IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カーメイトの特許一覧

<>
  • 特開-拭き掃除用器具 図1
  • 特開-拭き掃除用器具 図2
  • 特開-拭き掃除用器具 図3
  • 特開-拭き掃除用器具 図4
  • 特開-拭き掃除用器具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018862
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】拭き掃除用器具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/254 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A47L13/254
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123202
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】鬼澤 芳裕
(72)【発明者】
【氏名】香西 基史
(72)【発明者】
【氏名】滝瀬 郁男
(72)【発明者】
【氏名】前田 太郎
(72)【発明者】
【氏名】安部 さくら
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA02
3B074AA03
3B074AA07
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】払拭具の選択自由度が高く、器具に対する払拭具の着脱を容易としつつ、払拭具の交換頻度も下げることのできる拭き掃除用器具を提供する。
【解決手段】対向配置される内側面に回転軸支持部20a,20bを有すると共に、外側面を払拭具当接面とする一対の板部材14a,14bと、回転軸支持部20a,20bに挿通される回転軸16と、回転軸16を支点として、一対の板部材14a,14bを幅方向の一方で付勢させ、払拭具40の端部を挟持する付勢力を生じさせる付勢手段18と、を有するクリップ部12と、回転軸16と接続されると共に、板部材14a,14bの長手方向端部よりも外側に配置されている支持アーム32を有する持手部30とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置される内側面に回転軸支持部を有すると共に、外側面を払拭具当接面とする一対の板部材と、前記回転軸支持部に挿通される回転軸と、前記回転軸を支点として、一対の前記板部材を幅方向の一方で付勢させ、払拭具の端部を挟持する付勢力を生じさせる付勢手段と、を有するクリップ部と、
前記回転軸と接続されると共に、前記板部材の中心を起点として前記板部材の長手方向端部よりも外側に配置されている支持アームを有する持手部と、を備えることを特徴とする拭き掃除用器具。
【請求項2】
一対の前記板部材には、両者に付勢力が働く方向の幅方向端部に、挟持用突起が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の拭き掃除用器具。
【請求項3】
前記挟持用突起は、払拭具の端部を挟持した際、一対の前記板部材の外側面が平行に近づく厚みを有することを特徴とする請求項2に記載の拭き掃除用器具。
【請求項4】
前記支持アームは、前記板部材の長手方向両端部に備えられ、単一の柄に係合されて前記持手部を構成していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の拭き掃除用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除用器具に係り、特に、拭き掃除を行う際に好適な掃除用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
板状部材に対して布状部材等の払拭具を装着して使用する拭き掃除用器具としては、特許文献1や特許文献2に開示されているようなものが知られている。特許文献1に開示されている掃除用器具は、一対の板状部材を有するクリップと、このクリップの中央部に軸支されている柄とを基本として構成されるものであり、クリップ部分に雑巾などの布状部材(払拭具)を配置して使用するというものである。なお、特許文献1で使用する布状部材には予め、柄を挿通可能な貫通孔を形成しておく必要がある。そして、クリップ部分を包み込むように布状部材を配置し、クリップの挟持部に布状部材の端部を挟み込むことで固定する。
【0003】
このような構成の拭き掃除用器具によれば、クリップの上下に配した布状部材で拭き掃除を行う事が可能となる一方、使用する布状部材には予め、装着のための貫通孔を設ける等の処理が必要となると共に、孔に柄を挿通させるため、布状部材の着脱に手間がかかるといった問題がある。
【0004】
特許文献2に開示されている掃除用器具は、板状部材と、この板状部材に軸支された柄を基本として構成されるものであり、板状部材の下面に布状部材(払拭具)を配置し、布状部材の端部を板状部材の上面に係止して使用するというものである。このため、板状部材の上面には、布状部材を係止するための係止アームと、この係止アームを留めるための係止片が設けられている。
【0005】
このような構成の拭き掃除用器具によれば、布状部材の着脱は容易である一方、払拭面が1面のみとなってしまう。このため、布状部材の交換頻度が高くなってしまう。また、嵌め込み式の係止アームと係止片の間に払拭具を挟み込んで係止するため、厚手の払拭具を使用することができないといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3085107号公報
【特許文献2】特許第6309321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明では、上記それぞれの問題を解決し、払拭具の選択自由度が高く、器具に対する払拭具の着脱を容易としつつ、払拭具の交換頻度も下げることのできる拭き掃除用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る拭き掃除用器具は、対向配置される内側面に回転軸支持部を有すると共に、外側面を払拭具当接面とする一対の板部材と、前記回転軸支持部に挿通される回転軸と、前記回転軸を支点として、一対の前記板部材を幅方向の一方で付勢させ、払拭具の端部を挟持する付勢力を生じさせる付勢手段と、を有するクリップ部と、前記回転軸と接続されると共に、前記板部材の中心を起点として前記板部材の長手方向端部よりも外側に配置されている支持アームを有する持手部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、上記のような特徴を有する拭き掃除用器具において一対の前記板部材には、両者に付勢力が働く方向の幅方向端部に、挟持用突起が備えられているようにすると良い。このような特徴を有する事によれば、挟持用突起により払拭具を確実に挟持し、払拭具の脱落を防ぐことができる。
【0010】
また、上記のような特徴を有する拭き掃除用器具において前記挟持用突起は、払拭具の端部を挟持した際、一対の前記板部材の外側面が平行に近づく厚みを有するようにすることが望ましい。このような特徴を有する事によれば、一対の板部材のうちのいずれの外側面に当接している払拭具で払拭作業を行う場合であっても、その作業性や、力の入れやすさ等を近似させることができる。
【0011】
さらに、上記のような特徴を有する拭き掃除用器具における前記支持アームは、前記板部材の長手方向両端部に備えられ、単一の柄に係合されて前記持手部を構成することが望ましい。このような特徴を有する事によれば、クリップ部の支持状態を安定させることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記のような特徴を有する拭き掃除用器具によれば、払拭具の選択自由度を高めることができる。また、器具に対する払拭具の着脱を容易としつつ、払拭具の交換頻度も下げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る拭き掃除用器具の構成を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る拭き掃除用器具を構成するクリップ部の構成を説明するための概略側面図である。
図3】実施形態に係る拭き掃除用器具を構成するクリップ部の構成を説明するための概略平面図である。
図4】実施形態に係る拭き掃除用器具に払拭具を装着した状態を示す平面図である。
図5図4におけるA-A断面におけるクリップ部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の拭き掃除用器具に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上での好適な形態の一部に過ぎず、その効果を奏する限りにおいて、構成の一部に変更を加えたとしても、本発明の一部とみなすことができる。
【0015】
図1から図5を参照して、実施形態に係る拭き掃除用器具の構成、及び作用について説明する。なお、図面において図1は、実施形態に係る拭き掃除用器具の構成を示す斜視図である。また、図2は、実施形態に係る拭き掃除用器具を構成するクリップ部の構成を説明するための概略側面図である。また、図3は、同平面図である。また、図4は、実施形態に係る拭き掃除用器具に払拭具を装着した状態を示す平面図である。さらに図5は、図4におけるA-A断面におけるクリップ部の部分拡大図である。
【0016】
[構成]
本実施形態に係る拭き掃除用器具10は、クリップ部12と持手部30とを基本として構成されている。クリップ部12は、雑巾や不織布、マイクロファイバークロス、及びスポンジ等の払拭具40を保持するための要素であり、一対の板部材14a,14bと、回転軸16、及び付勢手段18を有する。一対の板部材14a,14bは、対向配置され、その内側面に回転軸支持部20a,20bと挟持用突起22a,22bを備えており、外側面に払拭具40を当接させる構造としている。回転軸支持部20a,20bは、詳細を後述する回転軸16を挿通させるための部位であり、板部材14a,14bの長手方向に沿って回転軸16が配置されるように設けられていれば良い。
【0017】
具体的な構成例として示す図2図5では、幅方向中心部付近に回転軸支持部20a,20bを設けているが、詳細を後述する挟持用突起22a,22bの開度や、挟持用突起22a,22bを開くときに要する力の加減などを考慮して、幅方向における回転軸支持部20a,20bの配置位置を定めるようにしても良い。また、図2に示す例の回転軸支持部20a,20bは、凸状に形成した板片の板面に、先端側の一部が切り欠かれた円形の開口を備える形態としているが、少なくとも回転軸16を支持すると共に、一対の板部材14a,14bの間に空隙を形成することができれば、その形態を限定するものではない。
【0018】
挟持用突起22a,22bは、払拭具40の端部を挟持するための要素であり、詳細を後述する付勢手段18により挟持方向の付勢力が作用する側の幅方向端部(以下、本実施形態では挟持側端部14a1,14b1と称する)、あるいは挟持側端部14a1近傍に配置されている。挟持用突起22a,22bは、その対向面に滑り止め構造を備え、払拭具40の抜け止めを図ることができる構成とすると良い。ここで滑り止め構造とは、凹凸形状や粗面処理の他、ゴム板などの高摩擦部材が配置されている構造であっても良い。なお、挟持用突起22a,22bの大きさや幅、数などは限定するものでは無い。また、適用対象とする払拭具40の厚みが定められている場合、挟持用突起22a,22bは、払拭具40の端部を挟持した際、一対の板部材14a,14bが平行に近づくこととなる程度の厚みを有するようにすると良い。払拭具40を装着(挟持)した際に一対の板部材14a,14bが平行に近づくことで、どちらの板部材14a,14bの外側面で払拭作業を行う場合でも、力加減や払拭作業のし易さが近似することとなるからである。
【0019】
回転軸16は、一対の板部材14a,14bの間に配置される回転軸支持部20a,20bに挿通される軸であり、一対の板部材14a,14bの回転、及び傾倒の起点となると共に、詳細を後述する持手部30によるクリップ部12の支持を成すための要素である。本実施形態の場合、回転軸16は、板部材14a,14bの長手方向長さよりも長く、配置状態において板部材14a,14bの長手方向端部の外側に両端部が突出するように構成されている。このような構成とすることで、持手部30を構成する支持アーム32と回転軸16の係合を、板部材14a,14bの長手方向端部よりも外側で成す事が可能となる。
【0020】
付勢手段18は、回転軸16を起点として一対の板部材14a,14bを幅方向の一端側に付勢させ、挟持力を生じさせるための要素である。本実施形態では、付勢手段18としてトーションばねを採用し、挟持側端部14a1,14b1に付勢力を生じさせるようにしている。なお、本実施形態では、回転軸16を介して挟持側端部14a1,14b1と反対側に位置する幅方向端部を押圧側端部14a2,14b2と称することとする。
【0021】
持手部30は、クリップ部12を支持し、払拭作業時に使用者が保持するための要素である。このため、少なくとも支持アーム32と柄34を備えていれば、その具体的な形状等を限定するものではない。一例として図1に示す持手部30は、回転軸16の端部に係合する一対の支持アーム32と、この一対の支持アーム32の係合部に設けられた柄34から成る。支持アーム32は、板部材14a,14bの長手方向端部から、平面視において、板部材14a,14bの外形線の外側を通る経路を経て柄34に係合する形態とされている(例えば図4参照)。このような構成とすることで、一対の板部材14a,14bは、回転軸16を起点として上下の板部材14a,14bを逆転させるように回転することが可能となる。これにより、一対の板部材14a,14b双方の外側面を払拭面として使用することが可能となる。
【0022】
柄34は、支持アーム32が係合し、使用者が保持し易い形状であれば、その具体的な形状等を問うものでは無い。図1図4に示す例では比較的短い柄34を備える形態としているが、棒状の長い柄を備える形態であっても良い。
【0023】
[作用]
上記のような構成の拭き掃除用器具10は、クリップ部12に対して、図4図5に示すように払拭具40を巻回させて使用する。具体的には、払拭具40の一方の端部をクリップ部12を構成する一方の板部材(例えば板部材14a)における挟持側端部14a1から突出させた状態で、一方の板部材14aの外側面に当接させるように配置する。その後、一方の板部材14aの押圧側端部14a2から突出している払拭具40を他方の板部材(例えば板部材14b)の押圧側端部14b2に掛け渡すように配置し、さらに同板部材14bの外側面に当接させ、払拭具40の他方の端部を他方の板部材14bにおける挟持側端部14b1から突出させる。
【0024】
この状態で一対の板部材14a,14bの押圧側端部14a2,14b2に、両者を近接させる方向の力を加えることで、挟持側端部14a1,14b1に配置された挟持用突起22aと挟持用突起22bとの間に隙間が生じる。この隙間に払拭具40の端部を入れ込んだ後、押圧側端部にかけていた力を開放することで、挟持用突起22a,22bが払拭具40の端部を挟持し、払拭具40の装着が完了する。
【0025】
[効果]
上記のような構成の拭き掃除用器具10によれば、一対の板部材14a,14bに巻回させることができ、挟持側端部14a1,14b1に挟み込む事ができる部材であれば、払拭具40として採用することができるため、払拭具40の選択自由度が高い。また、クリップ部12を包み込むように払拭具40を配置した上で、挟持側端部14a1,14b1で払拭具40の端部を挟み込むだけで装着できるため、器具に対する払拭具40の着脱が容易となる。さらに、回転軸16を起点として、板部材14a、14bの配置位置を反転させることが可能であるため、一対の板部材14a,14b双方の外側面に当接している払拭具40により払拭作業を行うことができる。このため、払拭具40の交換頻度も下げることができる。また、従来技術と異なり、払拭具40に予め穴あけ等の加工を施す事なく装着することができる。
【0026】
[応用形態]
上記実施形態では、持手部30を構成する柄34に係合する支持アーム32は一対設けられ、回転軸16の両端部に接続されているように記載した。しかしながら、素材の選択や設計上の強度により撓み等を抑制し、十分な強度を備えるものであれば、支持アーム32を1つとし、回転軸16の端部のうちのいずれか一方に係合させるようにしても良い。このような構成とした場合であっても、同様な効果を奏することができるからである。
【符号の説明】
【0027】
10………拭き掃除用器具、12………クリップ部、14a………板部材、14a1………挟持側端部、14a2………押圧側端部、14b………板部材、14b1………挟持側端部、14b2………押圧側端部、16………回転軸、18………付勢手段、20a………回転軸支持部、20b………回転軸支持部、22a………挟持用突起、22b………挟持用突起、30………持手部、32………支持アーム、34………柄、40………払拭具。
図1
図2
図3
図4
図5