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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018966
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】収容袋
(51)【国際特許分類】
   A61G 17/06 20060101AFI20230202BHJP
   B65D 33/12 20060101ALI20230202BHJP
   B65D 33/04 20060101ALI20230202BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
A61G17/06
B65D33/12
B65D33/04
B65D33/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123377
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000204620
【氏名又は名称】大嘉産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】古田 研二
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064BC20
3E064EA09
3E064HH02
3E064HH07
3E064HJ05
3E064HK10
3E064HM01
3E064HN21
(57)【要約】
【課題】動物の死体を回収しやすく、運搬しやすい収容袋を提供する。
【解決手段】収容袋1は、シート状部材10が対向した状態に配置され縦方向の左側辺8A,右側辺8B及び横方向の底辺6A,上辺6Bを有する本体2と、本体2に取り付けられた持ち手4と、を備え、持ち手4が設けられた側とは反対側の本体2の横方向の底辺6Aと、その両側に隣接する縦方向の左側辺8A及び右側辺8Bのうち半分より少ない部分とが連続して封止される封止部分12として形成され、封止部分12により本体2には袋状部分14が形成され、封止部分12以外の辺は、開閉可能に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材が対向した状態に配置され縦方向の辺及び横方向の辺を有する本体と、
前記本体に取り付けられた持ち手と、を備えた収容袋であって、
前記持ち手が設けられた側とは反対側の前記本体の前記横方向の一辺と、その両側に隣接する縦方向の辺のうち半分より少ない部分とが連続して封止される封止部分として形成され、前記封止部分により前記本体には袋状部分が形成され、
前記封止部分以外の辺は、開閉可能に設けられている、
ことを特徴とする収容袋。
【請求項2】
前記本体は、略矩形に形成され、
前記封止部分は、前記本体の底面側の横方向の一辺と、その両側に隣接する側辺の一部により形成されている、
請求項1に記載の収容袋。
【請求項3】
前記持ち手は、前記本体の対向した前記シート状部材の前記横方向の辺からそれぞれ外側に突出して使用者が把持するための一対の把持部分と、前記一対の把持部分に連続して設けられ、前記本体の外面に前記縦方向に沿って設けられる支持部分と、を有する、
請求項1または請求項2に記載の収容袋。
【請求項4】
前記支持部分は、前記本体の外面に前記縦方向に沿って形成された支持部分通路内に保持されており、前記本体と結合していない、
請求項3に記載の収容袋。
【請求項5】
前記本体には、前記本体の内部が視認可能なように透光性シートで形成された窓が設けられている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の収容袋。
【請求項6】
前記窓には、前記透光性シートを覆う窓カバーが設けられている、
請求項5に記載の収容袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容袋に関し、具体的には道路や線路上等の動物の死体を収容するための収容袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や線路上の野生動物等の死体を回収して焼却処理のために運搬する方法としては、例えば特許文献1に記載されたような方法がある。この方法では、動物を袋体に収容して、その袋体の開口部をヒートシールすることで袋体を閉じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-25475号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような方法では、袋体に動物の死体を収容するのが難しく、特に死体の損傷が激しい場合や日数が経っている場合等には死体が扱いにくい。また、死体を収容した後の運搬も難しい。
本発明の目的は、動物の死体を回収しやすく、運搬しやすい収容袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の収容袋は、シート状部材が対向した状態に配置され縦方向の辺及び横方向の辺を有する本体と、本体に取り付けられた持ち手と、を備えた収容袋であって、持ち手が設けられた側とは反対側の本体の前記横方向の一辺と、その両側に隣接する縦方向の辺のうち半分より少ない部分とが連続して封止される封止部分として形成され、封止部分により本体には袋状部分が形成され、封止部分以外の辺は、開閉可能に設けられている、ことを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明においては、開閉可能な部分を開けて本体を広げ、シート上部材に動物の死体を載置し、本体の封止部分以外の部分を閉めることで動物の死体が収容袋に収容される。封止部分が本体の縦方向の辺の内半分より少ない部分まで封止しているので、本体を広げやすく、動物の死体を収容しやすい。また、持ち手が設けられているので、持ち手を持って収容袋に収容された動物の死体を運搬することが容易になる。更に、封止部分が形成されているので、持ち手を持って収容袋を運搬する際に液体等が収容袋内で溜まるから、運搬しやすい。
【0007】
本発明において、好ましくは、本体は、略矩形に形成され、封止部分は、本体の底面側の横方向の一辺と、その両側に隣接する側辺の一部により形成されている。
このように構成された本発明においては、本体が略矩形に形成されているので収容袋を製造しやすい。また、本体が略矩形に形成されているので、封止部分を底辺と側辺の一部とによって形成することができ、封止部分を形成しやすい。
【0008】
本発明において、好ましくは、持ち手は、本体の対向したシート状部材の横方向の辺からそれぞれ外側に突出して使用者が把持するための一対の把持部分と、一対の把持部分に連続して設けられ、本体の外面に縦方向に沿って設けられる支持部分と、を有する。
このように構成された本発明においては、一対の把持部分が本体の辺から外側に突出しているので使用者が把持部分を把持しやすく、収容袋を運搬しやすい。また、一対の把持部分に支持部分が連続して設けられ、この支持部分は本体の外面の縦方向に沿って設けられているので、把持部分を把持して収容袋を持ち上げると、一対の把持部分に連続した支持部分が本体を支持するので、本体が破れたりすることを防止して収容袋に収容された動物の死体を安定して運搬することが可能になる。
【0009】
本発明において、好ましくは、支持部分は、本体の外面に前記縦方向に沿って形成された支持部分通路内に保持されており、本体と結合していない。
このように構成された本発明においては、支持部分が支持部分通路内に保持されて本体とは結合していないので、持ち手の把持部分を把持して収容袋を持ち上げたときに、本体が支持部分によって引っ張られることがない。よって支持部分に引っ張られて本体が破れたりすることが防止され、収容袋に収容された動物の死体を確実に運搬することが可能になる。
【0010】
本発明において、好ましくは、本体には、本体の内部が視認可能なように透光性シートで形成された窓が設けられている。
このように構成された本発明においては、本体に窓が設けられているので、収容袋を開けることなく中身を確認することが可能になる。
【0011】
本発明において、好ましくは、窓には、透光性シートを覆う窓カバーが設けられている。
このように構成された本発明においては、窓に窓カバーが設けられているので、窓から収容袋の中身を確認しない時には窓カバーで窓を覆うことによって収容袋の中身が視認できないようになるから収容袋を扱いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る収容袋の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る収容袋の窓カバーを上げた状態を示す斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る収容袋の本体を開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る収容袋1の斜視図である。この図1に示すように、収容袋1は、横方向の底辺6A及び上辺6Bと、縦方向の左側辺8A及び右側辺8Bを有し底辺6A及び上辺6Bの方が、左側辺8A及び右側辺8Bよりも長い略長方形に形成された本体2と、本体2に取り付けられた持ち手4と、を備える。
【0014】
本体2は、一対のシート状部材10が対向した状態で配置されており、本実施形態では、一対のシート状部材10は、不透明な材料で構成されており、底面側の底辺6Aで連続した一枚のシートを2つに折って形成されている。よって、本体2の底辺6Aは、封止されている。
【0015】
また、底辺6Aに隣接する左側辺8A及び右側辺8Bにおいて下側の一部は、一対のシート状部材10が互いに縫い合わされて封止されている。縫い合わされた部分の左側辺8A及び右側辺8B全体の長さに対する割合は、本実施形態では5分の1である。このように、本体2の底辺6Aと、左側辺8A及び右側辺8Bの一部が封止されることにより上に向かって開口するコ字形の封止部分12が形成されている。この封止部分12により、本体2の底部には、袋状部分14が形成される。
シート状部材10の封止部分12以外の辺の部分には、ファスナ16が取り付けられており、ファスナ16の開け閉めによって本体2を開閉可能になっている。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る収容袋1の窓カバー20を上げた状態を示す斜視図である。本体2のシート状部材10の一方には、略中央に透光性を有するシート(本実施形態では透明なシート)で構成された窓18が形成されている。窓18を通して本体2の内部が視認可能になっている。また窓18の外側には、不透明材料で構成された窓カバー20が設けられている。窓カバー20は上端において本体2に固定されており、窓18を覆う。窓カバー20の下端をめくることで窓18を露出させることが可能になる。
【0017】
持ち手4は、ひも状の部材で構成され、使用者が把持するための一対の把持部分22と、一対の把持部分に連続して設けられて本体2を支持する支持部分24と、を有する。
把持部分22は、本体2のシート状部材10のそれぞれの本体2の上辺6Bから上方に突出して略U字形に延びる。
支持部分24は、一対の把持部分22のそれぞれの下端から連続して延び、本体2の外面において縦方向に沿って配置される。したがって、表側の本体2に配置された支持部分24は窓18の両側で所定間隔をあけて2本配置され、この2本の支持部分24に連続して、裏側の本体2にも支持部分24が所定間隔をあけて2本配置される。ここで、把持部分22及び支持部分24は連続して形成されているので、持ち手4は、把持部分22及び支持部分24が連続して形成される、連続する1本の輪となっている。
【0018】
図3は、図1のIII-III線に沿った断面図である。この図3及び前述の図1に示すように、本体2には、互いに間隔をあけて2つのバンド状部材26が縦方向に沿って結合されている。バンド状部材26は表側の本体2から底辺6Aを通って裏側の本体2まで連続して配置されている。バンド状部材26は、横方向(バンド状部材26の幅方向)の両端が本体2のシート状部材10に溶着されているが、その間は溶着されておらず、このため、バンド状部材26とシート状部材10と間のには支持部分通路として通路28が形成される。支持部分24はこの通路28を通ることで、本体2に取り付けられており、したがって支持部分24は、本体2には固定されず、結合されていない。
【0019】
以上のような構造の収容袋1を用いて動物の死体を収容し搬送する場合には以下のように使用する。
図4は、本発明の一実施形態に係る収容袋1の本体2を開いた状態を示す斜視図である。この図4に示すように、ファスナ16を開けると、収容袋1の下方に袋状部分14が残り、その上のシート状部材10が広がる。一方のシート状部材10を地面に置き、動物の死体をその一方のシート状部材10状に置く。動物の死体の上から他方のシート状部材10をかぶせてファスナ16を閉めることで、動物の死体を収容袋1に収容する。
【0020】
収容袋1で動物の死体を運搬する際には、一対の把持部分22を持って持ち上げる。支持部分24が本体2を下から支える。このとき、支持部分24は本体2とは結合されていないので、支持部分24は通路28内で自由に移動する。収容袋1内部に収容された動物の死体の重量のバランスによって支持部分24に対する本体2の位置がずれ、収容袋1が安定する。
動物の死体から雨水や体液等の液体が出ている場合には、袋状部分14に液体が溜まり、外には漏れない。
また、収容袋1の中身を確認する際には、窓カバー20を上げて窓18を通して中身を確認する。
【0021】
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
収容袋1が動物の死体を収容する本体2と持ち手4とを有するので、持ち手4を持って動物の死体を運搬できるので、動物の死体を簡単に運搬することができる。
収容袋1の底辺6Aと左側辺8A及び右側辺8Bの約5分の1の長さの部分が連続して封止された封止部分12となっているので、ファスナ16を開けると本体2のシート状部材10をシート状に広げることができる。これにより、シート状部材10を広げて地面に敷くことができるから、動物の死体をシート状部材10に簡単に載せることができ、動物の死体を収容袋1に簡単に収容することができる。
【0022】
封止部分12が形成されたシート状部材10で袋状部分14を形成するので、動物の死体を運搬している際に液体を袋状部分14に溜めることができ、液体を漏らさず動物の死体を運搬することができる。これにより運搬が容易になる。
本体2が略矩形に形成されているので、底辺6Aを一体的なシート状部材10で構成し、左側辺8A及び右側辺8Bの一部を封止することで封止部分12を簡単に形成することができ、収容袋1を簡単に製造することができる。
【0023】
持ち手4が本体2から突出した把持部分22を有するので、把持部分22を持って収容袋1を運搬することができるから、動物の死体の運搬が簡単に行える。また持ち手4が、把持部分22に連続した支持部分24を有し、支持部分24が本体2の縦方向に沿って設けられているので、支持部分24が収容袋1の重量の一部を支持することができ、本体2が破れるのを防止して安定して収容袋1を持ち上げることができる。
【0024】
支持部分24が通路28内に配置されて本体2とは結合していないので、把持部分22を持って収容袋1を持ち上げたときに本体2が支持部分24によって引っ張られることがないから、本体2が破れたりするのを防止することができる。また、支持部分24が通路28内で移動できるので、収容袋1の重量のバランスを支持部分24と本体2との間の位置で調節することができ、収容袋1を運搬しやすくできる。
【0025】
本体2に窓18が設けられているので、収容袋1を開けることなく中身を確認することができる。
また、窓18を覆うように窓カバー20が設けられているので、中身を確認した後は窓カバー20で窓18を覆って、中身を隠すことができる。
【0026】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
前述の実施形態では窓や窓カバーが設けられていたが、窓または窓カバーは必ずしも設けられていなくてもよい。
前述の実施形態では、バンド状部材26によって支持部分24のほぼ全長にわたって通路28を形成していたが、これに限らず、例えば支持部分が複数箇所において通路を通ることで本体に対して取り付けられていてもよく、要するに支持部分は本体に対して摺動可能に設けられていればその具体的な取付構造は任意に設定することができる。また、持ち手の支持部分が本体と接続していなかったが、これに限らず支持部分が本体と接続していてもよい。この場合には収容袋の構造が簡単になるので収容袋を容易に製造することができる。
必ずしも支持部分は設けられていなくてもよく、持ち手は把持部分のみを有していてもよい。
【0027】
前述の実施形態では本体は略矩形に形成されていたが本体の形状は正方形、楕円、円、菱形、台形等、用途等に応じて任意に設定できる。
封止部分は、前述の実施形態では左側辺8Aと右側辺8Bのそれぞれ下側約5分の1に形成されていたが、これに限らず、封止部分は縦方向の辺の全長のうちの約5分の1よりも長くてもよく、またそれより短くてもよい。封止部分は縦方向の辺の全長の半分より少ない長さに形成されていればよい。
また、封止部分の底部は、前述の実施形態では1つのシート状部材を2つに折ることで形成されていたが、これに限らず、例えば2つのシート状部材の底辺を互いに縫い合わせることによって封止部分を形成してもよい。また、封止部分の封止方法は、シート状部材を一体に形成することや、シート状部材同士を縫製することの他、例えば溶着や接着等、任意の封止方法を採用することができる。また縫製後に目止め材を塗布して封止してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 収容袋
2 本体
4 持ち手
6A 底辺
6B 上辺
8A 左側辺
8B 右側辺
10 シート状部材
12 封止部分
14 袋状部分
18 窓
20 窓カバー
22 把持部分
24 支持部分
28 通路(支持部分通路)
図1
図2
図3
図4