(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018860
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】シート加工機
(51)【国際特許分類】
B65H 7/08 20060101AFI20230202BHJP
B65H 45/30 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B65H7/08
B65H45/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123198
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】萬 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】大岩 英紀
【テーマコード(参考)】
3F048
3F108
【Fターム(参考)】
3F048AA00
3F048AB04
3F048BA21
3F048BB02
3F048BB05
3F048BB09
3F048BB10
3F048CC03
3F048DA08
3F048DB17
3F048DC02
3F048DC13
3F048DC18
3F048EB37
3F108BB31
(57)【要約】
【課題】シートの先端形状にかかわらず、加工の基準位置となる先端を特定でき、正確な位置に加工を施すことができるシート加工機を提供する。
【解決手段】シート100を搬送方向Fに搬送する搬送部12と、シート100の加工面に対して加工を行う加工部21と、搬送方向に搬送されるシートの先端107を検出する先端検出部45と、搬送方向に交差する幅方向Wに対して、加工部および先端検出部を一体的に移動させる移動部15と、搬送部と加工部と移動部との各動作を制御する制御部10とを備え、制御部は、先端検出部によって検出されたシートの先端を基準にして、加工部がシートの前記加工面に対して加工を行うように、搬送部と加工部と移動部とを制御する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送方向に搬送する搬送部と、
前記シートの加工面に対して加工を行う加工部と、
搬送方向に搬送される前記シートの先端を検出する先端検出部と、
搬送方向に交差する幅方向に対して、前記加工部および前記先端検出部を一体的に移動させる移動部と、
前記搬送部と前記加工部と前記移動部との各動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記先端検出部によって検出された前記シートの前記先端を基準にして、前記加工部が前記シートの前記加工面に対して加工を行うように、前記搬送部と前記加工部と前記移動部とを制御することを特徴とする、シート加工機。
【請求項2】
前記シートに関する加工情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記加工部が、前記シートの前記加工面から離間する離間位置と、前記シートの前記加工面に当接して前記シートの前記加工面への加工を行う当接位置との間を移動し、
前記制御部が、前記記憶部に記憶された前記加工情報に基づいて、
前記加工部および前記先端検出部を幅方向に一体的に移動させて、前記先端検出部が前記シートの前記先端を検出するステップと、
前記先端検出部によって検出された前記シートの前記先端の位置を基準にして前記加工部を前記当接位置に移動させるステップと、
前記搬送部によって前記シートを搬送方向に搬送して前記加工部が前記シートの前記加工面に対して加工を行うステップとを実行するように制御することを特徴とする、請求項1に記載のシート加工機。
【請求項3】
前記シートに関する加工情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記加工部が、前記シートの前記加工面から離間する離間位置と、前記シートの前記加工面に当接して前記シートの前記加工面への加工を行う当接位置との間を移動し、
前記制御部が、前記記憶部に記憶された前記加工情報に基づいて、
前記加工部および前記先端検出部を幅方向に一体的に移動させて、前記先端検出部が前記シートの前記先端を検出するステップと、
前記加工部および前記先端検出部を幅方向加工位置に一体的に移動させるステップと、
前記先端検出部によって検出された前記シートの前記先端の位置を基準にして前記加工部を前記当接位置に移動させるステップと、
前記搬送部によって前記シートを搬送方向に搬送して前記加工部が前記シートの前記加工面に対して加工を行うステップとを実行するように制御することを特徴とする、請求項1に記載のシート加工機。
【請求項4】
前記加工部が、前記シートの前記加工面への当接を開始する当接開始ポイントを有し、
前記先端検出部が、前記当接開始ポイントよりも搬送方向上流側に配設されることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート加工機。
【請求項5】
前記先端検出部が、前記当接開始ポイントに対して幅方向に離間して配設されることを特徴とする、請求項4に記載のシート加工機。
【請求項6】
前記加工部が、搬送方向に延在する縦クリースを前記シートの前記加工面に形成することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシート加工機。
【請求項7】
前記シートが、搬送方向下流側において先端辺を有し、前記先端辺には、搬送方向下流側に突出した先端片が形成されており、前記先端片の搬送方向下流側の突出端が、前記先端に対応することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシート加工機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート加工機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、センサによる段ボール用紙の先端感知に基づいて、段ボール用紙に対して切り込み溝を形成する段ボール箱形成用スロッタ装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスロッタ装置では、センサが固定位置に配設されるために、段ボール用紙すなわちシートの先端が、搬送方向の直交方向に直線状に延在しない非直線形状である場合、加工の基準位置を特定できなくなる。例えば、シートが、その先端において搬送方向下流側に突出する先端片を有する非直線形状である場合を考える。この場合、センサ位置が先端片の位置と必ずしも一致せず、加工の基準位置となる先端を特定できなくなるので、正確な位置に加工を施すことができない。
【0005】
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、シートの先端形状にかかわらず、加工の基準位置となる先端を特定でき、正確な位置に加工を施すことができるシート加工機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下のシート加工機が提供される。
【0007】
すなわち、この発明に係るシート加工機は、
シートを搬送方向に搬送する搬送部と、
前記シートの加工面に対して加工を行う加工部と、
搬送方向に搬送される前記シートの先端を検出する先端検出部と、
搬送方向に交差する幅方向に対して、前記加工部および前記先端検出部を一体的に移動させる移動部と、
前記搬送部と前記加工部と前記移動部との各動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記先端検出部によって検出された前記シートの前記先端を基準にして、前記加工部が前記シートの前記加工面に対して加工を行うように、前記搬送部と前記加工部と前記移動部とを制御することを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、加工部および先端検出部が一体的に移動することによって、シートの先端形状にかかわらず、加工の基準位置となる先端を特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。また、加工部と別体に先端検出部を幅方向に移動させる場合と比較して、先端検出部を幅方向に移動させるための移動部を減らすことができるので、コストダウンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の一実施形態に係るシート加工機の全体構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図1に示したシート加工機の機能ブロック図である。
【
図3】
図1に示したシート加工機における縦クリース装置の模式的斜視図である。
【
図4】
図3に示した縦クリース装置の正面図である。
【
図6】
図4のVI-VI線に沿った要部の拡大断面斜視図である。
【
図7】
図4のVII-VII線に沿った要部の拡大断面斜視図である。
【
図9】
図8に続く、シートの加工工程を説明する図である。
【
図10】縦クリース装置による縦クリース加工を説明する図である。
【
図11】
図10に続く、縦クリース装置による縦クリース加工を説明する図である。
【
図12】
図11に続く、縦クリース装置による縦クリース加工を説明する図である。
【
図13】シート加工機における縦クリース加工制御に係るフローチャートである。
【
図14】
図13に続く、シート加工機における縦クリース加工制御に係るフローチャートである。
【
図15】
図14に続く、シート加工機における縦クリース加工制御に係るフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、シート加工機1を説明する。シート100は、シート加工機1において搬送方向Fに沿って上流側から下流側に搬送される。搬送方向Fに交差する方向(具体的には、搬送方向Fと直交する水平方向)は、幅方向Wである。説明の都合上、シート100の搬送経路を挟んだ上側および下側を、それぞれ、「上」および「下」と呼び、搬送方向Fの上流側から見た状態で「右側」および「左側」と呼ぶことがある。また、この発明では、シート100は、予め所定形状を有するように加工されたプレ加工体であり、例えば、用紙、樹脂薄板、フィルムなどからなる。シート加工機1によってシート100を加工して得られる成果物は、例えば、ポケットホルダーや箱や封筒などの収納体を作成するための加工体である。
【0011】
(シート加工機の全体構成)
図1は、この発明の一実施形態に係るシート加工機1の全体構成を模式的に示す図である。
図1に示すように、シート加工機1は、搬送方向Fに沿って上流側から下流側に向けて、例えば、供給ユニット3と、斜行補正ユニット4と、第1加工ユニット5と、第2加工ユニット6と、折り加工ユニット7と、プレスユニット8とを備える。各ユニット3,4,5,6,7,8では、搬送モータ(搬送部)12によってシート100の搬送が個別に行われる。そのため、シート加工機1は、複数の搬送モータ(搬送部)12を有する。
【0012】
供給ユニット3は、シート搬送部として、吸引式搬送ベルト(図示せず)と、供給モータ13と、一対のローラ(図示せず)とを含む。吸引式搬送ベルトは、一対のローラに架け渡されて、一方のローラは、供給モータ13によって回転駆動される。吸引式搬送ベルトは、供給トレイに載置されたシート100を1枚ずつ吸着しながら搬送方向Fに沿って上流側から下流側に搬送する。
【0013】
斜行補正ユニット4は、供給ユニット3から搬送されるシート100を、一対のローラに掛け渡された無端ベルトに載せて搬送する。一対の回転ローラは、斜行補正モータ14によって回転駆動される。無端ベルトの内方には、吸引箱が設置される。無端ベルトは、搬送方向Fと平行に延びるガイド壁(図示せず)に対して所定の角度で傾斜して設けられる。斜行補正ユニット4では、シート100の側端縁が、搬送方向Fに平行なガイド壁の側に押し付けられながら搬送される。これより、シート100の側端縁が、ガイド壁に沿った状態で搬送される。斜行補正ユニット4は、押え部を備える。押え部は、押えボールおよび支持部材を有する。押えボールは、球形状を有する。押えボールは、支持部材によって回転自在に支持される。押えボールは、斜行したシート100が搬送方向Fに補正される際、無端ベルトに載置されるシート100を上方から押圧する。したがって、シート100が搬送方向Fに対して傾斜して搬送されても、斜行補正ユニット4によってシート100が搬送方向Fに沿って搬送されるように修正される。
【0014】
第1加工ユニット5は、例えば、シート100の加工面の所定位置に対して搬送方向Fに沿ったクリース加工(縦クリース加工)を行う縦クリース装置20を有する。縦クリース装置20は、例えば、ポケットクリース(縦クリース)110を形成するように構成されている。
図8から
図12に示すように、ポケットクリース(縦クリース)110は、搬送方向Fに延在する。縦クリース装置20の詳細は、後で説明する。
【0015】
第2加工ユニット6は、例えば、シート100の加工面の所定位置に対して幅方向Wに沿ったクリース加工(横クリース加工)を行う横クリース装置(詳細な図示および説明をしない)を有する。横クリース装置は、例えば、先端クリース111、中央クリース112および末端クリース113のような横クリースを形成するように構成されている。
図8から
図9に示すように、先端クリース111、中央クリース112および末端クリース113は、幅方向Wに延在する。横クリースモータ16と、タイミングベルトと、複数の歯付きプーリーと、複数の歯車とを有する動力伝達機構によって、押圧軸が回転駆動される。これにより、横クリース加工が行われる。
【0016】
折り加工ユニット7は、シート100の加工面に形成されたクリースに沿って折り加工を行う折り装置(詳細な図示および説明をしない)を有する。折り装置は、搬送方向Fおよび/または幅方向Wに沿った折り軸の回りを回動する折り板(図示せず)を有する。折り板は、折りモータ17によって水平面上を180度回動するように構成される。例えば、折り板の上に載置されたシート100の先端片106を、折り板を回動させて基部101に対面するように先端クリース111に沿って折り返すことによって、折り加工が行われる。シート100の末端片108に対しても、末端クリース113に沿って折り返す折り加工が行われる。
【0017】
折り加工ユニット7は、接着剤塗布装置(図示せず)を有することもできる。接着剤塗布装置は、接着剤を貯留するタンク(図示せず)と、接着剤を吐出するノズル(図示せず)と、タンクおよびノズルをつなぐチューブ(図示せず)と、ノズルを所定位置に移動させるノズル移動機構(図示せず)と、ノズルからの接着剤の吐出を制御する接着剤塗布モータ18とを有する。ノズルは、所定のタイミングで接着剤をシート100の先端片106および末端片108に吐出することにより、先端片106および末端片108に接着剤が塗布される。
【0018】
接着剤塗布装置によって接着剤が先端片106および末端片108に塗布されたあと、シート100の折り返し部102をポケットクリース(縦クリース)110に沿って折り返す折り加工が行われる。これにより、折り返し部102が、先端片106および末端片108に対して接着剤で固定される。そして、基部101を中央クリース112に沿って折り返す折り加工が行われる。
【0019】
プレスユニット8は、折り加工ユニット7によって折り加工されたシート100の折り返しを、強固なものにするプレス装置を有する。プレス装置は、例えば、上下方向に移動可能な上型(図示せず)と、不動の下型(図示せず)と、上型を駆動するプレスモータ19とを有する。折り加工ユニット7によって折り加工されたシート100を、上型および下型の間に挟み込んだ状態で、上型をさらに下型に向けて移動させることによって加圧成形する。これにより、縦クリースおよび横クリースに沿った折り返しが強固なものになる。
【0020】
図2は、シート加工機1の機能ブロック図である。シート加工機1は、シート加工機1における各種動作を制御するための制御部10を備える。制御部10は、例えば、CPU(中央演算処理装置)であり、供給ユニット3と、斜行補正ユニット4と、第1加工ユニット5と、第2加工ユニット6と、折り加工ユニット7と、プレスユニット8とにおける各種動作を制御する。制御部10は、記憶部11と、各種の入力デバイス(センサ)や出力デバイス(モータ)とを通じて、各種の演算処理や加工処理や判断処理の制御を行う。
【0021】
制御部10には、記憶部11が接続される。記憶部11は、例えば、各種プログラムが格納されるROM(リード・オンリー・メモリ)や各種情報が格納されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)やEEPROM(電気的に消去書き込み可能なメモリ)である。記憶部11に記憶されるシート100に関する加工情報は、例えば、シート100のサイズや形状の情報、シート100の基準位置情報、シート100の加工位置情報および加工の種類情報などである。制御部10には、操作パネルが接続される。操作パネルは、ボタンやスイッチなどの入力部およびディスプレイなどの表示部を有する操作表示部、音や光でエラーの発生を報知する報知部などを有する。操作パネルは、作業者が、シート100に関する形状や加工枚数や加工位置などの各種の加工情報を入力するための入力部として働く。
【0022】
制御部10には、各種のモータが接続される。モータは、例えば、搬送モータ12、供給モータ13、斜行補正モータ14、縦クリースモータ15、横クリースモータ16、折りモータ17、接着剤塗布モータ18およびプレスモータ19などである。
【0023】
搬送モータ12、供給モータ13、斜行補正モータ14、縦クリースモータ15および横クリースモータ16などは、例えば、ステッピングモータである。ステッピングモータは、パルス信号を与えることによって所定のステップ単位でモータ軸が回転して回転の角度および速度を正確に制御できるので、シート100の搬送量や加工位置を高速に且つ高精度に制御できる。
【0024】
制御部10には、各種のセンサが接続される。センサは、例えば、供給検出センサ、先端検出センサ45および排出センサなどである。
【0025】
制御部10は、後で詳細に説明するように、先端検出センサ45で検出されたシート100の突出端(先端)107を基準にして、第1加工ユニット5において、シート100の加工面に対して縦クリース加工を行うように、搬送モータ12および縦クリースモータ15を制御する。
【0026】
(縦クリース装置)
図3は、
図1に示した第1加工ユニット5における縦クリース装置20の模式的斜視図である。
図4は、
図3に示した縦クリース装置20の正面図である。
図5は、
図4のV-V線に沿った断面図である。
図6は、
図4のVI-VI線に沿った要部の拡大断面斜視図である。
図7は、
図4のVII-VII線に沿った要部の拡大断面斜視図である。なお、
図7においては、カム部材34による揺動が分かるように、軸受支持部材の図示を省略している。
【0027】
縦クリース装置20は、シート100の搬送方向Fに沿って縦クリースを形成する縦クリース加工を行う。
図3に示すように、縦クリース装置20は、加工部21と、ネジ軸22と、ガイド23と、支持体25と、加工駆動軸28と、揺動駆動軸31と、側板39と、縦クリースモータ(移動部)15と、揺動モータ35と、ホーム位置センサ48とを有する。なお、
図3において、左側に位置する側板や、ネジ軸22の右端を支持して左側に延在する支持シャフトなどの図示を省略している。
【0028】
ネジ軸22と、ガイド23と、加工駆動軸28と、揺動駆動軸31とは、幅方向Wに延在して、側板39によって支持される。側板39の外側には、縦クリースモータ15と、揺動モータ35とが配設される。
【0029】
図5に示すように、縦クリースモータ15と、タイミングベルトと、複数の歯付きプーリーとを有する動力伝達機構によって、ネジ軸22としての第1ネジ軸22aおよび第2ネジ軸22bが、同期して回転駆動される。第1加工部21aの揺動支持体26には、第1ネジ軸22aが螺合するように装着される。揺動支持体26の第1ガイド係合部33aが第1ガイド23aに係合して、揺動支持体26は、第1ガイド23aに沿ってスライド移動するように構成されている。
【0030】
第2加工部21bの第2支持体25bには、第2ネジ軸22bが螺合するように装着される。第2支持体25bの第2ガイド係合部33bが第2ガイド23bに係合して、第2支持体25bは、第2ガイド23bに沿ってスライド移動するように構成されている。
【0031】
上記動力伝達機構によって第1ネジ軸22aおよび第2ネジ軸22bが回転すると、第1加工部21aおよび第2加工部21bが、それぞれ、第1ガイド23aおよび第2ガイド23bに沿って幅方向Wに同期して移動する。縦クリース装置20の右側側部に設けられるホーム位置センサ48によって検出されるホーム位置を基準にして、第1加工部21aおよび第2加工部21bの幅方向Wの位置が決められる。このように、上記動力伝達機構と、第1ネジ軸22aおよび第2ネジ軸22bとホーム位置センサ48とによって、第1加工部21aおよび第2加工部21bを幅方向Wに移動させる幅方向移動機構が構成される。
【0032】
揺動モータ35は、タイミングベルトと複数の歯付きプーリーとを有する動力伝達機構によって、揺動駆動軸31を回動駆動する。後述するように、揺動駆動軸31の回動により、加工部21における第1加工部21aは、シート100の加工面から離間する離間位置と、シート100の加工面に当接する当接位置との間を移動する。
【0033】
加工部21は、縦クリース装置20の上方に位置する第1加工部21aと、縦クリース装置20の下方に位置する第2加工部21bとを有する。加工部21は、ガイド23によって幅方向Wに移動可能に支持される。すなわち、第1加工部21aは、第1ガイド係合部33aおよび第1ガイド23aによって幅方向Wに移動可能に支持され、第2加工部21bは、第2ガイド係合部33bおよび第2ガイド23bによって幅方向Wに移動可能に支持される。加工部21は、ネジ軸22の回動によって幅方向Wに移動する。すなわち、第1加工部21aは、第1ネジ軸22aによって幅方向Wに移動し、第2加工部21bは、第2ネジ軸22bの回動によって幅方向Wに移動する。
【0034】
図6に示すように、第1加工部21aは、第1支持体25aと第1加工体40aとを有し、第2加工部21bは、第2支持体25bと第2加工体40bとを有する。第1支持体25aおよび第2支持体25bは、支持体25として働く。第1加工体40aおよび第2加工体40bは、クリース加工体(加工体)40として働き、円柱形状または円筒形状を有する。第1支持体25aは、第1加工体40aを回動自在に支持し、第2支持体25bは、第2加工体40bを回動自在に支持する。
【0035】
例えば、第1加工体40aの外周面には、凹状丸刃である第1加工刃41aが配設され、第2加工体40bの外周面には、凸状丸刃である第2加工刃41bが配設される。対向配置される第1加工刃41aおよび第2加工刃41bによって、クリース刃(加工刃)41が構成される。第2加工体40bは、加工駆動軸28によって支持され、加工駆動軸28は、縦クリース加工モータ(図示せず)によって回転駆動される。第1加工体40aは、加工従動軸29によって支持され、第1加工体40aと当接状態にある第2加工体40bの回転によって従動回転(いわゆる連れ回り)する。
【0036】
接離機構は、第1加工部21aの第1加工体40aを、第2加工部21bの第2加工体40bに対して、当接位置と離間位置との間で移動させる。加工部21の接離方向は、例えば上下方向である。
【0037】
図7に示されるように、第1加工部21aは、揺動駆動軸31と、カム部材34と、カム受け部25dとを有する。カム部材34は、揺動駆動軸31と共に回動するように設けられている。カム受け部25dは、カム部材34の回動に連動して、揺動軸32を中心に揺動する。これにより、第1支持体25aが接離方向(上下方向)に移動することによって、第1加工体40aが当接位置と離間位置との間で移動する。
【0038】
第1加工部21aに設けられる押し込み量調節部27は、付勢部材およびロッドを有する。押し込み量調節部27により、第1支持体25aが当接位置(下方)に向けて付勢される。さらに第1支持体25aが押し込み量調節部27のロッドによって規制されることにより、第1支持体25aの当接位置が固定される。押し込み量調節部27のロッドが接離方向(上下方向)に移動することによって、第1支持体25aの高さ位置を調節する。したがって、押し込み量調節部27によって、第1支持体25aの付勢力および高さ位置が調節される。
【0039】
図3、
図5および
図6に示すように、加工部21は、先端検出センサ45を有する。先端検出センサ45は、搬送方向Fに搬送されるシート100の先端(突出端)107を検出する先端検出部として働く。先端検出センサ45は、搬送方向Fの上流側に配設されて、発光部45aと受光部45bとを有する。発光部45aは、揺動支持体26の上部に固設されたアーム37によって支持される。発光部45aから出射される検出光は、スリット板43のスリット44を介して、受光部45bで受光される。
【0040】
例えば、発光部45aは、第1加工部21aに配設され、受光部45bおよびスリット板43は、第2加工部21bに配設される。発光部45aおよび受光部45bは対向している。すなわち、発光部45aおよび第1加工部21aが一体的に配設されるとともに、受光部45bおよび第2加工部21bが一体的に配設される。したがって、発光部45aおよび第1加工部21aが一体的に移動するとともに、受光部45bおよび第2加工部21bが一体的に移動する。言い換えると、加工部21および先端検出センサ(先端検出部)45が一体的に移動する。これにより、シート100の先端形状にかかわらず、加工の基準位置となる突出端(先端)107を特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。また、加工部21と別体に先端検出センサ(先端検出部)45を幅方向Wに移動させる場合と比較して、先端検出センサ(先端検出部)45を幅方向Wに移動させるための移動部を減らすことができるので、コストダウンを実現できる。
【0041】
図10から
図12に示すように、先端検出センサ45は、加工部21におけるクリース加工体(加工体)40の当接開始ポイント42に対して、搬送方向Fの上流側に配設される。これにより、加工の基準位置となる先端107を適切に特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。当接開始ポイント42は、断面が円形状を有するクリース加工体(加工体)40におけるクリース刃(加工刃)41がシート100の加工面に対して最も接近するポイントである。具体的には、当接開始ポイント42において、第1加工体40aの側に位置する第1当接開始ポイント42aは、第1加工刃41aの搬送方向Fの中央部であり、第1加工刃41aの最下部である。言い換えると、第1加工刃41aが最初にシート100の加工面の上面に当接するポイントである。また、当接開始ポイント42において、第2加工体40bの側に位置する第2当接開始ポイント42bは、第2加工刃41bの搬送方向Fの中央部であり、第2加工刃41bの最上部である。言い換えると、クリース加工を行う場合に、第2加工刃41bが最初にシート100の加工面の下面に当接するポイントである。これにより、当接開始ポイント42に対する先端検出センサ45の離間距離を短くでき、正確な位置に加工を施すことができる。なお、
図10、
図11および
図12は、縦クリース装置20を真上から見た図であり、第1ネジ軸22aおよび第2ネジ軸22bが、重なっているように図示している。しかしながら、第1ネジ軸22aおよび第2ネジ軸22bは、実際には搬送方向Fに位置ズレをして配置されている。
【0042】
先端検出センサ45は、加工部21におけるクリース加工体(加工体)40の当接開始ポイント42に対して、搬送方向Fの上流側に配設されるとともに、幅方向Wに離間して配設される。言い換えると、先端検出センサ45は、当接開始ポイント42を通るとともに搬送方向Fに延在する直線に対して、幅方向Wにずれた位置にある。したがって、
図10から
図12に示すように、先端検出センサ45は、当接開始ポイント42に対して、搬送方向Fの斜め上流側に配設される。これにより、当接開始ポイント42に対する先端検出センサ45の離間距離を短くできるので、シート100を搬送する際にスリップなどによる位置ずれが発生しても、正確な位置に加工を施すことができる。
【0043】
(シートの加工工程)
図8から
図15を参照しながら、上述したシート加工機1を用いた、シート100の加工工程について説明する。
【0044】
加工前のシート100は、
図10に示すように、全体的な概略形状として、搬送方向Fに延在して互いに対向する2つの側辺と、先端辺104と、末端辺105とを有する。先端辺104は、搬送方向Fに交差する幅方向に延在する辺であって、2つの側辺の下流側端部をつなぐ。末端辺105は、搬送方向Fに交差する幅方向に延在する辺であって、2つの側辺の上流側端部をつなぐ。
【0045】
先端辺104には、搬送方向Fの下流側に突出する先端片106が形成される。先端片106は、例えば矩形形状を有する。したがって、シート100では、搬送方向Fの下流側の先端が非直線形状を有する。先端片106の突出端(先端)107が、シート100において最も搬送方向Fの下流側に位置する。
【0046】
末端辺105には、搬送方向Fの上流側に突出する末端片108が形成される。末端片108は、例えば矩形形状を有する。したがって、シート100では、搬送方向Fの上流側の末端が非直線形状を有する。末端片108の末端109が、シート100において最も搬送方向Fの上流側に位置する。
【0047】
シート100は、基部101と2つの折り返し部102,102と先端片106と末端片108とを有する。2つの折り返し部102,102は、幅方向Wに延在する切込部103によって搬送方向Fに離間している。
図8に示すように、基部101と折り返し部102との境界は、ポケットクリース(縦クリース)110によって画定される。基部101と先端片106との境界は、先端クリース(横クリース)111によって画定される。基部101と末端片108との境界は、末端クリース(横クリース)113によって画定される。
【0048】
図8は、シート100の加工工程を説明する図である。
図9は、
図8に続く、シート100の加工工程を説明する図である。
図8および
図9を参照しながら、シート100の全体的な加工工程を説明する。
【0049】
図8において、シート100は、供給ユニット3および斜行補正ユニット4を経た後、第1加工ユニット5に供給される。第1加工ユニット5では、
図8の(1)に示すようなポケットクリース(縦クリース)110が、縦クリース装置20によって形成される。
【0050】
ポケットクリース110が形成されたシート100は、第2加工ユニット6に供給される。第2加工ユニット6では、
図8の(2)に示すような横クリースとしての先端クリース111と中央クリース112と末端クリース113とが、横クリース装置によって形成される。
【0051】
横クリース111,112,113が形成されたシート100は、折り加工ユニット7に供給される。折り加工ユニット7では、
図8の(3)に示すように、先端片106が先端クリース111に沿って折り装置によって折り返される。そして、
図8の(4)に示すように、折り返された先端片106の上面に対して、接着剤(網点で表示)が接着剤塗布装置によって塗布される。さらに、
図9の(5)に示すように、先端片106の側に位置する折り返し部102が、ポケットクリース110に沿って折り装置によって折り返される。これにより、先端片106および折り返し部102が、接着剤によって固定される。
【0052】
先端片106および折り返し部102が接着固定されたシート100においては、
図9の(6)に示すように、末端片108が末端クリース113に沿って折り装置によって折り返される。そして、
図9の(7)に示すように、折り返された末端片108の上面に対して、接着剤(網点で表示)が接着剤塗布装置によって塗布される。さらに、
図9の(8)に示すように、末端片108の側に位置する折り返し部102が、ポケットクリース110に沿って折り装置によって折り返される。これにより、末端片108および折り返し部102が、接着剤によって固定される。
【0053】
先端片106および折り返し部102と、末端片108および折り返し部102とが、それぞれ接着固定されたシート100は、
図9の(9)に示すように、中央クリース112に沿って折り装置によって折り返される。
【0054】
中央クリース112に沿って折り返されたシート100は、
図1に示すプレスユニット8に供給される。プレスユニット8では、折り加工ユニット7によって折り加工されたシート100を、プレス装置で加圧することにより、縦クリース110および横クリース111,112,113に沿った折り返しが強固なものになる。
【0055】
(縦クリース加工制御)
図10は、縦クリース装置20による縦クリース加工を説明する図である。
図11は、
図10に続く、縦クリース装置20による縦クリース加工を説明する図である。
図12は、
図11に続く、縦クリース装置20による縦クリース加工を説明する図である。
図13は、シート加工機1における縦クリース加工制御に係るフローチャートである。
図14は、
図13に続く、シート加工機1における縦クリース加工制御に係るフローチャートである。
図15は、
図14に続く、シート加工機1における縦クリース加工制御に係るフローチャートである。なお、
図13から
図15のフローチャートにおいて、加工部という記載は、加工部21と先端検出センサ45とを一体化させていて加工部21が先端検出センサ45を含むが、便宜的に加工部と記載している。以下、
図10から
図15を参照しながら、シート100に対する縦クリース加工を説明する。
【0056】
図13に示すように、ステップS1において、シート加工機1における縦クリース加工制御が開始する。ステップS3において、制御部10は、縦クリース加工に係る加工ジョブの受付が完了したか否かを判断する。ステップS3において、加工ジョブの受付を完了していなければ、完了するまで待機する。ステップS3において、加工ジョブの受付を完了していれば、ステップS5に進む。
【0057】
ステップS5において、制御部10は、加工部21に関する現在位置情報の取得が完了したか否かを判断する。ステップS5において、制御部10は、加工部21に関する現在位置情報の取得を完了していなければ、ステップS7において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45をホーム位置に一体的に移動させるか、または、加工部21に関する現在位置情報を取得する。ステップS5において、現在位置情報の取得を完了していれば、ステップS9に進む。
【0058】
ステップS9において、制御部10は、加工ジョブが開始したか否かを判断する。ステップS9において、加工ジョブが開始していなければ、開始するまで待機する。ステップS9において、加工ジョブが開始していれば、ステップS11に進む。
【0059】
ステップS11において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45を先端検出位置に一体的に移動させる(
図10を参照)。そして、ステップS13において、制御部10は、シート100の搬送を開始する。ステップS15において、制御部10は、先端検出センサ45がシート100の突出端(先端)107を検出したか否かを判断する(
図11を参照)。ステップS15において、先端検出センサ45が突出端(先端)107を検出していなければ、検出するまでシート100を搬送させる。ステップS15において、先端検出センサ45が突出端(先端)107を検出していれば、ステップS17に進む。
【0060】
ステップS17において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45が一体的に幅方向加工位置に移動することが必要であるか否かを判断する。ステップS17において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45が一体的に幅方向加工位置に移動することが必要でないと判断すれば、ステップS25に進む。これにより、加工部21を幅方向加工位置に移動させることを必要としない加工に対応できる。ステップS17において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45が一体的に幅方向加工位置に移動することが必要であると判断すると、ステップS19に進む。これにより、加工部21を幅方向加工位置に移動させることを必要とする加工にも対応できる。ステップS19において、制御部10は、シート100の搬送を停止する。そして、ステップS21において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45を加工開始位置に一体的に移動させ、ステップS23において、制御部10は、シート100の搬送を開始する。ここで、加工開始位置とは、加工部21の加工体40における加工刃41が、シート100上への加工を開始する位置である。
【0061】
ステップS25において、制御部10は、加工開始位置と当接開始ポイント42とが一致するか否かを判断する。ステップS25において、加工開始位置と当接開始ポイント42とが一致していなければ、一致するまでシート100を搬送させる。ステップS25において、加工開始位置と当接開始ポイント42とが一致していれば、ステップS27に進む。
【0062】
ステップS27において、制御部10は、加工部21の加工体40における加工刃41(具体的には、第1加工刃41a)を当接位置に移動させる。ステップS29において、制御部10は、シート100の搬送を開始させることにより、シート100の縦クリース加工を開始する(
図11を参照)。
【0063】
ステップS31において、制御部10は、シート100が加工終了位置にあるか否かを判断する。ステップS31において、シート100が加工終了位置になければ、シート100が加工終了位置に搬送されるまで加工を継続する。ステップS31において、シート100が加工終了位置にあれば、ステップS33に進む。
【0064】
ステップS33において、制御部10は、シート100の搬送を停止するとともに、加工部21および先端検出センサ45を離間位置に一体的に移動させる(
図12を参照)。
【0065】
ステップS35において、制御部10は、加工ジョブが終了したか否かを判断する。ステップS35において、加工ジョブが終了していなければ、ステップS17に戻る。ステップS35において、加工ジョブが終了していれば、ステップS37に進む。
【0066】
ステップS37において、制御部10は、加工部21および先端検出センサ45をホーム位置に一体的に移動させるか、または、加工部21に関する現在位置情報を記憶部11に記憶させる。そして、ステップS39において、シート加工機1における縦クリース加工制御が終了する。
【0067】
したがって、先端片106の突出端(先端)107が、シート100において搬送方向Fの最も下流側に位置する態様であっても、加工部21および先端検出センサ45が一体的に移動することによって、加工の基準位置となる突出端(先端)107を特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。
【0068】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記実施形態で記載した内容を適宜に組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。また、上記実施形態に示した具体的な数字は、この発明の理解を容易にするための単なる例示であって、この発明を限定するものではない。
【0069】
上記実施の形態では、シート100を加工するための加工刃41としてクリース刃を例示したが、ミシン目刃やカット刃やハーフカット刃なども使用可能である。
【0070】
上記実施の形態では、加工部21において第1加工部21aが接離のために上下方向に移動する態様を例示した。しかしながら、第1加工部21aが接離のために、第1加工部21aがシート100の加工面に沿った方向に移動する態様、第1加工部21aがシート100の加工面に対して斜めの方向に移動する態様、第1加工部21aが回転支持軸を中心に回転移動する態様にすることもできる。
【0071】
上記実施の形態では、搬送方向Fに搬送されるシート100の突出端(先端)107を検出する先端検出センサ(先端検出部)45として、発光部45aおよび受光部45bを有する光学式センサを例示した。しかしながら、先端検出センサ(先端検出部)45として、接触式センサ、レーザー式センサ、静電容量式センサなども使用可能である。
【0072】
上記実施の形態では、シート100が、搬送方向Fの下流側において先端辺104を有し、先端辺104には、搬送方向Fの下流側に突出する先端片106が形成されており、先端片106の搬送方向Fの下流側の突出端107が、先端107に対応する非直線形状の態様を例示した。しかしながら、この発明は、シート100の先端辺104が、上記先端片106を有することなく直線状に延在する通常の直線形状を有する態様にも適用可能である。
【0073】
この発明および実施形態をまとめると、次のようになる。
【0074】
この発明の一態様に係るシート加工機1は、
シート100を搬送方向Fに搬送する搬送部12と、
前記シート100の加工面に対して加工を行う加工部21と、
搬送方向Fに搬送される前記シート100の先端107を検出する先端検出部45と、
搬送方向Fに交差する幅方向Wに対して、前記加工部21および前記先端検出部45を一体的に移動させる移動部15と、
前記搬送部12と前記加工部21と前記移動部15との各動作を制御する制御部10とを備え、
前記制御部10は、前記先端検出部45によって検出された前記シート100の前記先端107を基準にして、前記加工部21が前記シート100の前記加工面に対して加工を行うように、前記搬送部12と前記加工部21と前記移動部15とを制御することを特徴とする。
【0075】
上記構成によれば、加工部21および先端検出部45が一体的に移動することによって、シート100の先端形状にかかわらず、加工の基準位置となる先端107を特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。また、加工部21と別体に先端検出部45を幅方向に移動させる場合と比較して、先端検出部45を幅方向に移動させるための移動部を減らすことができるので、コストダウンを実現できる。
【0076】
また、一実施形態のシート加工機1では、
前記シート100に関する加工情報を記憶する記憶部11をさらに備え、
前記加工部21が、前記シート100の前記加工面から離間する離間位置と、前記シート100の前記加工面に当接して前記シート100の前記加工面への加工を行う当接位置との間を移動し、
前記制御部10が、前記記憶部11に記憶された前記加工情報に基づいて、
前記加工部21および前記先端検出部45を幅方向に一体的に移動させて、前記先端検出部45が前記シート100の前記先端107を検出するステップと、
前記先端検出部45によって検出された前記シート100の前記先端107の位置を基準にして前記加工部21を前記当接位置に移動させるステップと、
前記搬送部12によって前記シート100を搬送方向Fに搬送して前記加工部21が前記シート100の前記加工面に対して加工を行うステップとを実行するように制御する。
【0077】
上記構成によれば、加工部21を幅方向加工位置に移動させることを必要としない加工に対応できる。
【0078】
また、一実施形態のシート加工機1では、
前記シート100に関する加工情報を記憶する記憶部11をさらに備え、
前記加工部21が、前記シート100の前記加工面から離間する離間位置と、前記シート100の前記加工面に当接して前記シート100の前記加工面への加工を行う当接位置との間を移動し、
前記制御部10が、前記記憶部11に記憶された前記加工情報に基づいて、
前記加工部21および前記先端検出部45を幅方向に一体的に移動させて、前記先端検出部45が前記シート100の前記先端107を検出するステップと、
前記加工部21および前記先端検出部45を幅方向加工位置に一体的に移動させるステップと、
前記先端検出部45によって検出された前記シート100の前記先端107の位置を基準にして前記加工部21を前記当接位置に移動させるステップと、
前記搬送部12によって前記シート100を搬送方向Fに搬送して前記加工部21が前記シート100の前記加工面に対して加工を行うステップとを実行するように制御する。
【0079】
上記構成によれば、加工部21を幅方向加工位置に移動させることを必要とする加工にも対応できる。
【0080】
また、一実施形態のシート加工機1では、
前記加工部21が、前記シート100の前記加工面への当接を開始する当接開始ポイント42を有し、
前記先端検出部45が、前記当接開始ポイント42よりも搬送方向上流側に配設される。
【0081】
上記構成によれば、加工の基準位置となる先端107を適切に特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。
【0082】
また、一実施形態のシート加工機1では、
前記先端検出部45が、前記当接開始ポイント42に対して幅方向Wに離間して配設される。
【0083】
上記構成によれば、当接開始ポイント42に対する先端検出センサ45の離間距離を短くできるので、シート100を搬送する際にスリップなどによる位置ずれが発生しても、正確な位置に加工を施すことができる。
【0084】
また、一実施形態のシート加工機1では、
前記加工部21が、搬送方向Fに延在する縦クリース110を前記シート100の前記加工面に形成する。
【0085】
上記構成によれば、搬送方向Fに延在する縦クリース110を正確な位置に形成できる。
【0086】
また、一実施形態のシート加工機1では、
前記シート100が、搬送方向下流側において先端辺104を有し、前記先端辺104には、搬送方向下流側に突出した先端片106が形成されており、前記先端片106の搬送方向下流側の突出端が、前記先端107に対応する。
【0087】
上記構成によれば、シート100が、その先端107において搬送方向Fの下流側に突出する先端片106を有する非直線形状である態様においても、加工の基準位置となる先端107を特定でき、正確な位置に加工を施すことができる。
【符号の説明】
【0088】
1…シート加工機
3…供給ユニット
4…斜行補正ユニット
5…第1加工ユニット
6…第2加工ユニット
7…折り加工ユニット
8…プレスユニット
10…CPU(制御部)
11…記憶部
12…搬送モータ(搬送部)
13…供給モータ
14…斜行補正モータ
15…縦クリースモータ(移動部)
16…横クリースモータ
17…折りモータ
18…接着剤塗布モータ
19…プレスモータ
20…縦クリース装置
21…加工部
21a…第1加工部
21b…第2加工部
22…ネジ軸
22a…第1ネジ軸
22b…第2ネジ軸
23…ガイド
23a…第1ガイド
23b…第2ガイド
25…支持体
25a…第1支持体
25b…第2支持体
25d…カム受け部
26…揺動支持体
27…押し込み量調節部
28…加工駆動軸
29…加工従動軸
31…揺動駆動軸
32…揺動軸
33…ガイド係合部
33a…第1ガイド係合部
33b…第2ガイド係合部
34…カム部材
35…揺動モータ
37…アーム
39…側板
40…クリース加工体(加工体)
40a…第1加工体
40b…第2加工体
41…加工刃
41a…第1加工刃
41b…第2加工刃
42…当接開始ポイント
42a…第1当接開始ポイント
42b…第2当接開始ポイント
43…スリット板
44…スリット
45…先端検出センサ(先端検出部)
45a…発光部
45b…受光部
48…ホーム位置センサ
100…シート
101…基部
102…折り返し部
103…切込部
104…先端辺
105…末端辺
106…先端片
107…突出端(先端)
108…末端片
109…末端
110…ポケットクリース(縦クリース)
111…先端クリース(横クリース)
112…中央クリース(横クリース)
113…末端クリース(横クリース)
F…搬送方向
W…幅方向