(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023184778
(43)【公開日】2023-12-28
(54)【発明の名称】車両表示システム及び車両表示方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231221BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023193044
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2020170513の分割
【原出願日】2020-10-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 広矩
(57)【要約】
【課題】表示装置上で後方車両によって自車両の視認性が低下することを抑制する。
【解決手段】車両表示システム1は、自車両の周囲に存在する他車両を検出する車両検出装置2と、自車両の速度を検出する車速検出装置4と、自車両及び他車両をそれぞれ車両アイコンとして表示する表示装置3と、表示装置の表示内容を制御する表示制御部55とを備える。表示制御部は、自車両の速度が所定値以下であるときには、車両検出装置によって検出され且つ自車両の走行レーンにおいて自車両の後方に位置する後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両及び該自車両の周囲に存在する他車両をそれぞれ、後方から見たときの車両アイコンとして表示装置に表示させる表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記自車両の速度が所定値以下であるときには、前記自車両の走行レーンにおいて該自車両の後方に位置する後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする、車両表示システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記自車両の速度が前記所定値よりも高いときには、前記後方車両の車両アイコンを表示する、請求項1に記載の車両表示システム。
【請求項3】
前記車両表示システムは、前記自車両の速度が所定値以下であるときには、前記後方車両の車両アイコンが前記自車両の車両アイコンに重なる場合にのみ、該後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする、請求項1又は2に記載の車両表示システム。
【請求項4】
自車両及び該自車両の周囲に存在する他車両をそれぞれ、後方から見たときの車両アイコンとして表示装置に表示する車両表示方法であって、
当該車両表示方法は、プロセッサによって実行され、
前記自車両の速度が所定値以下であるときには、前記自車両の走行レーンにおいて該自車両の後方に位置する後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする、車両表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両表示システム及び車両表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のドライバに周囲の情報を与えるために、車両に搭載された車両検出装置によって検出された他車両等を車内の表示装置に表示することが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
斯かる表示装置において、車両の前方だけでなく車両の後方の監視も容易にすべく、後方車両を含む周囲の他車両を自車両と共に表示装置に表示することが検討されてきている。
【0005】
しかしながら、通常、自車両の速度が低いときには、自車両の速度が高いときに比べて、自車両と前後の他車両との車間距離が短くなる。この結果、表示装置上で後方車両が自車両に重なり、自車両の視認性が低下するおそれがある。
【0006】
上記課題に鑑みて、本発明の目的は、表示装置上で後方車両によって自車両の視認性が低下することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の要旨は以下のとおりである。
【0008】
(1)自車両の周囲に存在する他車両を検出する車両検出装置と、前記自車両の速度を検出する車速検出装置と、前記自車両及び前記他車両をそれぞれ車両アイコンとして表示する表示装置と、前記表示装置の表示内容を制御する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記自車両の速度が所定値以下であるときには、前記車両検出装置によって検出され且つ前記自車両の走行レーンにおいて該自車両の後方に位置する後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする、車両表示システム。
【0009】
(2)前記車両表示システムは、前記自車両の速度が所定値以下であるときには、前記表示装置上において前記後方車両の車両アイコンが前記自車両の車両アイコンに重なる場合にのみ、該後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする、上記(1)に記載の車両表示システム。
【0010】
(3)自車両と、該自車両の周囲に存在する他車両とをそれぞれ車両アイコンとして表示装置に表示する車両表示方法であって、車両検出装置によって前記他車両を検出することと、車速検出装置によって前記自車両の速度を検出することとを含み、前記自車両の速度が所定値以下であるときには、前記車両検出装置によって検出され且つ前記自車両の走行レーンにおいて該自車両の後方に位置する後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする、車両表示方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示装置上で後方車両によって自車両の視認性が低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第一実施形態に係る車両表示システムが搭載された車両の構成の一部を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第一実施形態に係る車両表示システムの構成を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、表示装置に表示された画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、後方車両が自車両に重なって表示された画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第一実施形態における車両表示処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第二実施形態における車両表示処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0014】
<第一実施形態>
最初に、
図1~
図6を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
【0015】
<車両全体の説明>
図1は、本発明の第一実施形態に係る車両表示システムが搭載された車両10の構成の一部を概略的に示す図である。車両10は、その加速、操舵及び制動の一部又は全部が自動的に実行される自律走行を行うことができる。すなわち、車両10はいわゆる自動運転車両である。
【0016】
図1に示されるように、車両10は、カメラ21、ライダ(Laser Imaging Detection And Ranging(LIDAR))22、ミリ波レーダ23、超音波センサ(ソナー)24及び表示装置3を備える。
【0017】
カメラ21は車両10の周囲を撮影して車両10の周囲の画像を生成する。本実施形態では、カメラ21は車両10の前方を撮影するように車両10の前方(例えば、車内のルームミラーの背面、フロントバンパー等)に配置される。なお、カメラ21は測距可能なステレオカメラであってもよい。
【0018】
ライダ22は、車両10の周囲にレーザ光を照射し、レーザ光の反射光を受信する。このことによって、ライダ22は、車両10の周囲の物体の有無、車両10から物体までの距離、及び車両10と物体との相対速度を検出することができる。本実施形態では、ライダ22は、車両10の上部、具体的には車両10のルーフ上に設けられている。
【0019】
ミリ波レーダ23は、車両10の周囲にミリ波を発信し、ミリ波の反射波を受信する。このことによって、ミリ波レーダ23は、車両10の周囲の物体の有無、車両10から物体までの距離、及び車両10と物体との相対速度を検出することができる。本実施形態では、ミリ波レーダ23は、車両の前部及び後部(例えば車両10のフロントバンパー及びリアバンパー)に設けられている。
【0020】
超音波センサ24は、車両10の周囲に超音波を発信し、超音波の反射波を受信する。このことによって、超音波センサ24は、車両10の周囲の物体の有無、車両10から物体までの距離、及び車両10と物体との相対速度を検出することができる。本実施形態では、超音波センサ24は、車両10の両側部(例えば車両10の左右のフロントフェンダー)に設けられている。
【0021】
なお、カメラ21、ライダ22、ミリ波レーダ23及び超音波センサ24の位置及び数は、上記に限定されない。また、これらの一部は省略されてもよい。
【0022】
表示装置3は、文字、画像等のデジタル情報を表示するディスプレイを有し、車両10のドライバに各種情報を表示する。表示装置3は、車両10のドライバによって視認されるように車両10の内部に設けられる。表示装置3は、例えば、タッチスクリーン、ヘッドアップディスプレイ、デジタルメータパネル等の少なくとも一つから構成されたヒューマン・マシン・インターフェース(Human Machine Interface(HMI))である。なお、表示装置3は、音声等の音を発生させるスピーカ、ドライバが入力操作を行うための操作ボタン、ドライバから音声情報を受信するマイク等を備えていてもよい。
【0023】
<車両表示システム>
図2は、本発明の第一実施形態に係る車両表示システム1の構成を概略的に示す図である。車両表示システム1は車両10の周囲の他車両の情報をドライバに表示する。
【0024】
図2に示されるように、車両表示システム1は、車両検出装置2、表示装置3、車速検出装置4及び電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit))5を備える。車両検出装置2、車速検出装置4、表示装置3及びECU5は、車両10に設けられ、車両検出装置2、車速検出装置4及び表示装置3は、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内ネットワークを介してECU5に通信可能に接続される。
【0025】
車両検出装置2は、車両10(自車両)の周囲に存在する他車両を検出する。本実施形態では、カメラ21、ライダ22、ミリ波レーダ23及び超音波センサ24の少なくとも一部が車両検出装置2として機能する。すなわち、カメラ21、ライダ22、ミリ波レーダ23及び超音波センサ24は車両検出装置2の一例である。車両検出装置2の出力はECU5に送信される。
【0026】
表示装置3は、車両検出装置2によって検出された他車両を表示する。ECU5は他車両の表示に関する指令を表示装置3に送信する。
【0027】
車速検出装置4は車両10の速度を検出する。車速検出装置4は例えば車両10の車輪の回転数を検出することによって車両10の速度を検出する。車速検出装置4の出力はECU5に送信される。
【0028】
ECU5は車両10の各種制御を実行する。
図2に示されるように、ECU5は、通信インターフェース51、メモリ52及びプロセッサ53を備える。通信インターフェース51及びメモリ52は信号線を介してプロセッサ53に接続されている。なお、本実施形態では、一つのECU5が設けられているが、機能毎に複数のECUが設けられていてもよい。
【0029】
通信インターフェース51は、CAN等の規格に準拠した車内ネットワークにECU5を接続するためのインターフェース回路を有する。ECU5は、通信インターフェース51を介して、車両検出装置2、表示装置3及び車速検出装置4のような他の車載機器と通信する。
【0030】
メモリ52は、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。メモリ52は、プロセッサ53によって各種処理が実行されるときに使用されるプログラム、データ等を記憶する。
【0031】
プロセッサ53は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。なお、プロセッサ53は、論理演算ユニット又は数値演算ユニットのような演算回路を更に有していてもよい。
【0032】
図3は、
図2のECU5の機能ブロック図である。本実施形態では、ECU5は表示制御部55を有する。表示制御部55は、ECU5のメモリ52に記憶されたプログラムをECU5のプロセッサ53が実行することによって実現される機能モジュールである。表示制御部55は表示装置3の表示内容を制御する。
【0033】
本実施形態では、表示装置3は車両10及び車両10の周囲の他車両をそれぞれ車両アイコンとして表示する。車両アイコンの大きさ及び形は予め定められている。
図4は、表示装置3に表示された画像の一例を示す図である。
図4に示されるように、表示装置3には、車両10の後方において車両10よりも高い位置から見たときの画像が表示される。車両10のドライバは、斯かる表示を視認することで車両10の周囲の他車両12の検出状態を把握することができる。
【0034】
しかしながら、通常、車両10の速度が低いときには、車両10の速度が高いときに比べて、車両10と前後の他車両との車間距離が短くなる。この結果、表示装置3上で後方車両が車両10に重なり、車両10(自車両)の視認性が低下するおそれがある。
図5は、後方車両が自車両に重なって表示された画像の一例を示す図である。この場合、車両10の視認性が低下し、車両10と周囲の他車両12との位置関係をドライバが瞬時に把握することが困難となる。
【0035】
このため、本実施形態では、表示制御部55は、車速検出装置4によって検出された車両10の速度が所定値以下であるときには、車両検出装置2によって検出され且つ車両10の走行レーンにおいて車両10の後方に位置する後方車両12aの車両アイコンを非表示にする。すなわち、
図5に示される他車両の検出状態であっても、
図4に示される画像が表示装置3に表示される。このことによって、表示装置3上で後方車両12aが車両10に重なることを抑制することができ、ひいては車両10の視認性が低下することを抑制することができる。
【0036】
<車両表示処理>
以下、
図6のフローチャートを参照して、上述した制御について詳細に説明する。
図6は、第一実施形態における車両表示処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU5によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。所定の実行間隔は、例えば、車両検出装置2によって他車両が検出される間隔である。
【0037】
最初に、ステップS101において、表示制御部55は、車両検出装置2による他車両の検出結果に基づいて、自車両(車両10)の走行レーンにおいて自車両の後方に位置する後方車両が検出されたか否かを判定する。後方車両が検出されなかったと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、後方車両が検出されたと判定された場合、本制御ルーチンはステップS102に進む。
【0038】
ステップS102では、表示制御部55は、車速検出装置4によって検出された自車両の速度が所定値以下であるか否かを判定する。所定値は、予め定められ、例えば20km/h~60km/hに設定される。
【0039】
ステップS102において自車両の速度が所定値以下であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS103に進む。ステップS103では、表示制御部55は後方車両の車両アイコンを非表示にする。ステップS103の後、本制御ルーチンは終了する。
【0040】
一方、ステップS102において自車両の速度が所定値よりも高いと判定された場合、本制御ルーチンはステップS104に進む。ステップS104では、表示制御部55は後方車両の車両アイコンを表示装置3に表示する。ステップS104の後、本制御ルーチンは終了する。
【0041】
なお、ステップS103において、表示制御部55は後方車両の車両アイコンを透過表示にしてもよい。この場合、後方車両の車両アイコンの色が透明にされ、後方車両の車両アイコンが自車両の車両アイコンに重なっていたとしても、後方車両の車両アイコンを通して自車両の車両アイコンが視認可能となる。
【0042】
また、ステップS103において、表示制御部55は後方車両の車両アイコンの一部を非表示又は透過表示にしてもよい。この場合、例えば、表示制御部55は後方車両の車両アイコンの前側半分又は上側半分を非表示又は透過表示にする。
【0043】
したがって、第一実施形態において、表示制御部55は、車速検出装置4によって検出された自車両の速度が所定値以下であるときには、車両検出装置2によって検出され且つ自車両の走行レーンにおいて自車両の後方に位置する後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする。
【0044】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る車両表示システムは、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る車両表示システムの構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
上述したように、通常、車両10の速度が低いときには、車両10の速度が高いときに比べて、車両10と前後の他車両との車間距離が短くなる。しかしながら、車両10の速度が低いときであっても、表示装置3上で後方車両の車両アイコンが常に車両10の車両アイコンに重なるとは限らない。後方車両の車両アイコンが車両10の車両アイコンに重ならないときには、ドライバに後方車両の検出状況を認識させるべく、車両検出装置2によって検出された後方車両を表示装置3に表示することが望ましい。
【0046】
このため、第二実施形態では、表示制御部55は、車速検出装置4によって検出された車両10の速度が所定値以下であるときには、表示装置3上において後方車両の車両アイコンが自車両の車両アイコンに重なる場合にのみ、後方車両の車両アイコンの少なくとも一部を非表示又は透過表示にする。このことによって、表示装置3上での後方車両の認識性が低下することを抑制しつつ、自車両の視認性が低下することを抑制することができる。
【0047】
<車両表示処理>
図7は、第二実施形態における車両表示処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU5によって所定の実行間隔で繰り返し実行される。所定の実行間隔は、例えば、車両検出装置2によって他車両が検出される間隔である。
【0048】
ステップS201及びS202は、
図6のステップS101及びS102と同様に実行される。ステップS202において自車両の速度が所定値以下であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS203に進む。
【0049】
ステップS203では、表示制御部55は、表示装置3上で後方車両の車両アイコンが自車両の車両アイコンに重なるか否かを判定する。この判定は、例えば、後方車両の車両アイコンの中心座標と自車両の車両アイコンの中心座標との距離等に基づいて判定される。
【0050】
ステップS203において後方車両の車両アイコンが自車両の車両アイコンに重なると判定された場合、本制御ルーチンはステップS204に進む。ステップS204では、表示制御部55は後方車両の車両アイコンを非表示にする。ステップS204の後、本制御ルーチンは終了する。
【0051】
一方、ステップS203において後方車両の車両アイコンが自車両の車両アイコンに重ならないと判定された場合、本制御ルーチンはステップS205に進む。ステップS205では、表示制御部55は後方車両の車両アイコンを表示装置3に表示する。ステップS205の後、本制御ルーチンは終了する。
【0052】
なお、ステップS204において、表示制御部55は後方車両の車両アイコンを透過表示にしてもよい。また、ステップS204において、表示制御部55は後方車両の車両アイコンの一部を非表示又は透過表示にしてもよい。この場合、例えば、表示制御部55は、後方車両の車両アイコンのうち、後方車両の車両アイコンが自車両の車両アイコンに重なる部分を非表示又は透過表示にする。
【0053】
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。例えば、車両表示システム1は、他車両の情報を提示してドライバの運転を支援するために、手動運転される車両(自律走行不可能な車両)に搭載されてもよい。
【0054】
また、車両表示システム1の表示装置3は、車両10に加えて又は車両10の代わりに、オペレータが車両10の自律走行を遠隔監視するために車両10の外部のサーバに設けられていてもよい。この場合、車両検出装置2及び車速検出装置4の出力が車両10からサーバに送信され、サーバのプロセッサが表示制御部として機能してもよい。また、斯かるサーバには、オペレータが車両10を遠隔操作するための操舵装置等が設けられていてもよい。
【0055】
また、他車両を示す車両アイコンとして、複数の種類の車両アイコンが用いられてもよい。例えば、車両検出装置2によって検出された他車両が乗用車又はトラックとして識別され、他車両を示す車両アイコンとして、乗用車の車両アイコン及びトラックの車両アイコンが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 車両表示システム
2 車両検出装置
3 表示装置
4 車速検出装置
5 電子制御ユニット(ECU)
10 車両
12 他車両
12a 後方車両
55 表示制御部