(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001890
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】バルク材料を細かく砕くための破砕機
(51)【国際特許分類】
B02C 18/14 20060101AFI20221226BHJP
B02C 18/18 20060101ALI20221226BHJP
B02C 21/02 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
B02C18/14 A
B02C18/18 A
B02C21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022094769
(22)【出願日】2022-06-11
(31)【優先権主張番号】63/212,850
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519428993
【氏名又は名称】ヴァミィヤ マニュファクチャリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Vermeer Manufacturing Company
【住所又は居所原語表記】1210 Vermeer Road East,Pella,IA 50219,US
(74)【代理人】
【識別番号】100147511
【弁理士】
【氏名又は名称】北来 亘
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,クラーク デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ルーズブーム,キース レオン
【テーマコード(参考)】
4D065
4D067
【Fターム(参考)】
4D065CB01
4D065CC01
4D065DD05
4D065DD19
4D065EB02
4D065EB20
4D065EC02
4D065ED06
4D065ED12
4D065ED16
4D065EE02
4D065EE08
4D065EE12
4D065EE17
4D067DD04
4D067DD12
4D067DD14
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バルク材料を細かく砕くための低速破砕機を提供する。
【解決手段】破砕機が、破砕機箱22と、破砕機箱の内部の中に配置された破砕機ロータ38と、を含んでいる。破砕機ロータは、ロータ軸周りに回転可能であり、複数のロータ歯42を有している。アクセスドア46が開位置と閉位置の間を枢動式に可動であり、アクセスドアは閉位置にあるときには破砕機箱の側面壁を画定する。アクセスドアの内部側面には破砕機櫛部が配置され、複数の破砕機櫛歯を含んでいる。アクセスドアが閉位置にあるとき、破砕機櫛部は、破砕機箱へ投入された材料を破砕するために複数のロータ歯と互いにかみ合う破砕場所に位置決めされる。複数の破砕機櫛歯は、取り外し可能であり、2通りの向きで使用するために反転可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕機において、
破砕機箱と、
前記破砕機箱の内部の中に配置された破砕機ロータであって、ロータ軸周りに回転可能であり、複数のロータ歯を有している破砕機ロータと、
開位置と閉位置の間を枢動式に可動であるアクセスドアであって、前記閉位置にあるときには前記破砕機箱の側面壁を画定するアクセスドアと、
前記アクセスドアの内部側面に配置されていて、複数の破砕機櫛歯を含んでいる破砕機櫛部と、
を備え、
前記アクセスドアが前記閉位置にあるとき、前記破砕機櫛部は、前記破砕機箱へ投入された材料を破砕するために前記複数のロータ歯とかみ合う破砕場所に位置決めされ、
前記複数の破砕機櫛歯は、取り外し可能であり、2通りの向きで使用するために反転可能である、破砕機。
【請求項2】
前記複数の破砕機櫛歯は、櫛部ユニットフレーム上に、前記櫛部ユニットフレームから取り外し可能である対応する複数の櫛歯土台を通して固定的に支持される、請求項1に記載の破砕機。
【請求項3】
単一の一体型溶接物として構成されている前記櫛部ユニットフレームによって前記破砕機櫛部全体が支持される、請求項2に記載の破砕機。
【請求項4】
前記複数の櫛歯土台は前記櫛部ユニットフレームの動作側に配置される、請求項2に記載の破砕機。
【請求項5】
前記複数の櫛歯土台の各々は前記櫛部ユニットフレームと前記それぞれの櫛歯の間に配置される、請求項2に記載の破砕機。
【請求項6】
前記複数の破砕機櫛歯の各々は前記複数の櫛歯土台のうちの対応する1個へ締結具を用いて固定される、請求項2に記載の破砕機。
【請求項7】
前記締結具は、前記櫛歯土台の対応する1個の下面から、その中のクリアランス孔を通り、前記複数の破砕機櫛歯の対応する1個内の孔の中へ少なくとも部分的に延びる、請求項6に記載の破砕機。
【請求項8】
前記複数の破砕機櫛歯の各々は、切断部分及び取付用ポケットを有する第1端と、切断部分及び取付用ポケットを有する第2端と、を含んでいる、請求項1に記載の破砕機。
【請求項9】
前記第1端の前記切断部分と前記第2端の前記切断部分は、互いに反対側の端にあるのみならず更には互いに反対側の側面にある、請求項8に記載の破砕機。
【請求項10】
前記複数の破砕機櫛歯の前記第1端が前記複数のロータ歯と互いにかみ合うために位置決め可能となるように破砕機櫛部フレーム上に取り付けられ、且つ前記複数の破砕機櫛歯の前記第2端が前記フレームによって前記破砕機箱内部から遮蔽される第1の構成、を有する請求項8に記載の破砕機。
【請求項11】
前記複数の破砕機櫛歯の前記第1端が前記複数のロータ歯と互いにかみ合うために位置決め可能となるように、複数の櫛歯土台へ締結されることによって櫛部ユニットフレームの動作側に取り付けられ、且つ前記複数の櫛歯土台が前記それぞれの第1端取付用ポケットの中へ少なくとも部分的に受け入れられる第1の構成、を有する請求項8に記載の破砕機。
【請求項12】
前記第1の構成では、前記複数の破砕機櫛歯の前記第2端は前記櫛部ユニットフレームの非動作側に取り付けられ、前記第2端は複数のそれぞれの支持リングに接触し、前記複数の支持リングは締結されることなく前記第2端取付用ポケットの中へ少なくとも部分的に受け入れられている、請求項11に記載の破砕機。
【請求項13】
前記アクセスドアが前記開位置にあるとき、前記破砕機櫛部は、前記破砕機箱の前記内部から離隔された破砕機櫛部点検場所へ横方向外向きに変位される、請求項1に記載の破砕機。
【請求項14】
前記複数の破砕機櫛歯の各々の非作業端を取付位置へと案内するための設置スライドとして湾曲したガイド面が櫛部ユニットフレーム内に形成されている、請求項1に記載の破砕機。
【請求項15】
前記複数の破砕機櫛歯は、支持面とそこから延びる複数のフランジ付きボスとを有する櫛部ユニットフレーム上に固定的に支持され、前記破砕機は、前記複数のフランジ付きボスそれぞれに取り付けられていてスロートスペースを閉じ破砕済み材料の再循環を促すように前記破砕機ロータの下部分の周りに突き出ている複数のリミッタ、を更に備える、請求項1に記載の破砕機。
【請求項16】
破砕機において、
破砕機箱と、
前記破砕機箱の内部の中に配置された破砕機ロータであって、ロータ軸周りに回転可能であり、複数のロータ歯を有している破砕機ロータと、
開位置と閉位置の間を枢動式に可動であるアクセスドアであって、前記閉位置にあるときには前記破砕機箱の側面壁を画定するアクセスドアと、
破砕機櫛部ユニットであって、前記アクセスドアが閉位置にあるとき、複数の破砕機櫛歯を備えた前記破砕機櫛部ユニットの破砕機櫛部が、前記破砕機箱へ投入された材料を破砕するために前記複数のロータ歯とかみ合う破砕場所に位置決めされるように、前記アクセスドアの内部側面に配置されている破砕機櫛部ユニットと、
を備え、
前記破砕機櫛部ユニットはフレームを含み、前記フレーム上に、前記複数の破砕機櫛歯は、前記フレームから取り外し可能である対応する複数の櫛歯土台を通して固定的に支持される、破砕機。
【請求項17】
前記複数の櫛歯土台の各々は、前記フレームに関して、前記フレームへのいかなる直接的な締結もなしに、もっぱら前記櫛歯及び前記フレームとの複数の接触点を通して固定的に配置される、請求項16に記載の破砕機。
【請求項18】
前記複数の櫛歯土台の各々について、前記フレームの丸いこぶが前記櫛歯土台内に形成された相補的なレセプタクルの中へ受け入れられる、請求項16に記載の破砕機。
【請求項19】
前記複数の櫛歯土台の各々について、前記フレームの中へねじ込まれるプッシュボルトであって、前記丸いこぶを受け入れる前記レセプタクルからオフセットされている前記櫛歯土台の足へ調節可能な押す力を作用させるように構成されているプッシュボルト、を更に備える請求項18に記載の破砕機。
【請求項20】
前記複数の破砕機櫛歯の各々は前記複数の櫛歯土台のうちの対応する1個へ締結具を用いて固定される、請求項16に記載の破砕機。
【請求項21】
前記締結具は、前記櫛歯土台の対応する1個の下面から、その中のクリアランス孔を通り、前記複数の破砕機櫛歯の対応する1個内の孔の中へ少なくとも部分的に延びる、請求項20に記載の破砕機。
【請求項22】
前記複数の破砕機櫛歯の各々は、取り外し可能であり、2通りの作業向きを提供するように前記複数の櫛歯土台に関して反転可能である、請求項16に記載の破砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年6月21日出願の同時係属米国仮特許出願第63/212,850号に対する優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示はバルク材料を細かく砕くための破砕機に関する。
【背景技術】
【0003】
本願はバルク材料を細かく砕くための低速破砕機に関する。大型の埋め立てごみの様な特定の廃棄物の細片サイズを小さくするのに低速破砕機が使用される。米国特許第9,573,137号、米国特許公開第2021/0069721号、及び米国特許公開第2015/0217299号はその様な破砕機の実施例である。これらの破砕機は、破砕プロセス中に高い負荷と力が機器へかかることから重量部品を用いて構成される堅牢な機械である。廃棄物は、多くの場合、破砕機の最上部から、典型的には材料をフロントエンドローダでホッパーの中へ落下させることによって給送される。大抵はホッパーより下に配置されているロータ/ドラムがゼロRPMから40RPMまで変化する速度で回転している状態でホッパーは材料を収容する。破砕機ロータは複数の堅い歯を有しており、それらの歯が廃棄物材料に係合し最終的には材料を歯付きの櫛部に押し通して材料のせん断及び引き裂きを生じさせる。そして細かく砕かれた廃棄物は排出に向けてコンベヤへ落下する。ロータとコンベアの間には、破砕機から排出される材料のサイズを制御するためにスクリーンが使用されていることもある。スクリーンは小さい細片が通り抜けるのを許容する一方で大きい細片が通り抜けコンベヤを通って排出されるのを防ぐ。スクリーンを通り抜けない大きい細片はサイズの更なる縮小のためにロータによってホッパーへ再循環される。
【0004】
過酷な機器作動条件のせいで、櫛部の歯の様な破砕機構成要素は摩耗を経験するであろう。この理由から、櫛部は櫛歯が個別に交換可能であるように構成され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9,573,137号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0069721号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2015/0217299号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示の1つの態様は、破砕機箱と、破砕機箱の内部の中に配置された破砕機ロータと、を含んでいる低速破砕機に関する。破砕機ロータは、ロータ軸周りに回転可能であり、複数のロータ歯を有している。アクセスドアが開位置と閉位置の間を枢動式に可動であり、アクセスドアは閉位置にあるときには破砕機箱の側面壁を画定する。アクセスドアの内部側面には破砕機櫛部が配置され、複数の破砕機櫛歯を含んでいる。アクセスドアが閉位置にあるとき、破砕機櫛部は、破砕機箱へ投入された材料を破砕するために複数のロータ歯と互いにかみ合う破砕場所に位置決めされる。複数の破砕機櫛歯は、取り外し可能であり、2通りの向きで使用するために反転可能である。
【0007】
別の態様では、本開示は、破砕機箱と、破砕機箱の内部の中に配置された破砕機ロータと、を含んでいる破砕機に関する。破砕機箱は、ロータ軸周りに回転可能であり、複数のロータ歯を有している。アクセスドアが開位置と閉位置の間を枢動式に可動であり、アクセスドアは閉位置にあるときには破砕機箱の側面壁を画定する。アクセスドアの内部側面には破砕機櫛部ユニットが配置され、アクセスドアが閉位置にあるとき、複数の破砕機櫛歯を備えた破砕機櫛部ユニットの破砕機櫛部は、破砕機箱へ投入された材料を破砕するために複数のロータ歯と互いにかみ合う破砕場所に位置決めされる。破砕機櫛部ユニットはフレームを含み、フレーム上には複数の破砕機櫛歯がフレームから取り外し可能な対応する複数の櫛歯土台を通して固定的に支持されている。
【0008】
開示の様々な利点は、一部には以下の説明に提示され、一部には説明から明らかになりもすれば、本開示の様々な態様を実践することによって知られもしよう。以上の概括的な説明と次に続く詳細な説明はどちらも例示及び解説のみが目的であり、実施例が根拠とする広範な進歩的概念を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の原理に基づく破砕機の後面、上面、左側面斜視図である。
【
図2】
図1の破砕機の後面、上面、右側面斜視図である。
【
図5】破砕機のアクセスドアが開位置にある
図1の破砕機の後面、上面、左側面斜視図である。
【
図6】アクセスドアが開位置にあることを示している
図1の破砕機の一部分の後面図である。
【
図7】アクセスドアが開位置にあることを示している
図1の破砕機の一部分の上面図である。
【
図8】アクセスドアが閉位置にあることを示している
図1の破砕機の一部分の上面図である。
【
図9】作業側から取られた
図1の破砕機の櫛部組立体の斜視図である。
【
図10】取り外し可能且つ反転可能な櫛歯をより分かり易く例示するために一部分が取り払われた状態の
図9の櫛部組立体の前端面図である。
【
図11】
図10と同様に、一部分が取り払われた状態の、非作業側から取られた
図9の破砕機の櫛部組立体の斜視図である。
【
図12】
図9の切断線12-12に沿って取られた断面図である。
【
図13】左から右へ、数本の取り付けられた櫛歯、櫛歯を取り外された状態の歯土台、及び歯土台を取り外された状態のフレームレセプタクルを示している、櫛部の詳細斜視図である。
【
図14】櫛部フレーム、単一の櫛歯、及び関連の取付用ハードウェアを含む分解斜視図である。
【
図15】本開示の或る実施形態による櫛歯の斜視図である。
【
図17】
図18の線17-17に沿って取られた櫛歯の断面図である。
【
図21】櫛歯取付のための一次的な締結具孔を通って直線的に見た櫛歯土台の下面図である。
【
図24】
図21の線24-24に沿って取られた櫛歯土台の断面図である。
【
図26】本開示の別の実施形態による破砕機の後面図であり、ロータ及び櫛部ユニットの内部構成要素を例示するために端面壁が取り払われている。櫛部ユニットは先の実施形態の原理に概ね従っていて、追加的に、櫛歯の下方を延びる複数の取り外し可能なリミッタを含んでいる。
【
図27】櫛部ユニットフレームの下層構造をより分かり易く例示するために幾つかの構成要素が取り払われた状態の
図26の櫛部ユニットの端部分の斜視図である。
【
図28】
図26の櫛部ユニットの斜視図である。櫛部ユニットは、単一のリミッタ、一対の関連の保持具、及び一対の関連の締結具が櫛部ユニットフレームから分解された状態で示されている。
【
図29】
図26の櫛部ユニットのリミッタの1つの斜視図である。
【
図30】
図29のリミッタの、その近位端から取られた端面図である。
【
図32】
図31の線32-32に沿って取られたリミッタの断面図である。
【
図33】リミッタが櫛部ユニットへ櫛歯と一直線に取り付けられている、或る代わりの実施形態の櫛部ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
様々な実施形態が図面を参照して詳細に説明されており、幾つかの図全体を通して同様の符号は同様の部分及び同様の組立体を表している。加えて、この明細書に記載されている何れの実施例も限定を課すことを意図しておらず、本開示の諸態様を実践するための多くの可能な実施形態の幾つかを示そうとしているだけである。
【0011】
本発明は破砕機20に関する。
図1に表されている1つの実施形態では、破砕機20は、第1及び第2の向かい合う端面壁24、26と、第1及び第2の端面壁24、26間を延びる第1及び第2の向かい合う側面壁28、30と、を含む破砕機箱22を備えるものとすることができる。破砕機箱22は、更に、破砕させたい材料を受け入れるための上部ホッパー32を含んでいる。破砕機箱22は、更に、破砕済み材料を破砕機箱22から排出するための、シュート34と協働することのできる下部排出口33(
図5)を含んでいてもよい。再度
図1を参照して、第1及び第2の向かい合う側面壁28、30は破砕機箱22の第1及び第2の側面201、202にそれぞれ位置している。
【0012】
図1は、破砕機20が、下部排出シュート34の下に配置された下側コンベヤ160及び下側コンベヤ160の一端に隣接して配置された外側コンベヤ162を含むコンベヤシステム159を更に備え得ることを示している。外側コンベヤ162は破砕機箱22に対して格納位置又は輸送位置と作動位置の間を枢動式に可動であってもよい。破砕機箱22は更に車輪52上に支持された基部50を備え得る。排出シュート34は、破砕機箱22の一部であってもよいし、基部50の一部であってもよいし、又は破砕機箱22と基部50の両方の一部であってもよい。破砕機20は、破砕機ロータ38を回転させるためのパワートレイン56を密閉している破砕機ハウジング54を含んでいる。諸実施形態は破砕機20の前部にトレーラータン/ヒッチ59を支持体ジャッキ51と共に備えていてもよい。
【0013】
図5に示されている様に、破砕機箱22は、更に、第1及び第2の端面壁24、26の間を延びる点検プラットフォーム36と、上部ホッパー32の下端に隣接して破砕機箱22の内部の中に配置されている破砕機ロータ38と、を含んでいてもよい。点検プラットフォーム36を露出させるために、アクセスドア46は
図5に示されている様に下降位置又は開放位置へと動かされる。点検プラットフォーム36は、実質的に平坦(即ち水平)であってもよく、破砕機20の幾つかの構成要素へのアクセスを可能にすることができる。例えば、操作者が点検プラットフォーム36の上に立ったとき、操作者は破砕機ロータ38に向かって第1の方向を正視することができ、又は操作者は以下に更に詳しく説明されている破砕機櫛部58に向かって第2の方向を正視することもできるだろう。操作者は点検プラットフォーム36に沿って歩くことによって破砕機櫛部58の一杯の長さにアクセスすることができる。操作者は、同じく、点検プラットフォーム36に沿って歩くことによってロータ38の完全な長さにアクセスすることができる。破砕機20は、更に、点検プラットフォーム36の反対側に第1の側面壁28へ接続された流れ制御用櫛部150を含んでいる。流れ制御用櫛部150は破砕機ロータ38と互いにかみ合って、破砕させたい材料が上部ホッパー32から下向きに破砕機ロータ38と第1の側面壁28の間の領域に移動するのを防止する。流れ制御用櫛部150は、更に、材料が破砕機ロータ38によって上向きに流れ制御用櫛部150を過ぎて再度上部ホッパー32の中へ再循環されるのを可能にするべく第1の側面壁28に対して上向きに枢動することのできる櫛要素を有している。
【0014】
破砕機ロータ38は、ロータ本体及びロータ本体へ取り付けられた複数のロータ歯42を含んでいてもよい。破砕機ロータ38は、第1の端面壁24から第2の端面壁26へ延びるように向きを定められたロータ軸40周りに回転可能であってもよい。第1及び第2の側面壁28、30はロータ軸40の方向に(即ちロータ軸40に沿って又は平行に)延びるように向きを定められているものとして描かれている。破砕機ロータ38は、ロータ軸40周りに正転減容化方向Fに回転可能であるか又はロータ軸40周りに逆転方向に回転可能であるかのどちらかであってもよいし、又はどちらの方向にも回転可能であってもよい。図示されていないが、破砕機20は、破砕機櫛部58を通り過ぎた破砕済み材料をふるい分けるための、スクリーン取り付け場所に取り付け可能であるスクリーンユニットを更に備えていてもよい。スクリーン取り付け場所は、下部排出口33及びシュート34より上方でロータ38より下方に位置していてもよい。
【0015】
破砕機のアクセスドア46は、第1の端面壁24、第2の端面壁26、及び点検プラットフォーム36に対して、開位置(
図5参照)と閉位置(
図1参照)の間を枢動式に可動である。アクセスドア46が開位置と閉位置の間で枢動する際、アクセスドア46はドア軸48周りに枢動する。ドア軸48は、第1及び第2の端面壁24、26の間をロータ軸40の方向に(即ちロータ軸40に沿って又は平行に)延びている。ドア軸48は描かれている実施形態では水平である。アクセスドア46は、閉位置にあるときは破砕機箱22の第2の側面壁30を画定する。アクセスドア46は、更に、アクセスドア46が閉位置にあるときにアクセスドア46を第1及び第2の端面壁24、26それぞれに固定するための第1及び第2のラッチ400(
図5)を含んでいてもよい。ラッチ400はドア46を閉位置に固定するべく端面壁24、26の開口部401とインターロックすることができる。或る例示としての実施形態では、アクセスドア46は閉位置では垂直、開位置では水平である。また、
図5に描かれている実施形態では、ラッチ400は、伸縮自在ピンを含むように形成されていて、各端面壁24、26の開口部401の中へ伸展するように及び引っ込むように水平方向に作動する。
図6は、端面壁24、26の垂直開口部401Aの中へ伸展し及び垂直開口部401Aから引っ込む代わりの様式のラッチ400Aを有するアクセスドア46を描いている。
【0016】
図5を参照して、破砕機20は、アクセスドア46の内部側面404に配置され得る破砕機櫛部58を更に備えている。破砕機櫛部58は、アクセスドア46が開位置と閉位置の間で枢動される際にアクセスドア46と共に担持されるようになっていてもよい。破砕機櫛部58は破砕機櫛歯60を含んでいる。アクセスドア46が閉位置に入ると、破砕機櫛部58は第1及び第2の端面壁24、26の間で上部ホッパー32の下端に隣接する破砕場所に位置決めされる。幾つかの実施形態では、破砕機櫛部58は上部ホッパー32からの材料を破砕するべく破砕機ロータ38と協働するように構成されている。破砕機櫛部58は、櫛歯60がロータ歯42と互いにかみ合い且つ櫛歯60が以下に定義されている破砕機ロータ38の円筒状基準境界の内に置かれる破砕位置(
図8参照)に位置決め可能であってもよい。破砕機櫛部58は、更に、アクセスドア46が閉じられた状態で、櫛歯60が円筒状基準境界44の外になる解放位置(図示せず)に位置決めされるようになっていてもよい。円筒状基準境界は、破砕機ロータ38がロータ軸40周りに回転される際の破砕機ロータ38のロータ歯42の移動寸法(swept dimension)によって画定され得る。幾つかの実施形態では、ロータ軸40は点検プラットフォーム36より高い位置にあってもよい。
【0017】
破砕機櫛部58が破砕位置にあるとき、破砕機櫛歯60は、破砕機ロータ38がロータ軸40周りに回転されたときに破砕させたい材料を破砕するべくロータ歯42と協働することができる。対照的に、アクセスドア46が開位置に入ると、破砕機櫛部58は、第1及び第2の端面壁24、26の間から破砕機箱22の内部の外の破砕機櫛部点検場所へ横方向外向きに変位される。
図5から
図14は、破砕機櫛部58がアクセスドア46によって担持される破砕機櫛部ユニット78の一部であることを描いている。破砕機櫛部ユニット78は、破砕機櫛歯60が取り付けられている破砕機櫛部ユニットフレーム80を含んでいる。破砕機櫛部ユニット78は、アクセスドア46の支持体フレームに対して破砕位置と解放位置の間を軸81(
図6)周りに枢動式に可動であってもよい。軸81はロータ軸40に平行であってもよい。破砕機櫛部ユニット78の枢動運動を可能にさせるために、フレーム80は、ドア46のフレームへ取り付けられた軸受ハウジング410(
図5参照)内に密閉された軸受内に支持されるピボットシャフトを含むことができる。ドア46が閉じられたとき、軸受ハウジング410は破砕機箱の端面壁24、26によって画定された対応するノッチ412内に嵌る。
図5及び
図8に示されている様に、破砕機櫛部ユニット78は、更に、破砕機櫛部ユニットフレーム80によって破砕機櫛部58より上方に支持された第1のプレート構造82を含んでいてもよい。第1のプレート構造82はホッパー画定面76の下側部分を画定する。アクセスドア46は、更に、アクセスドア46の支持体フレームに対して固定された第2のプレート構造84を含んでいてもよい。第2のプレート構造84はホッパー画定面76の上側部分を画定する。
【0018】
アクセスドア46が閉じられ破砕機櫛部58が破砕場所にあるとき、破砕機櫛部ユニット78が破砕位置に入ると破砕機櫛歯60は破砕機ロータ38の円筒状基準境界の内に位置決めされることになる。破砕機櫛部ユニット78が解放位置に入ると破砕機櫛歯60は破砕機ロータ38の円筒状基準境界の外に置かれる。
図6に示されている様に、破砕機20は、更に、破砕機櫛部ユニット78を破砕位置に保持するための少なくとも1つの油圧シリンダ87を備えていてもよい。(単数又は複数の)油圧シリンダ87は、破砕機櫛部ユニット78が破砕位置から解放位置へ動けるようにするために引っ込むように構成されることができる。1つ又はそれ以上の追加の油圧シリンダ90が、アクセスドア46を閉位置から開放点検位置へ又はその逆に動かすように構成される。
【0019】
櫛部58を形成するための櫛歯60の構成及び破砕機櫛部ユニット78への組み立てがここで
図9から
図25を参照して説明される。
図9に示されている様に、櫛歯60の列が提供されており、各櫛歯は破砕機櫛部ユニット78のフレーム80へ個々に取り付けられている。ゆえに、櫛歯60は櫛部ユニット78上で個別に交換可能である。以下に更に詳しく説明される様に、各櫛歯60は、2通りの異なる向きに取り付けられるように構成されており、櫛歯60は2通りの異なる向きでの使用のために反転可能になっている。各櫛歯60は、フレーム80へ直に取り付けられるのではなく、櫛歯取付台又は土台170によって支持されており、そのうちの1つが
図9の前景に見える。櫛歯土台170は、更に、
図19から
図25にも個別に示されている。各櫛歯60の作業端は、接近してくるロータ歯42に正対する上面及び櫛歯土台170とインターフェースする下面を有している。作業端は、フレーム80の動作側から外に突き出ていて、アクセスドア46が閉じられた状態で破砕機櫛部ユニット78が破砕位置にあるときにロータ歯42と互いにかみ合うように露出されている櫛歯60の部分である(作業端は
図9及び
図10の左側に示されている)。以下に説明される様に、取り付けられた各櫛歯60は、アクセスドア46の位置及び破砕機櫛部ユニット78のアクセスドア46に対する位置に関わりなく、複数のロータ歯42と互いにかみ合うことのできない非作業端(
図10の右側)も有している。どの櫛歯60の非作業端も、フレーム80の非動作側へ延びていて、
図10-
図13に示されている様にフレーム80によって破砕機箱内部から遮蔽されている。作業端と非作業端は、どのように櫛歯60がフレーム80へ取り付けられるかによって決まる。ゆえに、櫛歯60の向きを変えれば、どちらの端が作業端でどちらの端が非作業端かを反転させることができる。櫛歯60の作業端と非作業端は物理的構成においては互いに同一であり得る。ゆえに、混同を避けるために作業端と非作業端には別々の符号は与えられていない。
【0020】
櫛歯60の作業端は、上面に、1つ又はそれ以上の切断エッジによって少なくとも部分的に画定された切断部分を提供している。櫛歯60は、作業端の下面に、櫛歯土台170の中央突出部分182を受け入れるポケット178(
図12)を画定していてもよい。中央突出部分182は、櫛歯土台170の周囲部分に比べて削減された厚さを有するものとすることができる。ゆえに、櫛歯土台170上には、中央突出部分182が櫛歯土台170の本体に交わるそれぞれの段部に追加的な側方支持面186が形成され得る。これらの段部の表面186は、ポケット178に沿って延びる櫛歯60の部分を支持することができる。
図12及び
図25に示されている側面図では、中央突出部分182は、櫛歯60のポケット178に形成されたアーチ形凹状インターフェース面192と相補であるアーチ形凸状インターフェース面190を呈し得る。面190、192はどちらも随意的には一定の半径をなぞる少なくとも90度の部分を有し得る。一定半径区分は、櫛歯60を土台70へ固定する締結具200を収容するのに使用される一次的な締結具孔196の最上端まで延びていてもよい。締結具200は、
図12に示されている様に、孔196の底から上向きに孔196の最上部を通ってから櫛歯60のねじの切られた孔204の中へねじ込まれる。孔196は締結具200のためのクリアランス孔であり得る。
【0021】
櫛歯60と土台170をインターフェース面190、192にて寄せ合わせるために、締結具200はきつく締め付けられることができるとはいえ、締結具200は回転式ドラム歯42が櫛歯60を横切って材料を推し進めることによって受ける切断負荷を支承するようには構成されていない。むしろ、締結具200は、インターフェース面190、192を密に寄せ合わせるように締め付けられた後は、切断負荷から比較的隔てられている。以下に更に述べられている理由に因り、締結具200が切断負荷から隔てられているにも関わらず、櫛歯60と土台170の間で接触する総数の点(sum points)は、独自にはプラスの係止効果(positive locking effect)を有していない。むしろ、インターフェース面190と192は、それらを単独で考えた場合、単純に櫛歯60と土台170を一直線に寄せ合わせることによって完全に係合されることができ、単純にそれらを引き離すことによって完全係合から分離されることができる。インターフェース面190、192はテーパ状又は楔状の形(profile)を画定していてもよいが、それらの形状は一方の他方に対する特定の回転の様な多段階的な配置を要しない。
【0022】
櫛歯60へ与えられた負荷は、土台170へ伝達され、土台170から櫛部ユニット78のフレーム80へ伝達される。フレーム80は、櫛部ユニット78の櫛歯60全部を支持するための単一の一体溶接物として構成されることができる。
図12に示されている様に、櫛歯土台170は、フレーム80との3つの別々の係合点又は支持点を有する。第1の接触点は、フレーム80の丸いこぶ208と、櫛歯60から遠隔の締結具孔196の側に隣接して土台170の底部に形成された相補的なレセプタクル又はポケット210との間に確立され得る。第2の接触点は、内向端面212(例えば、平坦に形成)とフレーム80側の隣接する反応面214(例えば、同じく平坦に形成)の間に画定され得る。加えて、ねじの切られた締結具218が、締結具218の端が櫛歯土台170の足部分224に押し当てられるようにしてフレーム80内のねじの切られた孔220と係合される。開口(随意的にはねじの切られた締結具を螺合式に受け入れるため)と共に示されているが、例示されている実施形態の足部分224は、描かれている構成では、締結具218がフレーム孔220の中へねじ込まれる際に締結具218からの押す力を受け取るように構成されている。この作用は、フレーム80と土台170の間のその他の接触点での何らかのクリアランスを取り除くことを確約し、したがって負荷はフレーム80へ効率的に伝達され、摩耗は低減され得る。締結具218は、締結具218を回すことからもたらされる押す力の微調整を可能にするために細かいねじピッチを有していてもよい。締結具218が相対的に小さい長さ対直径の比を有していて、その結果、完全螺合巻き数が比較的少ない場合、締結具218が組み立てられた後に回転し後戻りするのを防止するべく締結具218の頭部に係合させる保持具228がフレーム80のチャネル内の所定位置へ滑り入るようになっていてもよい。例示されている構成の締結具218は、それが櫛歯土台170の中へ又は櫛歯土台170を貫いて延びることなく櫛歯土台170を押すだけなので「プッシュボルト」と呼ばれてもよい。
【0023】
更に
図10-
図12及び
図14を参照して、各櫛歯60は、加えて、フレームに対し櫛歯土台170から離隔された位置に支持される。支持は支持部材又は支持「リング」232によって提供されることができ、支持リング232は櫛歯土台170から分離され且つフレーム80から分離されているが、それらへ固定的に留められる。
図12は、フレーム80の窓236と、作業端と非作業端を隔てる櫛歯60の中央部分240との間が極めて近接していることを示しているが、櫛歯60が櫛部ユニット78へ取り付けられたときに櫛歯中央部分240と窓236の間にはクリアランスが提供される。複数のそれぞれの櫛歯60に対応する複数の支持リング232は、ロッド244及び少なくとも1つの締結具248によってフレーム80へ固定的に留められる。描かれている構成では、1本のロッド244が櫛部ユニット78の支持リング232の半数を支持し、もう1本のロッド244(図示せず)が他の半数を支持している。支持ロッド244は、フレーム80の側面プレートの孔を最初に通って延びる締結具248を係合させるための内ねじ部付きの端を有し得る。支持ロッド244のねじの切られた端は、組立/分解中に、例えば支持ロッド244を組立位置へ押し込む/組立位置から引き出す可搬式パワーシリンダとの係合を容易にすることによって使用されることもできる。他の構成では、支持リング232又は櫛歯60を支持するための同様の特徴を有する他の構成要素は、フレーム80の溶接物へ一体的に組み入れられている。支持リング232は、硬化鋼構造とすることができ、例えば熱処理されたSAE4140鋼であってもよい。各支持リング232は、中心軸及び開口周りに全360度回転するものとして単一部片に形成される。
【0024】
櫛歯60の非作業端に面する支持リング232の部分は、櫛歯土台170の中央突出部分182を模した形状をして提供されている。他の言い方をすれば、非作業端のポケット178は、ポケットインターフェース面192と支持リング232のインターフェース面の間に密なインターフェースを画定するように支持リング232の少なくとも一部分を受け入れており、支持リング232のインターフェース面は、櫛歯土台170の中央突出部分182のインターフェース面190と同じ形状を有し、つまりポケットインターフェース面190と相補であり、それぞれがテーパ状又は楔状であるものとしてもよい。取り付けられた支持リング232の存在に因り、櫛歯60は非作業端を第1の角度位置でフレーム窓236を通して挿入することによって櫛部ユニット78へ組み立てられることができ、第1の角度位置では、作業端は櫛歯60の第1の軸A周りに歯土台170から離れて枢動されている(また非作業端も同じく支持リング232から離れて枢動されている)。櫛歯60は、いったんその第2の軸Bに沿って長手方向に挿入された後、作業端のポケット178が歯土台170に近づけられ歯土台170上に載り且つ非作業端のポケット178が支持リング232に近づけられ支持リング232上に載る第2の角度位置へ第1の軸A周りに枢動される。
図12に示されている様に、櫛部ユニットフレーム80には湾曲したガイド面238が櫛歯60の非作業端を取り付け位置まで案内するための設置スライドとして形成されている。次いで締結具200、218が設置され、続いて第2の締結具218のための保持具228が設置される。第2の締結具218が締め付けられるとき(例えば、締結具200へトルクを与えた後に限る)、それは歯土台170のこぶ208周りの回転(
図12では反時計回り)を与える。これは、内向端面212をフレーム80との接触に至らすのみならず、櫛歯60全体をフレーム80から離れて外向きにわずかに推しやり、両ポケット178での(歯土台170及び支持リング232をそれぞれ相手とする)密な接触とクリアランスの取り除きを更に確実なものとする。描かれている配置は、非作業端のポケット178が、締結されることなしにそれぞれの支持リング232との接触に入るように押圧されることを可能にする。櫛歯60の非作業端に締結具は使用されない。
【0025】
保持具228を保持する櫛の部分は、リミッタか又は櫛歯60の下方の破砕済み材料の動きを管理するのを手助けする他のふるい分け用アタッチメントを保持するのにも使用され得る。少なくとも1つのその様な実施例が、以下に
図26から
図32を参照して更に詳しく説明されている。
【0026】
先述の通り、取り付けられる各櫛歯60は作業端と非作業端を有しているであろう。櫛部ユニット78の初期の組立は、櫛歯60のどちらの端が作業端として設置されるかには無頓着である。他の言い方をすれば、2つの切断部分174は、同じ物理的構成であり、ロータ歯42と共に使用されたときに同じ破砕性能を発揮する。初期組立のためにどちらの向きが選ばれたにせよ、一方のポケット178が櫛歯土台170の中央突出部分182を受け入れ、反対側のポケット178が支持リング232を受け入れる。
図15-
図18から理解され得る様に、櫛歯60を第1の軸A周りに180度回転させると、2つの端が位置を入れ替わったにもかかわらずパーツの向きは元の向きと全く同じになる。したがって、作業端と非作業端を反転させるために櫛歯60を向き変えさせることが所望されたとき(例えば、第1の切断部分174の耐用年数経過後)、元の櫛歯取付向きと次の櫛歯取付向きは第1の軸A周り180度回転だけ相違する。櫛歯60が取り付けられたとき、第1の軸Aは、アクセスドア46上で破砕機櫛部ユニット78がその周りに枢動可能である軸81に平行に延びている。元の(摩耗した)切断部分174は、次の櫛歯取付向きへ動かされたら、支持リング232に隣接して支持リング232から離れた方を向いて配置されている。
図12及び
図18から理解され得る様に、櫛歯60は2つの締結具孔204(例えば、同一の締結具孔)を含んでいて、そのどちらもが第1の軸Aからオフセットされている。非作業端での櫛歯60と支持リング232との係合に因り、元の又は第1の櫛歯取付向きでは孔204のうち第1の孔だけが使用され、次の又は第2の櫛歯取付向きでは孔204のうち他方の1つだけが使用される。
【0027】
描かれていないが、櫛歯60の他の実施形態は、2つの互いに反対側の端に非類似切断部分174を提供している(例えば、大きさ、形状、硬度のうちの1つ又はそれ以上が異なる)。非類似切断部分174を有する櫛歯60は、櫛歯60の反転によって、木材対ゴムの様な異なる材料に合わせた櫛部ユニット78の再構成を可能にすることができる。非類似切断部分174を有する櫛歯60は、なおも2つの端に2つの同一の取り付け面(例えばポケット178)を保有していてもよく、その結果、櫛歯60は切断部分174のうちどちらの1つが使用に供されるかに関わらず同じやり方で取り付けられることができる。幾つかの構成では、櫛歯60の一方の切断部分174のみが鋸歯状であり、又は、2つの切断部分174が非類似鋸歯構造を有することもできる。幾つかの構成では、非類似切断部分174を有する櫛歯60の反転は、異なるロータ構成(例えば、ロータ先端の高さ及び/又は形)に一致するように櫛部ユニット78を構成しなおすことができる。
【0028】
図26から
図32は、ここで明示的に指摘されていることを別にすればあらゆる点で破砕機20と同様であり得る別の実施形態の破砕機320を描いている。幾つかの実施形態では、
図26から
図32の破砕機320は、同じ破砕機20の修正型又は再構成型とすることができるが、それらは完全に別々の破砕機であると考えられてもよい。同じ様に、櫛部ユニット378は櫛部ユニット78とはまるで異なる構成要素であるとしてもよいし、又は、追加された及び/又は交換された構成要素の群を含む櫛部ユニット78の単なる再構成型であるとしてもよい。
図26に示されている様に、櫛部ユニット378は、ロータ38の下方に少なくとも部分的に延びる複数のリミッタ333を含んでいる。幾つかの状況では、リミッタ333は、破砕済み材料がコンベヤ160へ送られる前にそれのより完全な分割を容易にすることができ、及び/又は破片や裂片がコンベヤ160の中へ推し進められてゆく可能性を低減することができる。リミッタ333は、偏向を促すことができ、場合によっては、破砕済み材料がロータ歯42と櫛歯60の間のインターフェース点を通過した後に材料の更なる分割を促すことができる。リミッタ333は、場合によっては、破砕機箱22の幅を横切って更に延びるように、例えば幅の大部分を横切って延びるように構成されてもよいし、及び/又は破砕済み材料が櫛歯60より上方のロータ38の上面へ完全に再循環されることを促すために追加のリミッタ又はスクリーンと協働することもできる。リミッタ333は、特に、枕木や他の長い裂けるタイプの木材を破砕する場合に役立つが、より最適なサイズ選別から恩恵を受け得る任意の所望の用途に使用されることができる。概して、スクリーンとリミッタは材料のサイズ選別を改善するのに使用されるものであり、但し、リミッタはロータ38の下面の周りをそれほど包み込んでいないので拘束性が少ない。描かれているリミッタ333は破砕機ロータ38の円筒状基準境界の完全に外に留まるように配置されているが、同様のリミッタが破砕機ロータ38の円筒状基準境界を横切って又は中まで延びる形を提供されていてもよい。
【0029】
図27に示されている様に、リミッタ333は主に長手方向櫛歯軸Bに平行に長手方向に延びるものとすることができる。リミッタ333は、櫛歯60間の離隔距離に一致する離隔距離がリミッタ間に設けられていてもよい。但し、リミッタ333は櫛歯60と一直線ではなく、それどころか所与のリミッタ333が2つの最も近くに隣接する櫛歯60から等距離になるように櫛歯60からオフセットされている。
図33及び
図34の代わりの実施形態では、リミッタ433が櫛歯60と同じ離隔距離に設けられていて、櫛歯60と一直線に配置されている。リミッタ333は、リミッタ333がロータ38の一部分より下方の位置に取り付けられた際に概ね上を向いているロータ対向面又は縁33を有し得る。リミッタ333は爪又は緩い鈎形状を有し、ロータ対向縁337が凹状形を有し、その形は
図26から理解される様にロータ軸40からの固定距離にてトレースされた輪郭曲線に近似又は一致している。
図27に戻って、両櫛部ユニット78、378に共通のフレームであってもよいし又は櫛部ユニット378に固有であってもよいフレーム80は、締結具218のためのねじが切られた孔220を有する支持面339を含んでいる。支持面339は平坦又はそれ以外の構成とすることができる。支持面339から間隔を空けて複数のフランジ付き柱又はボス341がそれらの間にスロット又はレセプタクル343を画定するように構成されている。
図27に示されている様に、1つの締結具218のための1つの孔220が各レセプタクル343に配置されている。
【0030】
各保持具328が、支持面339に関して、互いに向かって延びるそれぞれのフランジを有する一対の隣接する離隔されたフランジ付きボス341によって形成される一対の横方向に離隔されたスロットによって保持されている。保持具328のためのレセプタクル343は2つのフランジ付きボス341の間に形成されており、それぞれのフランジがレセプタクル343の縁部分を覆って延び、この配置が各保持具328について繰り返されている。加えて、リミッタ333の各1個がフランジ付きボス341の1個へ、本例では1個だけへ、取り付けられている。以下に更に詳しく説明されている様に、リミッタ333は、1つのフランジ付きボス341上の2つの横方向に互いに反対側のフランジに係合するように構成されている。保持具328及びそれぞれのレセプタクル343が隣り合うフランジ付きボス341間に中心が合わされているのに対し、リミッタ333はフランジ付きボス341に中心が合わされている。リミッタ333又はリミッタ33の一部分は、
図27から分かる様に、組立時に保持具328を積み重ねられる。
図27では、2つの最も左側のフランジ付きボス341はリミッタ333が取り付けられていない状態で示されている。最も左側の保持具スロットも同じく、ねじの切られた孔220と支持面339を露にするために保持具328及び締結具218のない状態で示されている。以上の開示によれば、各レセプタクル343は1つの保持具328(例えば保持具全体)と2つの隣接するリミッタ333の一部分(例えば側縁)を受け入れることができる。
【0031】
図29から
図32に関し、リミッタ333の1つが更に詳しく示されている。代わりの構成も随意であるが、リミッタ333は1部片構成であるものとし、例えば所望の形状へ切られる及び/又は曲げられるプレート部分から一体に溶接されることができる。リミッタ333は、遠位先端335と反対側には、フランジ付きボス341の形状と結合するためのインターフェースとして画定された構造を有する近位端又は付着端345を有している。付着端345の構造は端の閉じられたスロット347を含み得る。スロット347は、ロータ対向縁337とは反対の下側が開いていて、ロータ対向縁337に隣接する上側が閉じている。スロット347は取付時にフランジ付きボス341の1つを収容するスペースを提供する。
【0032】
リミッタ333及び保持具328は、支持面339に平行な方向にフランジ付きボス341上へ又はレセプタクル343の中へ滑ることによって櫛部ユニットフレーム80へそれぞれ組み付けられ得る。リミッタ333は、最初に、つまり締結具218の設置前に設置される。リミッタ333が所定位置に入ったら、隣接する(単数又は複数の)リミッタ保持具328が支持面339とリミッタ333の間の所定位置へ滑り入れられ、締結具218が設置され次第(例えば、締結具218が上述の様に櫛歯土台170から遊びを取り除くように設置され次第)リミッタ333をその場にロックする働きをする(例えば、リミッタ333がスロットから滑り出るのを防ぐ)。例えば、
図29-
図31に符号が付されている様に、リップ349がロータ対向縁337を形成している部分とは概ね反対側でリミッタ333の近位端から外向きに突き出ている。組立位置では、リミッタ保持具328の下縁は、リップ349に接し、又は、レセプタクル343を通る支持面339に平行な方向に関してリップ349の直前に位置付けられる。締結具218が設置され次第、締結具218の頭部は、保持具328がレセプタクル343から滑り出るのを防止する。リミッタのリップ349が保持具328の下縁の下に挟み込まれた状態で、保持具328はリミッタ333が滑ってフランジ付きボス341から脱落するのを防止する。リップ349は、万一リミッタ333をその場から滑り出させかねない上向きの摺動力がリミッタ333にかかった場合に保持具328に引っかかるように位置付けられている。図示の様に、各リミッタ333は、その横方向各側に、各隣接保持具328に1つずつ係合するようにリップ439を設けられている。上述の様に、保持具328は、リミッタリップ349との干渉に因り、リミッタ333の後に且つ締結具218の前に組み付けられる。但し、別の構成では、櫛部ユニット378はリミッタ333を設けられず複数の保持具を設けられ、それら保持具を上述の保持具228(例えば
図14)と同様に締結具218のための回転防止クリップとして機能させることもできる。
【0033】
以上に簡単に述べられている様に、
図33及び
図34は、リミッタ433がそれぞれの櫛歯60の真下の位置に設けられていることを別にすれば櫛部ユニット78、378と同様である破砕機櫛部ユニット478を描いている。この配置を達成するために、各リミッタ433は、支持面339上の2つの隣接するフランジ付きボス341の間のレセプタクル343に取り付けられる。締結具218はリミッタ433の近位部分の開口部を通って延びることができる。こうして、リミッタ433は、別体の追加の保持具なしに締結具によって組立位置に保持されることができるが、代わりの配置は随意である。
【0034】
当業者には、様々な修正及び変更が、本明細書に示され及び説明されている例示としての実施形態及び適用に従うことなく、また本明細書に開示されている進歩的な態様の真の精神及び範囲から逸脱することなく、なされ得るということが容易に認識されるであろう。
【符号の説明】
【0035】
20 破砕機
22 破砕機箱
24、26 第1及び第2の向かい合う端面壁
28、30 第1及び第2の向かい合う側面壁
32 上部ホッパー
33 下部排出口
34 下部排出シュート
36 点検プラットフォーム
38 破砕機ロータ
40 ロータ軸
42 ロータ歯
44 円筒状基準境界
46 アクセスドア
48 ドア軸
50 基部
51 支持体ジャッキ
52 車輪
54 破砕機ハウジング
56 パワートレイン
58 破砕機櫛部
59 トレーラータン/ヒッチ
60 破砕機櫛歯
76 ホッパー画定面
78 破砕機櫛部ユニット
80 破砕機櫛部ユニットフレーム
81 破砕機櫛部ユニットの枢動軸
82 第1のプレート構造
84 第2のプレート構造
87 油圧シリンダ
90 油圧シリンダ
150 流れ制御用櫛部
159 コンベヤシステム
160 下側コンベヤ
162 外側コンベヤ
170 櫛歯土台
174 切断部分
178 ポケット
182 中央突出部分
186 側方支持面
190 アーチ形凸状インターフェース面
192 アーチ形凹状インターフェース面
196 一次的な締結具孔
200 締結具
201、202 第1及び第2の側面
204 締結具孔、ねじの切られた孔
208 丸いこぶ
210 レセプタクル又はポケット
212 内向端面
214 反応面
218 締結具
220 フレーム孔、ねじの切られた孔
224 足部分
228 保持具
232 支持部材又は支持「リング」
236 窓
238 ガイド面
240 櫛歯中央部
244 ロッド
248 締結具
320 破砕機
328 保持具
333 リミッタ
335 遠位先端
337 ロータ対向面又は縁
339 支持面
341 フランジ付き柱又はボス
343 レセプタクル
345 近位端又は付着端
347 スロット
349 リップ
378 櫛部ユニット
400、400A ラッチうえ
401、401A 開口部
404 内部側面
410 軸受ハウジング
412 ノッチ
433 リミッタ
478 破砕機櫛部ユニット
A 櫛歯の第1の軸
B 櫛歯の第2の軸、長手方向櫛歯軸
F 正転減容化方向
【外国語明細書】