(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001866
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】玩具及び収容物付き玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/10 20060101AFI20221226BHJP
A63H 33/00 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
A63H33/10 A
A63H33/10 D
A63H33/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063258
(22)【出願日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】P 2021102179
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521271082
【氏名又は名称】石井 源久
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】石井 源久
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BA24
2C150DD14
2C150EH09
2C150FB14
2C150FD08
(57)【要約】
【課題】従来とは違った目新しさや楽しみ方を提示することができる玩具、及び収容物付き玩具を提案する。
【解決手段】玩具50Aは、直方体状をなしそれぞれが3個の第一面と3個の第二面を有する8個のブロック1~8と、屈曲可能であってブロック1~8の一辺と他のブロック1~8の一辺とを連結する8個の連結体9~16と、を備え、4個のブロックが2段に配置されるとともにそれぞれのブロックにおける第一面が全て外側に現れて第二面が全て内側に隠れる表側形態と、8個のブロックが1段に配置された形態と、4個のブロックが2段に配置されるとともにそれぞれのブロックにおける第二面が全て外側に現れて第一面が全て内側に隠れる裏側形態と、に展開可能であって、連結体9~16は、表側形態に展開するようにブロック1~8を付勢する弾性力を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体状をなし、それぞれが3個の第一面と3個の第二面を有する8個のブロックと、
屈曲可能であって、前記ブロックの一辺と他の前記ブロックの一辺とを連結する8個の連結体と、を備え、
4個の前記ブロックが2段に配置されるとともにそれぞれの前記ブロックにおける前記第一面が全て外側に現れて前記第二面が全て内側に隠れる表側形態と、8個の前記ブロックが1段に配置された形態と、4個の前記ブロックが2段に配置されるとともにそれぞれの前記ブロックにおける前記第二面が全て外側に現れて前記第一面が全て内側に隠れる裏側形態と、に展開可能な玩具であって、
前記連結体は、前記表側形態に展開するように前記ブロックを付勢する弾性力を有する玩具。
【請求項2】
前記表側形態において対向する前記第二面の何れか一方は第一磁性体を有し、何れか他方は前記第一磁性体に吸着する第二磁性体を有する請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
前記表側形態において隣り合う2個の前記連結体が下方に位置し且つ隣り合う2個の前記連結体の2組が側方に位置する姿勢にした状態において、上段に位置する4個の前記ブロックの高さと下段に位置する4個の前記ブロックの高さは相違する、及び/又は上段に位置する4個の前記ブロックの幅と下段に位置する4個の前記ブロックの幅は相違する、請求項1に記載の玩具。
【請求項4】
前記表側形態において隣り合う2個の前記連結体の1組が下方に位置し且つ隣り合う2個の前記連結体の2組が側方に位置する姿勢にした状態において、下段に位置する4個の前記ブロックは、下面外縁部に突起部を有する、請求項1に記載の玩具。
【請求項5】
前記表側形態において隣り合う2個の前記連結体の1組が下方に位置し且つ隣り合う2個の前記連結体の2組が側方に位置する姿勢にした状態において、上段に位置する4個の前記ブロックにおける隣り合う前記ブロックの上面、及び/又は下段に位置する4個の前記ブロックにおける隣り合う前記ブロックの下面に、凹状部を有する、請求項1に記載の玩具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の玩具とこの玩具に収容される収容物とを備える収容物付き玩具であって、
前記第二面は、前記表側形態における8個の前記ブロックの内側に収容空間を形成する凹部を有し、
前記収容物は、前記収容空間に収められる物品部を有する収容物付き玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、8個のブロックとこれらのブロックを連結する8個の連結体とを備え、所定の形態に展開可能な玩具、及び収容物付き玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記の特許文献1に示されているように、立方体状になる8個のブロックを屈曲可能な8個の連結体で連結し、所定の形態に展開させることができる玩具が知られている。この玩具は、特許文献1の第3図に示されているように、隣接するブロックの一辺同士を連結体で連結したものである。8個の連結体は、1個のブロックに2個ずつ接続され、それら2個の連結体は、互いにねじれの関係になるように配置されている(連結体同士は、隣り合わずに直交する位置関係で配置されている)。
【0003】
このようにして8個のブロックを8個の連結体でつないだ玩具によれば、特許文献1の第4図に示されているように、4個のブロックが2段に配置されて大きな立方体になる形態(このとき各ブロックの白色面は外側に3個現れていて、後述する3個の黒色面は内側に隠れている)から、第5図に示されている状態を経て、第6図に示されているように、8個のブロックが1段に配置されて大きな直方体になる形態に展開させることができる。そして第6図に示した形態から矢印で示すように連結体を折り曲げることにより、第7図に示した形態に展開させ、更に矢印で示すように連結体を折り曲げることにより、第8図に示したように大きな立方体になる形態(このとき各ブロックの白色面は全て内側に隠れていて、黒色面が外側に3個現れる)に展開させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来のこの種の玩具によれば、展開していく過程での形態の変化や、各ブロックの表面と裏面が入れ変わることによる表面と裏面の色の変化を楽しむことができる。しかし、この種の玩具は登場から年数が経っていて、目新しさが乏しくなっている。
【0006】
本発明は、従来とは違った目新しさや楽しみ方を提示することができる玩具、及び収容物付き玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、直方体状をなし、それぞれが3個の第一面と3個の第二面を有する8個のブロックと、屈曲可能であって、前記ブロックの一辺と他の前記ブロックの一辺とを連結する8個の連結体と、を備え、4個の前記ブロックが2段に配置されるとともにそれぞれの前記ブロックにおける前記第一面が全て外側に現れて前記第二面が全て内側に隠れる表側形態と、8個の前記ブロックが1段に配置された形態と、4個の前記ブロックが2段に配置されるとともにそれぞれの前記ブロックにおける前記第二面が全て表側に現れて前記第一面が全て内側に隠れる裏側形態と、に展開可能な玩具であって、前記連結体は、前記表側形態に展開するように前記ブロックを付勢する弾性力を有する玩具である。
【0008】
上述した玩具において、前記表側形態において対向する前記第二面の何れか一方は第一磁性体を有し、何れか他方は前記第一磁性体に吸着する第二磁性体を有することが好ましい。
【0009】
また上述した玩具は、前記表側形態において隣り合う2個の前記連結体が下方に位置し且つ隣り合う2個の前記連結体の2組が側方に位置する姿勢にした状態において、上段に位置する4個の前記ブロックの高さと下段に位置する4個の前記ブロックの高さは相違する、及び/又は上段に位置する4個の前記ブロックの幅と下段に位置する4個の前記ブロックの幅は相違するように構成してもよい。
【0010】
また上述した玩具は、前記表側形態において隣り合う2個の前記連結体の1組が下方に位置し且つ隣り合う2個の前記連結体の2組が側方に位置する姿勢にした状態において、下段に位置する4個の前記ブロックは、下面外縁部に突起部を有することが好ましい。
【0011】
また上述した玩具は、前記表側形態において隣り合う2個の前記連結体の1組が下方に位置し且つ隣り合う2個の前記連結体の2組が側方に位置する姿勢にした状態において、上段に位置する4個の前記ブロックにおける隣り合う前記ブロックの上面、及び/又は下段に位置する4個の前記ブロックにおける隣り合う前記ブロックの下面に、凹状部を有することが好ましい。
【0012】
また本発明は、上述した何れかの玩具とこの玩具に収容される収容物とを備える収容物付き玩具であって、前記第二面は、前記表側形態における8個の前記ブロックの内側に収容空間を形成する凹部を有し、前記収容物は、前記収容空間に収められる物品部を有する収容物付き玩具でもある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の玩具は、8個のブロックと8個の連結体とを従来と同じように連結しているため、従来の玩具のように展開する際に形態を変化させることができ、また外側に現れる各ブロックの第一面と第二面が入れ替わるために色や絵柄を変化させることができる。更に連結体は、表側形態に展開するようにブロックを付勢する弾性力を有していて、展開する途中でブロックを押える指の力を緩める(又はブロックから指を離す)と、玩具は自動的に表側形態に戻される。このため、従来の玩具とは違った目新しさを提示することができる。また、掌に収まる程度の大きさであれば、片手のみを使って玩具の形態を変化させることも可能であるし、ブロックを押える指の力を緩めることで自動的に元の形態に戻すことも可能であるため、所謂フィジェットトイとして使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る玩具を具現化した一実施例に関し、(a)はこの実施例の第一形態(表側形態)での斜視図であり、(b)はこの実施例における連結体の配置を示す図である。
【
図2】
図1に示したブロック1~8に関し、(a)はブロック1の斜視図であり、(b)はブロック1の平面図であり、(c)はブロック1の右側面図である。
【
図3】
図1に示した連結体9に関し、(a)は平面図であり(b)は側面図である。
【
図4】
図1に示したブロック1、2と連結体9に関し、(a)は平面図であり(b)は側面図である。
【
図5】
図1に示した玩具に関し、(a)は第二形態に展開した際の斜視図であり、(b)は第三形態に展開した際の斜視図であり、(c)は第四形態(裏側形態)に展開した際の斜視図である。
【
図6】
図1に示した玩具に関し、(a)は第五形態に展開した際の斜視図であり、(b)は第六形態に展開した際の斜視図である。
【
図7】
図1に示した玩具の変形例を示した斜視図である。
【
図8】
図1に示した玩具の更なる変形例に関し、(a)は斜視図であり、(b)は第五形態に展開した際の平面図である。
【
図9】凹状部を設けた玩具の一例を示した斜視図である。
【
図10】
図7に示した玩具の変形例を示した斜視図である。
【
図11】
図8に示した玩具の変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る玩具を具現化した一実施例である玩具50Aについて説明する。
図1に示すように玩具50Aは、8個のブロック1~8と、8個の連結体9~16を備えている。
【0016】
ブロック1~8は、本実施例では図示したように立方体状である。
図1(a)に示す状態においてブロック1~8は、4個のブロック(ブロック5~8)の上に4個のブロック(ブロック1~4)が配置されている。なお、
図1のように4個のブロック(ブロック5~8)と4個のブロック(ブロック1~4)が2段に配置された状態を、玩具50Aの第一形態(本明細書等の「表側形態」に相当する)と称する。なお本実施例の玩具50Aは、第一形態においては図示したように全体として立方体状であって、このときの1辺の長さは30mm~40mm程度であり、掌に収まる程度の大きさとなっている。
【0017】
ブロック1は、正方形状になる6個の面を備えている。ここで、
図1(a)に示した視点で上側、前側、右側、後側、左側、下側に位置する面を、それぞれ面1a、面1b、面1c、面1d、面1e、面1fと称する。またブロック2~8においても同様に、面2a~面2f、面3a~面3f、・・・面8a~面8fと称する。なお、各ブロック1~8における6個の面のうち、第一形態において外側に現れる3個の面(ブロック1においては、面1a~1c)を第一面と称し、内側に隠れる面(ブロック1においては面1d~1f)を第二面と称する。第一面と第二面を区別して示すため、図面では、第一面にはハッチングを付さず、第二面にはハッチングを付している。
【0018】
またブロック1は、本実施例では
図2(a)に示すように溝1g、1hを備えている。溝1gは、面1cと面1dとの境界に位置する辺から面1bと面1eとの境界に位置する辺に向かって直線状に延在していて(面1cに対する角度が45度になるように延在していて)、ブロック1の内側に位置する端部は、面1aから見た際に円形状になっている。また溝1gは、面1aと面1fの少なくとも片側を貫通している。そして溝1hは、面1bと面1fとの境界に位置する辺から面1aと面1dとの境界に位置する辺に向かって直線状に延在していて、ブロック1の内側に位置する端部は、面1cから見た際に円形状になっている。また溝1hは、面1cと面1eの少なくとも片側を貫通している。
【0019】
なお図示は省略するが、ブロック2~8においても、溝1g、1hの如き溝が設けられている。
【0020】
連結体9~16は、ブロック1~8の何れか一つにおける一辺と、この一つを除いた何れか一つにおける一辺とを連結するものである。連結体9~16は、屈曲可能であり、且つ弾性を有する素材(一例として熱可塑性ポリウレタン)で形成されている。玩具50Aにおいて連結体9~16は、
図1(b)においてハッチングを付した部分に設けられている。この点について詳細に説明すると、連結体9は、ブロック1の面1cとブロック2の面2cとの間に設けられていて、面1cと面1dとの境界に位置する辺と面2bと面2cとの境界に位置する辺とを連結している。そして連結体10は、面3eと面4eとの間に設けられていて、連結体11は、面4bと面8bとの間に設けられていて、連結体12は、面1bと面5bとの間に設けられていて、連結体13は、面2dと面6dとの間に設けられていて、連結体14は、面3dと面7dとの間に設けられていて、連結体15は、面5fと面8fとの間に設けられていて、連結体16は、面6fと面7fとの間に設けられている。
【0021】
なお
図1では、第一形態における玩具50Aを、隣り合う2個の連結体の1組(連結体15、16の組)が下方に位置し且つ隣り合う2個の連結体の2組(連結体11、12の組と連結体13、14の組)が側方に位置する姿勢で示している。
【0022】
連結体9~16は、本実施例では、
図3に示すように薄板をV字状にして両端部を円形状にした如き形状になるものである。連結体9~16におけるV字状になる部分の内側の角度は、図示例では90度であるが、後述するように第一形態でのブロック1~8の開きを抑制するため、それ以下にすることが好ましい。連結体9~16は、弾性を有する素材(一例として熱可塑性ポリウレタン)で形成されていて、V字状になる部分の角度が大きくなるように屈曲させることができる。なお、V字状になる部分の角度が大きくなるように連結体9~16を屈曲させた際は、連結体9~16には元の角度に戻るように弾性力が作用する。
【0023】
本実施例の連結体9~16は、上述した溝1g、1h等に挿入することによって、ブロック1~8に保持される。例えば連結体9は、
図4に示すように、ブロック1の溝1gとブロック2の溝2gに挿入することにより、ブロック1とブロック2に保持される。そして連結体10~16も同じように溝1h等に挿入することによって、
図1(a)に示す状態に組み立てることができる。本実施例において連結体9~16の両端部には円形状になる部分が設けられているため、ブロック1~8からの連結体9~16の抜け出しを防止することができる。なお、連結体9~16が溝に沿ってスライドすることで抜けることを防止するために、連結体9~16をブロック1~8に接着しても良いし、スライドを防止するためのピンを打ち込むことで連結体9~16をブロック1~8に固定しても良い。また、連結体9~16の表面あるいはブロック1~8の溝あるいはその両方に滑り止めの加工を施したり、連結体9~16の厚みをブロック1~8の溝の幅よりも太くしておいた上で挿入時に器具を使って圧入したりすることでも、スライドによる抜け出しを防止することができる。
【0024】
このような構成になる玩具50Aは、
図1に示した第一形態から、ブロック1、2、5、6が右側に倒れてブロック3、4、7、8が左側に倒れるように連結体15、16を開くことにより、
図5(a)に示した第二形態に展開することができる。第二形態では、図示したように、ブロック1~8が1段に配置された形態になる。また第二形態において、ブロック1~8における第二面は、外側に1個現れる(ブロック1、2、3、4は第一面が外側に3個、第二面が外側に1個現れ、ブロック5、6、7、8は第一面が外側に2個、第二面が外側に1個現れる)。
【0025】
次いで、ブロック1、5、8、4が手前側に倒れてブロック2、6、7、3が奥側に倒れるように連結体9、10を開くことにより、
図5(b)に示した第三形態に展開することができる。第三形態では、図示したように、ブロック1~8が1段に配置された形態になる。また第三形態において、ブロック1~8における第二面は、外側に2個現れる(ブロック1、2、3、4は第一面が外側に2個、第二面が外側に2個現れ、ブロック5、6、7、8は第一面が外側に1個、第二面が外側に2個現れる)。
【0026】
しかる後、ブロック1、2が右側に倒れるように連結体12、13を開き、またブロック3、4が左側に倒れるように連結体11、14を開くことにより、
図5(c)に示した第四形態(本明細書等の「裏側形態」に相当する)に展開することができる。第四形態では、図示したように、ブロック1~4の上にブロック5~8が2段に配置された形態になる。また第四形態においては、ブロック1~8における第一面は全て内側に隠れて第二面が外側に3個現れる。
【0027】
ところで、第二形態、第三形態、第四形態において、連結体9~16は開いた状態になっている(第一形態において連結体9~16のV字状になる部分の内側の角度は90度であったが、開いた状態では270度になる)。このため、第二形態、第三形態、第四形態において連結体9~16には、元の状態に戻ろうとする弾性力が生じている。
【0028】
すなわち、第二形態に展開させた状態で玩具50Aを持つ手の力を緩めると、玩具50Aは、連結体15、16の弾性力によって第一形態に自動的に移行する。また、第三形態に展開させた状態で玩具50Aを持つ手の力を緩めると、玩具50Aは、連結体9、10の弾性力によって第二形態に自動的に移行し、更に、連結体15、16の弾性力によって第一形態に自動的に移行する。
【0029】
また、第四形態に展開させた状態で玩具50Aを持つ手の力を緩めると、2通りのパターンで形態が変化する可能性がある。その1つは、連結体9、10の弾性力が作用するよりも先に連結体11~14の弾性力が作用するように手の力を緩めた場合であり、この場合はまず連結体11~14の弾性力によって第三形態に移行し、その後は段落0028と同様に第二形態を経由して第一形態に移行する。2番目のパターンは、連結体11~14の弾性力が作用するよりも先に連結体9、10の弾性力が作用するように手の力を緩めた場合であり、この場合はまず連結体9、10の弾性力によって、ブロック5、8、1、4が手前側に倒れるとともにブロック6、7、2、3が奥側に倒れて、玩具50Aは、
図6(a)に示した第五形態に自動的に展開する。なお第五形態では、図示したように、ブロック1~8が1段に配置された形態になる。また第五形態において、ブロック1~8における第一面は、外側に1個現れる(ブロック1、2、3、4は第一面が外側に1個、第二面が外側に2個現れ、ブロック5、6、7、8は第一面が外側に1個、第二面が外側に3個現れる)。
【0030】
更に玩具50Aは、連結体15、16の弾性力によって、ブロック5、1、2、6が右側に倒れてブロック8、4、3、7が左側に倒れるため、
図6(b)に示した第六形態に自動的に展開する。なお第六形態では、図示したように、ブロック1~8が1段に配置された形態になる。また第六形態において、ブロック1~8における第一面は、外側に2個現れる(ブロック1、2、3、4は第一面が外側に2個、第二面が外側に1個現れ、ブロック5、6、7、8は第一面が外側に2個、第二面が外側に2個現れる)。
【0031】
更に玩具50Aは、連結体11~14の弾性力によって、ブロック5、8が手前側に倒れてブロック6、7が奥側に倒れるため、
図1に示した第一形態に自動的に展開する。なお説明の都合上、第四形態から第一形態への展開について段階毎に分けて記載したが、連結体9~16の弾性力によって玩具50Aが自動的に展開する際は、各段階で停止することなく第四形態から第一形態へ連続的に展開する。なお、第四形態から第一形態への展開については2通りのパターンがあると記載したが、手で押さえながら第四形態に展開する際には、連結体11~14の弾性力に逆らって行う必要があるため、第四形態に展開したときには、連結体11~14の弾性力が作用するよりも先に連結体9、10の弾性力が作用し始めて既に第五形態に近づいていることが多く、結果として段落0029でいうところの2番目のパターンにより、第五形態、第六形態を経由して、自動的に第一形態に移行することが多い。
【0032】
このように本実施例の玩具50Aによれば、第二形態~第六形態にしていても、玩具50Aを持つ手の力を緩めると、玩具50Aは自動的に第一形態に展開する。このため、従来の玩具とは違った目新しさを提示することができる。なお、上記段落0024~0031に示した手順とは逆に、第一形態から第六形態、第五形態、第四形態、へと手で展開させていく手順を行っても、上記と同様に自動的に第一形態へと移行する。また、玩具50Aは掌に収まる程度の大きさであるため、片手で形態を変化させることもできるし、ブロック1~8を押える指の力を緩めることで自動的に第一形態に戻すことも可能であるため、所謂フィジェットトイとして使用することができる。
【0033】
上述した玩具には、
図9(a)のような凹状部(凹状部21D)を設けてもよい。
図9(a)において玩具50Dは、
図1と同様に、第一形態にした状態で、隣り合う2個の連結体の1組(連結体15、16の組)が下方に位置し且つ隣り合う2個の連結体の2組(連結体11、12の組と連結体13、14の組)が側方に位置する姿勢で示している。そしてこの状態において凹状部21Dは、上段に位置する4個のブロック(ブロック1~4)における隣り合うブロックの上面に設けられる(本実施形態では、半球状になる凹状部21Dがブロック1~4の全ての上面に跨がるように設けられる)。このような凹状部21Dを設ける場合は、凹状部21Dに指を押し当てることにより、ブロック1、2が右側に且つブロック3、4が左側に倒れやすくなるため、第一形態から第二形態へ容易に展開することができる。なお凹状部は、
図9(b)に示した玩具50Eに設けた凹状部21Eのように、溝状になるものでもよい。本実施形態の凹状部21Eは、隣り合うブロック1、4の上面と隣り合うブロック2、3の上面に跨がるように設けられている。このような凹状部21Eにおいても、凹状部21Eに指を押し当てることによって第一形態から第二形態へ容易に展開することができる。
【0034】
また凹状部は、第一形態の玩具を第六形態に展開させる場合にも有効である。この場合において、凹状部は、下段に位置する4個のブロック(ブロック5~8)における隣り合うブロックの下面に設ければよく、一例として
図9(c)に示した玩具50Fに設けた凹状部21Fが挙げられる。なお
図9(c)に示した玩具50Fは、
図9(a)、(b)に示した玩具50D、50Eを上下逆さまにした状態で示していて、凹状部21Fは、隣り合うブロック5、6と隣り合うブロック7、8の下面(
図9(c)では上面)にそれぞれ設けられている。また本実施形態における2つの凹状部21Fは、ブロック5~8の下面((
図9(c)では上面))に正対した視点において、玩具50Fの外縁部から内側に向かって先細りとなるように三角形状に形作られている。このような三角形状の凹状部21Fを設ける場合は、目立ち易い玩具50Fの中央部を避けたところに凹状部21Fが位置することになるため、見た目を損なうことがない。
【0035】
次に上述した玩具50Aの変形例について説明する。
図7は、玩具50Bと収容物60とで構成される収容物付き玩具について示している。
【0036】
玩具50Bは、上述した玩具50Aと同様に配置されるブロック1~8と連結体9~16を備えている。また玩具50Bは、上述した第一形態において対向する第二面の何れか一方は第一磁性体17を有し、何れか他方は第一磁性体17に吸着する第二磁性体18を有している。本実施例においては、対向するブロック1の面1eとブロック4の面4cに対し、面1eに第一磁性体17が設けられ、面4cに第二磁性体18が設けられていて、また対向するブロック2の面2eとブロック3の面3cに対し、面2eに第一磁性体17が設けられ、面3cに第二磁性体18が設けられている。
【0037】
なお、第一磁性体17と第二磁性体18はともに硬質磁性体であってもよいし、一方が硬質磁性体で他方が軟質磁性体であってもよい。ここで硬質磁性体とは、着磁すると簡単には磁極が消えたり反転したりしないもの(すなわち永久磁石)を指す。また軟質磁性体とは、比較的簡単に磁極が消えたり反転したりするもの(例えば鉄片など)を指す。
【0038】
このように玩具50Bは、第一磁性体17と第二磁性体18によって両者の間に吸引力が作用し、第一形態の状態でブロック1~8同士が開かないように保持することができるため、全体として立方体状になる形態を維持することができる。なお、第一形態における玩具50Bにおいて、連結体15、16は、ブロック1、2、5、6が右側に倒れないように支持し、且つブロック3、4、7、8が左側に倒れないように支持しているが(
図1(b)参照)、連結体15、16を繰り返し屈曲させると連結体の材質によっては一時的に(または経時劣化により恒久的に)ヘタリが生じて、ブロック1、2、5、6とブロック3、4、7、8が開き気味になる可能性がある。一方、第一磁性体17と第二磁性体18を設けた玩具50Bによれば、このような場合でも、ブロック1、2、5、6とブロック3、4、7、8の開きを防止することができる。なお、第一磁性体17と第二磁性体18を設ける部位は、第一形態において対向する第二面同士のうち、開きが気になる箇所の何れでも良いし、複数の箇所に設置してもよいが、
図1(b)に示す姿勢においてブロック1~4は上方に位置していて、ブロック1とブロック4、及びブロック2とブロック3の開きが目立ち易いため、本実施例のように構成することが好ましい。また、
図7では、第一磁性体17と第二磁性体18は一つずつ組になる形で2組設置されているが、場合によってはその片方の組を省略することもできる。
図7の状態ではブロック1とブロック2は一塊になって動作し、ブロック3とブロック4も一塊になって動作するため、磁力によってブロック1とブロック4が吸着すれば、ブロック2とブロック3にも同じ方向の力が働く。ブロック2とブロック3の閉じ方がそれで十分であるならば、ブロック2とブロック3に設置される磁性体については省略することもできる。
【0039】
また
図7に示すように玩具50Bは、ブロック1~8の第二面(本実施例ではブロック1、2、5、6の面1e、2e、5e、6eとブロック3、4、7、8の面3c、4c、7c、8c)に、凹部19を備えている。本実施例の1つの凹部19は、円柱を8分割した如き形態になるものであって、玩具50Bを第一形態に展開すると、ブロック1~8の内側には円柱状になる収容空間Sが形成される。
【0040】
そして収容物60は、収容空間Sに収められる物品部61と、物品部61に設けられた紐部62を備えている。本実施例の物品部61は円柱状であって、紐部62は、物品部61の両端部に取り付けられている。
【0041】
このような玩具50Bと収容物60とで構成される収容物付き玩具によれば、
図7に示すように玩具50Bを開いた状態で物品部61を凹部19の内側に置き、玩具50Bを閉じることで物品部61を収容空間Sに収めることができる。また、玩具50Bと物品部61の形状や色に関連性を持たせると(例えば玩具50Bが「桃の果実」を模した形状や色であり、物品部61が「桃の種」を模した形状や色である等)、従来の玩具とは違った目新しさを提示することができる。また、物品部61を凹部19の内側に置く際に、物品部61に取り付けられた紐部62の一方がブロック1、4、5、8で取り囲まれる隙間を通り、紐部62の他方がブロック2、3、6、7で取り囲まれる隙間を通るようにすれば、玩具50Bを閉じた際、紐部62が玩具50Bの外側に引き出された状態になる。従って、この紐部62を利用して玩具50Bを吊り下げることができる。なお紐部62は、例えば一端部にキーホルダーの如きフックが設けられ、他端部が物品部61の片側に取り付けられたものでもよい。
【0042】
上述した収容物付き玩具は、
図10に示すような玩具50B’と収容物60’で構成されるものでもよい。収容物60’は、円柱状部分61a’と61b’とをT字状に組み合わせた如き形状になる物品部61’と、円柱状部分61b’に設けられた紐部62’とを備えている。また玩具50B’に設けた凹部19’は、玩具50Bを第一形態に展開した際に形成される収容空間S’に対して物品部61’が収まるように形作られている。なお、収容空間S’に物品部61’を収めた際、円柱状部分60b’の一端部は、玩具50B’から露出する。すなわち、
図7に示した収容物付き玩具において物品部61を収容空間Sに収めた際、紐部62はブロック1~8の隙間から玩具50Bの外側に引き出されていたが、
図10に示した収容物付き玩具のように構成する場合は、収容空間S’に物品部61’を収めた際、紐部62’は、物品部61’から直接的に玩具50Bの外側に引き出すことができる。なお紐部62、62’は、収容物60、60’に必ず設けなければならないというものではなく、紐部62、62’を持たない収容物60、60’を使用してもよい。
【0043】
次に、上述した玩具50Aの更なる変形例である玩具50Cについて、
図8を参照しながら説明する。玩具50Cは、ブロック1’~8’と連結体9’~16’を備えている。ブロック1’~8’は全体的に直方体状であって、外側の角は丸みを帯びている。また先に説明した連結体9~16は、ブロック1~8の各1辺と同じ程度の長さであったが、連結体9’~16’は、丸みを帯びたブロック1’~8’から大きくはみ出さない程度の長さになっている。本実施例の玩具50Cは、「柿」を模したものである。
【0044】
また玩具50Cは、
図1に示した玩具50Aの姿勢(第一形態において、連結体15’、16’の組が下方に位置し且つ連結体11’、12’の組と連結体13’、14’の組が側方に位置する姿勢)において、上段に位置するブロック1’~4’の高さは、下段に位置するブロック5’~8’の高さよりも低くなっている。すなわちこのように構成した場合、上述した第五形態(
図6(a)参照)に展開した状態において、本実施例の玩具50Cは、
図8(b)に示すように、ブロック1’~4’の高さが低いためにブロック1’とブロック4’との隙間及びブロック2’とブロック3’との隙間が大きくなる。従って、連結体15、16の弾性力によって第五形態から第六形態に展開する際(すなわち、ブロック5’、1’、2’、6’が右側に倒れてブロック8’、4’、3’、7’が左側に倒れる際)、ブロック1’とブロック4’及びブロック2’とブロック3’との干渉が避けられるため、第五形態から第六形態へ自動的に展開する際にスムーズに移行することができ、更に第一形態へもスムーズに移行することができる。
【0045】
上述した第五形態から第六形態へスムーズに移行する機能は、
図11(a)に示した玩具50Gでも実現される。玩具50Gは、玩具50Aのブロック1~8に替えてブロック1G~8Gを備えている。ここで、玩具50Aのブロック1~8は全て立方体状であったが、ブロック1G~4Gはブロック1~8よりも高さが低くなっていて、ブロック5G~8Gはブロック1~8よりも幅が小さくなっている。換言すると、玩具50Gは、ブロック1G~4Gの高さはブロック5G~8Gよりも低く、ブロック5G~8Gの幅はブロック1G~4Gよりも小さくなっている。すなわち玩具50Gにおいても、ブロック1G~4Gの高さはブロック5G~8Gよりも低いため、上述した第五形態(
図6(a)参照)に展開した状態においては、
図11(b)に示すように、ブロック1Gとブロック4Gとの隙間及びブロック2Gとブロック3Gとの隙間が大きくなる。従って、連結体15、16の弾性力によって第五形態から第六形態に展開する際、ブロック1Gとブロック4G及びブロック2Gとブロック3Gとの干渉が避けられるため、第五形態から第六形態へ自動的に展開する際にスムーズに移行することができる。また玩具50Gにおいて、ブロック5G~8Gの幅はブロック1G~4Gよりも小さくなっているため、第一形態から第六形態、第五形態、第四形態、へと展開させていく際、上述した第三形態(
図5(b)参照)に展開した状態においては、
図11(c)に示すように、ブロック5Gとブロック6Gとの隙間及びブロック7Gとブロック8Gとの隙間が大きくなる。従って、連結体9、10の弾性力によって第三形態から第二形態に展開する際、ブロック5Gとブロック6G及びブロック7Gとブロック8Gとの干渉が避けられるため、第三形態から第二形態へ自動的に展開する際にスムーズに移行することができる。
【0046】
上述した展開時にスムーズに移行できる機能とは逆に、展開時に「ため」をつくる(若干引っ掛かった感触をつくる)機能を玩具に持たせることも可能である。この場合には、例えば
図12(a)に示した玩具50Hのように構成すればよい。玩具50Hは、玩具50Aのブロック1~8に替えてブロック1H~8Hを備えている。ここで、ブロック1H~4Hはブロック1~8よりも幅が小さくなっていて、ブロック5H~8Hはブロック1~8よりも高さが低くなっている。換言すると、玩具50Hは、ブロック1H~4Hの幅はブロック5H~8Hよりも小さく、ブロック5H~8Hの高さはブロック1H~4Hよりも低くなっている。すなわち玩具50Hにおいて、ブロック1H~4Hの幅はブロック5H~8Hよりも小さいため、上述した第五形態に展開した状態においては、
図12(b)に示すように、ブロック6Gとブロック7Gとの隙間及びブロック5Gとブロック8Gとの隙間に対し、ブロック2Gとブロック3Gとの隙間及びブロック1Gとブロック4Gとの隙間は小さくなる。従って、連結体15、16の弾性力によって第五形態から第六形態に展開する際、ブロック2Gとブロック3G及びブロック1Gとブロック4Gが接触するため、その際に「ため」をつくることができる。また玩具50Hにおいて、ブロック5H~8Hの高さはブロック1H~4Hよりも低くなっているため、第一形態から第六形態、第五形態、第四形態、へと展開させていく際、上述した第三形態に展開した状態においては、
図12(c)に示すように、ブロック1Gとブロック2Gとの隙間及びブロック3Gとブロック4Gとの隙間に対し、ブロック5Gとブロック6Gとの隙間及びブロック7Gとブロック8Gとの隙間は小さくなる。従って、連結体9、10の弾性力によって第三形態から第二形態に展開する際、ブロック5Gとブロック6G及びブロック7Gとブロック8Gが接触するため、その際に「ため」をつくることができる。
【0047】
このように、隣り合う2個の連結体の1組(図示例では連結体15、16の組)が下方に位置し且つ隣り合う2個の連結体の2組(連結体11、12の組と連結体13、14の組)が側方に位置する姿勢にした状態において、上段に位置する4個のブロック(ブロック1~4)の高さと下段に位置する4個のブロック(ブロック5~8)の高さが相違する、及び/又は上段に位置する4個のブロックの幅と下段に位置する4個のブロックの幅が相違する場合は、展開時にスムーズに移行できる機能や、展開時に「ため」をつくる機能を玩具に持たせることができる。
【0048】
また、
図11で示したスムーズに回転する機能と、
図12で示した「ため」を作ることができる機能を、併せ持った構成にすることもできる。すなわち、
図11におけるブロック1G~4Gの高さはブロック5G~8Gよりも低いという特徴はそのままに、ブロック5G~8Gの幅はブロック1G~4Gの幅よりも大きいという構成にしてもよい。この場合、第一形態から第二形態、第三形態、第四形態、へと展開させていくパターンでは、第五形態から第六形態への展開時にスムーズに移行することができ、第一形態から第六形態、第五形態、第四形態、へと展開させていくパターンでは、第三形態から第二形態に展開する際に「ため」をつくることができる。また逆に、
図11におけるブロック5G~8Gの幅はブロック1G~4Gの幅よりも小さいという特徴はそのままに、ブロック1G~4Gの高さはブロック5G~8Gよりも高いという構成にすることもできる。この場合、第一形態から第二形態、第三形態、第四形態、へと展開させていくパターンでは、第五形態から第六形態へ展開する際に「ため」を作ることができ、第一形態から第六形態、第五形態、第四形態、へと展開させていくパターンでは、第三形態から第二形態への展開時にスムーズに移行することができる。
【0049】
また
図8に示した玩具50Cは、下段に位置するブロック5’~8’の下面外縁部に突起20を備えている。上述したように第一形態になる玩具50Cを図示した姿勢(連結体15’、16’の組が下方に位置し且つ連結体11’、12’の組と連結体13’、14’の組が側方に位置する姿勢)にした場合、連結体15、16にヘタリが生じると、ブロック1’、2’、5’、6’とブロック3’、4’、7’、8’との間が開き気味になる可能性がある。これは、段落0035~0038で説明したように、磁性体によって解決することもできるが、材料や組み立て作業のコストアップ要因になるという問題もある。一方、玩具50Cのように特定の物品を模したデザインの場合は、その物品の最も典型的な置き方(玩具50Cの場合は柿のヘタ部分が上側に来るような置き方)をした場合にブロック同士の開きが気にならないようにできれば、見栄えとしての問題の大部分は解決できる。そこで、突起20を設ければ、重力の効果により、ブロック1’、2’、5’、6’を左側に倒し、ブロック3’、4’、7’、8’を右側に倒すことができるため、上述した開きを抑制することができる。なお突起20を設ける部位は、上下2段になるブロックの重心よりも外側(例えばブロック5に設ける突起20においては、ブロック1とブロック5の重心よりも外側)であればよい。また突起20は、
図8(a)のように突起とはっきりわかる形状ではなく、上述の開きを防止できる方向に重力が働く効果が得られれば、その周囲がより広く膨らんでいるような形状であっても良い。
【0050】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施例における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。例えば、展開することで内部を確認することができる特徴は従来型の玩具と同様であるので、内部の状態をブロックへの直接印刷や、シールの貼付や、凹凸等で表現しても良いことはもちろんである。またブロックは直方体状であればよく、一つの頂点から出る3辺の長さは
図1に示すように全て等しくてもよいし、2辺が等しくて1辺は異なっていてもよいし、3辺全てが異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1~8:ブロック
1’~ 8’:ブロック
1a~1c:ブロック1における第一面
1d~1e:ブロック1における第二面
9~16:連結体
9’~ 16’:連結体
17:第一磁性体
18:第二磁性体
19:凹部
20:突起
50A~50H:玩具
60、60’:収容物
61、61’:物品部
62、62’:紐部
S、S’:収容空間