(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018925
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置
(51)【国際特許分類】
B61L 7/08 20060101AFI20230202BHJP
B61L 19/06 20060101ALI20230202BHJP
B61L 5/06 20060101ALI20230202BHJP
E01B 7/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B61L7/08
B61L19/06
B61L5/06
E01B7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123307
(22)【出願日】2021-07-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)集会名「NR Forum2020(ウェブ開催)(https://www.google.com/url?q=https://stream.meet.google.com/stream/0aa6a0cd-0582-436c-9021-666469bada3f&sa=D&source=calendar&ust=1595518169189000&usg=AOvVaw0Z5fidyO-hjBSAeAyQX5SL)、主催者:日本リーテック株式会社、開催場所(GoogleMeet)」、開催日「2020年7月29日」 (2)ウェブサイトの掲載日「2020年7月29日」、ウェブサイトのアドレス「https://sites.google.com/j-rietec.co.jp/nrforum2020/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0」 (3)集会名「第34回鉄道電気テクニカルフォーラム(東京都台東区上野2ー12ー20NDKロータスビル2階、一般社団法人日本鉄道電気技術協会2階講習室)、上記フォーラムをウェブ(https://youtu.be/oeakEBAs0f0)によりリアルタイム配信」、開催日「2021年2月9日、10日」 (4)発行者名「一般社団法人日本鉄道電気技術協会 鉄道電気テクニカルフォーラム事務局」、刊行物名「第34回鉄道電気テクニカルフォーラム論文集、第181頁」、発行日「2021年2月9日」
(71)【出願人】
【識別番号】390031934
【氏名又は名称】日本リーテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 紀一
(74)【代理人】
【識別番号】100062982
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 誠一
(72)【発明者】
【氏名】豊澤 謙悦
(72)【発明者】
【氏名】石田 朋也
(72)【発明者】
【氏名】安川 陽祐
【テーマコード(参考)】
2D056
【Fターム(参考)】
2D056AB00
(57)【要約】
【課題】従来、双動転てつ機から単動転てつ機への切り替え工事は、転てつ機内の回路や配線を変更し、仮設ケーブルが必要であり、配線誤りのリスクや、工程と工事費の負担があった。
【解決手段】本発明の双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置は、双動転てつ機を構成する一方の単動転てつ機と、他方の単動転てつ機と、該一方の単動転てつ機と前記他方の単動転てつ機とを連結する信号線と、該信号線を切断、接続する手段と、切断された、前記一方の単動転てつ機側の信号線部に接続、切断される単動化装置とよりなり、該単動化装置は、前記他方の単動転てつ機の回線をスルーするスルー回路部が設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双動転てつ機を構成する一方の単動転てつ機と、他方の単動転てつ機と、
上記各単動転てつ機に設けた、該各単動転てつ機を制御する連動装置からの定位または反位情報に基づき、該各単動転てつ機を定位または反位に移動させる一方及び他方の単動転てつ機制御装置と、
定位又は反位の開通方向を、上記連動装置の開通方向表示部に表示させるための電源に、第一信号線を介して接続された、上記他方の単動転てつ機に設けた、該他方の単動転てつ機の開通方向を検知すると共に、該検知した開通方向を、第二信号線を介して、上記一方の単動転てつ機の一方側開通方向情報処理部に通知する他方側開通方向情報処理部と、
上記一方の単動転てつ機に設けた、該一方の単動転てつ機の開通方向を検知すると共に、該検知した開通方向情報と上記他方の単動転てつ機の開通方向情報と一致する開通情報を、第三信号線を介して、上記連動装置の開通方向表示部に表示させるリレー部とよりなる双動転てつ機において、
上記第一信号線及び第二信号線を切断、接続する手段と、
該切断された第一信号線の一方の単動転てつ機側の第一信号線部と、切断された第二信号線の一方の単動転てつ機側の第二信号線部とに接続、切断される単動化装置とよりなり、
上記単動化装置は、上記第一信号線部からの電源入力により、定位及び反位情報を、上記第二信号線部を介して、上記一方側開通方向情報処理部に通知するスルー回路部を有し、
上記単動化装置は、該切断された第一信号線の一方の単動転てつ機側の第一信号線部と、切断された第二信号線の一方の単動転てつ機側の第二信号線部とに接続されたとき、前記スルー回路部により、上記一方側開通方向情報処理部は、上記一方の単動転てつ機の開通情報を、上記リレー部に通知することを特徴とする双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道線路の双動転てつ機を単動転てつ機に切り替えるための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、大規模駅の連動更新工事においては、該工事に合わせて構内のスリム化も計画され、不要な転てつ機の改廃に伴い、一方及び他方の転てつ機からなる双動転てつ機のうち一方の転てつ機のみを使用し、他方の転てつ機を廃止して使用する場合がある。
【0003】
(1.双動転てつ機装置の説明)
【0004】
図4~
図6は、例えば、継電連動装置に於ける転てつ機制御装置の概略図及び回路図を示す。該転てつ機制御装置は、互いに連動して動作する、一方の単動転てつ機(ロ号転てつ機)1と他方の単動転てつ機(イ号転てつ機)2とよりなる双動転てつ機と、これら各転てつ機1、2を制御する継電連動装置3とよりなる。
【0005】
上記継電連動装置3は、
図4に示すように、上記各転てつ機1、2を制御する連動制御盤3aと、上記各転てつ機1、2に接続されるリレー架3bとにより構成され、該継電連動装置3は、ロ号転てつ機1に信号ケーブル5を介して接続され、また、上記イ号転てつ機2と上記ロ号転てつ機1とは、信号ケーブル6により接続されている。また、該継電連動装置3と、ロ号転てつ機1とは、中継箇所となる信号器具箱4を介して、接続される場合もある。
【0006】
該信号器具箱4は、継電連動装置3より出力される制御条件の中継箇所としての役割のほか、現場設備の駆動電源供給のための機器のほか、継電連動装置3より出力される制御条件とは別に、現場機器の制御条件を作成する装置が収容されることもある。
【0007】
そして、
図5及び
図6に示すように、上記連動制御盤3aにて決定された定位・反位の転換指示により、上記リレー架3bの転てつ制御回路部7により作成された定位または反位の転換情報は、上記信号ケーブル5の信号線5aに接続された、上記ロ号転てつ機1のロ号転てつ機制御装置1aに入力され、該入力された定位または反位の転換情報により、該ロ号転てつ機制御装置1aが、上記ロ号転てつ機1を指示された開通方向に転換し、保持するようになる。
【0008】
また上記リレー架3bの転てつ制御回路部7からの定位または反位の転換情報は、上記信号線5aから分岐した、上記信号ケーブル6の信号線6aに接続された、上記イ号転てつ機2のイ号転てつ機制御装置2aに入力され、該入力された定位または反位の転換情報により、イ号転てつ機制御装置2aが、上記イ号転てつ機2を指示された開通方向に転換(移動)し、保持するようになる。
【0009】
また、上記ロ号転てつ機1は、ロ号側開通方向情報処理部8を有し、また、上記イ号転てつ機2は、イ号側開通方向情報処理部9を有する。
【0010】
そして、上記イ号側開通方向情報処理部9は、上記継電連動装置3の開通方向表示部に定位又は反位の開通方向を表示させるための転てつ表示回路用電源10に、信号ケーブル5の信号線5bと該信号線5bに接続された信号ケーブル6の信号線6bを介して接続され、そして、該イ号側開通方向情報処理部9は、上記転てつ表示回路用電源10により、上記イ号転てつ機2の開通方向状況を検知し、該検知した、定位または反位の開通方向情報を、上記信号ケーブル6の信号線6cを介して、上記ロ号側開通方向情報処理部8に通知するように形成される。
【0011】
また、上記ロ号側開通方向情報処理部8は、上記リレー架3bの転てつ機開通方向表示リレー部(KR)11に、上記信号ケーブル5の信号線5cを介して接続され、そして、該ロ号側開通方向情報処理部8は、上記信号線6cを介して上記転てつ表示回路用電源10により、上記ロ号転てつ機1の開通状況を検知し、該開通方向情報と、上記イ号側開通方向情報処理部9から通知を受けた開通方向情報と一致する開通方向を、上記KR11に通知し、該通知により、該KR11は、上記連動制御盤3aの表示部に、開通方向を表示させるようにするように形成される。
【0012】
即ち、上記ロ号開通方向情報処理部8は、例えば、イ号側開通方向情報処理部9からの定位情報を上記信号線6cの6c1から得て、また、上記ロ号転てつ機1の開通方向状況が定位と判断した場合には、上記KR11に、上記信号線5cを介して、定位情報を通知し、これにより、上記連動制御盤3aの表示部に、定位情報が表示されるようになる。
【0013】
また、上記ロ号開通方向情報処理部8は、例えば、イ号側開通方向情報処理部9からの反位情報を上記信号線6cの6c2から得て、また、上記ロ号転てつ機1の開通方向状況が反位と判断した場合には、上記KR11に、上記信号線5cを介して、反位情報を通知し、これにより、上記連動制御盤3aの表示部に、反位情報が表示されるようになる。
【0014】
(2.従来における双動から単動化する方法の説明)
【0015】
上記双動転てつ機を、単動化、即ち、例えば、イ号転てつ機2を廃止し、ロ号転てつ機1のみに変更(切替)する場合、変更前では、双動転てつ機として使用し、変更後では、単動転てつ機として使用できるようにする必要がある。
【0016】
そのため、従来においては、
図7~
図9に示すように、上記リレー架3bに、ロ号転てつ機1とイ号転てつ機2の各開通状況を表示させるための表示リレー(ロ号KR12、イ号KR14)を設け、そして、該イ号KRとロ号KRの組み合わせにより上記KR11を作動させ、上記連動制御盤3aに表示させるようにしていた。
【0017】
即ち、上記双動転てつ機装置から信号ケーブル6を撤去し、また、ロ号転てつ機1の開通方向を表示させるための表示リレー(ロ号KR)12を別途設け、また、上記ロ号側開通方向情報処理部8を、上記信号線5bに接続すると共に、該ロ号転てつ機1の開通状況を検知し、該検知した開通方向情報を、信号ケーブル5の信号線5cを介して接続された上記ロ号KR12に通知する回路に変更する。
【0018】
そして、該ロ号側開通方向情報処理部8は、上記信号線5bを介して上記転てつ表示回路用電源10により、上記ロ号転てつ機1の開通状況を検知し、該開通方向情報を、上記信号ケーブル5の信号線5cを介して、上記ロ号KR12に通知するようにする。
【0019】
また、イ号転てつ機2の開通方向を表示させるための転てつ機表示リレー(イ号側KR)14を別途設け、また、上記イ号開通方向情報処理部9を、別途設けた仮設ケーブル15の信号線15bを介して上記転てつ表示回路用電源10に接続すると共に、該イ号側KR14と、上記イ号側開通方向情報処理部9とを上記仮設ケーブル15の信号線15cにより連結するようにする。
【0020】
そして、イ号転てつ機2のイ号転てつ機制御装置2aには、上記仮設ケーブル15の信号線15aを介して、リレー架3bの転てつ制御回路部7からの定位または反位転換情報が入力されるように変更する。
【0021】
そして、廃止される他方の転てつ機に接続される仮設ケーブル15は、切り替え後に廃止され撤去される。
【0022】
また、上記イ号KR14と、上記ロ号KR12とを、別途設けた論理回路部16を介して、上記KR11に連結し、該論理回路部16は、上記KR11に、上記イ号KR14と、上記ロ号KR12の一致した開通方向を通知するように構成し、これにより、該論理回路部16により得られた該開通方向が、上記連動制御盤3aの表示部に表示されるようになる。
【0023】
該論理回路部16は、廃止される他方の転てつ機表示リレーの開通情報と、その開通情報をスルーするバイパス回路が設定できる転てつ機単動化スイッチ16-1を有し、切り替える際に同時に設定することで、双動転てつ機から単動転てつ機に切り替えた際に開通情報が不一致となることを防ぐ。
【0024】
また、該転てつ機単動化スイッチ16-1において、廃止される他方の転てつ機表示リレーの開通情報が設定される構成をNスイッチと呼ぶ。即ち、該Nスイッチにおいては、例えば、
図7において、C端子とN端子とが接続されるように構成される。
【0025】
また、該転てつ機単動化スイッチ16-1において、廃止される他方の転てつ機表示リレー回路をスルーするバイパス回路が設定される構成をRスイッチと呼ぶ。即ち、該Rスイッチにおいては、例えば、
図7において、C端子とR端子とが接続されるように構成される。
【0026】
そして、上記のように構成された双動転てつ機制御装置において、双動転てつ機から単動転てつ機に切り替える前においては、ロ号転てつ機1の開通情報と、イ号転てつ機2の開通情報がそれぞれ、上記イ号KR14,ロ号KR12にそれぞれ通知され、上記論理回路部16により、開通方向が上記KR11に通知されて、上記連動制御盤3aの表示部に表示されるようになる。
【0027】
また、双動転てつ機から単動転てつ機に切り替えた際は、イ号KR14からの信号がなく、ロ号KR12からの開通情報のみとなるが、双動転てつ機から単動転てつ機に切り替えを行うと同時に転てつ機単動化スイッチ16-1をRスイッチに設定することにより、上記論理回路部16は、該ロ号KR12の開通方向情報のみを、上記KR11に通知し、これにより、開通方向が上記KR11に通知されて、上記連動制御盤3aの表示部に表示されるようになる。
【0028】
このようにすることにより、双動転てつ機から単動転てつ機に変換が可能となる。
【0029】
なお、上記は、継電連動装置において説明し、個々の名称は継電連動装置を前提に記載しているが、同じ動作を行う電子連動装置等でも同様であり、上記継電連動装置における個々の名称は、電子連動装置等における個々の名称を含む概念であり、例えば、連動制御盤はシステム端末を含む概念であり、また、リレー架は、入出力リレー架、または、信号機コントローラを含む概念であり、後述する説明においても、同様である。
【0030】
例えば、双動転てつ機としては、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
しかしながら、上記従来の方法では、転てつ機内の回路や配線を変更し、また、上記イ号KR14や、ロ号KR12や、上記論理回路部16を仮設するために継電連動装置3の配線を変更し、また、切り替え後に廃止され撤去される仮設ケーブル15が必要になるなど、配線誤りのリスクと、工程と工事費の増加があった。
【0033】
本発明は上記の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明の双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置は、双動転てつ機を構成する一方の単動転てつ機と、他方の単動転てつ機と、上記各単動転てつ機に設けた、該各単動転てつ機を制御する連動装置からの定位または反位情報に基づき、該各単動転てつ機を定位または反位に移動させる一方及び他方の単動転てつ機制御装置と、定位又は反位の開通方向を、上記連動装置の開通方向表示部に表示させるための電源に、第一信号線を介して接続された、上記他方の単動転てつ機に設けた、該他方の単動転てつ機の開通方向を検知すると共に、該検知した開通方向を、第二信号線を介して、上記一方の単動転てつ機の一方側開通方向情報処理部に通知する他方側開通方向情報処理部と、上記一方の単動転てつ機に設けた、該一方の単動転てつ機の開通方向を検知すると共に、該検知した開通方向情報と上記他方の単動転てつ機の開通方向情報と一致する開通情報を、第三信号線を介して、上記連動装置の開通方向表示部に表示させるリレー部とよりなる双動転てつ機において、上記第一信号線及び第二信号線を切断、接続する手段と、該切断された第一信号線の一方の単動転てつ機側の第一信号線部と、切断された第二信号線の一方の単動転てつ機側の第二信号線部とに接続、切断される単動化装置とよりなり、上記単動化装置は、上記第一信号線部からの電源入力により、定位及び反位情報を、上記第二信号線部を介して、上記一方側開通方向情報処理部に通知するスルー回路部を有し、上記単動化装置は、該切断された第一信号線の一方の単動転てつ機側の第一信号線部と、切断された第二信号線の一方の単動転てつ機側の第二信号線部とに接続されたとき、前記スルー回路部により、上記一方側開通方向情報処理部は、上記一方の単動転てつ機の開通情報を、上記リレー部に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明においては、簡単に双動から単動化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置の概略図である。
【
図2】本発明の双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置の概略図であり、(a)は、イ号転てつ機に接続した説明図、(b)は、単動化装置に接続した説明図を示す。
【
図3】本発明の双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置の回路図である。
【
図7】従来の双動転てつ機から単動転てつ機への切替方法の説明図である。
【
図8】従来の双動転てつ機から単動転てつ機への切替方法の説明図である。
【
図9】従来の双動転てつ機から単動転てつ機への切替方法の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(3.本願発明の説明)
【0038】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【0039】
なお、従来の説明と同じ部分については同じ符号をつけ、説明を省略する。
【実施例0040】
本発明の双動転てつ機から単動転てつ機への切替装置は、
図1~
図3に示すように、単動化装置17と、上記双動転てつ機のロ号転てつ機1とイ号転てつ機2を連結する信号ケーブル6を、上記イ号転てつ機2から上記単動化装置17に切り替えする切替手段18とよりなる。
【0041】
上記切替手段18は、例えば、上記信号ケーブル6をロ号側信号ケーブル部19とイ号側信号ケーブル部20とに分離した該ロ号側信号ケーブル部19の端部に設けたロ号側コネクタ部18aと、上記イ号側信号ケーブル部20の端部に設けたイ号側コネクタ部18bとよりなり、該ロ号側コネクタ部18aと、上記イ号側コネクタ部18bとは、接続、切断可能に形成される。
【0042】
また、上記ロ号側信号ケーブル部19の端部に設けたロ号側コネクタ部18aは、上記単動化装置17に設けた単動化装置側コネクタ部17aに接続、切断可能に形成される。
【0043】
なお、上記信号ケーブル6は、上記信号線6aと、上記信号線6bと、上記信号線6cとにより構成され、そして、上記信号線6aは、ロ号側信号線部19aとイ号側信号線部20aに分離され、また、上記信号線6bは、ロ号側信号線部19bとイ号側信号線部20bに分離され、また、上記信号線6cは、ロ号側信号線19cとイ号側信号線20cに分離され、上記ロ号側コネクタ部18aと上記イ号側コネクタ部18bを接続することにより、上記各対応する信号線が接続されるようになる。
【0044】
また、上記単動化装置17は、開通方向スルー回路17bが設けられ、該開通方向スルー回路17bは、上記単動化装置側コネクタ部17aにより、上記ロ号側信号ケーブル部19のロ号側信号線部19b及び、ロ号側信号線部19cに、それぞれ信号線21、及び信号線22を介して接続される。そして、上記ロ号側信号線19b、信号線21からの上記転てつ表示回路用電源10からの信号により、上記開通方向スルー回路17bは、上記信号線22,ロ号側信号線部19cを介して、上記ロ号側開通方向情報処理部8に、定位及び反位の双方の情報を通知するように構成されている。
【0045】
即ち、上記開通方向スルー回路17bは、上記転てつ表示回路用電源10から信号線19b、21を介して信号を得た時に、上記ロ号開通方向情報処理部8に、上記信号線22a、6c1を介して定位情報を通知すると共に、信号線22b、6c2を介して反位情報を通知するようにする。
【0046】
上記単動化装置17により、上記ロ号側開通方向情報処理部8は、上記信号線19b等を介して上記転てつ表示回路用電源10により、上記ロ号転てつ機1の開通状況を検知し、該開通方向情報を得て、また、上記開通方向スルー回路17bからは、定位及び反位情報の双方を得ているため、一致する上記転てつ機1の開通方向情報、即ち、上記検知した開通方向情報の方を、上記KR11に通知するようになり、該通知により、該KR11は、上記連動制御盤3aの表示部に、開通方向を表示させるようにするように形成される。
【0047】
即ち、上記ロ号側開通方向情報処理部8は、上記開通方向スルー回路部17bにより、上記ロ号転てつ機1が定位の場合には、定位を上記KR11に通知し、上記ロ号転てつ機1が反位の場合には、反位を上記KR11に通知するようになる。
【0048】
本発明においては、上記構成のため、双動転てつ機から単動転てつ機に切り替える前においては、上記ロ号側コネクタ部18aと上記イ号側コネクタ部18bとを接続するようにする。
【0049】
これにより、従来通り、双動転てつ機の各転てつ機を作動させることができるようになる。
【0050】
また、双動転てつ機から単動転てつ機に切り替える場合には、上記ロ号側コネクタ部18aを、上記単動化装置のコネクタ部17aに接続し、これにより、ロ号転てつ機の開通方向を、上記KR11に通知することができるようになる。
【0051】
なお、上記信号ケーブル6のロ号側信号線部19aからの、上記リレー架3bの転てつ制御回路部7により作成された定位または反位の転換情報は、上記単動化装置側コネクタに接続されていないため、未処理となる。
【0052】
本発明によれば、単なるコネクタの切替のみで双動転てつ機から単動転てつ機に切り替えることができ、配線誤りを防ぐことができるようになる。
【0053】
なお、上記説明は、一方の転てつ機(ロ号転てつ機)1のみを使用し、他方の転てつ機(イ号転てつ機)2を廃止する場合であるが、一方の転てつ機(ロ号転てつ機)1を廃止、他方の転てつ機(イ号転てつ機)2のみを使用する場合には、上記信号ケーブル5を、ロ号転てつ機1から切り離し、該信号ケーブル5を、該ロ号転てつ機1と接続していた状態と同じように、イ号転てつ機2に接続する。
【0054】
また、上記イ号転てつ機2のイ号側開通方向情報処理部の回路構成を、上記ロ号側開通方向情報処理部の回路構成と同じになるように変更すると共に、ロ号側開通方向情報処理部の回路構成を、上記イ号側開通方向情報処理部の回路構成と同じようになるように変更する。
【0055】
また、上記ロ号転てつ機1から上記イ号転てつ機2に連結された信号ケーブル6を、該ロ号転てつ機1と上記イ号転てつ機2とが接続された状態と同じように、上記イ号転てつ機2から上記ロ号転てつ機2を接続するようにする。
【0056】
即ち、残る側の転てつ機の回路構成及び信号ケーブル接続構成を、上記で説明したロ号転てつ機1の回路構成、信号ケーブル接続構成と同じになるようにすると共に、撤去(廃止する)する側の転てつ機の回路構成及び信号ケーブル接続構成を、上記で説明したイ号転てつ機2の回路構成、信号ケーブル接続構成と同じになるようにする。
【0057】
より具体的には、上記リレー架3bの転てつ制御回路部7により作成された定位または反位の転換情報を、上記信号ケーブル5の信号線5aに接続された、上記イ号転てつ機2のイ号転てつ機制御装置2aに入力されるようにし、該入力された定位または反位の転換情報により、該イ転てつ機制御装置2aが、上記イ号転てつ機2を指示された開通方向に転換し、保持するようにする。
【0058】
また、上記リレー架3bの転てつ制御回路部7からの定位または反位転換情報を、上記信号線5aから分岐した、上記信号ケーブル6の信号線6aに接続された、上記ロ号転てつ機1のロ号転てつ機制御装置1aに入力されるようにし、該入力された定位または反位の転換情報により、ロ号転てつ機制御装置1aが、上記ロ号転てつ機1を指示された開通方向に転換(移動)し、保持するようにする。
【0059】
そして、上記ロ号側開通方向情報処理部8は、上記継電連動装置3の転てつ表示回路用電源10に、信号ケーブル5の信号線5bと該信号線5bに接続された信号ケーブル6の信号線6bを介して接続され、そして、該ロ号側開通方向情報処理部8は、上記転てつ表示回路用電源10により、上記ロ号転てつ機1の開通方向状況を検知し、該検知した、定位または反位の開通方向情報を、上記信号ケーブル6の信号線6cを介して、上記イ号側開通方向情報処理部9に通知するように形成する。
【0060】
また、上記イ号側開通方向情報処理部9は、上記連動制御盤3aの転てつ機開通方向表示リレー部(KR)11に、上記信号ケーブル5の信号線5cを介して接続され、そして、該イ号側開通方向情報処理部9は、上記信号線6cを介して上記転てつ表示回路用電源10により、上記イ号転てつ機2の開通状況を検知し、該開通方向情報と、上記ロ号側開通方向情報処理部8から通知を受けた開通方向情報と一致する開通方向を、上記KR11に通知し、該通知により、該KR11は、上記連動制御盤3aの表示部に、開通方向を表示させるようにするように形成する。
【0061】
即ち、上記イ号開通方向情報処理部9は、例えば、ロ号側開通方向情報処理部8からの定位情報を上記信号線6cの6c1から得て、また、上記イ転てつ機2の開通方向状況が定位と判断した場合には、上記KR11に、上記信号線5cを介して、定位情報を通知し、これにより、上記連動制御盤3aの表示部に、定位情報が表示されるようにする。
【0062】
また、上記イ号開通方向情報処理部9は、例えば、ロ号側開通方向情報処理部8からの反位情報を上記信号線6cの6c2から得て、また、上記イ転てつ機2の開通方向状況が反位と判断した場合には、上記KR11に、上記信号線5cを介して、反位情報を通知し、これにより、上記連動制御盤3aの表示部に、反位情報が表示されるようにする。
【0063】
このように構成し、そして、上記信号ケーブル6に上記切替手段18を設け、上記単動化装置17を用いることにより、ロ号転てつ機1を廃止し、イ号転てつ機のみを使用する場合も、上記と同様に、容易に、双動かから単動化を図ることができるようになる。