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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023018990
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】電子機器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20230202BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
H05K7/20 H
H05K7/20 G
H05K7/20 B
H05K7/20 F
H05K5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123417
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 慎一
(72)【発明者】
【氏名】上村 裕樹
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB20
4E360BA02
4E360CA02
4E360EA12
4E360ED02
4E360GA22
4E360GB97
5E322AA01
5E322AA03
5E322AA11
5E322AB01
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】 内部を冷却可能であるとともに、基板上に埃や塵が溜まることを抑制する電子機器アセンブリを提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、電子機器アセンブリは、第1の開口と第2の開口とを有する筐体と、筐体の第2の開口に設けられるファンと、1又は複数の電子機器ユニットとを有する。電子機器ユニットは、基板、通電により発熱する発熱部品、閉塞パネル、カバー、放熱器、及び、通風部を有する。閉塞パネルは、基板の一端部とは反対側の他端部に固定される。カバーは、閉塞パネルと協働して基板の第1の面の全部、及び、基板の第1の面に隣接する縁部の全部を覆う。放熱器は、カバーに設けられる。通風部は、閉塞パネルに設けられ、カバーの外側で、ファンとの間の経路上の放熱器に空気を当てる位置に形成される。
【選択図】 図10

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口と第2の開口とを有する筐体と、
前記筐体の前記第2の開口に設けられ、駆動されると前記第1の開口の外側から前記筐体の内側に空気を流入させるとともに、前記筐体の内側の前記空気を前記筐体の外側に排出するファンと、
前記筐体に前記第1の開口を通して取り付けられるときに、一端部が前記ファンに向かって近接する基板、
前記基板の第1の面に実装され、通電により発熱する発熱部品、
前記基板の前記一端部とは反対側の他端部に固定され、前記基板が前記筐体に前記第1の開口を通して取り付けられるときに、前記第1の開口に支持される閉塞パネル、
前記閉塞パネルと協働して前記基板の前記第1の面の全部、及び、前記基板の前記第1の面に隣接する縁部の全部を覆うカバー、
前記カバーに設けられ、前記発熱部品から伝熱される熱を放熱する放熱器、及び、
前記閉塞パネルに設けられ、前記ファンの駆動により、前記空気を前記筐体の内側に流入させ、前記カバーの外側で、前記ファンとの間の経路上の前記放熱器に前記空気を当てる位置に形成される第1の通風部
を有する1又は複数の電子機器ユニットと、
を有する、電子機器アセンブリ。
【請求項2】
前記電子機器ユニットは、
前記基板が取り付けられ、前記第1の面と反対側の第2の面に対向し、前記カバーと協働して前記基板の前記第2の面の全部を覆う基板取付板を有する、請求項1に記載の電子機器アセンブリ。
【請求項3】
前記電子機器ユニットは、
前記基板の前記第2の面に固定される1又は複数の電子部品と、
前記閉塞パネルに設けられ、前記ファンの駆動により、前記空気を前記筐体の内側に流入させ、前記ファンとの間の経路上の前記基板取付板の外側に前記空気を当てる位置に形成される第2の通風部と
を有する、請求項2に記載の電子機器アセンブリ。
【請求項4】
前記基板取付板、前記閉塞パネル、及び、前記カバーは、全体として、前記基板の全部を閉塞する箱型に形成される、請求項3に記載の電子機器アセンブリ。
【請求項5】
前記電子機器ユニットは、前記発熱部品と前記カバー又は前記放熱器とに接触し、前記発熱部品から前記放熱器に熱を伝熱する伝熱部材を有する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電子機器アセンブリ。
【請求項6】
前記ファンに対向する位置で前記筐体内に前記筐体との間に隙間を形成する状態に延在するマザーボード基板と、
前記マザーボード基板に設けられる第1のコネクタと
を有し、
前記電子機器ユニットは、前記基板の前記一端部に設けられ、前記基板が前記筐体に取り付けられるときに、前記第1のコネクタに電気的に接続される第2のコネクタを有し、
前記カバーは、前記第2のコネクタのうち、前記第1のコネクタとの接続端子を露出し、かつ、前記第2のコネクタの外殻に沿う形状に形成されている、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子機器アセンブリ。
【請求項7】
前記カバーは、前記第2のコネクタの前記接続端子を外部に露出させる切り欠き部を有する、請求項6に記載の電子機器アセンブリ。
【請求項8】
前記カバーは、前記発熱部品から伝熱される熱を放熱する素材で形成される、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電子機器アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、基板に放熱器を設置したものを1つのユニットとし、複数のユニットを筐体に格納した電子機器アセンブリが開示されている。この電子機器アセンブリの1つのユニットにおいては、放熱器の外側を、下側から上側に空気が通る。基板と放熱器との間には、吸気口が設けられている。基板と放熱器との間の上端には開口が形成され、吸気口から取り入れた空気は、自然対流により、吸気口よりも上側の開口から抜ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-339187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、内部を冷却可能であるとともに、基板上に埃や塵が溜まることを抑制する電子機器アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、電子機器アセンブリは、第1の開口と第2の開口とを有する筐体と、筐体の第2の開口に設けられ、第1の開口の外側から筐体の内側に空気を流入させるとともに、筐体の内側の空気を筐体の外側に排出するファンと、1又は複数の電子機器ユニットとを有する。電子機器ユニットは、基板、通電により発熱する発熱部品、閉塞パネル、カバー、放熱器、及び、第1の通風部を有する。基板は、筐体に第1の開口を通して取り付けられるときに、一端部がファンに向かって近接する。発熱部品は、基板の第1の面に実装される。閉塞パネルは、基板の一端部とは反対側の他端部に固定され、基板が筐体に第1の開口を通して取り付けられるときに、第1の開口に支持される。カバーは、閉塞パネルと協働して基板の第1の面の全部、及び、基板の第1の面に隣接する縁部の全部を覆う。放熱器は、カバーに設けられ、発熱部品から伝熱される熱を放熱する。第1の通風部は、閉塞パネルに設けられ、カバーの外側で、ファンとの間の経路上の放熱器に空気を当てる位置に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る電子機器アセンブリの正面側を示す概略的な斜視図。
図2】実施形態に係る電子機器アセンブリを上方から見た概略的な透視図。
図3図2中の電子機器アセンブリのIII-III線に沿う概略的な断面図。
図4】実施形態に係る電子機器アセンブリの電子機器ユニットの一部を分解した概略的な分解斜視図。
図5】実施形態に係る電子機器アセンブリの電子機器ユニットの概略的な斜視図。
図6図5とは異なる方向から見た電子機器ユニットの概略的な斜視図。
図7図5中のVII-VII面に沿う概略的な断面図。
図8図5中の矢印VIIIで示す方向から見た電子機器アセンブリの電子機器ユニットの概略的な側面図。
図9図5中及び図8中の矢印IXで示す方向から見た電子機器ユニットの概略的な側面図。
図10】実施形態に係る電子機器アセンブリの内側及び外側の空気の流れを電子機器アセンブリの上方から見た概略的な透視図。
図11】実施形態に係る電子機器アセンブリの内側及び外側の空気の流れを電子機器アセンブリの側方から見た概略的な透視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1から図3には、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10を示す。図1は、電子機器アセンブリ10の正面側を示す概略的な斜視図である。図2は、図3中のII-II線に沿う図であり、電子機器アセンブリ10を上方から見た概略的な透視図ともいえる。図3は、図2中の電子機器アセンブリ10のIII-III線に沿う概略的な断面図である。
【0008】
図4は、電子機器ユニット20の一部を分解した分解斜視図である。図5は、電子機器ユニット20の概略的な斜視図であり、カバー64及び放熱器66側を見た図である。図6は、電子機器ユニット20の概略的な斜視図であり、基板取付板52側を見た図である。図7は、図5中のVII面に沿う断面図である。図8は、図5中の矢印VIIIで示す方向から見た電子機器ユニット20の概略図である。図9は、図5中及び図8中の矢印IXで示す方向から見た電子機器ユニット20の概略図である。
【0009】
図10は、図2に示す電子機器アセンブリ10の内側及び外側の空気の流れを電子機器アセンブリ10の上方から見た概略的な透視図である。図11は、図3に示す電子機器アセンブリ10の内側及び外側の空気の流れを電子機器アセンブリ10の側方から見た概略的な透視図である。
【0010】
図1から図11に示す電子機器アセンブリ10の一例は、通信機器や、各種の制御機器等である。電子機器アセンブリ10は、筐体12と、筐体12に設けられるファン14と、筐体12に固定されるマザーボード基板16と、マザーボード基板16に設けられた第1のコネクタ18と、第1のコネクタ18に対して電気的に接続及び離脱可能な1又は複数の電子機器ユニット20とを備える。
【0011】
図1から図3に示すように、筐体12は、筒状で、例えば四角筒状に形成される。筐体12は、例えば、上面板12a、下面板12b、及び、上面板12aと下面板12bとの間の1対の側面板12c,12dを有する。上面板12a及び下面板12bは、例えば同一形状で同一の大きさの板状に形成される。1対の側面板12c,12dは、例えば同一形状で同一の大きさの板状に形成される。そして、筐体12は、上面板12a、下面板12b、及び、1対の側面板12c,12dにより、正面側の開口(第1の開口)13aと、背面側の開口(第2の開口)13bとを有する。正面側の開口13aと、背面側の開口13bとは、一軸に沿うことが好適である。本実施形態では、一軸は、上面板12a、下面板12b、及び、1対の側面板12c,12dを通らないように設定される。一軸は、上面板12a、下面板12b、及び、1対の側面板12c,12dのそれぞれの内側面に平行であることが好適であるが、ズレは許容される。
【0012】
本実施形態では、図2に示すように、筐体12は、電子機器ユニット20を平行に7つ配置可能な7つのスロット30を有する例について説明する。スロット30の数は適宜に設定可能である。本実施形態では、スロット30は、筐体12の上面板12a及び下面板12bの少なくとも一方に設けられたレール30aを有する。レール30aには、例えば基板取付板52の上側及び下側の縁部(一端部55a及び他端部55bとは異なる残りの端部)55c,55dが支持される。基板取付板52の外側の面は、例えば1対の側面板12c,12dに平行に支持される。
【0013】
筐体12の背面側の開口13bには、強制空冷用のファン14が固定されている。ファン14は、駆動されると、筐体12の外側の空気を筐体12の内側に流入させ、筐体12の内側の空気を筐体12の外側に排出する。図2中、ファン14は2つ並べられている。ファン14は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0014】
マザーボード基板16は、筐体12の正面側の開口13aと背面側の開口13bとの間に設けられる。マザーボード基板16は、ファン14に対向する位置で、筐体12内に筐体12との間に隙間を形成する状態に延在する。マザーボード基板16は、例えば1対の側面板12c,12dのそれぞれに支持されている。本実施形態では、一例として、マザーボード基板16は、例えばアルミニウム合金材製の板状のカバー17で覆われている。カバー17は、マザーボード基板16の表裏全体を覆う。本実施形態では、カバー17は、筐体12の上面板12aとの間、及び、下面板12bとの間にそれぞれ隙間を形成する。カバー17は、例えば1対の側面板12c,12dのそれぞれに支持されている。
【0015】
第1のコネクタ18は、マザーボード基板16に設けられる。第1のコネクタ18は、カバー17の切り欠き部を通して外部に露出する。図2中、第1のコネクタ18は、カバー17の外側に突出しない例を示すが、第1のコネクタ18は、カバー17の外側に突出していてもよい。
【0016】
図1に示すように、電子機器アセンブリ10は、電子機器ユニット20の一例として、電源部42、無線部44、及び、通信制御部46を有する。これら電源部42、無線部44、及び、通信制御部46は、筐体12の正面側の第1の開口13aを通して筐体12のスロット30に挿入されて実装される。本実施形態では、通信制御部46を電子機器ユニット20の代表例として説明する。
【0017】
図4から図9に示すように、電子機器ユニット20は、例えば略矩形状の基板取付板52と、例えば略矩形状の基板54と、第2のコネクタ56と、通電により発熱する発熱部品58と、伝熱部材60と、閉塞パネル62と、カバー64と、放熱器66と、第1の通風部68と、第2の通風部70とを有する。
【0018】
基板取付板52、伝熱部材60、カバー64及び放熱器66は、例えばアルミニウム合金など、熱伝導率が高い素材で形成される。すなわち、基板取付板52、伝熱部材60、カバー64及び放熱器66は、発熱部品58から伝熱される熱を放熱する素材で形成される。
【0019】
基板取付板52及び基板54は、例えば略矩形状に形成される。基板取付板52の短辺及び長辺は、基板54の短辺及び長辺よりも大きく形成される。基板54は、基板取付板52に取り付けられる。基板取付板52を見たとき、基板取付板52の外縁の内側に基板54の外縁が配置される。
【0020】
基板54の4つの辺の1つである一端部55aには、第2のコネクタ56が設けられる。第2のコネクタ56は、第1のコネクタ18に着脱可能である。基板54が筐体12に取り付けられるとき、第2のコネクタ56は第1のコネクタ18に電気的に接続される。電子機器ユニット20が筐体12から取り外されるとき、第2のコネクタ56は第1のコネクタ18に電気的に分離される。なお、第2のコネクタ56は、発熱部品58、及び、後述する電子部品72,74,76と、マザーボード基板16とを電気的に接続する。
【0021】
基板54は、第1の面54aと第2の面54bとを有する。第1の面54aには、通電すると発熱する発熱部品58が実装される。発熱部品58の一例は、例えばFPGAやCPUなどの、電源デバイスである。
【0022】
図4に示すように、第1の面54aには、発熱部品58とは異なる、他の電子部品72,74が実装される。図7に示すように、第2の面54bには、発熱部品58とは異なる、他の電子部品76が実装される。これら電子部品72,74,76は、電子機器アセンブリ10が通信機器として用いられる場合、適宜の通信に必要な電子デバイスとして形成される。
【0023】
図4に示すように、伝熱部材60は、例えばブロック状部材(伝熱ブロック)として形成され、基板54の第1の面54a側で固定される。図4及び図7に示すように、伝熱部材60は、基板54の第1の面54aと協働して発熱部品58を挟む。このため、伝熱部材60には、発熱部品58が接触する。
【0024】
なお、伝熱部材60は、カバー64又は放熱器66に固定されていてもよい。
【0025】
図4に示すように、基板54の一端部55aと反対側の他端部55bには、閉塞パネル62が固定される。図4及び図9に示すように、閉塞パネル62には、各種のケーブルが接続される接続端子72a,74aが設けられる。閉塞パネル62の長手方向の長さは、基板54の他端部55bの長さよりも長い。そして、電子機器アセンブリ10の正面側から見て、閉塞パネル62は、基板54の他端部55bの全部を覆う。
【0026】
例えば閉塞パネル62の裏面62aに対してカバー64の端面64aは当接又は近接する。図8及び図9に示すように、閉塞パネル62の裏面62aに対してカバー64の端面64aは3つの端面64aで当接又は近接する。閉塞パネル62の裏面62aに対してカバー64の端面64aは隙間がない、又は、殆どないように形成されていることが好適である。
【0027】
本実施形態では、カバー64は、閉塞パネル62と協働して基板54の第1の面54aの全部を覆う。カバー64は、アルミニウム合金材性の板材の三方を曲げて形成される端面64bを有する。なお、カバー64には、第2のコネクタ56のうち、第1のコネクタ18との接続位置が露出するように一部を切り欠いた切り欠き部64cが形成されている。
【0028】
本実施形態では、カバー64の高さをできるだけ低くしながら、一部の電子部品72を収納するため、カバー64の一部に略コ字状の切り欠き部64dを形成する。切り欠き部64dには、蓋部材65が固定されている。
【0029】
なお、カバー64は、基板取付板52に設けられ、基板54を貫通するロッド状のスペーサ80に例えばネジ80aにより固定される。このとき、カバー64の端面64bは、基板取付板52のうち、基板54の第2の面54b側の面に当接する。
【0030】
放熱器66は、カバー64に固定される。放熱器66は、空気との接触面積を極力大きくするように、複数のフィン66aを有する。冷却が必要な発熱部品58は放熱器66に熱を伝熱する。このため、放熱器66は、カバー64に設けられ、発熱部品58から伝熱される熱を電子機器ユニット20の外側に放熱する。
【0031】
第1の通風部68は、閉塞パネル62に設けられる。第1の通風部68は、貫通孔として形成され、例えば直径が12mmの円柱棒が通らない大きさ及び形状に形成されている。第1の通風部68は、本実施形態では、数ミリ角の矩形状の穴が、例えば2列に並んでいる。第1の通風部68は、長手方向に複数に分割されていることが好適である。第1の通風部68は、ファン14の駆動により、空気を筐体12の内側に流入させ、カバー64の外側(基板54の第1の面54aに対向する側とは反対側)で、ファン14との間の経路上の放熱器66に空気を当てる位置に形成される。放熱器66のフィン66aは、電子機器アセンブリ10を正面側から見たとき、例えば第1の通風部68を通して第1の通風部68の奥側に見える位置に形成される。
【0032】
第2の通風部70は、閉塞パネル62に設けられる。第2の通風部70は、貫通孔として形成され、例えば直径が12mmの円柱棒が通らない大きさ及び形状に形成されている。第2の通風部70は、本実施形態では、数ミリ角の矩形状の穴が、例えば1列に形成されている。第2の通風部70は、長手方向に複数に分割されていることが好適である。第2の通風部70は、ファン14の駆動により、空気を筐体12の内側に流入させ、基板取付板52の外側(基板54の第2の面54bに対向する側とは反対側)でファン14との間の経路上に空気を当てる位置に形成される。
【0033】
そして、電子機器ユニット20の第2のコネクタ56が、マザーボード基板16の第1のコネクタ18と嵌合することで、電子機器ユニット20の基板54と、マザーボード基板16とが電気的に接続される。
【0034】
なお、本実施形態では、通信制御部46が第2のコネクタ56を有する。電源部42及び無線部44が第2のコネクタ56を有さず、筐体12に形成される配線により、電源部42及び無線部44が、通信制御部46と電気的に接続される構造であってもよい。この場合、電源部42及び無線部44は、マザーボード基板16に接続する第2のコネクタ56を備えていなくても、通信制御部46の第2のコネクタ56を介して、電源部42及び無線部44は、マザーボード基板16に電気的に接続する。
【0035】
基板54の第2の面54b側には、基板取付板52が配設され、基板54の正面側の他端部55bには閉塞パネル62が配設されている。このため、基板54の2つの面(第2の面54b及び他端部55bの面)は、基板取付板52、閉塞パネル62、及び、カバー64で閉塞されている。
【0036】
また、基板54の第1の面(表面)54aに対向する3辺を曲げたカバー64がスペーサ80を介して基板54の第1の面54aの全部、及び、第1の面54aに隣接する縁部の全部を覆う。このため、基板54の残りの4つの面(カバー64の第1の面54aに対する対向面、及び、残りの3つの端部の面)は、カバー64に覆われている。
【0037】
したがって、電子機器ユニット20は、基板取付板52、閉塞パネル62、及び、カバー64は、全体として、基板54の全部を閉塞する箱型に形成される。
【0038】
本実施形態に係る電子機器アセンブリ10の作用について説明する。ここでは、電子機器アセンブリ10の冷却に関する作用について説明する。
【0039】
本実施形態に係る電子機器アセンブリ10の筐体12は、例えば屋根がある場所で、屋内又は屋外に配置される。そして、電子機器アセンブリ10の筐体12の複数のスロット30に対して、予め組み立てておいた複数の電子機器ユニット20、すなわち、電源部42、無線部44、及び、通信制御部46を挿入する。このように、電子機器ユニット20が筐体12に第1の開口13aを通して取り付けられるときに、基板54の一端部がファン14に向かって近接する。基板54の一端部に設けられる第2のコネクタ56は、基板54が筐体12に取り付けられるときに、第1のコネクタ18に電気的に接続される。電子機器ユニット20が筐体12のスロット30に第1の開口13aを通して取り付けられるときに、閉塞パネル62は、第1の開口13aに支持される。このため、電子機器アセンブリ10は、筐体12の設置現場でメンテナンス可能である。
【0040】
筐体12のスロット30は、空きがあってもよい。この場合、空いたスロット30の周囲には、例えば平板を固定して空いたスロット30を閉塞し、筐体12内に埃や塵の浸入することを防止することができる。
【0041】
なお、電子機器アセンブリ10は、適宜の位置に設置する前に組み立てを終えていてもよい。
【0042】
電子機器アセンブリ10を適切に組み立てた後、電子機器アセンブリ10の各電子機器ユニット20に通電させるとともに、ファン14を回転させる。電子機器アセンブリ10の各電子機器ユニット20に通電させているとき、ファン14は回転し続ける。
【0043】
図10は電子機器アセンブリ10の水平方向のある断面での、図11は電子機器アセンブリ10の垂直方向のある断面での空気の流れのイメージ図を示す。電子機器アセンブリ10の背面のファン14により、閉塞パネル62の通風部68,70から外気が入り、基板54を覆うカバー64の外側に設けられた放熱器66を通って電子機器アセンブリ10の背面のファン14から排気される。放熱器66を外気が通ることで基板54上の発熱部品58の冷却を行う。
【0044】
電子機器アセンブリ10は、第1の流路として、第1の通風部68を通して筐体12内に空気を入れ、放熱器66、マザーボード基板16の上側又は下側を通して、ファン14から排気される。このとき、発熱部品58からの熱は、発熱部品58に接触する伝熱部材60に直接的に伝熱され続けるとともに、伝熱部材60に接触する放熱器66に伝熱され続ける。このため、第1の流路を通過し続ける空気により、放熱器66が冷却され続ける。したがって、発熱部品58から発する熱が伝熱により冷却され続ける。
【0045】
発熱部品58から発する熱は、伝熱部材60に接触する放熱器66に伝熱されるだけでなく、放熱器66を固定するカバー64にも伝熱される。このため、第1の流路を通過する空気により、放熱器66とともに、カバー64が冷却される。発熱部品58から発する熱が放熱器66だけでなく、カバー64にも伝熱するため、発熱部品58から発する熱が伝熱により、より効率的に冷却される。
【0046】
なお、カバー64に固定された蓋部材65は、カバー64と同一素材で形成され、第1の流路を通る空気との接触面積を大きくする。このため、カバー64に固定された蓋部材65は、発熱部品58から発する熱を、より効率的に冷却する。
【0047】
第1の通風部68に隣接する位置において、閉塞パネル62の面に対してカバー64の端面64aが当接又は近接する。このため、第1の通風部68に隣接する位置において、閉塞パネル62の面とカバー64の端面64aとの間は気密に形成されていなくても、隙間の存在が最小化されている。第1の通風部68を通して筐体12に流入した空気は、閉塞パネル62とカバー64との間の境界に向かったとしても、これらの間に隙間がなく、又は、殆どなく、カバー64の外側に設けられる放熱器66に向かう。すなわち、カバー64と閉塞パネル62との間の隙間は、第1の通風部68から流入した空気が、カバー64の外側を通った後、ファン14を通るように形成されている。このように、電子機器ユニット20は、第1の通風部68を通過した空気がカバー64内に入ることを抑制し、例えば基板54とカバー64との間に塵や埃が入ることを抑制する。したがって、電子機器ユニット20は、例えば基板54上に塵や埃が溜まることを抑制する。
【0048】
なお、カバー64は、第2のコネクタ56の絶縁性の外殻に沿う形状に形成され、カバー64の切り欠き部64cが第2のコネクタ56の外殻に当接又は近接する。このため、カバー64の切り欠き部64cと第2のコネクタ56との間の隙間の存在が最小化されている。このため、第1の通風部68を通過した空気がカバー64内に入ることを抑制し、例えば基板54とカバー64との間に塵や埃が入ることを抑制する。したがって、電子機器ユニット20は、例えば基板54上に塵や埃が溜まることを抑制する。
【0049】
上述したように、カバー64の切り欠き部64cと第2のコネクタ56の外殻との間の隙間の存在が最小化されている。このため、仮に、ファン14が停止したり、電子機器アセンブリ10の外側の大気の気圧の影響等により、ファン14から第1の通風部68に向かって空気が流れたとしても、ファン14を通過した空気がカバー64内に入ることを抑制し、例えば基板54とカバー64との間に塵や埃が入ることを抑制する。したがって、電子機器ユニット20は、例えば基板54上に塵や埃が溜まることを抑制する。
【0050】
電子機器アセンブリ10は、第2の流路として、第2の通風部70を通して筐体12内に空気を入れ、基板取付板52、マザーボード基板16の上側又は下側を通して、ファン14から排気される。このとき、第2の流路を通過する空気により、基板取付板52の外側(電子機器ユニット20の外側)が冷却される。
【0051】
基板取付板52のうち基板54の第2の面54bに対向する面には、カバー64の端面64bが当接又は近接する。このため、発熱部品58からの熱は、伝熱部材60、放熱器66、カバー64を通して、基板取付板52に伝熱される。このため、第2の流路を通過する空気により、基板取付板52が冷却される。したがって、発熱部品58から発する熱が放熱器66だけでなく、カバー64を通して、基板取付板52にも伝熱するため、発熱部品58から発する熱が伝熱により、より効率的に冷却される。
【0052】
また、第2の通風部70に隣接する位置において、基板取付板52の面とカバー64の端面64bとの間の隙間の存在が最小化されている。このため、第2の通風部70を通過した空気が基板取付板52とカバー64との間に入ることを抑制し、例えば基板54とカバー64との間、基板54と基板取付板52との間に塵や埃が入ることを抑制する。したがって、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10によれば、例えば電子機器ユニット20の基板54上に塵や埃が溜まることを抑制する。
【0053】
このように、電子機器ユニット20は、基板取付板52、閉塞パネル62、及び、カバー64は、全体として、基板54の全部を閉塞する箱型に形成される。一方で、発熱部品58からの熱は、伝熱部材60、カバー64、放熱器66、基板取付板52を通して、放熱される。また、カバー64、及び、基板取付板52は、閉塞パネル62にも当接するため、発熱部品58からの熱は、電子機器アセンブリ10の外側に露出する閉塞パネル62からも放熱される。したがって、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10は、効果的に冷却される。
【0054】
本実施形態に係る電子機器アセンブリ10は、基板取付板52、基板54、発熱部品58及び電子部品72,74を組み合わせてモジュール化したものを1つの電子機器ユニット20として、筐体12の前面の第1の開口13aから挿入して搭載し、筐体12内に構成されるマザーボード基板16にコネクタによって嵌合し、発熱部品58及び電子部品72,74とマザーボード基板16とを電気的に接続する。そして、この電子機器アセンブリ10は、筐体12において、各電子機器ユニット20の基板54全体をカバー64で覆っている。電子機器ユニット20の正面の閉塞パネル62に設けられた第1の通風部68及び第2の通風部70を通して、ファン14による強制空冷による空気が電子機器ユニット20の基板54に当たらない。
【0055】
このような構造により、電子機器ユニット20は、基板54上にゴミや塵等が入り込むことを防止する。したがって、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10は、電子機器ユニット20に塵や埃が入り込むことを考慮しなくてよい。したがって、電子機器アセンブリ10は、第1の通風部68及び第2の通風部70の両方にフィルタを装着することを不要とすることができる。このため、電子機器アセンブリ10を用いることにより、目詰まりするフィルタを定期的に掃除することが不要となる。したがって、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10は、メンテナンス回数を少なくすることができる。そして、第1の通風部68及び第2の通風部70の両方にフィルタを装着しないことにより、フィルタの目詰まりが生じないため、ファン14による筐体12内への空気流入量が低下することを抑制することができる。また、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10は、フィルタ目詰まりによる空気流入量が減ることがなく、冷却効率は変わらず、すなわち、冷却効率の低下を防止することができるなど、装置としての品質向上が図れる。
【0056】
したがって、本実施形態によれば、内部を冷却可能であるとともに、基板54上に埃や塵が溜まることを抑制する電子機器アセンブリ10を提供することができる。
【0057】
また、筐体12に実装する電子機器ユニット20は、全体が例えばアルミニウム材製などの板状のカバー(金具)64で覆われ、マザーボード基板16は、全体が例えばアルミニウム材製などの板状のカバー(金具)64で覆われている。本実施形態の場合、閉塞パネル62の通風部68,70から外気と一緒に埃も筐体12内に浸入する。しかしながら、電子機器アセンブリ10において、筐体12内に塵や埃等が入り込んでも、電子機器ユニット20は板金類(基板取付板52、閉塞パネル62、及び、カバー64)で覆われているため、基板54への塵や埃の付着を防止し、基板54上でトラッキングが生じることを防ぐことができる。また、マザーボード基板16は、カバー17で覆われているため、マザーボード基板16への塵や埃の付着を防止し、マザーボード基板16上でトラッキングが生じることを防ぐことができる。したがって、本実施形態に係る電子機器アセンブリ10は、装置としての品質向上を図ることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、通信制御部46が第2のコネクタ56を有し、電源部42及び無線部44が第2のコネクタ56を有さない例について説明した。この場合、電子機器ユニット20としての電源部42及び無線部44では、カバー64に切り欠き部64cが形成されることは不要となる。すなわち、電源部42及び無線部44は、3辺が折り曲げられたカバー64により、第1の面54a側、及び、閉塞パネル62以外の端面を覆うことができる。
一方、電子機器ユニット20として、通信制御部46だけでなく、電源部42及び無線部44のそれぞれが第2のコネクタ56を有することも好適である。この場合、マザーボード基板16には、各第2のコネクタ56に電気的に接続されるように、第1のコネクタ18が設けられる。
【0059】
本実施形態では、基板54の第1の面54a及び第2の面54b、端部55a,55b,55c,55dを、基板取付板52、閉塞パネル62、カバー64で覆う例について説明した。例えば、カバー64を有底筒状に形成し、有底筒状のカバー64の開口端を、閉塞パネル62に当接することで、基板取付板52は必ずしも必要ではなくなる。この場合、カバー64と基板54とが固定されていればよい。
【0060】
図1から図3中、1対の側面板12c,12dと電子機器ユニット20の基板取付板52とが平行となる例について説明したが、上面板12a及び下面板12bと電子機器ユニット20の基板取付板52とが平行となるように形成してもよい。この場合、スロット30は、筐体12の1対の側面板12c,12dの少なくとも一方に設けられたレール30aを有する。そして、閉塞パネル62、第1の通風部68及び第2の通風部70の形状も、スロット30に合わせて形成される。
【0061】
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、内部を冷却可能であるとともに、基板54上に埃や塵が溜まることを抑制する電子機器アセンブリ10を提供することができる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10…電子機器アセンブリ、12…筐体、13a…第1の開口、13b…第2の開口、14…ファン、16…マザーボード基板、17…カバー、18…第1のコネクタ、20…電子機器ユニット、42…電源部、44…無線部、46…通信制御部、52…基板取付板、54…基板、54a…第1の面、54b…第2の面、55a…一端部、55b…他端部、56…第2のコネクタ、58…発熱部品、60…伝熱部材、62…閉塞パネル、64…カバー、64a,64b…端面、66…放熱器、68…第1の通風部、70…第2の通風部

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