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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018747
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】リモートコントロール装置及び給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/40 20220101AFI20230202BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20230202BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20230202BHJP
【FI】
F24H1/00 H
F24H1/00 602W
F24H1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122978
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】河越 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 崇之
(72)【発明者】
【氏名】斎宮 久幸
(72)【発明者】
【氏名】辻 麻理恵
【テーマコード(参考)】
3L024
3L122
【Fターム(参考)】
3L024EE03
3L024EE08
3L024FF15
3L024FF18
3L122AA03
3L122AA33
3L122AA34
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA65
3L122BA35
3L122FA03
3L122FA07
3L122FA12
3L122FA13
3L122FA26
3L122FA27
3L122FA28
3L122GA01
(57)【要約】
【課題】給湯器の仕様を含む浴槽の設置環境が異なるごとにリモートコントロール装置の種類を取り揃える場合に比べて、取り揃えるリモートコントロール装置の種類を減らす。
【解決手段】給湯器10と通信する第1通信部21と、給湯器10以外の装置30と通信する第2通信部22と、第1通信部21又は第2通信部22を介して浴槽への給湯に関する給湯設定を受け付ける受付部23と、第1通信部21又は第2通信部22による通信ができない場合に異常状態であることの報知を行う異常状態報知部24と、第2通信部22による通信ができない場合の報知が行われないようにする設定を行うための報知抑制設定部25と、を備えることを特徴とするリモートコントロール装置20である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器と通信する第1通信手段と、
給湯器以外の装置と通信する第2通信手段と、
前記第1通信手段又は前記第2通信手段を介して浴槽への給湯に関する給湯設定を受け付ける受付手段と、
前記第1通信手段又は前記第2通信手段による通信ができない場合に異常状態であることの報知を行う報知手段と、
前記第2通信手段による通信ができない場合の前記報知が行われないようにする設定を行うための設定手段と、
を備えることを特徴とするリモートコントロール装置。
【請求項2】
前記設定手段は、自装置のユーザにとって前記設定を行うことが困難なように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置。
【請求項3】
前記設定は設定画面により行われる、ことを特徴とする請求項2記載のリモートコントロール装置。
【請求項4】
前記報知手段は、
前記第1通信手段により異常状態であることを示す情報を受信した場合、
前記設定手段により前記設定が行われていないときに前記報知を行い、当該設定が行われているときに当該報知を行わない、ことを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記第1通信手段による通信ができない場合の前記報知を、前記設定手段の前記設定にかかわらず行う、ことを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置。
【請求項6】
給湯器と通信する第1通信手段と、
給湯器以外の装置と通信する第2通信手段と、
前記第1通信手段又は前記第2通信手段を介して浴槽への湯張りおよび追い焚きに関する給湯設定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられる前記給湯設定を無効化する設定を行うための無効化設定手段と、
を備えることを特徴とするリモートコントロール装置。
【請求項7】
前記第2通信手段により通信する前記装置は複数であり、
前記複数の装置のいずれか一の装置は、
前記無効化する設定が行われると、前記第2通信手段により他の装置に通知する、ことを特徴とする請求項6記載のリモートコントロール装置。
【請求項8】
第1装置と通信する第1通信手段と、
第2装置と通信する第2通信手段と、
前記第1通信手段又は前記第2通信手段を介して浴槽への給湯に関する給湯設定を受け付ける受付手段と、
前記第1通信手段と前記第2通信手段のいずれか一方の通信手段による通信ができない場合に他方の通信手段による通信にて異常状態であることの通知を行う通知手段と、
前記一方の通信手段による通信ができない場合の前記異常状態であることの通知が行われないようにする設定を行うための設定手段と、
を備えることを特徴とする給湯器。
【請求項9】
前記一方の通信手段による通信は、前記浴槽を備える浴室に設置される風呂リモコンとの通信である、ことを特徴とする請求項8記載の給湯器。
【請求項10】
第1装置と通信する第1通信手段と、
第2装置と通信する第2通信手段と、
前記第1通信手段及び前記第2通信手段を介して浴槽への湯張りおよび追い焚きに関する給湯設定を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられる前記給湯設定を無効化する設定を行うための無効化設定手段と、
を備えることを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器と通信するリモートコントロール装置及び給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、浴室内に取り付けられ、給湯装置の作動を制御するリモコン部と、テレビ画像を表示するテレビ部と、リモコン部からの画像とテレビ部からの画像を択一的に表示するモニタとを備えると共に、リモコン部用の電源スイッチとテレビ部用の電源スイッチとを各々有し、モニタにテレビ部からの画像を表示させている状態でリモコン部の電源スイッチが押されるとモニタの表示がリモコン部からの画像に切り替わる風呂リモコンであって、台所等の浴室以外に設置された他のリモコンと共に給湯装置に接続されるものにおいて、テレビ部からの画像がモニタに表示されている状態で、上記他のリモコンの電源スイッチが押されて上記リモコン部の作動が開始された場合に、モニタの画面をテレビ部からの画像のまま切り替えないことを特徴とする風呂リモコンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4014527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、キッチンや洗面所、風呂などで、蛇口やシャワーなどから湯を出して利用するために、湯を作って供給する給湯器が用いられている。この給湯器には、ガス給湯器や石油給湯器、電気給湯器など、各種の給湯器が存在する。これら給湯器では、一般に、給湯器を遠隔で操作し給湯器の状況をユーザに知らせるための装置として、専用装置としてのリモートコントロール装置が用いられている。このリモートコントロール装置は、例えば家の中の台所や風呂場に設置され、給湯器のON/OFFや温度設定が可能である。また、風呂場であれば、給湯器のON/OFFや温度設定に加えて、例えば、風呂自動、追い焚き、足し湯などをリモートコントロール装置から選択することも可能である。
【0005】
ところで、給湯器の制御用リモコンとして、台所に設置される台所リモコンと浴室に設置される風呂リモコンを備え、風呂リモコンで浴室に対する自動の湯張り及び追い焚きの指示やシャワー等の給湯温度変更の操作を行う構成(第1の構成)がある。また、給湯器の仕様を含む浴槽の設置環境によっては、台所リモコン及び風呂リモコンを備えるものの、風呂リモコンが自動の湯張り及び追い焚きの指示ではなく、給湯温度変更の操作に用いられる構成(第2の構成)を採用する場合がある。さらに、台所リモコンを備える一方で風呂リモコンを必要としない構成、すなわち風呂リモコンを備えない構成(第3の構成)を採用する場合もある。
【0006】
給湯器の仕様を含む浴槽の設置環境に応じて採用される上述の第1ないし第3の構成のそれぞれに対応できるようにするためには、製造業者は、台所リモコンを3種類、風呂リモコンは2種類を取り揃えておく必要があり、コスト削減を図ることが困難である。
本発明の目的は、給湯器の仕様を含む浴槽の設置環境が異なるごとにリモートコントロール装置の種類を取り揃える場合に比べて、取り揃えるリモートコントロール装置の種類を減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、給湯器と通信する第1通信手段と、給湯器以外の装置と通信する第2通信手段と、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を介して浴槽への給湯に関する給湯設定を受け付ける受付手段と、前記第1通信手段又は前記第2通信手段による通信ができない場合に異常状態であることの報知を行う報知手段と、前記第2通信手段による通信ができない場合の前記報知が行われないようにする設定を行うための設定手段と、を備えることを特徴とするリモートコントロール装置である。
請求項2に記載の発明は、前記設定手段は、自装置のユーザにとって前記設定を行うことが困難なように構成されている、ことを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置である。
請求項3に記載の発明は、前記設定は設定画面により行われる、ことを特徴とする請求項2記載のリモートコントロール装置である。
請求項4に記載の発明は、前記報知手段は、前記第1通信手段により異常状態であることを示す情報を受信した場合、前記設定手段により前記設定が行われていないときに前記報知を行い、当該設定が行われているときに当該報知を行わない、ことを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置である。
請求項5に記載の発明は、前記報知手段は、前記第1通信手段による通信ができない場合の前記報知を、前記設定手段の前記設定にかかわらず行う、ことを特徴とする請求項1記載のリモートコントロール装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、給湯器と通信する第1通信手段と、給湯器以外の装置と通信する第2通信手段と、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を介して浴槽への湯張りおよび追い焚きに関する給湯設定を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられる前記給湯設定を無効化する設定を行うための無効化設定手段と、を備えることを特徴とするリモートコントロール装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第2通信手段により通信する前記装置は複数であり、前記複数の装置のいずれか一の装置は、前記無効化する設定が行われると、前記第2通信手段により他の装置に通知する、ことを特徴とする請求項6記載のリモートコントロール装置である。
【0009】
請求項8に記載の発明は、第1装置と通信する第1通信手段と、第2装置と通信する第2通信手段と、前記第1通信手段又は前記第2通信手段を介して浴槽への給湯に関する給湯設定を受け付ける受付手段と、前記第1通信手段と前記第2通信手段のいずれか一方の通信手段による通信ができない場合に他方の通信手段による通信にて異常状態であることの通知を行う通知手段と、前記一方の通信手段による通信ができない場合の前記異常状態であることの通知が行われないようにする設定を行うための設定手段と、を備えることを特徴とする給湯器である。
請求項9に記載の発明は、前記一方の通信手段による通信は、前記浴槽を備える浴室に設置される風呂リモコンとの通信である、ことを特徴とする請求項8記載の給湯器である。
【0010】
請求項10に記載の発明は、第1装置と通信する第1通信手段と、第2装置と通信する第2通信手段と、前記第1通信手段及び前記第2通信手段を介して浴槽への湯張りおよび追い焚きに関する給湯設定を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられる前記給湯設定を無効化する設定を行うための無効化設定手段と、を備えることを特徴とする給湯器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、給湯器の仕様を含む浴槽の設置環境が異なるごとにリモートコントロール装置の種類を取り揃える場合に比べて、取り揃えるリモートコントロール装置の種類を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態における給湯器及びリモートコントロール装置を説明する図である。
図2】住居に設けられている給湯配管の一例を説明する図である。
図3】給湯器及びリモートコントロール装置の機能を説明するブロック図である。
図4】給湯器の通信設定の構成例を説明する図であり、(a)は一例、(b)は他の例を示す。
図5】リモートコントロール装置の通信設定を行う設定画面例を説明する図であり、(a)は台所側の操作表示部、(b)は風呂側の操作表示部を示す。
図6】住居に設けられている他の給湯配管の他の例を説明する図である。
図7】他の例において風呂のリモートコントロール装置が設置されていないことによる異常状態の検知が台所のリモートコントロール装置にて行われた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図8】他の例において風呂のリモートコントロール装置が設置されていないことよる異常状態の検知が給湯器にて行われた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図9】給湯器にて無効化の設定がなされた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図10】台所のリモートコントロール装置にて無効化の設定がなされた場合の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における給湯器10及びリモートコントロール装置20、30を説明する図である。なお、リモートコントロール装置を「リモコン」と略すことがある。
図示する給湯器10は、屋外に設置されて住居内の配管を通じて、例えば台所や洗面所、浴室等に給湯する。また、給湯器10は、浴室ではカラン43(図2参照)のほか浴槽44(同図参照)への給湯も行われる場合があり、給湯釜のほかに追い焚き釜を備えることで浴槽44の自動湯はりや追い焚きの機能も有する場合がある。また、リビングの床暖房(不図示)に温水が供給される場合がある。
【0014】
なお、給湯器10は、ガスを利用した熱交換器を持つガス給湯器に限られず、石油給湯器又は電気給湯器でもよい。
また、住居は、人が居住できる建築物であり、給湯器10が設置される場所である。例えば、一戸建て住宅や、マンション・アパートなどの集合住宅などである。この場合、常設であるか、仮設であるかは問わない。
【0015】
図示するリモコン20、30はそれぞれ、給湯器10と通信線で接続されており、相互の通信が可能である。また、リモコン20、30同士の通信も可能である。リモコン20、30同士の通信は、図示するように、給湯器10を介して行う場合のほか、リモコン20、30同士を互いに通信線で接続することで実現してもよい。なお、本実施の形態では、有線で接続するが、無線で接続してもよい。
【0016】
リモコン20、30は、屋内に設置されている。すなわち、リモコン20は、台所に設置される台所リモコンであり、リモコン30は、浴室に設置される風呂リモコンである。リモコン20、30は、湯張り及び追い焚きの指示や給湯温度変更の操作のためのスイッチを有する。
なお、2個のリモコン20、30を備える構成を図示するが、これに限られず、増設リモコンを含む3個以上のリモコン、すなわち台所リモコンや風呂リモコンを複数備えてもよい。
【0017】
給湯器10及びリモコン20、30は、台所等で使用される湯の温度の設定である給湯温度設定を通信するほか、浴槽への給湯に関する給湯設定である浴槽給湯設定を通信する場合がある。
かかる設定の通信は、給湯器10とリモコン20とリモコン30との相互間で行われる。例えば、リモコン30にて給湯温度設定や浴槽給湯設定がなされると、その設定の情報は、給湯器10に送信されると共にリモコン20にも送信される。かかる場合、リモコン20は、通信により浴槽給湯設定を受信すると、その設定を表示したり音声報知したりする。
【0018】
ここにいう浴槽給湯設定とは、給湯器10が湯張り機能及び追い焚き機能を有する場合の給湯温度及び/又は給湯量の設定をいい、具体的には、浴槽に湯張りする湯の温度及び量の設定や、追い焚きする湯の温度の設定情報である。
【0019】
図2は、住居に設けられている給湯配管の一例を説明する図である。
図2に示す一例は、給湯器10を熱源とする給湯システムを導入した住居であり、台所、洗面所及び浴室で温水が使えるように、給湯配管が設けられている。すなわち、給湯器10から温水が台所の蛇口41に供給されたり、洗面所の蛇口42に供給されたり、浴室のカラン43や浴槽44に供給されたりする。浴槽44では、給湯器10の機能により、湯張りや追い焚きのための給湯制御が行われる。
図示するように、リモコン20が台所に設置され、リモコン30は浴室に設置されている。
【0020】
<給湯器10及びリモコン20、30の機能構成例>
図3は、給湯器10及びリモートコントロール装置20、30の機能を説明するブロック図である。
図示するように、給湯器10は、第1送受信部11、第2送受信部12、受付部13、異常状態通知部14、通知抑制設定部15、無効化設定部16、給湯制御部17及び記憶部18を備える。
給湯器10の第1送受信部11は、リモコン20と通信する機能を有し、また、第2送受信部12は、リモコン30と通信する機能を有する。第1送受信部11は、給湯器の第1通信手段の一例であり、第2送受信部12は、給湯器の第2通信手段の一例である。
【0021】
受付部13は、第1送受信部11又は第2送受信部12のいずれか一方により受信した給湯温度設定及び浴槽給湯設定を受け付け、受け付けた設定を他方にて通知する機能を有する。
例えば、第2送受信部12によりリモコン20から浴槽給湯設定を受け付けた場合、受付部13は、受け付けた浴槽給湯設定を第1送受信部11によりリモコン30に送信する。また、第1送受信部11によりリモコン30から浴槽給湯設定を受け付けた場合、受付部13は、受け付けた浴槽給湯設定を第2送受信部12によりリモコン20に送信する。
受付部13は、給湯器の受付手段の一例である。
【0022】
異常状態通知部14は、第1送受信部11によるリモコン20との通信を監視すると共に第2送受信部12によるリモコン30との通信を監視し、いずれか一方の通信ができない場合に他方に対して異常状態であることを通知する機能を有する。
例えば、第2送受信部12によるリモコン30との通信ができないことを異常状態通知部14が検知すると、リモコン30との通信が異常状態であることを第1送受信部11によりリモコン20に送信する。また、第1送受信部11によるリモコン20との通信ができないことを異常状態通知部14が検知すると、リモコン20との通信が異常状態であることを第2送受信部12によりリモコン30に送信する。また、異常状態通知部14は、異常状態であることを記憶部18に記憶する。
異常状態通知部14は、給湯器の通知手段の一例である。
【0023】
通知抑制設定部15は、異常状態通知部14により異常状態が検知されても異常状態であることの送信が行われないように抑制する設定を行う機能を有する。
例えば、リモコン30との通信ができないときの異常状態通知部14によるリモコン20への異常状態の通知を、通知抑制設定部15が抑制する。また、リモコン20との通信ができないときの異常状態通知部14によるリモコン30への異常状態の通知を、通知抑制設定部15が抑制する。
通知抑制設定部15に対する設定は、ユーザにより行われる。
通知抑制設定部15は、給湯器の設定手段の一例である。
【0024】
無効化設定部16は、受付部13により受け付けられた浴槽給湯設定を無効化する設定を行うための機能を有する。この浴槽給湯設定は、上述のとおり、浴槽への給湯に関する給湯設定であり、湯張りや追い焚きについての設定である。
無効化設定部16は、給湯器の無効化設定手段の一例である。
【0025】
ここにいう無効化とは、給湯器10が湯張り機能及び追い焚き機能を備えているか備えていないかを問わず、湯張りや追い焚きについての制御が実行されないように処理することをいう。例えば、湯張りや追い焚きについての操作をユーザができないように、湯張りや追い焚きに関して液晶表示されない場合である。また、例えば、湯張りや追い焚きに関する液晶表示が行われた場合であっても操作に反応しない場合である。
【0026】
給湯制御部17は、ガスの燃焼による給湯器10の給湯について制御する機能を有する。具体的には、給湯制御部17は、受け付けた給湯温度設定に従って、給湯配管にて供給する湯の温度を制御し、また、受け付けた浴槽給湯設定に従って浴槽44(図2参照)の湯張りや追い焚きの際の湯の温度や湯量を制御する。
【0027】
記憶部18は、受付部13により受け付けられた各種の設定や情報を記憶する。また、記憶部18は、必要な場合にこれを出力する。記憶部18は、例えば、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などである。
【0028】
図3に示すリモコン20は、第1通信部21、第2通信部22、受付部23、異常状態報知部24、報知抑制設定部25、無効化設定部26、操作表示部27及び音声出力部28を備える。
なお、リモコン20の第1通信部21、第2通信部22、受付部23、異常状態報知部24、報知抑制設定部25及び無効化設定部26の機能は、上述した給湯器10の第1送受信部11、第2送受信部12、受付部13、異常状態通知部14、通知抑制設定部15及び無効化設定部16に対応するものである。以下説明する。
【0029】
リモコン20の第1通信部21は、給湯器10と通信する機能を有し、また、第2通信部22は、リモコン30と通信する機能を有する。第1通信部21はリモートコントロール装置の第1通信手段の一例であり、第2通信部22はリモートコントロール装置の第2通信手段の一例である。
【0030】
リモコン20の受付部23は、第1通信部21又は第2通信部22のいずれか一方により受信した給湯温度設定及び浴槽給湯設定を受け付け、受け付けた設定を他方にて通知する機能を有する。
例えば、第1通信部21により給湯器10から浴槽給湯設定を受け付けた場合、受付部23は、受け付けた浴槽給湯設定を第2通信部22によりリモコン30に送信する。また、第2通信部22によりリモコン30から浴槽給湯設定を受け付けた場合、受付部13は、受け付けた浴槽給湯設定を第1通信部21により給湯器10に送信する。
また、リモコン20の受付部23は、操作表示部27により入力操作された内容を受け付ける。
受付部23は、リモートコントロール装置の受付手段の一例である。
【0031】
リモコン20の異常状態報知部24は、第1通信部21による給湯器10との通信を監視すると共に第2通信部22によるリモコン30との通信を監視し、いずれか一方の通信ができない場合に他方に対して通信の異常状態であることを通知する機能を有する。また、異常状態報知部24は、通信の異常状態が発生したことを自装置にて報知する機能を有する。
例えば、第1通信部21による給湯器10との通信ができないことを異常状態報知部24が検知すると、給湯器10との通信が異常状態であることを第2通信部22によりリモコン30に送信すると共にリモコン20にて異常状態であることを報知する。また、第2通信部22によるリモコン30との通信ができないことを異常状態報知部24が検知すると、リモコン30との通信が異常状態であることを第1通信部21により給湯器10に送信すると共にリモコン20にて異常状態であることを報知する。
異常状態報知部24は、リモートコントロール装置の報知手段の一例である。
【0032】
リモコン20の報知抑制設定部25は、異常状態報知部24により第2通信部22によるリモコン30との通信異常状態が検知されても、異常状態であることの給湯器10への送信が行われないように抑制する設定を行う機能を有する。また、リモコン30との通信異常状態が検知されても、リモコン20において異常状態の報知が行われないように抑制する設定を行う機能を有する。
すなわち、リモコン30との通信ができないときの異常状態報知部24による給湯器10への異常状態の報知を、報知抑制設定部25が抑制する。なお、報知抑制設定部25は、異常状態報知部24により第1通信部21による給湯器10との通信異常状態が検知された場合、異常状態の報知を抑制する設定が行われていたとしても、設定にかかわらずリモコン20において異常状態の報知が行われる。
報知抑制設定部25に対する設定は、ユーザにより行われる。
報知抑制設定部25は、リモートコントロール装置の設定手段の一例である。
【0033】
リモコン20の無効化設定部26は、受付部23により受け付けられた浴槽給湯設定を無効化する設定を行うための機能を有する。
無効化設定部26は、リモートコントロール装置の無効化設定手段の一例である。
【0034】
操作表示部27は、給湯温度設定や浴槽給湯設定を入力操作する入力操作部と、入力操作部により入力された設定や受付部23により受け付けられた設定を表示する表示部を備える。
かかる操作表示部27は、入力操作部及び表示部を備えるタッチパネルで構成することができる。この場合、操作表示部27は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等で接触された位置を検出する位置検出シートとを備える。接触された位置を検出する手段としては、接触による圧力をもとに検出する抵抗膜方式や、接触した物の静電気をもとに検出する静電容量方式など、どのようなものが用いられてもよい。
また、操作表示部27の入力操作部を例えば操作ボタンで構成してもよく、表示部を液晶で構成してもよい。
【0035】
音声出力部28は、入力操作部により入力された設定や受付部23により受け付けられた設定を音声出力する。音声出力部28は、例えばスピーカにより構成することができる。
【0036】
図3に示すリモコン30は、第1通信部31、第2通信部32、受付部33、異常状態報知部34、無効化設定部36、操作表示部37及び音声出力部38を備える。
リモコン30の第1通信部31、第2通信部32、受付部33、異常状態報知部34、無効化設定部36、操作表示部37及び音声出力部38は、上述したリモコン20の第1通信部21、第2通信部22、受付部23、異常状態報知部24、無効化設定部26、操作表示部27及び音声出力部28と共通するものである。リモコン30の説明は、リモコン20についての説明における「リモコン30」を「リモコン20」に置き換え、また、リモコン30の構成をリモコン20の構成に置き換えたものであることから、省略する。
【0037】
第1通信部31はリモートコントロール装置の第1通信手段の一例であり、第2通信部32はリモートコントロール装置の第2通信手段の一例であり、受付部33は、リモートコントロール装置の受付手段の一例であり、無効化設定部36は、リモートコントロール装置の無効化設定手段の一例である。
付言すると、図3に示すリモコン30は、リモコン20が備える報知抑制設定部25に対応する機能を備えていないが、同様の機能を備える構成を採用してもよい。
【0038】
<給湯器10の通信設定の構成例>
図4は、給湯器10の通信設定の構成例を説明する図であり、(a)は一例、(b)は他の例を示す。
給湯器10は、内蔵する制御基板10aに、通信設定としての通知抑制設定部15及び無効化設定部16が構成されている。
図4の(a)に示す構成例では、制御基板10aに、通信設定を行うディップスイッチ10bが実装されている。ディップスイッチ10bは、小型のスライドスイッチが4つ並んで配置された電子部品である。予め定められたスライドスイッチをON/OFFすることにより、通知抑制設定と無効化設定が行われる。
通知抑制設定及び無効化設定は、給湯器10の電源投入にファームウェアで読み取られ、これにより通信設定が切り替えられる。
【0039】
図4の(b)に示す構成例では、制御基板10aに、通信設定を行う4つのタクトスイッチ10cと、タクトスイッチ10cによる通信設定を表示する4つの7セグメントディスプレイ10dが実装されている。
タクトスイッチ10cは押しボタンであり、押す操作により7セグメントディスプレイ10dの表示情報を変更できる。4つのタクトスイッチ10cのうち予め定められたタクトスイッチ10cを押すことにより、通知抑制設定と無効化設定が行われる。
【0040】
<リモコン20、30の通信設定の構成例>
図5は、リモートコントロール装置20、30の通信設定を行う設定画面例を説明する図であり、(a)は台所側の操作表示部27、(b)は風呂側の操作表示部37を示す。上述したように、操作表示部27、37は、タッチパネル又は液晶と操作ボタンを含んで構成されるものであり、タッチパネルの場合は、タッチ操作で通信設定が変更され、液晶と操作ボタンの場合はボタン操作により通信設定が変更される。
【0041】
図5の(a)に示すリモコン20の操作表示部27は、トップメニュー画面27aとして、給湯温度設定、お湯張り設定、追い焚き設定及び各種設定という4つの項目があり、例えば各種設定の項目を選択すると、各種設定画面27bに移行する。
各種設定画面27bでは、時刻設定、音量設定及び通信設定という3つの項目があり、例えば通信設定を選択すると、通信設定画面27cに移行する。
【0042】
通信設定画面27cでは、通常設定、風呂リモコン無し設定及びお湯張り・追い焚き無効設定という3つの項目があり、例えば風呂リモコン無し設定を選択すると、パスワード入力画面27dに移行する。すなわち、風呂リモコン無し設定は、報知抑制設定部25(図3参照)の設定であり、パスワード照合を経ないと行うことができない。
パスワード照合されると、風呂リモコン無し設定画面27eに移行する。風呂リモコン無し設定画面27eでは、ONボタンとOFFボタンがあり、いずれかに設定することができる。ONボタンを選択すると、報知抑制設定部25(図3参照)による異常状態報知が抑制される。
【0043】
このように、通常は、給湯器10やリモコン20、30を設置する工事業者がパスワードを入力することで、アクセス可能になる風呂リモコン無し設定画面27eにより風呂リモコン無し設定が行われるように構成されている。言い換えると、パスワードを知らないユーザにとって報知抑制設定部25(図3参照)の設定を行うことが困難なように構成されている。風呂リモコン無し設定画面27eは、設定画面の一例である。
なお、本実施の形態では、予め定められている情報としてのパスワード入力により風呂リモコン無し設定画面27eにアクセス可能になるが、これに限られず、予め定められている操作としての複数のボタン(タッチパネルと操作ボタンのいずれでもよい)を同時に数秒長押しすることにより風呂リモコン無し設定画面27eにアクセス可能にしてもよい。また、例えば操作表示部27に予め定められている情報としての認証コードが表示され、工事業者が事前に登録されている携帯電話で認証コードを読み込むこと(認証コード入力)で認証されて風呂リモコン無し設定画面27eにアクセス可能にしてもよい。
【0044】
図5の(b)に示すリモコン30の操作表示部37は、同図(a)の操作表示部27と同じく、トップメニュー画面37a及び各種設定画面37bを表示する。
通信設定画面37cは、通常設定及びお湯張り・追い焚き無効設定という2つの項目があり、操作表示部27の通信設定画面27cが有する風呂リモコン無し設定の項目(図3の報知抑制設定部25による機能)を有さない。
【0045】
通信設定画面37cでお湯張り・追い焚き無効設定を選択すると、パスワード入力画面37dに移行し、パスワード照合を経て、お湯張り・追い焚き無効設定画面37eに移行する。
お湯張り・追い焚き無効設定画面37eでは、ONボタンとOFFボタンがあり、いずれかに設定することができる。お湯張り・追い焚き無効設定は、無効化設定部36の設定であり、パスワード照合を経ないと行うことができない。
なお、操作表示部37にて風呂リモコン無し設定が可能な構成を採用する場合、操作表示部27と同じく、パスワード照合を経ることになる。
通信設定画面37cでも、通信設定画面27cの場合と同じく、パスワード照合の代わりに、携帯電話の認証を採用してもよい。
【0046】
<報知抑制設定部等を備える技術的意義の説明等>
次に、通知抑制設定部15及び報知抑制設定部25を備える技術的意義の説明等を行う。
図6は、住居に設けられている他の給湯配管の他の例を説明する図であり、図2に対応する。
図6に示す他の例は、リモコン20が台所に設置されるものの、リモコン30(図2参照)は浴室に設置されていない点で、図2の場合とは異なる。また、図6に示す他の例は、浴槽44に湯を張るための蛇口45が浴槽に設けられている点で、図2とは異なる。このような相違点は、図6に示す給湯器10が、図2の場合とは異なり、湯張り機能及び追い焚き機能を有していないことによる。
浴室のカラン43や蛇口45からの湯の温度設定は、台所のリモコン20で行うことができる。
【0047】
給湯器10とリモコン20、30の組み合わせで住居に設置するという一般的な機種を採用する場合、図6に示す他の例では、リモコン30が設置されていないことから、給湯器10及びリモコン20は、リモコン30と通信が確立できず、通信異常状態であることの報知がされることになる。かかる報知が行われないようにするためには、特別仕様の給湯器10及びリモコン20を用いたり、通常仕様の場合には風呂リモコンを給湯器に接続した状態で例えば屋外に養生して設置する作業が必要になったりする。
そこで、本実施の形態では、かかる報知がされないようにするために、報知抑制設定部25(図3参照)を備える構成を採用し、図5(a)で説明した風呂リモコン無し設定を行うことができるようにしている。これにより、一般的な機種を採用しても、リモコン30を設置しないことによる通信異常状態の報知がされなくなる。言い換えると、給湯器10の製造業者は、給湯器10の仕様を含む浴槽44の設置環境に応じた異なる種類のリモコン20、30を取り揃えておかなくても済むようになる。
【0048】
図7は、他の例において風呂のリモートコントロール装置30が設置されていないことによる異常状態の検知が台所のリモートコントロール装置20にて行われた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示す処理手順例では、リモコン20の異常状態報知部24(図3参照)により通信異常状態が検知されると(ステップ101)、報知抑制設定部25による報知抑制の設定がなされているか否かを判定し(ステップ102)、設定がされている場合(ステップ102でYes)、異常状態報知部24による報知が行われない。その一方で、設定がされていない場合(ステップ102でNo)、異常状態報知部24により異常状態の報知が行われる(ステップ103)。
【0049】
ここにいう異常状態の報知とは、リモコン30との通信状態が異常であることを報知することをいう。例えば、リモコン20での操作表示部27及び音声出力部28によるユーザへの報知(エラー報知)のほか、異常状態であることを給湯器10に通知することで行うことができるが、いずれか一方のみであってもよい。
【0050】
なお、図7に示す処理手順例では、報知抑制設定部25による報知抑制の設定がなされているか否かを判定しているが、これに限られず、報知抑制設定部25による報知抑制の設定がなされたときには、異常状態報知部24は、リモコン20の通信異常を検知する一方で、リモコン30との通信異常を検知しないようにしてもよい。
【0051】
図8は、他の例において風呂のリモートコントロール装置30が設置されていないことよる異常状態の検知が給湯器10にて行われた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示す処理手順例では、給湯器10の異常状態通知部14(図3参照)によりリモコン30の異常状態が検知されると(ステップ201)、リモコン20に異常状態の通知がなされる(ステップ202)。
【0052】
リモコン20が給湯器10からの異常状態の通知を受信すると(ステップ203)、報知抑制設定部25による報知抑制の設定がなされているか否かを確認する(ステップ204)。設定がされている場合(ステップ204でYes)、報知が行われず、設定されていない場合(ステップ204でNo)、異常状態報知部24により異常状態の報知が行われる(ステップ205)。
【0053】
なお、図8の処理手順例では、リモコン20にて報知抑制の設定がされているかどうかを判定しているが、これに限られず、給湯器10にて報知抑制の設定がされているかどうかを判定してもよい。設定されているとの判定の場合には、リモコン20に異常状態の通知(ステップ202参照)を行わないようにする。
【0054】
また、図8の処理手順例では、給湯器10にてリモコン30の異常状態が検知されるとリモコン20に異常状態の通知がなされるが(ステップ201、202参照)、これに限られない。例えば、通知抑制設定部15による報知抑制の設定がなされているか否かを判定し、設定されているときには、リモコン20への異常状態の通知を行わないようにしてもよい。また、通知抑制設定部15による報知抑制の設定がなされている場合、異常状態通知部14は、リモコン20の通信異常を検知する一方で、リモコン30との通信異常を検知しないようにしてもよい。
【0055】
<無効化設定部を備える技術的意義の説明等>
ここで、図2に示す給湯配管の一例の場合、給湯器10が湯張り機能及び追い焚き機能を有しない場合あるいは、浴槽44への給湯配管が設置されていない場合には、湯張りや追い焚きができない一方で、浴室のカラン43についての給湯温度調節が必要であり、そのためにリモコン30を浴室に設置することになる。かかる場合、湯張り及び追い焚きの設定が可能な一般的なリモコン20、30を用いると、給湯器10とリモコン20、30における正常な制御が困難になる。
【0056】
そこで、本実施の形態では、湯張り及び追い焚きの設定を無効化する設定を行う無効化設定部16、26、36(図3参照)を備える構成を採用し、図5(b)で説明したお湯張り・追い焚き無効設定を行うことができるようにしている。これにより、給湯器10の仕様を含む浴槽44の設置環境に応じた異なる種類のリモコン20、30を取り揃えておかなくても済むようになる。
【0057】
図9は、給湯器10にて無効化の設定がなされた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示す処理手順例では、給湯器10の無効化設定部16にて無効化の設定がなされると(ステップ301)、第1送受信部11はリモコン20に無効化設定を通知する(ステップ302)。また、給湯器10の記憶部18は、無効化設定されていることを記憶する。
【0058】
リモコン20において、第1通信部21が無効化の設定を受信すると(ステップ303)、受信したことを給湯器10に返信した後、無効化設定部26は、無効化設定されているかどうかを判定する(ステップ304)。無効化設定されていない場合(ステップ304でNo)、無効化設定部26は、無効化の設定を行う(ステップ305)。
すでに無効化設定されている場合(ステップ304でYes)又は無効化の設定(ステップ305)の後、第2通信部22は、リモコン30に無効化設定を送信する(ステップ306)。
【0059】
リモコン30において、第2通信部32が無効化の設定を受信すると(ステップ307)、受信したことをリモコン20に返信する。なお、リモコン30からリモコン20に返信があった場合、リモコン20の第1通信部21は、リモコン30の通信が正常であることを給湯器10に通知してもよい。かかる場合、給湯器10の記憶部18がリモコン20、30の通信状態が正常であることを記憶してもよい。
無効化設定部36は、無効化設定されていない場合(ステップ308でNo)、無効化の設定を行い(ステップ309)、処理を終了する。また、無効化設定部36は、すでに無効化設定されている場合(ステップ308でYes)、処理を終了する。
【0060】
なお、図9では、給湯器10での無効化の設定がリモコン20を経てリモコン30に送信されるが、これに限られず、給湯器10からリモコン30を経てリモコン20に送信してもよく、また、給湯器10がリモコン20、30に送信してもよい。
【0061】
図10は、台所のリモートコントロール装置20にて無効化の設定がなされた場合の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示す処理手順例では、リモコン20の無効化設定部26にて無効化の設定がなされると(ステップ401)、無効化設定部26は、無効化設定されているかどうかを判定する(ステップ402)。無効化設定されていない場合(ステップ402でNo)、無効化設定部26は、無効化の設定を行い(ステップ403)、ステップ404に進む。また、すでに無効化設定されている場合(ステップ402でYes)もステップ404に進む。すなわち、第1通信部21及び第2通信部22は、給湯器10及びリモコン30に無効化設定を送信する(ステップ404)。
【0062】
給湯器10において、第1送受信部11が無効化の設定を受信すると(ステップ405)、記憶部18が無効化設定を記憶する(ステップ406)。また、給湯器10が、タクトスイッチ10cが実装されている制御基板10aを備える場合(図4(b)参照)、7セグメントディスプレイ10dの表示情報に、無効化設定を反映させるようにしてもよい。
【0063】
リモコン30において、第2通信部32が無効化の設定を受信すると(ステップ407)、無効化設定部36は、無効化設定されているかどうかを判定する(ステップ408)。無効化設定されていない場合(ステップ408でNo)、無効化設定部36は、無効化の設定を行い(ステップ409)、処理を終了する。また、すでに無効化設定されている場合(ステップ408でYes)も処理を終了する。
【0064】
なお、図10では、リモコン20での無効化の設定が給湯器10及びリモコン30に送信されているが、これに限られず、リモコン20から給湯器10を経てリモコン30に送信してもよく、また、リモコン20からリモコン30を経て給湯器10に送信してもよい。
また、図10では、リモコン20の無効化設定部26にて無効化の設定がなされた場合を示すが、リモコン30の無効化設定部36にて無効化の設定がなされた場合の処理は、図10と同様に行うことができる。
このように、リモコン20、30のいずれか一方で無効化の設定が行われた場合、他方の無効化の設定が自動的に行われるように連係し、また、いずれで無効化の設定を行っても給湯器10に無効化の設定が反映されるように構成できる。
【0065】
付言すると、図9では、給湯器10の無効化設定部16にて無効化の設定がなされた場合、図10では、リモコン20の無効化設定部26にて無効化の設定がなされた場合を示しているが、無効化設定部16、26にて無効化設定の解除がなされた場合も同様の処理手順で行うことができる。なお、無効化設定部36にて無効化設定の解除を行うようにしてもよく、その場合も同様の処理手順で行うことができる。
【0066】
上述したように、本実施の形態では、図2に示す給湯器10及びリモコン20、30において、給湯器10の通知抑制設定部15及びリモコン20の報知抑制設定部25を備える構成を採用することで、図6に示すリモコン30を給湯器10に接続しない態様であっても通信異常状態が報知されることなく、使用することができる。
また、給湯器10の無効化設定部16、リモコン20の無効化設定部26及びリモコン30の無効化設定部36を備える構成を採用することで、給湯器10が湯張り機能及び追い焚き機能を有しない場合であっても、図2に示す給湯器10及びリモコン20、30を使用することができる。
このように、本実施の形態の給湯器10及びリモコン20、30により、給湯器の仕様を含む浴槽の設置環境が異なっても、リモコン20、30の汎用性を高めることにより、取り揃えるリモートコントロール装置の種類を減らすことができる。
【符号の説明】
【0067】
10…給湯器、11…第1送受信部、12…第2送受信部、13,23,33…受付部、14,24…異常状態通知部、15,25…通知抑制設定部、16,26,36…無効化設定部、20,30…リモコン、21,31…第1通信部、22,32…第2通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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