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特開2023-18823情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018823
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230202BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123123
(22)【出願日】2021-07-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-31
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】521084080
【氏名又は名称】眞野 篤師
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】眞野 篤師
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人材マッチングの自動化に寄与することができる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】サーバ装置と、情報処理装置と、複数の端末とがネットワークを通じて接続されている情報処理システムにおいて、情報処理装置の制御部310は、求人企業の情報を読み出す読出部311、求人企業の情報と参照情報とに基づいて就労希望者の情報を抽出する抽出部312及び就労希望者の情報を求人企業に提示する提示部313を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
読出部と、抽出部と、提示部とを備え、
前記読出部は、求人企業の情報を読み出し、
前記抽出部は、前記求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、就労希望者の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、
前記提示部は、前記就労希望者の情報を前記求人企業に提示する、
情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置であって、
読出部と、抽出部と、提示部とを備え、
前記読出部は、就労希望者の情報を読み出し、
前記抽出部は、前記就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、
前記提示部は、前記求人企業の情報を前記就労希望者に提示する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
学習部を備え、
前記学習部は、前記求人企業と、前記就労希望者との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
取得部を備え、
前記取得部は、前記求人企業の情報をWebサイトから取得する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
取得部を備え、
前記取得部は、前記就労希望者の情報をサーバ装置から取得する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、企業と、該企業における労働者と、該労働者の勤務実績との関係を示す情報である、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記勤務実績は、昇進スピード、昇給率及び定着期間の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記就労希望者の情報は、文化の知能指数(Cultural Intelligence Quotient)、語学力、基礎学力及び心理テストの結果の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記求人企業の情報は、口コミ、業績、財務状況、従業員数及び企業文化の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項11】
プログラムであって、
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備え、
前記読出工程では、求人企業の情報を読み出し、
前記抽出工程では、前記求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、就労希望者の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、
前記提示工程では、前記就労希望者の情報を前記求人企業に提示する、
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備え、
前記読出工程では、就労希望者の情報を読み出し、
前記抽出工程では、前記就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、
前記提示工程では、前記求人企業の情報を前記就労希望者に提示する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
求人企業及び就労希望者に対して動画情報を用いて自己アピールを行わせ、人材マッチングを行う、人材マッチング装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-102104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された人材マッチング装置では、求人企業及び就労希望者の双方の関心に基づいてマッチングを行うため、人材マッチングの自動化に寄与するわけではなかった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、人材マッチングの自動化に寄与することができる情報処理装置を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、読出部と、抽出部と、提示部とを備える。読出部は、求人企業の情報を読み出す。抽出部は、求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、就労希望者の情報を抽出する。参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報である。提示部は、就労希望者の情報を求人企業に提示する。
【0007】
上記の開示によれば、人材マッチングの自動化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。
図2】情報処理装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】端末400のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】情報処理装置300(制御部310)によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】情報処理装置300によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】本実施形態に係る求人企業の情報を示す図である。
図7】ある企業における労働者の勤務実績の一例を示す図である。
図8】情報処理装置300によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図9】本実施形態に係る就労希望者の情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
第1節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100は、サーバ装置200と、情報処理装置300と、端末400とを備え、これらがネットワークを通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、サーバ装置200は、一般的なWEBサーバやデータベースサーバのことを示す。サーバ装置200のハードウェア構成は、情報処理装置300のハードウェア構成と略同様であるため、説明を省略する。ここで、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。
【0015】
1.2 情報処理装置300
図2は、情報処理装置300のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置300は、端末400からの要求を受けて処理結果を返す、サーバとして動作する。情報処理装置300は、制御部310と、記憶部320と、通信部350とを有し、これらの構成要素が情報処理装置300の内部において通信バス360を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
制御部310は、情報処理装置300に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部310は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部310は、記憶部320に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置300に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部320に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部310によって具体的に実現されることで、制御部310に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部310は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部310を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
記憶部320は、情報処理装置300の情報処理に必要な様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部310によって実行される情報処理装置300に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0018】
通信部350は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置300は、通信部350を介して、サーバ装置200及び端末400とネットワークを介して種々の情報を通信する。
【0019】
1.3 端末400
図3は、端末400のハードウェア構成を示すブロック図である。端末400は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコン等であってもよい。端末400は、制御部410と、記憶部420と、表示情報生成部430と、入力受付部440と、通信部450とを有し、これらの構成要素が端末400の内部において通信バス460を介して電気的に接続されている。制御部410、記憶部420及び通信部450の説明は、情報処理装置300における制御部310、記憶部320及び通信部350と略同様のため省略する。
【0020】
表示情報生成部430は、テキスト、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスに表示する情報を生成する。
【0021】
入力受付部440は、端末400に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等から入力される信号を受け付ける。ユーザによってなされた操作入力は、命令信号として、通信バス460を介して制御部410に転送される。そして、制御部410は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0022】
2.機能構成
第2節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部320に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部310によって具体的に実現されることで、制御部310に含まれる各機能部として実行されうる。
【0023】
図4は、情報処理装置300(制御部310)によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理装置300(制御部310)は、読出部311と、抽出部312と、提示部313と、学習部314と、取得部315とを備える。
【0024】
読出部311は、種々の情報を読み出すように構成される。例えば、読出部311は、記憶部320に記憶された求人企業の情報を読み出す。
【0025】
抽出部312は、種々の情報を抽出するように構成される。例えば、抽出部312は、読みだした求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、就労希望者の情報を抽出する。
【0026】
提示部313は、種々の情報を提示するように構成される。例えば、提示部313は、抽出した就労希望者の情報を求人企業に提示する。
【0027】
学習部314は、種々の情報を学習するように構成される。例えば、学習部314は、求人企業と、就労希望者との関係を教師データとして、学習済みモデルを生成又は更新する。機械学習のアルゴリズムは特に限定されず、k近傍法、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、トピックモデル、混合ガウスモデル等が適宜採用されればよい。
【0028】
取得部315は、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部315は、求人企業の情報をWebサイトから取得する。
【0029】
3.第1の情報処理方法
第3節では、情報処理装置300の第1の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法である。この情報処理方法は、読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備える。読出工程では、求人企業の情報を読み出す。抽出工程では、求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、就労希望者の情報を抽出する。参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報である。提示工程では、就労希望者の情報を求人企業に提示する。
【0030】
図5は、情報処理装置300によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここでは、情報処理装置300を使用するユーザは、求人企業Yとする。
【0031】
取得部315は、各求人企業の情報をWebサイトから取得する(アクティビティA110)。すなわち、制御部310が、記憶部320に予め記憶されたWeb巡回プログラムを読み出し、取得処理を実行することで、各求人企業の情報をWebサイトから取得する。取得部315は、例えば、クローラーであってもよい。
【0032】
ここで、各求人企業の情報は、口コミ、業績、財務状況、従業員数及び企業文化の少なくとも1つを含む。図6は、本実施形態に係る求人企業の情報を示す図である。図6では、G社、H社、I社のそれぞれの求人企業の情報を示している。
【0033】
ここで、それぞれの項目について説明する。口コミは、口コミサイトや評判サイトから取得した5段階評価の結果を示している。業績は、企業サイトやニュースサイトから取得した、会計年度における売上高を示している。財務状況は、例えば、企業サイトに掲載されている、賃借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等の財務諸表と、有価証券報告書とから、総資産利益率や自己資本利益率を算出した結果を示している。図6では、財務状況は、総資産利益率を示している。従業員数は、Webサイトから取得した情報を示している。企業文化は、企業サイトに掲載されている、行動指針やスローガン等から抽出した所定のキーワードを示している。
【0034】
続いて、読出部311は、取得した求人企業Yの情報を読み出す(アクティビティA120)。すなわち、制御部310が、記憶部320にアクセスし、記憶部320に記憶された求人企業Yの情報を読み出す。
【0035】
続いて、制御部310は、記憶部320に記憶された参照情報を読み出す(アクティビティA130)。本実施形態では、参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである。学習済みモデルのように機械学習を用いることで、求人企業Yに好適な就労希望者の情報を高精度に提供することができる。
【0036】
また、参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報である。好ましくは、参照情報は、企業と、該企業における労働者と、該労働者の勤務実績との関係を示す情報である。
【0037】
ここで、企業における労働者の勤務実績は、昇進スピード、昇給率及び定着期間の少なくとも1つを含む。図7は、ある企業における労働者の勤務実績の一例を示す図である。図7では、「昇進」、「昇給(累積)」、「定着期間」の各項目に対し、3名の労働者の勤務実績を示す。
【0038】
「昇進」の項目では、それぞれの労働者の昇進スピードを示している。Aさんは、入社1年後に正社員になり、入社5年後に主任に昇進し、入社7年後に係長に昇進し、入社15年後に課長に昇進している。Bさんは、入社2年後に正社員になり、入社8年後に主任に昇進している。Cさんは、入社1年後に正社員になり、入社6年後に主任に昇進している。
【0039】
「昇給(累積)」の項目では、それぞれの労働者の昇給額及び昇給率を示している。ここでは、各労働者の初任給を20万円としている。Aさんは、入社1年後の昇給額が4,000円、昇給率が102.00%であり、入社10年後の累積昇給額が50,000円、累積昇給率が125%であった。Bさんは、入社1年後の昇給額が3,000円、昇給率が101.50%であり、入社10年後の累積昇給額が40,000円、累積昇給率が120%であった。Cさんは、入社1年度の昇給額が3,500円、昇給率が101.75%であり、入社10年後の累計昇給額が40,000円、累計昇給率が120%であった。
【0040】
「定着期間」の項目では、それぞれの労働者の定着期間を示している。Aさんは、まだ在職中で、勤続18年6ヶ月である。Bさんは、入社13年2ヶ月で、離職している。Cさんは、入社11年4ヶ月で、離職している。
【0041】
このように、企業と、その企業における労働者との関係に加えて、企業における労働者の勤務実績との関係を示す参照情報を利用することにより、労働者をパターン分けし、そのパターンに当てはまる就労希望者の情報を求人企業に提供することで、求人企業と、就労希望者とのマッチング促進に寄与することができる。
【0042】
続いて、制御部310は、求人企業Yの情報を学習済みモデルに入力する(アクティビティA140)。
【0043】
続いて、抽出部312は、求人企業Yの情報と、学習済みモデルとに基づいて、就労希望者の情報を抽出する(アクティビティA150)。すなわち、制御部310が、学習済みモデルから出力された就労希望者の情報を、記憶部320に書き出す。
【0044】
続いて、提示部313は、抽出された就労希望者の情報を求人企業Yに提示する(アクティビティA160)。すなわち、制御部310が、記憶部320に記憶された就労希望者の情報を読み出し、提示処理を実行することで、就労希望者の情報を求人企業に提示する。具体的には、制御部310は、就労希望者の情報を、求人企業Yの端末400の表示デバイスに表示させる。
【0045】
続いて、制御部310は、求人企業Yと、提示された就労希望者との間でマッチングが成立したか否かを判断する(アクティビティA170)。すなわち、例えば、求人企業Yが使用する情報処理装置300から、提示された就労希望者の端末400に対して、内定通知書の送信処理を実行すれば、マッチングが成立したとみなせばよいし、一方、求人企業Yが使用する情報処理装置300から、提示された就労希望者の端末400に対して、不採用通知書の送信処理を実行すれば、マッチングが成立しなかったとみなせばよい。ここで、内定通知書と不採用通知書は、例えば、電子メールの形式で送信される。
【0046】
続いて、制御部310は、求人企業Yに入社した就労希望者の勤務実績を取得する(アクティビティA180)。ここで、勤務実績は、上述のように、昇進スピード、昇給率及び定着期間等から構成されてもよい。
【0047】
続いて、学習部314は、求人企業Yと、マッチングが成立した就労希望者との関係を教師データとして、学習済みモデルを生成又は更新する。すなわち、情報処理装置300の動作中に得られる、求人企業と、就労希望者との関係を教師データとして、学習済みモデルを生成又は更新することができる。ここで、求人企業と、就労希望者との関係は、例えば、「慎重に、且つ着実に物事を進める」ことを企業文化とする求人企業と、心理テスト結果の「合理性」の項目が高得点の就労希望者とのマッチングが成立しやすいことを示すデータのことである。このように、実データを教師データとすることで、例えば特定の求人企業に特化して学習させた学習済みモデルを生成又は更新することができ、求人企業と、就労希望者とのマッチングの促進に寄与することができる。
【0048】
4.第2の情報処理方法
第4節では、情報処理装置300の第2の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法である。この情報処理方法は、読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備える。読出工程では、就労希望者の情報を読み出す。抽出工程では、就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出する。参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報である。提示工程では、求人企業の情報を就労希望者に提示する。
【0049】
図8は、情報処理装置300によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここでは、情報処理装置300を使用するユーザは、就労希望者Zとする。
【0050】
取得部315は、就労希望者Zの情報をサーバ装置200から取得する(アクティビティA310)。すなわち、制御部310が、サーバ装置200の記憶部に記憶されている就労希望者Zの情報を、通信部350を介して受信する。サーバ装置200は、就労希望者Zによる情報処理装置300の使用開始時に、所定の情報を情報処理装置300に入力するよう促し、入力された情報を、サーバ装置200の通信部を介して受信し、サーバ装置200の記憶部に記憶させる。
【0051】
ここで、就労希望者の情報は、文化の知能指数(Cultural Intelligence Quotient)、語学力、基礎学力及び心理テストの結果の少なくとも1つを含む。図9は、本実施形態に係る就労希望者の情報を示す図である。図9では、Dさん、Eさん、Fさんのそれぞれの就労希望者の情報を示している。
【0052】
ここで、それぞれの項目について説明する。文化の知能指数(CQ)は、情報処理装置300に入力された、CQの試験結果を示している。日本語能力試験のレベル(JLPT)は、情報処理装置300に入力された、JLPTの試験結果を示している。TOEICの点数は、情報処理装置300に入力された、TOEICの試験結果を示している。基礎学力は、情報処理装置300に入力された、国際基礎学力検定(TOFAS)の試験結果を示している。基礎学力は、TOFAS以外にも、例えば、基礎学力アセスメントシリーズ(LIPHARE)、社会人基礎力診断等、任意の試験結果を採用すればよい。心理テストの結果(協調性、誠実性)は、情報処理装置300に入力された、心理テストの結果を示している。心理テストは、例えばビッグファイブ理論に基づいてもよく、この場合、開放性、誠実性、外向性、協調性及び神経症傾向の5つの要因から構成される。
【0053】
続いて、読出部311は、就労希望者Zの情報を読み出す(アクティビティA320)。すなわち、制御部310が、記憶部320にアクセスし、記憶部320に記憶された就労希望者Zの情報を読み出す。
【0054】
続いて、制御部310は、記憶部320に記憶された参照情報を読み出す(アクティビティA330)。ここで、参照情報は、第3節と同様に、企業と、該企業における労働者との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである。学習済みモデルのように機械学習を用いることで、就労希望者に好適な求人企業の情報を高精度に提供することができる。
【0055】
また、参照情報は、第3節と同様に、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報である。好ましくは、参照情報は、第3節と同様に、企業と、該企業における労働者と、該労働者の勤務実績との関係を示す情報である。
【0056】
続いて、制御部310は、就労希望者Zの情報を学習済みモデルに入力する(アクティビティA340)。
【0057】
続いて、抽出部312は、就労希望者Zの情報と、学習済みモデルとに基づいて、求人企業の情報を抽出する(アクティビティA350)。すなわち、制御部310が、学習済みモデルから出力された求人企業の情報を、記憶部320に書き出す。
【0058】
続いて、提示部313は、求人企業の情報を就労希望者Zに提示する(アクティビティA360)。すなわち、制御部310が、記憶部320に記憶された求人企業の情報を読み出し、提示処理を実行することで、求人企業の情報を就労希望者に提示する。具体的には、制御部310は、求人企業の情報を、就労希望者Zの端末400の表示デバイスに表示させる。
【0059】
続いて、制御部310は、前述のアクティビティA170~A190を実行する。
【0060】
本実施形態によれば、求人企業の客観的な情報と、就労希望者の客観的な情報とを用いるため、人材マッチングの自動化に寄与することができる。
【0061】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、情報処理装置300の各部としてコンピュータを機能させる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0063】
第1の変形例として、アクティビティA110では、サーバ装置200における制御部が、サーバ装置200の記憶部に予め記憶されたWeb巡回プログラムを読み出し、取得処理を実行することで、求人企業の情報をWebサイトから取得してもよい。この場合、アクティビティA120では、情報処理装置300における制御部310が、通信部350を介して、サーバ装置200に接続し、該当する求人企業の情報を取得し、記憶部320に書き出す。
【0064】
第2の変形例として、アクティビティA160では、制御部310は、就労希望者の情報を電子メールで求人企業Yの端末400に送信してもよい。
【0065】
第3の変形例として、アクティビティA360では、制御部310は、求人企業の情報を電子メールで就労希望者Zの端末400に送信してもよい。
【0066】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
情報処理装置であって、読出部と、抽出部と、提示部とを備え、前記読出部は、就労希望者の情報を読み出し、前記抽出部は、前記就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出し、前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、前記提示部は、前記求人企業の情報を前記就労希望者に提示する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、情報処理装置。
前記情報処理装置において、学習部を備え、前記学習部は、前記求人企業と、前記就労希望者との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、取得部を備え、前記取得部は、前記求人企業の情報をWebサイトから取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、取得部を備え、前記取得部は、前記就労希望者の情報をサーバ装置から取得する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記参照情報は、企業と、該企業における労働者と、該労働者の勤務実績との関係を示す情報である、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記勤務実績は、昇進スピード、昇給率及び定着期間の少なくとも1つを含む、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記就労希望者の情報は、文化の知能指数(Cultural Intelligence Quotient)、語学力、基礎学力及び心理テストの結果の少なくとも1つを含む、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記求人企業の情報は、口コミ、業績、財務状況、従業員数及び企業文化の少なくとも1つを含む、情報処理装置。
プログラムであって、前記情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。
コンピュータが実行する情報処理方法であって、読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備え、前記読出工程では、求人企業の情報を読み出し、前記抽出工程では、前記求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、就労希望者の情報を抽出し、前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、前記提示工程では、前記就労希望者の情報を前記求人企業に提示する、情報処理方法。
コンピュータが実行する情報処理方法であって、読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備え、前記読出工程では、就労希望者の情報を読み出し、前記抽出工程では、前記就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出し、前記参照情報は、企業と、該企業における労働者との関係を示す情報であり、前記提示工程では、前記求人企業の情報を前記就労希望者に提示する、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0067】
100 :情報処理システム
200 :サーバ装置
300 :情報処理装置
310 :制御部
311 :読出部
312 :抽出部
313 :提示部
314 :学習部
315 :取得部
320 :記憶部
350 :通信部
360 :通信バス
400 :端末
410 :制御部
420 :記憶部
430 :表示情報生成部
440 :入力受付部
450 :通信部
460 :通信バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
読出部と、抽出部と、提示部とを備え、
前記読出部は、求人企業の情報を読み出し、
前記抽出部は、前記求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、第1就労希望者の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業に対してマッチングが成立した第2就労希望者との関係を示す情報であり、
前記提示部は、前記第1就労希望者の情報を前記求人企業に提示する、
情報処理装置。
【請求項2】
情報処理装置であって、
読出部と、抽出部と、提示部とを備え、
前記読出部は、第1就労希望者の情報を読み出し、
前記抽出部は、前記第1就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業に対してマッチングが成立した第2就労希望者との関係を示す情報であり、
前記提示部は、前記求人企業の情報を前記第1就労希望者に提示する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、企業と、前記第2就労希望者との関係を教師データとして、予め学習させた学習済みモデルである、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
学習部を備え、
前記学習部は、前記求人企業と、該求人企業に対してマッチングが成立した第3就労希望者との関係を教師データとして、前記学習済みモデルを生成又は更新し、
前記第3就労希望者は、前記第2就労希望者に含まれる、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
取得部を備え、
前記取得部は、前記求人企業の情報をWebサイトから取得する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
取得部を備え、
前記取得部は、前記第1就労希望者の情報をサーバ装置から取得する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記参照情報は、企業と、前記第2就労希望者と、該企業における労働者の勤務実績との関係を示す情報であり、
前記労働者は、前記企業に入社した前記第2就労希望者である、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記勤務実績は、昇進スピード、昇給率及び定着期間の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記第1就労希望者の情報は、文化の知能指数(Cultural Intelligence Quotient)、語学力、基礎学力及び心理テストの結果の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記求人企業の情報は、口コミ、業績、財務状況、従業員数及び企業文化の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項11】
プログラムであって、
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置の各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【請求項12】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備え、
前記読出工程では、求人企業の情報を読み出し、
前記抽出工程では、前記求人企業の情報と、参照情報とに基づいて、第1就労希望者の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業に対してマッチングが成立した第2就労希望者との関係を示す情報であり、
前記提示工程では、前記第1就労希望者の情報を前記求人企業に提示する、
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
読出工程と、抽出工程と、提示工程とを備え、
前記読出工程では、第1就労希望者の情報を読み出し、
前記抽出工程では、前記第1就労希望者の情報と、参照情報とに基づいて、求人企業の情報を抽出し、
前記参照情報は、企業と、該企業に対してマッチングが成立した第2就労希望者との関係を示す情報であり、
前記提示工程では、前記求人企業の情報を前記第1就労希望者に提示する、
情報処理方法。