(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019121
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A63F7/02 333Z
A63F7/02 312Z
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123608
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 康平
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA35
2C088AA36
2C088AA79
2C088CA19
2C088DA07
2C088EA10
2C088EB53
2C088EB55
2C088EB63
2C333AA11
2C333CA50
2C333CA79
2C333GA01
2C333GA04
2C333GA05
(57)【要約】
【課題】遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機では、大当たり確率の段階数を示す設定値が複数ある中で、設定キースイッチの操作に応じていずれかが実設定値として設定される。また、小当たり遊技中に第二大入賞口に入賞した遊技球は特定領域および非特定領域のいずれかに振り分けられる。遊技球が特定領域を通過した場合、大当たり遊技が行われる。遊技球が非特定領域を通過した場合(S514:YES)、実設定値を示唆する設定示唆演出が行われる(S515)。
【選択図】
図28
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が通過することで当たり判定の実行契機となる判定領域と、
第一状態と前記第一状態よりも遊技球が通過容易な第二状態とに変位可能な第一可変領域および第二可変領域と、
前記第二可変領域を通過した遊技球が通過可能な特定領域および非特定領域と、
前記第二可変領域を通過した遊技球を前記特定領域および前記非特定領域のいずれかに振り分ける振分部材と、
前記当たり判定における当選確率が複数段階ある中で、設定変更部の操作に応じて複数段階の前記当選確率のいずれかを設定する設定手段と、
前記判定領域を遊技球が通過したことを契機として、前記設定手段によって設定された前記当選確率で、前記当たり判定を実行する判定手段と、
前記当たり判定において小当たりと判定された場合に、前記第二可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させることで、小当たり遊技を実行する小当たり実行手段と、
前記特定領域を遊技球が通過した場合に、前記第一可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させることで、大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、
前記非特定領域を遊技球が通過した場合に、前記設定手段によって設定された前記当選確率を示唆する示唆演出を実行する演出実行手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第二可変領域よりも下流側且つ前記振分部材よりも上流側に設けられ、複数個の遊技球が停留可能な停留領域と、
前記停留領域に配置された位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球が前記振分部材に流れないように規制して前記停留領域で停留させる第一規制位置と、前記停留領域から退避した位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球を前記振分部材に案内する第一案内位置とに移動可能な第一案内部材と、
前記当たり判定において小当たりと判定された場合、前記第一案内部材を、前記第一規制位置から前記第一案内位置に移動させる第一移動制御手段と
を備え、
前記大当たり実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過し、且つ前記小当たり遊技の実行中に前記第二可変領域を通過した遊技球の個数である入球数から、前記小当たり遊技の実行中に前記特定領域を通過した遊技球の個数である第一通過数および前記小当たり遊技の実行中に前記非特定領域を通過した遊技球の個数である第二通過数を引いた値が0になった場合に、前記大当たり遊技を実行し、
前記小当たり実行手段は、前記第一案内部材が前記第一規制位置に制御されている状態で、前記第二可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記停留領域の第一部分に接続し、遊技球を前記停留領域から前記振分部材に向かって流下させる流路であって、遊技球が前記停留領域から前記振分部材まで流下して前記振分部材によって前記特定領域および前記非特定領域のいずれかに振り分けられるまでの時間の平均である平均流下時間が第一時間である第一流路と、
前記停留領域のうち前記第一部分よりも上流側の第二部分に接続し、遊技球を前記停留領域から前記振分部材に向かって流下させる流路であって、前記平均流下時間が前記第一時間よりも長い第二時間である第二流路とを備え、
前記第一案内部材は、前記第一規制位置において前記第一部分に配置され、前記第二可変領域を通過した遊技球が前記第一流路に流れないように規制して前記停留領域で停留させ、前記第一案内位置において前記第一部分から退避し、前記第二可変領域を通過した遊技球を前記第一流路に案内し、
さらに、前記遊技機は、
前記第二部分に配置可能な部材であって、前記第一案内部材によって前記第一流路への流下が規制されて前記停留領域に停留する遊技球の個数である停留個数が所定個数未満の状態で前記第二可変領域を通過した遊技球が前記第二流路に流れないように規制可能であって、且つ前記停留個数が前記所定個数以上の状態で前記第二可変領域を通過した遊技球を前記第二流路に案内可能な第二案内部材を備えたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第二案内部材は、前記第二部分に配置された位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球が前記第二流路に流れないように規制する第二規制位置と、前記第二部分から退避した位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球を前記第二流路に案内する第二案内位置とに移動可能であり、
前記遊技機は、前記当たり判定において小当たりと判定された場合、前記第一案内部材が前記第一規制位置に制御されている状態で、前記第二案内部材を前記第二規制位置から前記第二案内位置に移動させる第二移動制御手段を備え、
前記小当たり実行手段は、前記小当たり遊技において、前記第一案内部材が前記第一規制位置に制御され、且つ前記第二案内部材が前記第二規制位置に制御されている状態で、前記第二可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第一大入賞口および第二大入賞口を備え、第二大入賞口内に特定領域および非特定領域が設けられた遊技機が知られている。例えば特許文献1に記載の遊技機では、小当たりと判定されたことを契機として第二大入賞口が開放される小当たり遊技が実行される。小当たり遊技中に第二大入賞口に入賞した遊技球が特定領域を通過した場合、第一大入賞口が開放される大当たり遊技が実行される。一方、小当たり遊技中に第二大入賞口に入賞しても遊技球が特定領域をせずに非特定領域を通過した場合には、大当たり遊技は実行されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記遊技機では、小当たり遊技中に第二大入賞口に入賞した遊技球が非特定領域を通過した場合、大当たり遊技が実行されないので、遊技に対する遊技者の興趣が低下する可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る遊技機は、遊技球が通過することで当たり判定の実行契機となる判定領域と、第一状態と前記第一状態よりも遊技球が通過容易な第二状態とに変位可能な第一可変領域および第二可変領域と、前記第二可変領域を通過した遊技球が通過可能な特定領域および非特定領域と、前記第二可変領域を通過した遊技球を前記特定領域および前記非特定領域のいずれかに振り分ける振分部材と、前記当たり判定における当選確率が複数段階ある中で、設定変更部の操作に応じて複数段階の前記当選確率のいずれかを設定する設定手段と、前記判定領域を遊技球が通過したことを契機として、前記設定手段によって設定された前記当選確率で、前記当たり判定を実行する判定手段と、前記当たり判定において小当たりと判定された場合に、前記第二可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させることで、小当たり遊技を実行する小当たり実行手段と、前記特定領域を遊技球が通過した場合に、前記第一可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させることで、大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、前記非特定領域を遊技球が通過した場合に、前記設定手段によって設定された前記当選確率を示唆する示唆演出を実行する演出実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記態様によれば、小当たり遊技中に第二可変領域を遊技球が通過すると、通過した遊技球は、振分部材によって、特定領域および非特定領域のいずれかに振り分けられる。遊技球が特定領域を通過した場合には、大当たり遊技が実行される。一方、遊技球が非特定領域を通過しても、大当たり遊技の実行条件とはならない。しかし、この場合には示唆演出が実行される。このため、遊技者は、遊技球が非特定領域を通過したとしても、高い当選確率が設定されていることを期待して示唆演出を楽しむことができる。よって、遊技機は、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0008】
本発明の一態様に係る遊技機は、前記第二可変領域よりも下流側且つ前記振分部材よりも上流側に設けられ、複数個の遊技球が停留可能な停留領域と、前記停留領域に配置された位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球が前記振分部材に流れないように規制して前記停留領域で停留させる第一規制位置と、前記停留領域から退避した位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球を前記振分部材に案内する第一案内位置とに移動可能な第一案内部材と、前記当たり判定において小当たりと判定された場合、前記第一案内部材を、前記第一規制位置から前記第一案内位置に移動させる第一移動制御手段とを備え、前記大当たり実行手段は、前記特定領域を遊技球が通過し、且つ前記小当たり遊技の実行中に前記第二可変領域を通過した遊技球の個数である入球数から、前記小当たり遊技の実行中に前記特定領域を通過した遊技球の個数である第一通過数および前記小当たり遊技の実行中に前記非特定領域を通過した遊技球の個数である第二通過数を引いた値が0になった場合に、前記大当たり遊技を実行し、前記小当たり実行手段は、前記第一案内部材が前記第一規制位置に制御されている状態で、前記第二可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させてもよい。この場合、停留領域に停留した遊技球のすべてが特定領域を通過する第一パターンと、停留領域に停留した遊技球のすべてが非特定領域を通過する第二パターンと、停留領域に停留した遊技球の一部が特定領域を通過し、一部が非特定領域を通過する第三パターンとがある。第一パターンの場合には、示唆演出は実行されずに大当たり遊技が実行される。第二パターンの場合には、大当たり遊技は実行されずに示唆演出が実行される。第三パターンの場合には、示唆演出および大当たり遊技の両方が実行される。このため、遊技機は、第三パターンとなった場合に示唆演出および大当たり遊技の両方を遊技者に楽しませることができる。
【0009】
本発明の一態様に係る遊技機は、前記停留領域の第一部分に接続し、遊技球を前記停留領域から前記振分部材に向かって流下させる流路であって、遊技球が前記停留領域から前記振分部材まで流下して前記振分部材によって前記特定領域および前記非特定領域のいずれかに振り分けられるまでの時間の平均である平均流下時間が第一時間である第一流路と、前記停留領域のうち前記第一部分よりも上流側の第二部分に接続し、遊技球を前記停留領域から前記振分部材に向かって流下させる流路であって、前記平均流下時間が前記第一時間よりも長い第二時間である第二流路とを備え、前記第一案内部材は、前記第一規制位置において前記第一部分に配置され、前記第二可変領域を通過した遊技球が前記第一流路に流れないように規制して前記停留領域で停留させ、前記第一案内位置において前記第一部分から退避し、前記第二可変領域を通過した遊技球を前記第一流路に案内し、さらに、前記遊技機は、前記第二部分に配置可能な部材であって、前記第一案内部材によって前記第一流路への流下が規制されて前記停留領域に停留する遊技球の個数である停留個数が所定個数未満の状態で前記第二可変領域を通過した遊技球が前記第二流路に流れないように規制可能であって、且つ前記停留個数が前記所定個数以上の状態で前記第二可変領域を通過した遊技球を前記第二流路に案内可能な第二案内部材を備えてもよい。この場合、遊技機は新規な遊技性を実現できる。
【0010】
本発明の一態様に係る遊技機において、前記第二案内部材は、前記第二部分に配置された位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球が前記第二流路に流れないように規制する第二規制位置と、前記第二部分から退避した位置であって前記第二可変領域を通過した遊技球を前記第二流路に案内する第二案内位置とに移動可能であり、前記遊技機は、前記当たり判定において小当たりと判定された場合、前記第一案内部材が前記第一規制位置に制御されている状態で、前記第二案内部材を前記第二規制位置から前記第二案内位置に移動させる第二移動制御手段を備え、前記小当たり実行手段は、前記小当たり遊技において、前記第一案内部材が前記第一規制位置に制御され、且つ前記第二案内部材が前記第二規制位置に制御されている状態で、前記第二可変領域を前記第一状態から前記第二状態に変位させてもよい。この場合、遊技機は、第二案内部材を第二規制位置と第二案内位置とに移動させることで、遊技球を第二流路に流下させるか否かを確実に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】ショート側ストッパ95が第一規制位置にあり、且つロング側ストッパ96が第二規制位置にあるときの第二大入賞装置17の正面図である。
【
図4】ショート側ストッパ95が第一規制位置にあり、且つロング側ストッパ96が第二案内位置にあるときの第二大入賞装置17の正面図である。
【
図5】ショート側ストッパ95が第一規制位置にあり、且つロング側ストッパ96が第二案内位置にあるときの第二大入賞装置17の正面図である。
【
図6】ショート側ストッパ95が第一案内位置にあり、且つロング側ストッパ96が第二規制位置にあるときの第二大入賞装置17の正面図である。
【
図7】振分領域94を正面上方から見た斜視図である。
【
図8】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】第一実施形態の主制御基板41のRAM52の大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図10】第一実施形態の主制御基板41のROM53に記憶されている大当たり判定テーブルを示す概念図である。
【
図11】第一実施形態の主制御基板41のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図12】第一実施形態の主制御基板41のROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図13】パチンコ機1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
【
図14】第一実施形態の小当たり遊技における第二大入賞口17A、ショート側ストッパ95、ロング側ストッパ96の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図16】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる初期処理のフローチャートである。
【
図17】主制御基板41によるメイン処理の中において行われるスイッチ読込処理のフローチャートである。
【
図18】主制御基板41によるスイッチ読込処理の中において行われる大入賞口関係処理のフローチャートである。
【
図19】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図20】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図21】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図22】主制御基板41による特別図柄処理の中において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図23】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図24】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図25】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図26】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図27】主制御基板41によるメイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図28】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図29】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図30】サブ制御基板58のROM583に記憶されている設定示唆決定テーブルを示す概念図である。
【
図31】サブ制御基板58のROM583に記憶されている大当たり遊技演出パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図32】第二実施形態の主制御基板41のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図33】第二実施形態の小当たり遊技における第二大入賞口17A、ショート側ストッパ95、ロング側ストッパ96の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、第一実施形態の遊技機であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、および右側とする。
【0013】
図1~
図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技盤2を着脱可能な本体枠29を備える。遊技盤2は正面視略正方形の板状である(
図2参照)。本体枠29に装着された遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置される。遊技盤2は、本体枠29と、本体枠29の前側に装着された前面枠291との間で保持される。前面枠291は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。
【0014】
遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(
図8参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン8が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠291には、前面枠291のガラス板を取り囲むように、電飾部材35が設けられている。電飾部材35は、遊技の進行等に応じて点灯または点滅可能である。前面枠291の上部の両角部に、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0015】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、第二大入賞装置17が設けられている。第二大入賞装置17の詳細は後述する。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、第二大入賞装置17の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、第二大入賞装置17の右側を流下する。以下、遊技球が第二大入賞装置17の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球が第二大入賞装置17の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0016】
第二大入賞装置17の左上側には、表示画面28が設けられている。表示画面28は、様々な画像を表示可能である。表示画面28は、例えば、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機1は、複数の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
【0017】
第二大入賞装置17の左側には、第一始動口12が設けられている。第一始動口12は、遊技球が入賞可能に構成された入賞口であり、第一特別図柄の始動口として機能する。第二大入賞装置17の右側には、上方から順にゲート10、第二始動口13、第一大入賞口16が設けられている。ゲート10は、遊技球が通過可能に構成されており、普通図柄の作動ゲートとして機能する。
【0018】
第二始動口13は、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成され、第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口13は、開閉可能な開閉部材131を備えている。第一実施形態では、開閉部材131が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二始動口13に入賞できる。なお、第二始動口13は、開閉部材131が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
【0019】
第一大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。第一大入賞口16は、開閉可能な開閉部材161を備えている。開閉部材161が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一大入賞口16に入賞できる。第一実施形態では、第一大入賞口16は、後述の大当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
【0020】
第二大入賞装置17の右上部には、第二大入賞口17Aが設けられている。第二大入賞口17Aは、いわゆる特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第二大入賞口17Aは、開閉可能な開閉部材171を備えている。開閉部材171が開放された開放状態(
図3参照)の場合にのみ、遊技球は第二大入賞口17Aに入賞できる。第一実施形態では、第二大入賞口17Aは、大当たり判定の結果が小当たりとなった場合に、後述の小当たり遊技として開放状態(
図3参照)と閉鎖状態(
図1、
図2、
図4~
図6参照)とが切り替えられるように構成されている。なお、
図3は、開放状態の第二大入賞口17Aの開閉部材171を二点鎖線で示す。
【0021】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口18、複数の一般入賞口19、風車、遊技くぎ等が設けられている。アウト口18は、遊技領域4の下部に設けられている。複数の一般入賞口19は、第二大入賞装置17の下方に3つ設けられている。
【0022】
遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17A、および複数の一般入賞口19のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口18を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。なお、遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17A、および複数の一般入賞口19のいずれにかに入賞した遊技球は、その後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0023】
また、遊技盤2の左下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定の結果を示す第一特別図柄および第二大当たり判定の結果を示す第二特別図柄を表示する。第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である第一保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通保留球数を表示する。
【0024】
図3~
図7を参照して、第二大入賞装置17の内部構造について説明する。遊技者は、前面枠291(
図1参照)に保持された透明なガラス板を介して、第二大入賞装置17の内部を視認できる。このため、遊技者は、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球におけるその後の流下態様を見て楽しむことができる。
【0025】
図3~
図6に示すように、第二大入賞装置17の内部には、遊技球が流下可能な領域として、通過流路90、停留領域91、ショート流路92、ロング流路93、振分領域94が設けられている。
【0026】
通過流路90は、開閉部材171の直下に設けられ、第二大入賞口17Aに接続する。通過流路90を規定する底板は、左斜め下方に傾斜する。停留領域91は、通過流路90の左端(下流端)からさらに左斜め下方に傾斜するように延びる。停留領域91を規定する底板は、左斜め下方に傾斜する。停留領域91は、下流側停留領域911と上流側停留領域912とを含む。下流側停留領域911は、停留領域91のうち左右方向の中央よりも右側(上流側)の位置から左側(下流側)の領域であり、詳細には後述のロング側ストッパ96の左端よりも左側の領域である。
【0027】
上流側停留領域912は、停留領域91のうち下流側停留領域911の右端よりも右側(上流側)の領域であり、詳細には後述のロング側ストッパ96の上側の領域である。上流側停留領域912の左右方向の長さは、下流側停留領域911の左右方向の長さよりも短い。第一実施形態では、下流側停留領域911の左右方向の長さは、遊技球の外径の約6倍の長さであり、上流側停留領域912の左右方向の長さは、遊技球の外径の約2倍の長さである。
【0028】
また、第一実施形態の停留領域91の前後方向の長さは、遊技球の外径よりもわずかに大きく、遊技球の外径の2倍よりも小さい。さらに、第一実施形態の停留領域91の上下方向の長さも、遊技球の外径よりもわずかに大きく、遊技球の外径の2倍よりも小さい。したがって、第一実施形態では、停留領域91において、2個以上の遊技球が前後方向に並ぶことも上下方向に並ぶこともない。すなわち、複数の遊技球が停留領域91で停留する場合、複数の遊技球は左右方向に一列に並ぶ。
【0029】
ショート流路92は、下流側停留領域911の左端から下方に延び、後述の振分領域94の下部に接続し、後述の下段振分部材99の上方まで延びる。下流側停留領域911とショート流路92との接続部には、板状部材であるショート側ストッパ95が設けられている。
【0030】
ショート側ストッパ95は、停留領域91に対して前後方向に移動することで、第一規制位置(
図3~
図5参照)と第一案内位置(
図6参照)とに移動可能である。なお、
図6は、第一案内位置に配置されたショート側ストッパ95を二点鎖線で示す。
【0031】
図3~
図5に示す第一規制位置では、ショート側ストッパ95は、下流側停留領域911内の左端に配置される。このため、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置された場合、ショート側ストッパ95は、遊技球が下流側停留領域911からショート流路92に流れないようにストッパとして機能し、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を停留領域91で停留させる。この場合、上述したように、停留領域91において、2個以上の遊技球が前後方向に並ぶことも上下方向に並ぶこともないので、停留領域91には、遊技球が下流側停留領域911の下流側(左端)から順に1個ずつ停留する。
【0032】
以下では、ショート側ストッパ95によってショート流路92への流下が規制されて停留領域91に停留する遊技球の個数を、「停留個数」という。下流側停留領域911には、最大で所定個数(以下、「最大停留個数」という。)の遊技球が停留可能である。第一実施形態の最大停留個数は、6個であり、後述の第二最大入賞球数(8個)よりも少ない。なお、
図3~
図5は、最大停留個数である6個の遊技球が下流側停留領域911で停留している状態を示す。
【0033】
図6に示す第一案内位置では、ショート側ストッパ95は、下流側停留領域911から後方に退避して配置される。ショート側ストッパ95が第一案内位置に配置された場合、ショート側ストッパ95は、ストッパとして機能しない。よって、この場合には、遊技球は下流側停留領域911からショート流路92に流れることが可能となる。換言すれば、ショート側ストッパ95が第一案内位置に配置された場合、ショート側ストッパ95は、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をショート流路92に案内できる。
【0034】
なお、ショート側ストッパ95は、通常、
図3~
図5に示す第一規制位置に配置されており、後述の小当たり遊技中に所定のタイミングで
図6に示す第一案内位置に移動する。
【0035】
図3~
図6に示すように、ロング流路93は、上流側停留領域912の下端から下方に延び、後述の振分領域94の上端に接続する。上流側停留領域912とロング流路93との接続部には、板状部材であるロング側ストッパ96が設けられている。
【0036】
ロング側ストッパ96は、停留領域91に対して前後方向に移動することで、第二規制位置(
図3、
図6参照)と第二案内位置(
図4、
図5参照)とに移動可能である。なお、
図4、
図5は、第二案内位置に配置されたロング側ストッパ96を二点鎖線で示す。
【0037】
図3、
図6に示す第二規制位置では、ロング側ストッパ96は、上流側停留領域912内の下端に配置される。このため、ロング側ストッパ96が第二規制位置に配置された場合、ロング側ストッパ96は、遊技球が上流側停留領域912からロング流路93に流れないようにストッパとして機能する。この場合、ロング側ストッパ96は、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を下流側停留領域911の下流側(左端)に向かって案内する。
【0038】
図4、
図5に示す第二案内位置では、ロング側ストッパ96は、上流側停留領域912から後方に退避して配置される。ロング側ストッパ96が第二案内位置に配置された場合、ロング側ストッパ96は、ストッパとして機能しないので、遊技球は上流側停留領域912からロング流路93に流れることが可能となる。換言すれば、ロング側ストッパ96が第二案内位置に配置された場合、ロング側ストッパ96は、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内する。
【0039】
なお、ロング側ストッパ96は、通常、
図3、
図6に示す第二規制位置に配置されており、後述の小当たり遊技中に所定のタイミングで
図4、
図5に示す第二案内位置に移動する。
【0040】
図3~
図7に示すように、振分領域94は、ロング流路93の下方で上下方向に延びる。振分領域94には、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を後述の特定領域172および非特定領域173(
図7参照)のいずれかに振り分けるための振分部材9が複数配置されている。複数の振分部材9は、上方から順に上段振分部材97、中段振分部材98、下段振分部材99で構成されている。上段振分部材97、中段振分部材98、下段振分部材99は、それぞれ、上方に開口する皿状のクルーンである。
【0041】
図7に示すように、上段振分部材97には、特定孔971と通過孔972とが設けられている。特定孔971および通過孔972は、それぞれ、上段振分部材97を上下方向に貫通している。中段振分部材98には、特定孔981と通過孔982とが設けられている。特定孔981および通過孔982は、それぞれ、中段振分部材98を上下方向に貫通している。下段振分部材99には、特定孔991と3つの非特定孔992~994とが設けられている。特定孔991および非特定孔992~994は、それぞれ、下段振分部材99を上下方向に貫通している。
【0042】
また、第二大入賞装置17は、特定領域172と非特定領域173とを備える。特定領域172および非特定領域173は、それぞれ、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球のみが通過できる領域である。特定領域172は、遊技球が通過することで後述の大当たり遊技の実行契機となる領域である。非特定領域173は、遊技球が通過しても後述の大当たり遊技の実行契機とならない領域である。
【0043】
上述した特定孔971、981、991は、それぞれ、特定領域172につながる流路174に接続している。上述した3つ非特定孔992~994は、それぞれ、非特定領域173につながる流路175に接続している。特定領域172または非特定領域173を通過した遊技球は、遊技領域4外へと排出される。
【0044】
上記構成を有する第二大入賞装置17内の遊技球の流れの概略について説明する。
図3に示すように、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、停留領域91に向かって通過流路90を流下する。通過流路90から停留領域91に流下した遊技球は、ショート流路92およびロング流路93のいずれかを流下する。通過流路90から停留領域91に流下した遊技球が、ショート流路92およびロング流路93のいずれかを流下するかについては後述する。
【0045】
図7に示すように、ショート流路92を流下した遊技球は、振分領域94において下段振分部材99上に排出される。この場合、遊技球は、下段振分部材99上を転動して旋回する。遊技球の旋回力が弱まると、旋回中の遊技球は特定孔991および非特定孔992~994のいずれかに流れ落ちる。
【0046】
特定孔991に落ちた遊技球は、流路175を流れて特定領域172を通過し、遊技領域4外へ排出される。一方、非特定孔992~994のいずれかに落ちた遊技球は、流路176を流れて非特定領域173を通過し、遊技領域4外へ排出される。
【0047】
一方、ロング流路93を流下した遊技球は、振分領域94において上段振分部材97上に排出される。この場合、遊技球は、上段振分部材97上を転動して旋回する。遊技球の旋回力が弱まると、旋回中の遊技球は特定孔971および通過孔972のいずれかに流れ落ちる。
【0048】
特定孔971に落ちた遊技球は、流路175を流れて特定領域172を通過し、遊技領域4外へ排出される。一方、通過孔972に落ちた遊技球は、中段振分部材98上に落下し、中段振分部材98上を転動して旋回する。遊技球の旋回力が弱まると、旋回中の遊技球は特定孔981および通過孔982のいずれかに流れ落ちる。
【0049】
特定孔981に落ちた遊技球は、流路175を流れて特定領域172を通過し、遊技領域4外へ排出される。一方、通過孔982に落ちた遊技球は、下段振分部材99上に落下する。ショート流路92を遊技球が流下した場合と同様にして、落下した遊技球は下段振分部材99上を転動して旋回する。遊技球の旋回力が弱まると、旋回中の遊技球は特定孔991および非特定孔992~994のいずれかに流れ落ちる。
【0050】
特定孔991に落ちた遊技球は、流路175を流れて特定領域172を通過し、遊技領域4外へ排出される。一方、非特定孔992~994のいずれかに落ちた遊技球は、流路176を流れて非特定領域173を通過し、遊技領域4外へ排出される。
【0051】
以上のように、ショート流路92を流下した遊技球は、下段振分部材99によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられる。一方、ロング流路93を流下した遊技球は、上段振分部材97、中段振分部材98、および下段振分部材99によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられる。いずれの場合でも、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、振分部材9によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられ、特定領域172および非特定領域173のいずれかを通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0052】
以下では、遊技球が停留領域91から振分部材9まで流下して振分部材9によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられるまでの時間の平均を、「平均流下時間」という。また、遊技球がショート流路92を流下した場合の平均流下時間を、「第一時間」とし、遊技球がロング流路93を流下した場合の平均流下時間を、「第二時間」とする。
【0053】
第一実施形態では、遊技球がショート流路92を流下した場合には、平均流下時間は、主に下段振分部材99での遊技球の旋回時間に依存する。一方、遊技球がロング流路93を流下した場合には、平均流下時間は、主に上段振分部材97での遊技球の旋回時間と、中段振分部材98での遊技球の旋回時間と、下段振分部材99での遊技球の旋回時間との合計時間に依存する。したがって、第一実施形態では、第二時間が第一時間よりも長くなるように構成されている。
【0054】
パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技、小当たり遊技および普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合、または役物連続作動装置が作動していない状態で、遊技球が第二大入賞装置17の内部の特定領域172を通過した場合に作動する。
【0055】
また、役物連続作動装置とは、第一大入賞口16を連続して作動する大当たり遊技状態を生起させるための装置である。以下、条件装置および役物連続作動装置が作動している状態を、大当たり遊技状態という。大当たり遊技状態では、第一大入賞口16の開閉部材161が開放状態にされることが所定回数繰り返される大当たり遊技が実行される。
【0056】
以下、大当たり遊技において第一大入賞口16の開閉部材161が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。第一実施形態では、1回の大当たりラウンド毎に、第一大入賞口16が1回開放する。
【0057】
また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。また、ラウンド数が増えるほど、1回の大当たり遊技において第一大入賞口16の開放する回数が増加する。すなわち、ラウンド数が増えるほど、第一大入賞口16へ入賞する遊技球の数が増加し得る。賞球払出装置49は、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数に応じた賞球を払い出す。すなわち、ラウンド数は、大当たり遊技によって遊技者に払い出される賞球の目安を示すものであり、大当たり遊技の価値の大きさを示すものである。
【0058】
また、小当たり遊技は、第二大入賞口17Aの開閉部材171が1回だけ開放状態にされることで実行される。すなわち、第一実施形態の小当たり遊技では、第二大入賞口17Aの開閉部材171が所定回数繰り返して開放状態にされない。なお、小当たり遊技における第二大入賞口17Aの開閉部材171の1回の開放が、複数回の開放によって構成されることは妨げられない。以下では、小当たり遊技における第二大入賞口17Aの開閉部材171の1回の開放を、「小当たり開放」といい、小当たり開放を構成する第二大入賞口17Aの開閉部材171の複数回の開放を、それぞれ、「短開放」という。すなわち、小当たり遊技では、1回の小当たり開放が行われ、その1回の小当たり開放は、1回または複数回の短開放によって構成される(
図14参照)。
【0059】
第一実施形態において、第二大入賞口17Aは、小当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合に作動する大入賞口である。小当たり遊技は、一般に、大当たり遊技と比較して遊技者における有利度が小さい遊技である。大当たり判定の判定結果が小当たりであると判定された時点では、条件装置は作動しないので、役物連続作動装置も作動しない。
【0060】
小当たり遊技において開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が特定領域172を通過すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当たり遊技状態が生起され、小当たり遊技に引きつづいて大当たり遊技が実行される。すなわち、特定領域172を遊技球が通過することは、条件装置を作動させるための条件となる。このように、大当たり判定において小当たりであると判定されたことに起因して小当たり遊技が実行され、遊技球が特定領域172を通過して大当たり遊技が実行された場合には、先に実行された小当たり遊技が大当たり遊技の一部に含められる。この場合、小当たり遊技における1回の小当たり開放が1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。
【0061】
大当たり判定において小当たりであると判定されたことに応じて小当たり遊技が実行されたことに起因して実行される大当たり遊技を、以下では、2種遊技ともいう。2種遊技は、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が特定領域172を通過することを条件として実行される。第一実施形態では、第二大入賞口17Aを用いた小当たり遊技の終了後に、第一大入賞口16の開放が連動されることで2種遊技の大当たり遊技が行われる。言い換えると、2種遊技は、特定領域172を備える第二大入賞口17Aの開放動作を伴う大当たり遊技である。
【0062】
一方、小当たり遊技を介することなく、特定領域172を備えない第一大入賞口16によって実行される大当たり遊技を、以下では、1種遊技ともいう。1種遊技は、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する特別図柄の組合せが確定表示されることを契機として実行される。第一実施形態のパチンコ機1は、1種遊技および2種遊技の双方を備えた、いわゆる1種2種混合タイプの遊技機である。
【0063】
また、ゲート10を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、第二始動口13の開閉部材131が所定の開放パターンで開閉される普通当たり遊技が実行される。
【0064】
また、パチンコ機1は、非時短状態および時短状態のいずれかを生起させる。非時短状態は、第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる割合が通常の割合である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる割合が高くなる遊技状態である。具体的には、時短状態において普通当たりと判定される普通当たり確率(第一実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される普通当たり確率(第一実施形態では1/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中における第二始動口13の開閉部材131の開放時間の合計は、非時短状態よりも時短状態の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(第一実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(第一実施形態では2秒)の方が短い。
【0065】
時短状態においては、第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる割合が非時短状態よりも高くなるので、遊技者は、第一始動口12よりも第二始動口13に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。一方、非時短状態においては、第二始動口13の開閉部材131が開放状態にされる割合が時短状態よりも低くなるので、遊技者は、第二始動口13よりも第一始動口12に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、非時短状態中は、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。
【0066】
パチンコ機1は、当たり種別に応じて、大当たり遊技の終了後に、時短状態を生起させるかを決定する。第一実施形態では、生起された時短状態は、大当たり遊技の終了後に行われた大当たり判定の回数(以下、「判定回数」という。)が所定の時短回数に達することで終了する。
【0067】
図8を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、および電源基板42を主に備える。
【0068】
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。ROM53には、後述のメイン処理(
図15参照)を実行するためのメインプログラムが記憶される。
【0069】
主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述するメイン処理を実行する。主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、設定キースイッチ411、RAMクリアスイッチ412、第一始動口スイッチ61、および第二始動口スイッチ62、および出力ポート55に接続している。
【0070】
第一始動口スイッチ61は、第一始動口12に設けられており、第一始動口12に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口13に設けられており、第二始動口13に入賞した遊技球を検出する。出力ポート55は、遊技場管理用コンピュータ(図示略)にパチンコ機1の情報を出力する。
【0071】
設定キースイッチ411およびRAMクリアスイッチ412は、本体枠29の内部において主制御基板41を覆う主基板ケース(図示略)の内部に設けられている。パチンコ機1が設置されるホールの作業者等は、前面枠291を開放することによって、設定キースイッチ411およびRAMクリアスイッチ412を外部から操作できる。作業者以外の者(遊技者等)、は、前面枠291を開放することができないため、設定キースイッチ411およびRAMクリアスイッチ412を操作できない。
【0072】
設定キースイッチ411は、パチンコ機1における大当たり確率(大当たり判定で大当たりと判定される確率)設定の段階を示す複数の設定値のうち、設定されている設定値(以下、「実設定値」という。)の変更を行うためのスイッチであり、作業者は、設定キースイッチ411を捻る操作を行うことで、設定キースイッチ411を「ON」状態および「OFF」状態のいずれかに切り替えることができる。実設定値はRAM52に記憶される。以下、実設定値の変更を、「設定変更」といい、設定変更可能な状態を、「設定変更可能状態」という。
【0073】
RAMクリアスイッチ412は、RAM52の初期設定(RAMクリア)を行う際に操作されるスイッチとして機能し、設定変更において実設定値を変更するために操作されるスイッチとしても機能するスイッチであり、作業者は、RAMクリアスイッチ412を押下する操作を行うことで、RAMクリアスイッチ412を「ON」状態に切り替え、RAMクリアスイッチ412の押下を解除する操作を行うことで、RAMクリアスイッチ412を「OFF」状態に切り替えることができる。なお、RAMクリアが行われても実設定値はクリアされないので、設定変更は行われない。
【0074】
第一実施形態では、RAMクリアスイッチ412が上記の2つの機能を兼用するが、例えば、RAMクリアを行うためのスイッチと、実設定値を変更するためのスイッチとが、個別に設けられていてもよい。
【0075】
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン8およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ROM583には、後述のサブ制御基板処理(
図28、
図29参照)を実行するためのサブプログラムが記憶される。
【0076】
ランプドライバ基板46は、電飾部材35に接続している。電飾部材35は、例えばLEDを搭載している。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾部材35の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0077】
中継基板47は、第二始動口ソレノイド68、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、第一ストッパソレノイド72、第二ストッパソレノイド73、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79、一般入賞口スイッチ80、ロング流路スイッチ81、図柄表示部24、および設定値表示部25に接続している。
【0078】
第二始動口ソレノイド68は、普通当たり遊技中に第二始動口13の開閉部材131を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aの開閉部材171を開閉する。
【0079】
第一ストッパソレノイド72は、小当たり遊技中にショート側ストッパ95を第一規制位置と第一案内位置とに開閉する。第二ストッパソレノイド73は、小当たり遊技中にロング側ストッパ96を第二規制位置と第二案内位置とに開閉する。
【0080】
ゲートスイッチ75は、ゲート10に設けられており、ゲート10を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17Aに設けられ、詳細には、通過流路90と停留領域91との接続部に設けられており(
図2参照)、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を検出する。
【0081】
特定領域スイッチ78は、特定領域172に設けられており(
図7参照)、特定領域172を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ79は、非特定領域173に設けられており(
図7参照)、非特定領域173を通過した遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ80は、複数の一般入賞口19のそれぞれに設けられており、一般入賞口19を通過した遊技球を検出する。ロング流路スイッチ81は、ロング流路93に設けられており(
図7参照)、ロング流路93を通過した遊技球を検出する。設定値表示部25は、本体枠29の内部に設けられ、実設定値(第一実施形態では、「設定1」から「設定6」のいずれか)を表示する。
【0082】
電源基板42は、主制御基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(第一実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。また、電源基板42には、電源スイッチ423が接続されている。電源スイッチ423は、パチンコ機1の電源をON、OFFするために操作されるスイッチである。
【0083】
図9を参照して、主制御基板41のRAM52の大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。パチンコ機1の大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理(
図15参照)の特別図柄処理において使用される。大当たり関係情報記憶エリアには、第一大当たり関係情報記憶エリア、第二大当たり関係情報記憶エリア、および判定エリアが設けられている。第一大当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。第一実施形態では、第一大当たり関係情報記憶エリアに、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留数のうち第一始動口12への入賞による第一保留球数が4未満(0~3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0084】
第一保留球数とは、第一始動口12へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行、特別図柄の変動時間を示す変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。第一実施形態において、記憶可能な第一保留球数の上限である最大第一保留球数は「4」である。CPU51は、No.1の記憶エリアに記憶されている乱数を、判定エリアにシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアであり、第一大当たり判定と第二大当たり判定とで共通に用いられる。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以下に記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、No.1の記憶エリアに記憶されている乱数が順次判定エリアにシフトされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、および判定結果に応じて実行される大当たり遊技に関する処理が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
【0085】
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値(第一大当たり乱数)が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値(第一特別図柄決定乱数)が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および第一変動パターン決定カウンタの値(第一変動パターン決定乱数)が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。第一大当たり乱数とともに取得される第一特別図柄決定乱数、第一変動パターン決定乱数を含む複数の乱数を、総称して「第一乱数」ともいう。
【0086】
第二大当たり関係情報記憶エリアにも、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に、複数の記憶エリアが設けられている。各記憶エリアには、第二大当たり判定カウンタの値(第二大当たり判定乱数)が記憶される第二大当たり乱数欄、第二特別図柄決定カウンタの値(第二特別図柄決定乱数)が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、および第二変動パターン決定カウンタの値(第二変動パターン決定乱数)が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一実施形態では、第二大当たり関係情報記憶エリアに、No.1の記憶エリアのみが設けられている。第二大当たり乱数とともに取得される第二特別図柄決定乱数、第二変動パターン決定乱数を含む複数の乱数を、総称して第二乱数ともいう。
【0087】
第二始動口13に遊技球が入賞した場合、判定エリアに第一乱数も第二乱数も格納されていないときに、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第二始動口13に遊技球が入賞した際に、判定エリアに既に第一乱数または第二乱数が格納されている場合には、第二乱数は新たに取得されない。第二大当たり関係情報記憶エリアは、取得された第二乱数を、判定エリアにシフトさせるまでの間に一時的に格納するために用いられているのみであり、第二保留球を複数記憶するものではない。すなわち、第一実施形態において最大第二保留球数は「0」である。なお、最大第二保留球数は「1」以上であってもよい。CPU51は、判定エリアに記憶されている第二乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。なお、処理が終了した判定エリアの乱数は、適宜消去される。
【0088】
パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主制御基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主制御基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主制御基板41は、変動を開始した第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(第一実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、電飾部材35、スピーカ48等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出を実行する。
【0089】
以下の説明では、第一大当たり乱数および第二大当たり乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一特別図柄決定乱数数および第二特別図柄決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、特別図柄決定乱数ともいう。
【0090】
なお、RAM52には、ゲート10を遊技球が通過する時点に取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。第一実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアに4つの記憶エリアが設けられており、最大普通保留数は「4」である。記憶エリアには、普通当たり判定カウンタの値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定カウンタの値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
【0091】
図10を参照して、主制御基板41のROM53に記憶されている大当たり判定テーブルについて説明する。パチンコ機1の大当たり判定テーブルは、第一大当たり判定テーブルと第二大当たり判定テーブルとを含み、大当たり判定に用いられる。パチンコ機1の大当たり判定テーブルは、大当たり確率を、パチンコ機1における大当たり確率設定の段階を示す設定値に応じて定義する。詳細には、第一実施形態では、大当たり乱数は、0~65535のいずれかの値を採る。パチンコ機1の大当たり判定テーブルは、大当たりと判定される乱数値、小当たりと判定される乱数値、およびはずれと判定される乱数値を、設定値に応じて定義する。なお、第一大当たり判定テーブルには、小当たりと判定される乱数値は定義されていない。CPU51は、第一大当たり判定テーブルを参照することで、第一大当たり判定の結果が大当たりおよびはずれのいずれであるかを決定し、第二大当たり判定テーブルを参照することで、第二大当たり判定の結果が大当たり、小当たり、およびはずれのいずれであるかを決定する。
【0092】
第一実施形態では、大当たり判定テーブルにおいて、設定値として、設定1から設定6の、6段階の大当たり確率設定が設けられている。なお、設定値は、設定1から設定6の6段階に限定されない。設定値において、設定1が最も遊技者にとって不利であり、設定1から設定6の順に数字が大きくなるほど、遊技者にとって有利になるように大当たり確率が設定されている。すなわち、大当たり判定テーブルは、大当たり確率を設定1から設定6の順に高くなるように定義している。設定1から設定6の大当たり確率は、順に、1/319.7(205/65536)、1/309.0(210/65536)、1/304.8(215/65536)、1/297.9(220/65536)、1/291.3(225/65536)、1/284.9(230/65536)である。このため、設定1から設定6の順に、大当たり判定において大当たりの判定結果が生じやすくなる。なお、第一実施形態では、第二大当たり判定において小当たりと判定される確率(以下、「小当たり確率」という。)は、設定値によらず、1/1.1(59795/65536)である。
【0093】
図11を参照して、主制御基板41のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりまたは小当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ複数の当たり種別のいずれかに分類される。複数の当たり種別は、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す大当たり種別と、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり種別とを含む。第一実施形態では、第一特別図柄は、大当たり種別のみで構成されており、第二特別図柄は、大当たり種別と小当たり種別とで構成されている。パチンコ機1における特別図柄決定テーブルでは、複数の当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0~99)が対応付けられている。
【0094】
第一特別図柄は、「大当たりA」および「大当たりB」の2種類の大当たり種別を含む。第二特別図柄は、「大当たりA」および「大当たりB」の2種類の大当たり種別と、「小当たりA」および「小当たりB」の2種類の小当たり種別とを含む。第一特別図柄の大当たり種別の割合は、「大当たりA」が50%、「大当たりB」が50%である。第二特別図柄の大当たり種別の割合は、「大当たりA」が65%、「大当たりB」が35%である。第二特別図柄の小当たり種別の割合は、「小当たりA」が65%、「小当たりB」が35%である。「大当たりA」および「大当たりB」に基づく大当たり遊技は、1種遊技である。「小当たりA」および「小当たりB」に基づく小当たり遊技を起因として実行される大当たり遊技は、2種遊技である。
【0095】
小当たり種別に対応付けられたラウンド数は、小当たり種別に対応する小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が特定領域172を通過することで、大当たり遊技状態が生起された場合に実行される大当たり遊技のラウンド数である。すなわち、小当たり種別に対応付けられたラウンド数は、2種遊技の大当たり遊技が実行される場合のラウンド数である。したがって、小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行されたが、遊技球が特定領域172を通過せず、大当たり遊技状態が生起されなかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技は実行されない。
【0096】
特別図柄決定テーブルは、各大当たりラウンドにおける第一大入賞口16および第二大入賞口17Aの開放パターンを定義している。第一実施形態では、「大当たりA」および「大当たりB」の当たり種別では、すべての大当たりラウンド(1Rから7R)で第一大入賞口16が1回開放される。また、「小当たりA」および「小当たりB」の当たり種別に基づいて小当たり遊技が実行されたことに起因する大当たり遊技では、2Rから14Rの各ラウンドで第一大入賞口16が1回開放される。なお、大当たりラウンドにおいて開放された第一大入賞口16は、所定個数(以下、「第一最大入賞球数」という。)の遊技球が第一大入賞口16に入賞するか、最大開放時間(以下、「第一開放時間」という。)が経過すると、閉鎖される。第一実施形態の第一最大入賞球数は9個であり、第一開放時間は28.0秒である。
【0097】
また、小当たり遊技では、第二大入賞口17Aが小当たり開放を1回行う。なお、小当たり開放において開放された第二大入賞口17Aは、所定個数(以下、「第二最大入賞球数」という。)の遊技球が第二大入賞口17Aに入賞するか、最大開放時間(以下、「第二開放時間」という。)が経過すると、閉鎖される。第一実施形態の第二最大入賞球数は8個であり、第二開放時間は1.5秒である。
【0098】
前述のように、小当たり遊技が実行されたことに起因する大当たり遊技において、小当たり遊技の小当たり開放は、1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われる。このため、特別図柄決定テーブルでは、小当たり遊技に係る第二開放時間を、便宜上、1R目の大当たりラウンドの開放時間として定義している。
【0099】
また、特別図柄決定テーブルは、第一大入賞口16および第二大入賞口17Aの開放パターンとして、オープニング時間を定義している。以下では、大当たり遊技におけるオープニング時間を大当たりオープニング時間といい、小当たり遊技におけるオープニング時間を小当たりオープニング時間という。大当たりオープニング時間は、大当たりを示す態様で特別図柄が確定表示されて大当たり遊技が開始されてから実際に1R目の第一大入賞口16の開放(大当たりラウンド)が開始されるまでの待機時間である。小当たりオープニング時間は、小当たりを示す態様で特別図柄が確定表示されて小当たり遊技が開始されてから実際に第二大入賞口17Aによる小当たり開放(つまり、1回目の短開放)が開始されるまでの待機時間である。第一実施形態では、大当たりオープニング時間および小当たりオープニング時間のいずれも5秒である。なお、大当たりオープニング時間および小当たりオープニング時間は互いに異なった時間でもよいし、当たり種別に応じて異なっていてもよい。
【0100】
特別図柄決定テーブルは、大当たり遊技終了後の遊技状態をいずれに設定するかを、当たり種別に応じて定義している。第一実施形態では、大当たり遊技終了後に時短状態が生起された場合における時短回数は、100回である。すなわち、大当たり遊技終了後に時短状態が生起された場合、判定回数が100回に達すると非時短状態に移行する。
【0101】
図12を参照して、主制御基板41のROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルには、大当たり判定の判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)、大当たり判定時の遊技状態(非時短状態または時短状態)、および大当たり判定の判定結果(第一大当たり判定では大当たりまたははずれ、第二大当たり判定では大当たり、小当たり、またははずれ)に応じて、複数のテーブルが設けられている。各テーブルには、複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0~511)が対応付けられている。大当たり判定が行われると、判定種別、その時点の遊技状態、および判定結果に応じたテーブルが参照され、大当たり判定乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
【0102】
非時短状態における第一大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば複数の演出図柄のうち一部が大当たりの可能性がある態様で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待値は、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、第一実施形態において、「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、第一実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。なお、時短状態についても、非時短状態と同様に各変動パターンが決定される割合が、各変動パターンに対応付けられた変動時間とともに定義されている。
【0103】
詳細は省略するが、変動パターン決定テーブルにおいて、第二大当たり判定についても、遊技状態および判定結果に応じて複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。
【0104】
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄または第二特別図柄を変動させる。パチンコ機1において、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定および第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。主制御基板41は、変動パターン決定テーブルが参照されて決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて報知演出を制御する。
【0105】
具体的には、主制御基板41は、決定された第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主制御基板41は、決定された第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動開始に同期して、表示画面28において演出図柄の変動表示を開始する。主制御基板41は、変動を開始した第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄または第二特別図柄を、所定の特別図柄の停止表示時間(第一実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄の停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、電飾部材35、スピーカ48等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出を実行する。
【0106】
図13を参照して、パチンコ機1における遊技状態の遷移について説明する。以下では、遊技者が非時短状態から遊技を開始したとして説明する。非時短状態では、時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞し難いく、第二始動口13よりも第一始動口12に入賞しやすい。このため、遊技者は、第一始動口12に遊技球を入賞させて、第一大当たり判定において大当たりであると判定されるように、左打ちによって遊技を進行する。
【0107】
第一大当たり判定において大当たりであると判定された場合、1Rから7Rまで第一大入賞口16の開閉部材161が最大28.0秒間開放状態にされる大当たり遊技(1種遊技)が行われる(矢印a参照)。第一大当たり判定において大当たりであると判定された場合、50%の割合で「大当たりA」の大当たり種別が、50%の割合で「大当たりB」の大当たり種別が、それぞれ決定される。「大当たりB」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に非時短状態が設定される(矢印b参照)。「大当たりA」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される(矢印c参照)。
【0108】
矢印cに示すように、非時短状態から時短状態に移行したとする。時短状態では、非時短状態よりも第二始動口13に遊技球が入賞しやすい。このため、遊技者は、ゲート10に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定され、第二始動口13に遊技球を入賞させて、第二大当たり判定において大当たりまたは小当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。
【0109】
第二大当たり判定において小当たりであると判定された場合、第二大入賞口17Aの開閉部材171が最大1.5秒間開放状態にされる小当たり遊技が実行される(矢印d参照)。第二大当たり判定において小当たりであると判定された場合、65%の割合で「小当たりA」の小当たり種別が、35%の割合で「小当たりB」の小当たり種別が、それぞれ決定される。
【0110】
また、詳しくは後述するが、小当たり遊技中には、遊技者は発射ハンドル7を操作して遊技球の発射個数、発射強度等を制御することで、小当たり遊技ルートとしてロングルートおよびショートルートのいずれかを選択できる。
【0111】
小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が特定領域172を通過すると、小当たり遊技に引きつづいて、2Rから14Rまで第一大入賞口16の開閉部材161が最大28.0秒間開放状態にされる大当たり遊技(2種遊技)が実行される(矢印e参照)。「小当たりA」の小当たり種別に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される。「小当たりB」の小当たり種別に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に非時短状態が設定される。すなわち、小当たりであると判定されたことに起因して大当たり遊技が実行された場合、65%の割合で時短状態が維持され(矢印f参照)、35%の割合で非時短状態が設定される(矢印g参照)。
【0112】
なお、時短状態において小当たりであると判定されたが、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が特定領域172を通過しなかった場合には、小当たり遊技に引きつづいて大当たり遊技が実行されない。この場合、時短状態が維持される(矢印h参照)。また、時短状態において、大当たり遊技の終了後に行われた判定回数が100回に達した場合には、時短状態は終了し、遊技状態は非時短状態に移行する(矢印i参照)。
【0113】
また、第二大当たり判定において大当たりであると判定された場合、1Rから7Rまで第一大入賞口16の開閉部材161が最大28.0秒間開放状態にされる大当たり遊技(1種遊技)が行われる(矢印j参照)。第二大当たり判定において大当たりであると判定された場合、65%の割合で「大当たりA」の大当たり種別が、35%の割合で「大当たりB」の大当たり種別が、それぞれ決定される。「大当たりA」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される(矢印k参照)。「大当たりB」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に非時短状態が設定される(矢印l参照)。
【0114】
このように、非時短状態では、大当たりと判定されることに起因して行われる1種遊技において、遊技者は遊技利益を得ることができる。遊技利益とは、例えば遊技者が獲得する賞球である。一方、時短状態では、大当たりと判定されることに起因して行われる1種遊技に加え、小当たりと判定されることに起因して行われる小当たり遊技、および小当たり遊技中に特定領域172を遊技球が通過したことに起因して行われる2種遊技において、遊技者は遊技利益を得ることができる。よって、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利である。
【0115】
さらに、小当たりAに基づいて小当たり遊技が行われた場合、小当たり遊技中に特定領域172を遊技球が通過し、2種遊技が行われると、この2種遊技の後には時短状態が維持される。一方、小当たりBに基づいて小当たり遊技が行われた場合、小当たり遊技中に特定領域172を遊技球が通過し、2種遊技が行われると、この2種遊技の後には非時短状態に移行する。上述したように、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利なので、小当たりAの方が小当たりBよりも遊技者にとって有利である。
【0116】
ここで、
図14を参照して、第一実施形態における小当たり遊技における第二大入賞口17Aの開放パターンとショート側ストッパ95の作動パターン(以下、「ショート側作動パターン」という。)とロング側ストッパ96の作動パターン(以下、「ロング側作動パターン」という。)との関係について説明する。なお、
図14は、説明の便宜上、各動作のタイミングの前後関係を示しているだけであり、各タイミング間の左右方向の長さが時間の長さと比例しているわけではない(後述の
図33も同様)。
図14に示すように、以下では、小当たりを示す態様で第二特別図柄が確定表示されたタイミングをタイミングT0とする。すなわち、タイミングT0は、小当たり遊技の開始のタイミングである。タイミングT0では、ショート側ストッパ95は第一規制位置(
図3参照)に配置されており、且つロング側ストッパ96は第二規制位置(
図3参照)に配置されている。
【0117】
まず、ショート側作動パターンとロング側作動パターンについて説明する。小当たり遊技が開始されると、タイミングT3において、ショート側ストッパ95が第一規制位置(
図3参照)に配置された状態でロング側ストッパ96が第二規制位置(
図3参照)から第二案内位置(
図4、
図5参照)に移動する。
【0118】
その後、タイミングT4において、ロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)に配置された状態でショート側ストッパ95が第一規制位置(
図4、
図5参照)から第一案内位置(
図6参照)に移動する。
【0119】
その後、タイミングT5において、ショート側ストッパ95が第一案内位置(
図6参照)に配置された状態でロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)から第二規制位置(
図6参照)に移動する。
【0120】
その後、タイミングT6において、ロング側ストッパ96が第二規制位置(
図6参照)に配置された状態でショート側ストッパ95が第一案内位置(
図6参照)から第一規制位置(
図3参照)に移動する。なお、タイミングT6は、タイミングT5よりも前に到来してもよいし、タイミングT6と同じタイミングでもよい。
【0121】
次に、小当たり遊技における第二大入賞口17Aの開放パターンについて説明する。小当たり遊技が開始されると、タイミングT0から小当たりオープニング時間の経過後のタイミングT1から第二大入賞口17Aが開放されて小当たり開放が行われ、タイミングT1から第二開放時間の経過時であるタイミングT2までには第二大入賞口17Aが閉鎖されて小当たり開放が終了する。すなわち、小当たり開放は、ショート側ストッパ95が第一規制位置(
図3参照)に配置され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置(
図3参照)に配置された状態(タイミングT3が到来するまでの間)で行われる。なお、小当たり開放中において第二開放時間が経過するよりも前に第二最大入賞球数の遊技球が第二大入賞口17Aに入賞した場合には、タイミングT2が到来するよりも前に第二大入賞口17Aが閉鎖されて小当たり開放が終了する。
【0122】
次に、
図3~
図6、
図13、
図14を参照して、第一実施形態における小当たり遊技ルートについて説明する。小当たり遊技ルートとは、小当たり遊技において第二大入賞口17Aに入賞した遊技球のその後の流れの種別のことである。
【0123】
図3に示すように、小当たり開放中(
図14のタイミングT1~タイミングT2参照)には、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置に配置されている。したがって、ショート側ストッパ95およびロング側ストッパ96がそれぞれストッパとして機能するので、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、上流側停留領域912からロング流路93に流下できず、且つ下流側停留領域911からショート流路92に流下できない。したがって、通過流路90から停留領域91に流れた遊技球は、停留領域91で停留する。詳細には、遊技球は、まず、停留個数が最大停留個数に達していなければ停留個数が最大停留個数に達するまで下流側停留領域911に流れて下流側停留領域911で停留し、停留個数が最大停留個数に達していれば、上流側停留領域912で停留する。
【0124】
その後、
図4、
図5に示すように、小当たり開放が終了して(
図14のタイミングT2参照)、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置されている状態でロング側ストッパ96が第二案内位置に配置される(
図14のタイミングT3~タイミングT4参照)。したがって、ショート側ストッパ95はストッパとして機能するが、ロング側ストッパ96はストッパとして機能しなくなる。この場合には、小当たり開放が終了しているので、新たに第二大入賞口17Aに遊技球が入賞することはない。
【0125】
この場合、
図4に示すように、停留個数が最大停留個数(8個)よりも多く、すなわち上流側停留領域912に遊技球が停留していれば、上流側停留領域912に停留している遊技球がロング流路93に流れる。
【0126】
一方、
図5に示すように、停留個数が最大停留個数(8個)以下であり、すなわち上流側停留領域912に遊技球が停留していなければ、ロング側ストッパ96が第二案内位置に配置されたとしても、遊技球がロング流路93に流れることはない。
【0127】
その後、
図6に示すように、ショート側ストッパ95が第一案内位置に配置される(
図14のタイミングT4参照)。したがって、ショート側ストッパ95はストッパとして機能しなくなる。この場合、1個以上の遊技球が下流側停留領域911に停留していれば、下流側停留領域911に停留している遊技球がショート流路92に流れる。なお、ロング流路93に遊技球が流れる場合には、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留していることとなるので、ショート流路92には最大停留個数の遊技球が流れることとなる。
【0128】
以上のように、第一実施形態では、小当たり遊技において小当たり開放中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の個数に応じて、その後、遊技球がショート流路92およびロング流路93のうちショート流路92のみを流れるか、両方を流れるかが異なる。すなわち、小当たり開放中に最大停留個数以下の遊技球が第二大入賞口17Aに入賞した場合には、その後、遊技球はショート流路92およびロング流路93のうちショート流路92のみを流れる。小当たり開放中に最大停留個数よりも多い遊技球が第二大入賞口17Aに入賞した場合には、その後、遊技球はショート流路92およびロング流路93の両方を流れる。
【0129】
以下では、小当たり遊技において小当たり開放中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がショート流路92およびロング流路93のうちショート流路92のみを流れる小当たり遊技ルートを、「ショートルート」といい、両方を流れる小当たり遊技ルートを、「ロングルート」という。第一実施形態の小当たり開放は、小当たり遊技中に遊技球が打ち止めされていなければ第二大入賞口17Aに最大停留個数よりも多くの遊技球が第二大入賞口17Aに入賞可能に構成されている。遊技者は、発射ハンドル7を操作して発射強度、発射個数を制御し、小当たり遊技における小当たり開放中に第二大入賞口17Aに入賞させる遊技球の個数を調整する。これにより、遊技者は小当たり遊技ルートとして、ショートルートおよびロングルートのいずれかを発射ハンドル7の操作によって選択できる。
【0130】
また、小当たり遊技は、第二大入賞口17Aから第二大入賞装置17内に入賞した遊技球のすべてが第二大入賞装置17から遊技領域4外に排出された場合に終了する。すなわち、仮に小当たり遊技中に遊技球が特定領域172を通過しても、第二大入賞口17Aから第二大入賞装置17内に入賞した遊技球のすべてが第二大入賞装置17から遊技領域4外に排出されなければ大当たり遊技は開始されない。したがって、小当たり遊技が開始されてから大当たり遊技が開始されるまで平均流下時間程度の時間がかかる。
【0131】
すなわち、
図13に示すように、ショートルートが選択された場合には、小当たり遊技が開始されてから大当たり遊技が開始されるまで第一時間程度かかる。一方、ロングルートが選択された場合には、小当たり遊技が開始されてから大当たり遊技が開始されるまで第二時間程度かかる。上述したように、第二時間は第一時間よりも長いので、ロングルートが選択された場合にはショートルートが選択された場合に比べて小当たり遊技の消化にかかる時間が長くなる。結果として、ロングルートが選択された場合にはショートルートが選択された場合に比べて大当たり遊技の実行頻度が低下する。したがって、小当たり遊技を速く消化したい場合には、遊技者はショートルートを選択するのが好ましい。
【0132】
一方、ショートルートが選択された場合には、特定領域172および非特定領域173に振り分けられる遊技球の個数は最大停留個数以下である。一方、ロングルートが選択された場合には、特定領域172および非特定領域173に振り分けられる遊技球の個数は最大停留個数よりも多い。したがって、ショートルートが選択された場合にはロングルートが選択された場合に比べて小当たり遊技において特定領域172を遊技球が通過する確率(以下、「V通過率」という。)が低くなる。すなわち、ショートルートが選択された場合にはロングルートが選択された場合に比べて、その後に大当たり遊技が行われる確率(=V通過率)が低くなる。
【0133】
よって、ロングルートでは、ショートルートよりも小当たり遊技を速く消化できる代わりにショートルートよりもV通過率が低くなる。一方、ショートルートでは、ロングルートよりもV通過率が高くなる代わりにロングルートよりもV通過率が高くなる。このように、第一実施形態のパチンコ機1は、ロング側ストッパ96およびショート側ストッパ95を有効活用して、小当たり遊技において第二大入賞口17Aに入賞させる遊技球の個数を遊技者が発射ハンドル7を操作して制御することでV通過率および小当たり遊技の消化時間を変化させるという新規な遊技性を実現できる。
【0134】
図15~
図27を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されるメインプログラムによって行われる。メイン処理(
図15参照)は、電源スイッチ423(
図8参照)が操作されてパチンコ機1の電源が投入されると、割込信号発生回路57(
図8参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0135】
まず、メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、遊技中フラグ等が記憶されている。遊技中フラグは、パチンコ機1が遊技中であるかを示すフラグである。遊技中フラグは、電源スイッチ423の操作によってパチンコ機1の電源が「OFF」にされたときに「OFF」になり、電源スイッチ423の操作によってパチンコ機1の電源が「ON」にされたときに実行される後述する初期処理(S101)の実行に伴って「ON」になる。よって、電源スイッチ423の操作によってパチンコ機1の電源が「ON」にされた直後、遊技中フラグは「OFF」である。
【0136】
図15に示すように、メイン処理が開始されと、まず、遊技中フラグの状態によって、パチンコ機1が遊技中か否かが判断される(S100)。パチンコ機1の電源が投入された直後は、パチンコ機1はまだ遊技中ではない。遊技中フラグが「OFF」の場合、パチンコ機1は遊技中でないと判断され(S100:NO)、初期処理が実行されて(S101)、メイン処理が終了する。
【0137】
図16を参照して、初期処理(S101、
図15参照)の詳細について説明する。初期処理が開始されると、まず、電源スイッチ423の操作によるパチンコ機1の電源投入時におけるRAMクリアスイッチ412および設定キースイッチ411の操作状況が判断される。すなわち、RAMクリアスイッチ412からの検出信号に基づいて、RAMクリアスイッチ412が「ON」になっているか否かが判断される(S110)。RAMクリアスイッチ412が押下されずに「OFF」状態で電源スイッチ423が操作されてパチンコ機1の電源が投入された場合には(S110:NO)、設定キースイッチ411からの検出信号に基づいて、設定キースイッチ411が「ON」になっているか否かが判断される(S111)。
【0138】
また、RAMクリアスイッチ412が押下された「ON」状態で電源スイッチ423が操作されてパチンコ機1の電源が投入された場合にも(S110:YES)、設定キースイッチ411からの検出信号に基づいて、設定キースイッチ411が「ON」になっているか否かが判断される(S114)。
【0139】
RAMクリアスイッチ412および設定キースイッチ411がいずれも「OFF」状態で電源スイッチ423が操作されてパチンコ機1の電源が投入された場合には(S110:NO、S111:NO)、処理はそのままS124へ移行する。この場合には、パチンコ機1は、電源が「OFF」にされた時点の実設定値から変更がない状態で起動する。
【0140】
RAMクリアスイッチ412が「OFF」状態、且つ設定キースイッチ411が「ON」状態で電源スイッチ423が操作されてパチンコ機1の電源が投入された場合(S110:NO、S111:YES)、設定表示処理が行われる(S112)。設定表示処理では、実設定値が設定値表示部25に表示される。これにより、作業者は実設定値を確認できる。
【0141】
次いで、設定キースイッチ411からの検出信号に基づいて、設定キースイッチ411が「OFF」状態にされたか否かが判断される(S113)。設定キースイッチ411が「OFF」状態でない場合(S113:NO)、設定キースイッチ411が「OFF」状態にされるまでS113の判断が繰り返される。設定キースイッチ411が「OFF」状態にされた場合には(S113:YES)、実設定値の表示が終了して処理はS124へ移行する。この場合も、パチンコ機1は、電源が「OFF」にされた時点の実設定値から変更がない状態で起動する。
【0142】
RAMクリアスイッチ412が「ON」状態、且つ設定キースイッチ411が「OFF」状態で電源スイッチ423が操作されてパチンコ機1の電源が投入された場合(S110:YES、S114:NO)、RAM52の初期化(RAMクリア)が行われる(S115)。なお、RAMクリアが行われても実設定値は初期化されない。この場合も、パチンコ機1は、電源が「OFF」にされた時点の実設定値から変更がない状態で起動する。処理はS124へ移行する。
【0143】
RAMクリアスイッチ412および設定キースイッチ411がいずれも「ON」状態で電源スイッチ423が操作されてパチンコ機1の電源が投入された場合には(S110:YES、S114:YES)、まず、RAMクリアが行われる(S120)。この場合も、パチンコ機1は、この時点では、電源が「OFF」にされた時点の実設定値から変更がない状態で起動する。
【0144】
次いで、RAMクリアスイッチ412からの検出信号に基づいて、RAMクリアスイッチ412が押下されたか否かが判断される(S121)。RAMクリアスイッチ412が押下されていない場合(S121:NO)、処理はS123の判断へ移行する。
【0145】
RAMクリアスイッチ412が押下された場合には(S121:YES)、RAM52に記憶されている変更中の設定値(以下、「仮設定値」という。)が変更される(S122)。パチンコ機1では、RAMクリアスイッチ412が押下される毎に、仮設定値に「1」が加算される。なお、仮設定値が「設定6」の状態でRAMクリアスイッチ412が押下された場合には、変更後の仮設定値は「設定1」となる。
【0146】
次いで、設定キースイッチ411からの検出信号に基づいて、設定キースイッチ411が「OFF」状態にされたか否かが判断される(S123)。設定キースイッチ411が「ON」状態のままの場合には(S123:NO)、処理はS121の判断へ戻り、設定キースイッチ411が「OFF」状態にされるまで、設定変更に関する処理が繰り返される。設定キースイッチ411が「OFF」状態にされた場合には(S123:YES)、処理はS124へ移行する。これにより、設定変更可能状態が終了し、RAM52に記憶されている仮設定値が、遊技において使用される実設定値として確定する。
【0147】
次いで、実設定値をサブ制御基板58に通知するための設定通知コマンドがRAM52に記憶される(S124)。設定通知コマンドは、次回実行されるメイン処理において後述のコマンド出力処理(S140、
図15参照)によって、サブ制御基板58に送信される。次いで、遊技中フラグが「ON」になり(S125)、処理はメイン処理(
図15参照)に戻る。
【0148】
図15に示すように、初期処理(S101)が終了した場合には、遊技中フラグが「ON」となっており、パチンコ機1は遊技中となる(S100:YES)。この場合、まず、コマンド出力処理が行われる(S140)。コマンド出力処理では、各種の制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実行されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。RAM52には、メイン処理における個々の処理で生成された各種の制御コマンドが、生成順に記憶される。コマンド出力処理では、各種の制御コマンドがRAM52への記憶順に出力される。
【0149】
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S141)。詳しくは後述するが、スイッチ読込処理では、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79、一般入賞口スイッチ80の各種スイッチの検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる(
図17参照)。
【0150】
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S142)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が更新(例えば「1」加算)される。また、特別図柄と普通図柄の変動時間や停止時間を計数するカウンタ等、RAM52に記憶されている各種タイマカウンタの値が更新(例えば「1」減算)される。
【0151】
次いで、特別電動役物処理が行われる(S143)。詳しくは後述するが、特別電動役物処理では、大当たりとなった場合に大当たり遊技の動作を制御するための処理が行われ、小当たりとなった場合に小当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる(
図23~
図27参照)。大当たり遊技の動作は、主に第一大入賞口16の開閉部材161の開閉動作である。第一大入賞口16の開閉部材161は、一旦開放されると、最大開放時間が経過するか、所定個数の遊技球が入賞すると閉鎖される。小当たり遊技の動作は、主に第二大入賞口17Aの開閉部材171の開閉動作である。第二大入賞口17Aの開閉部材171は、一旦開放されると、最大開放時間が経過するか、所定個数の遊技球が入賞すると閉鎖される。また、特別電動役物処理では、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理が行われる。
【0152】
次いで、特別図柄処理が行われる(S144)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、遊技状態の移行処理等が行われる(
図19~
図21参照)。
【0153】
次いで、普通電動役物処理が行われる(S145)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。普通当たり遊技の動作は、主に第二始動口13の開閉部材131の開閉動作である。時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く開閉部材131が開放される。なお、後述の時短フラグが「ON」となっていれば、時短状態中であると判断される。
【0154】
次いで、普通図柄処理が行われる(S146)。普通図柄処理では、後述のゲート通過フラグが「ON」となったことを契機に普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するための制御コマンドの記憶等の処理が行われる。普通当たり判定では、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率で普通当たりか否かが判定される。各種処理が行われると、ゲート通過フラグは「OFF」となる。なお、後述の時短フラグが「ON」となっていれば、時短状態中であると判断される。
【0155】
次いで、払出処理(S147)、エラーチェック(S148)、情報出力処理(S149)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。この処理では、後述の第一始動口入賞フラグ、第二始動口入賞フラグ、第一大入賞口入賞フラグ、第二大入賞口入賞フラグ、一般入賞口入賞フラグが「ON」となっていれば、賞球の払い出し後に「OFF」とされる。後述のエラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28、スピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。情報出力処理が終わると、メイン処理が終了する。
【0156】
図17を参照して、スイッチ読込処理(S141、
図15参照)の詳細について説明する。まず、スイッチ読込処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、上述した各種フラグに加えて、第一始動口入賞フラグ、第二始動口入賞フラグ、ゲート通過フラグ、一般入賞口入賞フラグが記憶されている。
【0157】
第一始動口入賞フラグは、遊技球が第一始動口12に入賞したか否かを示すフラグであり、遊技球が第一始動口12に入賞した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、第一始動口12への遊技球の入賞に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二始動口入賞フラグは、遊技球が第二始動口13に入賞したか否かを示すフラグであり、遊技球が第二始動口13に入賞した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、第二始動口13への遊技球の入賞に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0158】
ゲート通過フラグは、遊技球がゲート10を通過したか否かを示すフラグであり、遊技球がゲート10を通過した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、ゲート10への遊技球の通過に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。一般入賞口入賞フラグは、遊技球が一般入賞口19に入賞したか否かを示すフラグであり、遊技球が一般入賞口19に入賞した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、一般入賞口19への遊技球の入賞に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0159】
図17に示すように、スイッチ読込処理が開始されると、まず、始動口スイッチ読込処理が行われる(S160)。始動口スイッチ読込処理では、遊技球が第一始動口12または第二始動口13に入賞したか否かが判断される。具体的には、第一始動口スイッチ61は、第一始動口12に入賞した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。第一始動口スイッチ61からの検出信号を検出した場合に、遊技球が第一始動口12に入賞したと判断されて、第一始動口入賞フラグが「ON」となる。第二始動口スイッチ62は、第二始動口13に入賞した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。第二始動口スイッチ62からの検出信号を検出した場合に、第二始動口13に入賞したと判断されて、第二始動口入賞フラグが「ON」となる。なお、いずれのスイッチからの検出信号も検出しない場合には、いずれのフラグも「OFF」のまま処理はS161へ移行する。
【0160】
次いで、ゲートスイッチ読込処理が行われる(S161)。ゲートスイッチ読込処理では、遊技球がゲート10を通過したか否かが判断される。具体的には、ゲートスイッチ75は、ゲート10を通過した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。ゲートスイッチ75からの検出信号を検出した場合に、遊技球がゲート10を通過したと判断されて、ゲート通過フラグが「ON」となる。なお、ゲートスイッチ75からの検出信号を検出しない場合には、ゲート通過フラグが「OFF」のまま処理はS162へ移行する。
【0161】
次いで、一般入賞口スイッチ読込処理が行われる(S162)。一般入賞口スイッチ読込処理では、遊技球が一般入賞口19に入賞したか否かが判断される。具体的には、一般入賞口スイッチ80は、一般入賞口19に入賞した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。一般入賞口スイッチ80からの検出信号を検出した場合に、遊技球が一般入賞口19に入賞したと判断されて、一般入賞口入賞フラグが「ON」となる。なお、一般入賞口スイッチ80からの検出信号を検出しない場合には、一般入賞口入賞フラグが「OFF」のまま処理はS163へ移行する。
【0162】
次いで、大入賞口関係スイッチ読込処理が行われて(S163)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0163】
図18を参照して、大入賞口関係スイッチ読込処理(S163、
図17参照)の詳細について説明する。まず、大入賞口関係スイッチ読込処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、上述した各種フラグに加えて、第一大入賞口入賞フラグ、第二大入賞口入賞フラグ、特定領域通過フラグ、非特定領域通過フラグが記憶されている。
【0164】
第一大入賞口入賞フラグは、遊技球が第一大入賞口16に入賞したか否かを示すフラグであり、遊技球が第一大入賞口16に入賞した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、第一大入賞口16への遊技球の入賞に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。第二大入賞口入賞フラグは、遊技球が第二大入賞口17Aに入賞したか否かを示すフラグであり、遊技球が第二大入賞口17Aに入賞した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、第二大入賞口17Aへの遊技球の入賞に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0165】
特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域172を通過したか否かを示すフラグであり、遊技球が特定領域172を通過した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、特定領域172への遊技球の通過に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。非特定領域通過フラグは、遊技球が非特定領域173を通過したか否かを示すフラグであり、遊技球が非特定領域173を通過した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、非特定領域173への遊技球の通過に伴う各種処理が終了した場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0166】
図18に示すように、大入賞口関係スイッチ読込処理が開始されると、まず、遊技球が第一大入賞口16に入賞したか否かが判断される(S170)。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に入賞した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。第一大入賞口スイッチ76からの検出信号を検出しない場合には、遊技球が第一大入賞口16に入賞していないと判断されて(S170:NO)、処理はS173の判断へ移行する。
【0167】
第一大入賞口スイッチ76からの検出信号を検出した場合には、遊技球が第一大入賞口16に入賞したと判断されて(S170:YES)、第一入賞球数カウンタの値に「1」が加算される(S171)。第一入賞球数カウンタは、RAM52に記憶され、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数する。次いで、第一大入賞口入賞フラグが「ON」となり(S172)、処理はS173の判断へ移行する。
【0168】
次いで、遊技球が第二大入賞口17Aに入賞したか否かが判断される(S173)。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。第二大入賞口スイッチ77からの検出信号を検出しない場合には、遊技球が第二大入賞口17Aに入賞していないと判断されて(S173:NO)、処理はS180の判断へ移行する。
【0169】
第二大入賞口スイッチ77からの検出信号を検出した場合には、遊技球が第二大入賞口17Aに入賞したと判断されて(S173:YES)、第二入賞球数カウンタの値に「1」が加算される(S174)。第二入賞球数カウンタは、RAM52に記憶され、第二大入賞口17Aへ入賞した遊技球の個数である第二入賞球数を計数する。次いで、第二大入賞口入賞フラグが「ON」となり(S175)、処理はS180の判断へ移行する。
【0170】
次いで、遊技球が特定領域172を通過したか否かが判断される(S180)。特定領域スイッチ78は、特定領域172を通過した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。特定領域スイッチ78からの検出信号を検出しない場合には、遊技球が特定領域172を通過していないと判断されて(S180:NO)、処理はS183の判断へ移行する。
【0171】
特定領域スイッチ78からの検出信号を検出した場合には、遊技球が特定領域172を通過したと判断されて(S180:YES)、特定領域通過数カウンタの値に「1」が加算される(S181)。特定領域通過数カウンタは、RAM52に記憶され、特定領域172を通過した遊技球の個数である特定領域通過数を計数する。次いで、特定領域通過フラグが「OFF」であれば「ON」となり(S182)、処理はS183の判断へ移行する。
【0172】
次いで、遊技球が非特定領域173を通過したか否かが判断される(S183)。非特定領域スイッチ79は、非特定領域173を通過した遊技球を検出すると、検出信号をCPU51に出力する。非特定領域スイッチ79からの検出信号を検出しない場合には、遊技球が非特定領域173を通過していないと判断されて(S183:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0173】
非特定領域スイッチ79からの検出信号を検出した場合には、遊技球が非特定領域173を通過したと判断されて(S183:YES)、非特定領域通過数カウンタの値に「1」が加算される(S184)。非特定領域通過数カウンタは、RAM52に記憶され、非特定領域173を通過した遊技球の個数である非特定領域通過数を計数する。次いで、非特定領域通過フラグが「OFF」であれば「ON」となり(S185)、処理はメイン処理へ戻る。
【0174】
図19~
図21を参照して、特別図柄処理(S144、
図15参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、上述した各種フラグに加えて、大当たり遊技状態フラグ、小当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、時短フラグが記憶されている。
【0175】
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技状態中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。なお、大当たり遊技状態フラグが「ON」であることは、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動している状態であることを示す。小当たり遊技状態フラグは、小当たり遊技中であるかを示すフラグであり、小当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、小当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。以下、小当たり遊技中である状態を、「小当たり遊技状態」ともいう。また、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態のいずれかが生起されている状態を、「当たり遊技状態」ともいう。
【0176】
特別図柄表示状態フラグには、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。時短フラグは、時短状態中であるかを示すフラグであり、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、非時短状態中に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0177】
図19に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口入賞フラグの状態によって、第一始動口12に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S200)。第一始動口入賞フラグが「ON」でない場合には、第一始動口12に遊技球が入賞していないと判断されて(S200:NO)、処理はS210の判断へ移行する。第一始動口入賞フラグが「ON」であり、第一始動口12に遊技球が入賞していれば(S200:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数である「4」であるか否かが判断される(S201)。
【0178】
RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であれば(S201:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS210の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S201:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S202)。次いで、第一乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図9参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S203)。具体的には、大当たり判定乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、特別図柄決定乱数欄には特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。その後、処理はS210の判断へ移行する。
【0179】
次いで、第二始動口入賞フラグの状態によって、第二始動口13に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S210)。第二始動口入賞フラグが「ON」でない場合には、第二始動口13に遊技球が入賞していないと判断されて(S210:NO)、処理はS220(
図20参照)の判断へ移行する。第二始動口入賞フラグが「ON」であり、第二始動口13に遊技球が入賞していれば(S210:YES)、大当たり関係情報記憶エリアの判定エリア(
図9参照)に大当たり乱数が記憶されているか否かが判断される(S211)。判定エリアに大当たり乱数が記憶されていれば(S211:YES)、処理はS220の判断へ移行する。判定エリアに大当たり乱数が記憶されていない場合(S211:NO)、第二乱数が取得され、第二大当たり関係情報記憶エリアのNo.1の記憶エリアに一時的に記憶される(S213)。その後、処理はS220の判断へ移行する。
【0180】
次いで、
図20に示すように、大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグの状態によって当たり遊技状態であるか否かが判断される(S220)。大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれかが「ON」である場合、当たり遊技状態中であると判断されて(S220:YES)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0181】
大当たり遊技状態フラグおよび小当たり遊技状態フラグのいずれも「OFF」である場合、当たり遊技状態中でないと判断されて(S220:NO)、特別図柄表示状態フラグの状態によって第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S221)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S221:NO)、特別図柄表示状態フラグの状態によって第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止状態中であるか否かが判断される(S222)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S222:NO)、処理はS230(
図21参照)の判断へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
【0182】
図21に示すように、第一実施形態では、大当たり判定において、第二大当たり判定の方が第一大当たり判定よりも優先して行われる。このため、まず、第二大当たり関係情報記憶エリアのNo.1の記憶エリア(
図9参照)に第二乱数が一時的に記憶されているか否かが判断される(S230)。第二大当たり関係情報記憶エリアのNo.1の記憶エリアに第二乱数が記憶されていない場合に(S230:NO)、第一保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S240)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S240:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0183】
また、第二大当たり関係情報記憶エリアのNo.1の記憶エリアに第二乱数が記憶されている場合には(S230:YES)、第二大当たり関係情報記憶エリアのNo.1の記憶エリアの第二乱数が、判定エリアにシフトされる(S231)。
【0184】
次いで、第二大当たり判定が行われる(S232)。S232では、RAM52が参照されて実設定値が特定される。そして、第二大当たり判定テーブル(
図10参照)が参照され、特定された実設定値(「設定1」~「設定6」のいずれか)に応じて、S231で判定エリアにシフトされた第二乱数のうち第二大当たり乱数が「大当たり」、「小当たり」、および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、実設定値に応じた大当たり確率で第二大当たり判定が行われる。実行された大当たり判定の判定種および第二大当たり判定の結果を示す判定結果情報は、RAM52に記憶される。
【0185】
次いで、第二大当たり判定の結果に応じて第二特別図柄が決定される(S233)。具体的には、第二大当たり判定の結果がはずれの場合、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定される。第二大当たり判定の結果が大当たりまたは小当たりの場合、特別図柄決定テーブル(
図11参照)の第二特別図柄に対応するテーブルのうち大当たりまたは小当たりに応じたテーブルが参照されて、S231で判定エリアにシフトされた第二乱数のうち第二特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。決定された第二特別図柄を示す特別図柄情報は、RAM52に記憶される。次いで、処理はS251へ移行する。
【0186】
また、第一保留球数が「1」以上である場合には(S240:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S241)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図9参照)のNo.1の記憶エリアの第一乱数が、判定エリアにシフトされる(S242)。そして、次の番号以下の記憶エリアの第一乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。
【0187】
次いで、第一大当たり判定が行われる(S243)。S243では、RAM52が参照されて実設定値が特定される。そして、第一大当たり判定テーブル(
図10参照)が参照され、特定された実設定値(「設定1」~「設定6」のいずれか)に応じて、S242で判定エリアにシフトされた第一乱数のうち第一大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、実設定値に応じた大当たり確率で第一大当たり判定が行われる。実行された大当たり判定の判定種および第一大当たり判定の結果を示す判定結果情報は、RAM52に記憶される。
【0188】
次いで、第一大当たり判定の結果に応じて第一特別図柄が決定される(S244)。具体的には、第一大当たり判定の結果がはずれの場合、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定される。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合、特別図柄決定テーブル(
図11参照)の第一特別図柄に対応するテーブルが参照されて、S242で判定エリアにシフトされた第一乱数のうち第一特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。決定された第一特別図柄を示す特別図柄情報は、RAM52に記憶される。次いで、処理はS251へ移行する。
【0189】
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S251)。変動パターン決定処理は、第一特別図柄および第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。変動パターン決定処理では、RAM52に記憶されている判定結果情報に基づいて、判定種別(第一大当たり判定または第二大当たり判定)および判定結果(第一大当たり判定では、大当たりまたははずれ、第二大当たり判定では、大当たり、小当たり、または小当たり)が特定され、時短フラグの状態によって大当たり判定時の遊技状態(非時短状態または時短状態)が特定される。次いで。ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブル(
図8参照)のうち、特定された判定種別、判定結果、および大当たり判定時の遊技状態に応じたテーブルが参照されて、S231またはS242で判定エリアにシフトされた第一乱数または第二乱数のうち変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが決定される。
【0190】
変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S252)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)において、中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。図柄表示部24は、中継基板47を介して変動パターン指定コマンドを受信すると、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動、または第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、変動パターン指定コマンドを受信すると、変動パターン指定コマンドによって指定されている変動パターンに応じた報知演出を実行する。
【0191】
次いで、決定された変動パターンに応じて定められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S253)。次いで、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S254)、処理はメイン処理へ戻る。
【0192】
また、
図20に示すように、S221の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S221:YES)、S253(
図21参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値によって、変動時間が経過したか否かが判断される(S260)。特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には変動時間がまだ経過していないと判断されて(S260:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0193】
特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S260:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S261)。特別図柄停止コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)によって中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。図柄表示部24は、中継基板47を介して特別図柄停止コマンドを受信すると、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動、または第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を停止し、大当たり判定の結果を示す態様で確定表示する。サブ制御基板58は、特別図柄停止コマンドを受信すると、大当たり判定の結果を示す態様で演出図柄を確定表示することで、報知演出を終了する。
【0194】
次いで、所定の特別図柄の停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S262)。次いで、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S263)、処理はメイン処理へ戻る。
【0195】
また、S222の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止状態中であると判断されて(S222:YES)、S262の処理においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かが判断される(S264)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、特別図柄の停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S264:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0196】
特別図柄停止時間カウンタの値が「0」であり、特別図柄の停止表示時間が経過した場合には(S264:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S265)。次いで、大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアに記憶されている第一乱数または第二乱数がクリアされる(S266)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S267)、処理はメイン処理へ戻る。
【0197】
図22を参照して、遊技状態移行処理(S267、
図20参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりと判定されている場合に、遊技が大当たり遊技状態へ移行される。また、大当たり判定によって小当たりと判定されている場合には、小当たり遊技状態へ移行される。さらに、時短状態に関するフラグ制御が行われる。
【0198】
遊技状態移行処理が開始されると、まず、RAM52に記憶されている判定結果情報に基づいて、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かが判断される(S270)。判定結果が大当たりでない場合(S270:NO)、大当たり判定の判定結果が小当たりであるか否かが判断される(S271)。大当たり判定の結果がはずれの場合には(S271:NO)、処理はS276の判断へ移行する。
【0199】
大当たり判定の結果が小当たりの場合には(S271:YES)、ラウンド数がRmaxとしてRカウンタに記憶される(S272)。Rカウンタは、RAM52に記憶されており、ラウンド数を計数するために使用される。S272では、特別図柄決定テーブル(
図11参照)の「R数」の欄を参照することで、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて、小当たり種別に対応するラウンド数が特定される。第一実施形態では、小当たり種別はすべて「14R」であるので、Rmaxとして「14」がRカウンタに記憶される。
【0200】
次いで、所定の小当たりオープニング時間(5秒、
図11参照)が小当たりオープニング時間カウンタに記憶される(S273)。オープニング時間カウンタは、小当たりオープニング時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。
【0201】
次いで、小当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される(S274)。小当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)において中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。第一ストッパソレノイド72は、中継基板47を介して小当たり遊技開始コマンドを受信すると、所定のショート側作動パターンでショート側ストッパ95を第一規制位置と第一案内位置とに移動させる(
図14参照)。第二ストッパソレノイド73は、中継基板47を介して小当たり遊技開始コマンドを受信すると、所定のロング側作動パターンでロング側ストッパ96を第二規制位置と第二案内位置とに移動させる(
図14参照)。また、サブ制御基板58は、小当たり遊技開始コマンドを受信すると、小当たり遊技中に行われる小当たり遊技演出の実行を開始する。
【0202】
次いで、小当たり遊技状態フラグが「ON」になって(S275)、小当たり遊技状態が生起される。次いで、時短フラグの状態によって、時短状態が生起されているか否かが判断される(S276)。時短フラグが「OFF」となっており、時短状態が生起されていなければ(S276:NO)、処理は特別図柄処理(S17参照)へ戻る。
【0203】
時短フラグが「ON」となっており、時短状態が生起されていれば(S276:YES)、判定回数計数カウンタの値が「1」減算される(S277)。判定回数計数カウンタは、RAM52に記憶されており、判定回数を計数するために使用される。次いで、判定回数計数カウンタの値によって、大当たり遊技終了後から連続して大当たりでないと判定された判定回数が時短回数に達したか否かが判断される(S278)。
【0204】
判定回数計数カウンタには、後述のS383(
図27参照)の処理において、時短状態が生起される場合に時短回数がセットされる。判定回数計数カウンタの値が「1」以上であれば、判定回数がまだ時短回数に到達してないと判断されて(S278:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。判定回数計数カウンタの値が「0」であれば、判定回数が時短回数に達したと判断されて(S278:YES)、時短フラグが「OFF」となる(S279)。これにより、時短状態が終了して、遊技状態は非時短状態へ移行し、処理は特別図柄処理へ戻る。
【0205】
また、判定結果が大当たりの場合には(S270:YES)、大当たり種別に対応するラウンド数がRmaxとしてRカウンタに記憶される(S280)。S280では、特別図柄決定テーブル(
図11参照)の「R数」の欄を参照することで、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて、大当たり種別に対応するラウンド数が特定される。第一実施形態では、大当たり種別はすべて「7R」であるので、Rmaxとして「7」がRカウンタに記憶される。
【0206】
次いで、所定の大当たりオープニング時間(5秒、
図11参照)が大当たりオープニング時間カウンタに記憶される(S281)。大当たりオープニング時間カウンタは、大当たりオープニング時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。
【0207】
次いで、大当たり遊技が開始されることをサブ制御基板58に通知するための大当たり遊技開始コマンドがRAM52に記憶される(S282)。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)においてサブ制御基板58に送信される。サブ制御基板58は、大当たり遊技開始コマンドを受信すると、大当たり遊技中に行われる大当たり遊技演出の実行を開始する。
【0208】
次いで、時短フラグが「ON」となっていれば「OFF」となり(S283)、大当たり遊技状態フラグが「ON」となって(S284)、非時短状態において大当たり遊技状態が生起される。その後、処理は特別図柄処理(
図20参照)へ戻る。
【0209】
図23~
図27を参照して、特別電動役物処理(S143、
図15参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、上述した各種フラグに加えて、開放中フラグ、振分中フラグが記憶されている。
【0210】
開放中フラグは、第一大入賞口16および第二大入賞口17Aが開放状態であるか否かを示す。開放中フラグには、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されている場合に「1」、第二大入賞口17Aの開閉部材171が開放されている場合に「2」、開閉部材161、171のいずれも開放されていない場合に「0」が記憶される。
【0211】
振分中フラグは、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が第二大入賞装置17内に存在しており、特定領域172および非特定領域173への振り分けがまだ完了していないことを示す。振分中フラグは、小当たり遊技の終了後に第二大入賞装置17内に遊技球が存在する場合に「1」が記憶されて「ON」となり、小当たり遊技の終了後に第二大入賞装置17内の遊技球がすべて遊技領域4外に排出されると「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0212】
図23に示すように、特別電動役物処理が開始されると、まず、小当たり遊技状態フラグの状態によって小当たり遊技状態であるか否かが判断される(S300)。小当たり遊技状態フラグが「ON」の場合、小当たり遊技状態であると判断されて(S300:YES)、小当たり遊技に伴う各種処理(S301~S346)が行われる。
【0213】
小当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合、小当たり遊技状態でないと判断されて(S300:NO)、
図26に示すように、大当たり遊技状態フラグの状態によって大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S350)。大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合、大当たり遊技状態であると判断されて(S350:YES)、大当たり遊技に伴う各種処理(S351~S384)が行われる。大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合、大当たり遊技状態でないと判断されて(S350:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0214】
まず、
図23に示すように、小当たり遊技状態の場合(S300:YES)に行われる各種処理について説明する。この場合、開放中フラグの状態によって第二大入賞口17Aの開閉部材171が開放されているか否かが判断される(S301)。開放中フラグに「2」が記憶されていない場合、第二大入賞口17Aの開閉部材171が開放されていないと判断される(S301:NO)。この場合、振分中フラグの状態によって、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の特定領域172および非特定領域173のいずれかへの振り分け中であるか否かが判断される(S302)。
【0215】
小当たり遊技における第二大入賞口17Aの開放がまだ行われてない場合には、振分中フラグは「OFF」になっており、振り分け中でない判断される(S302:NO)。この場合、S273(
図22参照)の処理においてセットされた小当たりオープニング時間カウンタの値によって小当たりオープニング時間が経過したか否かが判断される(S310)。小当たりオープニング時間カウンタの値が「0」となっていれなければ、小当たりオープニング時間がまだ経過していないと判断されて(S310:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0216】
その後、小当たりオープニング時間カウンタの値が「0」となり、小当たりオープニング時間が経過した場合(S310:YES)、第二入賞球数カウンタの値が「0」にクリアされ(S311)、特定領域通過数カウンタの値が「0」にクリアされ(S312)、非特定領域通過数カウンタの値が「0」にクリアされる(S313)。これにより、小当たり遊技開始からの第二入賞球数、特定領域通過数、非特定領域通過数が計数される。
【0217】
次いで、第二大入賞口17Aの開閉部材171を開放させるための第二開放コマンドがRAM52に記憶される(S311)。第二開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)において中継基板47に送信される。第二大入賞口ソレノイド71は、中継基板47を介して第二開放コマンドを受信すると、第二大入賞口17Aの開閉部材171を所定の開放パターンで開放させる。
【0218】
次いで、第二大入賞口17Aの開閉部材171の最大開放時間である第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S315)。第二開放時間カウンタは、第二開放時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、第二大入賞口17Aの開閉部材171が開放されていることを示す「2」が開放中フラグに記憶されて(S316)、処理はメイン処理へ戻る。
【0219】
また、S301の判断において、開放中フラグに「2」が記憶されている場合、第二大入賞口17Aの開閉部材171が開放されていると判断されて(S301:YES)、処理はS320(
図24参照)の判断へ移行する。
【0220】
次いで、
図24に示すように、第二入賞球数カウンタの値によって、小当たり遊技の開始からの第二大入賞口17Aへの入賞球数である第二入賞球数が第二最大入賞球数である「8」以上であるか否かが判断される(S320)。第二入賞球数カウンタの値が「8」未満の場合(S320:NO)、第二開放時間カウンタの値によって、第二開放時間が経過したか否かが判断される(S321)。第二開放時間カウンタの値が「0」でなく、第二開放時間が経過していなければ(S321:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0221】
その後、第二大入賞口17Aに8個以上の遊技球が入賞するか(S320:YES)、または第二開放時間が経過した場合(S321:YES)、開放している第二大入賞口17Aの開閉部材171を閉鎖させるための第二閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S322)。第二閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)において中継基板47に送信される。第二大入賞口ソレノイド71は、中継基板47を介して第二閉鎖コマンドを受信すると、第二大入賞口17Aの開閉部材171を閉鎖させる。
【0222】
次いで、第一大入賞口16の開閉部材161および第二大入賞口17Aの開閉部材171のいずれも開放されていないことを示す「0」が開放中フラグに記憶されて(S323)、処理はS330(
図25参照)の判断へ移行する。
【0223】
次いで、
図25に示すように、第二大入賞装置17内に遊技球が存在するか否かが判断される(S330)。この判断は、第二入賞球数カウンタの値、特定領域通過数カウンタの値、非特定領域通過数の値に基づいて、第二入賞球数から特定領域通過数と非特定領域通過数とを引いた値が「0」であるか否かによって行われる。
【0224】
第二入賞球数は、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aから第二大入賞装置17内に入賞した遊技球の数であり、特定領域通過数と非特定領域通過数との和は、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aから第二大入賞装置17内に入賞した遊技球が特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられた数、すなわち第二大入賞装置17から遊技領域4外に排出された遊技球の数である。したがって、第二入賞球数から特定領域通過数と非特定領域通過数とを引いた値が「0」でない場合には、第二大入賞装置17内にはその値の個数の遊技球が存在することとなる(S330:YES)。この場合、その値の個数の遊技球は、まだ特定領域172および非特定領域173へ振り分けられていないので、振分中フラグが「ON」となって(S331)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0225】
その後、
図23に示すように、S302において、振分中フラグが「ON」となっており、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の特定領域172および非特定領域173のいずれかへの振り分け中であると判断されると(S302:YES)、再度、第二大入賞装置17内に遊技球が存在するか否かが判断される(S330)。
【0226】
第二入賞球数から特定領域通過数と非特定領域通過数とを引いた値が「0」となった場合、第二大入賞装置17内には遊技球が存在しないこととなる(S330:NO)。すなわち、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がすべて特定領域172および非特定領域173のいずれかを通過して第二大入賞装置17から遊技領域4外へ排出されたこととなる。この場合、小当たり遊技終了コマンドがRAM52に記憶される(S332)。小当たり遊技終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)においてサブ制御基板58に送信される。サブ制御基板58は、小当たり遊技終了コマンドを受信すると、小当たり遊技演出の実行を終了する。
【0227】
次いで、小当たり遊技状態フラグが「OFF」となり(S333)、小当たり遊技状態が終了する。次いで、振分中フラグが「ON」であれば、「OFF」となる(S334)。
【0228】
次いで、非特定領域通過フラグの状態によって、小当たり遊技中に遊技球が非特定領域173を通過したか否かが判断される(S335)。非特定領域通過フラグが「OFF」であれば、小当たり遊技中に遊技球が非特定領域173を通過していないと判断されて(S335:NO)、処理はS340の判断へ移行する。
【0229】
非特定領域通過フラグが「ON」であれば、小当たり遊技中に遊技球が非特定領域173を通過したと判断されて(S335:YES)、小当たり遊技中に遊技球が非特定領域173を通過したことをサブ制御基板58に通知するための非特定領域通過コマンドがRAM52に記憶される(S336)。非特定領域通過コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)においてサブ制御基板58に送信される。次いで、非特定領域通過フラグが「OFF」となり(S337)、処理はS340の判断へ移行する。
【0230】
次いで、特定領域通過フラグの状態によって、小当たり遊技中に遊技球が特定領域172を通過したか否かが判断される(S340)。特定領域通過フラグが「OFF」であれば、小当たり遊技中に遊技球が特定領域172を通過していないと判断されて(S340:NO)、処理はメイン処理へ戻る。すなわち、この場合には小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技は実行されない。
【0231】
一方、特定領域通過フラグが「ON」であれば、小当たり遊技中に遊技球が特定領域172を通過したと判断されて(S340:YES)、小当たり遊技中に特定領域172を通過した遊技球の数である特定領域通過数をサブ制御基板58に通知するための特定領域通過コマンドがRAM52に記憶される(S341)。特定領域通過コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)においてサブ制御基板58に送信される。
【0232】
次いで、Rカウンタの値が「1」減算される(S342)。すなわち、役物連続作動装置の作動に伴い、小当たり遊技が1R目の大当たりラウンドとして取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。次いで、所定の待機時間が待機時間カウンタに記憶される(S343)。待機時間は、大当たり遊技において2R目以降の第一大入賞口16の開放が開始されるまでの各大当たりラウンド間の時間である。すなわち、待機時間は、第一大入賞口16の開閉部材161(小当たり遊技においては第二大入賞口17Aの開閉部材171)が閉鎖されてから次に開閉部材161が開放されるまでの時間である。待機時間カウンタは、待機時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。
【0233】
次いで、時短フラグが「ON」であれば「OFF」となり(S344)、大当たり遊技状態フラグが「ON」となって(S345)、非時短状態において大当たり遊技状態が生起される。すなわち、小当たり遊技において特定領域172を通過した遊技球があったことにより条件装置の作動により役物連続作動装置が作動する。次いで、特定領域通過フラグが「OFF」となって(S246)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。その後の特別電動役物処理において、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が制御される。
【0234】
次いで、
図26に示すように、大当たり遊技状態の場合(S350:YES)に行われる各種処理について説明する。この場合、開放中フラグの状態によって、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されているか否かが判断される(S351)。開放中フラグに「1」が記憶されていない場合、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されていないと判断される(S351:NO)。この場合、Rカウンタの値によって1R目であるか否かが判断される(S352)。大当たり判定によって大当たりと判定されて大当たり遊技が開始された場合、1R目ではRカウンタにはRmaxがセットされている。そして、Rカウンタの値は、大当たりラウンドの実行ごとに後述のS375(
図27参照)の処理によって「1」減算される。また、小当たり遊技を介して大当たり遊技が開始された場合、S342(
図25参照)の処理によってRカウンタの値はRmaxから「1」減算されている。
【0235】
Rカウンタの値がまだRmaxの場合、1R目と判断されて(S352:YES)、S281(
図22参照)の処理においてセットされた大当たりオープニング時間カウンタの値によって大当たりオープニング時間が経過したか否かが判断される(S360)。大当たりオープニング時間カウンタの値が「0」となっていれなければ、大当たりオープニング時間がまだ経過していないと判断されて(S360:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0236】
その後、大当たりオープニング時間カウンタの値が「0」となり、大当たりオープニング時間が経過した場合(S360:YES)、第一入賞球数カウンタの値が「0」にクリアされる(S361)。これにより、各大当たりラウンドの開始からの第一入賞球数が計数される。
【0237】
次いで、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させるための第一開放コマンドがRAM52に記憶される(S362)。第一開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)において中継基板47に送信される。第一大入賞口ソレノイド70は、中継基板47を介して第一開放コマンドを受信すると、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。
【0238】
次いで、第一大入賞口16の開閉部材161の最大開放時間である第一開放時間が、第一開放時間カウンタに記憶される(S363)。第一開放時間カウンタは、第一開放時間を計測するためのタイマカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されていることを示す「1」が開放中フラグに記憶されて(S364)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0239】
また、S351の判断において、開放中フラグに「1」が記憶されている場合、第一大入賞口16の開閉部材161が開放されていると判断されて(S351:YES)、処理はS370(
図27参照)の判断へ移行する。
【0240】
次いで、
図27に示すように、第一入賞球数カウンタの値によって、各大当たりラウンドの開始からの第一大入賞口16への入賞球数である第一入賞球数が第一最大入賞球数である「9」以上であるか否かが判断される(S370)。第一入賞球数カウンタの値が「9」未満の場合(S370:NO)、第一開放時間カウンタの値によって、第一開放時間が経過したか否かが判断される(S371)。第一開放時間カウンタの値が「0」でなく、第一開放時間が経過していなければ(S371:NO)、処理はメイン処理(
図15参照)へ戻る。
【0241】
その後、第一大入賞口16に9個以上の遊技球が入賞するか(S370:YES)、または第一開放時間が経過した場合(S371:YES)、開放している第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるための第一閉鎖コマンドがRAM52に記憶される(S372)。第一閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)において中継基板47に送信される。第一大入賞口ソレノイド70は、中継基板47を介して第一閉鎖コマンドを受信すると、第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。
【0242】
次いで、第一大入賞口16の開閉部材161および第二大入賞口17Aの開閉部材171のいずれも開放されていないことを示す「0」が開放中フラグに記憶される(S373)。次いで、Rカウンタの値が「1」減算される(S374)。次いで、Rカウンタの値によって、残りのR数が「0」であるか否かが判断される(S174)。Rカウンタの値が「0」でなければ(S374:NO)、大当たり遊技状態はまだ続くので、所定の待機時間が待機時間カウンタに記憶されて(S377)、処理はメイン処理へ戻る。
【0243】
その後、
図26に示すように、S352においてRカウンタの値がRmax以外の場合、1R目ではないと判断されて(S352:NO)、待機時間カウンタの値によって待機時間が経過したか否かが判断される(S354)。
【0244】
待機時間カウンタの値が「0」となっていれなければ、待機時間がまだ経過していないと判断されて(S364:NO)、処理はメイン処理へ戻る。その後、待機時間カウンタの値が「0」となり、待機時間が経過した場合(S364:YES)、大当たりオープニング時間が経過した場合と同様に、S361~S363の処理が行われて、処理はメイン処理へ戻る。
【0245】
その後、すべての大当たりラウンドが消化されてRカウンタの値が「0」になり、残りのR数が「0」であると判断されると(S376:YES)、大当たり遊技が終了することをサブ制御基板58に通知するための大当たり遊技終了コマンドがRAM52に記憶される(S380)。大当たり遊技終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S140、
図15参照)においてサブ制御基板58に送信される。サブ制御基板58は、大当たり遊技終了コマンドを受信すると、大当たり遊技演出の実行を終了する。
【0246】
次いで、大当たり遊技終了フラグが「OFF」となり(S381)、大当たり遊技状態が終了する。次いで、大当たり遊技の終了後に時短状態を生起するか否かが判断される(S382)。この判断は、特別図柄決定テーブル(
図11参照)が参照されて、RAM52に記憶されている特別図柄情報に基づいて行われる。
【0247】
特別図柄情報が当たり種別として大当たりBまたは小当たりBを示していれば、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されないと判断される(S382:NO)。この場合、時短フラグが「OFF」のまま、すなわち非時短状態のまま、処理はメイン処理へ戻る。
【0248】
特別図柄情報が当たり種別として大当たりAまたは小当たりAを示していれば、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されると判断される(S382:YES)。この場合、時短回数(100回)が判定回数計数カウンタにセットされる(S383)。次いで、時短フラグが「ON」となり(S384)、時短状態が生起されて、処理はメイン処理へ戻る。
【0249】
次いで、
図28、
図29を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48、電飾部材35等による演出を制御する処理が行われる。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているサブプログラムに従って、CPU581によって実行される。
【0250】
図28に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、まず、主制御基板41から設定通知コマンドを受信したか否かが判断される(S500)。設定通知コマンドを受信していない場合(S500:NO)、処理はS502の判断へ移行する。設定通知コマンドを受信した場合(S500:YES)、設定通知コマンドによって通知された実設定値がRAM582に記憶され(S501)、処理はS502の判断へ移行する。
【0251】
次いで、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S502)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S502:NO)、処理はS504の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S502:YES)、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて報知演出の実行が開始され(S503)、処理はS504の判断へ移行する。
【0252】
次いで、主制御基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S504)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S504:NO)、処理はS510の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S504:YES)、演出図柄が確定表示される(S505)。これにより、報知演出の実行が終了する。処理はS510の判断へ移行する。
【0253】
次いで、主制御基板41から小当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S510)。小当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S510:NO)、処理はS512の判断へ移行する。小当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S510:YES)、小当たり遊技演出の実行が開始され(S511)、処理はS512の判断へ移行する。
【0254】
次いで、主制御基板41からロング流路通過コマンドを受信したか否かが判断される(S512)。ロング流路通過コマンドを受信していない場合(S512:NO)、処理はS514の判断へ移行する。ロング流路通過コマンドを受信した場合(S512:YES)、設定示唆演出実行処理が行われて(S513)、処理はS51の判断へ移行する。
【0255】
設定示唆演出処理では、まず、設定示唆決定テーブル(
図30参照)が参照されて、実設定値を示唆する設定示唆演出の演出内容を示す示唆パターンが、S501でRAM582に記憶された実設定値に応じて決定される。
図30に示すように、設定示唆決定テーブルには、実設定値が高設定である期待度が示唆パターンA、B、Cの順に高くなるように、示唆パターンが定められている。高設定とは、複数の設定値のなかで遊技者にとって有利な設定値をいう。すなわち、設定示唆決定テーブルは、実設定値が設定1から設定6に高くなるにつれて、示唆パターンA、B、Cの順に決定されやすくなるように構成されている。なお、設定示唆演出は、実設定値が確定する演出であってもよい。また、設定示唆演出は、実設定値そのものを示唆しなくてもよく、例えば実設定値が偶数であること等を示唆してもよい。決定された示唆パターンに基づいて、設定示唆演出が行われる。設定示唆演出は、表示画面28による表示、スピーカ48からの音声出力、電飾部材35による発光動作、可動役物の動作等によって行われる。
【0256】
また、ロング流路通過コマンドは、小当たり遊技中に遊技球がロング流路93を通過した場合に主制御基板41から送信される。したがって、S513では、小当たり遊技演出の実行中に設定示唆演出が行われる。ロング流路93を遊技球が通過した場合、小当たり遊技ルートはロングルートとなる。すなわち、この場合には、小当たり遊技ルートがショートルートとなる場合よりも、小当たり遊技の時間、詳細には小当たり開放が終了してから小当たり遊技が終了するまでの時間が長くなる。パチンコ機1は、小当たり遊技の消化時間が長くても、設定示唆演出を実行することで、設定示唆演出を遊技者に楽しませることができる。よって、パチンコ機1は、小当たり遊技の消化時間を有効活用できる。
【0257】
次いで、主制御基板41から非特定領域通過コマンドを受信したか否かが判断される(S514)。非特定領域通過コマンドを受信していない場合(S514:NO)、処理はS516の判断へ移行する。非特定領域通過コマンドを受信した場合(S514:YES)、S513の処理と同様に設定示唆演出実行処理が行われて(S515)、処理はS516の判断へ移行する。
【0258】
上述したように、非特定領域通知コマンドは、小当たり遊技状態が終了する場合に主制御基板41から送信される。したがって、第一実施形態では、小当たり遊技演出の終了のタイミングで設定示唆演出が行われる。なお、S515の設定示唆演出処理では、S513の設定示唆演出処理で参照される設定示唆決定テーブル(
図30参照)と同じテーブルが参照されてもよいし、異なる設定示唆決定テーブルが参照されてもよい。つまり、S515で行われる設定示唆演出の演出内容は、S513で行われる設定示唆演出の演出内容と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0259】
また、遊技球が非特定領域173を通過しても、大当たり遊技の実行条件とはならない。しかし、パチンコ機1では、この場合に設定示唆演出が実行される。このため、遊技者は、遊技球が非特定領域173を通過したとしても、高設定が設定されていることを期待して設定示唆演出を楽しむことができる。よって、パチンコ機1は、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0260】
次いで、主制御基板41から小当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S516)。小当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S516:NO)、処理はS520(
図29参照)の判断へ移行する。小当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S516:YES)、小当たり遊技演出の実行が終了し(S517)、処理はS520の判断へ移行する。
【0261】
次いで、
図29に示すように、主制御基板41から特定領域通過コマンドを受信したか否かが判断される(S520)。特定領域通過コマンドを受信していない場合(S520:NO)、処理はS522の判断へ移行する。特定領域通過コマンドを受信した場合(S520:YES)、特定領域通過コマンドによって通知された特定領域通過数がRAM582に記憶されて(S521)、処理はS522の判断へ移行する。
【0262】
次いで、主制御基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S522)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S522:NO)、処理はS525の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S522:YES)、ROM583に記憶されている大当たり遊技演出パターン決定テーブル(
図31参照)が参照されて、大当たり遊技演出の内容を示す大当たり遊技演出パターンが、S521でRAM582に記憶された特定領域通過数に応じて決定される(S523)。
【0263】
図31に示すように、大当たり遊技演出決定テーブルには、特定領域通過数に応じて大当たり演出パターンが定められている。具体的には、特定領域通過数が1個には、演出パターンAが対応付けられており、特定領域通過数が2個~4個には、演出パターンBが対応付けられており、特定領域通過数が5個~8個には、演出パターンDが対応付けられており、特定領域通過数が9個以上には、演出パターンDが対応付けられている。
【0264】
次いで、決定された大当たり遊技演出パターンで大当たり遊技演出の実行が開始されて(S524)、処理はS525の判断へ移行する。大当たり遊技演出は、表示画面28による表示、スピーカ48からの音声出力、電飾部材35による発光動作、可動役物の動作等によって行われる。パチンコ機1は、小当たり遊技の実行中における特定領域通過数に応じて大当たり遊技演出を実行することで、遊技者を楽しませることができる。このため、振分部材9に流下した複数個の遊技球のうちいずれかが特定領域172を通過したとしても、遊技者は、振分部材9に流下した複数個の遊技球のうち他の遊技球がさらに特定領域172を通過するか否かに注目する。よって、パチンコ機1は、小当たり遊技中において遊技球に対して遊技者の注目を集めることができる。
【0265】
次いで、主制御基板41から大当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S525)。大当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S525:NO)、処理はS500(
図28参照)の判断へ戻る。大当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S525:YES)、大当たり遊技演出の実行が終了し(S526)、処理はS500の判断へ戻る。
【0266】
第一実施形態の構成による主な効果について説明する。
【0267】
(A1)
第一実施形態のパチンコ機1は、遊技者による操作に応じて遊技球発射装置37によって遊技球を発射する発射ハンドル7と、遊技球発射装置37によって発射された遊技球が流下する遊技領域4と、遊技領域4に設けられ、遊技球が通過することで第二大当たり判定の実行契機となる第二始動口13と、遊技領域4に設けられ、閉鎖状態と閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易な開放状態とに変位可能な第一大入賞口16および第二大入賞口17Aと、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が通過可能な特定領域172および非特定領域173と、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分ける振分部材9と、第二大入賞口17Aよりも下流側且つ振分部材9よりも上流側に設けられ、少なくとも1個の遊技球が停留可能な停留領域91と、停留領域91の下流側停留領域911に接続し、遊技球を停留領域91から振分部材9に向かって流下させる流路であって、遊技球が停留領域91から振分部材9まで流下して振分部材9によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられるまでの時間の平均である平均流下時間が第一時間であるショート流路92と、停留領域91のうち下流側停留領域911よりも上流側の上流側停留領域912に接続し、遊技球を停留領域91から振分部材9に向かって流下させる流路であって、平均流下時間が第一時間よりも長い第二時間であるロング流路93と、下流側停留領域911に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がショート流路92に流れないように規制して停留領域91で停留させる第一規制位置と、下流側停留領域911から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をショート流路92に案内する第一案内位置とに移動可能なショート側ストッパ95と、上流側停留領域912に配置可能な部材であって、ショート側ストッパ95によってショート流路92への流下が規制されて停留領域91に停留する遊技球の個数である停留個数が最大停留個数未満の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制可能であって、且つ停留個数が最大停留個数以上の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内可能なロング側ストッパ96と、
図21のS232の処理で第二始動口13を遊技球が通過したことを契機として、第二大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51と、
図22のS275、
図23のS314等小当たり遊技に関する処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合に、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させることで、小当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51と、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95を第一規制位置から第一案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第一ストッパソレノイド72と、
図25のS345、
図26のS362等大当たり遊技に関する処理で特定領域172を遊技球が通過し、且つ小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の個数である第二入賞球数から、小当たり遊技の実行中に特定領域172を通過した遊技球の個数である特定領域通過数および小当たり遊技の実行中に非特定領域173を通過した遊技球の個数である非特定領域通過数を引いた値が0になった場合に、第一大入賞口16を閉鎖状態から開放状態に変位させることで、大当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51とを備え、主制御基板41のCPU51は、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させる。
【0268】
上記構成によれば、ロング側ストッパ96が、停留個数が最大停留個数未満の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制可能であって、且つ停留個数が最大停留個数以上の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内可能なので、パチンコ機1は、停留個数に応じて、ロング流路93を流下する遊技球の有無を異ならせることができる。平均流下時間がショート流路92よりもロング流路93の方が長いので、ロング流路93を流下する遊技球がある場合、ロング流路93を流下する遊技球がない場合よりも、小当たり遊技が実行されてから大当たり遊技が実行されるまでの時間、すなわち小当たり遊技の消化時間が長くなる。また、第二大入賞口17Aが閉鎖状態から開放状態に変位したとき、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置されている。このため、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、停留領域91に停留する。よって、遊技者は、発射ハンドル7を操作することで、停留個数を最大停留個数未満にすると、小当たり遊技の消化時間が短くなるように遊技できる。一方、遊技者は、発射ハンドル7を操作することで、停留個数を最大停留個数以上にすると、小当たり遊技の消化時間が長くなるが、振分部材9によって特定領域172および非特定領域173に振り分けられる遊技球の個数が増加する分、特定領域172を遊技球が通過する確率が高くなり、大当たり遊技が実行される確率が高くなる。よって、パチンコ機1は、遊技者が発射ハンドル7を操作することで大当たり遊技が実行される確率および小当たり遊技の消化時間を変化させることができるという新規な遊技性を実現できる。このように、パチンコ機1は、ショート側ストッパ95およびロング側ストッパ96を有効活用して、新規な遊技性を実現できる。
【0269】
(A2)
第一実施形態のパチンコ機1において、ロング側ストッパ96は、上流側停留領域912に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制する第二規制位置と、上流側停留領域912から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内する第二案内位置とに移動可能であり、パチンコ機1は、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で、ロング側ストッパ96を第二規制位置から第二案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第二ストッパソレノイド73を備え、主制御基板41のCPU51は、小当たり遊技において、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置に制御されている状態で、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させる。
【0270】
上記構成によれば、小当たり遊技において第二大入賞口17Aが閉鎖状態から開放状態に変位したとき、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置され、ロング側ストッパ96が第二規制位置に配置されている。このため、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、確実に停留領域91に停留する。遊技者は、発射ハンドル7を操作することで、小当たり遊技において停留個数を最大停留個数以上貯めるか否かを選択できる。パチンコ機1は、停留個数が最大停留個数以上になっていれば、遊技球を確実にロング流路93を流下させることができる。よって、パチンコ機1は、停留個数が最大停留個数以上になったか否かに応じて、小当たり遊技の消化時間を長くするか、短くするかを確実に制御できる。
【0271】
(A3)
第一実施形態のパチンコ機1は、
図16のS122の処理で第二大当たり判定における大当たり確率が複数段階(設定1~設定6)ある中で、設定キースイッチ411、RAMクリアスイッチ412の操作に応じて複数段階の大当たり確率のいずれかを設定する主制御基板41のCPU51を備え、主制御基板41のCPU51は、第二始動口13を遊技球が通過したことを契機として、主制御基板41のCPU51によって設定された大当たり確率で、第二大当たり判定を実行し、さらに、パチンコ機1は、
図28のS513の処理でロング流路93を遊技球が流下した場合に、主制御基板41のCPU51によって設定された大当たり確率(実設定値)を示唆する設定示唆演出を実行するサブ制御基板58のCPU581を備える。
【0272】
上記構成によれば、遊技者は、発射ハンドル7を操作することで、停留個数を最大停留個数未満にすると、小当たり遊技の消化時間が短くなるように遊技できる。一方、遊技者は、発射ハンドル7を操作することで、停留個数を最大停留個数以上にすると、小当たり遊技の消化時間が長くなるが、設定示唆演出が実行される。このため、遊技者は、小当たり遊技の消化時間が長くても、設定示唆演出を楽しむことができる。よって、パチンコ機1は、小当たり遊技の消化時間を有効活用できる。
【0273】
次に、第二実施形態の遊技機であるパチンコ機1について、主に第一実施形態と異なる点を説明する。第二実施形態のパチンコ機1の機械的構成、電気的構成、メイン処理、サブ制御基板処理は、第一実施形態のパチンコ機1と同じである。第一実施形態の主制御基板41のROM53には、
図11に示す特別図柄決定テーブルが記憶されるが、第二実施形態の主制御基板41のROM53には、
図32に示す特別図柄決定テーブルが記憶される。
【0274】
図32を参照して、第二実施形態の特別図柄決定テーブルについて、第一実施形態の特別図柄決定テーブル(
図11参照)と異なる点を主に説明する。第二実施形態の特別図柄決定テーブルでは、小当たり種別として小当たりC~Fが定義されている。小当たりC、Dでは、その後に大当たり遊技が実行された場合、R数は14Rであり、大当たり遊技の終了後に時短回数100回の時短状態が生起される。小当たりE、Fでは、その後に大当たり遊技が実行された場合、R数は14Rであり、大当たり遊技の終了後に通常状態が生起される。
【0275】
また、小当たりC、Dでは、第二大入賞口17Aの開放パターンが異なる。具体的には、小当たりCの小当たりオープニング時間が5秒に設定されているのに対し、小当たりDの小当たりオープニング時間が8秒に設定されている。小当たりE、Fについても同様に、小当たりEの小当たりオープニング時間が5秒に設定されているのに対し、小当たりFの小当たりオープニング時間が8秒に設定されている。なお、小当たり種別は例えば小当たりC、Fの二種類、小当たりD、Eの二種類、小当たりC、D、Eの三種類等でもよいし、五種類以上あってもよい。さらに、小当たりオープニング時間も5秒、8秒に限定されない。
【0276】
以下では、小当たりC、Eに対応する第二大入賞口17Aの開放パターンを、「第一小当たりパターン」といい、小当たりD、Fに対応する第二大入賞口17Aの開放パターンを、「第二小当たりパターン」という。
【0277】
図33を参照して、第二実施形態の小当たり遊技における第一小当たりパターンおよび第二小当たりパターンのそれぞれについてショート側作動パターンとロング側作動パターンとの関係について説明する。なお、第二実施形態では、ショート側作動パターンおよびロング側作動パターンも第一実施形態とは異なる。
【0278】
まず、ショート側作動パターンとロング側作動パターンについて説明する。小当たり遊技が開始されると、タイミングT13において、ショート側ストッパ95が第一規制位置(
図3参照)に配置された状態でロング側ストッパ96が第二規制位置(
図3参照)から第二案内位置(
図4、
図5参照)に移動する。
【0279】
その後、タイミングT14において、ロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)に配置された状態でショート側ストッパ95が第一規制位置(
図4、
図5参照)から第一案内位置(
図6参照)に移動する。
【0280】
その後、タイミングT15において、ショート側ストッパ95が第一案内位置(
図6参照)に配置された状態でロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)から第二規制位置(
図6参照)に移動する。
【0281】
その後、タイミングT18において、ショート側ストッパ95が第一案内位置(
図6参照)に配置された状態でロング側ストッパ96が第二規制位置(
図6参照)から第二案内位置(
図4、
図5参照)に移動する。
【0282】
その後、タイミングT19において、ロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)に配置された状態でショート側ストッパ95が第一案内位置(
図6参照)から第一規制位置(
図3参照)に移動する。
【0283】
その後、タイミングT20において、ショート側ストッパ95が第一規制位置(
図3参照)に配置された状態でロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)から第二規制位置(
図3参照)に移動する。
【0284】
第一小当たりパターンについて説明する。小当たり遊技が開始されると、タイミングT0から第一小当たりパターンに対応する小当たりオープニング時間(第二実施形態では、5秒)の経過後のタイミングT11から第二大入賞口17Aが開放されて小当たり開放が行われ、タイミングT11から第二開放時間の経過時であるタイミングT12までには第二大入賞口17Aが閉鎖されて小当たり開放が終了する。すなわち、第一小当たりパターンでの小当たり開放は、ショート側ストッパ95が第一規制位置(
図3参照)に配置され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置(
図3参照)に配置された状態(タイミングT13が到来するまでの間)で行われる。なお、小当たり開放中において第二開放時間が経過するよりも前に第二最大入賞球数の遊技球が第二大入賞口17Aに入賞した場合には、タイミングT12が到来するよりも前に第二大入賞口17Aが閉鎖されて小当たり開放が終了する。
【0285】
第二小当たりパターンについて説明する。小当たり遊技が開始されると、タイミングT0から第二小当たりパターンに対応する小当たりオープニング時間(第二実施形態では、8秒)の経過後のタイミングT16から第二大入賞口17Aが開放されて小当たり開放が行われ、タイミングT16から第二開放時間の経過時であるタイミングT17までには第二大入賞口17Aが閉鎖されて小当たり開放が終了する。すなわち、第二小当たりパターンでの小当たり開放は、ショート側ストッパ95が第一案内位置(
図6参照)に配置され、且つロング側ストッパ96が第二案内位置(
図4、
図5参照)に配置された状態(タイミングT15が到来してからタイミングT18が到来するまでの間)で行われる。なお、小当たり開放中において第二開放時間が経過するよりも前に第二最大入賞球数の遊技球が第二大入賞口17Aに入賞した場合には、タイミングT17が到来するよりも前に第二大入賞口17Aが閉鎖されて小当たり開放が終了する。
【0286】
次に、
図3~
図6、
図13、
図33を参照して、第二実施形態における小当たり遊技ルートについて説明する。まず、第一小当たりパターンにおける小当たり遊技ルートについて説明する。
図3に示すように、第一小当たりパターンにおける小当たり開放中(
図33のタイミングT11~タイミングT12参照)には、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置に配置されている。したがって、ショート側ストッパ95およびロング側ストッパ96がそれぞれストッパとして機能するので、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、上流側停留領域912からロング流路93に流下できず、且つ下流側停留領域911からショート流路92に流下できない。したがって、通過流路90から停留領域91に流れた遊技球は、停留領域91で停留する。
【0287】
その後、
図4に示すように、小当たり開放が終了して(
図33のタイミングT12参照)、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置されている状態でロング側ストッパ96が第二案内位置に配置される(
図33のタイミングT13~タイミングT14参照)。したがって、ショート側ストッパ95はストッパとして機能するが、ロング側ストッパ96はストッパとして機能しなくなる。
【0288】
この場合、
図4に示すように、停留個数が最大停留個数よりも多く、すなわち上流側停留領域912に遊技球が停留していれば、上流側停留領域912に停留している遊技球がロング流路93に流れる。
【0289】
一方、
図5に示すように、停留個数が最大停留個数以下であり、すなわち上流側停留領域912に遊技球が停留していなければ、ロング側ストッパ96が第二案内位置に配置されたとしても、遊技球がロング流路93に流れることはない。
【0290】
その後、
図6に示すように、ショート側ストッパ95が第一案内位置に配置される(
図33のタイミングT14参照)。したがって、ショート側ストッパ95はストッパとして機能しなくなる。この場合、1個以上の遊技球が下流側停留領域911に停留していれば、下流側停留領域911に停留している遊技球がショート流路92に流れる。なお、ロング流路93に遊技球が流れる場合には、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留していることとなるので、ショート流路92には最大停留個数の遊技球が流れることとなる。このように、第一小当たりパターンでは、小当たり遊技ルートはショートルートまたはロングルートとなる。例えば最大停留個数が1個になるように停留領域91が構成されれば、第一小当たりパターンは、小当たり遊技ルートが実質的に100%の割合でロングルートとなるように構成できる。
【0291】
次に、第二小当たりパターンにおける小当たり遊技ルートについて説明する。
図6に示すように、第二小当たりパターンにおける小当たり開放中(
図33のタイミングT16~タイミングT17参照)には、ショート側ストッパ95が第一案内位置に配置され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置に配置されている。したがって、ロング側ストッパ96がストッパとして機能する一方でショート側ストッパ95がストッパとして機能しない。このため、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は、停留領域91で停留することなく、ショート流路92に向かって流下する。したがって、第二小当たりパターンでは、小当たり遊技ルートはショートルートとなる。
【0292】
第二実施形態の構成による主な効果について説明する。
【0293】
(B1)
第二実施形態のパチンコ機1は、遊技球が流下する遊技領域4と、遊技領域4に設けられ、遊技球が通過することで第二大当たり判定の実行契機となる第二始動口13と、遊技領域4に設けられ、閉鎖状態と閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易な開放状態とに変位可能な第一大入賞口16および第二大入賞口17Aと、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が通過可能な特定領域172および非特定領域173と、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分ける振分部材9と、第二大入賞口17Aよりも下流側且つ振分部材9よりも上流側に設けられ、遊技球が停留可能な停留領域91と、停留領域91の下流側停留領域911に接続し、遊技球を停留領域91から振分部材9に向かって流下させる流路であって、遊技球が停留領域91から振分部材9まで流下して振分部材9によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられるまでの時間の平均である平均流下時間が第一時間であるショート流路92と、停留領域91のうち下流側停留領域911よりも上流側の上流側停留領域912に接続し、遊技球を停留領域91から振分部材9に向かって流下させる流路であって、平均流下時間が第一時間よりも長い第二時間であるロング流路93と、下流側停留領域911に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がショート流路92に流れないように規制して停留領域91で停留させる第一規制位置と、下流側停留領域911から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をショート流路92に案内する第一案内位置とに移動可能なショート側ストッパ95と、上流側停留領域912に配置可能な部材であって、ショート側ストッパ95によってショート流路92への流下が規制されて停留領域91に停留する遊技球の個数である停留個数が最大停留個数未満の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制可能であって、且つ停留個数が最大停留個数以上の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内可能なロング側ストッパ96と、
図21のS232の処理で第二始動口13を遊技球が通過したことを契機として、第二大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51と、
図22のS275、
図23のS314等小当たり遊技に関する処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合に、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させることで、小当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51と、
図21のS233の処理で主制御基板41のCPU51によって実行される小当たり遊技において、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させるタイミングを示す複数の小当たりパターンのいずれかを決定する主制御基板41のCPU51と、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95を第一規制位置から第一案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第一ストッパソレノイド72と、
図25のS345、
図26のS362等大当たり遊技に関する処理で特定領域172を遊技球が通過し、且つ小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の個数である第二入賞球数から、小当たり遊技の実行中に特定領域172を通過した遊技球の個数である特定領域通過数および小当たり遊技の実行中に非特定領域173を通過した遊技球の個数である非特定領域通過数を引いた値が0になった場合に、第一大入賞口16を閉鎖状態から開放状態に変位させることで、大当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51とを備え、複数の小当たりパターンには、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で第二大入賞口17Aが閉鎖状態から開放状態に変位する第一小当たりパターンと、第一小当たりパターンよりも停留領域91に遊技球が停留しにくいように、第二大入賞口17Aが閉鎖状態から開放状態に変位する第二小当たりパターンとがある。
【0294】
上記構成によれば、ロング側ストッパ96が、停留個数が最大停留個数未満の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制可能であって、且つ停留個数が最大停留個数以上の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内可能なので、パチンコ機1は、停留個数に応じて、ロング流路93を流下する遊技球の有無を異ならせることができる。平均流下時間がショート流路92よりもロング流路93の方が長いので、ロング流路93を流下する遊技球がある場合、ロング流路93を流下する遊技球がない場合よりも、小当たり遊技が実行されてから大当たり遊技が実行されるまでの時間、すなわち小当たり遊技の消化時間が長くなる。第二小当たりパターンが決定された場合、停留個数が最大停留個数に達しにくいので、小当たり遊技の消化時間が短くなるように遊技されやすい。一方、第一小当たりパターンが決定された場合、第二大入賞口17Aが閉鎖状態から開放状態に変位したとき、ショート側ストッパ95が第一規制位置に配置されている。このため、第二小当たりパターンよりも停留個数が最大停留個数に達しやすいので、小当たり遊技の消化時間が長くなりやすいが、振分部材9によって特定領域172および非特定領域173に振り分けられる遊技球の個数が増加する分、特定領域172を遊技球が通過する確率が高くなり、大当たり遊技が実行される確率が高くなる。よって、パチンコ機1は、小当たりパターンに応じて大当たり遊技が実行される確率および小当たり遊技の消化時間を変化させることができるという新規な遊技性を実現できる。このように、パチンコ機1は、ショート側ストッパ95およびロング側ストッパ96を有効活用して、新規な遊技性を実現できる。
【0295】
(B2)
第二実施形態のパチンコ機1において、ロング側ストッパ96は、上流側停留領域912に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制する第二規制位置と、上流側停留領域912から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内する第二案内位置とに移動可能であり、パチンコ機1は、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で、ロング側ストッパ96を第二規制位置から第二案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第二ストッパソレノイド73を備え、主制御基板41のCPU51は、第二小当たりパターンに基づいて小当たり遊技を実行する場合、ショート側ストッパ95が第一案内位置に制御され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置に制御されている状態で、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させる。
【0296】
上記構成によれば、パチンコ機1は、第二小当たりパターンでは、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が停留領域91に停留することを抑制できる。このため、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球はロング流路93を流下することなく、ショート流路92を流下する。よって、パチンコ機1は、第二小当たりパターンが決定された場合、小当たり遊技の消化時間を確実に短くできる。
【0297】
(B3)
第二実施形態のパチンコ機1は、
図16のS122の処理で第二大当たり判定における大当たり確率が複数段階(設定1~設定6)ある中で、設定キースイッチ411、RAMクリアスイッチ412の操作に応じて複数段階の大当たり確率のいずれかを設定する主制御基板41のCPU51を備え、主制御基板41のCPU51は、第二始動口13を遊技球が通過したことを契機として、主制御基板41のCPU51によって設定された大当たり確率で、第二大当たり判定を実行し、さらに、パチンコ機1は、
図28のS513の処理でロング流路93を遊技球が流下した場合に、主制御基板41のCPU51によって設定された大当たり確率(実設定値)を示唆する設定示唆演出を実行するサブ制御基板58のCPU581を備える。
【0298】
上記構成によれば、第二小当たりパターンでは、停留個数が最大停留個数未満であれば、小当たり遊技の消化時間が短くなるように遊技できる。一方、第一小当たりパターンでは、停留個数が最大停留個数以上となると、小当たり遊技の消化時間が長くなるが、設定示唆演出が実行される。このため、遊技者は、小当たり遊技の消化時間が長くても、設定示唆演出を楽しむことができる。よって、パチンコ機1は、小当たり遊技の消化時間を有効活用できる。
【0299】
上記実施形態(第一実施形態、第二実施形態)の構成による主な効果について説明する。
【0300】
(C1)
上記実施形態のパチンコ機1は、遊技球が流下する遊技領域4と、遊技領域4に設けられ、遊技球が通過することで第二大当たり判定の実行契機となる第二始動口13と、遊技領域4に設けられ、閉鎖状態と閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易な開放状態とに変位可能な第一大入賞口16および第二大入賞口17Aと、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が通過可能な特定領域172および非特定領域173と、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分ける振分部材9と、第二大入賞口17Aよりも下流側且つ振分部材9よりも上流側に設けられ、複数個の遊技球が停留可能な停留領域91と、停留領域91に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が振分部材9に流れないように規制して停留領域91で停留させる第一規制位置と、停留領域91から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を振分部材9に案内する第一案内位置とに移動可能なショート側ストッパ95と、
図21のS232の処理で第二始動口13を遊技球が通過したことを契機として、第二大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51と、
図22のS275、
図23のS314等小当たり遊技に関する処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合に、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させることで、小当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51と、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95を第一規制位置から第一案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第一ストッパソレノイド72と、
図25のS345、
図26のS362等大当たり遊技に関する処理で特定領域172を遊技球が通過し、且つ小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の個数である第二入賞球数から、小当たり遊技の実行中に特定領域172を通過した遊技球の個数である特定領域通過数および小当たり遊技の実行中に非特定領域173を通過した遊技球の個数である非特定領域通過数を引いた値が0になった場合に、第一大入賞口16を閉鎖状態から開放状態に変位させることで、大当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51と、
図29のS524の処理で小当たり遊技の実行中における特定領域通過数に応じて大当たり遊技演出を実行するサブ制御基板58のCPU581とを備え、主制御基板41のCPU51は、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させる。
【0301】
上記構成によれば、小当たり遊技の実行中において、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で遊技球が第二大入賞口17Aに入賞することで、遊技者は停留領域91に複数個の遊技球を停留させることができる。その後、ショート側ストッパ95が第一案内位置に制御されると、複数個の遊技球が振分部材9に流下する。振分部材9に流下した複数個の遊技球は、特定領域172を通過し得る。パチンコ機1は、小当たり遊技の実行中における特定領域通過数に応じて大当たり遊技演出を実行することで、遊技者を楽しませることができる。このため、振分部材9に流下した複数個の遊技球のうちいずれかが特定領域172を通過したとしても、遊技者は、振分部材9に流下した複数個の遊技球のうち他の遊技球がさらに特定領域172を通過するか否かに注目する。よって、パチンコ機1は、小当たり遊技中において遊技球に対して遊技者の注目を集めることができる。
【0302】
(C2、D3)
上記実施形態のパチンコ機1は、停留領域91の下流側停留領域911に接続し、遊技球を停留領域91から振分部材9に向かって流下させる流路であって、遊技球が停留領域91から振分部材9まで流下して振分部材9によって特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられるまでの時間の平均である平均流下時間が第一時間であるショート流路92と、停留領域91のうち下流側停留領域911よりも上流側の上流側停留領域912に接続し、遊技球を停留領域91から振分部材9に向かって流下させる流路であって、平均流下時間が第一時間よりも長い第二時間であるロング流路93とを備え、ショート側ストッパ95は、第一規制位置において下流側停留領域911に配置され、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がショート流路92に流れないように規制して停留領域91で停留させ、第一案内位置において下流側停留領域911から退避し、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をショート流路92に案内し、さらに、パチンコ機1は、上流側停留領域912に配置可能な部材であって、ショート側ストッパ95によってショート流路92への流下が規制されて停留領域91に停留する遊技球の個数である停留個数が最大停留個数未満の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制可能であって、且つ停留個数が最大停留個数以上の状態で第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内可能なロング側ストッパ96を備える。
【0303】
上記構成によれば、パチンコ機1は上述したように新規な遊技性を実現できる。
【0304】
(C3、D4)
上記実施形態のパチンコ機1において、ロング側ストッパ96は、上流側停留領域912に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球がロング流路93に流れないように規制する第二規制位置と、上流側停留領域912から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内する第二案内位置とに移動可能であり、パチンコ機1は、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で、ロング側ストッパ96を第二規制位置から第二案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第二ストッパソレノイド73を備え、主制御基板41のCPU51は、小当たり遊技において、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御され、且つロング側ストッパ96が第二規制位置に制御されている状態で、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させる。
【0305】
上記構成によれば、パチンコ機1は、ロング側ストッパ96を第二規制位置と第二案内位置とに移動させることで、遊技球をロング流路93に流下させるか否かを確実に制御できる。
【0306】
(D1)
上記実施形態のパチンコ機1は、遊技球が通過することで第二大当たり判定の実行契機となる第二始動口13と、閉鎖状態と閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易な開放状態とに変位可能な第一大入賞口16および第二大入賞口17Aと、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が通過可能な特定領域172および非特定領域173と、第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分ける振分部材9と、
図16のS122の処理で第二大当たり判定における大当たり確率が複数段階ある中で、設定キースイッチ411、RAMクリアスイッチ412の操作に応じて複数段階の大当たり確率のいずれかを設定する主制御基板41のCPU51と、
図21のS232の処理で第二始動口13を遊技球が通過したことを契機として、主制御基板41のCPU51によって設定された大当たり確率で、第二大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51と、
図22のS275、
図23のS314等小当たり遊技に関する処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合に、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させることで、小当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51と、
図25のS345、
図26のS362等大当たり遊技に関する処理で特定領域172を遊技球が通過した場合に、第一大入賞口16を閉鎖状態から開放状態に変位させることで、大当たり遊技を実行する主制御基板41のCPU51と、
図28のS515の処理で非特定領域173を遊技球が通過した場合に、主制御基板41のCPU51によって設定された大当たり確率を示唆する設定示唆演出を実行するサブ制御基板58のCPU581とを備える。
【0307】
上記構成によれば、小当たり遊技中に第二大入賞口17Aに遊技球が入賞すると、通過した遊技球は、振分部材9によって、特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられる。遊技球が特定領域172を通過した場合には、大当たり遊技が実行される。一方、遊技球が非特定領域173を通過しても、大当たり遊技の実行条件とはならない。しかし、この場合には設定示唆演出が実行される。このため、遊技者は、遊技球が非特定領域173を通過したとしても、高い大当たり確率が設定されていることを期待して設定示唆演出を楽しむことができる。よって、パチンコ機1は、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0308】
(D2)
上記実施形態のパチンコ機1は、第二大入賞口17Aよりも下流側且つ振分部材9よりも上流側に設けられ、複数個の遊技球が停留可能な停留領域91と、停留領域91に配置された位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球が振分部材9に流れないように規制して停留領域91で停留させる第一規制位置と、停留領域91から退避した位置であって第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を振分部材9に案内する第一案内位置とに移動可能なショート側ストッパ95と、
図22のS274の処理で第二大当たり判定において小当たりと判定された場合、ショート側ストッパ95を、第一規制位置から第一案内位置に移動させる主制御基板41のCPU51、第一ストッパソレノイド72とを備え、主制御基板41のCPU51は、特定領域172を遊技球が通過し、且つ小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球の個数である第二入賞球数から、小当たり遊技の実行中に特定領域172を通過した遊技球の個数である特定領域通過数および小当たり遊技の実行中に非特定領域173を通過した遊技球の個数である非特定領域通過数を引いた値が0になった場合に、大当たり遊技を実行し、主制御基板41のCPU51は、ショート側ストッパ95が第一規制位置に制御されている状態で、第二大入賞口17Aを閉鎖状態から開放状態に変位させる。
【0309】
上記構成によれば、停留領域91に停留した遊技球のすべてが特定領域172を通過する第一パターンと、停留領域91に停留した遊技球のすべてが非特定領域173を通過する第二パターンと、停留領域91に停留した遊技球の一部が特定領域172を通過し、一部が非特定領域173を通過する第三パターンとがある。第一パターンの場合には、設定示唆演出は実行されずに大当たり遊技が実行される。第二パターンの場合には、大当たり遊技は実行されずに設定示唆演出が実行される。第三パターンの場合には、設定示唆演出および大当たり遊技の両方が実行される。このため、パチンコ機1は、第三パターンとなった場合に設定示唆演出および大当たり遊技の両方を遊技者に楽しませることができる。
【0310】
また、上記実施形態は種々の変更が可能である。なお、上記実施形態(第一実施形態、第二実施形態)、以下の変形例は、それぞれ矛盾が生じない限り各種組み合わせ可能である。例えば、第一実施形態において、第二実施形態のショート側作動パターンとロング側作動パターンとが採用されてもよいし、第二実施形態において、第一実施形態のショート側作動パターンとロング側作動パターンとが採用されてもよい。第二実施形態において第一実施形態のショート側作動パターンとロング側作動パターンとが採用される場合、例えば第一小当たりパターンでは、タイミングT0とタイミングT3の間に小当たり開放が行われ、第二小当たりパターンでは、タイミングT5とタイミングT6の間に小当たり開放が行われるようにすればよい。また、ショート側作動パターンおよびロング側作動パターンは、上記実施形態に限定されない。
【0311】
また、上記実施形態において、ロング側ストッパ96は、第二規制位置と第二案内位置とに移動可能でなくてもよい。この場合、ロング側ストッパ96は、例えば左斜め下方に傾斜するとともに、前斜め下方または後斜め下方に傾斜するように構成されるとよい。そして、ロング側ストッパ96から左方に流れた遊技球は下流側停留領域911に流れ、ロング側ストッパ96から前方または後方に流れて落下した遊技球はロング流路93に流れるように構成されればよい。これにより、パチンコ機1は、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留するまでは第二大入賞口17Aに入賞した遊技球を下流側停留領域911に停留させ、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留した場合に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球をロング流路93に案内できる。なお、ロング側ストッパ96は、前斜め下方および後斜め下方に傾斜していなくてもよい。すなわち、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留している場合に第二大入賞口17Aに入賞した遊技球はその勢いでロング側ストッパ96から前方または後方にロング流路93に落下するように構成されてもよい。また、ロング側ストッパ96は「ヘ」の字状に形成され、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留するまでは、ロング側ストッパ96から左方に下流側停留領域911に向かって流れ、最大停留個数の遊技球が下流側停留領域911に停留した場合に、ロング側ストッパ96から右方にロング流路93に向かって流れるように構成されてもよい。
【0312】
また、上記実施形態において、最大停留個数は、6個に限定されず、1個でもよいし、2~5個でも7個以上でもよい。また、停留領域91が設けられておらず、すなわち第二大入賞口17Aに入賞した遊技球は停留することなく特定領域172および非特定領域173のいずれかに振り分けられてもよい。また、上記実施形態では、ショート流路92とロング流路93とが設けられているが、いずれか一方だけ設けられていてもよい。
【0313】
また、上記実施形態において、振分部材9は、上段振分部材97、中段振分部材98、下段振分部材99の3つで構成されるが、1つで構成されてもよいし、2つまたは4つ以上で構成されてもよい。1つで構成される場合には、ショート流路92を通過した遊技球およびロング流路93を通過した遊技球のいずれも同じ振分部材9に流れることになる。この場合、例えばロング流路93の長さをショート流路92の長さよりも長くしたり、ロング流路93の途中に遊技球が滞留する領域を設けたりすることで、ロング流路93を遊技球が流下する時間を、ショート流路92を遊技球が流下する時間よりも長くなるようにすればよい。これにより、第二時間が第一時間よりも長くなるように構成される。
【0314】
また、上記実施形態では、振分部材9はクルーンで構成されるが、遊技球を特定領域172および非特定領域173に振り分け可能であれば、クルーンに限定されない。また、例えば特定孔971、981は設けられていなくてもよいし、非特定領域173に接続されていてもよい。
【0315】
また、上記実施形態では、最大停留個数が第二最大入賞球数よりも少ないが、第二最大入賞球数と同じでもよいし、第二最大入賞球数よりも多くてもよい。この場合、小当たり遊技中において第二最大入賞球数よりも多い個数の遊技球が第二大入賞口17Aに入賞するいわゆるオーバー入賞が発生した場合にのみ、小当たり遊技ルートとしてロングルートが選択されることとなる。したがって、パチンコ機1は、オーバー入賞に付加価値を与えることができる。
【0316】
また、設定示唆演出が実行されるタイミングは上記実施形態に限定されない。例えば大当たり遊技終了後の所定回数目の大当たり判定に基づく報知演出において行われてもよい。また、設定示唆演出では、表示画面28に表示するキャラクタの種類、キャラクタの数等で実設定値を示唆するだけでなく、表示画面28に表示される背景画像を実設定値に応じて異ならせたり、変動パターンに応じて決定される報知演出の演出内容を決定するためのテーブルを実設定値に応じて異ならせたり、大当たり演出パターン決定テーブルを実設定値に応じて異ならせたり、種々の態様が考えられる。
【0317】
また、上記実施形態の設定値は、大当たり確率を示すが、小当たり確率、普通当たり確率等、またはこれらの組み合わせを示してもよい。また、上記実施形態のパチンコ機1は、複数の設定値のいずれかを実設定値として設定可能な設定機能を有するが、設定値が設けられておらず、設定機能を有しなくてもよい。
【0318】
また、上記実施形態のパチンコ機1では、パチンコ機1の電源投入時にRAMクリアスイッチ412が「ON」状態でなければ設定変更可能状態とならないが、RAMクリアスイッチ412の状態にかかわらず、設定変更可能状態となってもよい。また、パチンコ機1の電源投入後にRAMクリアスイッチ412が「ON」状態で設定キースイッチ411が「ON」状態に操作された場合に、設定変更可能状態となってもよい。
【0319】
さらに、パチンコ機1の電源投入後、RAMクリアスイッチ412の状態にかかわらず、設定キースイッチ411が「ON」状態に操作された場合に、設定変更可能状態となってもよい。また、RAMクリアスイッチ412が「ON」状態でパチンコ機1の電源投入された場合に、パチンコ機1の電源が投入されてから所定時間経過前に設定キースイッチ411が「ON」状態に操作された場合に、設定変更可能状態となってもよい。このように、設定変更可能状態となる条件は、上記実施形態に限定されず、少なくとも設定キースイッチ411の操作を含む設定変更条件が成立した場合に、設定変更可能状態となればよい。
【0320】
また、設定キースイッチ411およびRAMクリアスイッチ412の操作方法は上記実施形態に限定されない。例えば、設定キースイッチ411の代わりにボタンスイッチ、スライドスイッチ等が設けられてもよいし、RAMクリアスイッチ412の代わりにキースイッチ等が設けられてもよい。設定キースイッチ411およびRAMクリアスイッチ412は物理スイッチに限定されず、タッチパネル等で操作されてもよい。
【0321】
また、上記実施形態では、特定領域通過数に応じて、その後に行われる大当たり遊技演出パターンが異なる。この場合、特定領域通過数は、直前の1回の小当たり遊技で特定領域172を通過した遊技球の数である。これに対し、特定領域通過数は、小当たり遊技が実行されるたびに積算されてもよい。すなわち、パチンコ機1は、積算された特定領域通過数に応じて異なる大当たり遊技演出パターンで大当たり遊技演出を行ってもよい。この場合、所定の条件の成立を契機として、積算された特定領域通過数がクリアされてもよい。所定の条件は、例えばパチンコ機1の電源のON・OFF、大当たり遊技の終了後に時短状態が生起されない大当たりB、小当たりBの決定、所定時間遊技が行われなった場合等に表示されるデモ画面の表示等である。
【0322】
また、上記実施形態において、特定領域通過数に応じて異なるのは、大当たり遊技演出パターンに限定されない。大当たり遊技終了後、または大当たり遊技が実行されない場合(すなわち、特定領域通過数が「0」の場合)には小当たり遊技の終了後の遊技状態(時短状態または非時短状態)における演出モードが特定領域通過数に応じて異なっていてもよい。すなわち、パチンコ機1には、演出の種別を決定するための演出モードが特定領域通過数に応じて複数設けられていてもよい。この場合、サブ制御基板58のCPU581は、例えば報知演出を実行する際に、参照するテーブルを特定領域通過数に応じて切り替えて、変動パターンに応じた報知演出の内容を決定すればよい。特定領域通過数に応じて、表示画面28に表示される背景画像が異なっていてもよいし、スピーカ48から出力されるBGMが異なっていてもよい。
【0323】
また、上記実施形態において、非特定領域通過数に応じて、大当たり遊技演出パターンが異なってもよい。さらに、大当たり遊技終了後、または大当たり遊技が実行されない場合(すなわち、特定領域通過数が「0」の場合)には小当たり遊技の終了後の遊技状態(時短状態または非時短状態)における演出モードが非特定領域通過数に応じて異なっていてもよい。すなわち、パチンコ機1には、演出の種別を決定するための演出モードが非特定領域通過数に応じて複数設けられていてもよい。この場合、サブ制御基板58のCPU581は、例えば報知演出を実行する際に、参照するテーブルを非特定領域通過数に応じて切り替えて、変動パターンに応じた報知演出の内容を決定すればよい。非特定領域通過数に応じて、表示画面28に表示される背景画像が異なっていてもよいし、スピーカ48から出力されるBGMが異なっていてもよい。
【0324】
また、上記実施形態において、特定領域通過数と非特定領域通過数との差分の数である差分通過数に応じて、大当たり遊技演出パターンが異なってもよい。さらに、大当たり遊技終了後、または大当たり遊技が実行されない場合(すなわち、特定領域通過数が「0」の場合)には小当たり遊技の終了後の遊技状態(時短状態または非時短状態)における演出モードが差分通過数に応じて異なっていてもよい。すなわち、パチンコ機1には、演出の種別を決定するための演出モードが差分通過数に応じて複数設けられていてもよい。この場合、サブ制御基板58のCPU581は、例えば報知演出を実行する際に、参照するテーブルを差分通過数に応じて切り替えて、変動パターンに応じた報知演出の内容を決定すればよい。差分通過数に応じて、表示画面28に表示される背景画像が異なっていてもよいし、スピーカ48から出力されるBGMが異なっていてもよい。
【0325】
また、上記実施形態において、特定領域通過数、非特定領域通過数、または差分通過数に応じて異なる演出内容の設定示唆演出が行われてもよい。さらに、特定領域通過数、非特定領域通過数、または差分通過数に応じて設定示唆演出によって示唆される実設定値の信頼度が異なっていてもよい。例えば、特定領域通過数が多くなるにしたがって信頼度が高くなっていってもよいし、特定領域通過数が少なくなるにしたがって信頼度が高くなっていってもよい。また、特定領域通過数として確率的に最も特定領域172を通過しやすい遊技球の数(例えば、上記実施形態では4個)では最も信頼度が低く、特定領域通過数として確率的に特定領域172を通過しにくい遊技球の数(例えば上記実施形態では0個、8個等)にしたがって信頼度が高くなるように構成されてもよい。非特定領域通過数および差分通過数についても同様である。
【0326】
また、第二実施形態において、第二小当たりパターンでは、第一小当たりパターンよりも停留領域91に遊技球が停留しにくいように、小当たり開放が行われればよい。したがって、例えば第二小当たりパターンでは、ロング側ストッパ96が第二規制位置に配置された状態であれば、ショート側ストッパ95が第一規制位置から第一案内位置に移動する直前に小当たり開放が開始されてもよい。また、小当たり開放における1回の短開放の長さ、各短開放の間の閉鎖時間、第二開放時間の長さ等を変更することで、第一小当たりパターンよりも第二小当たりパターンの方が停留領域91に遊技球が停留しにくくなるように構成されてもよい。第二小当たりパターンの小当たり遊技オープニング時間よりも第一小当たりパターンの小当たり遊技オープニング時間の方が短いが、同じ長さでもよいし、長くてもよい。
【0327】
さらには、特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素に付けた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したに過ぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「判定手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、いずれも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全てのパターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることから本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、上記実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、上記実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0328】
1 パチンコ機
4 遊技領域
9 振分部材
13 第二始動口
16 第一大入賞口
17A 第二大入賞口
41 主制御基板
51 CPU
52 RAM
53 ROM
58 サブ制御基板
91 停留領域
92 ショート流路
93 ロング流路
95 ショート側ストッパ
96 ロング側ストッパ
172 特定領域
173 非特定領域
581 CPU
582 RAM
583 ROM
911 下流側停留領域
912 上流側停留領域