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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018876
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】仏壇等の祈りの対象物の置物
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20230202BHJP
   A47G 33/02 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A47G33/00 L
A47G33/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123232
(22)【出願日】2021-07-28
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】506109454
【氏名又は名称】株式会社 小堀
(74)【代理人】
【識別番号】100195431
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 史樹
(72)【発明者】
【氏名】小堀 賢一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】神聖さを感じ取ることができる仏壇等の祈りの対象物の置物を提供すること。
【解決手段】自然木600の形状を用いた祈りの対象物を配置する置物100であって、前記対象物を配置するための配置部400を含み、前記配置部400の入口の上部が放物線上であり、前記配置部400の内側には漆が塗布されている祈りの対象物を配置する置物100を提供する。また、配置部400に塗布されている漆の上に金箔が貼られていてもよい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然木の形状を用いた祈りの対象物を配置する置物であって、
前記対象物を配置するための配置部を含み、
前記配置部の入口の上部が放物線上であり、
前記配置部の内側には漆が塗布されている祈りの対象物を配置する置物。
【請求項2】
前記ケース部材の内側に金箔が貼られている請求項1に記載の祈りの対象物を配置する置物。
【請求項3】
前記配置部が、前記自然木を刳り抜いたものである請求項1又は2記載の祈りの対象物を配置する置物。
【請求項4】
前記配置部の側断面の形状が放物線状の一部である請求項1、2又は3記載の祈りの対象物を配置する置物。
【請求項5】
前記配置部の底面の奥行きの形状が放物線状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の祈りの対象物を配置する置物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仏壇や神棚等の祈りの対象物の置物に関する。
【背景技術】
【0002】
古くから我が国の人々は、祈りの習慣をもっており、山や岩、樹木といった自然のものから、使い親しんでいる道具類に至るまで、神(霊魂)が宿ると考え、祈りの対象となっていた。
【0003】
宗教と言えば何となく抵抗がある人々であっても、神聖なものには憧れや愛着がある人が多く、慶事や弔事にとらわれず無意識に祈る人が多い。そして、日本人の51.8%が無宗教という統計があり、これは世界で5番目の多さである。
【0004】
特に日本人には、一般的に、山、岩、樹木という自然のものから道具類に至るまで、そこに神仏や魂が宿るという思いがある。
【0005】
先行文献1では、仏壇としては一般には使用されなかった自然石が用いられた仏壇が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-95339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
京都の伝統産業の一つに仏壇仏具がある。この仏壇仏具を作る技術者は、技術だけでなく、製品に魂を吹き込み、神聖さを生み出している。
【0008】
しかしながら、長い歴史の中で、見本、型及び下絵といったものが蓄積され、現在、当該技術者達は、先人が残したものを参考にすることが多く、新しく創作することがほとんどなくなってしまった。
【0009】
このようなことは技術の伝承という意味では良いが、神聖さが感じ取れる製品がなくなってしまうという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、神聖さを感じ取ることができる仏壇、神棚、厨子等の祈りの対象物の置物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の局面に係る祈りの対象物を配置する置物は、自然木の形状を用いた祈りの対象物を配置する置物であって、
前記対象物を配置するための配置部を含み、
前記配置部の入口の上部が放物線上であり、
前記配置部の内側には漆が塗布されている祈りの対象物を配置する置物である。
【0012】
自然木の形状をそのまま用いているため、人々はその自然木の形状に神聖さを感じることができる。
【0013】
また、配置部の内側には漆が塗布されており、人々はより神聖さを感じることができる。
【0014】
本発明の第2の局面に係る祈りの対象物を配置する置物は、第1の局面に係る祈りの対象物を配置する置物であって、前記ケース部材の内側に金箔が貼られている祈りの対象物を配置する置物である。
【0015】
配置部の内側に漆が塗布されており、その漆の上に金箔が貼られている。
【0016】
配置部の内側に金箔が貼られることにより、高級感が生じ、人々はより神聖さを感じることができる。
【0017】
具体的には、配置部の内側に金箔が貼られていることにより、祈りの対象物を配置する置物の見栄えが良くなり、神聖さを感じ易くなる。
【0018】
本発明の第3の局面に係る祈りの対象物を配置する置物は、第1の局面又は第2の局面に係る祈りの対象物を配置する置物であって、
前記配置部が、前記自然木を刳り抜いたものである祈りの対象物を配置する置物である。
【0019】
自然木を貫通させないことにより、自然木の形状をできる限り残すことができ、美感を損ない難く、神聖さを感じ易くなる。
【0020】
本発明の第4の局面に係る祈りの対象物を配置する置物は、第1の局面、第2の局面又は第3の局面に係る祈りの対象物を配置する置物であって、
前記配置部の側断面の形状が放物線状の一部である祈りの対象物を配置する置物である。
【0021】
「配置部の側断面」とは、実施例でいうと、y軸負方向側のxz平面を正面として、yz平面と平行にカットとした断面図である。
【0022】
配置部の側断面の形状に関して、入口(y軸負方向側)の上部が一番高くなるような放物線の形状とすることにより、正面側(y軸負方向側)から見て配置部の上部も見えるため、漆が塗布されている又は金箔が貼られている状態が見え易くなり、人々はより神聖さを感じ易くなる。
【0023】
本発明の第5の局面に係る祈りの対象物を配置する置物は、第1の局面乃至第4の局面に係る祈りの対象物を配置する置物であって、
前記配置部の底面の奥行きの形状が放物線状である祈りの対象物を配置する置物である。
【0024】
前記配置部の底面(z軸負方向側の面、配置底面部)の奥行きの形状を放物線状とすることにより、正面(y軸負方向側)から見て配置部の側面側(配置側面部)も見えるため、塗布されている漆や貼られている金箔が見え易くなり、人々は神聖さを感じ易くなる。
【0025】
配置部には、彫り模様が付されていてもよい。これにより、その上に金箔が貼られた場合、その金箔に当たった光が様々な方向に反射し、人々は神聖さを感じ易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係る一実施形態(第1実施形態)の祈りの対象物を配置する置物の正面斜視図。
図2】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物の斜視図。
図3】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物の斜視図。
図4】本発明に係る一実施形態(第2実施形態)の祈りの対象物を配置する置物の正面斜視図。
図5】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物の右側面斜視図。
図6】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物の左側面斜視図。
図7】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物のA-A側面断面図。
図8】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物のB-B平面断面図。
図9】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物の背面斜視図。
図10】同実施形態の祈りの対象物を配置する置物の正面斜視図。
図11】本発明に係る一実施形態(第3実施形態、第4実施形態)の祈りの対象物を配置する置物の斜視図。
図12】本発明に係る一実施形態(第3実施形態)の正面斜視図。
図13】同実施形態の一部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に関して図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る祈りの対象物の置物100は、
カットされた自然木200と、
自然木200を載置する載置部材300と、
自然木200の側面であるxz平面側に配置される配置部400と、
配置部400内に配置される祈願の対象物500と、を含む。
【0028】
祈りの対象物の置物100の例としては、仏壇、神棚、厨子等が挙げられる。
【0029】
自然木200は、本実施形態では北山杉が用いられており、z軸方向の寸法が30cm程度に切断された丸太であり、xy平面の直径が約15cmである。
【0030】
なお、自然木200はどのような形状であってもよく、どのような大きさであってもよい。
【0031】
また、本実施形態では丸太が用いられているが、皮が付いた状態のものであってもよい。
【0032】
自然木200は、自然の状態の木の形状をそのまま利用するものであり、本実施形態の自然木200は、30cm程度に切断したものであり、皮を剥ぎ乾燥させた北山杉が用いられている。
【0033】
自然木200の表面には、漆が塗布されてもよい。
【0034】
載置部材300は、自然木200を載置するところである。本実施形態では、載置部材300はxy平面視円形である。
【0035】
配置部400は、祈りの対象物500が配置される部分であり、自然木200のxz平面の略中央部がくり抜かれたところである。
【0036】
配置部400は自然木200をy軸方向に貫通させてもよいが、見栄えが悪くなるため貫通させないものが好ましい。
【0037】
配置部400は、正面側(y軸負方向側)から見て、入口410の上部が放物線状になっており、配置部400の内側を形成する配置側面部420と、配置底面部430と、を有する。なお、放物線状の形状は、精確な放物線状でなくてもよいが、精確な放物線状であることが好ましい。
【0038】
配置側面部420は、配置部400の上面と側面を形成する。
【0039】
配置部400のyz平面と平行にカットした側断面の形状は、放物線状の一部の形状であり、本実施形態では、入口410の上部が一番高い点として放物線状に傾斜している。
【0040】
これにより、配置部400を正面(y軸負方向側)から見た場合、配置部400の上面側も見え易い。
【0041】
したがって、配置部400の上面と側面の境目がなく、配置側面部420は、上面と側面が一体的になっているため、看者は、漆塗りされた又は金箔が貼られた配置部400の存在感を感じ易くなる。
【0042】
つまり、配置部400の内側(配置側面部420、配置底面部430)に塗布された漆や貼られた金箔が見え易くなり、祈りの対象物を配置する置物100に対して、看者は高級感や神聖さを感じ易くなる。
【0043】
なお、配置部400の上面と側面の境目がわかるような構成であってもよい。
【0044】
配置底面部430は、配置部400の底面を形成する。配置底面部430の形状は、奥行きが放物線状であり、その形状に沿って上部側に配置側面部420が形成されている。
【0045】
したがって、左側(x軸負方向側)と奥側(y軸正方向側)と右側(x軸正方向側)の境目がなく、配置側面部420が一体的になっているため、看者は、漆塗りされた又は金箔が貼られた配置部400の存在感を感じ易くなる。
【0046】
なお、配置底面部430の奥行きの放物線状の形状は、精確な放物線状でなくてもよいが、精確な放物線状であることが好ましい。また、配置側面部420の左側(x軸負方向側)と奥側(y軸正方向側)と右側(x軸正方向側)の境目がわかるような構成であってもよい。
【0047】
本実施形態において、配置部400の配置側面部420と配置底面部430には、漆が塗布されている。
【0048】
対象物500は、使用者の祈りの対象である。祈りの対象は使用者によって異なるためどのようなものであってもよい。
【0049】
対象物500の例としては、御札、仏像等が挙げられる。
【0050】
<第2実施形態>
第2実施形態は、図4乃至図10に示すように、自然木の形状が第1実施形態の自然木200とは異なる形状の自然木600である。本実施形態においても自然木600は北山杉が用いられている。なお、第1実施形態と同様の内容に関しては、第1実施形態の番号をそのまま使用する。
【0051】
第2実施形態では、祈りの対象物を配置する置物100には載置部材300が使用されていない。
【0052】
第2実施形態では、配置部400に塗布されている漆の上に金箔が貼られている。
【0053】
具体的には、配置部400の配置側面部420及び配置底面部430に箔下漆という光沢の少ない漆が塗布され、その上に金箔が貼られる。
【0054】
図7は、自然木600をA-A断面で切断した側面断面図になる。図7の断面図からわかるように、配置部400の配置側面部420の形状は、放物線状の一部で構成されている。
【0055】
また、図8は、自然木600をB-B断面で切断した平面断面図になる。図8の断面図からわかるように、配置部400の配置底面部430の奥行きの形状は、放物線状の一部で構成されている。
【0056】
<第3実施形態、第4実施形態>
図11は、第3実施形態の自然木700と第4実施形態の自然木800である。
【0057】
図12及び図13は、第3実施形態の自然機700である。
【0058】
自然木700は、平らにカットされx軸負方向側(左側)に配置される左側面部710と、平らにカットされx軸正方向側(右側)に配置される右側面部720と、を有する。
【0059】
左側面部710と右側面部720とは平行であるのが好ましい。なお、左側面部710及び右側面部720のいずれか一方だけ設けられてもよい。
【0060】
左側面部710及び右側面部720が設けられることにより、左側面部710及び右側面部720には木目が現れ神聖さを増す。
【0061】
左側面部710及び右側面部720には漆が塗布される。左側面部710及び右側面部720に漆が塗布されることにより、木目が強調され、また、漆による味わいがでることにより、さらに神聖さを増す。
【0062】
図13に示すように、配置部400には、漆が塗布された上に金箔が貼られている。
【0063】
配置側面部420のy軸正方向側(奥側)には、彫りによる彫り模様421が付されている。
【0064】
配置側面部420に彫り模様421が付され、その上に漆が塗布されて、さらに金箔が貼られることにより、彫り模様421が強調され、より神聖さを増す。また、彫り模様421の上に金箔が貼られることにより、金箔に当たった光が様々な方向に反射し、人々はより神聖さを感じ易くなる。
【0065】
なお、彫り模様421は、配置側面部420の奥側(y軸正方向側)のみ設けてもよいが、側面側(x軸方向側)にも設けてもよい。
【0066】
第4実施形態は、第3実施形態と同様の高さのある自然木800であり、配置部400には、第1実施形態と同様に、金箔が貼られておらず、漆が塗布されているものになる。
【0067】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。
【0068】
例えば、第1実施形態乃至第4実施形態の特徴を組み合わせたり、取捨選択してもよい。
【符号の説明】
【0069】
100…置物
200…自然木(第1実施形態)
300…載置部材
400…配置部
410…入口
420…配置側面部
421…彫り模様
430…配置底面部
500…対象物
600…自然木(第2実施形態)
700…自然木(第3実施形態)
710…左側面部
720…右側面部
800…自然木(第4実施形態)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13