(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001911
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】フィルム剥取機およびフィルム剥取方法
(51)【国際特許分類】
B65H 41/00 20060101AFI20221226BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
B65H41/00 B
H01L21/78 P
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022098794
(22)【出願日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】110122559
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512280909
【氏名又は名称】志聖工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】林英菘
(72)【発明者】
【氏名】林俊良
(72)【発明者】
【氏名】許家銘
(72)【発明者】
【氏名】李元印
(72)【発明者】
【氏名】呂俊賢
【テーマコード(参考)】
3F108
5F063
【Fターム(参考)】
3F108JA02
5F063AA15
5F063DG29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】砕屑が基板表面に落ちやすい問題を解決することに有用なフィルム剥取機およびフィルム剥取方法を提供する。
【解決手段】基板支持部とフィルム剥取装置を含む、縦型フィルム剥取機の基板支持部が、基板を担持し、基板を起立姿勢又は横たわる姿勢に調整するように設けられる。フィルム剥取装置が基板支持部に対応して設けられ、フィルム剥取装置と基板支持部が相対移動できる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を担持して前記基板を起立姿勢又は横たわる姿勢に調整するように設けられる、少なくとも1つの基板支持部と、
前記少なくとも1つの基板支持部に対応して設けられ、前記フィルム剥取装置と前記少なくとも1つの基板支持部が相対移動できる、フィルム剥取装置と、を含む、
フィルム剥取機。
【請求項2】
前記フィルム剥取装置と前記少なくとも1つの基板支持部が相対垂直昇降できる、請求項1に記載のフィルム剥取機。
【請求項3】
前記少なくとも1つの基板支持部が、基板姿勢調整装置と基板回転装置とを含み、前記基板回転装置が前記基板姿勢調整装置に設けられ、前記基板姿勢調整装置が、前記基板を起立姿勢又は横たわる姿勢に調整するように、第一の回転軸に対して回転でき、前記基板回転装置が、前記基板を担持し、前記基板の傾斜角度を調整するように、第二の回転軸に対して回転でき、かつ前記第一の回転軸が前記第二の回転軸に直交する、請求項1に記載のフィルム剥取機。
【請求項4】
前記フィルム剥取装置に対応して設けられる画像撮影装置を更に含み、かつ前記画像撮影装置が前記フィルム剥取装置に通信接続する、請求項1に記載のフィルム剥取機。
【請求項5】
前記少なくとも1つの基板支持部に対応して設けられるフィルム端部分離装置を更に含み、かつ前記フィルム端部分離装置が、前記基板に貼り付いているフィルムの端部と前記基板とを分離するように、前記少なくとも1つの基板支持部に対して相対移動できる、請求項1に記載のフィルム剥取機。
【請求項6】
前記フィルム剥取装置がテープロールとフィルム剥取補助部とを含み、前記テープロールが、前記基板に貼り付いているフィルムを剥離するように設けられ、かつ前記フィルム剥取補助部が、前記テープロールとともに前記フィルムの端部を保持するように移動可能に設けられる、請求項1に記載のフィルム剥取機。
【請求項7】
前記フィルム剥取装置がクリップを更に含み、前記クリップが前記基板を保持するように設けられる、請求項6に記載のフィルム剥取機。
【請求項8】
基板反転装置を更に含み、前記基板反転装置が前記少なくとも1つの基板支持部に対応して設けられ、前記基板反転装置が、前記少なくとも1つの基板支持部から前記基板を引き受けて前記基板を反転するように設けられる、請求項1に記載のフィルム剥取機。
【請求項9】
前記少なくとも1つの基板支持部が第一の基板支持部と第二の基板支持部とを含み、前記基板反転装置が前記第一の基板支持部と前記第二の基板支持部の間に位置し、かつ前記基板反転装置が、前記第一の基板支持部から前記基板を引き受けて前記基板を反転してから、前記第二の基板支持部に渡すように設けられる、請求項8に記載のフィルム剥取機。
【請求項10】
基板を担持し、前記基板を起立姿勢にするように設けられる、少なくとも1つの基板支持部と、
前記少なくとも1つの基板支持部に対応して設けられ、前記フィルム剥取装置と前記少なくとも1つの基板支持部が相対移動できる、フィルム剥取装置と、を含む、
フィルム剥取機。
【請求項11】
フィルムが貼り付いている基板を起立姿勢にすること、および
フィルム剥取装置を用い、前記基板に貼り付いている前記フィルムを剥離するようにフィルム剥取工程を行うこと、を含む、
フィルム剥取方法。
【請求項12】
基板姿勢調整装置を用い、前記基板を横たわる姿勢から起立姿勢に調整するように第一の回転軸に対して回転すること、および
基板回転装置を用い、前記基板の傾斜角度を調整するように、第二の回転軸に対して起立姿勢にある前記基板を回転すること、を更に含み、前記第一の回転軸が前記第二の回転軸に直交する、
請求項11に記載のフィルム剥取方法。
【請求項13】
画像撮影装置を用いて検出領域の画像を撮像し、前記フィルム剥取工程における剥離された前記フィルムが前記検出領域を通ること、
前記画像中に剥離された前記フィルムが存在しない場合に、前記画像撮影装置又は前記画像撮影装置と通信接続する制御ユニットがコマンドを出力すること、および
前記フィルム剥取装置が前記コマンドによって前記フィルム剥取工程を終了すること、を更に含む、
請求項11に記載のフィルム剥取方法。
【請求項14】
前記フィルム剥取装置が粘着して前記フィルムを引っ張るように前記フィルム剥取工程を行う、請求項11に記載のフィルム剥取方法。
【請求項15】
前記フィルム剥取装置がクリップとテープロールとを含み、前記フィルム剥取工程が、
前記クリップを用いて前記基板を保持すること、および
前記テープロールを用いて前記フィルムを粘着し、前記基板に貼り付いている前記フィルムを剥離するように前記テープロール又は前記基板を移動すること、を含む、請求項14に記載のフィルム剥取方法。
【請求項16】
前記フィルム剥取装置が更にフィルム剥取補助部を含み、前記フィルム剥取工程が、
前記フィルム剥取補助部を移動し、前記テープロールと前記フィルム剥取補助部が共に前記フィルムを保持するように前記テープロールに近づけること、を更に含む、請求項15に記載のフィルム剥取方法。
【請求項17】
前記基板が多角形であり、前記基板の対角線が前記基板の片隅部を互いに重ならない保持部及び粘着部に分け、前記クリップが前記保持部に前記基板を締め付け、前記テープロールが前記粘着部に前記フィルムを粘着する、請求項15に記載のフィルム剥取方法。
【請求項18】
前記フィルム剥取工程が、
前記テープロールを用いて前記フィルムを粘着する前に、フィルム端部分離装置を用いて前記フィルムの端部と前記基板とを分離すること、を更に含み、
前記フィルムが前記テープロールで粘着された面積は前記フィルムが前記フィルム端部分離装置で分離された面積以上である、請求項15に記載のフィルム剥取方法。
【請求項19】
前記フィルム剥取工程が完成してから、基板反転装置を用いて前記基板を反転すること、を更に含む、
請求項11に記載のフィルム剥取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム剥取機およびフィルム剥取方法に関し、特に、縦型のフィルム剥取機およびフィルム剥取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体または電子部品の産業において、ほこりの付着を防ぎ、静電防護または空気との接触阻止を達成するために、一部のプロセスにおいて基板上にフィルム(例えばマイラー膜)を貼り付ける必要がある。加工工程の終了後に、通常、人力によりフィルムの剥取を行うが、その過程において、不適宜の力の付加による基板の割れが生じるおそれがあり、非効率である。現在では、自動化機械を採用して基板上のフィルムを剥ぎ取るのが一般的である。
【0003】
しかし、産業の発展に伴い、基板上に貼り付けるフィルムの種類が多様化し、その一部のフィルムが基材や工程などの差異により、従来の自動化機械によるフィルムの剥取では剥離不良や破断などの問題が生じやすくなり、工程の歩留まりに影響がある。このため、所定種類のフィルムに対して好適な自動化フィルム剥取機械を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現在のフィルム剥取工程において、砕屑が基板表面に落ちやすい問題を解決することに有用なフィルム剥取機およびフィルム剥取方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に開示したフィルム剥取機は、少なくとも1つの基板支持部と、フィルム剥取装置とを含む。基板支持部は、基板を担持し、基板を起立姿勢又は横たわる姿勢に調整するように設けられる。フィルム剥取装置は基板支持部に対応して設けられ、フィルム剥取装置と基板支持部が相対移動できる。
【0006】
本発明に開示した別のフィルム剥取機は、少なくとも1つの基板支持部とフィルム剥取装置とを含む。基板支持部は、基板を担持し、前記基板を起立姿勢にするように設けられる。フィルム剥取装置は、基板支持部に対応して設けられ、基板支持部に対して相対移動できる。
【0007】
本発明に開示したまた別のフィルム剥取方法は、フィルムが貼り付いている基板を起立姿勢にすること、及び、フィルム剥取装置を用い、基板に貼り付いているフィルムを剥離するようにフィルム剥取工程を行うことを含む。
【0008】
本発明に開示したフィルム剥取機およびフィルム剥取方法によれば、フィルム剥取前に、基板支持部が、基板を起立姿勢でフィルム剥取工程を進行させるように基板を起立姿勢に調整する。基板を起立姿勢にし、フィルム剥取装置が合わせて垂直昇降のようにフィルムを剥取するので、フィルム剥取工程において、発生した砕屑が基板表面に落ちることの防止に有用である。
【0009】
以上の本開示内容に係る説明および以下の実施形態の説明は、本発明の精神と原理を実証および解釈するために用いられ、本発明の特許出願の範囲のさらなる解釈を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例によるフィルム剥取機の模式図である。
【
図2】
図1におけるフィルム剥取機のフィルム剥取装置の模式図である。
【
図3】
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【
図4】
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【
図5】
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【
図6】
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【
図7】
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【
図8】
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【
図9】本発明の別の実施例によるフィルム剥取機の模式図である。
【
図10】
図9のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態で本発明の詳細な特徴および利点について詳細に説明する。その内容はあらゆる当業者が発明の技術内容を理解し、これに基づいて実施するに足るものであり、且つ本明細書で開示する内容、特許請求の範囲、図面によれば、あらゆる当業者は本発明に係る目的及び利点を容易に理解できる。以下の実施例は、本発明の観点についてさらに詳細に説明するが、いかなる観点によっても本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
まず、
図1と
図2を参照すると、
図1は本発明の実施例によるフィルム剥取機の模式図であり、
図2は
図1におけるフィルム剥取機のフィルム剥取装置の模式図である。本実施例において、フィルム剥取機1は基板支持部10とフィルム剥取装置20とを含む。基板支持部10とフィルム剥取装置20はともに台座(図示せず)の上に取り付けできる。
【0013】
基板支持部10は、基板姿勢調整装置110と基板回転装置120とを含む。基板回転装置120は基板姿勢調整装置110に設けられ、基板姿勢調整装置110が、基板(図示せず)を起立姿勢または横たわる姿勢に調整できるように第一の回転軸A1に対して回転する。基板回転装置120は、基板を担持することに用いられ、基板の傾斜角度を調整できるように第二の回転軸A2に対して回転でき、かつ第一の回転軸A1が第二の回転軸A2に直交する。さらには、基板姿勢調整装置110は、特に限定されないが、例えば、表面に真空吸着孔を有する金属ステージであり、かつ基板姿勢調整装置110の真空吸着孔により基板をしっかり吸着する。基板姿勢調整装置110が第一の回転軸A1で枢動して持ち上げられる。基板回転装置120は、第二の回転軸A2を回転中心として基板姿勢調整装置110に対して回転できる。三次元座標で具体例を挙げると、基板姿勢調整装置110はX軸に対して元の横たわる状態から90度回転でき、基板回転装置120はY軸に対してXZ平面上で回転できる。
【0014】
フィルム剥取装置20は基板支持部10に対応して設けられ、基板支持部10と相対移動でき、例えば、基板支持部10に対して垂直昇降できる。フィルム剥取装置20は、テープロール210、フィルム剥取補助部220、およびクリップ230を含む。テープロール210は基板に貼り付いているフィルムを剥離するように設けられる。フィルム剥取補助部220は、特に限定されないが、例えば、テープロール210に隣接する1つの突起であり、テープロール210とともに前記フィルムの端部を保持するように移動可能に設けられる。クリップ230は、特に限定されないが、例えば、ボードクリップであり、前記基板を保持するように設けられる。フィルム剥取装置20の詳細な使用方法については後述する。
【0015】
本実施例のフィルム剥取機1は、画像撮影装置30およびフィルム端部分離装置40を更に含む。画像撮影装置30は、特に限定されないが、例えば、光学カメラまたは赤外線距離計であり、フィルム剥取装置20に通信接続する。フィルム端部分離装置40は、特に限定されないが、例えば、ローレット駒またはスキージであり、前記基板に貼り付いているフィルムの端部と前記基板とを分離するように基板支持部10に相対移動できる。
【0016】
以下、フィルム剥取機1による基板上のフィルムの剥取について説明する。
図3~
図8は
図1のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。
図3に示すように、フィルム51が貼付された基板50は、フィルム剥取機1の基板支持部10上に置かれ、より具体的には基板支持部10の基板回転装置120に載置され、かつ基板50は当初横たわった姿勢である。基板50は、特に限定されないが、例えば、印刷回路板、シリコンウェハまたはガラス基板であり、かつフィルム51は、特に限定されないが、例えば、ABFフィルム、接着フィルムまたはポリエステル(PET)フィルムである。フィルム剥取装置20のクリップ230は基板50の端部を保持する。フィルム端部分離装置40を用い、フィルム51の片隅部(一の角部)に作用させることで、フィルム51の片隅部が持ち上げられるようにする。
【0017】
図4に示すように、基板姿勢調整装置110を駆動し、基板50を横たわる姿勢から
図4に示した起立姿勢に調整するように第一の回転軸A1に対して回転する。基板50を起立姿勢に調整している間に、または調整してから、基板回転装置120を駆動し、基板50の傾斜角度を調整するように、第二の回転軸A2に対して起立姿勢にある基板50を回転させる。
図4では、基板回転装置120が基板50を約45度に傾ける。フィルム51の片隅部がフィルム端部分離装置40により持ち上げられ、基板50と分離された剥離部分511を生成し、すなわち、フィルム51の他の部分が基板50の上表面に貼り付いているまま、フィルム51端部の一部が剥取される。
【0018】
図5に示すように、フィルム剥取装置20を用い、基板50に貼り付いているフィルム51を剥離するフィルム剥取工程を行う。詳細には、フィルム剥取装置20のテープロール210が基板50に近付いてフィルム51を粘着し、テープロール210が回転し、フィルム51の片隅部が持ち上げられるように一部のフィルム51を巻き取る。テープロール210がフィルム51を粘着する前に、フィルム端部分離装置40によりフィルム51の端部(
図4の剥離部分511)と基板50とが分離しているので、テープロール210がフィルム51を粘着する成功率を確保し、およびフィルム51の破断を防止できる。なお、基板50の厚みが薄い場合や高い可撓性を有する材質である場合に、フィルム剥取時にテープロール210の引張による基板50の変形を防ぐように、クリップ230を利用して基板50を保持することができる。
【0019】
テープロール210がフィルム51に粘着する詳細については、更に説明できる。
図6に示すように、基板50が多角形(例えば、矩形)であり、かつ、基板50の対角線Lが基板50の片隅部を互いに重ならない保持部501および粘着部502に分ける。
図6では、片隅部の左半分を保持部501とし、右半分を粘着部502とし、かつ前記フィルム51の剥離部分511が粘着部502内にある。クリップ230が保持部501に基板50を締め付け、かつテープロール210が粘着部502にフィルム51を粘着する。フィルム51がテープロール210で粘着された面積はフィルム51がフィルム端部分離装置40で分離された面積以上であってよい。すなわち、剥離部分511がテープロール210に完全に粘着されることが可能であり、その後でフィルム51の剥取時に不均一の力の付加によるフィルム51の破断の防止に有用である。
【0020】
図7に示すように、フィルム剥取補助部220をテープロール210に近づくように移動させて、テープロール210とフィルム剥取補助部220がともにフィルム51を保持するようにする。詳細には、駆動装置または手動操作により、フィルム剥取補助部220を下げてテープロール210に近付けることができる。テープロール210により持ち上げられたフィルム51の片隅部は、テープロール210とフィルム剥取補助部220とでともに保持できる。
【0021】
図8に示すように、基板50に貼り付いているフィルム51を剥離するようにテープロール210または基板50を移動する。詳細には、基板50の表面からフィルム51を完全に剥取する作業を完成させるように、テープロール210が取り付けられている台座(図示せず)を駆動してテープロール210を垂直昇降させたり、基板支持部10を駆動して基板50を垂直昇降させたりできる。
図7には、基板50を静止させたまま、かつテープロール210が、フィルム51を剥取するように基板支持部10に対して下がることで、フィルム剥取装置20がフィルム51を粘着して引っ張るように本実施例のフィルム剥取工程を行うことを示す。
【0022】
テープロール210がフィルム51を粘着してからテープロール210が下がってフィルム51を剥取し始めるまでの間に、本実施例の画像撮影装置30は、フィルム51が正常にテープロール210で粘着されるか否かを確認することにより、フィルム剥取工程を続行するか否かを判断することに役立つ。フィルム剥取工程において、剥離されたフィルム51は検出領域Rを通り、画像撮影装置30は検出領域Rの画像を撮像する。本実施例では、前記検出領域Rが画像撮影装置30の有効作業領域を指すことができる。例えば、画像撮影装置30が光学カメラである場合に、前記検出領域Rは画像撮影装置30の視野を指す。画像撮影装置30が赤外線距離計である場合に、前記検出領域Rは赤外線光線が通る領域を指す。画像撮影装置30がとらえる画像に剥離されたフィルム51が存在しない場合、画像撮影装置30自体や画像撮影装置30と通信接続する制御ユニット(例えばフィルム剥取機1の中央制御装置)はフィルム剥取装置20にコマンドを出力する。フィルム剥取装置20はコマンドによりフィルム剥取工程を終了する。
【0023】
図3~
図7は、フィルム剥取機1により基板の一側の表面上のフィルムを剥取する場合を示すが、本発明は、両面にフィルムがある基板のためのフィルム剥取機にも適用することを開示する。本発明の別の実施例によるフィルム剥取機の模式図である
図8を参照する。フィルム剥取機1″は、基板支持部10、フィルム剥取装置20、および、基板反転装置10″を含み、基板支持部10に対応して基板反転装置10″が設けられる。
【0024】
基板支持部10とフィルム剥取装置20の数はいずれも2個である。一方の基板支持部10(第一の基板支持部)とフィルム剥取装置20が基板反転装置10″の一側に配置され、別の基板支持部10(第二の基板支持部)とフィルム剥取装置20が基板反転装置10″の反対側に配置される。すなわち、基板反転装置10″は2つの基板支持部10の間に位置する。基板支持部10とフィルム剥取装置20の詳細な部品構成は
図1~
図3を参照することができ、ここで重複して説明しない。
【0025】
図9は
図8のフィルム剥取機を用いて基板上からフィルムを剥取する模式図である。基板反転装置10″は、基板支持部10から基板50を引き受けて基板50を反転するように設けられる。詳細には、基板反転装置10″の一側に配置された第一セットの基板支持部10とフィルム剥取装置20は基板50の一側の表面上のフィルム51を剥取できる。フィルム剥取工程が終了した(すなわち、フィルム51が完全に剥取された)後、基板支持部10は基板50を起立姿勢から横たわる姿勢に戻してから、基板50を基板反転装置10″に送り込み、または、基板50が起立姿勢のまま基板反転装置10″に送り込む。基板反転装置10″が第一セットの基板支持部10から基板50を引き受けてから、基板50の別の表面上のフィルム51″が露出するようにそれを裏返す。続いて、基板反転装置10″は、第二セットの基板支持部10とフィルム剥取装置20がフィルム51″を剥取できるように、反転された基板50を別側の基板支持部10に送り出す。
【0026】
上記をまとめ、本発明に開示したフィルム剥取機およびフィルム剥取方法によれば、フィルム剥取前に、基板支持部が基板を起立姿勢に調整して基板を起立姿勢でフィルム剥取工程を進行させることができる。基板を起立姿勢にし、かつフィルム剥取装置も合わせて垂直昇降の方式でフィルムを剥取するので、フィルム剥取工程において、発生した砕屑が基板表面に落ちることの防止に有用である。
【0027】
なお、本発明に開示したフィルム剥取方法によれば、フィルム剥取装置のテープロールがフィルムを粘着し、続いて、それを基板上から剥取することが可能である。フィルムが粘着された面積はフィルムがフィルム端部分離装置で分離された(剥離部分の)面積以上であり、その後でフィルムの剥取時に不均一の力の付加によるフィルムの破断の防止に有用である。
【0028】
さらに、本発明に開示したフィルム剥取機によれば、画像撮影装置を含むことができ、フィルムが正常にフィルム剥取装置で粘着されるか否かを確認することが可能であり、これにより、フィルム剥取工程を続行するか否かを判断することに役立つ。
【0029】
本発明は上述のように前記の実施例で開示したが、それらは本発明を限定するものではない。本発明の精神と範囲に逸脱せずに行われた変更と修正は、本発明の特許保護の範囲に属する。本発明が定義した保護範囲については、添付の特許出願の範囲を参照する。
【符号の説明】
【0030】
1,1″ フィルム剥取機
10 基板支持部
10″ 基板反転装置
110 基板姿勢調整装置
120 基板回転装置
20 フィルム剥取装置
210 テープロール
220 フィルム剥取補助部
230 クリップ
30 画像撮影装置
40 フィルム端部分離装置
50 基板
501 保持部
502 粘着部
51,51″ フィルム
511 剥離部分
A1 第一の回転軸
A2 第二の回転軸
L 対角線
R 検出領域
【外国語明細書】