(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018886
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】蓋の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 51/16 20060101AFI20230202BHJP
B26F 1/40 20060101ALI20230202BHJP
B26F 1/18 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B65D51/16 300
B26F1/40 B
B26F1/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123246
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】592145039
【氏名又は名称】協栄プリント技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】小林 明宏
(72)【発明者】
【氏名】山田 淳
【テーマコード(参考)】
3C060
3E084
【Fターム(参考)】
3C060AA04
3C060BA03
3C060BB08
3C060BC13
3C060BD01
3C060BG08
3C060BH01
3E084AA06
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB10
3E084CC03
3E084CC04
3E084CC05
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084DC04
3E084DC05
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA06
3E084KB10
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
(57)【要約】
【課題】通常時における塵埃等の浸入抑制と、加熱時における水蒸気等の排出促進とをバランスすることができる蓋の製造方法を提供する。
【解決手段】使い捨てタイプの食品用容器における蓋の製造方法は、トムソン型10を用いて蓋に切れ目を入れることにより、蓋に通気孔と、通気孔を開閉可能に閉止する片持ち状の弁とを同時に形成する孔加工工程を備える。トムソン型は、ベースプレート11と、トムソン刃12と、ベースプレートに設けられトムソン刃が挿入される刃溝13とを備える。トムソン刃は、少なくとも1回折り返された状態で刃溝に挿入されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てタイプの食品用容器における蓋の製造方法であって、
トムソン型を用いて前記蓋に切れ目を入れることにより、前記蓋に通気孔と、前記通気孔を開閉可能に閉止する片持ち状の弁とを同時に形成する孔加工工程を備え、
前記トムソン型は、
ベースプレートと、
トムソン刃と、
前記ベースプレートに設けられ前記トムソン刃が挿入される刃溝と、
を備え、
前記トムソン刃は、少なくとも1回折り返された状態で前記刃溝に挿入されている
ことを特徴とする蓋の製造方法。
【請求項2】
前記トムソン刃は、その長手方向の一端側から他端側に向かって順に配置された折り返し前部分と、折り返し部分と、折り返し後部分とを有する
請求項1に記載の蓋の製造方法。
【請求項3】
前記トムソン型は、前記折り返し前部分と前記折り返し後部分に挟まれるスペーサを備える
請求項2に記載の蓋の製造方法。
【請求項4】
前記トムソン刃は、前記折り返し前部分と前記折り返し後部分が密着されるように折り返される
請求項2に記載の蓋の製造方法。
【請求項5】
前記トムソン刃は、片刃タイプとされ、前記折り返し前部分のオフセット側と前記折り返し後部分のオフセット側とが互いに近づくよう折り返される
請求項2~4のいずれか一項に記載の蓋の製造方法。
【請求項6】
前記トムソン刃は、U字形の前記通気孔および前記弁を形成するよう、U字形に1回折り返される
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓋の製造方法。
【請求項7】
前記トムソン刃は、波U字形の前記通気孔および前記弁を形成するよう、U字形に1回折り返されると共に、波形に曲げられている
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓋の製造方法。
【請求項8】
前記刃溝に、複数の前記トムソン刃が並列に配置された状態で挿入される
請求項1~7のいずれか一項に記載の蓋の製造方法。
【請求項9】
前記トムソン刃は、十字形の前記通気孔および前記弁を形成するよう、十字形に3回折り返される
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓋の製造方法。
【請求項10】
使い捨てタイプの食品用容器における蓋に切れ目を入れることによって前記蓋に通気孔と、前記通気孔を開閉可能に閉止する片持ち状の弁とを同時に形成するためのトムソン型であって、
ベースプレートと、
トムソン刃と、
前記ベースプレートに設けられ前記トムソン刃が挿入される刃溝と、
を備え、
前記トムソン刃は、少なくとも1回折り返された状態で前記刃溝に挿入されている
ことを特徴とするトムソン型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は蓋の製造方法に係り、特に、使い捨てタイプの食品用容器における蓋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弁当、生鮮食品等の食品を入れる容器本体と、容器本体に被さってその上端開口部を閉じる蓋とを備えた食品用容器が公知である。こうした食品用容器は一般的に、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の商店で食品を販売するときだけ使用される使い捨てタイプであり、蓋は中味が見えるよう、透明なプラスチックシートでできている。また、容器内の食品の鮮度を保つため、蓋には通気孔が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この通気孔に関しては、外部の塵埃等が通気孔を通じて容器内に浸入しないよう、そのサイズをできるだけ小さくすることが望まれる。一方、容器内の食品は容器ごと電子レンジ等で加熱することが予定されており、この加熱時に食品から水蒸気等が発生する。通気孔には、この水蒸気等を円滑に外部に排出することも望まれており、そのためには一定以上の大きさのサイズが必要である。
【0005】
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、通常時における塵埃等の浸入抑制と、加熱時における水蒸気等の排出促進とを良好にバランスすることができる蓋の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、
使い捨てタイプの食品用容器における蓋の製造方法であって、
トムソン型を用いて前記蓋に切れ目を入れることにより、前記蓋に通気孔と、前記通気孔を開閉可能に閉止する片持ち状の弁とを同時に形成する孔加工工程を備え、
前記トムソン型は、
ベースプレートと、
トムソン刃と、
前記ベースプレートに設けられ前記トムソン刃が挿入される刃溝と、
を備え、
前記トムソン刃は、少なくとも1回折り返された状態で前記刃溝に挿入されている
ことを特徴とする蓋の製造方法が提供される。
【0007】
好ましくは、前記トムソン刃は、その長手方向の一端側から他端側に向かって順に配置された折り返し前部分と、折り返し部分と、折り返し後部分とを有する。
【0008】
好ましくは、前記トムソン型は、前記折り返し前部分と前記折り返し後部分に挟まれるスペーサを備える。
【0009】
好ましくは、前記トムソン刃は、前記折り返し前部分と前記折り返し後部分が密着されるように折り返される。
【0010】
好ましくは、前記トムソン刃は、片刃タイプとされ、前記折り返し前部分のオフセット側と前記折り返し後部分のオフセット側とが互いに近づくよう折り返される。
【0011】
好ましくは、前記トムソン刃は、U字形の前記通気孔および前記弁を形成するよう、U字形に1回折り返される。
【0012】
好ましくは、前記トムソン刃は、波U字形の前記通気孔および前記弁を形成するよう、U字形に1回折り返されると共に、波形に曲げられている。
【0013】
好ましくは、前記刃溝に、複数の前記トムソン刃が並列に配置された状態で挿入される。
【0014】
好ましくは、前記トムソン刃は、十字形の前記通気孔および前記弁を形成するよう、十字形に3回折り返される。
【0015】
本開示の他の態様によれば、
使い捨てタイプの食品用容器における蓋に切れ目を入れることによって前記蓋に通気孔と、前記通気孔を開閉可能に閉止する片持ち状の弁とを同時に形成するためのトムソン型であって、
ベースプレートと、
トムソン刃と、
前記ベースプレートに設けられ前記トムソン刃が挿入される刃溝と、
を備え、
前記トムソン刃は、少なくとも1回折り返された状態で前記刃溝に挿入されている
ことを特徴とするトムソン型が提供される。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、通常時における塵埃等の浸入抑制と、加熱時における水蒸気等の排出促進とを良好にバランスすることができる蓋の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る食品用容器を示す図である。
【
図4】本実施形態に係るトムソン型を示す図である。
【
図8】孔加工工程を説明するための正面断面図である。
【
図9】孔加工工程を説明するための正面断面図である。
【
図12】トムソン刃のタイプの例を示す正面図である。
【
図14】第3変形例のベースプレートを示す図である。
【
図16】第4変形例のトムソン型の各部材を示す図である。
【
図18】第5変形例のトムソン型の各部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお本開示は以下の実施形態に限定されない点に留意されたい。
【0019】
図1は、本開示の実施形態に係る食品用容器を示し、(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のIb-Ib断面図)である。便宜上、前後左右上下の各方向を図示の通り定める。但しこれら各方向が説明の便宜上定められたものに過ぎない点に留意されたい。また以下に述べる各図の寸法は、理解容易のため誇張している場合があり、必ずしも正確ではない点に留意されたい。
【0020】
食品用容器1は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の商店で食品を販売するときだけ使用される使い捨てタイプの容器である。食品用容器1は、食品Fを入れる容器本体2と、容器本体2に被さってその上端開口部を閉じる蓋3とを備える。本実施形態の食品Fは弁当であり、食品用容器1は、例えばコンビニエンスストアで販売される弁当を入れる密閉容器として使用される。本実施形態の容器本体2と蓋3は、
図1(A)に示すように平面視において円形であるが、その形状は限定されず、四角形、楕円形等であってもよい。
【0021】
容器本体2と蓋3は、ともにプラスチック製であり、プラスチックのシート材を真空成形等することにより形成される。プラスチック材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が使用可能である。例えば、容器本体2をポリプロピレン製、蓋3をポリエチレン製とすることができる。蓋3は、内容物が見えるよう透明とされる。
【0022】
なお、容器本体2と蓋3の材質はプラスチック以外であってもよく、例えば紙であってもよい。
【0023】
容器本体2は、円形ボウル状とされ、その上端縁部2Aは半径方向外側に向かって折り返されている。この上端縁部2Aの外側に、略円盤状の蓋3の外周縁部3Aがきつく嵌合され、容器1内が密閉状態とされる。蓋3の外周縁部3Aも、容器本体2の上端縁部2Aに符合した折り返し形状とされている。蓋3の外周縁部3Aより内側の部分は、外周縁部3Aより低く位置された水平円板状の中央部3Bとされる。
【0024】
この蓋3の中央部3Bに、容器1内の食品Fの鮮度を保つための通気孔4が形成される。特に本実施形態では、後述の孔加工工程により、通気孔4と同時に、通気孔4を開閉可能に閉止する片持ち状の弁5が形成される。通気孔4と弁5の組(便宜上、孔組という)は、本実施形態では格子状に配列されて6個設けられている。この6個の孔組の群(便宜上、孔組群という)は、本実施形態では
図1(A)に示すように、蓋3の中心から半径方向外側(前側)にオフセットして配置されている。
【0025】
なお、孔組の数、位置、配置方法等は任意であり、1個でもよいし、6個以外の複数個であってもよい。孔組群についても同様である。
【0026】
図2に拡大して示すように、1つの孔組における通気孔4と弁5は、本実施形態では左右方向に延びるU字状(もしくはヘアピン形状)とされている。蓋3には、これを貫通するU字状の切れ目6が形成され、これにより通気孔4と板状の弁5とが同時に形成される。直線状の破線7は、通気孔4の長手方向の基端(一端)と、蓋3に繋がる弁5の長手方向の基端(一端)とを表す。一方、通気孔4の長手方向の先端(他端)8と、弁5の長手方向の先端(他端)9とは、半円状に形成されている。
【0027】
通気孔4、弁5および切れ目6(通気孔4等という)は非常に小さいサイズを有し、極めて細長いサイズを有する。本実施形態の場合、通気孔4、弁5および切れ目6の長さAと幅Bは実質的に等しく、長さAは30mm、幅Bは0.6mmである。
【0028】
図3に示すように、通常時、弁5は通気孔4を実質的に完全に閉じている。両者の隙間は切れ目6だけである。従って通気孔4を通じて外部の塵埃等(塵埃、虫、異物等)が容器1内に浸入するのをほぼ完全に抑制することができる。本実施形態の蓋3は、外部の塵埃等の容器1内への浸入抑制に極めて有利である。
【0029】
またこのとき、切れ目6を通じて容器内外間の空気の流通を行うことができる。よって容器1内の食品Fの鮮度を良好に保つことができる。
【0030】
仮に、何等かの原因で弁5が開いてしまったとしても、通気孔4の幅Bが非常に小さいので、通気孔4を通じた塵埃等の浸入リスクを最大限に抑制できる。
【0031】
一方、蓋3が被せられて密閉された容器1内の食品Fは、容器1ごと電子レンジで加熱することが予定されている。こうした加熱時に、食品Fから水蒸気や湯気(水蒸気等という)が発生するので、これを外部に逃がす必要がある。
【0032】
このとき、弁5が仮想線aで示す如く水蒸気等Vに押されて上方に弾性的に湾曲変形し、通気孔4を開く。これにより通気孔4を通じて、水蒸気等Vをスムーズに排出することができ、加熱を円滑かつ安全に行うことができる。こうして通気孔4は良好な蒸気抜き孔としても機能する。
【0033】
このように本実施形態によれば、通常時における容器内への塵埃等の浸入抑制と、加熱時における容器外への水蒸気等の排出促進とを良好にバランスさせることができる。
【0034】
ところで、通気孔4の用途は上記に限られない。例えば、食品Fがカップ焼きそばの麺であるとき、通気孔4を湯切り孔として使用することができる。このとき弁5がお湯に押されて上方に湾曲変形するので、通気孔4を通じて容器内のお湯を円滑に排出することができる。
【0035】
また、食品Fが水分を多く含む野菜等であるとき、野菜等が所謂汗をかいて容器内に水が溜まることがある。このとき、通気孔4を水切り孔として使用することもできる。
【0036】
通気孔4等のサイズ、数および形状等は、上記機能を満足できるよう最適に設定される。
【0037】
本実施形態は、このように優れた小サイズの弁5付き通気孔4を有する蓋3の製造方法を提供するものである。
【0038】
本実施形態の蓋3の製造方法は、プラスチックシート材を切断および成形(特に真空成形)して所定形状の蓋3を作成する成形工程と、成形工程によって作成された蓋3に通気孔4と弁5を同時に形成する孔加工工程とを備える。本実施形態の製造方法は、この孔加工工程で後述のトムソン型を用いる点に特徴がある。
【0039】
図4に、孔加工工程で用いられるトムソン型を示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のIVb-IVb断面図)である。なお、6個の通気孔4等は同様の方法で作成されるので、以下便宜上、通気孔4等を1個とした場合について説明する。
【0040】
トムソン型10は、ベースプレート11と、トムソン刃12と、ベースプレート11に設けられトムソン刃12が挿入される刃溝13とを備える。トムソン刃12は、少なくとも1回折り返された状態で刃溝13に挿入されている。またトムソン型10は、スペーサ14も備える。
【0041】
図5に、ベースプレート11を単体で示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のVb-Vb断面図)である。
【0042】
ベースプレート11は、トムソン刃12を直立状態で支持するための板状の部材である。その材料には木、樹脂または金属を用いることができる。本実施形態では耐久性と加工性を考慮して導電性金属、特に鉄を用いている。本実施形態のベースプレート11は平面視で左右方向に長い長方形とされている。
【0043】
ベースプレート11には、平面視で左右方向に直線的に延びるU字状の刃溝13が貫通形成されている。刃溝13は、トムソン刃12の外形状に倣った形状とされ、トムソン刃12がぴったりと嵌合挿入されるように構成されている。刃溝13は、長さAgと幅Bgと深さCgを有する。本実施形態の場合、上記の通気孔4のサイズ(A=30mm、B=0.6mm)と後述のトムソン刃12のサイズとに合わせて、Ag=30.23mm、Bg=1.06mmとされる。刃溝13は貫通孔なので、その深さCgはベースプレート11の厚さCpに等しい。
【0044】
平面視において、刃溝13の長手方向(左右方向)における基端(右端)15は、長手方向に垂直な直線状とされ、先端(左端)16は半円状とされている。先端16の曲率半径は例えば0.53mmである。また基端15と先端16の間に延びる前後の側端縁17,18は、平面視において、長手方向(左右方向)に平行な直線状とされている。
【0045】
この刃溝13は、ベースプレート11をワイヤー放電加工でくり抜くことによって形成される。このためにも、ベースプレート11は導電性金属である鉄で形成されている。ワイヤー放電加工を用いて刃溝13を形成するので、小サイズの刃溝13を高精度で形成することができる。なお、ベースプレート11に導電性金属以外の材料(例えば絶縁材料である木、樹脂等)を用いた場合には、マシニングセンタ等で切削加工することによって刃溝13を形成できる。刃溝13は、レーザー加工機によって形成してもよい。
【0046】
図4(B)に示すように、ベースプレート11は、同じく金属製板状のベースプレートホルダ19の上に載置され、複数のボルト20で固定される。そのためベースプレート11の外周縁部には、ボルト20を螺合させる複数の雌ネジ孔21が貫通して設けられている。ベースプレート11がベースプレートホルダ19に固定されると、刃溝13の下端がベースプレートホルダ19によって閉止される。
【0047】
図6に、トムソン刃12を単体で示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のVIb-VIb断面図)である。
【0048】
トムソン刃12は、金属(特に鉄)製の板状の刃物であり、長手方向の基端(一端)22と先端(他端)23を有する。そしてトムソン刃12は、その長手方向の中間部で、平面視でU字形をなすよう、厚さTb方向に1回だけ、180°折り返される(もしくは折り畳まれる)。この折り返し部分24より基端22側の部分を折り返し前部分25といい、折り返し部分24より先端23側の部分を折り返し後部分26という。トムソン刃12は、その長手方向の基端22側から先端23側に向かって順に配置された折り返し前部分25と、折り返し部分24と、折り返し後部分26とを連続して有することになる。トムソン刃12は、その長さが略半分になるよう折り返される。基端22と先端23は左右方向の同一位置に位置される。
【0049】
折り返し前部分25と折り返し後部分26は、左右方向に平行に直線状に延びる。また折り返し前部分25と折り返し後部分26の間には一定の幅Dbの隙間27が形成される。
【0050】
トムソン刃12は、刃先28を上に向けて直立状態で配置される。トムソン刃12は、厚さTbが一定の下側のベース部29と、ベース部29の上端から刃先28に向かって厚さが徐々に薄くなる上側の刃部30とを一体的に有する。本実施形態のトムソン刃12はセンター刃タイプであり、厚さTbの丁度半分の位置に刃先28がある。ちなみに当然ながら、ベース部29、刃部30および刃先28はトムソン刃12の全長に亘って設けられている。
【0051】
本実施形態の場合、トムソン刃12の厚さTbは汎用サイズの0.45mmとされる。なお他の汎用サイズである0.7mmも好ましい。また折り返された状態のトムソン刃12の長さAbは30.225mm、幅Bbは1.05mmとされる。トムソン刃12の高さCbは刃溝13の深さCgより大きくされ、
図4(B)に示すように、刃部30の全体と、ベース部29の上端部とが刃溝13から上方に突出するような高さとされる。
【0052】
図7に、スペーサ14を単体で示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のVIIb-VIIb断面図)である。
【0053】
スペーサ14は、金属(特に鉄またはステンレス)製の板またはシートにより形成される。本実施形態では、市販のシムテープを所定長さに切断してスペーサ14が形成されている。なおスペーサ14の材質は金属に限定されず、プラスチック等であってもよい。
【0054】
スペーサ14は、左右方向に直線的に細長く延ばされた長方形板状とされる。スペーサ14は、その厚さTs方向が幅Bs方向(前後方向)に一致するよう直立状態で配置される。スペーサ14の厚さTsは、隙間27の幅Dbと等しくされる。スペーサ14の長さAsは、折り返し前部分25および折り返し後部分26の長さと等しくされる。
【0055】
図4(B)に示すように、スペーサ14は、トムソン刃12の折り返し前部分25と折り返し後部分26に挟まれて配置され、これらの間の隙間27に配置される。これによりスペーサ14は、両部分25,26を正確に位置決めすると共に、孔加工時に両部分25,26が互いに向かって(トムソン刃12の幅Bb中心側に)倒れ込むのを防止する。こうした意味でスペーサ14は補強プレートを構成する。
【0056】
本実施形態の場合、スペーサ14の幅Bsおよび厚さTsは、隙間27の幅Dbと等しく、0.15mmとされる。スペーサ14の高さCsは、刃溝13の深さCgと等しくされる。
【0057】
トムソン刃12の厚さTbが0.45mm、スペーサ14の厚さTsが0.15mmである。これにクリアランス0.01mmを加え、刃溝13の幅Bgは0.45+0.45+0.15+0.01=1.06mmとされる。
【0058】
また刃溝13の長さAgは、通気孔4の長さ(A=30mm)と、トムソン刃12の厚さTbの半分(Tb/2=0.45/2=0.225mm)と、クリアランス(0.01mm)との和に等しくされ、30.235mmとされる。
【0059】
トムソン型10の組立方法は次の通りである。まず、折り返した状態のトムソン刃12と、所定長さAsに切断したスペーサ14を準備し、トムソン刃12にスペーサ14を予め挟んでおく。そしてこれらを一括して、ベースプレート11の刃溝13に挿入もしくは圧入する。ベースプレート11は、この挿入前または挿入後にベースプレートホルダ19に取り付けられる。挿入により、トムソン刃12の下端全体をベースプレート11に当接させる。これによりトムソン刃12の刃先28の高さ位置を正確に位置決めすることができ、その高さ位置のばらつきを抑制できる。
【0060】
図4(A)に示すように、組立後のトムソン型10において、刃先28の形状が蓋3の切れ目6の形状に一致する。つまり刃先28と、これを含む刃部30とにより、蓋3の切れ目6が形成される。折り返し前部分25と折り返し後部分26の刃先28の間隔Bt(
図6(B)参照)は、切れ目6の幅Bに等しい。
【0061】
図8に示すように、孔加工工程においては、プレス機の下型(図示せず)にトムソン型10が固定される一方、プレス機の昇降可能な上型31の下面に蓋3が固定される。そして上型31が下降され、蓋3がトムソン型10に接近される。図は、トムソン刃12の刃部30による蓋3の切り込み直前の状態を示す。なお、図示例とは逆に、上型31にトムソン型10が固定され、下型に蓋3が固定されてもよい。
【0062】
図9は、上型31がさらに下降され、蓋3がトムソン刃12の刃部30に押し付けられ、蓋3が完全に切り込まれたときの状態を示す。このとき、トムソン刃12の刃先28が上型31に接触され、蓋3にはU字状の通気孔4、弁5および切れ目6が同時に形成される。図中、折り返し前部分25と折り返し後部分26の刃部30に挟まれた蓋3の部分が弁5である。こうして、1回の下降動作により通気孔4等を容易に形成することができる。
【0063】
このように本実施形態の製造方法によれば、弁5付き通気孔4を蓋3に好適に形成することができる。
【0064】
特に、折り返されたトムソン刃12を1つの刃溝13に挿入している。よって、折り返し前部分25と折り返し後部分26の刃先28の間隔Btに等しい小さい幅Bの切れ目6を、確実に形成することができる。これは通気孔4の小型化、ひいては塵埃等の浸入抑制に極めて有効である。
【0065】
蓋3に切れ目6を入れるだけで、完全に打ち抜かないので、抜きカスが発生せず、抜きカスが誤って容器内に混入してしまうことを防止できる。
【0066】
本実施形態では、刃先間隔Btが切れ目6ひいては通気孔4等の幅Bを決定する。刃先間隔Btの大きさは、任意に設定することができ、後述するように、より小さくすることもできる。
【0067】
本実施形態では、通気孔4の幅Bより長さAを大きくし、細長い通気孔4を形成している。これにより、通気孔4の面積を拡大し、水蒸気等の排出を促進できる。またこうしても、通気孔4の幅Bが小さく、かつ弁5が通気孔4を塞ぐので、塵埃等の浸入を抑制できる。弁5も細長い形状となるので、水蒸気等の排出の際に弁5を開け易くすることができる。
【0068】
本実施形態では、ベースプレート11を金属製とし、その刃溝13にトムソン刃12を着脱可能に挿入している。よってトムソン刃12が劣化または破損したとき、これを交換することができ、ランニングコストを低減できる。ベースプレート11が金属製なので、トムソン刃12を繰り返し挿抜しても、刃溝13の変形を防止できる。
【0069】
なお、ベースプレートの材料として金属以外の木、樹脂等を用いることもあるが、この場合は一般的にトムソン刃が刃溝に圧入により取り付けられる。木、樹脂等はもろく、トムソン刃を挿入後、抜き差しすると、刃溝の溝幅が太くなりトムソン刃が正常に固定できなくなる。よってトムソン刃12が劣化等したときにはベースプレートごと交換しなければならず、ランニングコストが増加する傾向にある。本実施形態はこうした問題を解決可能である。
【0070】
因みに、通常のトムソン型では本実施形態のような幅Bの狭い通気孔4を作成することは実質的に不可能である。通常のトムソン型では、トムソン刃が折り返された場合、その折り返し形状に沿って刃溝も折り返されなければならない。しかし、刃溝の折り返し前部分と折り返し後部分の間には、スペーサ厚さTs(0.15mm)程度の肉厚しかない壁が形成される。使用中、この薄い壁が崩壊する可能性が高いので、上記結論となる。
【0071】
次に、本開示の変形例を説明する。なお前記基本実施形態と同様の部分については説明を割愛し、以下、基本実施形態との相違点を主に説明する。
【0072】
[第1変形例]
図10は、第1変形例のトムソン刃12を単体で示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のXb-Xb断面図)である。
【0073】
この第1変形例では、前記スペーサ14および隙間27が省略され、折り返し前部分25と折り返し後部分26が互いに密着されるよう、トムソン刃12が折り返されている。これにより刃先間隔Btは最小となり、基本実施形態よりスペーサ厚さTs(0.15mm)分だけ小さくなり、通気孔4等の幅Bをより小さくすることができる。ちなみにトムソン刃12は、基本実施形態と同様のセンター刃タイプである。
【0074】
本変形例のトムソン刃12の幅Bbも、基本実施形態よりスペーサ厚さTs分だけ小さい。トムソン刃12の長さAbは基本実施形態と同様である。このトムソン刃12のサイズ変更に合わせて、ベースプレート11の刃溝13のサイズも変更される。
【0075】
本変形例によれば、通気孔4等の幅Bをより小さくすることができるので、塵埃等の浸入抑制に益々有利である。
【0076】
[第2変形例]
図11は、第2変形例のトムソン刃12を単体で示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のXIb-XIb断面図)である。
【0077】
この第2変形例では、基本実施形態と同様の隙間27が設けられ、ここにスペーサ14が挿入される。しかしトムソン刃12は、基本実施形態とは異なる片刃タイプとされ、これにより刃先間隔Btが基本実施形態より小さくされている。
【0078】
すなわち、本変形例のトムソン刃12では、刃先28が厚さTbの丁度半分の位置になく、それよりも厚さTb方向の一方側に偏った位置にある。この偏る方向をオフセット方向もしくはオフセット側という。本変形例においては、折り返し前部分25のオフセット側と折り返し後部分26のオフセット側とが互いに近づくよう、トムソン刃12が折り返されている。
【0079】
このように片刃タイプを使用すると、トムソン刃12の基本形状を基本実施形態と同様に保ちながら、刃先間隔Btを基本実施形態より小さくすることができる。
【0080】
前述の第1変形例だと、基本実施形態より刃先間隔Btを小さくするために、折り返し部分24を基本実施形態よりきつく曲げなければならず、折り返し部分24の曲率半径をより小さくしなければならない。しかしこうすると、曲げによる破損リスクが高くなる。
【0081】
一方、本変形例では、折り返し部分24の曲げをきつくしなくても刃先間隔Btを小さくできる。そのため折り返し部分24の曲げによる破損リスクを低減することができる。本変形例によれば、基本実施形態と同程度の曲げで、基本実施形態より小さい刃先間隔Btを実現することができる。
【0082】
このように、通気孔4等の幅Bに応じて適切なタイプのトムソン刃12を使用し、スペーサ14の有無を決定することが好ましい。
【0083】
図12は、本実施形態で使用可能なトムソン刃12のタイプの幾つかの例を示す。(A)は基本実施形態と同様のセンター刃タイプを示す。(B)は、(A)より刃角θが大きく刃部30の長さが短い別の種類のセンター刃タイプを示す。(C)は第2変形例と同様の片刃タイプを示し、図中左側がオフセット方向である。なお、刃先28からオフセット側にも短い刃面30Xが形成されている。
【0084】
(D)は2段刃タイプを示す。刃部30は、刃先28側から順番に、大きい刃角θ1の第1刃部30Aと、小さい刃角θ2の第2刃部30Bとを有する。刃先28の位置はセンター刃タイプと同様である。
【0085】
(E)は3段刃タイプを示す。刃部30は、刃先28側から順番に、最も大きい刃角θ1の第1刃部30Aと、中間の刃角θ2の第2刃部30Bと、最も小さい刃角θ3の第3刃部30Cとを有する。刃先28の位置はセンター刃タイプと同様である。
【0086】
(F)は片2段刃タイプを示し、図中左側がオフセット方向である。刃部30は、刃先28側から順番に、大きい刃角θ1の第1刃部30Aと、小さい刃角θ2の第2刃部30Bとを有する。刃先28からオフセット側にも短い刃面30Xが形成される。
【0087】
[第3変形例]
図13は、第3変形例のトムソン型10を示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のXIIIb-XIIIb断面図)である。
【0088】
本変形例では、基本実施形態で述べたようなスペーサ14を挟んだトムソン刃12が、複数(具体的には3つ)、幅方向(前後方向)に並列に配置された状態で、1つの刃溝13に挿入されている。
【0089】
図14は、このトムソン型10におけるベースプレート11を示す。(A)は平面図、(B)は正面断面図((A)のXIVb-XIVb断面図)である。図示するように刃溝13の形状は、互いに並列され隣接された3つのトムソン刃12全体の外形状に合わせて変形されている。刃溝13の幅Bgは、
図5に示した基本実施形態の幅Bgの3倍とされる。刃溝13の先端(左端)16は、3つの半円が幅Bg方向に連続するような平面視形状とされる。
【0090】
このようなトムソン型10を使用すると、
図15に示すように、互いに並列された3つの通気孔4等を、1回の孔加工工程で蓋3に同時に形成することができ、加工効率を向上することができる。
【0091】
しかも通気孔4等の幅Bと同様、隣り合う通気孔4等同士の間隔Dも狭くすることができる。これは、狭い領域内に多くの通気孔4等を形成したい場合に有効である。なお、隣り合うトムソン刃12同士の間にスペーサ(図示せず)を挟むようにすれば、通気孔4等同士の間隔Dを広げることもできる。
【0092】
[第4変形例]
図16(A)~(C)はそれぞれ、第4変形例のトムソン型に用いられるベースプレート11および刃溝13と、トムソン刃12と、スペーサ14との平面図を示す。このトムソン型は、
図17に示すような波U字形の通気孔4等を形成するように構成されている。
【0093】
この通気孔4等は、基本実施形態で述べた直線U字形の通気孔4等(
図2参照)を波U字形に変形したものである。本変形例の通気孔4等の長さAと幅Bは基本実施形態と同じである。本変形例の通気孔4等は、一定幅Bのまま1周期の波形を描くよう曲げられている。
【0094】
図16(B)に示すように、トムソン刃12においては、通気孔4等の形状に対応して、基本実施形態におけるトムソン刃12(
図6参照)のうち、折り返し前部分25と折り返し後部分26が波形に曲げられている。そしてこれに対応して、刃溝13およびスペーサ14も波形に曲げられている。
【0095】
こうした波形の通気孔4も、小サイズかつ弁5付きであるため、前記同様の作用効果を果たせる。また本変形例によれば、基本実施形態のトムソン型に僅かな改良を施すだけで、異なる意匠の通気孔4等を容易に作成できる。
【0096】
この波形形状に類似したギザギザ形状の通気孔4等も容易に作成できることが容易に理解されるであろう。
【0097】
[第5変形例]
図18(A)~(C)はそれぞれ、第5変形例のトムソン型に用いられるベースプレート11および刃溝13と、トムソン刃12と、スペーサ14との平面図を示す。このトムソン型は、
図19に示すような十字形の通気孔4、弁5および切れ目6を形成するように構成されている。
【0098】
これら通気孔4等は、長さAと幅Bを有する(A>B)。また通気孔4等は、長さA方向に延びる第1延在部32と、幅B方向に延び第1延在部32に直交する第2延在部33とを有する。第1延在部32は、通気孔4等の長さAに等しい長さAaと、通気孔4等の幅Bより小さい幅Baとを有する。これら長さAaおよび幅Baは、
図2に示した基本実施形態の長さAおよび幅Bと等しい。第2延在部33は、通気孔4等の幅Bに等しい長さAbと、第1延在部32の幅Baに等しい幅Bbとを有する。第1延在部32の長さAaは、第2延在部33の長さAbより長くされる。通気孔4等は、その幅B中心に対称に形成されている。
【0099】
こうした通気孔4等を形成するため、
図18(B)に示すように、トムソン刃12は、十字形を形成するように3回折り返されている。トムソン刃12は、第1、第2および第3の折り返し部分24A,24B,24Cと、これらに対応した第1、第2および第3の折り返し前部分25A,25B,25Cと、第1、第2および第3の折り返し後部分26A,26B,26Cとを有する。第1の折り返し後部分26Aは第2の折り返し前部分25Bと共通であり、第2の折り返し後部分26Bは第3の折り返し前部分25Cと共通である。
【0100】
基端22側から先端23側に向かうにつれ、第1の折り返し前部分25Aは、基端22から右側に向かうと共に、その途中で後側に向かって直角に曲げられる。その後トムソン刃12は、第1の折り返し部分24Aをなすよう、前側に向かって180°折り返される。その後、第1の折り返し後部分26A(第2の折り返し前部分25B)は、右側に向かって直角に曲げられる。その後トムソン刃12は、第2の折り返し部分24Bをなすよう、左側に向かって180°折り返される。
【0101】
以下同様に、第2の折り返し後部分26B(第3の折り返し前部分25C)は、前側に向かって直角に曲げられる。その後トムソン刃12は、第3の折り返し部分24Cをなすよう、後側に向かって180°折り返される。第3の折り返し後部分26Cは、左側に向かって直角に曲げられ、先端23に至る。
【0102】
この十字形のトムソン刃12の外形状に倣って刃溝13も十字形に形成されている。またトムソン刃12の内側には十字形の隙間27が形成され、この隙間27に十字形のスペーサ14が挿入される。スペーサ14は、その高さCs(
図7(B)参照)と同一厚さの金属板(例えば鋼板)をワイヤー放電加工で十字形に切り抜いて作成される。
【0103】
こうしたトムソン型を用いて作成された十字形の通気孔4も、依然として小サイズで弁5付きであるため、前記同様の作用効果を果たせる。また、本変形例からも分かるように、本実施形態の製造方法は通気孔4等に関して意匠の自由度が高く、比較的複雑な形状の通気孔4等も容易に作成できる。そのため、蓋3の商品価値を大いに向上することができる。
【0104】
通気孔4等の形状に関しては、他の複雑形状(例えばアスタリスク形)も可能である。
【0105】
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。例えば、蓋3は必ずしも透明でなくてもよく、不透明であってもよい。上記の数値はあくまで一例であり、適宜変更可能である。
【0106】
前述の基本実施形態および各変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。例えば、第1変形例(
図10)と第3変形例(
図13)の組み合わせ、第2変形例(
図11)と第3変形例(
図13)の組み合わせ、第3変形例(
図13)と第4変形例(
図16)の組み合わせ、第1または第2変形例(
図10または
図11)と第4変形例(
図16)の組み合わせ等が可能である。
【0107】
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 食品用容器
3 蓋
4 通気孔
5 弁
6 切れ目
10 トムソン型
11 ベースプレート
12 トムソン刃
13 刃溝
14 スペーサ
22 基端
23 先端
24 折り返し部分
25 折り返し前部分
26 折り返し後部分