(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018901
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20230202BHJP
A63F 11/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A63F9/00 508H
A63F11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123265
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健作
(72)【発明者】
【氏名】竹山 文崇
(57)【要約】
【課題】ゲームに関する説明を利用者が認識し易くする。
【解決手段】ゲーム装置は、複数のステーションを具備し、複数のステーションの各々は、ゲームを実行するゲーム機構40と、ゲームに関する説明を表示する表示装置51と、表示装置51をゲーム機構40に対して移動させる移動機構52とを具備する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステーションを具備し、
前記複数のステーションの各々は、
ゲームを実行するゲーム機構と、
前記ゲームに関する説明を表示する第1表示装置と、
前記第1表示装置を前記ゲーム機構に対して移動させる移動機構と
を具備するゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲーム機構は、前記ゲームの進行を表示する第2表示装置を含み、
前記第2表示装置の位置は固定である
請求項1のゲーム装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記ゲームに関する説明を前記第1表示装置が表示する場合に、前記第1表示装置を移動させる
請求項1または請求項2のゲーム装置。
【請求項4】
前記移動機構は、前記第1表示装置を第1位置と第2位置との一方から他方に移動させ、
前記第1表示装置は、前記第2位置において前記ゲームに関する説明を表示し、
前記第2位置は、前記第1位置よりも前記ゲーム機構に近い
請求項1から請求項3の何れかのゲーム装置。
【請求項5】
ゲームを実行するゲーム機構と、
前記ゲームに関する説明を表示する第1表示装置と、
前記第1表示装置を前記ゲーム機構に対して移動させる移動機構とを具備し、
前記移動機構は、前記第1表示装置を第1位置と第2位置との一方から他方に移動させ、
前記第1表示装置は、前記第2位置において前記ゲームに関する説明を表示し、
前記第2位置は、前記第1位置よりも前記ゲーム機構に近い
ゲーム装置。
【請求項6】
前記第2位置は、前記ゲーム機構と前記ゲームをプレイする利用者との間の位置である
請求項4または請求項5のゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム機構は、
前記ゲームをプレイする利用者からみて手前側に位置する前縁部を含むテーブルと、
前記テーブル上で往復する可動体と
を含み、前記テーブルの上面または前記可動体の上面に載置された複数の遊技体を前記前縁部から落下させるプッシャーゲーム機構を含み、
前記第2位置は、前記利用者からみて前記テーブルの手前側の位置である
請求項4から請求項6の何れかのゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲームがプレイされる稼働状態および前記ゲームのプレイが休止される休止状態の双方において、
前記第1表示装置は、前記ゲームに関する説明を表示し、
前記移動機構は、前記第1表示装置を移動させる
請求項1から請求項7の何れかのゲーム装置。
【請求項9】
前記第1表示装置は、
前記ゲームが所定の状況にある場合に前記説明を表示し、当該説明を消去し、
前記説明の消去後、前記ゲームのプレイが休止された状態から当該ゲームのプレイが再開されたときに、前記所定の状況が継続している場合には、前記説明を再表示する
請求項1から請求項8の何れかのゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のゲーム機構を含むゲーム装置が従来から提案されている。例えば特許文献1には、可動テーブルが設置されたフィールド内に投入装置からメダルを投入する構成のメダルゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームのプレイの経験が少ない初心者は、当該ゲームの状況等をプレイ中に正確に把握できない場合がある。ゲームに関する説明を表示すれば、初心者でも状況を把握できる可能性がある。しかし、初心者は、ゲームが展開されるゲーム機構のみを注視する傾向があり、説明を表示しても当該表示に気付かない場合が想定される。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、ゲームに関する説明を利用者が認識し易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係るゲーム装置は、ゲームを実行するゲーム機構と、前記ゲームに関する説明を表示する第1表示装置と、前記第1表示装置を前記ゲーム機構に対して移動させる移動機構とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の第1実施形態に係るゲーム装置の平面図である。
【
図3】ゲーム装置の構成を例示するブロック図である。
【
図10】制御装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図11】進行制御処理の詳細な手順を例示するフローチャートである。
【
図12】表示制御処理の詳細な手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲーム装置1の構成を例示する平面図である。ゲーム装置1は、例えば遊技施設に設置されるコンピュータシステムである。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲーム装置1は、遊技施設内の利用者U(すなわちプレイヤ)にゲームを提供する。なお、ゲーム装置1は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0009】
図1に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置1は、4個のゲームユニット11と1個の中央ユニット12とを具備する。複数のゲームユニット11は、中央ユニット12を包囲するように周方向に配列される。
【0010】
4個のゲームユニット11の各々は、複数のステーション21と抽選ユニット22とを具備する。複数のステーション21の各々は、利用者Uがゲームのプレイに使用するユニットである。複数のステーション21は、抽選ユニット22を中心として円弧状に配列される。1以上の利用者Uが1個のステーション21を利用してゲームをプレイする。
【0011】
図2は、第1実施形態におけるゲームの進行に関する説明図である。
図2に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置1においては、通常ゲームと第1抽選と第2抽選とが実行される。通常ゲームは、各利用者Uがステーション21を利用して定常的にプレイするゲームである。複数のステーション21の各々において通常ゲームが並列に実行される。
【0012】
第1抽選は、抽選ユニット22を利用する抽選ゲームである。通常ゲームにおいて所定の条件が成立した1個のステーション21について、当該ステーション21に対応する抽選ユニット22を利用した第1抽選が実行される。第1抽選は、利用者Uの当選/落選を確率的に決定する抽選処理である。抽選ユニット22は、
図1に例示される通り、複数のポケット221が形成された遊技面222を含む物理抽選機構である。抽選ユニット22には抽選ボールB1が投入される。複数のポケット221のうち抽選ボールB1が進入したポケット221に応じて、利用者Uの当選/落選が決定される。第1抽選の結果が当選である場合に第2抽選に移行し、第1抽選の結果が落選である場合には通常ゲームに移行する。なお、本開示において「構造体」は、特定の構造または形状に構成された物体を意味する。
【0013】
第2抽選は、中央ユニット12を利用する抽選ゲームである。第1抽選に当選した利用者Uのステーション21について、中央ユニット12を利用した第2抽選が実行される。第2抽選は、特別賞の当選/落選を確率的に決定する抽選処理である。
図1に例示される通り、中央ユニット12は、抽選ユニット22と同様に、複数のポケット121が形成された遊技面122を含む物理抽選機構である。中央ユニット12には抽選ボールB2が投入される。複数のポケット121のうち抽選ボールB2が進入したポケット121に応じて、利用者Uの当選/落選が決定される。具体的には、抽選ボールB2が特定のポケット121に進入した場合に、利用者Uが特別賞に当選したと判定される。特別賞は、多数の報酬が利用者Uに付与される賞(ジャックポット)である。第2抽選の終了により通常ゲームが再開される。
【0014】
図3は、ゲーム装置1の構成を例示するブロック図である。なお、第1実施形態のゲーム装置1は、実際には4個のゲームユニット11を具備するが、
図3には1個のゲームユニット11のみが便宜的に図示されている。
図3に例示される通り、ゲームユニット11は、複数のステーション21と抽選ユニット22とに加えて制御装置23と記憶装置24とを具備する。
【0015】
制御装置23は、ゲームユニット11の全体を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置23が構成される。なお、制御装置23の機能の一部または全部を各ステーション21に搭載してもよい。また、1個の制御装置23が複数のゲームユニット11を制御してもよい。
【0016】
記憶装置24は、制御装置23が実行するプログラムと制御装置23が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置24は、例えば磁気記録媒体もしくは半導体記録媒体等の公知の記録媒体、または、複数種の記録媒体の組合せで構成される。なお、ゲームユニット11に着脱される可搬型の記録媒体、または通信網を介した書込または読出が可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置24として利用してもよい。
【0017】
図4は、複数のステーション21のうち任意の1個のステーション21の平面図である。
図5は、
図4におけるa-a線の断面図である。また、
図6は、1個のステーション21を斜め上方からみた構成を例示する斜視図である。
【0018】
図4から
図6には、水平面内において相互に直交するX軸とY軸とが図示されている。X軸は、ステーション21の横方向に延在する軸線である。X軸は、利用者Uの左右の方向に沿う軸線、または平面視で中央ユニット12を中心とする径方向に沿う軸線とも換言される。以下の説明では、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向の反対の方向をX2方向と表記する。X1方向は利用者Uからみて左方向に相当し、X2方向は利用者Uからみて右方向に相当する。他方、Y軸は、ステーション21の前後方向(奥行方向)に延在する軸線である。Y軸は、利用者Uの前後の方向に沿う軸線、または平面視で中央ユニット12を中心とする径方向に沿う軸線とも換言される。以下の説明では、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向の反対の方向をY2方向と表記する。Y1方向は中央ユニット12から利用者Uに向かう方向である。
【0019】
図4から
図6に例示される通り、第1実施形態のステーション21は、操作パネル30とゲーム機構40と表示ユニット50とを具備する。操作パネル30は、操作装置31と受付装置32と払出装置33とを具備する。操作装置31は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。具体的には、操作装置31は、利用者Uが通常ゲームをプレイするための操作子である。受付装置32は、利用者Uによる遊技媒体Mの投入を受付ける。遊技媒体Mは、通常ゲームに利用されるトークン(メダル)等の円板状の有体物である。払出装置33は、遊技媒体Mを利用者Uに対して払出する。なお、
図5および
図6においては遊技媒体Mの図示が便宜的に省略されている。
【0020】
ゲーム機構40は、制御装置23による制御のもとで通常ゲームを実行する機構である。第1実施形態のゲーム機構40は、プッシャーゲーム機構41と表示装置42とを含む。プッシャーゲーム機構41は、プッシャーゲームを利用者Uに提供する機構である。プッシャーゲーム機構41は、固定テーブル411と可動テーブル412と投入装置413と固定壁414と供給装置415と検出装置416と検出装置417とを具備する。
【0021】
固定テーブル411は、XY平面に略平行な上面を含む構造体である。固定テーブル411の上面は、前縁部411aを含む略矩形状の平坦面である。前縁部411aは、固定テーブル411のうちY1方向に位置する周縁部分であり、X軸に沿って延在する。前縁部411aは、固定テーブル411の上面のうち中央ユニット12とは反対側の周縁部分とも換言される。前縁部411aと操作パネル30との間には、X軸に沿って長尺な開口(以下「落下口」という)Oが形成される。可動テーブル412は、XY平面に略平行な上面を含む台状の構造体であり、固定テーブル411上でY軸の方向に往復する。なお、固定テーブル411の上面および可動テーブル412の上面は、XY平面に略平行な平面に限定されない。例えば、固定テーブル411の上面および可動テーブル412の上面は、XY平面に対して傾斜した平面でもよいし、立体的に湾曲した曲面でもよい。固定テーブル411は「テーブル」の一例であり、可動テーブル412は「可動体」の一例である。
【0022】
固定テーブル411の上面および可動テーブル412の上面には複数の遊技媒体Mが載置される。投入装置413は、利用者Uからの指示に応じて可動テーブル412の上面に遊技媒体Mを供給する。投入装置413が遊技媒体Mを投入する時点および方向は、操作装置31に対する利用者Uからの指示に応じて制御される。なお、受付装置32は、例えば電子メダルまたはクレジット等の無体の遊技媒体を利用者Uから受付けてもよい。投入装置413は、利用者Uから受付けた無体の遊技媒体の消費と引換えに、可動テーブル412の上面に遊技媒体Mを投入する。
【0023】
固定壁414は、可動テーブル412の上面に対向する構造体である。可動テーブル412に載置された遊技媒体Mは、可動テーブル412がY2方向に移動する過程で固定壁414によりY1方向に押圧される。固定壁414により押圧されることで可動テーブル412上の複数の遊技媒体MがY1方向に移動し、可動テーブル412の前縁部に到達した遊技媒体Mが可動テーブル412から落下する。
【0024】
可動テーブル412の前面には複数の抽選孔412aが形成される。可動テーブル412から落下する複数の遊技媒体Mの一部は抽選孔412aに進入する。抽選孔412aに対する遊技媒体Mの進入を契機として通常抽選が実行される。通常抽選は、利用者Uの当選/落選を抽選により決定する抽選処理である。通常抽選の具体例は後述する。
【0025】
供給装置415は、遊技媒体Mまたは特典ボールBを固定テーブル411上に供給する。特典ボールBは、遊技媒体Mとは別形状の有体物である。例えば球体が特典ボールBとして利用される。特典ボールBは、可動テーブル412の往復に連動して遊技媒体MとともにY1方向に移動し、最終的には固定テーブル411の前縁部411aから落下口Oに落下する。特典ボールBの落下を契機として、抽選ユニット22を利用した第1抽選が開始される。なお、
図5および
図6においては特典ボールBの図示が便宜的に省略されている。遊技媒体Mおよび特典ボールBは、「遊技体」の一例である。
【0026】
検出装置416は、固定テーブル411上の複数の特典ボールBの位置を検出する。例えば、固定テーブル411を挟んで相互に反対側に設置された発光素子と受光素子とを含む光学センサが、検出装置416として利用される。具体的には、検出装置416は、固定テーブル411上の特典ボールBについて前縁部411aからの距離に応じた検出信号を生成する。他方、検出装置417は、固定テーブル411からの特典ボールBの落下を検出する。例えば、落下口Oの内部に設置された光学センサが検出装置417として利用される。なお、検出装置416は、以上に例示した光学センサに限定されない。例えば、撮像装置が固定テーブル411上を撮像した画像の解析により、複数の特典ボールBの位置を検出してもよい。また、例えばICタグ等の発信機が特典ボールBに搭載された構成においては、各特典ボールBからの電波の受信により当該特典ボールBの位置を特定する受信装置が、検出装置416として利用される。
【0027】
以上の構成において、固定テーブル411上の複数の遊技媒体Mは、可動テーブル412がY1方向に移動する過程で当該可動テーブル412によりY1方向に押圧される。可動テーブル412により押圧されることで固定テーブル411上の複数の遊技媒体MがY1方向移動し、前縁部411aに到達した余剰の遊技媒体Mが当該前縁部411aから落下口Oに落下する。落下口Oに落下した遊技媒体Mの数量に応じた遊技媒体Mが払出装置33から払出される。以上の説明から理解される通り、通常ゲームは、遊技媒体Mの投入により遊技媒体Mおよび特典ボールBをY1方向に移動させて前縁部411aから落下させ、抽選孔412aに対する遊技媒体Mの落下を契機として通常抽選を実行するゲームである。すなわち、第1実施形態のプッシャーゲーム機構41は、固定テーブル411の上面または可動テーブル412の上面に載置された複数の遊技媒体Mを前縁部411aから落下させる機構である。
【0028】
表示装置42は、制御装置23による制御のもとで画像を表示する。表示装置42は、通常ゲーム等を含むゲームの進行を表示する。表示装置42は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルで構成される。表示装置42は、固定テーブル411に対して平面視でY2方向に位置する。すなわち、表示装置42は、利用者Uからみて固定テーブル411の奥側に配置される。また、
図5に例示される通り、表示装置42の表示面は、XY平面に対して角度α(0<α<90°)で斜め上方に傾斜する。ただし、角度αは90°に設定されてもよい。表示装置42は、「第2表示装置」の一例である。
【0029】
図6に例示される通り、第1実施形態の表示装置42は、通常抽選を表す画面(以下「抽選画面」という)421を表示する。通常抽選は、ビデオスロットである。抽選画面421には、複数の回転部422が表示される。複数の回転部422の各々は、仮想的な円柱である。複数の回転部422の各々の外周面には、相異なる複数の図柄が周方向に配列される。通常抽選においては、複数の回転部422の各々が回転し、所定の時点で順次に停止する。回転が停止した状態で複数の回転部422の図柄が所定の組合せである場合に当選と判定され、所定の組合せが成立しない場合には落選と判定される。
【0030】
図4の表示ユニット50は、利用者Uを補助する情報をゲームの進行に並行して表示する。なお、
図1に例示される通り、周方向に相互に隣合う2個のステーション21においては、表示ユニット50とプッシャーゲーム機構41との位置関係が反転した関係にある。以下の説明においては、表示ユニット50がプッシャーゲーム機構41のX1方向に位置するステーション21に便宜的に着目する。表示ユニット50がプッシャーゲーム機構41のX2方向に位置するステーション21において、表示ユニット50の構成および動作は、以下の説明とは左右を反転させた関係にある。
【0031】
図4に例示される通り、表示ユニット50は、表示装置51と移動機構52とを具備する。表示装置51は、制御装置23による制御のもとで画像を表示する。表示装置51は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルで構成される。表示装置51のサイズは表示装置42のサイズよりも小さい。例えば、表示装置51の横幅は表示装置42の横幅を下回り、かつ、表示装置51の高さは表示装置42の高さを下回る。ただし、表示装置51のサイズが表示装置42のサイズと同等である構成、または、表示装置51のサイズが表示装置42のサイズよりも大きい構成も想定される。
【0032】
また、
図5に例示される通り、表示装置51の表示面は、XY平面に対して角度β(0<β<90°)で斜め上方に傾斜する。表示装置51の角度βは表示装置42の角度αを下回る(β<α)。すなわち、表示装置51は表示装置42よりも上方に傾斜する。なお、角度αと角度βとは相等しい角度でもよく(α=β)、角度βは角度αを上回ってもよい(β>α)。また、角度βは90°に設定されてもよい。表示装置51は「第1表示装置」の一例である。
【0033】
表示装置51は、ゲームに関する説明を表示する。具体的には、第1実施形態の表示装置51は、案内情報Gを表示する。案内情報Gは、ゲームに関する説明を表す情報であり、例えば静止画,動画または文字列で表現される。
図7は、案内情報Gの具体例である。
図7から理解される通り、案内情報Gは、利用者Uに現在のプレイの手順を説明するための情報(G1,G2)、現在のゲームの状況を利用者Uに説明するための情報(G3,G4),または、今後のゲームの手順を説明するための情報(G1,G4,G5,G6)を含む。
【0034】
以上の説明から理解される通り、表示装置42に表示される情報(例えば抽選画面421)がゲームの進行に直接的に関与する必須の情報であるのに対し、表示装置51に表示される案内情報Gは、利用者Uによるゲームのプレイを支援するための補助的な情報である。利用者Uの認識に着目すると、表示装置42に表示される情報は、ゲームの進行の状況を利用者Uが把握するために必要な情報であり、表示装置51が表示する情報は、ゲームの状況を把握するために必須の情報ではないが、利用者Uによる状況の理解を補助する補助的な情報である。
【0035】
図4の移動機構52は、制御装置23による制御のもとで、表示装置51をゲーム機構40に対して移動させる機構である。すなわち、表示装置42の位置は固定であるのに対し、表示装置51の位置は可変である。
図4に例示される通り、第1実施形態の移動機構52は、表示装置51を位置P1と位置P2との間でX軸の方向に移動させる。位置P1と位置P2とは、X軸上の相異なる地点である。例えば、移動機構52は、位置P1にある表示装置51を位置P2までX2方向に移動させ、位置P2にある表示装置51を位置P1までX1方向に移動させる。表示装置51は、位置P2において案内情報Gを表示する。位置P1は「第1位置」の一例であり、位置P2は「第2位置」の一例である。
【0036】
第1実施形態の位置P1は、ゲーム機構40に対してX1方向に離間した位置である。すなわち、表示装置51が位置P1にある状態では、X軸の方向における表示装置51の範囲R1と、X軸の方向におけるプッシャーゲーム機構41の範囲R2とは相互に重複しない。なお、範囲R1は表示装置51の横幅の範囲であり、範囲R2は例えば固定テーブル411または可動テーブル412の横幅の範囲である。なお、表示装置51が位置P1にある状態において、表示装置51の範囲R1の一部または全部が、プッシャーゲーム機構41の範囲R2に平面視で重複してもよい。
【0037】
第1実施形態における位置P2は、X軸の方向において位置P1よりもプッシャーゲーム機構41に近い位置である。具体的には、位置P2は、X軸の方向におけるプッシャーゲーム機構41の範囲R2の内側の位置である。したがって、表示装置51が位置P2にある状態では、表示装置51の範囲R1とプッシャーゲーム機構41の範囲R2とが相互に重複する。具体的には、表示装置51の範囲R1はプッシャーゲーム機構41の範囲R2の内側に位置する。
【0038】
図5においては、表示装置51が位置P2にある状態が例示されている。
図5および
図6に例示される通り、位置P2にある表示装置51は、落下口Oの上方に位置する。したがって、位置P2にある表示装置51は、
図4から理解される通り、平面視において固定テーブル411の前縁部411aよりもY1方向に位置する。すなわち、表示装置51が位置P2にある状態では、平面視で表示装置42と表示装置51との間に固定テーブル411および可動テーブル412が位置する。以上の説明から理解される通り、位置P2は、利用者Uからみて固定テーブル411の手前側の位置である。
【0039】
また、
図5に例示される通り、位置P2にある表示装置51の底面は、固定テーブル411の上面よりも高い位置にある。以上の説明から理解される通り、位置P2にある表示装置51は、利用者Uとゲーム機構40(具体的には固定テーブル411および可動テーブル412)との間に位置する。すなわち、
図5に例示される通り、位置P2は、平面視でゲーム機構40と利用者Uとの間の位置である。
【0040】
通常ゲームの実行中において、利用者Uの視線Lは、
図5に例示される通り、固定テーブル411または可動テーブル412に指向する場合が多い。表示装置51が位置P2に移動することで、視線L上に表示装置51が位置する。すなわち、移動機構52は、プッシャーゲーム機構41に指向する利用者Uの視線Lが表示装置51により遮断されるように、表示装置51を位置P2に移動させる。以上の説明から理解される通り、位置P2は、プッシャーゲーム機構41に対する利用者Uの視線Lが表示装置51により遮断される位置とも換言される。
【0041】
図8および
図9は、表示ユニット50の詳細な構成図である。
図8は、表示装置51が位置P1にある状態の表示ユニット50の正面図および背面図である。
図9は、表示装置51が位置P2にある状態の表示ユニット50の正面図および背面図である。
【0042】
図8および
図9に例示される通り、移動機構52は、支持部材521と案内部材522と駆動装置523と連結機構524とを具備する。支持部材521は、表示装置51を支持する構造体であり、X軸の方向に移動可能である。第1実施形態の支持部材521は、前面部526と背面部527と下縁部528とを具備する。前面部526と背面部527との間に表示装置51が挟持される。前面部526は、矩形状の開口526aが形成された枠状の平板材であり、表示装置51の前面側に位置する。
図8の正面図に例示される通り、表示装置51の表示面は、前面部526の開口526aの内側に露出する。背面部527は、表示装置51の背面側に位置する。下縁部528は、前面部526または背面部527の下縁に沿って設置された長尺部材である。
【0043】
案内部材522は、X軸の方向に伸縮可能な機構であり、支持部材521の移動方向をX軸の方向に規制するガイドとして機能する。例えば複数の長尺部材が相互に摺動可能に連結されたスライドレールが案内部材522として利用される。X軸の方向に伸長された状態にある案内部材522の先端部に、支持部材521の下縁部528が固定される。したがって、支持部材521および表示装置51は、案内部材522の伸縮とともにX軸の方向に移動可能である。
【0044】
駆動装置523は、制御装置23による制御のもとで駆動軸を回転させるモータである。
図8および
図9の背面図に図示される通り、駆動装置523は、C1方向およびC2方向の一方に駆動軸を回転させる。C1方向およびC2方向は、相互に反対の回転方向である。連結機構524は、駆動装置523と支持部材521とを機械的に連結するリンク機構である。具体的には、連結機構524は、第1部材524aと第2部材524bとを具備する。第1部材524aは、端部E1aと端部E1bとを含む長尺状の部材である。第2部材524bは、端部E2aと端部E2bとを含む長尺状の部材である。第1部材524aの端部E1aは駆動装置523の駆動軸に固定される。第2部材524bの端部E2aは、第1部材524aの端部E1bに回転可能に軸支される。第2部材524bの端部E2bは、支持部材521(具体的には下縁部528)に回転可能に軸支される。
【0045】
表示装置51が位置P1にある
図8の状態で駆動軸がC2方向に回転すると、第1部材524aと第2部材524bとの間の角度が拡大するように連結機構524が動作する。したがって、表示装置51を支持する支持部材521は、案内部材522の伸長とともにX2方向に移動し、最終的には、
図9に例示される通り位置P2に到達する。他方、表示装置51が位置P2にある
図9の状態で駆動軸がC1方向に回転すると、第1部材524aと第2部材524bとの間の角度が縮小するように連結機構524が動作する。したがって、表示装置51を支持する支持部材521は、案内部材522の収縮とともにX1方向に移動し、最終的には、
図8に例示される通り位置P1に到達する。
【0046】
図10は、制御装置23の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置23は、記憶装置24に記憶されたプログラムを実行することで複数の機能(進行制御部231および表示制御部232)を実現する。進行制御部231は、ゲームの進行を制御する。表示制御部232は、表示ユニット50を制御する。具体的には、表示制御部232は、移動機構52の制御により表示装置51を移動させる動作と、案内情報Gを表示装置51に表示させる動作とを実行する。
【0047】
図11は、制御装置23が進行制御部231として機能することでゲームを進行させる処理(以下「進行制御処理」という)Saの手順を例示するフローチャートである。進行制御処理Saは、例えば所定の周期で反復される。複数のステーション21の各々について進行制御処理Saが個別に実行される。
【0048】
進行制御処理Saが開始されると、進行制御部231は、固定テーブル411の前縁部411aから遊技媒体Mが落下したか否かを判定する(Sa1)。遊技媒体Mが落下した場合(Sa1:YES)、進行制御部231は、所定量の遊技媒体Mを払出装置33に払出させる(Sa2)。遊技媒体Mが落下しない場合(Sa1:NO)、遊技媒体Mの払出(Sa2)は実行されない。
【0049】
進行制御部231は、可動テーブル412の抽選孔412aに遊技媒体Mが落下したか否かを判定する(Sa3)。遊技媒体Mが抽選孔412aに落下した場合(Sa3:YES)、進行制御部231は、通常抽選を実行する(Sa4)。具体的には、進行制御部231は、利用者Uの当選/落選を確率的に決定する電子抽選と、抽選画面421を表示装置42に表示させる処理とを実行する。遊技媒体Mが抽選孔412aに落下しない場合(Sa3:NO)、進行制御部231は、処理をステップSa7に移行する。すなわち、通常抽選は実行されない。
【0050】
進行制御部231は、通常抽選において当選条件が成立したか否かを判定する(Sa5)。具体的には、進行制御部231は、各回転部422の図柄が所定の組合せ(例えば同じ図柄の組合せ)で停止した場合に当選条件が成立したと判定する。当選条件が成立した場合(Sa5:YES)、進行制御部231は、図柄の組合せに応じた処理を実行する(Sa6)。例えば、進行制御部231は、特定の図柄が1列に配列した場合、固定テーブル411上に特典ボールBを供給するように供給装置415を制御する。当選条件が成立しない場合(Sa5:NO)、進行制御部231は、処理をステップSa7に移行する。
【0051】
進行制御部231は、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aから落下したか否かを判定する(Sa7)。特典ボールBが落下した場合(Sa7:YES)、進行制御部231は、第1抽選を開始する(Sa8)。すなわち、進行制御部231は、抽選ユニット22の制御により遊技面222上に抽選ボールB1を供給し、複数のポケット221のうち抽選ボールB1が進入したポケット221に応じて利用者Uの当選/落選を判定する。特典ボールBが固定テーブル411から落下しない場合(Sa7:NO)、進行制御部231は、第1抽選を実行せずに進行制御処理Saを終了する。
【0052】
第1抽選を実行すると、進行制御部231は、当該第1抽選の結果が当選であるか否かを判定する(Sa9)。第1抽選の結果が当選である場合(Sa9:YES)、進行制御部231は、第2抽選を開始する(Sa10)。すなわち、進行制御部231は、中央ユニット12の制御により遊技面122上に抽選ボールB2を供給し、複数のポケット121のうち抽選ボールB2が進入したポケット121に応じて利用者Uの当選/落選を判定する。
【0053】
第2抽選を実行すると、進行制御部231は、当該第2抽選の結果に応じた処理を実行する(Sa11)。例えば、第2抽選の結果が特別賞の当選である場合、進行制御部231は、固定テーブル411上に多数の遊技媒体M(すなわちジャックポット)を供給するように供給装置415を制御する。第1抽選の結果が落選である場合(Sa9:NO)、進行制御部231は、第2抽選を実行せずに進行制御処理Saを終了する。
【0054】
図12は、制御装置23が表示制御部232として機能することで表示ユニット50を制御する処理(以下「表示制御処理」という)Sbの手順を例示するフローチャートである。表示制御処理Sbは、例えば進行制御処理Saに並行して所定の周期で反復される。複数のステーション21の各々について表示制御処理Sbが個別に実行される。
【0055】
なお、複数のステーション21の各々は、稼働状態および休止状態の一方から他方に遷移し得る。稼働状態は、当該ステーション21を利用して利用者Uがゲームをプレイしている状態である。他方、休止状態は、ステーション21を利用したゲームのプレイが休止されている状態である。休止状態は、ステーション21において何れの利用者Uもゲームをプレイしない状態、または、当該ステーション21が利用されていない状態とも表現される。
【0056】
表示制御処理Sbが開始されると、表示制御部232は、処理対象のステーション21が休止状態に該当するか否かを判定する(Sb1)。例えば、表示制御部232は、操作パネル30に対する利用者Uからの最後の操作から所定の時間が経過した場合に、ステーション21が休止状態に該当すると判定する。操作パネル30に対する操作とは、例えば、遊技媒体Mの投入のために利用者Uが操作装置31に付与する操作である。ステーション21が休止状態にある場合(Sb1:YES)、表示制御部232は、以下の動作を実行することなく表示制御処理Sbを終了する。
【0057】
ステーション21が稼働状態にある場合(Sb1:NO)、表示制御部232は、現在のゲームの状況(以下「ゲーム状況」という)Qを特定する(Sb2)。具体的には、表示制御部232は、進行制御部231による進行制御処理Saの状態に応じてゲーム状況Qを特定する。例えば、第1抽選が開始される状況、または第2抽選が開始される状況、等の各種のゲーム状況Qが特定される。また、表示制御部232は、検出装置416または検出装置417が特典ボールBを検出した結果に応じてゲーム状況Qを特定する。例えば、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aからY2方向に充分に離間した状況、特典ボールBが前縁部411aに充分に接近した状況、または特典ボールBが落下口Oに落下した状況、等の各種のゲーム状況Qが特定される。
【0058】
表示制御部232は、現在のゲーム状況Qに応じた案内情報Gを表示すべきか否かを判定する(Sb3)。具体的には、表示制御部232は、現在のゲーム状況Qに対応する案内情報Gを既に表示済である場合には、案内情報Gの再度の表示は不要と判定する(Sb3:NO)、案内情報Gを表示しないと判定した場合(Sb3:NO)、表示制御部232は、表示制御処理Sbを終了する。他方、案内情報Gを表示すると判定した場合(Sb3:YES)、表示制御部232は、現在のゲーム状況Qに応じて表示ユニット50を制御するための以下の処理を実行する。
【0059】
表示制御部232は、現在のゲーム状況Qに対応する案内情報Gを特定する(Sb4)。案内情報Gの特定には、例えば
図13の参照テーブルTが使用される。参照テーブルTは、記憶装置24に記憶されている。
【0060】
図13に例示される通り、参照テーブルTは、複数のゲーム状況Q(Q1,Q2,…)の各々について案内情報G(G1,G2,…)と移動情報D(D1,D2,…)とが登録されたデータテーブルである。各ゲーム状況Qに対応する案内情報Gは、当該ゲーム状況Qにおいて利用者Uに提示すべき情報を表す。移動情報Dは、案内情報Gを表示するときに表示装置51を位置P1から位置P2に移動するか否かを指定する情報(例えばフラグ)である。複数の案内情報Gのうち利用者Uの注意を充分に引付ける必要がある案内情報Gには、表示装置51の移動を指定する移動情報Dが対応付けられる。他方、複数の案内情報Gのうち利用者Uの注意を引付ける必要性が低い案内情報Gには、表示装置51の停止(非移動)を指定する移動情報Dが対応付けられる。表示制御部232は、参照テーブルTに登録された複数の案内情報Gのうち現在のゲーム状況Qに対応する案内情報Gと、当該ゲーム状況Qに対応する移動情報Dとを特定する。
【0061】
表示制御部232は、表示装置51を移動するか否かを判定する(Sb5)。具体的には、表示制御部232は、現在のゲーム状況Qから特定した移動情報Dを参照することで、表示装置51の移動の要否を判定する。表示装置51を移動しないと判定した場合(Sb5:NO)、表示制御部232は、表示装置51を位置P1に維持したまま、現在のゲーム状況Qから特定した案内情報Gを、表示装置51に表示させる(Sb6)。すなわち、表示制御部232は、表示装置51を移動させる指示を移動機構52に付与しない。
【0062】
例えば、
図7に例示される通り、利用者Uがゲームのプレイを開始した直後の状況においては、表示装置51が位置P1に維持されたまま、当該表示装置51に案内情報G1が表示される。案内情報G1は、遊技媒体Mが抽選孔412aに落下した場合に通常抽選(スロットゲーム)が開始されることを利用者Uに通知する情報である。また、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aから充分に離間した状況においては、表示装置51が位置P1に維持されたまま、当該表示装置51に案内情報G2が表示される。案内情報G2は、固定テーブル411から特典ボールBを落下させるべきことを利用者Uに通知する情報である。
【0063】
表示装置51による案内情報Gの表示は、所定の終了条件が成立するまで維持される。終了条件は、例えば、案内情報Gの表示の開始から所定の時間が経過することである。終了条件が成立すると、表示制御部232は、表示装置51による案内情報Gの表示を終了させる(Sb7)。すなわち、表示制御部232は、表示装置51に案内情報Gを消去させる。案内情報Gの消去により表示制御処理Sbは終了する。なお、終了条件は以上の例示に限定されない。例えば、操作装置31に対する利用者Uからの操作を終了条件として案内情報Gを消去してもよい。
【0064】
他方、表示装置51を移動すると判定した場合(Sb5:YES)、表示制御部232は、表示装置51を位置P1から位置P2に移動させることを移動機構52に指示する(Sb8)。移動機構52は、表示制御部232からの指示に応じて表示装置51を位置P1から位置P2に移動させる。また、表示制御部232は、現在のゲーム状況Qから特定した案内情報Gを表示装置51に表示させる(Sb9)。第1実施形態においては、表示装置51の移動の開始とともに案内情報Gの表示も開始される。すなわち、表示装置51に案内情報Gが表示された状態で当該表示装置51は位置P1から位置P2に移動する。以上に説明した通り、第1実施形態における移動機構52は、案内情報Gを表示装置51が表示する場合に、当該表示装置51を移動させる。
【0065】
例えば、
図7に例示される通り、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aに充分に接近した状況においては、表示装置51は、案内情報G3を表示した状態で位置P1から位置P2に移動する。案内情報G3は、特典ボールBが間もなく落下することを利用者Uに通知する情報である。また、特典ボールBが固定テーブル411から落下口Oに落下した状況においては、表示装置51は、案内情報G4を表示した状態で位置P1から位置P2に移動する。案内情報G4は、特典ボールBの落下と第1抽選(チャンスゲーム)の開始とを、利用者Uに通知する情報である。以上の例示の通り、第1実施形態においては、表示装置51が固定テーブル411に接近するから、現在のゲーム状況Qのもとで特に注目すべき対象を、利用者Uが容易に把握できるという利点がある。すなわち、表示装置51がゲーム機構40に対して移動することで、案内情報Gによる説明の対象となるゲーム機構40の位置を、利用者Uが容易に把握できる。
【0066】
また、第1抽選が開始されると、表示装置51は、案内情報G5を表示した状態で位置P1から位置P2に移動する。案内情報G5は、抽選ユニット22の特定のポケット221に抽選ボールB1が進入した場合に第2抽選(ジャックポットチャンス)に遷移することを利用者Uに通知する情報である。また、第2抽選が開始されると、表示装置51は、案内情報G6を表示した状態で位置P1から位置P2に移動する。案内情報G6は、中央ユニット12の特定のポケット121に抽選ボールB2が進入した場合に特別賞(ジャックポット)が付与されることを利用者Uに通知する情報である。
【0067】
表示装置51による案内情報Gの表示は、前述の終了条件が成立するまで維持される。終了条件が成立すると、表示制御部232は、表示装置51による案内情報Gの表示を終了させる(Sb10)。すなわち、表示制御部232は、表示装置51に案内情報Gを消去させる。案内情報Gが消去されると、表示制御部232は、表示装置51を位置P2から位置P1に移動させることを移動機構52に指示する(Sb11)。移動機構52は、表示制御部232からの指示に応じて表示装置51を位置P2から位置P1に移動させる。表示装置51の移動により表示制御処理Sbは終了する。
【0068】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、案内情報G(すなわちゲームに関する説明)を表示する表示装置51がゲーム機構40に対して移動する。したがって、通常はゲーム機構40に指向する利用者Uの視線Lを、表示装置51が表示する案内情報Gに移動させることができる。すなわち、ゲーム機構40に集中する利用者Uの意識が、案内情報Gに引付けられる。したがって、利用者Uが案内情報Gを認識し易くすることが可能である。
【0069】
ところで、ゲーム機構40の表示装置42に案内情報Gを表示する形態(以下「対比例」という)も想定される。しかし、対比例においては、表示装置42による表示の内容が複雑化し、結果的に利用者Uがゲームの進行(例えば抽選画面421)を把握することが困難となる。第1実施形態によれば、案内情報Gが表示装置51に表示され、抽選画面421等のゲームの進行が表示装置42に表示される。したがって、利用者Uは、表示装置42を視認することでゲームの進行を容易に把握しながら、案内情報Gについては表示装置42とは別個の表示装置51により容易に確認できる。
【0070】
また、第1実施形態においては、案内情報Gを表示する場合に表示装置51が位置P2に移動するから、表示装置51が定常的に位置P2に位置する構成と比較して、利用者Uの意識をゲーム機構40から表示装置51の案内情報Gに移動させ易いという利点もある。第1実施形態においては特に、位置P1よりもゲーム機構40に近い位置P2において表示装置51が案内情報Gを表示する。したがって、利用者Uの意識をゲーム機構40から案内情報Gに容易に移動できるという効果は格別に顕著である。
【0071】
また、第1実施形態においては、利用者Uとゲーム機構40との間の位置P2において表示装置51が案内情報Gを表示する。したがって、表示装置51が表示する案内情報Gを利用者Uに効果的に注視させることができる。第1実施形態においては、利用者Uからみて固定テーブル411の手前側の位置P2にある表示装置51が案内情報Gを表示する。したがって、通常の状態では固定テーブル411上に集中する利用者Uの視線を、表示装置51が表示する案内情報Gに効果的に移動させることが可能である。
【0072】
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0073】
複数のステーション21の各々は、第1実施形態において説明した通り、稼働状態および休止状態の何れかの状態になり得る。第1実施形態においては、案内情報Gの表示と移動機構52による表示装置51の移動とが、休止状態(Sb1:YES)においては実行されない構成を例示した。第2実施形態の表示制御部232は、稼働状態および休止状態の双方において、案内情報Gの表示および表示装置51の移動を実行する。具体的には、第2実施形態においては、
図12に例示した表示制御処理SbにおけるステップSb1が省略される。すなわち、表示制御部232は、稼働状態および休止状態の何れにおいても、表示制御処理SbのうちステップSb2以降の処理を実行する。すなわち、稼働状態および休止状態の双方において、表示装置51は案内情報Gを表示し(Sb6,Sb9)、移動機構52は表示装置51を移動させる(Sb8,Sb11)。
【0074】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第2実施形態においては、利用者Uがゲームをプレイする稼働状態だけでなく、ゲームのプレイが休止される休止状態においても、表示装置51の移動および案内情報Gの表示が実行される。したがって、ゲーム装置1の周囲に所在するけれどもゲームをプレイしていない利用者Uが、表示装置51の表示に気付き易い。すなわち、現在はゲームをプレイしていない利用者Uが、当該ゲームをプレイする誘因を付与できる。他方、第1実施形態においては、第2実施形態と比較すると、休止状態において案内情報Gの表示と表示装置51の移動とが実行されない。したがって、第2実施形態と比較して、表示ユニット50の制御のために必要な電力を低減できるという利点がある。
【0075】
[第3実施形態]
第1実施形態においては、現在のゲーム状況Qに対応する案内情報Gが表示済である場合(Sb3:NO)には当該案内情報Gを再表示しない形態を例示した。すなわち、特定のゲーム状況Qが検出された直後に案内情報Gが表示され、当該ゲーム状況Qが継続している期間内においては、当該案内情報Gは再表示されない。
【0076】
第1実施形態とは対照的に、第3実施形態の表示制御部232は、特定のゲーム状況Qのもとで表示装置51に表示された案内情報Gを、表示装置51に再表示させる。具体的には、第3実施形態においては、案内情報Gの表示後にステーション21が休止状態に遷移し、かつ、休止状態から稼働状態に遷移した場合には、表示済の当該案内情報Gが表示装置51に再表示される。すなわち、休止状態からの復帰により案内情報Gが再表示される。なお、休止状態から稼働状態への遷移は、ゲームのプレイが再開されることを意味する。
【0077】
例えば、表示制御部232は、表示制御処理SbのステップSb3において、特定のゲーム状況Qに対応する案内情報Gが既に表示されている場合でも、休止状態から稼働状態への遷移後であり、かつ、休止状態の前後にわたり当該ゲーム状況Qが継続している場合には、当該案内情報Gを表示装置51に再表示させる。例えば、休止状態から稼働状態への遷移後、表示装置51を移動すると判定された場合(Sb5:YES)には、表示制御部232は、表示装置51を位置P1から位置P2に移動させ(Sb8)、かつ、案内情報Gを表示装置51に表示させる(Sb9)。
【0078】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。ところで、第1実施形態において、特定の利用者Uaがゲームをプレイしているときに表示された案内情報Gは、利用者Uaによるプレイの終了後に別の利用者Ubが当該ゲームのプレイを開始した場合には表示装置51に表示されない。第1実施形態とは対照的に、第3実施形態においては、特定のゲーム状況Qに対応する案内情報Gの表示後、休止状態から稼働状態への遷移後にも当該ゲーム状況Qが継続している場合には、当該案内情報Gが表示装置51に再表示される。したがって、利用者Uaのプレイ後にゲームのプレイを開始する利用者Ubが、案内情報Gを確認できるという利点がある。
【0079】
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0080】
(1)前述の各形態においては、表示装置51に案内情報Gが表示された状態で当該表示装置51が位置P1から位置P2に移動する形態を例示したが、表示装置51の移動と案内情報Gの表示との時間的な関係は以上の例示に限定されない。例えば、表示装置51が位置P1から位置P2に移動した後に、表示装置51が案内情報Gの表示を開始してもよい。また、表示装置51が位置P1から位置P2に移動する過程において、表示装置51が案内情報Gの表示を開始してもよい。表示装置51が位置P1から移動し始める前に、表示装置51が案内情報Gの表示を開始してもよい。
【0081】
(2)前述の各形態においては、表示装置51の案内情報Gが消去されてから表示装置51が位置P2から位置P1に移動する形態を例示したが、表示装置51の移動と案内情報Gの消去との時間的な関係は以上の例示に限定されない。例えば、表示装置51が位置P2から位置P1に移動した後に、表示装置51が案内情報Gを消去してもよい。また、表示装置51が位置P2から位置P1に移動する過程において、表示装置51が案内情報Gを消去してもよい。
【0082】
(3)表示装置51を移動させる移動機構52の構成は、前述の各形態の例示に限定されない。例えば、表示装置51を空気圧または油圧により移動させるアクチュエータ、バネ等の弾性部材の弾性力を利用して表示装置51を移動させる機構、電磁力を利用したソレノイドにより表示装置51を移動させる機構など、表示装置51を移動させ得る任意の構造が、移動機構52として利用される。
【0083】
(4)前述の各形態においては、移動機構52が表示装置51を位置P1および位置P2の一方から他方に移動させる形態を例示したが、移動機構52が表示装置51を移動させる条件(以下「移動条件」という)は以上の例示に限定されない。移動条件は、例えば移動方向,移動距離または移動速度である。
【0084】
例えば、移動機構52は、ゲーム状況Qに応じた可変の方向に表示装置51を移動させてもよい。例えば、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aに充分に接近した状況では、移動機構52は、固定テーブル411に接近する方向に表示装置51を移動させる。第1抽選が開始される状況では、移動機構52は、抽選ユニット22に接近する方向に表示装置51を移動させる。また、第2抽選が開始される状況では、移動機構52は、中央ユニット12に接近する方向に表示装置51を移動させる。
【0085】
また、移動機構52は、ゲーム状況Qに応じた可変の距離だけ表示装置51を移動させてもよい。例えば、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aに充分に接近した状況では、移動機構52は、固定テーブル411に充分に近い位置まで表示装置51を移動させる。第1抽選が開始される状況では、移動機構52は、抽選ユニット22に充分に近い位置まで表示装置51を移動させる。また、第2抽選が開始される状況では、移動機構52は、中央ユニット12に充分に近い位置まで表示装置51を移動させる。
【0086】
移動機構52は、ゲーム状況Qに応じた可変の速度で表示装置51を移動させてもよい。例えば、特典ボールBが固定テーブル411の前縁部411aに充分に接近した状況では、移動機構52は、所定の速度VLで表示装置51を移動させる。第1抽選が開始される状況では、移動機構52は、速度VLを上回る速度VMで表示装置51を移動させる。また、第2抽選が開始される状況では、移動機構52は、速度VMを上回る速度VHで表示装置51を移動させる。
【0087】
また、前述の各形態においては、移動機構52が表示装置51を直線状の軌道に沿って移動させたが、表示装置51が移動する軌道は以上の例示に限定されない。例えば、表示装置51は曲線状の軌道に沿って移動してもよい。例えば、表示装置51がゲーム機構40の周囲を周回する形態が想定される。また、表示装置51が移動する軌道は、XY平面に平行な線上に限定されない。例えば、X軸およびY軸の方向に加えて鉛直方向にも、表示装置51を移動させてよい。
【0088】
(5)前述の各形態においては、操作パネル30に対する利用者Uからの操作の有無に応じて休止状態を判定したが、休止状態を判定する方法は以上の例示に限定されない。例えば、各ステーション21の座席を撮像する撮像装置が設置される。表示制御部232は、撮像装置が撮像した画像の解析により利用者Uの有無を判定し、座席に利用者Uが存在しない場合に、ステーション21が休止状態にあると判定する。また、ゲーム装置1と通信可能な状態に登録カードを配置すること(例えば挿入口に対する登録カードの挿入)がゲームのプレイに必要な環境では、登録カードが配置されていない状態が休止状態として特定されてもよい。
【0089】
(6)案内情報Gの具体的な内容は、前述の各形態の例示に限定されない。例えば、特典ボールBが固定テーブル411から落下した回数(以下「落下回数」という)が所定値に到達した場合に第1抽選または第2抽選が開始される形態では、特典ボールBの落下回数を利用者Uに通知するための案内情報Gが表示装置51に表示される。
【0090】
(7)前述の各形態においては、遊技媒体Mを固定テーブル411から落下させるプッシャーゲーム機構41を例示したが、ゲーム機構40の種類は以上の例示に限定されない。すなわち、ゲーム機構40が実行するゲームの種類は任意である。例えば、前述の各形態において例示した抽選ユニット22または中央ユニット12のように複数のポケットの何れかに抽選ボールを進入させるゲーム(例えばルーレットゲーム)のみを実行する構成にも、本開示は同様に適用される。例えば、複数のポケットのうち特定のポケットに抽選ボールが進入した場合に利用者Uに付与される報酬が、案内情報Gとして表示装置51に表示される。
【0091】
例えば相異なる競走馬を模擬した複数の馬模型が競走する競馬ゲームにおいて、表示装置51は、馬模型が表す競走馬の情報を案内情報Gとして表示する。移動機構52は、馬模型の移動に連動するように表示装置51を移動させる。例えば、出走前または競走中の馬模型に接近するように表示装置51が移動する。なお、利用者Uが取得した馬券の対象の競走馬の馬模型、または利用者Uが育成した競走馬の馬模型等、特定の馬模型に接近するように表示装置51を移動させてもよい。
【0092】
また、前述の各形態においては、プッシャーゲーム機構41と表示装置42とを具備するゲーム機構40を例示したが、プッシャーゲーム機構41および表示装置42の一方のみでゲーム機構40が構成されてもよい。
【0093】
(8)プッシャーゲーム機構41を利用した通常ゲームと中央ユニット12を利用した第2抽選とが並行に進行する構成にも、本開示は適用される。例えば、通常ゲームの実行中には、前述の各形態と同様に、表示装置51が位置P1から位置P2に移動して案内情報Gを表示する。また、通常ゲームに並行して第2抽選が開始されると、表示装置51は位置P2aに移動し、第2抽選に関する案内情報Gを当該位置P2aにおいて表示する。位置P2aは、初期的な位置P1と比較して中央ユニット12に近い位置である。すなわち、表示装置51は、位置P1と位置P2と位置P2aとの相互間で移動する。
【0094】
同様に、プッシャーゲーム機構41を利用した通常ゲームと抽選ユニット22を利用した第1抽選とが並行に進行してもよい。例えば、通常ゲームの実行中には、前述の各形態と同様に、表示装置51が位置P1から位置P2に移動して案内情報Gを表示する。また、通常ゲームに並行して第1抽選が開始されると、表示装置51は位置P2bに移動し、第1抽選に関する案内情報Gを当該位置P2bにおいて表示する。位置P2bは、初期的な位置P1と比較して抽選ユニット22に近い位置である。すなわち、表示装置51は、位置P1と位置P2と位置P2bとの相互間で移動する。
【0095】
なお、位置P1と位置P2と位置P2aと位置P2bとのうちの2点間で表示装置51が移動する構成も想定される。以上の例示から理解される通り、表示装置51は任意の個数の地点間で移動する。ただし、複数の地点から2個の地点を選択する全通りの組合せについて表示装置51が移動できる必要は必ずしもない。すなわち、複数の地点のうち特定の2個の地点の間では表示装置51が移動できない構成も想定される。
【0096】
(9)前述の各形態においては、各ステーション21の表示装置51に、当該ステーション21におけるゲーム状況Qに対応する案内情報Gを表示したが、他のステーション21におけるゲーム状況Qに対応する案内情報Gが表示装置51に表示されてもよい。例えば、複数のステーション21のうち第1抽選または第2抽選が開始される可能性が高いステーション21を表す案内情報Gが、各ステーション21の表示装置51に表示されてもよい。特定のステーション21に関する案内情報Gを表示装置51が表示する場合、移動機構52は、当該ステーション21に接近する方向に表示装置51を移動させてよい。以上の構成によれば、各ステーション21の利用者Uは、自身のステーション21よりも好条件のステーション21を認識できる。
【0097】
(10)前述の各形態においては、複数のステーション21を具備するゲーム装置1を例示したが、複数のステーション21を具備する構成は必須ではない。例えば、操作パネル30とゲーム機構40と表示ユニット50との1組のみを具備するゲーム装置1(いわゆるシングルメダル機)にも、本開示は適用される。シングルメダル機は、前述の各形態における1個のステーション21で構成されるゲーム装置とも表現される。前述の中央ユニット12または抽選ユニット22がシングルメダル機に搭載されてもよい。前述の各実施形態および各変形例に例示した任意の構成は、シングルメダル機にも同様に適用される。
【0098】
(11)前述の各形態に係るゲーム装置1の機能(進行制御部231,表示制御部232)は、制御装置23を構成する1以上のプロセッサと記憶装置24に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0099】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0100】
[付記1]
本開示のひとつの態様(付記1)に係るゲーム装置(1)は、ゲームを実行するゲーム機構(40)と、前記ゲームに関する説明を表示する第1表示装置(51)と、前記第1表示装置(51)を前記ゲーム機構(40)に対して移動させる移動機構(52)とを具備する。以上の構成においては、ゲームに関する説明を表示する第1表示装置(51)がゲーム機構(40)に対して移動する。したがって、通常はゲーム機構(40)に指向する利用者(U)の視線(L)が、第1表示装置(51)が表示する説明に引付けられる。すなわち、利用者(U)が説明を認識し易くすることが可能である。
【0101】
「ゲーム」の種類は任意である。例えばメダル(トークンコイン)またはボール等の遊技体(M,B)を落下させるプッシャーゲーム、複数のポケットの何れかにボール等の遊技体(M,B)を進入させる物理抽選、相異なる競走馬を模擬した複数の馬模型が競走する競馬ゲーム、あるいは、複数の抽選要素の何れかを演算処理により確率的に選択する電子抽選、等が「ゲーム」として例示される。
【0102】
ゲーム機構(40)は、各種のゲームを実行する要素である。具体的には、ゲーム機構(40)は、ゲームを実行する機械的な構造体である。なお、ゲームの種類は任意である。具体的には、遊技体(M,B)を利用したゲームがゲーム機構(40)により実行される。例えば、メダル(トークンコイン)またはボール等の遊技体(M,B)を落下させるプッシャーゲームを想定すると、複数の遊技体(M,B)が載置されるテーブル(411)と、当該テーブル(411)上で往復する可動体(412)との組合せがゲーム機構(40)として例示される。また、複数のポケットの何れかにボール等の遊技体(M,B)を進入させる物理抽選ゲームを想定すると、複数のポケットが形成された平板状の構造体がゲーム機構(40)として例示される。また、複数の馬模型が競走する競馬ゲームを想定すると、競馬場を模擬したフィールドと複数の馬模型を移動させる移動機構とを具備する機構がゲーム機構(40)として例示される。また、電子抽選等のゲームを実行する要素も「ゲーム機構(40)」の概念には包含される。電子抽選等のゲームを実行するゲーム機構(40)は、例えば、演算処理による抽選結果を表示する表示装置(例えば後述の第2表示装置)を含む。
【0103】
「ゲームを実行する」とは、利用者(U)がプレイ可能なゲームを進行させること、具体的には、利用者(U)によるプレイに応じてゲームの状況を変化させることを意味する。なお、ゲーム機構は、1種類のゲームを実行する機構に限定されず、複数のゲームを実行してもよい。例えば、複数のゲームの各々をゲーム機構が順次に実行する形態、または、複数のゲームをゲーム機構が並列に進行させる形態が想定される。
【0104】
「ゲームに関する説明」は、ゲームに関する各種の事項を利用者(U)に通知または案内する情報であり、例えば画像(静止画または動画)または文字列で表現される。「ゲームに関する説明」は、例えば、ゲームの状況に関する説明とゲームの手順に関する説明とを含む。なお、ゲームの状況に関する説明とゲームの手順に関する説明とは、必ずしも明確に区別できるものではない。すなわち、ある情報が、ゲームの状況に関する説明とゲームの手順に関する説明との双方に該当する場合もある。
【0105】
ゲームの状況に関する説明は、ゲームの進行により刻々と変化する状況の説明である。前述のプッシャーゲームを想定すると、例えばメダルまたはボール等の遊技体(M,B)の状況を利用者(U)に説明する情報が、ゲームの状況に関する説明として例示される。例えば、遊技体(M,B)が落下した状況の説明、または、遊技体(M,B)が落下の直前にある状況の説明が、ゲームの状況に関する説明として例示される。また、物理抽選ゲームを想定すると、例えば複数のポケットのうち遊技体(M,B)が進入したポケット、複数の遊技体(M,B)のうち投入中の遊技体(M,B)の番号、または未投入の遊技体(M,B)の残数、等の各種の状況に関する説明が、ゲームの状況に関する説明として例示される。
【0106】
また、ゲームの手順に関する説明は、例えば、現在の手順に関する説明、および、今後の手順に関する説明を含む。例えば、前述のプッシャーゲームにおいては、現在がメダル等の遊技体(M,B)を投入する段階であること、遊技体(M,B)の落下により抽選処理が実行されている段階であること、等を表す情報が、現在の手順に関する説明として例示される。また、プッシャーゲームにおいては、例えばボール等の遊技体(M,B)がテーブル(411)から落下した場合に特別な手順(例えば特別抽選)に進行すること、抽選処理に当選した場合に利用者(U)が獲得できる報酬、等を表す情報が、今後の手順に関する説明として例示される。物理抽選ゲームにおいては、例えばクレジット等の遊技価値を利用者(U)が使用(例えばベット)すべき段階にあること、複数の遊技体(M,B)が順次に投入される段階にあること、等を表す情報が、現在の段階を表す情報として例示される。また、物理抽選ゲームにおいては、複数のポケットのうち特定のポケットに遊技体(M,B)が進入した場合に特別な手順(例えば抽選処理)に進行すること、特別な手順の内容、全部の遊技体(M,B)が投入された場合に進行する手順、等を表す情報が、今後の手順に関する説明として例示される。
【0107】
「移動機構(52)」は、第1表示装置(51)を移動させる任意の構造である。例えば第1表示装置(51)を機械的または電磁的に移動させる任意の機構が「移動機構(52)」の概念に包含される。また、移動機構(52)が第1表示装置(51)を移動させる条件(以下「移動条件」という)は任意である。移動条件は、例えば移動方向、移動距離または移動速度である。また、移動条件は、固定的な条件でも可変の条件でもよい。また、第1表示装置(51)を「ゲーム機構(40)に対して移動させる」とは、ゲーム機構(40)を基準として決定された移動条件のもとで第1表示装置(51)を移動させることを意味する。例えば、第1表示装置(51)を基準とした移動方向、または第1表示装置(51)を基準とした移動距離により、第1表示装置(51)を移動させることが、「ゲーム機構(40)に対して移動させる」の一例である。
【0108】
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記ゲーム機構(40)は、前記ゲームの進行を表示する第2表示装置(42)を含み、前記第2表示装置(42)の位置は固定である。以上の構成においては、ゲームに関する説明が第1表示装置(51)に表示される一方で、ゲームの進行が第2表示装置(42)に表示される。したがって、第2表示装置(42)またはゲーム機構(40)に集中する利用者(U)の視線(L)を、第1表示装置(51)が表示する説明に移動させることができる。また、以上の構成においては、ゲームの進行を表示する第2表示装置(42)の位置が固定である。すなわち、利用者(U)がゲームのプレイ中に確認すべき場所が固定である。したがって、利用者(U)はゲームの進行を容易に確認できる。そして、利用者(U)は、以上のように第2表示装置(42)によりゲームの進行を容易に把握しながら、第1表示装置(51)によりゲームの説明を確認できる。
【0109】
なお、ゲームに関する説明を第2表示装置(42)に表示する形態も想定される。しかし、以上の形態では、第2表示装置(42)による表示の内容が複雑化し、結果的に利用者(U)がゲームの進行を把握することが困難となる。ゲームに関する説明が第1表示装置(51)に表示され、ゲームの進行が第2表示装置(42)に表示される前述の形態によれば、利用者(U)は、第2表示装置(42)を視認することでゲームの進行を容易に把握しながら、ゲームの説明については第1表示装置(51)により確認できる。
【0110】
「ゲームの進行」とは、ゲームの状況が経時的に変化することを意味する。具体的には、利用者(U)によるプレイに応じたゲームの状況の変化が「ゲームの進行」の一例である。すなわち、第2表示装置(42)は、経時的に刻々と変化するゲームの状況を表示する。例えば、前述のプッシャーゲームにおいては、遊技体(M,B)の落下により開始される抽選処理の状況(例えばスロットゲーム)および結果が第2表示装置(42)に表示される。また、前述の物理抽選ゲームにおいては、実行中の抽選処理の種別または結果が第2表示装置(42)に表示される。以上の説明からも理解される通り、第2表示装置(42)が表示する情報は、ゲームの進行の状況を利用者(U)が把握するために必要な情報であり、第1表示装置(51)が表示する情報は、ゲームの状況を把握するために必須の情報ではないが、利用者(U)による状況の理解を補助する補足的な情報である。
【0111】
[付記3]
付記1または付記2の具体例(付記3)において、前記移動機構(52)は、前記ゲームに関する説明を前記第1表示装置(51)が表示する場合に、前記第1表示装置(51)を移動させる。以上の形態においては、ゲームに関する説明を表示する場合に第1表示装置(51)が移動するから、利用者(U)の意識をゲーム機構(40)から説明に移動させ易い。
【0112】
「ゲームに関する説明を第1表示装置(51)が表示する場合に、第1表示装置(51)を移動させる」とは、ゲームに関する説明を表示する場合に第1表示装置(51)が移動し、説明を表示しない状態では第1表示装置(51)が所定の位置に所在することを意味する。第1表示装置(51)による説明の表示の時期と、第1表示装置(51)の移動の時期との関係は任意である。例えば、説明が表示された状態で第1表示装置(51)が移動してもよいし、第1表示装置(51)が所定の位置まで移動した時点で第1表示装置(51)が説明の表示を開始してもよい。
【0113】
[付記4]
付記1から付記3の何れかの具体例(付記4)において、前記移動機構(52)は、前記第1表示装置(51)を第1位置(P1)と第2位置(P2)との一方から他方に移動させ、前記第1表示装置(51)は、前記第2位置(P2)において前記ゲームに関する説明を表示し、前記第2位置(P2)は、前記第1位置(P1)よりも前記ゲーム機構(40)に近い。以上の形態においては、第1位置(P1)よりもゲーム機構(40)に近い第2位置(P2)において第1表示装置(51)が説明を表示する。したがって、利用者(U)の意識をゲーム機構(40)から第1表示装置(51)における説明に容易に移動できるという効果は格別に顕著である。具体的には、第1表示装置(51)がゲーム機構(40)に接近することで、ゲーム機構(40)を視認している利用者(U)の視界内に第1表示装置(51)が移動する。したがって、第1表示装置(51)による説明の表示に利用者(U)が気付き易いという利点がある。
【0114】
「第2位置(P2)において説明を表示する」という表現は、第1表示装置(51)が説明を表示する位置を第2位置(P2)に限定する趣旨ではない。例えば、第1位置(P1)における説明の表示の有無、または第1位置(P1)と第2位置(P2)との間における説明の表示の有無は不問である。また、「第1位置(P1)」および「第2位置(P2)」は、空間内のひとつの地点に限定されず、平面内または空間内に存在する特定の範囲でもよい。また、第1位置(P1)および第2位置(P2)の一方または双方は、第1表示装置(51)が移動可能な範囲の端点でもよいし、当該範囲の内部に位置する地点でもよい。
【0115】
[付記5]
付記4の具体例(付記5)において、前記第2位置(P2)は、前記ゲーム機構(40)と前記ゲームをプレイする前記利用者(U)との間の位置である。以上の形態においては、ゲーム機構(40)と利用者(U)との間の第2位置(P2)において第1表示装置(51)が説明を表示する。したがって、第1表示装置(51)が表示する説明を利用者(U)に効果的に注視させることができる。具体的には、ゲーム機構(40)を視認している利用者(U)の視界内に第1表示装置(51)が移動するから、第1表示装置(51)による説明の表示に利用者(U)が気付き易いという利点がある。
【0116】
「ゲーム機構(40)と利用者(U)との間の位置」とは、例えば、利用者(U)の眼(両眼または片眼)の位置とゲーム機構(40)の任意の地点との間を意味する。すなわち、第2位置(P2)は、利用者(U)の眼の位置とゲーム機構(40)の任意の地点とを通過する直線上の位置である。例えば、第2位置(P2)は、利用者(U)の眼の位置とゲーム機構(40)の重心とを通過する直線上の位置である。なお、利用者(U)の眼の位置は、利用者(U)を基準とした所定の範囲内の地点として規定される。所定の範囲は、例えば利用者(U)の姿勢の変化に連動した眼の位置の移動範囲である。また、ゲーム機構(40)の地点についても同様に、空間内の唯1個の地点ではなく、所定の範囲に属する任意の地点である。
【0117】
また、第2位置(P2)は、特定の方向においてゲーム機構(40)が存在する範囲内の任意の地点と、当該方向において利用者(U)が存在する範囲内の任意の地点と、を通過する直線上の地点とも表現される。「特定の方向」は、例えば利用者(U)の左右方向である。すなわち、第2位置(P2)は、例えば、ゲーム機構(40)の横幅の範囲内の任意の地点と、利用者(U)の横幅の範囲内の任意の地点と、を通過する直線上の地点である。
【0118】
第2位置(P2)は特に、平面視において前記ゲーム機構(40)と利用者(U)との間の位置である。「平面視」は、鉛直方向の上方から視認することを意味する。平面視における利用者(U)の位置は、ゲームをプレイするひとりの利用者(U)が所在する通常の位置を意味し、例えばゲーム機構(40)に対して正面方向の位置である。第2表示装置(42)が設置される構成では、例えば第2表示装置(42)の表示面の中心を通過する法線の方向に利用者(U)が位置すると想定される。
【0119】
「第2位置(P2)」は、具体的には、平均的な体格の利用者(U)の眼の位置とゲーム機構(40)との間の位置とも換言される。すなわち、ゲーム機構(40)を視認する利用者(U)の視線(L)を第1表示装置(51)が横切る場合に、当該第1表示装置(51)は第2位置(P2)にあると解釈できる。
【0120】
[付記6]
付記4または付記5の具体例(付記6)において、前記ゲーム機構(40)は、前記ゲームをプレイする前記利用者(U)からみて手前側に位置する前縁部(411a)を含むテーブル(411)と、前記テーブル(411)上で往復する可動体(412)とを含み、前記テーブル(411)の上面または前記可動体(412)の上面に載置された複数の遊技体(M,B)を前記前縁部(411a)から落下させるプッシャーゲーム機構(41)を含み、前記第2位置(P2)は、前記利用者(U)からみて前記テーブル(411)の手前側の位置である。以上の形態においては、利用者(U)からみてテーブル(411)の手前側の第2位置(P2)にある第1表示装置(51)が説明を表示する。したがって、通常の状態ではテーブル(411)上に集中する利用者(U)の視線(L)を、第1表示装置(51)が表示する説明に効果的に移動させることが可能である。具体的には、第1表示装置(51)がテーブル(411)の手前側に移動することで、利用者(U)の視界に対してプッシャーゲーム機構(41)が比較的に大きい構成においても、第1表示装置(51)による説明の表示に利用者(U)が気付き易い。
【0121】
「遊技体(M,B)」は、プッシャーゲームに利用される任意の形状の物体である。例えば円板状または球体状の任意の形状の物体(例えばメダルまたはボール)が遊技体(M,B)として例示される。
【0122】
なお、テーブル(411)の平面形状は任意である。例えば、テーブル(411)の平面形状の典型例は略矩形状(長方形状または正方形状)であるが、多角形状または円形状(例えば真円状または楕円状)のテーブル(411)も想定される。また、テーブル上において可動体(412)が往復する方向は任意である。例えば、ゲームをプレイする利用者(U)の前後の方向に沿って可動体(412)が往復する形態のほか、例えば利用者(U)の左右の方向に沿って可動体(412)が往復する形態も想定される。すなわち、遊技体(M,B)が落下可能な開口に当該遊技体(M,B)が近付くように可動体(412)が移動すればよい。
【0123】
[付記7]
付記1から付記6の何れかの具体例(付記7)において、前記ゲームがプレイされる稼働状態および前記ゲームのプレイが休止される休止状態の双方において、前記第1表示装置(51)は、前記ゲームに関する説明を表示し、前記移動機構(52)は、前記第1表示装置(51)を移動させる。以上の構成においては、利用者(U)がゲームをプレイする稼働状態だけでなく、ゲームのプレイが休止される休止状態においても、第1表示装置(51)の移動および説明の表示が実行される。したがって、ゲーム装置(1)の周囲に所在する利用者(U)がゲームをプレイする誘因を付与できる。特に、休止状態においても第1表示装置(51)が移動するから、周囲の利用者(U)は、第1表示装置(51)による説明の表示に気付き易い。したがって、利用者(U)がゲームをプレイする誘因を効果的に付与できる。
【0124】
「休止状態」は、何れの利用者(U)もゲームをプレイしていない状態を意味する。例えば、休止状態は、利用者(U)による最後の操作から所定の時間が経過することを契機として開始され、利用者(U)による操作の受付により終了する。なお、利用者(U)による操作は、例えば遊技価値を消費(ベット)する指示,メダル等の遊技体(M,B)の投入,操作装置に対する操作である。また、ゲームをプレイする利用者(U)が所在しない状態を「休止状態」として特定してもよい。利用者(U)の有無は、例えば撮像装置が撮像した画像の解析により判定される。また、ゲーム装置(1)と通信可能な状態に登録カードを配置すること(例えば挿入口に対する登録カードの挿入)がゲームのプレイに必要な環境では、登録カードが配置されていない状態が「休止状態」として特定されてもよい。他方、「稼働状態」は、利用者(U)がゲームをプレイしている状態を意味する。
利用者(U)による操作が間欠的に実行される状態でも、相前後する操作の間隔が所定の時間を下回るような状態は「稼働状態」と解釈できる。「稼働状態」は、「休止状態」以外の状態と表現してもよい。
【0125】
[付記8]
付記1から付記7の何れかの具体例(付記8)において、前記第1表示装置(51)は、前記ゲームが所定の状況にある場合に前記説明を表示し、当該説明を消去し、前記説明の消去後、前記ゲームのプレイが休止された状態から当該ゲームのプレイが再開されたときに、前記所定の状況が継続している場合には、前記説明を再表示する。以上の構成においては、利用者(U)がプレイするゲームが所定の状況にある場合に説明が表示され、かつ、休止状態からゲームのプレイが再開されたときに当該状況が継続している場合には、説明が再表示される。したがって、休止状態を挟んでゲームのプレイを再開した利用者(U)が、第1表示装置(51)による説明の表示に気付き易い。また、利用者(U)によるプレイ後にゲームのプレイを開始する他の利用者(U)が、ゲームに関する説明を確認できる。なお、以上の態様においては、休止状態からゲームのプレイが再開された場合に、第1表示装置(51)が説明を再表示するだけでなく、移動機構(52)が第1表示装置(51)を移動させる構成が好適である。
【0126】
「所定の状況」とは、ゲームの進行に応じて発生および解消する状況を意味する。例えばプッシャーゲームを想定すると、遊技体(M,B)が落下の直前にある状況、または遊技体(M,B)が前縁部(411a)から充分に離間した状況が、「所定の状況」として例示される。また、例えば複数のポケットの何れかにボール等の遊技体(M,B)を進入させる物理抽選を想定すると、遊技体(M,B)が何れかのポケットに進入した状況、または遊技体(M,B)が何れのポケットにも進入していない状況が、「所定の状況」として例示される。また、複数の抽選要素の何れかを演算処理により確率的に選択する電子抽選を想定すると、例えば複数の抽選要素のうち特定の抽選要素が選択されていない状況が、「所定の状況」として例示される。
【0127】
「説明の消去」は、利用者(U)が説明を視認できない状態に第1表示装置(51)が変化することを意味する。具体的には、文字通り第1表示装置(51)が説明を消去する場合のほか、説明以外の画像の表示により当該説明を視認できない状態にすることも、「説明の消去」に該当する。また、「ゲームのプレイの再開」は、休止状態から稼働状態に遷移することを意味する。
【0128】
[付記9]
複数のステーション(21)を具備し、複数のステーション(21)の各々が、前記ゲーム機構(40)と前記第1表示装置(51)と前記移動機構(52)とを具備する。以上の態様によれば、ステーション(21)毎に第1表示装置(51)が設置されるから、ステーション(21)毎のゲームに関する固有の説明を、第1表示装置(51)に表示することが可能である。複数のステーション(21)の各々において、当該ステーション(21)におけるゲームの説明を表示する第1表示装置(51)が移動するから、各ステーション(21)の利用者(U)は、自身がプレイするゲームの説明に気付き易い。
【符号の説明】
【0129】
1…ゲーム装置、11…ゲームユニット、12…中央ユニット、21…ステーション、22…抽選ユニット、23…制御装置、231…進行制御部、232…表示制御部、24…記憶装置、30…操作パネル、31…操作装置、32…受付装置、33…払出装置、40…ゲーム機構、41…プッシャーゲーム機構、411…固定テーブル、411a…前縁部、412…可動テーブル、412a…抽選孔、413…投入装置、414…固定壁、415…供給装置、416,417…検出装置、42…表示装置、50…表示ユニット、51…表示装置、52…移動機構、521…支持部材、522…案内部材、523…駆動装置、524…連結機構、524a…第1部材、524b…第2部材、526…前面部、527…背面部、528…下縁部。