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特開2023-184774情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184774
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20231221BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20231221BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20231221BHJP
   H04W 92/08 20090101ALI20231221BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
H04W8/00 110
H04W92/08 110
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192969
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2019197981の分割
【原出願日】2019-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】江原 純
(57)【要約】
【課題】 通信装置とアクセスポイントとの間の接続を確立する処理を適切に実行することを目的とする。
【解決手段】 通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち少なくとも所定の操作が受け付けられたときに情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第1コマンドを、前記所定の操作が受け付けられたことに基づいて送信する第1送信ステップを実行させるプログラムを提供する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに、
ユーザから所定の操作を受け付ける受付ステップと、
前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち少なくとも前記所定の操作が受け付けられたときに前記情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第1コマンドを、前記所定の操作が受け付けられたことに基づいて送信する第1送信ステップと、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記少なくとも1つの他の通信チャネルを少なくとも用い前記通信装置の周囲のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第2コマンドを送信する第2送信ステップと、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置とを接続させ、前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置とを接続させる制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1コマンドは、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記所定のアクセスポイントが利用している通信チャネル以外の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるためのコマンドであることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1コマンドは、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記所定のアクセスポイントが利用している周波数帯に対応する複数の通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記複数の通信チャネル以外の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるためのコマンドであることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2コマンドは、前記通信装置が利用可能な全ての通信チャネルを用いて前記通信装置の周囲の少なくとも1つのアクセスポイントを前記通信装置に検索させるためのコマンドであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかを選択させるための選択画面を表示部に表示する表示ステップと、をさらに実行させ、
前記選択画面において選択されたアクセスポイントと前記通信装置とが接続させられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントに関する情報を前記通信装置に送信することで、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置とを接続させ、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかに関する情報を前記通信装置に送信することで、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置とを接続させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
少なくとも前記所定の操作が受け付けられたときに前記情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントが利用している所定の周波数帯を、前記通信装置が利用可能である場合、前記第1コマンドが送信され、
前記所定の周波数帯を、前記通信装置が利用可能でない場合、前記第1コマンドが送信されることなく前記第2コマンドが送信されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記通信装置が利用可能な周波数帯に対応する通信チャネルを用いて前記情報処理装置の周囲のアクセスポイントを検索する検索処理を実行する検索ステップと、
前記検索処理によって発見された少なくとも1つのアクセスポイントに、前記所定のアクセスポイントの識別情報と同じ識別情報を有するアクセスポイントが含まれる場合、前記所定のアクセスポイントの識別情報と同じ識別情報を有するアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第3コマンドを送信する第3送信ステップと、を実行させ、
前記検索処理によって発見された少なくとも1つのアクセスポイントに、前記所定のアクセスポイントの識別情報と同じ識別情報を有するアクセスポイントが含まれない場合、前記第2コマンドが送信され、
前記第3コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントの識別情報と同じ識別情報を有するアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントの識別情報と同じ識別情報を有するアクセスポイントと前記通信装置とを接続させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記識別情報は、Service Set Identifier(SSID)であることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記通信装置は、印刷を実行可能な印刷装置であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1コマンド及び前記第2コマンドは、Wi-Fi(登録商標)によって前記通信装置に送信されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1コマンド及び前記第2コマンドは、Bluetooth(登録商標)によって前記通信装置に送信されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
情報処理装置と通信可能な通信装置であって、
少なくとも前記情報処理装置がユーザから所定の操作を受け付けたときに前記情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントに関する情報を、前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記所定のアクセスポイントに関する情報が受信された場合、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち、前記所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち、前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに、前記所定のアクセスポイントを検索する第1検索処理を実行する第1検索手段と、
前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記少なくとも1つの他の通信チャネルを少なくとも用い、前記通信装置の周囲の少なくとも1つのアクセスポイントを検索する第2検索処理を実行する第2検索手段と、
前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置との間の接続を確立し、前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2検索処理により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置との間の接続を確立する確立手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項14】
前記第1検索処理は、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記所定のアクセスポイントが利用している通信チャネル以外の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを検索する処理であることを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記第1検索処理は、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記所定のアクセスポイントが利用している周波数帯に対応する複数の通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記複数の通信チャネル以外の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを検索する処理であることを特徴とする請求項13に記載の通信装置。
【請求項16】
前記第2検索処理は、前記通信装置が利用可能な全ての通信チャネルを用いて前記通信装置の周囲の少なくとも1つのアクセスポイントを検索する処理であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項17】
前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントに関する情報を前記情報処理装置から受信することで、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置との間の接続を確立し、
前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2検索処理により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかに関する情報を前記通信装置に送信することで、前記第2検索処理により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置との間の接続を確立することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項18】
前記情報処理装置から第1コマンドを受信したことに応じて、前記第1検索処理を実行し、
前記情報処理装置から前記第1コマンドと異なる第2コマンドを受信したことに応じて、前記第2検索処理を実行することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項19】
前記第1コマンド及び前記第2コマンドは、Wi-Fi(登録商標)によって前記情報処理装置から受信されることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
前記第1コマンド及び前記第2コマンドは、Bluetooth(登録商標)によって前記情報処理装置から受信されることを特徴とする請求項18に記載のプログラム。
【請求項21】
前記情報処理装置から前記所定のアクセスポイントに関する情報を受信したことに応じて、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置との間の接続を確立し、
前記情報処理装置から前記第2検索処理により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかに関する情報を受信したことに応じて、前記第2検索処理により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置との間の接続を確立することを特徴とする請求項13乃至20のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項22】
印刷を実行する印刷手段をさらに有することを特徴とする請求項13乃至21のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項23】
通信装置と通信可能な情報処理装置の制御方法であって
ユーザから所定の操作を受け付ける受付ステップと、
前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち少なくとも前記所定の操作が受け付けられたときに前記情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第1コマンドを、前記所定の操作が受け付けられたことに基づいて送信する第1送信ステップと、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記少なくとも1つの他の通信チャネルを少なくとも用い前記通信装置の周囲のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第2コマンドを送信する第2送信ステップと、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置とを接続させ、前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置とを接続させる制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項24】
通信装置と通信可能な情報処理装置であって
ユーザから所定の操作を受け付ける受付手段と、
前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち少なくとも前記所定の操作が受け付けられたときに前記情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第1コマンドを、前記所定の操作が受け付けられたことに基づいて送信する第1送信手段と、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記少なくとも1つの他の通信チャネルを少なくとも用い前記通信装置の周囲のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第2コマンドを送信する第2送信手段と、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置とを接続させ、前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置とを接続させる制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、通信装置、制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信装置とアクセスポイントとの間の接続を確立するネットワーク設定処理を実行する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-162382
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信装置とアクセスポイントとの間の接続を確立する処理を実行する装置が普及するにつれ、通信装置とアクセスポイントとの間の接続を確立する処理をより適切に実行することが要望されている。
【0005】
そこで本発明では、通信装置とアクセスポイントとの間の接続を確立する処理を適切に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、
通信装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータに、
ユーザから所定の操作を受け付ける受付ステップと、
前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち少なくとも前記所定の操作が受け付けられたときに前記情報処理装置が接続していた所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに前記所定のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第1コマンドを、前記所定の操作が受け付けられたことに基づいて送信する第1送信ステップと、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記少なくとも1つの他の通信チャネルを少なくとも用い前記通信装置の周囲のアクセスポイントを前記通信装置に検索させるための第2コマンドを送信する第2送信ステップと、
前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置とを接続させ、前記第1コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2コマンドに基づいて前記通信装置により実行された検索により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置とを接続させる制御ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0007】
また本発明の通信装置は、
情報処理装置と通信可能な通信装置であって、
少なくとも前記情報処理装置がユーザから所定の操作を受け付けたときに前記情報処装置が接続していた所定のアクセスポイントに関する情報を、前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記所定のアクセスポイントに関する情報が受信された場合、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち、前記所定のアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルを用い、前記通信装置が利用可能な複数の通信チャネルのうち、前記少なくとも1つの通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルを用いずに、前記所定のアクセスポイントを検索する第1検索処理を実行する第1検索手段と、
前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記少なくとも1つの他の通信チャネルを少なくとも用い、前記通信装置の周囲の少なくとも1つのアクセスポイントを検索する第2検索処理を実行する第2検索手段と、
前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見された場合、前記所定のアクセスポイントと前記通信装置との間の接続を確立し、前記第1検索処理により前記所定のアクセスポイントが発見されなかった場合、前記第2検索処理により発見された少なくとも1つのアクセスポイントのうちいずれかと前記通信装置との間の接続を確立する確立手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通信装置とアクセスポイントとの間の接続を確立する処理を適切に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムの構成図である。
図2】情報処理装置と通信装置のハードウェア構成図である。
図3】ネットワーク設定処理を示すフローチャートである。
図4】通信装置の接続先となるAPを特定する処理を示すフローチャートである。
図5】選択画面の一例である。
図6】通信装置の接続先となるAPを特定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の通信システムに含まれる情報処理装置及び通信装置について説明する。情報処理装置として、本実施形態ではPCを例示しているが、これに限定されない。情報処理装置として、携帯端末、スマートホン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等、種々のものを適用可能である。また、通信装置として、本実施形態ではプリンタを例示しているが、これに限定されず、情報処理装置と無線通信を行うことが可能な装置であれば、種々のものを適用可能である。例えば、プリンタであれば、インクジェットプリンタ、フルカラーレーザービームプリンタ、モノクロプリンタ等に適用することができる。また、プリンタのみならず複写機やファクシミリ装置、携帯端末、スマートホン、PC、タブレット端末、PDA、デジタルカメラ、音楽再生デバイス、テレビ等にも適用可能である。その他、複写機能、FAX機能、印刷機能等の複数の機能を備える複合機にも適用可能である。
【0012】
まず、本実施形態の情報処理装置と、本実施形態の情報処理装置と通信可能な通信装置の構成について説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、本実施形態は通信装置と通信を行うことが可能な装置に関して適用可能なものであり、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0013】
図1は本実施形態のシステム構成図である。情報処理装置102は、本実施形態の情報処理装置である。通信装置101は、本実施形態の通信装置である。アクセスポイント(AP)103は、情報処理装置102の外部且つ通信装置101の外部に存在する外部装置である。なお、外部装置は、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置であっても良い。AP103は、具体的には例えば、無線LANルーター等の機器である。
【0014】
情報処理装置102と通信装置101はAP103と接続可能である。そして、情報処理装置102は、通信装置101と、AP103を介して通信可能である。このようにAPを介して端末装置と通信装置が接続する方法を、一般的にインフラストラクチャー(以降インフラと称す)接続と呼ぶ。インフラ接続では、複数のデバイスと相互に通信可能なネットワーク環境を構築可能となる。一方、二台のデバイス間でのみ(すなわち、APを介さず)端末装置と通信装置が直接的に接続する方法をダイレクト接続と呼ぶ。
【0015】
本実施形態において、情報処理装置102と通信装置101との間のインフラ接続とダイレクト接続は、IEEE802.11シリーズの規格に基づく通信方式による接続であるものとする。IEEE802.11シリーズの規格に基づく通信方式とは、具体的には、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)である。なお、各接続に用いられる通信方式は、この形態に限定されず、例えば、Bluetooth(登録商標)や、Wi-Fi Aware等であっても良い。
【0016】
情報処理装置102と通信装置101のハードウェア構成について図2のブロック図を参照して説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0017】
情報処理装置102は、入力I/F(インタフェース)202とCPU203、ROM204、RAM205、外部記憶装置206、出力I/F(インタフェース)207、表示部208、キーボード209、マウス210等を有する。CPU203や、ROM204、RAM205によって、情報処理装置102のコンピュータが形成される。さらに、情報処理装置は102、ネットワークインタフェース(第1通信部)211および、USBインタフェース(第2通信部)212等を有する。
【0018】
入力I/F(インタフェース)202は、マウス210やキーボード209が操作されることにより、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースである。
【0019】
CPU203は、システム制御部であり、情報処理装置102の全体を制御するプロセッサーである。
【0020】
ROM204は、CPU203が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、OSという。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM204に格納されている各制御プログラムは、ROM204に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0021】
RAM205は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM205は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、情報処理装置102の設定情報や情報処理装置102の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM205に設けられている。また、RAM205は、CPU203の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0022】
外部記憶装置206は、印刷実行機能を提供するアプリケーション、通信装置101が解釈可能な印刷ジョブを生成する印刷ジョブ生成プログラム等を保存している。また、外部記憶装置206は、ネットワークインタフェース211やUSBインタフェース212を介して接続している通信装置101との間で送受信する情報送受信制御プログラム等の各種プログラムや、これらのプログラムが使用する各種情報を保存している。なお、後述のセットアップ用プログラムも、外部記憶装置206に保存されているものとする。
【0023】
出力I/F(インタフェース)207は、表示部208がデータの表示や情報処理装置102の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0024】
表示部208は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示や情報処理装置102の状態の通知を行う。なお、表示部208上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等の操作部を設置することで、表示部208を介してユーザからの入力を受け付けても良い。
【0025】
ネットワークインタフェース211は、無線経由の通信および有線LANケーブルを経由した通信処理を制御する。具体的にはネットワークインタフェース211は、通信装置101や、情報処理装置102の外部且つ通信装置101の外部に存在する外部装置と無線や有線LANによって接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、ネットワークインタフェース211は、通信装置101内のアクセスポイント(不図示)に接続可能である。ネットワークインタフェース211と通信装置101内のアクセスポイントが接続することで、情報処理装置102と通信装置101は相互に通信可能となる。なお、ネットワークインタフェース211は無線通信で通信装置101とダイレクトに通信しても良いし、情報処理装置102や通信装置101の外部に存在する外部装置を介して通信しても良い。なお、外部装置とは、外部アクセスポイントや、アクセスポイント以外で通信を中継可能な装置を含む。本実施形態では、IEEE 802.11シリーズの規格(Wi-Fi(WirelessFidelity))を用いることとするが、例えばBluetooth(登録商標)等が利用されても良い。無線通信方式としては、例えば、Wi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)等が挙げられる。また、外部アクセスポイントとしては、例えば、ルーター装置等の機器が挙げられる。なお、本実施形態において、情報処理装置102と通信装置101とが外部アクセスポイントを介さずにダイレクトに接続する方式をダイレクト接続方式という。また、情報処理装置102と通信装置101とが外部アクセスポイントを介して接続する方式をインフラストラクチャー接続方式という。なお、情報処理装置102は、複数の通信方式によって通信を行うために、ネットワークインタフェース211を複数有していても良い。具体的には、情報処理装置102は、Bluetooth Low Energy(BLE)や、Near Field Communication(NFC)、Wi-Fi Aware等の近距離無線通信方式で通信するインタフェースを有していても良い。また、情報処理装置102は、無線通信のためのネットワークインタフェース211を有していなくても良い。すなわち情報処理装置102は、他の装置と通信するためのインタフェースとして例えば有線通信のためのネットワークインタフェース211と後述のUSBインタフェース212のみ有していても良い。
【0026】
USBインタフェース212はUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを経由したUSB接続を制御する。具体的にはUSBインタフェース212は、通信装置101や、外部アクセスポイント等の装置とUSBによって接続して、データ通信を実行するための構成である。
【0027】
通信装置101はネットワークI/F(インタフェース)(通信部)252とRAM253、プリントエンジン256、ROM254、CPU255、USBインタフェース257等を有する。CPU255やRAM253、ROM254によって、通信装置101のコンピュータが形成される。
【0028】
ネットワークインタフェース252は、無線経由の通信および有線LANケーブルを経由した通信処理を制御する。具体的には、ネットワークインタフェース252は通信装置101内部のアクセスポイントとして、情報処理装置102等の装置と接続するためのアクセスポイントを有している。なお、該アクセスポイントは、情報処理装置102のネットワークインタフェース211に接続可能である。なお、ネットワークインタフェース252は無線通信で情報処理装置102とダイレクトに通信しても良いし、外部アクセスポイントを介して通信しても良い。すなわち、ネットワークインタフェース252は、自身がアクセスポイントとして動作するだけでなく、外部アクセスポイントと接続する子機として動作しても良い。本実施形態では、IEEE 802.11シリーズの規格(Wi-Fi)を用いることとするが、例えばBluetooth(登録商標)等が利用されても良い。また、ネットワークインタフェース252は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウエアにより、アクセスポイントとして動作してもよい。なお、通信装置101は、複数の通信方式によって通信を行うために、ネットワークインタフェース252を複数有していても良い。具体的には例えば、通信装置101は、BLEや、NFC、WiFi Aware等の近距離無線通信方式によって通信するインタフェースをさらに有していても良い。
【0029】
RAM253は、バックアップ電源を必要とするSRAM等で構成される。なお、RAM253は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、通信装置101の設定情報や通信装置101の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM253に設けられている。また、RAM253は、CPU255の主メモリとワークメモリとしても用いられ、情報処理装置102等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。
【0030】
ROM254は、CPU255が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM254に格納されている各制御プログラムは、ROM254に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0031】
CPU255は、システム制御部であり、通信装置101の全体を制御するプロセッサーである。
【0032】
プリントエンジン256は、RAM253に保存された情報や情報処理装置102等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の記録剤を紙等の記録媒体上に付加することで記録媒体上に画像を形成する画像形成処理を実行し、印刷結果を出力する。なお、印刷ジョブとは、画像形成処理を通信装置101に実行させるためのジョブである。
【0033】
なお、本実施形態では、通信装置101は、IEEE 802.11シリーズの規格に基づいて、2.4GHzと5GHzのうち少なくとも1つの周波数帯を無線接続に使用するものとする。通信装置101は、利用可能な周波数帯に対応する通信チャネルを有している。例えば、2.4GHzの周波数帯を利用可能であれば、通信装置101は、2.4GHzの周波数帯のうちの所定の周波数帯に割り当てられた14つの通信チャネルを有している。また、例えば、5GHzの周波数帯を利用可能であれば、通信装置101は、5GHzの周波数帯のうちの所定の周波数帯に割り当てられた19つの通信チャネルを有している。
【0034】
ここでは例として情報処理装置102と通信装置101の処理分担を上記のように示したが、この分担形態に限らず他の形態であっても構わない。
【0035】
<Wi-Fi通信(インフラストラクチャモード)について>
Wi-Fiにおける通信においてインフラストラクチャ方式の接続(以後、インフラ接続)を確立するために、本実施形態の通信装置101は、インフラストラクチャモードで動作するものとする。なお、本実施形態では、インフラ接続とは、AP103等のネットワークを統括する外部装置が親機として動作し、当該親機を介して通信装置101と情報処理装置102が接続している形態を指す。インフラストラクチャモードで動作中の通信装置101は、通信装置101が属するネットワーク内で、子機として動作する。
【0036】
インフラストラクチャモードにより、AP103を介して通信装置101と情報処理装置102とが接続することとなり、通信装置101と情報処理装置102との間で、AP103を介した通信が可能となる。なお、ここでのインフラストラクチャモードにおける通信に利用されるチャネルは、2.4Ghz以外の周波数帯域(5.0Ghz帯域等)であっても良い。
【0037】
<ネットワーク設定処理について>
本実施形態において、情報処理装置102は、インフラストラクチャモードで通信装置101を動作させるためのネットワーク設定(接続設定)を、通信装置101との無線通信を用いて実行する。情報処理装置102は、情報処理装置102にインストールされたCLSを実行するためのアプリケーションプログラム(セットアップ用プログラム)を用いて、ネットワーク設定処理を実行する。なお、ネットワーク設定処理は、無線でなく、有線を用いて実行されても良い。
【0038】
情報処理装置102は、AP103と通信装置101とを接続させ、インフラストラクチャモードとして通信装置101を動作させる場合、インフラストラクチャモードとして通信装置101を動作させるためのインフラ設定コマンドを通信装置101に送信する。インフラ設定コマンドとは、例えば、AP103に関する情報である。そして、AP103に関する情報は、例えば、AP103のSSID(Service Set Identifier)や、AP103と接続するためのパスワード等である。
【0039】
本実施形態では、ネットワーク設定処理における、インフラ設定コマンドの送信には、情報処理装置102と通信装置101との間のネットワーク設定処理用のP2P(Peer to Peer)接続が用いられる。そして、本実施形態では、ネットワーク設定処理用のP2P接続として、Wi-Fiによる接続(通信部110及び通信部156による接続)と、BLEによる接続(近距離通信部111及び近距離通信部157による接続)の2つがあるものとする。なお、ネットワーク設定処理用のP2P接続として、例えば、Classic Bluetooth等、Wi-FiやBLE以外の通信方式が用いられても良い。
【0040】
ネットワーク設定処理によって、情報処理装置102と通信装置101との間に、Wi-Fiによるインフラ接続又はP2P接続が確立した後は、確立した接続を介して、情報処理装置102と通信装置101との間で通信が可能となる。具体的には、例えば、情報処理装置102は、確立した接続を介して、通信装置101に印刷を実行させるための印刷ジョブや、通信装置101にスキャンを実行させるためのスキャンジョブを通信装置101に送信することができる。
【0041】
ところで、ネットワーク設定処理において、通信装置101の接続先となるアクセスポイントを特定する方法として、以下のような方法が考えられる。例えば、通信装置101に、通信装置101の周囲に存在する1又は複数のアクセスポイントを、通信装置101が使用可能な各通信チャネルを用いて検索させ、この検索によって発見されたアクセスポイントの中から通信装置101の接続先を特定する方法である。この方法においては、通信装置101は、通信装置101が利用可能な複数の通信チャネルを1つ1つ使用することで複数回の検索を行う。しかしながらこの検索には時間がかかるため、結果として、ネットワーク設定処理が完了するまでに時間がかかってしまうという課題がある。
【0042】
そこで本実施形態では、ネットワーク設定処理の完了にかかる時間を抑制することが可能な形態について説明する。
【0043】
図3は、情報処理装置102が実行するネットワーク設定処理を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、例えば、CPU203がROM204や外部記憶装置206等に格納されたプログラムをRAM205に読み出して実行することにより実現される。具体的には、図3に示すフローチャートが示す処理は、セットアップ用プログラムによって実現される。また、図3に示すフローチャートが示す処理は、セットアップ用プログラムにより表示される画面に対して、ネットワーク設定処理のトリガーとなるユーザ操作(ネットワーク設定処理の実行指示)が行われた場合に開始される。また、例えば、図3に示すフローチャートが示す処理は、セットアップ用プログラムが起動したことに応じて開始される。
【0044】
まず、S301では、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置を特定する。具体的にはCPU203は、情報処理装置102が備えるOSのAPI(Application Program Interface)を用いて情報処理装置102周辺の装置の情報を取得することで、ネットワーク設定処理の対象となる装置の候補を検索する。より具体的にはCPU203は、ネットワークインタフェース211によって検索される装置やUSBインタフェース212によって接続している装置の情報を取得する。ネットワークインタフェース211によって実行される検索は、APサーチと呼ばれる、情報処理装置102周辺のアクセスポイントを検索する処理である。なおこの時取得される情報は、装置が利用している周波数帯、暗号方式、通信チャネル等に関する情報である。そして、CPU203は、取得した情報を用いて、ネットワーク設定処理の対象となる装置の候補のリストを表示部208に表示する。ネットワークインタフェース211によって検索される装置は、例えば、特定の識別情報を有するアクセスポイントとして動作している装置である。なお、本実施形態では、ユーザは、通信装置101に対してネットワーク設定処理を実行する場合、通信装置101本体を操作することで、通信装置101を、セットアップモードと呼ばれる所定のモードで動作させる。セットアップモードとは、通信装置101がネットワーク設定処理を受け付けることができるモードであり、通信装置101が所定のSSIDを有する所定のアクセスポイントとして動作するモードである。通信装置101がセットアップモードで動作している場合は、ネットワークインタフェース211による検索によって通信装置101が発見されるため、リストに通信装置101が表示される。ユーザが、表示されたリストにおいて通信装置101を選択することで、CPU203は、ネットワーク設定処理の対象となる装置として、通信装置101を特定する。なおネットワーク設定処理の対象となる装置の候補の検索は、Wi-Fiによって実行されても良いし、BLEによって実行されても良い。また、リストには、発見された候補のうち、所定のSSIDを有する装置のみが表示されても良い。また、発見された候補に、所定のSSIDを有する装置が1つのみ含まれる場合には、候補を表示することなく、ネットワーク設定処理の対象となる装置を特定しても良い。
【0045】
次にS302では、CPU203は、情報処理装置102が無線接続しているAP103に問い合わせを行い、当該AP103に関する設定情報を取得する。当該AP103に関する設定情報は、例えば、当該AP103と接続するための設定情報(SSID、パスワード)や、当該AP103が利用している周波数帯、暗号方式、通信チャネル等に関する情報である。なおこのとき情報処理装置102が無線接続しているAP103とはすなわち、少なくともネットワーク設定処理の実行指示が行われた時に情報処理装置102が接続していたアクセスポイントである。また本実施形態では、AP103は、2.4GHzと5GHzのうち少なくとも1つの周波数帯に対応する通信チャネルを有しているものとし、その通信チャネルを無線接続に使用するものとする。
【0046】
S303では、CPU203は、S301で特定された通信装置101と情報処理装置102とを無線接続させる。なおこの時確立される無線接続はWi-Fiであっても良いし、BLEであっても良い。なおCPU203は、このときWi-Fiによって無線接続を確立する場合は、AP103とのWi-Fiによる無線接続を切断する必要がある。そのためCPU203は、AP103に関する設定情報を保存した後、Wi-Fiによる無線接続の接続先を、AP103から通信装置101に切り替える。このときBLEによって無線接続を確立する場合は、AP103とのWi-Fiによる無線接続を切断する必要はない。また、通信装置101が、有線によって情報処理装置102が接続している装置である場合は、本処理は省略される。
【0047】
S304では、CPU203は、通信装置101の接続先となるAP103を特定する。本処理の詳細を図4を用いて説明する。
【0048】
図4は、情報処理装置102が実行する、通信装置101の接続先となるAP103を特定する処理を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートが示す処理は、図3のフローチャートに示す処理におけるS304の処理として実行される。
【0049】
まず、S401にて、CPU203は、通信装置101から、通信装置101のスペックに関する情報を取得する。通信装置101のスペックに関する情報には、通信装置101が使用可能な周波数帯や通信チャネルの情報、通信装置101の仕向け情報、通信装置101の現在の設定状況に関する情報等が含まれる。なお通信装置101のスペックに関する情報は、通信装置101から取得されても良いし、通信装置101の外部のサーバ等から取得されても良い。
【0050】
S402では、CPU203は、S302で取得した情報によって示される通信チャネルを、通信装置101が使用可能か否かを判定する。具体的には、CPU203は、S302で取得した情報によって示される通信チャネルが、S401で取得した情報によって示される通信チャネルに含まれか否かを判定する。なおS302で取得した情報によって示される通信チャネルとは、情報処理装置102が接続していた(又は接続している)AP103が利用可能な通信チャネルである。S401で取得した情報によって示される通信チャネルとは、通信装置101が利用可能な通信チャネルである。例えば、S302で取得した情報によって示される通信チャネルが、5GHzの周波数帯に対応する通信チャネルであり、S401で取得した情報によって示される通信チャネルが2.4GHzの周波数帯に対応する通信チャネルであるとする。その場合、本判定の結果は、NOとなる。一方、S302で取得した情報によって示される通信チャネルとS401で取得した情報によって示される通信チャネルの両方が、5GHzの周波数帯に対応する通信チャネルである場合、本判定の結果は、YESとなる。なおここでは、各装置が利用可能な通信チャネルではなく、各装置が利用可能な周波数帯に関して判定が行われても良い。CPU203は、YES判定である場合は、S403に進み、NO判定である場合は、S403~S405の処理を実行せずにS406に進む。
【0051】
S403では、CPU203は、通信装置101に対して、通信装置101周辺のAP103の検索を実行させるためのAPサーチ実行コマンドを送信する。
【0052】
なお、APサーチ実行コマンドには、APサーチ実行処理に関する条件情報を付加することも可能である。具体的には例えば、CPU203は、検索に用いる通信チャネルや周波数帯を指定することで、指定した通信チャネルや周波数帯のみを用いさせて、通信装置101にAPサーチを実行させることができる。なお、検索に用いる通信チャネルや周波数帯を指定しなかった場合、通信装置101が有する全ての通信チャネルを用いさせて、通信装置101にAPサーチを実行させる。一般に、検索に利用される通信チャネルが多いほど、検索にかかる時間が長くなる。そのため、検索に用いる通信チャネルや周波数帯が指定された場合に実行されるAPサーチにかかる時間の方が、検索に用いる通信チャネルや周波数帯が指定されなかった場合に実行されるAPサーチにかかる時間よりも短くなる。
【0053】
また例えば、CPU203は、検索対象のアクセスポイントのSSIDを指定することで、指定されたSSIDを有するアクセスポイントを検索するためのAPサーチを実行させることができる。検索対象のアクセスポイントのSSIDが指定された場合、APサーチとして、Active Scanが実行される。Active Scanとは、指定されたSSIDを有するアクセスポイントから応答を得るための情報をブロードキャストし、当該アクセスポイントから応答を得ることで当該アクセスポイントを発見する方法である。一方、検索対象のアクセスポイントのSSIDが指定されなかった場合、APサーチとして、Passive Scanが実行される。Passive Scanとは、APサーチを実行する装置の周囲のアクセスポイントが送信しているビーコンを受信することで、ビーコンを送信している1又は複数のアクセスポイントを発見する方法である。
【0054】
本実施形態ではCPU203は、S403において、S302で取得した情報によって示され、且つS401で取得した情報によって示される通信チャネル(すなわち、AP103と通信装置101のどちらもが利用可能な通信チャネル)を指定する。またCPU203は、S403において、S302で取得した情報によって示されるSSIDを指定する。すなわちCPU203は、情報処理装置102が接続していた(又は接続している)AP103を通信装置101に検索させる。
【0055】
通信装置101は、S403で送信されたコマンドを受信した場合、指定された条件に則ってAPサーチを実行する。すなわち例えば通信装置101は、通信装置101が利用可能な通信チャネルのうち指定されている通信チャネルを用い、指定されている通信チャネル以外の通信チャネルを用いずにAPサーチを実行する。なお利用される通信チャネルが指定されているため、通信装置101は、ここで実行するAPサーチを、全ての通信チャネルを用いたAPサーチと比較して、短時間で完了させることができる。具体的には通信装置101は、指定されたSSIDを有するアクセスポイントから応答を得るための情報を、指定された通信チャネルを用いてブロードキャストし、応答が得られた(当該アクセスポイントが発見された)か否かを特定する。
【0056】
なおS403で送信されるコマンドによって指定されるAPサーチの条件は、上述の形態に限定されない。ここでは、少なくともネットワーク設定処理の実行指示が行われたときに情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用している通信チャネルを含む少なくとも1つの通信チャネルが指定されれば良い。そのため例えば、少なくともネットワーク設定処理の実行指示が行われたときに情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用している周波数帯に対応する複数の通信チャネルが指定されても良い。
【0057】
S404では、CPU203は、S403で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチの結果を、通信装置101から取得する。
【0058】
S405では、CPU203は、S403で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチにより、通信装置101に指定したSSIDを有するアクセスポイントが発見されたか否かを、S404で取得した結果に基づいて判定する。CPU203は、YES判定である場合は、S410に進み、NO判定である場合は、S406に進む。
【0059】
S406では、CPU203は、通信装置101が利用可能な全ての通信チャネルを用いて通信装置101にAPサーチを実行させるためのAPサーチ実行コマンドを送信する。そのためCPU203は、S406におけるAPサーチ実行コマンドの送信において、利用する周波数帯や通信チャネルを指定しない。またCPU203は、S406におけるAPサーチ実行コマンドの送信において、検索対象のアクセスポイントのSSIDを指定しない。すなわちCPU203は、通信装置101にPassive Scanを実行させるためのAPサーチ実行コマンドを送信する。
【0060】
通信装置101は、このとき送信されたAPサーチ実行コマンドを受信した場合、通信装置101が利用可能な全ての通信チャネルをそれぞれ用いて、Passive Scanを実行する。これにより、通信装置101の周囲に存在する各アクセスポイントが発見される。
【0061】
なおS406で送信されるコマンドによって指定されるAPサーチの条件は、上述の形態に限定されない。ここでは、S403で送信されたコマンドによって指定された通信チャネル以外の少なくとも1つの他の通信チャネルが用いられてAPサーチが実行されるように条件が指定されれば良い。そのため例えば、当該少なくとも1つの他の通信チャネルが用いられ、S403で送信されたコマンドによって指定された通信チャネルが用いられずにAPサーチが実行されるように条件が指定されても良い。 S407では、CPU203は、S406で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチの結果を、通信装置101から取得する。なおこのサーチ結果には、APサーチにより発見されたアクセスポイントの設定情報も含まれる。
【0062】
S408では、CPU203は、S406で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチにより発見されたアクセスポイントのリストを、S407で取得した結果に基づいて表示する。そしてCPU203は、リストに含まれるアクセスポイントのうちいずれかの選択をユーザから受け付ける。このとき表示される選択画面の一例を、図5に示す。アクセスポイント選択画面510において、リスト領域511には、S406で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチにより発見されたアクセスポイントの一覧が表示される。破線512は、いずれのアクセスポイントが選択状態であるかを示すマークである。入力領域513は、選択状態となっているアクセスポイントと接続するためのパスワードの入力を受け付けるための領域である。選択領域514は、選択状態となっているアクセスポイントとの接続に利用する暗号方式の選択を受け付けるための領域である。追加ボタン515は、リストに含まれるアクセスポイント以外のアクセスポイントを、リスト領域511に追加するためのボタンである。追加ボタン515が押下された場合、選択対象となるアクセスポイントに関するSSIDを入力するための追加画面が表示され、追加画面に対して入力されたSSIDがリスト領域511に追加される。CPU203は、次へボタン516が押下された場合、S409に進む。
【0063】
S409では、CPU203は、S408で、アクセスポイント選択画面510において選択されたアクセスポイントを、通信装置101の接続先となるアクセスポイントとして特定する。その後CPU203は、S305に進む。
【0064】
S410では、CPU203は、S403で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチにより発見されたアクセスポイントを、通信装置101の接続先となるアクセスポイントとして特定する。なお、CPU203は、S403で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチにより複数のアクセスポイントが発見された場合は、その中のいずれかを特定する。本実施形態では、発見された複数のアクセスポイントのうち最初に発見されたアクセスポイントが特定されるものとするが、この形態に限定されない。発見された複数のアクセスポイントのリストを表示して、その中からいずれかの選択をユーザから受け付け、選択されたアクセスポイントを特定しても良い。その後CPU203は、S305に進む。
【0065】
S305では、CPU203は、S304で特定したアクセスポイントに関する設定情報を生成する。ここで生成される設定情報とは具体的には例えば、S304で特定したアクセスポイントのSSIDや、S304で特定したアクセスポイントと接続するためのパスワードに関する情報である。また例えば、S304で特定したアクセスポイントが利用している周波数帯や通信チャネル、S304で特定したアクセスポイントとの接続に利用される暗号方式に関する情報である。なおCPU203は、設定情報を、S302でOSから取得した情報や、S407で通信装置101から取得した情報、アクセスポイント選択画面510において入力された情報に基づいて生成する。なおCPU203は、S304で、ネットワーク設定処理の実行指示をユーザから受け付けた時に接続していたアクセスポイントが特定された場合、OSから当該アクセスポイントと接続するためのパスワードを取得しても良い。または、CPU203は、セットアップ用プログラムにより、ユーザからパスワードの入力を受け付けるための画面を表示しても良い。
【0066】
S306では、CPU203は、S305で生成した設定情報を通信装置101に送信する。設定情報を受信した通信装置101は、当該設定情報を利用することで、S304で特定されたアクセスポイントとのWi-Fi接続を確立する。具体的には通信装置101は、設定情報によって指定されている周波数帯や通信チャネルを用いて、設定情報によって指定されているSSIDを有するアクセスポイントをActive Scanにより検索する。この検索によりアクセスポイントが発見された場合、設定情報によって指定されているパスワードや暗号方式を用いて、当該アクセスポイントとのWi-Fi接続を確立する。
【0067】
S307では、CPU203は、通信装置101との接続を切断し、通信装置101との接続を確立する前の接続状態に戻る。具体的にはCPU203は、S302で取得した情報に基づき、ネットワーク設定処理の実行指示をユーザから受け付けた時に接続していたアクセスポイントとの接続を再度確立する。なお本処理は、BLEやUSB等で通信装置101と接続したことにより当該アクセスポイントとの接続が維持されている場合には省略される。その後CPU203は、ネットワーク設定処理を完了し、本フローチャートの処理を終了する。
【0068】
このように本実施形態では、通信装置101がAPサーチによって発見できたアクセスポイントが、ネットワーク設定処理によって設定される通信装置101の接続先として特定される。そのため、ネットワーク設定処理により、通信装置101とアクセスポイントとを接続させるための処理を実行したにもかかわらず、通信装置101とアクセスポイントが接続できないことを抑制することができる。
【0069】
また本実施形態では、CPU203は、ネットワーク設定処理の実行指示をユーザから受け付けた時に情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用していた通信チャネルのみを用いたAPサーチを、通信装置101に実行させる。そして、そのAPサーチによって当該アクセスポイントが発見された場合、CPU203は、複数の通信チャネルを用いたAPサーチを通信装置101に実行させない。これにより本実施形態は、ネットワーク設置処理にかかる時間を抑制(短縮)することができる。そして、上記のAPサーチによって当該アクセスポイントが発見されなかった場合、CPU203は、複数の通信チャネルを用いたAPサーチを通信装置101に実行させる。これにより、情報処理装置102が接続していたアクセスポイントを通信装置101の接続先として設定できない場合は、通信装置101の接続先の候補となるアクセスポイントを、より多く見つけ出すことができる。
【0070】
(第2実施形態)
ネットワーク設定処理の実行指示をユーザから受け付けた時に情報処理装置102が接続していたアクセスポイントとして動作する無線ルータが、複数の周波数帯を利用可能である場合がある。そして例えば、当該無線ルータが、情報処理装置102が接続していたアクセスポイント(AP1)と同じSSIDやパスワードを有するが利用する周波数帯が異なる2つ目のアクセスポイント(AP2)を有している場合がある。そしてこのような無線ルータは、AP1に接続している装置と、AP2に接続している装置との間の通信を中継する機能を有していることがある。すなわち例えば、AP1が5GHzの周波数帯の通信チャネルを用いており、通信装置101が2.4GHzの周波数帯にしか対応していない場合であっても、通信装置101がAP2に接続すれば、情報処理装置102と通信装置101は通信可能となる。
【0071】
そこで本実施形態では、情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用していた通信チャネルを通信装置101が利用できない場合におけるネットワーク設定処理の利便性を向上させる形態について説明する。
【0072】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の通信システムが利用されるものとし、特に説明がない部分については第1実施形態と同様の形態であるものとする。
【0073】
図6は、情報処理装置102が実行する、通信装置101の接続先となるAP103を特定する処理を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートが示す処理は、図3のフローチャートに示す処理におけるS304の処理として実行される。
【0074】
S601~S610は、S401~S410と同様であるため説明を省略する。
【0075】
S611では、CPU203は、通信装置101が利用可能であり、且つ情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用する周波数帯と異なる周波数帯を用いて、Passive ScanによるAPサーチを実行する。なお通信装置101が利用可能な周波数帯は、S601で取得される通信装置101のスペックに関する情報に基づいて特定される。また、情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用する周波数帯は、S302で取得された情報に基づいて特定される。なお本APサーチが実行されるタイミングは、特に限定されない。例えばS301において実行されるAPサーチにおいて、通信装置101が利用可能であり、且つ情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用する周波数帯と異なる周波数帯を用いたAPサーチが実行されていても良い。
【0076】
S612では、CPU203は、S611で実行されたAPサーチによって発見されたアクセスポイントのリストに、特定のアクセスポイントが含まれるか否かを判定する。特定のアクセスポイントとは、情報処理装置102が接続していたアクセスポイントが利用する通信チャネルと異なる通信チャネルを利用しているが情報処理装置102が接続していたアクセスポイントと同じSSIDを有するアクセスポイントである。なお情報処理装置102が接続していたアクセスポイントのSSIDは、S302で取得された情報に基づいて特定される。CPU203は、YES判定である場合は、S612に進み、NO判定である場合は、S606に進む。
【0077】
S613では、CPU203は、通信装置101に対して、APサーチ実行コマンドを送信する。なおここでは、APサーチに利用させる通信チャネルとして、情報処理装置102が接続していたアクセスポイントと同じSSIDを有するアクセスポイントが利用する通信チャネルが指定される。また、APサーチによって検索させるSSIDとして、報処理装置102が接続していたアクセスポイントと同じSSIDが指定される。
【0078】
S614では、CPU203は、S613で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチの結果を、通信装置101から取得する。
【0079】
S615では、CPU203は、S613で送信したコマンドに基づいて通信装置101によって実行されたAPサーチにより、通信装置101に指定したSSIDを有するアクセスポイントが発見されたか否かを、S614で取得した結果に基づいて判定する。なお、当該アクセスポイントが通信装置101と遠く離れた場所に設置されていたり、当該アクセスポイントと通信装置101との間に障害物があったりする場合には、当該アクセスポイントは通信装置101により発見されないことがある。CPU203は、YES判定である場合は、S616に進み、NO判定である場合は、S606に進む。
なお例えば、情報処理装置102が接続していた無線ルータがトライバンド対応ルータであり、3つ以上のアクセスポイントを有している場合は、S611で情報処理装置102が実行したAPサーチによって、特定のアクセスポイントが複数発見される場合がある。その場合は、S613では、CPU203は、複数の特定のアクセスポイントのうちいずれかが利用する通信チャネル及び当該いずれかのSSIDを指定して、APサーチ実行コマンドを送信する。そしてCPU203は、S615がNO判定であった場合には、S613に戻り、まだ指定していない特定のアクセスポイントが利用する通信チャネル及び当該アクセスポイントのSSIDを指定して、APサーチ実行コマンドを送信する。
【0080】
S616では、CPU203は、情報処理装置102が接続していたアクセスポイントと同じSSIDを有するアクセスポイントを、通信装置101の接続先となるアクセスポイントとして特定する。その後CPU203は、S305に進む。
【0081】
例えば、ある1つの無線ルータが、2.4GHzの周波数帯の通信チャネルを用いるアクセスポイント(AP1)と、5GHzの周波数帯の通信チャネルを用いるアクセスポイント(AP2)の両方を有効化しているとする。そして、通信装置101は、2.4GHzの周波数帯を利用可能だが、5GHzの周波数帯を利用できないとする。また、情報処理装置102は、AP2と接続していたとする。このような状況において、本実施形態では、複数の通信チャネルを用いた時間のかかるAPサーチを通信装置101に実行させることなく、通信装置101とAP1とを接続させることができる。
【0082】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。コンピュータは、1または複数のプロセッサーまたは回路を有し、コンピュータ実行可能命令を読み出し実行するために、分離した複数のコンピュータまたは分離した複数のプロセッサーまたは回路のネットワークを含みうる。
【符号の説明】
【0083】
101 プリンタ
102 PC
103 アクセスポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6