(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019072
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】光学系および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/04 20060101AFI20230202BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20230202BHJP
【FI】
G02B13/04 D
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123541
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鍋田 慧太
(72)【発明者】
【氏名】林 俊秀
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA03
2H087MA07
2H087PA11
2H087PA12
2H087PA18
2H087PB12
2H087PB13
2H087QA02
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA26
2H087QA34
2H087QA41
2H087QA45
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA44
(57)【要約】
【課題】小型で大口径を有する高性能な光学系および撮像装置を提供する。
【解決手段】光学系は、第1レンズ群(G1)、第2レンズ群(G2)および第3レンズ群(G3)からなる。いずれのレンズ群も正の屈折力を有し、第2レンズ群(G2)がフォーカス群である。第1レンズ群(G1)は、物体側から順に第1から第3の三枚のレンズを少なくとも有する。光学系は、当該レンズで規定される特定の式で表される光学特性を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群からなり、前記第2レンズ群は、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させるように、光軸に沿って移動可能である光学系であって、
前記第1レンズ群は、物体側から順に第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズを少なくとも有し、前記第1レンズおよび前記第2レンズは負の屈折力を有し、
以下の式を満足する、光学系。
65<νd12max・・・・・(1)
-1<(Rr+Rf)/(Rr-Rf)<1・・・・・(2)
但し、
νd12max:前記第1レンズおよび前記第2レンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
Rf:前記第2レンズの像面側の面の曲率半径
Rr:前記第3レンズの物体側の面の曲率半径
【請求項2】
以下の式を満足する、請求項1に記載の光学系。
0.54<f1/f2<3.74・・・・・(3)
但し、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
【請求項3】
以下の式を満足する、請求項1または2に記載の光学系。
0.78<f3/f1<7.33・・・・・(4)
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
【請求項4】
以下の式を満足する、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学系。
0.12<β2<0.58・・・・・(5)
但し、
β2:前記第2レンズ群の無限遠合焦時における横倍率
【請求項5】
以下の式を満足する、請求項1~4のいずれか一項に記載の光学系。
Nd3<1.7・・・・・(6)
但し、
Nd3:前記第3レンズのd線に対する屈折率
【請求項6】
以下の式を満足する、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学系。
60<νd2max・・・・・(7)
但し、
νd2max:前記第2レンズ群のレンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
【請求項7】
以下の式を満足する、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学系。
νd123min<45・・・・・(8)
但し、
νd123min:前記第1レンズ、前記第2レンズおよび前記第3レンズにおけるd線に対するアッベ数の最小値
【請求項8】
前記第3レンズ群は、前記光学系のレンズの総数をmとしたときに、第(m-2)レンズ、第(m-1)レンズおよび第mレンズを少なくとも有し、
以下の式を満足する、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学系。
60<νd321max・・・・・(9)
但し、
νd321max:前記第(m-2)レンズ、前記第(m-1)レンズおよび前記第mレンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
【請求項9】
以下の式を満足する、請求項1~8のいずれか一項に記載の光学系。
0.5<(1-β22)×β32<1.5・・・・・(10)
但し、
β3:前記第3レンズ群の無限遠合焦時における横倍率
【請求項10】
前記第1レンズおよび第2レンズは、いずれも、物体側に対して凸面を有する負のメニスカスレンズである、請求項1~9のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記第2レンズ群は、3枚以下のレンズで構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項12】
第1レンズ群は、少なくとも1枚の接合レンズを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第2レンズ群の最も物体側のレンズは、物体側に対して凹面を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項14】
前記第3レンズ群は、3枚以下のレンズで構成されており、少なくとも1枚の負レンズを含み、かつ非球面レンズを含まない、請求項1~13のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の光学系と、
前記光学系の像面側に設けられた、前記光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、
を備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ、デジタルスチルカメラおよびミラーレス一眼カメラに用いられる光学系には、小型で高い光学性能を有することが要求される。このような光学系には、第1レンズ群、第2レンズ群および第3レンズ群の3つのレンズ群からなり、第2レンズ群がフォーカシングのために移動可能であり、かつ3つのレンズ群がいずれも正の屈折力を有する光学系が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-66585号公報
【特許文献2】特開2017-167327号公報
【特許文献3】国際公開第2019/073744号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術には、小型化と高い光学性能との両立の観点から検討の余地が残されている。たとえば、特許文献1、2に記載の技術は、大口径の光学系だが、倍率色収差の補正が不十分である。特許文献3に記載の技術は、第1レンズ群でのレンズの配置に検討の余地が残されており、光学全長の短縮と高性能化との両立が不十分である。
【0005】
本発明の課題は、小型で大口径を有する高性能な光学系および撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群からなり、前記第2レンズ群は、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させるように、光軸に沿って移動可能である光学系であって、第1レンズ群は、物体側から順に第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズを少なくとも有し、前記第1レンズおよび前記第2レンズは負の屈折力を有し、以下の式を満足する。
65<νd12max・・・・・(1)
-1<(Rr+Rf)/(Rr-Rf)<1・・・・・(2)
但し、
νd12max:前記第1レンズおよび前記第2レンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
Rf:前記第2レンズの像面側の面の曲率半径
Rr:前記第3レンズの物体側の面の曲率半径
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る撮像装置は、上記の光学系と、前記光学系の像面側に設けられた、前記光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、小型で大口径を有する高性能な光学系および撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施例1の光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図3】実施例2の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図4】実施例2の光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図5】実施例3の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図6】実施例3の光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図7】実施例4の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図8】実施例4の光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図9】実施例5の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
【
図10】実施例5の光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本発明の実施形態は、フィルムカメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどの撮像光学系として好適な光学系および当該光学系を備えた撮像装置に関する。以下に説明する当該光学系および撮像装置は、本発明に係る光学系および撮像装置の一態様であって、本発明に係る光学系および撮像装置は以下の態様に限定されない。本明細書において、「からなる」で表現される構成は、実質的にその構成しか含まないことを意味する。
【0011】
1.光学系
1-1.光学的構成
本発明の一実施形態に係る光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群からなる。各レンズ群が正の屈折力を有するため、光束を集光することが容易となる。よって、本実施形態では、大口径の光学系の設計が可能である。
【0012】
本明細書中において、「レンズ群」は、1つ以上のレンズを含み、レンズ群に含むレンズ同士の間隔は、変化しない。
【0013】
また、本明細書中において、レンズ群には、接合レンズが含まれていてもよい。レンズ群に接合レンズが含まれている場合のレンズ枚数は、それぞれ接合されているレンズを数える。接合レンズとしては、例えば、空気間隔を介することなく複数のレンズが一体化した接合レンズが挙げられる。この場合は、接合レンズを構成する複数のレンズだけ数える。接合レンズの別の例としては、非常に薄く、光学的に実質的に影響しない厚さの接着剤の層により接合されている複数のレンズが一体化した接合レンズが挙げられる。この場合は、接着剤の層はレンズとして数えない。
【0014】
また、レンズ群には、1枚のレンズと樹脂とが一体化した複合レンズが含まれていてもよい。例えば、1枚のレンズと樹脂とが一体化した複合レンズは1枚のレンズと数えられる。
【0015】
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は、本実施形態の光学系を構成する3つのレンズ群のうち、最も物体側に位置するレンズ群である。第1レンズ群は、レンズ群全体で正の屈折力を有する。第1レンズ群は、物体側から順に第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズを少なくとも有し、第1レンズおよび第2レンズは負の屈折力を有する。このように、第1レンズ群における最も物体側のレンズから2枚目までのレンズが負の屈折力を有するレンズ(負レンズ)である。本実施形態では、このような構成により、径方向の小型化が達成可能であり、また広角化が実現可能である。
【0016】
さらに、第1レンズおよび第2レンズは、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとすることがより好ましい。この構成は、歪曲収差およびコマ収差を補正し、径方向の小型化を達成し、かつ広角化を実現する観点から好ましい。
【0017】
また、第1レンズ群内に接合レンズを少なくとも1つ含むことが好ましい。この構成は、光学系全体で発生する軸上色収差および倍率色収差を良好に補正する観点から好ましい。また、当該構成は、レンズ間隔を少なくして光学系の光学全長をより短くする観点から好ましい。
【0018】
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は、本実施形態の光学系を構成する3つのレンズ群の中央に位置するレンズ群である。第2レンズ群は、レンズ群全体で正の屈折力を有する。第2レンズ群は、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させるように、光軸に沿って移動可能であり、本実施形態の光学系において、後述するようにフォーカス群となる。
【0019】
第2レンズ群は、3枚以下のレンズで構成されていることが好ましい。この構成は、第2レンズ群を移動させるためのアクチュエータなどの駆動装置の小型化を図り、以て本実施形態の光学系における鏡筒全体を含めた小型化を図る観点から好ましい。
【0020】
また、第2レンズ群において、第2レンズ群の最も物体側のレンズは、物体側に対して凹面を有することが好ましい。この構成は、フォーカシング時に発生する像面変動を良好に補正する観点から好ましい。
【0021】
(3)第3レンズ群
第3レンズ群は、本実施形態の光学系を構成する3つのレンズ群のうち、最も像面側に位置するレンズ群である。第3レンズ群は、レンズ群全体で正の屈折力を有する。
【0022】
第3レンズ群は、3枚以下のレンズで構成されていることが好ましい。この構成は、レンズ枚数を少なくして光学全長を短くする観点から好ましい。そして、この3枚以下のレンズは、少なくとも1枚の負レンズを含む一方で、非球面レンズを含まないことが好ましい。この構成は、色収差および像面性を良好に補正する観点から好ましい。
【0023】
(4)他の構成
本発明の実施形態の光学系は、物体側から順に、第1レンズ群、第2レンズ群および第3レンズ群、の3つのレンズ群のみから構成される。第1レンズ群と第2レンズ群との間、第2レンズ群と第3レンズ群との間、および第3レンズ群よりも像面側、には他のレンズ群は含まれない。本発明の実施形態の光学系は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記のレンズ群以外の他の光学素子をさらに含んでもよい。
【0024】
当該光学系は、絞りを有することが好ましい。但し、ここでいう絞りは、当該光学系の光束径を規定する絞り、すなわち当該光学系のFナンバーを規定する絞りをいう。絞りが第1レンズ群と第2レンズ群との間に配置されることは、絞りユニットの小型化を図る観点から好ましい。
【0025】
1-2.合焦時の動作
本発明の実施形態において、第2レンズ群は、隣り合うレンズ群間の間隔を変化させるように、光軸に沿って移動可能である。第2レンズ群は、いわゆるフォーカス群として機能し、無限遠から有限距離物体へ合焦時に光軸方向に移動する。第2レンズ群をフォーカス群とする構成は、光学系を構成するレンズ群の一部のレンズ群のみ(一レンズ群のみ)の移動のみによってフォーカシングが実施されるため、光学系の鏡筒全体を含めた小型化が可能となる。
【0026】
1-3.光学系の条件を表す式
本実施形態に係る光学系は、前述した構成を採用すると共に、次に説明する式を少なくとも1つ以上満足することが好ましい。
65<νd12max・・・・・(1)
但し、
νd12max:第1レンズおよび第2レンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
【0027】
式(1)は、第1レンズおよび第2レンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値を規定している。式(1)を満たすことは、低分散の材料を使用することによる倍率色収差の良好な補正を実現する観点から好ましい。νd12maxは、第1レンズのd線に対するアッベ数と、第2レンズのd線に対するアッベ数とのうちのより大きな方のアッベ数である。νd12maxが式(1)の下限以下なると、倍率色収差などを補正することが困難となる。νd12maxは、上記の観点から、67超であることが好ましく、70超であることがより好ましい。νd12maxは、上記の観点によれば上限値を特に規定する必要はないが、例えば上記の観点の効果が十分に発現される観点から、120未満であればよい。
【0028】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
-1<(Rr+Rf)/(Rr-Rf)<1・・・・・(2)
但し、
Rf:第2レンズの像面側の面の曲率半径
Rr:第3レンズの物体側の面の曲率半径
【0029】
式(2)は、第2レンズと第3レンズの間の空気レンズの形状を規定している。式(2)を満たすことは、諸収差の変動を抑えつつ製造可能なレンズの曲率半径を維持することを可能とする観点から好ましい。(Rr+Rf)/(Rr-Rf)が式(2)の下限以下または式(2)の上限以上では、像面湾曲および歪曲収差の変動が大きくなるため、光学系の高性能化の観点から好ましくない。上記の観点から、(Rr+Rf)/(Rr-Rf)は、-0.60超であることがより好ましく、-0.40超であることがさらに好ましい。また、上記の観点から、(Rr+Rf)/(Rr-Rf)は、0.60未満であることがより好ましく、0.40未満であることがさらに好ましい。
【0030】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
0.54<f1/f2<3.74・・・・・(3)
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
【0031】
式(3)は、第1レンズ群の焦点距離と第2レンズ群の焦点距離を規定している。式(3)を満たすことは、光学系の小型化と収差の良好な補正とを実現する観点から好ましい。f1/f2が式(3)の上限以上になると、第1レンズ群のパワーが弱くなり、光学系全体の大型化につながる。f1/f2が式(3)の下限以下になると、第1レンズ群のパワーが強くなり、小型化するには有利になるが、第1レンズ群内で発生するコマ収差などの発生量が大きくなり補正が困難となる。f1/f2は、コマ収差などの収差を良好に補正する観点から、0.62超であることがより好ましく、0.70超であることがさらに好ましい。また、f1/f2は、光学系の小型化の観点から、3.46未満であることがより好ましく、3.17未満であることがさらに好ましい。
【0032】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
0.78<f3/f1<7.33・・・・・(4)
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
【0033】
式(4)は、第3レンズ群の焦点距離と第1レンズ群の焦点距離を規定している。式(4)を満たすことは、光学系の径方向における小型化と収差の良好な補正とを実現する観点から好ましい。f3/f1が式(4)の下限以下になると、第3レンズ群のパワーが強くなり第1レンズ群のパワーが弱くなる。このため、軸外光線の第3レンズ群への入射高が高くなり、第3レンズ群の径が大きくなる。f3/f1が式(4)の上限以上になると、第3レンズ群のパワーは弱くなり第1レンズ群のパワーが強くなる。このため、第3レンズ群の径小には有利になるが第1レンズ群内で発生するコマ収差などの発生量が大きくなり補正が困難となる。f3/f1は、上記の観点から、0.89超であることがより好ましく、1.00超であることがさらに好ましい。また、f3/f1は、上記の観点から、6.77未満であることがより好ましく、6.20未満であることがさらに好ましい。
【0034】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
0.12<β2<0.58・・・・・(5)
但し、
β2:第2レンズ群の無限遠合焦時における横倍率
【0035】
式(5)は、第2レンズ群の横倍率を規定している。式(5)を満たすことは、光学系の小型化と収差の良好な補正とを実現する観点から好ましい。β2が式(5)の上限以上になると、第1レンズ群と第2レンズ群の合成の焦点距離が長くなり、パワーは弱くなるため、光学系全体の大型化につながる。β2が式(5)の下限以下になると、第1レンズ群と第2レンズ群の合成のパワーが強くなり、小型化するには有利になるが1群内で発生するコマ収差の補正やフォーカシングに際して収差変動が大きくなり補正が困難となる。β2は、上記の観点から、0.13超であることがより好ましく、0.15超であることがさらに好ましい。また、β2は、上記の観点から、0.53未満であることがより好ましく、0.49未満であることがさらに好ましい。
【0036】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
Nd3<1.7・・・・・(6)
但し、
Nd3:第3レンズのd線に対する屈折率
【0037】
式(6)は、第3レンズのd線における屈折率を規定している。式(6)を満たすことは、光学系の高性能化の観点から好ましい。Nd3が式(6)の上限以上になると、第3レンズのパワーが強くなり、像面湾曲などの収差補正に有利なレンズ形状を設計することが困難になるため、高性能化の観点から好ましくない。Nd3は、上記の観点から、1.65未満であることがより好ましく、1.60未満であることがさらに好ましい。Nd3は、上記の観点によれば下限値を特に規定する必要はないが、例えば上記の観点の効果が十分に発現される観点から、1.30超であればよい。
【0038】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
60<νd2max・・・・・(7)
但し、
νd2max:第2レンズ群のレンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
【0039】
式(7)は、第2レンズ群のレンズにおけるd線に対するアッベ数を規定している。νd2maxは、第2レンズ群を構成する各レンズのd線に対するアッベ数のうち、最も高い値である。式(7)を満たすことは、収差の良好な補正の観点から好ましい。νd2maxが式(7)の下限以下になると、第2レンズ群内に低分散の材料を使用することが困難になるため、軸上色収差および倍率色収差などの補正が困難となる。νd2maxは、上記の観点から、70超であることがより好ましく、80超であることがさらに好ましい。νd2maxは、上記の観点によれば上限値を特に規定する必要はないが、例えば上記の観点の効果が十分に発現される観点から、120未満であればよい。
【0040】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
νd123min<45・・・・・(8)
但し、
νd123min:第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズにおけるd線に対するアッベ数の最小値
【0041】
式(8)は第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズの中で最も低いd線におけるアッベ数を規定している。式(8)を満たすことは、収差の良好な補正の観点から好ましい。νd123minが式(8)の上限以上になると、倍率色収差などの補正が困難となる。νd123minは、上記の観点から、40未満であることがより好ましく、36未満であることがさらに好ましい。νd123minは、上記の観点によれば下限値を特に規定する必要はないが、例えば上記の観点の効果が十分に発現される観点から、10超であることが好ましい。
【0042】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
60<νd321max・・・・・(9)
但し、
νd321max:第(m-2)レンズ、第(m-1)レンズおよび第mレンズにおけるd線に対するアッベ数の最大値
【0043】
式(9)は、第3レンズ群に含まれるレンズのうち、最も像面側から順に3枚のレンズの中で最も高いd線におけるアッベ数を規定している。νd321maxは、第3レンズ群に位置する最も像面側から3枚の各レンズのd線におけるアッベ数のうち最も高い値である。なお、mは、光学系のレンズの総数であり、好ましくは7以上の整数である。式(9)を満たすことは、収差の良好な補正の観点から好ましい。νd321maxが式(9)の下限以下になると、倍率色収差などの補正が困難となる。νd321maxは、上記の観点から、65超であることがより好ましく、70超であることがさらに好ましい。νd321maxは、上記の観点によれば上限値を特に規定する必要はないが、例えば上記の観点の効果が十分に発現される観点から、120未満であることが好ましい。
【0044】
本実施形態に係る光学系は、以下の条件を満足することが好ましい。
0.5<(1-β22)×β32<1.5・・・・・(10)
但し、
β2:第2レンズ群の無限遠合焦時における横倍率
β3:第3レンズ群の無限遠合焦時における横倍率
【0045】
式(10)は、第2レンズ群の光軸方向の移動量に対する結像面の移動量の比を示している。式(10)を満たすことは、光学系の小型化および収差の良好な補正の観点から好ましい。(1-β22)×β32が式(10)の下限以下になると、第2レンズ群の移動量の増加により、光学全長が長くなる。(1-β22)×β32が式(10)の上限以上になると、フォーカス群(第2レンズ群)の小型化には有利になるが、フォーカシングに際して収差変動が大きくなり補正が困難となる。光学全長をより短くする観点から、(1-β22)×β32は0.7超であることがより好ましく、0.9超であることがさらに好ましい。また、フォーカシングにおける収差変動を抑制する観点から、(1-β22)×β32は1.3未満であることがより好ましく、1.1未満であることがさらに好ましい。
【0046】
2.撮像装置
次に、本発明の一実施形態に係る撮像装置について説明する。当該撮像装置は、上記実施形態に係る光学系と、当該光学系の像面側に設けられた、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備える。本実施形態における光学系は、例えば単焦点レンズである。
【0047】
ここで、撮像素子に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子、銀塩フィルムなども用いることができる。本実施形態に係る撮像装置は、デジタルカメラ、およびビデオカメラなどの、上記の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラなどのレンズ交換式の撮像装置であってもよい。
【0048】
図11は、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
図11に示されるように、ミラーレス一眼カメラ1は、本体2および本体2に着脱可能な鏡筒3を有している。ミラーレス一眼カメラ1は、撮像装置の一態様である。
【0049】
鏡筒3は、光学系30を有している。光学系30は、第1レンズ群31、第2レンズ群32および第3レンズ群33を備えている。第1レンズ群31、第2レンズ群32および第3レンズ群33は、いずれも、正の屈折力を有するように構成されている。また、第1レンズ群31は、物体側から順に第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズを少なくとも有している。さらに、光学系30は、例えば前述した式(1)、(2)を満足するように構成されている。なお、第1レンズ群31と第2レンズ群32との間には、絞り34が配置されている。
【0050】
本体2は、撮像素子としてのカバーガラス21およびCCDセンサ22を有している。CCDセンサ22は、本体2中における、本体2に装着された鏡筒3内の光学系30の光軸OAが中心軸となる位置に配置されている。本体2は、カバーガラス21に代えて、赤外線カットフィルターなどの実質的な屈折力を有さない光学素子を有していてもよい。
【0051】
本発明の実施形態における光学系は、光学系のパワー配置および合焦に際する可動群を適切にすることで、全長が短く大口径な小型の、そして高性能の光学系として構成される。そして、本発明の実施形態のおける撮像装置は、このような光学系を備えることから、光軸方向の長さが小さく高性能な撮像が要求される撮像装置、例えば車載カメラ、ドローン搭載カメラなどのデジタル入出力機器に好適である。
【0052】
本発明は、上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例0053】
本発明の一実施例について以下に説明する。なお、以下の各表において、長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。また、「E-a」は「×10-a」を示す。また、実施例1では図および表における表示を説明するが、実施例1における図および表における表示は、他の実施例における図および表についても同様である。
【0054】
以下に示す実施例1から実施例5の光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、絞りS、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、および、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、から構成されている。また、無限遠から有限距離物体へ合焦時において、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3はそれぞれ像面IMGに対して固定されたまま移動せず、第2レンズ群G2は光軸に沿って物体側に移動する。
【0055】
[実施例1]
図1は、実施例1の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に示す図である。
図1に示す「CG」はカバーガラスであり、「IMG」は像面(結像面)である。図中の矢印は、フォーカシング時における第2レンズ群G2の移動の様子を示している。矢印は、第2レンズ群G2がフォーカシングのために、当該矢印における光軸方向の範囲をほぼ直線的に移動することを示している。
【0056】
第1レンズ群は、物体側から順に、物体側に対して凸面を有する負のメニスカスレンズと、物体側に対して凸面を有する負のメニスカスレンズと、両凹レンズと、両凸レンズと、両凹レンズと両凸レンズとが接合された接合レンズと、物体側に対して凸面を有する正のメニスカスレンズから構成されている。
【0057】
第2レンズ群は、物体側から順に、物体側に対して凹面を有する負のメニスカスレンズと、両凸レンズから構成されている。
【0058】
第3レンズ群は、物体側から順に、両凹レンズと、両凸レンズと、両凸レンズから構成されている。
【0059】
次に、光学系の光学特性について説明する。表1は、実施例1の光学系の面データである。
【0060】
実施例において、「面No.」は、物体側から光学系のレンズ面を数えたときのレンズ面の順番、「R」はレンズ面の曲率半径、「D」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.56nm)に対するレンズの屈折率、「ABV」はレンズのd線に対するアッベ数を表す。「D(n)」(nは整数)は、レンズ面の光軸上の間隔が合焦時に変化する可変間隔であることを意味する。また、面番号に付随する「STOP」は、絞りであることを表し、「ASPH」は、レンズ面が非球面であることを表す。また、曲率半径の欄の「0.0000」は平面を表す。
【0061】
[表1]
面No. R D Nd ABV
1ASPH 26.0430 1.4000 1.59201 67.02
2ASPH 9.8952 5.3267
3 22.5704 1.2000 1.48749 70.44
4 12.7286 9.0478
5ASPH -18.5000 1.1008 1.59270 35.45
6 130.2490 0.1500
7 44.9859 4.0760 1.87070 40.73
8 -68.9830 0.2105
9 -68.0398 0.8000 1.84278 24.68
10 22.7771 5.3948 1.86762 40.85
11 -29.8917 0.1500
12 37.2419 1.8271 1.92276 20.90
13 135.2267 10.2554
14STOP 0.0000 0.0000
15 0.0000 D(15)
16ASPH -17.1538 1.1000 1.76802 49.24
17ASPH -20.0000 0.4136
18 40.2480 5.3810 1.43700 95.10
19 -15.7851 D(19)
20 -30.5014 0.8000 1.75520 27.53
21 30.9331 1.4287
22 43.7865 4.4582 1.49700 81.61
23 -49.6670 0.1500
24 56.5324 5.4496 1.71117 55.67
25 -40.3279 13.1000
26 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
27 0.0000 1.0000
【0062】
表2は、実施例1の光学系の諸元表を示す。当該諸元表では、各撮影距離におけるそれぞれの光学特性の数値を示している。当該諸元表中、「F」は、各撮影距離おける光学系の焦点距離、「Fno」はFナンバー、「W」は半画角をそれぞれ表す。なお、「D(0)」は、撮影距離を意味する。なお、撮影距離は物体から第1面までの距離を指す。
【0063】
[表2]
F 13.1301 13.1331 13.1412
Fno 1.8023 1.8197 1.8812
W 48.5322 48.4523 48.1981
D(0) ∞ 380.8913 113.4998
D(15) 7.8693 7.4458 6.5654
D(19) 2.4107 2.8341 3.7146
【0064】
表3は、実施例1の光学系における各非球面の非球面係数を表す表である。表中の「K、A4、A6、A8、A10、A12」は、各非球面の非球面形状を以下の式で定義したときの各係数である。以下の式において、「Z」は光軸方向の基準面からの変位量、「r」は近軸曲率半径、「h」は光軸に垂直な方向の光軸からの高さ、「K」は円錐係数、「An」はn次の非球面係数とする。
【0065】
【0066】
[表3]
面No. K A4 A6 A8 A10
1 0.00000E+00 -4.16892E-05 1.43140E-07 -3.97690E-10 4.09977E-13
2 -5.88114E-01 -1.90902E-05 -2.24085E-07 2.86434E-09 -1.18741E-11
5 -3.66353E-01 -9.82977E-06 3.44722E-09 -1.57233E-09 1.48100E-11
16 8.84990E-01 3.79704E-05 9.21787E-07 -6.13394E-09 4.78012E-12
17 5.50000E-01 7.13104E-05 9.53551E-07 -6.27805E-09 1.76430E-11
面No. A12
1 0.00000E+00
2 0.00000E+00
5 -8.80257E-14
16 0.00000E+00
17 0.00000E+00
【0067】
また、
図2は、実施例1の光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す図である。
図2は、図面に向かって左側から順に、それぞれ球面収差(mm)、非点収差(mm)および歪曲収差(%)を示している。
【0068】
球面収差を表す図では、縦軸を開放F値との割合とし、横軸をデフォーカスとしている。球面収差を表す図では、実線がd線(波長λ=587.56nm)、破線がF線(波長λ=486.13nm)、点線がC線(波長λ=656.28nm)における縦収差を示している。
【0069】
非点収差を表す図では、縦軸を半画角(°)とし、横軸をデフォーカスとしている。非点収差を表す図では、実線がd線(波長λ=587.56nm)に対するサジタル像面(S)、四点鎖線がd線に対するメリジオナル像面(T)を示す。
【0070】
歪曲収差を表す図では、縦軸を半画角(°)とし、横軸を歪曲(%)としている。
【0071】
[実施例2]
実施例2の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に
図3に示し、実施例2の光学系の無限遠合焦時における縦収差を
図4に示す。また、実施例2の光学系の面データを表4に示し、実施例2の光学系の諸元表を表5に示し、実施例2の光学系における各非球面の非球面係数を表6に示す。
【0072】
[表4]
面No. R D Nd ABV
1ASPH 39.9427 1.4000 1.49700 81.61
2ASPH 9.4265 3.5775
3 15.9638 1.2000 1.72916 54.67
4 12.1785 9.2777
5ASPH -19.4383 0.9000 1.59270 35.45
6 71.4435 0.1500
7 40.9154 2.3521 1.87070 40.73
8 140.7261 0.1500
9 137.8193 0.8000 1.83848 24.02
10 22.5023 5.4755 1.87071 40.73
11 -27.9632 0.1500
12 38.8117 2.0050 1.92177 22.80
13 84.5581 10.0187
14STOP 0.0000 0.0000
15 0.0000 D(15)
16ASPH -19.6307 1.1000 1.76802 49.24
17ASPH -20.0000 0.1612
18 48.9442 7.5498 1.43700 95.10
19 -15.5927 D(19)
20 -42.4005 0.8000 1.75520 27.53
21 29.8838 1.5408
22 41.3057 4.3006 1.49700 81.61
23 -87.0548 0.1500
24 51.5872 5.9567 1.68806 57.08
25 -41.5968 13.2537
26 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
27 0.0000 1.0000
【0073】
[表5]
F 13.1309 13.1614 13.2276
Fno 1.8017 1.8128 1.8390
W 48.5308 48.4333 48.1354
D( 0) ∞ 382.1085 113.4998
D(15) 8.8183 8.3915 7.4867
D(19) 2.4124 2.8390 3.7440
【0074】
[表6]
面No. K A4 A6 A8 A10
1 0.00000E+00 -2.63074E-05 9.71165E-08 -2.59247E-10 2.65454E-13
2 -5.78918E-01 -1.02442E-05 -3.81024E-07 3.85330E-09 -1.82641E-11
5 -3.66780E-01 -1.00568E-05 -3.73377E-09 -1.08659E-09 9.56013E-12
16 7.60554E-01 -4.68705E-06 8.38846E-07 -2.69831E-09 -2.07884E-11
17 5.50000E-01 4.34719E-05 9.06822E-07 -1.65054E-09 -1.19366E-11
面No. A12
1 0.00000E+00
2 0.00000E+00
5 -5.32552E-14
16 0.00000E+00
17 0.00000E+00
【0075】
[実施例3]
実施例3の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に
図5に示し、実施例3の光学系の無限遠合焦時における縦収差を
図6に示す。また、実施例3の光学系の面データを表7に示し、実施例3の光学系の諸元表を表8に示し、実施例3の光学系における各非球面の非球面係数を表9に示す。
【0076】
[表7]
面No. R D Nd ABV
1ASPH 22.9749 1.4000 1.69350 53.20
2ASPH 9.9172 6.5857
3 31.0739 1.2000 1.48749 70.44
4 16.6992 10.0647
5ASPH -19.2217 0.9943 1.59270 35.45
6 226.0923 0.1500
7 47.3976 4.2405 1.87070 40.73
8 -34.8080 2.6428
9 -28.0991 0.8000 1.83718 25.66
10 25.1482 4.7066 1.86014 41.17
11 -28.3465 0.1500
12 33.8447 2.2028 1.92286 20.88
13 217.1861 6.6952
14STOP 0.0000 0.0000
15 0.0000 D(15)
16ASPH -19.2437 1.1000 1.76802 49.24
17ASPH -25.7394 0.1500
18 49.9875 5.2352 1.43700 95.10
19 -15.1080 D(19)
20 -23.3483 0.8000 1.75655 27.59
21 38.0483 0.9943
22 45.5796 5.8828 1.49700 81.61
23 -22.4177 0.1500
24 44.6153 3.8619 1.57683 67.21
25 -149.4437 13.1000
26 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
27 0.0000 1.0000
【0077】
[表8]
F 13.1290 13.0909 13.0150
Fno 1.8022 1.8083 1.8469
W 48.5355 48.5173 48.4082
D( 0) ∞ 380.2174 113.4996
D(15) 7.9822 7.5614 6.6977
D(19) 2.4112 2.8319 3.6958
【0078】
[表9]
面No. K A4 A6 A8 A10
1 0.00000E+00 -4.79612E-05 1.67934E-07 -5.27689E-10 5.80644E-13
2 -7.16272E-01 -1.77836E-06 -1.36013E-07 3.43195E-09 -1.36534E-11
5 -3.05266E-01 -1.13786E-05 1.07416E-08 -2.51781E-09 2.41116E-11
16 1.00000E+00 2.78886E-05 4.56250E-07 -7.05197E-09 1.83092E-11
17 5.50000E-01 6.51795E-05 5.26657E-07 -6.57651E-09 2.56628E-11
面No. A12
1 0.00000E+00
2 0.00000E+00
5 -1.40214E-13
16 0.00000E+00
17 0.00000E+00
【0079】
[実施例4]
実施例4の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に
図7に示し、実施例4の光学系の無限遠合焦時における縦収差を
図8に示す。また、実施例4の光学系の面データを表10に示し、実施例4の光学系の諸元表を表11に示し、実施例4の光学系における各非球面の非球面係数を表12に示す。
【0080】
[表10]
面No. R D Nd ABV
1ASPH 24.4437 1.4000 1.59201 67.02
2ASPH 9.2285 6.3698
3 21.9555 1.2000 1.48749 70.44
4 13.7405 9.4893
5ASPH -17.7551 0.9264 1.59270 35.45
6 137.5973 0.1500
7 45.1277 1.8729 1.87070 40.73
8 74.9548 0.1500
9 69.0416 0.8000 1.85817 25.35
10 18.6049 5.2498 1.84834 41.68
11 -33.8920 3.5478
12 49.5046 2.3872 1.90366 31.31
13 -111.2074 7.2102
14STOP 0.0000 0.0000
15 0.0000 D(15)
16ASPH -22.4464 1.1000 1.76802 49.24
17ASPH -34.8800 0.2040
18 67.9726 3.0543 1.49700 81.61
19 -32.5687 0.1500
20 -145.9427 3.2076 1.43700 95.10
21 -20.0615 D(21)
22 -30.1711 0.8000 1.76156 27.83
23 32.8685 1.0836
24 39.7302 5.0153 1.49700 81.61
25 -35.6853 0.1500
26 45.5078 4.7492 1.57672 67.23
27 -61.0327 13.1000
28 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
29 0.0000 1.0000
【0081】
[表11]
F 13.1293 13.1031 13.0508
Fno 1.8022 1.8097 1.8640
W 48.5340 48.4860 48.3097
D( 0) ∞ 380.6584 113.4996
D(15) 7.7212 7.2994 6.4280
D(21) 2.4115 2.8331 3.7048
【0082】
[表12]
面No. K A4 A6 A8 A10
1 0.00000E+00 -4.77052E-05 1.58917E-07 -4.78476E-10 5.55169E-13
2 -7.68123E-01 9.36725E-06 -2.25269E-07 4.24080E-09 -1.73590E-11
5 -2.84422E-01 -1.20803E-05 1.02844E-08 -2.71235E-09 2.54790E-11
16 1.00000E+00 1.97265E-05 2.21741E-07 -6.15642E-09 3.45123E-11
17 5.50000E-01 4.72518E-05 2.47566E-07 -5.50574E-09 3.20273E-11
面No. A12
1 0.00000E+00
2 0.00000E+00
5 -1.63714E-13
16 0.00000E+00
17 0.00000E+00
【0083】
[実施例5]
実施例5の光学系の無限遠合焦時における光学的な構成を模式的に
図9に示し、実施例5の光学系の無限遠合焦時における縦収差を
図10に示す。また、実施例5の光学系の面データを表13に示し、実施例5の光学系の諸元表を表14に示し、実施例5の光学系における各非球面の非球面係数を表15に示す。
【0084】
[表13]
面No. R D Nd ABV
1ASPH 24.3621 1.4000 1.61881 63.85
2ASPH 9.8111 4.9374
3 20.7881 1.2000 1.58956 62.51
4 12.7309 9.1316
5ASPH -18.2738 1.1000 1.59270 35.45
6 107.9650 0.1500
7 47.6804 3.5160 1.87070 40.73
8 -77.1129 0.1500
9 -87.2396 0.8000 1.82874 24.39
10 22.6800 5.6150 1.87067 40.73
11 -29.7317 0.1500
12 38.4598 1.8210 1.92285 20.90
13 141.0519 10.7142
14STOP 0.0000 0.0000
15 0.0000 D(15)
16ASPH -17.4108 1.1000 1.76802 49.24
17ASPH -20.0000 0.3438
18 39.7191 5.3491 1.43700 95.10
19 -16.1216 D(19)
20 -33.0558 0.8000 1.75520 27.53
21 30.0340 1.4954
22 43.5601 4.3775 1.49700 81.61
23 -52.5415 0.1500
24 48.3176 5.7833 1.65656 59.31
25 -40.2833 13.1000
26 0.0000 2.0000 1.51680 64.20
27 0.0000 1.0000
【0085】
[表14]
F 13.1302 13.1368 13.1524
Fno 1.8023 1.8204 1.8826
W 48.5321 48.4357 48.1458
D( 0) ∞ 381.1838 113.4998
D(15) 7.9047 7.4808 6.5959
D(19) 2.4111 2.8349 3.7199
【0086】
[表15]
面No. K A4 A6 A8 A10
1 0.00000E+00 -4.38587E-05 1.34673E-07 -3.76469E-10 3.65763E-13
2 -5.57678E-01 -2.37021E-05 -2.57490E-07 2.83090E-09 -1.33215E-11
5 -3.97521E-01 -9.00257E-06 -3.49117E-09 -1.34181E-09 1.21248E-11
16 9.46745E-01 2.20281E-05 8.30470E-07 -2.19335E-09 -1.71584E-11
17 5.50000E-01 5.49863E-05 8.58563E-07 -2.92236E-09 -1.47224E-12
面No. A12
1 0.00000E+00
2 0.00000E+00
5 -6.84220E-14
16 0.00000E+00
17 0.00000E+00
【0087】
なお、実施例1~5における前述の各式による算出値および当該式に用いた数値を表16および表17に示す。
【0088】
[表16]
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
f1 40.39 78.78 26.26 31.72 43.49
f2 29.60 27.26 34.06 32.83 29.51
f3 87.06 86.34 144.76 134.34 87.59
β2 0.31 0.16 0.45 0.38 0.29
β3 1.05 1.01 1.12 1.08 1.04
Rf 12.73 12.18 16.70 13.74 12.73
Rr -18.50 -19.44 -19.22 -17.76 -18.27
【0089】
[表17]
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
(1) νd12max 70.44 81.60 70.44 70.44 63.85
(2) (Rr+Rf)/(Rr-Rf) 0.18 0.23 0.07 0.13 0.18
(3) f1/f2 1.36 2.89 0.77 0.97 1.47
(4) f3/f1 2.16 1.10 5.51 4.24 2.01
(5) β2 0.31 0.16 0.45 0.38 0.29
(6) Nd3 1.59 1.59 1.59 1.59 1.59
(7) νd2max 95.1 95.1 95.1 95.1 95.1
(8) νd123min 35.4 35.4 35.4 35.4 35.4
(9) νd321max 81.6 81.6 81.6 81.6 81.6
(10) (1-β22)×β32 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00