(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018583
(43)【公開日】2023-02-08
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20230201BHJP
【FI】
A63B69/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122799
(22)【出願日】2021-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】521331434
【氏名又は名称】小笠原 大晃
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 大晃
(57)【要約】
【課題】利用者のモチベーションの低下を抑える。
【解決手段】本開示は、利用者の利用者端末2と通信可能な能力評価装置10のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、人物の手本動作を含む手本映像を利用者端末2に提供する手本提供部12、利用者の実演動作の実演動作データを利用者端末2から取得する実演動作データ取得部14、実演動作データ取得部14によって取得した実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成部15、評価データを利用者端末2へ出力する処理を実行する評価データ提供部16、としてコンピュータを機能させ、評価データ生成部15は、利用者のレベルに応じて評価データを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の利用者端末と通信可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
人物の手本動作を含む手本映像を前記利用者端末に提供する手本提供手段、
前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得手段、
前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成手段、
前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供手段、として前記コンピュータを機能させ、
前記評価データ生成手段は、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記利用者の前記レベルを、前記利用者端末から取得するレベル取得手段、として前記コンピュータを機能させ、
前記評価データ生成手段は、前記レベル取得手段によって取得した前記利用者の前記レベルに応じて前記評価データを生成する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記評価データ生成手段は、前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の前記レベルを判定し、判定した前記レベルに応じて前記評価データを生成する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記手本提供手段は、複数のモードの中から前記利用者端末によって選択された選択モードに応じて、複数の手本映像の中から前記手本映像を選択して前記利用者端末に提供する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記手本提供手段が前記手本映像を前記利用者端末に提供する際に、前記手本映像の前記手本動作に関するミッションを前記利用者端末に提供するミッション提供手段、として前記コンピュータを機能させ、
前記評価データ生成手段は、前記実演動作データから前記ミッションの達成に関するミッション評価を行い、前記ミッション評価に応じて前記評価データを生成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記実演動作データは、前記利用者のシルエットを認識可能なデータを含み、
前記評価データ生成手段は、前記手本映像の前記人物のシルエットと前記実演動作データの前記利用者のシルエットとの重なりを評価することで前記評価データを生成する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記評価データ生成手段は、前記実演動作データに含まれる前記利用者の身体の部位の速度又は身体の移動速度に応じて前記評価データを生成する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記評価データは、前記利用者の動きに対するアドバイスデータを含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記評価データ生成手段が生成する前記評価データに基づいて、キャラクタを生成するキャラクタ生成手段、として前記コンピュータを機能させる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記キャラクタ生成手段によって生成される前記キャラクタを登場させるゲームイベントを実行するゲームイベント実行手段、として前記コンピュータを機能させる、請求項9に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記キャラクタ生成手段は、前記評価データ生成手段が生成する前記評価データに応じて前記キャラクタの能力に関するパラメータを含む初期データを設定する、請求項10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記キャラクタ生成手段は、前記評価データ生成手段が生成する前記評価データの変化に応じて前記パラメータを変更する、請求項11に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
人物の手本動作を含む手本映像を利用者の利用者端末に提供する手本提供手段と、
前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得手段と、
前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成手段と、
前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供手段と、を備え、
前記評価データ生成手段は、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
利用者の利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
人物の手本動作を含む手本映像を前記利用者端末に提供する手本提供手段と、
前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得手段と、
前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成手段と、
前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供手段と、を備え、
前記評価データ生成手段は、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する、ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項15】
利用者の利用者端末と通信可能な情報処理装置のコンピュータを用いて情報処理を行う情報処理方法であって、
人物の手本動作を含む手本映像を利用者端末に提供する手本提供ステップと、
前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得ステップと、
前記実演動作データ取得ステップによって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成ステップと、
前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供ステップと、を含み、
前記評価データ生成ステップでは、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する、ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゴルフのスイング上達支援システムが記載されている。このスイング上達支援システムは、ユーザのスイングを撮影または撮像するスマートホン等の端末と、当該端末と通信し、画像およびユーザ情報を共有する上達支援システム側PCとを備える。PCは、ユーザの端末から受信したユーザの画像と、教師の画像とを比較し、ユーザのフォームの良否を判定し、判定結果を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゴルフのスイング上達支援システムのように、ユーザ(利用者)の動きと手本となる動きとを比較して、利用者の動きに対する評価を行う場合、その評価は、手本となる動きに対する絶対的な評価になる。このため、例えば、初心者が評価を受ける場合、非常に厳しい評価を複数の項目で受ける可能性があり、モチベーションが低下して、やる気を無くしてしまうおそれがある。一方、上級者が評価を受ける場合、評価が緩くなってしまう可能性があり、更なる上達を望む利用者にとっては物足りなく感じてしまい、モチベーションが低下してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、利用者のモチベーションの低下を抑えることが可能な情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、利用者の利用者端末と通信可能な情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、人物の手本動作を含む手本映像を前記利用者端末に提供する手本提供手段、前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得手段、前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成手段、前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供手段、として前記コンピュータを機能させ、前記評価データ生成手段は、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の情報処理プログラムであって、前記利用者の前記レベルを、前記利用者端末から取得するレベル取得手段、として前記コンピュータを機能させ、前記評価データ生成手段は、前記レベル取得手段によって取得した前記利用者の前記レベルに応じて前記評価データを生成する。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様の情報処理プログラムであって、前記評価データ生成手段は、前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の前記レベルを判定し、判定した前記レベルに応じて前記評価データを生成する。
【0009】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかの情報処理プログラムであって、前記手本提供手段は、複数のモードの中から前記利用者端末によって選択された選択モードに応じて、複数の手本映像の中から前記手本映像を選択して前記利用者端末に提供する。
【0010】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかの情報処理プログラムであって、前記手本提供手段が前記手本映像を前記利用者端末に提供する際に、前記手本映像の前記手本動作に関するミッションを前記利用者端末に提供するミッション提供手段、として前記コンピュータを機能させ、前記評価データ生成手段は、前記実演動作データから前記ミッションの達成に関するミッション評価を行い、前記ミッション評価に応じて前記評価データを生成する。
【0011】
本発明の第6の態様は、上記第1の態様から上記第5の態様のいずれかの情報処理プログラムであって、前記実演動作データは、前記利用者のシルエットを認識可能なデータを含み、前記評価データ生成手段は、前記手本映像の前記人物のシルエットと前記実演動作データの前記利用者のシルエットとの重なりを評価することで前記評価データを生成する。
【0012】
本発明の第7の態様は、上記第1の態様から上記第6の態様のいずれかの情報処理プログラムであって、前記評価データ生成手段は、前記実演動作データに含まれる前記利用者の身体の部位の速度又は身体の移動速度に応じて前記評価データを生成する。
【0013】
本発明の第8の態様は、上記第1の態様から上記第7の態様のいずれかの情報処理プログラムであって、前記評価データは、前記利用者の動きに対するアドバイスデータを含む。
【0014】
本発明の第9の態様は、上記第1の態様から上記第8の態様のいずれかの情報処理プログラムであって、前記評価データ生成手段が生成する前記評価データに基づいて、キャラクタを生成するキャラクタ生成手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0015】
本発明の第10の態様は、上記第9の態様の情報処理プログラムであって、前記キャラクタ生成手段によって生成される前記キャラクタを登場させるゲームイベントを実行するゲームイベント実行手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0016】
本発明の第11の態様は、上記第10の態様の情報処理プログラムであって、前記キャラクタ生成手段は、前記評価データ生成手段が生成する前記評価データに応じて前記キャラクタの能力に関するパラメータを含む初期データを設定する。
【0017】
本発明の第12の態様は、上記第11の態様の情報処理プログラムであって、前記キャラクタ生成手段は、前記評価データ生成手段が生成する前記評価データの変化に応じて前記パラメータを変更する。
【0018】
本発明の第13の態様は、情報処理装置であって、人物の手本動作を含む手本映像を利用者の利用者端末に提供する手本提供手段と、前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得手段と、前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成手段と、前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供手段と、を備え、前記評価データ生成手段は、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する。
【0019】
本発明の第14の態様は、利用者の利用者端末と、前記利用者端末と通信可能な情報処理装置とを含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、人物の手本動作を含む手本映像を前記利用者端末に提供する手本提供手段と、前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得手段と、前記実演動作データ取得手段によって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成手段と、前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供手段と、を備え、前記評価データ生成手段は、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する。
【0020】
本発明の第15の態様は、利用者の利用者端末と通信可能な情報処理装置のコンピュータを用いて情報処理を行う情報処理方法であって、人物の手本動作を含む手本映像を利用者端末に提供する手本提供ステップと、前記利用者の実演動作の実演動作データを、前記利用者端末から取得する実演動作データ取得ステップと、前記実演動作データ取得ステップによって取得した前記実演動作データと前記手本映像の前記手本動作とに基づいて、前記利用者の動きに対する評価データを生成する評価データ生成ステップと、前記評価データを前記利用者端末へ出力する処理を実行する評価データ提供ステップと、を含み、前記評価データ生成ステップでは、前記利用者のレベルに応じて前記評価データを生成する。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【
図2】能力評価装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】ログイン時に利用者端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】手本動作の「受け(上段)」の静止画像の一例を示し、(a)は身体全体が写っている状態を、(b)は(a)のIII(b)部分の拡大画像をそれぞれ示す。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理方法の処理を説明するフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る情報処理方法の評価データ生成処理を説明するフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る情報処理システムの処理を説明するフローチャートである。
【
図9】手本映像の人物や利用者のシルエットの一例を示す図である。
【
図10】情報処理方法の他の態様の評価データ生成処理を説明するフローチャートである。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示に係る情報処理システムを図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【0025】
本発明の第1実施形態に係る情報処理システムは、手本動作に対する実演動作の評価を、ネットワーク1を介して行う動作評価に関する情報処理システムであって、例えば、ネットワーク1を介して空手の指導を行うデジタル空手道場の情報処理システム(以下、「本システム」という。)に適用される。
【0026】
図1に示すように、インターネットなどのネットワーク1には、利用者の端末2(以下、「利用者端末2」という。)と動画保存サーバ3と能力評価装置(情報処理装置)10とが通信可能に接続されている。なお、
図1では、1つの利用者端末2がネットワーク1に接続された状態が図示されているが、利用者の数及び利用者端末2の数は1つに限定されるものではない。
【0027】
デジタル空手道場の本システムでは、能力評価装置10は、手本となる空手の手本映像を利用者端末2に提供し、手本映像に基づいて利用者が実演した実演動作のデータ(以下、「実演動作データ」という。)を利用者端末2から取得し、取得した実演動作データと手本動作とに基づいて利用者の実演動作の評価を行う。なお、以下の説明において、本システムを利用して利用者が実演動作を行うことを、「トレーニング」と称することがある。
【0028】
利用者端末2は、本システムの能力評価装置10によって提供されるサービス(以下、「本サービス」という。)を受ける利用者(例えば、会員等)が使用する端末である。利用者端末2は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末などの情報処理装置であって、情報を表示可能な表示部2aと、情報を入力可能な入力部2bと、対象物を撮像可能なカメラ装置2cとを有する。利用者端末2は、ネットワーク1に接続され、ネットワーク1を介して能力評価装置10に接続される。
【0029】
動画保存サーバ3は、複数の動画(映像)データを保存可能な装置である。動画保存サーバ3は、自己が所有するサーバであってもよいし、動画配信サービスを提供する事業者が所有するサーバや、ホスティングサービス提供事業者から提供を受けたサーバ等であってもよい。
【0030】
能力評価装置10は、レベル取得部11と、手本提供部12と、ミッション提供部13と、実演動作データ取得部14と、評価データ生成部15と、評価データ提供部16とを備える。利用者は、利用者端末2を、ネットワーク1を介して能力評価装置10に接続することによって、本システムを利用する。なお、能力評価装置10は、1つのサーバによって構成されていてもよいし、あるいは複数のサーバが協働することによって構成されていてもよい。
【0031】
図2は、能力評価装置10のハードウェア構成を示す図である。なお、利用者端末2のハードウェア構成は、表示部2a、入力部2b、及びカメラ装置2cを含み、後述するドライブ装置21を含まない点以外は、能力評価装置10のハードウェア構成と同様であってよい。
【0032】
図2に示すように、コンピュータのバス17には、CPU(Central Processing Unit)18、通信部19、メモリ20、ドライブ装置21,及び記憶装置22が接続されている。
【0033】
CPU18は、能力評価装置10全体を制御し、記憶装置22に記憶された情報処理プログラム23などのソフトウェアと協働して情報処理を実行することによって、レベル取得部(レベル取得手段)11、手本提供部(手本提供手段)12、ミッション提供部(ミッション提供手段)13、実演動作データ取得部(実演動作データ取得手段)14、評価データ生成部(評価データ生成手段)15、及び評価データ提供部(評価データ提供手段)16として機能する。なお、CPU18の機能の一部を抽出して、抽出した機能を他の情報処理装置に設け、複数の情報処理装置を用いて上記処理を実行してもよい。
【0034】
通信部19は、利用者端末2等の外部装置とのネットワーク1を介した通信を制御する。
【0035】
メモリ20は、情報処理プログラム23を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0036】
記憶装置22は、情報処理に必要とされるプログラム、データを格納するためのものであり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスクドライブなどの大容量記憶装置である。記憶装置22には、オペレーティングシステム(OS)24、情報処理プログラム23、記憶部25が格納されている。OS24は、能力評価装置10の基本的な機能を実現するためのプログラムである。情報処理プログラム23は、本システムの情報処理を実現するためのプログラムである。記憶部25は、本システムの情報処理において使用される後述する手本映像の内容を記憶する手本DB(データベース)26や、利用者の各種データを格納する利用者DB27を含む。
【0037】
手本DB26は、人物の手本動作を含む複数の手本映像の内容を記憶するデータベースである。本実施形態では、手本映像は、空手の型の手本となる動作(手本動作)を撮像した映像であって、動画保存サーバ3にデータとして記憶される。空手の型とは、1つの一連の基本動作(例えば、「突き」:構え-突き-構えの一連の動作、「蹴り」:構え-蹴り-構えの一連の動作、「受け(さばき)」:構え-受け-構えの一連の動作等)の型であってもよいし、基本動作を組み合わせた一連の空手の演舞の型であってもよい。動画保存サーバ3には、空手の様々な流派の様々な空手の型の手本映像が記憶される。手本DB26は、手本映像の空手の流派、型、後述するモードとの対応関係、映像にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)、及び、手本映像を予めフレームに分割した複数の静止画像(手本画像)などを、各手本映像ごとに記憶するデータベースである。
【0038】
利用者DB27は、利用者のID、氏名、性別、身長、体重、段位等の空手のレベル、過去の評価データ、及び利用履歴などの利用者の情報を利用者ごとに記憶する。
【0039】
図3は、ログイン時に利用者端末2に表示される画面の一例を示す図である。
図4は、レベル入力画面5の一例を示す図である。
【0040】
レベル取得部11は、利用者の空手のレベル(以下、単に「レベル」という。)を利用者端末2から取得する。利用者のレベルとは、利用者の実力(本実施形態では、空手の実力)を表すものであり、近い実力の者が同じレベルになるように設定される。レベル取得部11は、例えば、利用者が本システムを利用するために能力評価装置10に接続してログインする(以下、単に「能力評価装置10にログインする」という。)と、利用者DB27から利用者のレベルを取得し、利用者端末2の表示部2aに、利用者の現在のレベルとレベル入力画面5とを表示させる。例えば、
図3では、利用者の現在のレベルが、「Level:○○」と表示され、その横(右)にレベル入力画面5が表示されている。利用者端末2のレベル入力画面5からの入力があった場合には、レベル取得部11は、レベル入力画面5から入力されたレベルを、利用者の現在のレベルとして取得するとともに、利用者DB27のレベルを更新する。一方、利用者端末2のレベル入力画面5からの入力がなかった場合には、レベル取得部11は、利用者DB27に記憶されているレベルを、利用者の現在のレベルとして取得する。本システムを初めて利用する利用者の場合は、レベル取得部11は、利用者端末2の表示部2aにレベル入力画面5を表示させて、レベル入力画面5から入力されたレベルを、利用者の現在のレベルとして取得するとともに、利用者DB27にレベルを記憶する。なお、本実施形態では、利用者のレベルを、段位等で表したレベルとしたが、レベルはこれに限定されるものではなく、例えば、大まかに分けた実力で表したレベル(初級者、中級者、上級者等)であってもよいし、あるいは単なる数値で表したレベル(レベル1~レベル99等)であってもよい。
【0041】
手本提供部12は、利用者端末2からのリクエスト(レベル、選択モード)に応じて、手本映像を利用者端末2に提供する。例えば、利用者が能力評価装置10にログインすると、手本提供部12は、利用者端末2の表示部2aに、モード選択画面6を表示させる(
図3及び
図4参照)。モード選択画面6は、
図3及び
図4に示すように上記レベル入力画面5と共通の画面であってもよいし、又は異なる画面であってもよい。モード選択画面6では、複数のモードから1つのモードを利用者端末2側で利用者に選択させる。複数のモードは、利用者の本システムの大まかな利用目的に応じたモードであって、例えば、ダイエットを目的とした「ダイエットモード」、軽い運動をすることを目的とした「健康モード」、空手選手としての技を磨く「選手モード」、などがある。「ダイエットモード」を選択した場合には、「腕ダイエットモード」、「脚ダイエットモード」、「お腹ダイエットモード」、「バランスダイエットモード」などのように、更にモード選択させてもよい。また、「健康モード」又は「選手モード」を選択した場合には、「〇〇流派」「△△流派」等の「流派モード」や、「突き」「蹴り」「受け」「〇〇演舞」等の「型モード」を、更にモード選択させてもよい。手本提供部12は、利用者端末2のモード選択画面6で選択されたモードに応じた手本映像を、手本DB26から選択し、選択した手本映像を利用者端末2に提供する。手本提供部12が手本映像を利用者端末2に提供する手段は、利用者端末2の表示部2aに表示される画面のソースに、映像にアクセスするためのURLを埋め込み、手本映像を利用者端末2の表示部2aに表示させる手段であってもよいし、あるいは、利用者端末2の表示部2aに映像にアクセスするためのURLをリンクとして表示させて、利用者が上記URLをクリックすることによって手本映像を利用者端末2の表示部2aに表示させる手段であってもよい。
【0042】
ミッション提供部13は、手本提供部12が手本映像を利用者端末2に提供する際に、当該手本映像の手本動作に関するミッションを利用者端末2に提供する。ミッションは、例えば、手本映像の手本動作を行う回数(10回連続で行う等)や、正確性の高い動きを連続して成功させる回数(突きをきれいな姿勢で5回連続で行う等)などであってもよい。また、ミッション提供部13は、利用者のレベルに応じてミッションの難易度を選択してもよい。具体的には、ミッション提供部13は、レベルが低い利用者に対しては、難易度の低いミッションを提供し、一方、レバルが高い利用者に対しては、難易度の高いミッションを提供してもよい。ミッション提供部13がミッションを利用者端末2に提供する手段は、選択したミッションを利用者端末2の表示部2aに、文字(テキスト)として表示する手段であってもよいし、あるいは、ミッションを表す画像又は映像として表示する手段であってもよい。
【0043】
能力評価装置10の手本提供部12及びミッション提供部13から手本映像及びミッションの提供を利用者端末2に受けた利用者は、利用者端末2の表示部2aに表示される手本映像内の手本動作に沿って実演動作(ミッションを含む)を行い、利用者端末2のカメラ装置2cで実演動作を撮像し、実演映像(実演動作データ)を利用者端末2に記憶する。なお、利用者は、利用者端末2を外部モニタに接続し、手本映像を外部モニタに表示してもよいし、利用者端末2とは異なるカメラ装置で実演動作を撮像して撮像した実演映像を利用者端末2に取り込んでもよい。また、本実施形態では、実演動作を撮像した実演映像を実演動作データとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、モーションキャプチャー技術(光学式、慣性センサ式、機械式、磁気式、ビデオ式など)によって記録したデータ(例えば、各関節部位の移動データ等)を実演動作データとしてもよい。
【0044】
実演動作データ取得部14は、手本映像に基づいて利用者が実演した実演動作データを利用者端末2から取得する。例えば、利用者が能力評価装置10にログインすると、実演動作データ取得部14は、利用者端末2の表示部2aに、データ送信ボタン7を表示する(
図3及び
図4参照)。データ送信ボタン7は、上記レベル入力画面5及び上記モード選択画面6と共通の画面に表示されてもよいし、又は異なる画面に表示されてもよい。データ送信ボタン7を操作(例えば、タッチ)すると、データ送信画面が表示され、利用者は、このデータ送信画面から、実演動作データを能力評価装置10に送信することができる。これにより、実演動作データ取得部14は、手本映像に基づいて利用者が実演した実演動作データを利用者端末2から取得する。実演動作データ取得部14は、所得した実演動作データを、記憶装置22や動画保存サーバ3等に記憶する。
【0045】
評価データ生成部15は、実演動作データ取得部14が取得した実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者の動きに対する評価データを生成する。本実施形態では、評価データ生成部15は、利用者の所定の動作の速度(利用者の身体の部位の速度及び身体の移動速度の少なくとも一方)、姿勢、及び所定の部位の位置等に対する評価データを生成する。なお、評価データ生成部15が評価データを生成する際に着目する点は、利用者の所定の動作の速度、姿勢、及び所定の部位の位置に限定されるものはなく、様々な点に着目することができる。
【0046】
評価データ生成部15は、先ず、実演動作データをフレームごとの複数の静止画像に分割する。次に、評価データ生成部15は、実演動作データの複数の静止画像を画像解析し、複数の静止画像に写っている利用者の所定の部位(例えば、頭の頂点、左右の側頭部、首の付け根、左右の肩、胸、左右の腕、左右の肘、左右の手首、左右の手の甲、左右の指、腰、骨盤、左右の脚の付け根、左右の膝、左右の足首、左右の踵、左右のつま先、など)の位置を特定する。なお、上記所定の部位の位置は、様々な方法を用いて特定することができる。例えば、上記所定の部位の位置を、深層学習(OpenPose等)を利用した技術を用いて特定してもよいし、あるいは、上述したモーションキャプチャー技術を用いて特定してもよい。
【0047】
次に、評価データ生成部15は、実演動作から所定の動作(例えば、「構え」、「突き」、「蹴り」、「受け」など)を特定する。次に、評価データ生成部15は、上記所定の動作の複数の静止画像の中から特定の時点(例えば、「突き」の前の「構え」のとき、「突き」の途中、「突き」を出し切ったとき、「突き」を戻す途中、「突き」の後の「構え」のとき)の画像(手本動作との比較対象となるフレーム)を抽出する。なお、比較対象となるフレームは、様々な方法を用いて特定することができる。例えば、手本画像を教師データとして学習済みモデルを生成し、この学習済みモデルに実演映像の静止画像を入力し、実演映像の静止画像から比較対象となるフレームを特定してもよい。
【0048】
次に、評価データ生成部15は、手本映像に写っている人物及び利用者の両者の上記所定の動作の速度(利用者の身体の部位の速度及び身体の移動速度の少なくとも一方)を算出して比較する。例えば、評価データ生成部15は、手本映像に写っている人物及び利用者の両者の「突き」の前の「構え」のときから「突き」を出し切ったときまでの動作の速度、及び「突き」の後の「構え」に戻ったときまでの動作の速度を算出して比較する。また、評価データ生成部15は、手本映像に写っている人物及び利用者の両者の上記所定の動作の際の姿勢(ブレの有無等)を比較する。また、評価データ生成部15は、実演動作データの上記特定の時点の画像の利用者の上記所定の部位の位置と、手本DB26に記憶される手本映像の複数の手本画像のうちの上記特定の時点の画像に写っている人物の上記所定の部位の位置(以下、単に「部位の位置」という。)とを比較する。これらにより、評価データ生成部15は、手本動作を基準とした、手本動作と利用者の実演動作との動作の速度、姿勢、及び部位の位置(角度も含む)の差の値を算出する。
【0049】
評価データ生成部15は、算出した手本動作と実演動作との差の値と、各レベルに設定される基準値とに基づいて、利用者のレベルに応じた評価データを生成する。評価データ生成部15は、利用者のレベル内でのレベル内評価を行う。本実施形態では、評価データ生成部15は、手本動作と実演動作との差の値と、基準値との差を点数化(例えば、-15点から+15点など)して、レベル内評価を行い、レベル内評価データとして生成する。基準値は、各レベルごとに設定される値であって、レベル内評価を行うための基準となる値である。基準値は、過去に蓄積した様々な利用者の実演動作と手本動作との差の値の各レベルごとの平均値であってもよいし、あるいは、実験やシミュレーション等によって予め算出して各レベルごとに設定した値であってもよい。レベル内評価データは、例えば、手本動作と実演動作との差の値が、基準値であるときをゼロ点(0点)とし、上記差の値が基準値よりも大きくなるほど、マイナス側に点数が大きくなり、上記差の値が基準値よりも小さくなるほど、プラス側に点数が大きくなる。手本動作と実演動作との差の値がゼロの場合は、実演動作が手本動作と同じであるので、その動作のレベル内評価データに満点(例えば、+15点)をつけてもよい。動作の速度についてのレベル内評価データは、実演動作の速度が手本動作の速度以下の範囲では、上述した算出方法で生成され、実演動作の速度が手本動作の速度よりも速い範囲では、差が大きくなるほど、満点に対して更に加点してもよい。評価データ生成部15は、利用者の上記所定の部位の全部又は一部についてのレベル内評価データを生成するとともに、これらのレベル内評価データを総合的に判断した総合的なレベル内評価データ(例えば、各レベル内評価データの合算値や平均値等)を生成する。レベル内評価データは、評価データ生成部15が生成する評価データ(利用者の動きに対する評価データ)に含まれる。なお、利用者のレベルに応じた評価データの生成方法は、上記に限定されるものではなく、各レベル内での評価が可能な評価データを生成可能であればよく、他の様々な方法を適用することができる。
【0050】
また、評価データ生成部15は、利用者の動きに対する評価データを生成する際に、上記レベル内評価データに加えて、手本動作に対する利用者の実演動作の速度(動作の速度)、姿勢、及び部位の位置(角度も含む)の全体的な評価を行ってもよい。全体的な評価は、利用者のレベルに関係のない絶対的な評価であって、実演動作と手本動作との差を数値化した全体評価データとして生成される。全体評価データは、例えば、点数で表される評価であって、手本動作と実演動作との上記差の値が、所定の範囲内にあるときをゼロ点(0点)とし、差が上記所定の範囲よりも大きくなるほど、マイナス側に点数が大きくなり、差が上記所定の範囲よりも小さくなるほど、プラス側に点数が大きくなる。動作の速度についての全体評価データは、手本動作の速度よりも速い場合には、差が大きくなるほどプラス側に大きな点数がついてもよい。評価データ生成部15は、利用者の上記所定の部位の全部又は一部についての全体評価データを生成するとともに、これらの全体評価データを総合的に判断した総合的な全体評価データ(例えば、各全体評価データの合算値や平均値等)を生成する。全体評価データは、評価データ生成部15が生成する評価データ(利用者の動きに対する評価データ)に含まれる。
【0051】
図5は、手本動作の「受け(上段)」の静止画像の一例を示し、(a)は身体全体が写っている状態を、(b)は(a)のIII(b)部分の拡大画像をそれぞれ示す。
【0052】
評価データ生成部15が生成する評価データの具体例を、
図5に基づいて、「受け(上段)」のときの右手の拳の位置(部位の位置)の評価データを用いて説明する。
【0053】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、基準となる手本動作では、「受け(上段)」のときには、右手の拳は、おでこの前の高さに位置し、おでことの間の隙間4は、拳1つ分(拳の1.0倍)の距離がある。また、初心者レベルの「受け(上段)」のときの右手の拳とおでことの間の距離(以下、「右手の拳の位置」という。)の基準値は、拳の2.0倍の距離に設定されており、有段者レベルの「受け(上段)」のときの右手の拳の位置の基準値は、拳の1.2倍の距離に設定されていると仮定する。評価データ生成部15は、利用者の実演動作の「受け(上段)」のときの右手の拳の位置と、手本動作の「受け(上段)」のときの右手の拳の位置(
図5参照)とを比較し、手本動作と利用者の実演動作との右手の拳の位置の差の値を算出する。手本動作では、右手の拳の位置は、拳の1.0倍の距離であるから、静止画像の右手の拳の位置が、例えば、拳の1.5倍の距離であった場合、評価データ生成部15は、右手の拳の位置の差の値を1.5倍と算出する。評価データ生成部15は、手本動作に対する実演動作の右手の拳の位置の差の値(1.5倍)に基づいて、全体評価データ(例えば、手本動作に対して拳半分以上差があるので、-5点など)を生成する。また、評価データ生成部15は、利用者のレベルが初心者レベルである場合には、手本動作に対する実演動作の右手の拳の位置の差の値(1.5倍)と、初心者レベルの基準値(2.0倍)とに基づいて、レベル内評価データ(例えば、基準値に対して拳半分以上も差が小さいので、+5点など)を生成する。また、評価データ生成部15は、利用者のレベルが有段者レベルである場合には、手本動作に対する実演動作の右手の拳の位置の差の値(1.5倍)と、有段者レベルの基準値(1.2倍)とに基づいて、レベル内評価データ(例えば、基準値に対して僅かに差が大きいので、-3点など)を生成する。
【0054】
また、評価データ生成部15は、ミッションの達成に関するミッション評価を行い、このミッション評価に応じて評価データを生成する。ミッションの達成に関するミッション評価は、ミッション提供部13が利用者端末2へ提供したミッションを利用者が達成したか否かの評価であってもよいし、ミッションの達成度の評価であってもよい。評価データ生成部15は、実演動作データからミッション評価を行い、ミッション評価を数値化し、評価データを生成する。例えば、ミッション評価は、利用者がミッションを達成したと判断した場合や、ミッションの達成度が所定の度合いよりも高い場合に、当該ミッションに関係する全体評価データ及びレベル内評価データに対して加点する。
【0055】
また、評価データ生成部15は、利用者DB27に記憶される利用者の利用履歴に応じて評価データを生成してもよい。例えば、前回ログインした日から今回ログインした日までの期間が長い場合には、総合的な全体評価データや総合的なレベル内評価データから点数を減算し、連続して毎日ログインしてトレーニングをしている場合には、総合的な全体評価データや総合的なレベル内評価データに点数を加算してもよい。
【0056】
また、評価データ生成部15は、レベル内評価データを総合的に評価し、レベル内評価データに基づいて、利用者の動きに対するアドバイスのデータ(以下、「アドバイスデータ」という。)を生成してもよい。例えば、評価データ生成部15は、レベル内評価データがマイナス点である場合には、その部位に関するアドバイスデータ(例えば、「突きのときに身体の姿勢がブレるので、姿勢がブレないように注意して下さい。」など。)を生成して評価データに含めてもよいし、レベル内評価データがプラス点である場合には、その部位に関するアドバイスデータを生成しなくてもよい。なお、利用者の動きに対するアドバイスデータは、評価データ生成部15が生成する評価データ(利用者の動きに対する評価データ)に含まれる。
【0057】
評価データ生成部15は、利用者の評価データを生成すると、生成した評価データを、利用者DB27の当該利用者の評価データとして記憶する。
【0058】
評価データ提供部16は、評価データ生成部15が生成した評価データを、利用者端末2へ出力する処理を実行する。評価データ提供部16は、評価データを利用者端末2の表示部2aに表示させる処理を実行してもよいし、評価データを音声として利用者端末2から出力させる処理を実行してもよいし、評価データをファイルとして利用者端末2へダウンロード可能な状態にする処理を実行してもよい。
【0059】
次に、本実施形態に係る能力評価装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、利用者の利用者端末2と通信可能な能力評価装置10のコンピュータを用いて情報処理を行う方法である。
【0060】
図6は、本実施形態に係る情報処理方法の処理を説明するフローチャートである。
【0061】
図6に示すように、手本提供部12は、利用者からのリクエスト(レベル、選択モード)に応じて、手本映像を利用者端末2に提供する(手本提供ステップ(ステップS1))。本実施形態では、ステップS1において、手本提供部12が手本映像を利用者端末2に提供する際に、ミッション提供部13が、手本映像の手本動作に関するミッションを利用者端末2に提供する。
【0062】
次に、実演動作データ取得部14は、手本映像に基づいて利用者が実演した実演動作データを利用者端末2から取得する(実演動作データ取得ステップ(ステップS2))。
【0063】
次に、評価データ生成部15は、実演動作データ取得部14が取得した実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者のレベルに応じた利用者の動きに対する評価データを生成する(評価データ生成ステップ(ステップS3))。
【0064】
最後に、評価データ提供部16は、評価データ生成部15が生成した評価データ(全体評価データ、レベル内評価データ、及びアドバイスデータ)を、利用者端末2へ出力する処理を実行する(評価データ提供ステップ(ステップS4))。
【0065】
図7は、本実施形態に係る情報処理方法の評価データ生成処理を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0066】
図7に示すように、本実施形態に係る情報処理方法の評価データ生成部15による評価データ生成ステップ(ステップS3)では、先ず、評価データ生成部15は、実演動作データをフレームごとの複数の静止画像に分割する(ステップS31)。
【0067】
次に、評価データ生成部15は、実演動作から利用者の所定の動作(例えば、「構え」、「突き」、「蹴り」、「受け」など)を特定する(ステップS32)。
【0068】
次に、評価データ生成部15は、手本動作に基づいて実演動作の動きに関する評価データ(全体評価データ及びレベル内評価データ)を生成する(ステップS33)。
【0069】
次に、評価データ生成部15は、ミッションの達成に関するミッション評価を行い、このミッション評価に応じて評価データ(全体評価データ及びレベル内評価データ)を生成する(ステップS34)。
【0070】
最後に、評価データ生成部15は、レベル内評価データを総合的に評価する(ステップS35)。本実施形態では、評価データ生成部15は、レベル内評価データを総合的に評価し、アドバイスデータを作成する。これにより、評価データ生成部15は、利用者の動きに対する評価データ(全体評価データ、レベル内評価データ、及びアドバイスデータ)を生成する。
【0071】
図8は、本実施形態に係る情報処理システムの処理を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0072】
図8に示すように、本実施形態に係る情報処理システムでは、先ず、利用者のレベルが利用者端末2から能力評価装置10に入力される(ステップS51)。また、利用者が選択したモード(選択モード)が利用者端末2から能力評価装置10に入力される(ステップS52)。
【0073】
能力評価装置10の手本提供部12は、利用者のレベル及び選択モードに応じた手本映像を手本DB26から選択する(ステップS53)。
【0074】
ミッション提供部13は、手本DB26から選択した手本映像及び利用者のレベルに応じたミッションを選択する(ステップS54)。
【0075】
手本提供部12及びミッション提供部13は、選択した手本映像及びミッションを、利用者端末2に提供する(ステップS55)。
【0076】
利用者は、利用者端末2を使用して、能力評価装置10から提供された手本映像を、利用者端末2の表示部2a又は外部モニタに表示する(ステップS56)。
【0077】
利用者は、利用者端末2の表示部2a又は外部モニタに表示された手本映像に沿って実演動作(ミッションを含む)を行い、利用者端末2のカメラ装置2c又は利用者端末2とは異なるカメラ装置で実演動作を撮像する(ステップS57)。
【0078】
利用者は、実演動作を撮像した実演映像(実演動作データ)を、利用者端末2から能力評価装置10に送信し、能力評価装置10の実演動作データ取得部14が利用者端末2からの実演動作データを取得する(ステップS58)。
【0079】
能力評価装置10の評価データ生成部15は、実演動作データ取得部14が取得した実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者のレベルに応じた利用者の動きに対する評価データを生成する(ステップS59)。
【0080】
能力評価装置10の評価データ提供部16は、評価データ生成部15が生成した評価データ(全体評価データ、レベル内評価データ、及びアドバイスデータ)を、利用者端末2へ出力する処理を実行する(ステップS60)。
【0081】
利用者端末2の表示部2a等には、利用者自身の実演動作に対する評価データが表示される(ステップS61)。
【0082】
上記のように構成された情報処理プログラム23、能力評価装置(情報処理装置)10、情報処理システム、及び情報処理方法では、評価データ生成部15が、利用者の実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者の動きに対する評価データを生成する。評価データには、利用者のレベルに応じたレベル内評価データが含まれる。このレベル内評価データは、利用者のレベルに設定される基準値に対する評価である。したがって、本実施形態によれば、利用者の実力(レベル)に応じた適切な評価を行うことができるので、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0083】
例えば、初心者が評価を受ける場合、全体評価データでは非常に厳しい評価を複数の項目で受ける可能性があるが、レベル内評価データでは、利用者のレベルに応じた評価がされるので、高い評価を受ける可能性があり、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。また、上級者が評価を受ける場合、全体評価データでは比較的高い評価を受ける可能性があるが、レベル内評価データでは、利用者のレベルに応じた評価がされるので、厳しい評価を受ける可能性があり、更なる上達を望む利用者が物足りなく感じてしまうことを防止することができ、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0084】
また、能力評価装置10は、利用者のレベルを利用者端末2から取得するレベル取得部11を備える。このため、レベル取得部11を備えることなく、評価データ生成部15が実演動作データから利用者のレベルを判定した後、利用者のレベルに応じた評価データを生成する場合とは異なり、容易に利用者のレベルに応じた評価データを生成することができる。
【0085】
また、能力評価装置10の手本提供部12は、複数のモードの中から利用者端末2によって選択された選択モードに応じて、手本DB26の複数の手本映像の中から所定の手本映像を選択して利用者端末2に提供する。このため、利用者は、自身の望むモードに沿った手本映像の提供を利用者端末2に受けることができる。
【0086】
また、能力評価装置10のミッション提供部13は、手本提供部12が手本映像を利用者端末2に提供する際に、当該手本映像の手本動作に関するミッションを利用者端末2に提供する。このため、利用者に対して、単に手本映像の手本動作に沿って実演動作をさせるのではなく、ミッションを達成するという目標を設定することができるので、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。また、能力評価装置10の評価データ生成部15は、実演動作データからミッションの達成に関するミッション評価を行い、ミッション評価に応じて評価データを生成する。このように、ミッションを達成することによって、その結果が評価データに反映されるので、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0087】
また、能力評価装置10の評価データ生成部15は、利用者の所定の動作の速度(利用者の身体の部位の速度及び身体の移動速度の少なくとも一方)に対する評価データを生成するので、利用者に対して自身の実演動作の速度に関する評価を認識させることができ、利用者の実力の向上を図ることができる。また、評価データ生成部15は、利用者の所定の動作の姿勢に対する評価データを生成するので、利用者に対して自身の実演動作の姿勢に関する評価を認識させることができ、利用者の実力の向上を図ることができる。また、評価データ生成部15は、利用者の所定の動作の部位の位置に対する評価データを生成するので、利用者に対して自身の実演動作の部位の位置に関する評価を認識させることができ、利用者の実力の向上を図ることができる。
【0088】
また、能力評価装置10の評価データ生成部15は、レベル内評価データを総合的に評価し、レベル内評価データに基づいて、利用者の動きに対するアドバイスデータを生成する。このため、利用者に対して、自身の実演動作の修正点や修正方法等のアドバイスを提供することができるので、アドバイスに基づいて利用者の実力の向上を図ることができる。
【0089】
また、能力評価装置10の評価データ生成部15は、利用者の動きに関する評価を、点数化(数値化)して評価データ(レベル内評価データ)を生成するので、利用者は、自分の実力を数値によって明確に理解することができる。
【0090】
なお、本実施形態では、能力評価装置10の評価データ生成部15は、実演動作データから利用者の所定の部位(例えば、頭の頂点、左右の側頭部、首の付け根、左右の肩、胸、左右の腕、左右の肘、左右の手首、左右の手の甲、左右の指、腰、骨盤、左右の脚の付け根、左右の膝、左右の足首、左右の踵、左右のつま先、など)の位置を特定し、特定した上記所定の部位の位置に基づいて、利用者の動きに対する評価データを生成したが、これに限定されるものではない。
【0091】
図9は、手本映像の人物や利用者のシルエットSの一例を示す図である。なお、
図9には、「突き」の動作を行っている人物又は利用者のシルエットSが図示されている。
【0092】
例えば、評価データ生成部15は、実演映像(実演動作データ)の利用者のシルエットS(輪郭内の領域)と手本映像の人物のシルエットSとの重なりを評価することで、評価データを生成してもよい。この場合、評価データ生成部15は、手本映像の人物のシルエットSに対する利用者のシルエットSの重なりの割合を求め、この割合に対する評価データを生成する。この場合であっても、評価データ生成部15は、各レベルに設定される基準値に基づいて、両者(利用者及び手本映像の人物)のシルエットSの重なりの割合に対するレベル内評価データ(評価データに含まれるレベル内評価データ)を生成する。基準値は、過去に蓄積した両者のシルエットSの重なりの割合の各レベルごとの平均値であってもよいし、あるいは、実験やシミュレーション等によって予め算出して各レベルごとに設定した値であってもよい。なお、両者のシルエットSを認識する方法は、例えば、複数の人物画像を教師データとして学習させた学習済みモデルに、実演映像(実演動作データ)又は手本映像を入力することによって、両者のシルエットSを認識する方法であってもよい。
【0093】
また、本実施形態では、利用者のレベルを利用者端末2から取得するレベル取得部11を能力評価装置10に設けたが、利用者のレベルを認識する方法はこれに限定されるものではなく、
図10に示すように、評価データ生成部15が、実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者のレベルを判定してもよい。
【0094】
図10は、情報処理方法の他の態様の評価データ生成処理を説明するフローチャートである。なお、ステップS31からステップS35については、上記第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0095】
図10に示すように、情報処理方法の他の態様の評価データ生成部15による評価データを生成する処理(ステップS3)では、実演動作から利用者の所定の動作を特定する工程(ステップS32)と、手本動作に基づいて実演動作の動きに関する評価データを生成する(ステップS33)工程との間に、レベルを判定する工程(ステップS36)が入る。評価データ生成部15は、ステップS36において、実演動作データと手本映像の手本動作とに基づいて、利用者のレベルを判定する。例えば、評価データ生成部15は、総合的な全体評価データの数値によって、利用者のレベルを判定する。その後、評価データ生成部15は、ステップS36で判定した利用者のレベルに応じた利用者の動きに対する評価データを生成する(ステップS3)。この場合、利用者がレベルを入力しなくてもよいので、利用者側の操作を簡略化することができる。
【0096】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る情報処理システムは、情報処理プログラム44及び能力評価装置40が評価データに基づいてキャラクタを生成する点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0097】
図11は、本発明の第2実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【0098】
本実施形態に係る情報処理システムは、上記第1実施形態と同様に、ネットワーク1を介して空手の指導を行うデジタル空手道場の情報処理システム(以下、「本システム」という。)に適用される。
【0099】
デジタル空手道場の本システムでは、能力評価装置(情報処理装置)40は、利用者端末2に手本となる空手の手本映像を提供し、手本映像に基づいて利用者が実演した実演動作データを利用者端末2から取得し、取得した実演動作データと手本動作とに基づいて利用者の実演動作の評価を行うとともに、評価データに基づいてキャラクタを生成し、このキャラクタを登場させるゲームイベントを実行する。
【0100】
図11に示すように、本実施形態に係る能力評価装置40は、レベル取得部11と、手本提供部12と、ミッション提供部13と、実演動作データ取得部14と、評価データ生成部15と、評価データ提供部16と、キャラクタ生成部41と、ゲームサーバ部42とを備える。利用者は、利用者端末2を、ネットワーク1を介して能力評価装置40に接続することによって、本システムを利用する。なお、能力評価装置40は、1つのサーバによって構成されていてもよいし、あるいは複数のサーバが協働することによって構成されていてもよい。
【0101】
能力評価装置40のハードウェア構成は、上記第1実施形態の能力評価装置10の構成(
図2参照)と同様であってよい。能力評価装置40のCPU18は、能力評価装置40全体を制御し、記憶装置22に記憶された情報処理プログラム44などのソフトウェアと協働して情報処理を実行することによって、レベル取得部(レベル取得手段)11、手本提供部(手本提供手段)12、ミッション提供部(ミッション提供手段)13、実演動作データ取得部(実演動作データ取得手段)14、評価データ生成部(評価データ生成手段)15、評価データ提供部(評価データ提供手段)16、キャラクタ生成部(キャラクタ生成手段)41、及びゲームサーバ部(ゲームイベント実行手段)42として機能する。なお、CPU18の機能の一部を抽出して、抽出した機能を他の情報処理装置に設け、複数の情報処理装置を用いて上記処理を実行してもよい。
【0102】
キャラクタ生成部41は、利用者DB27に記憶される利用者の情報(評価データ生成部15が生成する評価データも含まれる。)に基づいて、後述するゲームイベントに登場させるキャラクタを生成する。
【0103】
キャラクタ生成部41は、利用者が初めてキャラクタを作成する場合には、利用者DB27の利用者の情報に基づいてキャラクタの初期データを新規に生成し、キャラクタDB43に記憶する。例えば、キャラクタ生成部41は、複数のキャラクタのデザインの中から、利用者の性別、身長、体重等に基づいてキャラクタのデザインを選択する。また、キャラクタ生成部41は、利用者のレベルとレベル内評価データとに基づいて、キャラクタの能力に関する各種パラメータ(攻撃力、防御力、体力、素早さ、等)を設定する。例えば、キャラクタ生成部41は、レベルごとに予め設定される上記各種パラメータの基礎値から利用者のレベルに応じた上記各種パラメータの基礎値を設定し、レベル内評価データに基づいて上記基礎値に対して加点又は減点して、キャラクタのパラメータを設定する。また、キャラクタ生成部41は、設定したキャラクタのパラメータに応じて、ゲーム内のキャラクタのレベル(以下、「ゲーム内レベル」という。)を設定する。キャラクタ生成部41は、生成したキャラクタの初期データ(キャラクタのデザイン、各種パラメータ、ゲーム内レベルを含む)を利用者を特定可能な情報(例えば、利用者ID)と対応させてキャラクタDB43に記憶する。
【0104】
また、キャラクタ生成部41は、利用者が以前にキャラクタを作成している場合には、利用者の利用者DB27に新しい評価データが記憶された際に、キャラクタDB43に記憶される利用者のキャラクタのデータ(初期データを含む)の各種パラメータの値を、新しい評価データに基づいて更新し、キャラクタDB43に記憶する。
【0105】
図12は、ゲーム画面の一例を示す図である。
図12は、格闘ゲームの画面の一例であって、2人のキャラクタC1,C2が格闘している状態が図示されている。
【0106】
ゲームサーバ部42は、オンライン上又は利用者端末2のアプリケーション上で、利用者のアバターとなるキャラクタを登場させるゲームイベントを実行する。ゲームサーバ部42は、利用者端末2がゲームサーバ部42にアクセスしてログインすると、当該利用者のキャラクタのデータをキャラクタDB43から読み出して、当該キャラクタを登場させるゲームイベントを実行する。ゲームイベントは、利用者がキャラクタを操作し又はキャラクタの行動を選択するゲームであってもよいし、あるいは、利用者の操作によることなくゲーム内のキャラクタが当該キャラクタのパラメータに基づいてイベント(冒険や戦い等)を行うゲームであってもよい。利用者がキャラクタを操作するゲームとしては、例えば、格闘ゲーム(
図12参照)などのアクションゲームなどがある。また、キャラクタの行動を選択するゲームとしては、例えば、ロールプレイングゲームやアドベンチャーゲームなどがある。また、利用者の操作によることなく、ゲームサーバ部42がゲーム内のキャラクタのパラメータに基づいてイベントを行うゲームとしては、例えば、複数の利用者のキャラクタ同士が空手の試合を行い順位を決定する空手の大会(イベント)の開催や、空手の段位の昇格を目的とする組手や段位戦(イベント)の開催などがある。
【0107】
利用者のキャラクタは、ゲームサーバ部42が実行するゲーム内で成長する。例えば、利用者のキャラクタは、他のキャラクタ(他の利用者のキャラクタであってもよいし、あるいは利用者の評価データに基づくことなくコンピュータが生成したキャラクタであってもよい。)との対戦で勝利した場合や、冒険等において得た経験値によって、キャラクタのゲーム内レベルが上がる。キャラクタのゲーム内レベルが上がると、キャラクタの各種パラメータも上昇する。各種パラメータのうち、利用者の評価データに基づいて設定された値以外の、ゲーム内で上昇した値は、ゲーム内上昇値としてキャラクタDB43に記憶される。キャラクタ生成部41は、利用者DB27に新しい評価データが記憶された際に、キャラクタDB43に記憶される利用者のキャラクタのデータの各種パラメータのうち、ゲーム内上昇値以外の値を更新した後、更新後の値にゲーム内上昇値を加算する。
【0108】
上記のように構成された情報処理プログラム44、能力評価装置(情報処理装置)40、情報処理システム、及び情報処理方法では、キャラクタ生成部41が、評価データ生成部15が生成する評価データに基づいて、キャラクタを生成する。このため、単に空手のトレーニングを行うのとは異なり、楽しくトレーニングを行うことができるので、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0109】
また、ゲームサーバ部42が、利用者のアバターとなるキャラクタを登場させるゲームイベントを実行する。このため、単に空手のトレーニングを行うのとは異なり、楽しくトレーニングを行うことができるので、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0110】
また、キャラクタ生成部41は、評価データ生成部15が生成する評価データに応じて、キャラクタの能力に関する各種パラメータ(攻撃力、防御力、体力、素早さ、等)を含む初期データを設定する。このため、例えば、空手の有段者等の利用者がゲームを始めた場合には、ゲーム内レベルが高い状態から始めることができる。このように、高いレベルの利用者は、現実の利用者のレベルに応じた強いキャラクタでゲームを始めることができるので、低いゲーム内レベル(例えば、レベル1)からスタートする場合とは異なり、高いレベルの利用者にゲームを始める意欲を湧かせることができる。これにより、高いレベルの利用者も、ゲームに参加することによって、楽しくトレーニングを行うことができ、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0111】
また、キャラクタ生成部41は、評価データ生成部15が生成する評価データの変化に応じて、キャラクタDB43に記憶される利用者のキャラクタのデータの各種パラメータを変更(更新)する。本実施形態では、キャラクタ生成部41は、利用者DB27に新しい評価データが記憶された際に、キャラクタDB43に記憶される利用者のキャラクタのデータの各種パラメータのうち、ゲーム内上昇値以外の値を更新した後、更新後の値にゲーム内上昇値を加算する。すなわち、利用者の現実の実演動作による動きの評価データが上昇すると、ゲーム内のキャラクタの各種パラメータが上昇するので、ゲーム内のキャラクタを強くするために空手のトレーニングを行うことができる。このため、楽しくトレーニングを行うことができ、利用者のモチベーションの低下を抑えることができる。
【0112】
なお、上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、本開示に係る情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法を、ネットワーク1を介して空手の指導を行うデジタル空手道場の情報処理プログラム23,44、能力評価装置(情報処理装置)10,40、情報処理システム、及び情報処理方法に適用したが、これに限定されるものではない。本開示に係る情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法は、テニス、ゴルフ、ダンス等のスポーツ全般のトレーニングの指導を行う情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理方法に適用することができる。
【0113】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0114】
2:利用者端末
10,40:能力評価装置(情報処理装置)
11:レベル取得部(レベル取得手段)
12:手本提供部(手本提供手段)
13:ミッション提供部(ミッション提供手段)
14:実演動作データ取得部(実演動作データ取得手段)
15:評価データ生成部(評価データ生成手段)
16:評価データ提供部(評価データ提供手段)
23,44:情報処理プログラム
41:キャラクタ生成部(キャラクタ生成手段)
42:ゲームサーバ部(ゲームイベント実行手段)