(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018537
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】感熱記録体
(51)【国際特許分類】
B41M 5/41 20060101AFI20230201BHJP
B41M 5/40 20060101ALI20230201BHJP
B32B 7/027 20190101ALI20230201BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
B41M5/41 200
B41M5/40 220
B32B7/027
B32B9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122739
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】播摩 英伸
(72)【発明者】
【氏名】増田 知美
【テーマコード(参考)】
2H026
4F100
【Fターム(参考)】
2H026AA07
2H026BB01
2H026BB21
2H026DD14
2H026DD32
2H026DD58
2H026EE05
2H026FF01
2H026FF17
2H026FF29
4F100AA01A
4F100AA08A
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA03
4F100GB90
4F100JJ10B
4F100JL13C
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】プラスチック基材を使用することなく、耐水性等に優れた感熱記録体を提供する。
【解決手段】基材2上に、少なくとも感熱記録層3が形成される感熱記録体1であって、前記基材2として、紙基材及びプラスチック基材に代えて、50重量%以上の無機物を含有する基材を使用している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、少なくとも感熱記録層が形成される感熱記録体であって、
前記基材が、50重量%以上の無機物を含有する、
ことを特徴とする感熱記録体。
【請求項2】
前記基材は、前記無機物として主に炭酸カルシウムを含有する、
請求項1に記載の感熱記録体。
【請求項3】
前記基材は、パルプ繊維を含まない、
請求項1または2に記載の感熱記録体。
【請求項4】
前記感熱記録層が、前記基材上に直接形成される、
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
【請求項5】
前記基材の前記感熱記録層とは反対側の面に粘着剤層が形成されて、ラベルを構成する、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上に少なくとも感熱記録層が形成される感熱記録体に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録体、例えば、紙基材上に感熱層を形成した感熱紙(例えば、特許文献1参照)は、レシート用紙、ファックス用紙あるいはラベルなどの様々な用途で使用されている。
【0003】
感熱紙は、長期間経過すると変色し、また、耐水性が低く、水に濡れると、吸水して記録画像が流れたり、変形して破れるなどの問題が生じる。
【0004】
このため、水に濡れ易いような用途では、紙基材に代えて、プラスチック基材が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年、プラスチックゴミ問題が深刻化しており、環境対策として脱プラスチックが重要視され、プラスチックの使用量の削減が求められている。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、プラスチック基材を使用することなく、耐水性等に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明に係る感熱記録体は、基材上に、少なくとも感熱記録層が形成される感熱記録体であって、前記基材が、50重量%以上の無機物を含有する。
【0010】
本発明に係る感熱記録体によると、感熱記録層が形成される基材は、50重量%以上の無機物を含有しているので、パルプ繊維からなる紙基材に比べて、耐水性が向上し、長期間経過しても変色することがない。更に、プラスチック基材を使用しないので、プラスチックの使用量を削減することができ、脱プラスチックに貢献することができる。
【0011】
(2)本発明の他の実施態様では、前記基材は、前記無機物として主に炭酸カルシウムを含有する。
【0012】
この実施態様によると、無機物として主に含有されている炭酸カルシウムは、自然界に多量に存在する石灰石を原料とするので、容易かつ安価に入手することができる。
【0013】
(3)本発明の一実施態様では、前記基材は、パルプ繊維を含まない。
【0014】
この実施態様によると、基材は、パルプ繊維を含まない、すなわち、木材由来のパルプを使用しないので、環境保護に貢献することができる。
【0015】
(4)本発明の他の実施態様では、前記感熱記録層が、前記基材上に直接形成される。
【0016】
この実施態様によると、感熱記録層が形成される基材は、50重量%以上の無機物を含有しているので、充填剤として無機物を多く含有するアンダーコート層と同様に、サーマルヘッドからの熱の放散を防ぐ断熱層、及び、クッション性を持たせる弾性層としての機能を果たすことができるので、アンダーコート層を形成する必要がなく、基材上に感熱記録層を直接形成することができる。
【0017】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記基材の前記感熱記録層とは反対側の面に粘着剤層が形成されて、ラベルを構成する。
【0018】
この実施態様によると、紙基材及びプラスチック基材を使用することなく、ラベルを構成できるので、紙及びプラスチックの消費量を低減することができ、資源保護及び脱プラスチックに貢献することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、感熱記録層が形成される基材は、50重量%以上の無機物を含有しているので、紙基材を用いる感熱紙に比べて、耐水性に優れると共に、
長期間経過しても変色することがない。また、プラスチック基材を使用しないので、プラスチックの使用量を削減することができ、脱プラスチックに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る感熱記録体の概略断面図である。
【
図2】
図2は本発明の他の実施形態に係る感熱記録体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る感熱記録体の断面図である。
【0023】
この実施形態の感熱記録体1は、シート状の基材2上に、加熱によって発色する感熱記録層3、及び、感熱記録層3を保護する保護層4が積層された構造となっている。
【0024】
基材2は、無機物を主材料とするシート状の基材であり、無機物を、50重量%以上含有している。
【0025】
無機物としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ、タルクやカオリン等のクレー、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、これらの1種類または2種類以上を組合せて使用することができるが、特に、炭酸カルシウムが好ましい。
【0026】
この実施形態の基材2は、無機物として、主に炭酸カルシウムを含有している。なお、「主に」とは、無機物の中で、炭酸カルシウムを最も多く含有することをいう。
【0027】
炭酸カルシウムの主原料は、石灰石であり、自然界に多量に存在し、日本における自給率も100%を超え、安価に入手することができる。更に、この炭酸カルシウムは、再利用することができる。
【0028】
基材2の無機物の含有量は、上記のように50重量%以上である。
【0029】
この基材2は、主材料である無機物以外にプラスチックを含有しており、無機物とプラスチックとを混合して成型したものあり、成型加工性等を考慮すると、無機物の含有量は、例えば、80重量%以下であるのが好ましい。
【0030】
無機物を主材料とする基材2は、紙基材と異なり、パルプ繊維を含んでいない。すなわち、パルプ(木材)を使用しないので、資源保護に貢献することができる。
【0031】
この無機物を主材料とするシート状の基材2としては、例えば、株式会社TBM製のLIMEX(登録商標)(ライメックス)シートを使用することができる。
【0032】
この基材2上に形成される感熱記録層3及び保護層4は、一般に使用されている公知の材料を使用することができる。
【0033】
すなわち、感熱記録層3においては、加熱により発色する発色剤、顕色剤、結着剤、増感剤、滑剤、充填剤などを含めることができる。
【0034】
加熱により発色する発色剤としては、一般に使用されている公知のロイコ系染料を用いることができる。このロイコ系染料としては、例えば、3-(N-イソブチル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-イソペンチル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-o-クロロアニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-p-トルイジノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エチル-N-イソペンチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-エトキシプロピル-N-エチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-シクロヘキシル-N-メチル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N-メチル-N-n-プロピル)アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-p-トルイジノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-8-メチルフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(m-トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ-7-クロロフルオラン、3-ジブチルアミノ-6-メチル-7-ブロモフルオラン、3-ジブチルアミノ-7-(o-クロロアニリノ)フルオラン、3-ジペンチルアミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ジメチルアミノ-5-メチル-7-メチルフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、クリスタルバイオレットラクトン、等を単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0035】
また、顕色剤としては、上記のようなロイコ系染料に対して加熱時に反応して、これを発色させる種々の電子受容性物質を用いることができる。この顕色剤としては、例えば、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(p-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2’-メチレンビス(4-クロロフェノール)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-n-プロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-イソプロポキシジフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4'-メチルジフェニルスルホン、4-ヒドロキシフェニル-4'-ベンジルオキシフェニルスルホン、4-ヒドロキシ-4′-アリルオキシジフェニルスルホン、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ポリ(4-ヒドロキシ安息香酸)、4-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,4-ビス(フェニルスルホニル)フェノール、α-{4-[(4-ヒドロキシフェニル)スルホニル]フェニル}-ω-ヒドロキシポリ(重合度n=1~7)(オキシエチレンオキシエチレンオキシ-p-フェニレンスルホニル-p-フェニレン)2,2-ビス[(4-メチル-3-フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレア]ジフェニルスルホン、3,5-ビス(α-メチルベンジル)サリチル酸、ビス[4-(n-オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]、4,4’-ビス(p-トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4-ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド、2’-(3-フェニルウレイド)ベンゼンスルホンアニリド、N-(2-ヒドロキシフェニル)-2-[(4-ヒドロキシフェニル)チオ]アセトアミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[(4-ヒドロキシフェニル)チオ]アセトアミド、4-[[4-[4-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]スルホニルフェノキシ]ブトキシ]フェニル]スルホニル]フェノール、4-tert-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド重縮合物、N-(p-トルエン スルホニル)N'-(3-p-トルエンスルホニルオキシフェニル)ウレア、1-フェニル-3-(4-メチルフェニルスルホニル)ウレア、等を用いることができる。
【0036】
また、感熱記録層3の結着剤としても、一般に使用されている公知のものを用いることができる。この結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン、カゼイン、ゼラチン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、変性ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、スチレン-無水マレイン酸共重合体、イソブチレン-無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、メチルビニル-無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、アクリル酸エステル、アクリルニトリル、メチルビニルエーテル、を単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0037】
また、この感熱記録層3に含める増感剤、滑剤、充填剤なども、一般に使用されている公知のものを用いることができる。そして、増感剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アニリド、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、1-ベンジルオキシナフタレン、2-ベンジルオキシナフタレン、2,6-ジイソプロピルナフタレン、1,2-ジフェノキシエタン、1,2-ジフェノキシメチルベンゼン、1,2-ビス(3,4-ジメチルフェノル)エタン、1,2-ビス(3-メチルフェノキシ)エタン、1,2-ビス(4-メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ(p-クロロベンジル)、シュウ酸ジ(p-メチルベンジル)、シュウ酸ジベンジル、p-ベンジルビフェニル、m-ターフェニル、ジフェニルスルホン、p-ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、テレフタル酸ジベンジル、p-トルエンスルホンアミド、等の常温で固体、好ましくは約70℃以上の融点を有するものなどを用いることができる。
【0038】
また、滑剤としては、例えば、パラフィンワックス、オレイン酸などの脂肪酸類、ポリエチレンワックスなどのポリオレフィンワックス類、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸類、カルナバワックスなどのエステルワックス類、シリコンオイル、鯨油等の油類を単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0039】
また、充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、ホワイトカーボン、酸化亜鉛、酸化珪素、コロイダルシリカ、ポリスチレン樹脂粒子、尿素-ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子、等を単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
保護層4を構成する材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン;ポリビニルカルバゾール;デンプン類;セルロース誘導体;アルギン酸塩;アクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂;アルキッド樹脂;マレイン酸樹脂;アクリロニトリル樹脂;エポキシ樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;スチレン樹脂;ウレタン樹脂;ビニリデン樹脂などを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0041】
保護層4は、必要に応じて、滑剤、架橋剤、分散剤、消泡剤、耐水化剤などの添加剤をさらに含み得る。
【0042】
保護層4に含まれる充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、活性白土、タルク、クレー、カオリナイト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ポリスチレン樹脂粒子、尿素-ホルマリン樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子などを単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0043】
上記構成を有する本実施形態の感熱記録体1は、その基材2として、無機物を主材料とする基材を使用しているので、紙基材及びプラスチック基材を使用する必要がなく、紙及びプラスチックの消費量を低減することができ、資源保護及び脱プラスチックに貢献することができる。
【0044】
また、無機物を主材料とする基材2を使用している感熱記録体1は、紙基材を使用する感熱紙のように長期間経過しても変色することがなく、保存性に優れている。更に、感熱紙に比べて、耐水性が向上し、水に濡れて、記録画像が流れたり、吸水した紙基材が破けたりすることがない。したがって、水がかかったり、結露が発生するような用途に使用することができる。
【0045】
また、基材2は、充填剤として無機物を多く含有するアンダーコート層と同様に、感熱記録層3を発色させるためにサーマルヘッドから加えられる熱の放散を防ぐ断熱層として、また、クッション性を持たせる弾性層としての機能を発揮することができる。
【0046】
このため、本実施形態のように、基材2上に、アンダーコート層を形成することなく、感熱記録層3を直接形成することができる。
【0047】
図2は、本発明の他の実施形態に係る感熱記録体1aの概略断面図であり、
図1の実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0048】
この実施形態では、基材2の感熱記録層3が形成される面と反対側である裏面には、粘着剤層5が形成され、この粘着剤層5に、剥離紙6が剥離可能に貼着されてラベルが構成されている。
【0049】
すなわち、この実施形態の感熱記録体1aは、ラベルとして使用するものである。
【0050】
この感熱記録体1aは、上記のように長期間経過しても変色することがないので、長期保存される商品に貼着されるラベルとして好適である。
【0051】
また、感熱紙に比べて、耐水性に優れているので、水がかかったり、結露が発生するような用途、例えば、冷蔵、冷凍商品等のラベルとして好適である。
【0052】
更に、無機物を主材料としている基材2を使用した感熱記録体1aは、感熱紙のように燃焼して二酸化炭素を発生することもなく、燃焼しにくい難燃性であるので、難燃性の容器に貼着される難燃性のラベルとして好適である。
【0053】
この場合、難燃性の容器も上記の無機物を主材料とすることによって、容器及びラベルを共に回収してリサイクルすることができる。
【0054】
上記各実施形態では、基材2上に、感熱記録層3を直接形成したが、基材2と感熱記録層3の間に、アンダーコート層などの他の層を形成してもよい。また、保護層4は、省略してもよい。
【符号の説明】
【0055】
1,1a 感熱記録体
2 基材
3 感熱記録層
4 保護層
5 粘着剤層
6 剥離紙