点と頂点とを結ぶ辺の底角より大きい。
【0051】
第3の変形例では、Y軸方向において、光源3から出射された光は、第1レンズ52の入射面で集光されて略平行光となり、第2レンズ62の入射面で光軸が傾けられ、第2レンズ62の出射面で視野範囲が調整される。一方、第3の変形例では、X軸方向において、光源3から出射された光は、第1レンズ52の出射面で輝度分布が調整される。かかるレンズの構成順序でも、実施形態と同様、高輝度化を確保しつつ、要求される配光特性を実現することができる。
【0052】
なお、レンズ構成は、上記の変形例1~3に限定されない。例えば、第1レンズ52において、入射面に第2のレンチキュラーレンズ7bを設け、出射面にリニアフレネルレンズ5aを設ける等、任意の構成とすることができる。なお、上記の実施形態、変形例1~3では、リフレクタ4の底面を光源3の発光面より高い位置に配置しているが、リフレクタ4と光源3との干渉が回避でき、視野範囲の調整が可能であれば、リフレクタ4の底面が基板2に接地されていても良い。
【0053】
(第4の変形例)
第4の変形例では、リフレクタの変形例について説明する。図10は、第4の変形例を説明するための図である。上述したように、第1の壁部4c-1の高さは、X軸方向の視野範囲に合わせて調整し、第2の壁部4c-2の高さは、Y軸方向の視野範囲に合わせて調整していた。図10に示す第4の変形例では、Y軸方向もX軸方向も同程度の狭い視野範囲であることから、第1の壁部4c-1の高さと第2の壁部4c-2の高さとが同じ高さとなっている。
【0054】
(第5の変形例)
第5の変形例でも、リフレクタの変形例について説明する。図11は、第5の変形例を説明するための図である。第5の変形例は、図11に示すように、広視野となる方向であるX軸方向については、隣り合う光源3の間にY軸方向に延在する反射面を設けないリフレクタ構造となる。
【0055】
すなわち、図11に示すように、壁部4cは、X軸方向に延在し、複数の光源3がY軸方向において配置される間隔に合わせて、Y軸方向に沿って複数配置される。そして、壁部4cの高さは。Y軸方向に対する視野範囲により規定される。
【0056】
(第6の変形例)
第6の変形例では、実施形態で説明した集光レンズ5の変形例について説明する。図12は、第6の変形例を説明するための図である。上記では、基板2のY軸方向に対する集光のみを行っていたが、要求される配光特性を実現できるのであれば、基板2のX軸方向に対する集光も行っても良い。
【0057】
第6の変形例では、図12に示すように、第1光学素子として、X軸方向に延在し、Y軸方向に対して集光する第1のリニアフレネルレンズであるリニアフレネルレンズ5aと、Y軸方向に延在し、X軸方向に対して集光する第2のリニアフレネルレンズ5bとを有する。第2のリニアフレネルレンズ5bは、シリンダ状の凸レンズをフレネルレンズとしたプリズム構造を有しており、Y軸方向に延びる溝を有している。第2のリニアフレネルレンズ5bは、直下に配置される光源3のX軸方向のピッチに合わせて溝が周期的に形成されている。図12に示す第6の変形例の集光レンズ5は、入射側に第2のリニアフレネルレンズ5bを設け、出射側に第1のリニアフレネルレンズ5aを設けているが、逆の配置としても良い。
【0058】
(第7の変形例)
第7の変形例では、第6の変形例とは異なるプリズム構造で、Y軸方向もX軸方向も集光する集光レンズ5の変形例を説明する。第7の変形例では、図13に示すように、第1光学素子として、Y軸方向及びX軸方向に対して集光する同心円フレネルレンズ5cを有する。同心円フレネルレンズ5cは、凸レンズを同心円状の領域に分割し厚みを減らしたレンズであり、のこぎり状の断面を持つ。同心円フレネルレンズ5cは、直下に配置される光源3に対応して、光源3の灯数分設けられる。図13に示す第7の変形例の集光レンズ5は、出射側に同心円フレネルレンズ5cを設けているが、入射側に設けても良い。
【0059】
なお、上記の実施形態や変形例では、要求される配光特性を実現するため、リニアフレネルレンズ5a、第1のレンチキュラーレンズ7a、第2のレンチキュラーレンズ7b等のプリズムによる配光制御と、リフレクタ4の壁の高さによる配光制御とを組み合わせた場合を説明したが、これに限定されない。要求される配光特性を実現するのであれば、プリズムによる配光制御のみを行っても良いし、リフレクタ4の壁の高さによる配光制御のみを行っても良い。
【0060】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 面状照明装置、2 基板、3 光源、4 リフレクタ、4a,4a-1,4b-1 反射面、4b 開口、4c 壁部、4c-1 第1の壁部、4c-2 第2の壁部、5 集光レンズ、5a リニアフレネルレンズ(第1のリニアフレネルレンズ)、6 配光レンズ、6a リニアプリズム、7 視野範囲調整レンズ、7a 第1のレンチキュラーレンズ、7b 第2のレンチキュラーレンズ、8 拡散シート、9 フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13