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特開2023-19152電力供給中継装置及び分散型電源システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019152
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】電力供給中継装置及び分散型電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20230202BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230202BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02J3/38 130
H02J7/35 K
H02J9/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123655
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】百瀬 敏成
(72)【発明者】
【氏名】山本 明日香
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G015GA01
5G015GB01
5G015HA02
5G015HA13
5G015JA05
5G015JA32
5G015JA52
5G066HA11
5G066HA15
5G066HB02
5G066HB04
5G066HB06
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC02
5G503DA04
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給中継装置を提供する。
【解決手段】電力が入力される電力入力端21と、電力を出力する電力出力端22と、電力入力端21及び電力出力端22の間に接続され、電力入力端21に入力された電力を所定の電力に変換した上で電力出力端22へ出力する電力変換処理を行う電力変換回路23と、外部の電力検知部位19に接続される検知端と、電力変換回路23の動作を制御する回路制御部25とを備え、回路制御部25は、電力検知部位19へ電力供給が行われているか否かに関する条件を少なくとも含む所定の処理実行条件が満たされていない場合には電力変換回路23での電力変換処理を行わず、処理実行条件が満たされ且つ電力入力端21に入力電圧がある場合には電力変換回路23での電力変換処理を行うように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が入力される電力入力端と、
電力を出力する電力出力端と、
前記電力入力端及び前記電力出力端の間に接続され、前記電力入力端に入力された電力を所定の電力に変換した上で前記電力出力端へ出力する電力変換処理を行う電力変換回路と、
外部の電力検知部位に接続される検知端と、
前記検知端への入力電力に基づいて、前記電力変換回路の動作を制御する回路制御部とを備え、
前記回路制御部は、前記電力検知部位へ電力供給が行われているか否かに関する条件を少なくとも含む所定の処理実行条件が満たされていない場合には前記電力変換回路での前記電力変換処理を行わず、前記処理実行条件が満たされ且つ前記電力入力端に入力電圧がある場合には前記電力変換回路での前記電力変換処理を行うように構成されている電力供給中継装置。
【請求項2】
前記電力検知部位は、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない部位であり、
前記処理実行条件には、満たすべき条件として、前記電力検知部位に電力供給が行われていないことが含まれる請求項1に記載の電力供給中継装置。
【請求項3】
前記電力検知部位は、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない第1検知部位、及び、前記電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われず、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には他の電源から電力の供給が行われ得る第2検知部位を有し、
前記処理実行条件には、満たすべき条件として、前記電力変換回路での前記電力変換処理が行われておらず且つ前記第1検知部位及び前記第2検知部位の少なくとも一方に電力供給が行われている状態から、前記電力変換回路での前記電力変換処理が行われておらず且つ前記第1検知部位及び前記第2検知部位の両方に電力供給が行われていない状態に移行したことが含まれる請求項1に記載の電力供給中継装置。
【請求項4】
前記処理実行条件には、満たすべき条件として、現在時刻が前記電力変換処理を行うことが許容される所定の処理実行時間帯にあることが含まれる請求項1~3の何れか一項に記載の電力供給中継装置。
【請求項5】
発電装置が接続される発電入力端と、
前記電力検知部位への電力供給が正常に行われている場合には、前記電力出力端を前記発電入力端に接続し且つ前記電力出力端を前記電力変換回路に接続せず、前記電力検知部位への電力供給が正常に行われていない場合には、前記電力出力端を前記電力変換回路に接続する切替部とを備える請求項1~4の何れか一項に記載の電力供給中継装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の電力供給中継装置と、
分散型電源と、
前記分散型電源及び前記電力供給中継装置の前記電力出力端が接続されるパワーコンディショナと、
電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には前記電力系統及び前記パワーコンディショナの少なくとも一方から電力の供給を受けることができ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には前記パワーコンディショナから電力の供給を受けることができる電力線とを備える分散型電源システム。
【請求項7】
前記電力供給中継装置は、前記電力線に接続される受電線を介して前記電力線から供給される電力を、給電対象装置に取り付け可能な給電端子に供給する給電状態と当該電力を前記給電端子に供給しない非給電状態とを切り替える給電切替スイッチ、及び、所定の給電実行条件が満たされる場合に前記給電切替スイッチを前記給電状態に切り替え、前記給電実行条件が満たされない場合に前記給電切替スイッチを前記非給電状態に切り替えるスイッチ制御部を備える請求項6に記載の分散型電源システム。
【請求項8】
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、現在時刻が前記給電端子への電力供給が許容される所定の給電実行時間帯にあることが含まれる請求項7に記載の分散型電源システム。
【請求項9】
前記電力検知部位は、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない部位であり、
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、前記電力検知部位に電力供給が行われていないことが含まれる請求項7又は8に記載の分散型電源システム。
【請求項10】
前記分散型電源は充放電装置を有し、
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、前記充放電装置の蓄電残量が所定値以上であることが含まれる請求項7~9の何れか一項に記載の分散型電源システム。
【請求項11】
前記分散型電源は太陽電池装置を有し、
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、前記太陽電池装置の発電電力が所定電力以上であることが含まれる請求項7~10の何れか一項に記載の分散型電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力入力端から電力出力端への電力の供給を中継する電力供給中継装置及び分散型電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許第6289661号公報)には、太陽電池と、蓄電池と、発電装置とを備える分散型電源システムが記載されている。この分散型電源システムでは、発電装置は、電力系統からの電力供給が正常に行われている連系運転時には、電流センサ(40)が順潮流を検出する間、発電するように構成されている。つまり、発電装置の発電電力は負荷の消費電力未満に制限される。また、この分散型電源システムでは、電力系統からの電力供給が正常に行われていない自立運転時には、電流センサ(40)を経由しない経路で、発電装置の余剰電力を蓄電池に充電できる。このように、特許文献1に記載の分散型電源システムでは、自立運転時に蓄電池の蓄電残量を十分に確保するために、太陽電池に加えて、据え置き型の発電装置を必要としている。
【0003】
特許文献2(特許第6351351号公報)には、電気自動車の蓄電池を接続可能な分散型電源システムが記載されている。そして、分散型電源システムに電気自動車の蓄電池が接続されている間、商用系統側からの交流電力を直流電力に変換して電気自動車の蓄電池を充電でき、電気自動車の蓄電池からの直流電力を交流電力に変換して住宅側に出力できる。このように、特許文献2に記載の分散型電源システムでは、電力が必要な場合に電気自動車の蓄電池から電力の供給を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6289661号公報
【特許文献2】特許第6351351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のようなV2H(Vehicle to Home)システムは便利であるが、電気自動車と分散型電源システムとを接続するための装置が高価になるという問題がある。
【0006】
また、電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車などの他にも、交流電力を出力可能な電気コンセントを備える車両が数多く存在する。更に、交流電力を出力可能な電気コンセントを備える可搬型の発電装置や蓄電装置なども数多く存在する。そのため、分散型電源システムで電力が不足する場合などに、それらの車両や装置などから交流電力の供給を受けることができれば好ましい。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給中継装置及び分散型電源システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る電力供給中継装置の特徴構成は、
電力が入力される電力入力端と、
電力を出力する電力出力端と、
前記電力入力端及び前記電力出力端の間に接続され、前記電力入力端に入力された電力を所定の電力に変換した上で前記電力出力端へ出力する電力変換処理を行う電力変換回路と、
外部の電力検知部位に接続される検知端と、
前記検知端への入力電力に基づいて、前記電力変換回路の動作を制御する回路制御部とを備え、
前記回路制御部は、前記電力検知部位へ電力供給が行われているか否かに関する条件を少なくとも含む所定の処理実行条件が満たされていない場合には前記電力変換回路での前記電力変換処理を行わず、前記処理実行条件が満たされ且つ前記電力入力端に入力電圧がある場合には前記電力変換回路での前記電力変換処理を行うように構成されている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、電力供給中継装置は、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されている場合、電力入力端に入力される電力を電力変換回路で所定の電力に変換した上で、電力出力端に供給できる。その際、回路制御部は、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されているとしても、処理実行条件が満たされていない場合には電力変換回路での電力変換処理を行わず、処理実行条件が満たされている場合に電力変換回路での電力変換処理を行う。つまり、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されており、且つ、電力供給機能を有する装置から電力供給を必要とする場合にだけ、電力入力端に入力される電力を電力変換回路で所定の電力に変換した上で、電力出力端に供給できる。
従って、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給中継装置を提供できる。
【0010】
本発明に係る電力供給中継装置の別の特徴構成は、前記電力検知部位は、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない部位であり、
前記処理実行条件には、満たすべき条件として、前記電力検知部位に電力供給が行われていないことが含まれる点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、回路制御部は、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されており、電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合に、電力入力端に入力される電力を電力変換回路で所定の電力に変換した上で、電力出力端に供給する。つまり、電力系統からの電力供給が正常に行われていない停電時などに、電力供給機能を有する装置から電力入力端に入力される電力を有効に活用できる。加えて、電力供給機能を有する装置から供給される電力が、電力系統へと逆潮流しないことが保証される。
【0012】
本発明に係る電力供給中継装置の更に別の特徴構成は、前記電力検知部位は、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない第1検知部位、及び、前記電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われず、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には他の電源から電力の供給が行われ得る第2検知部位を有し、
前記処理実行条件には、満たすべき条件として、前記電力変換回路での前記電力変換処理が行われておらず且つ前記第1検知部位及び前記第2検知部位の少なくとも一方に電力供給が行われている状態から、前記電力変換回路での前記電力変換処理が行われておらず且つ前記第1検知部位及び前記第2検知部位の両方に電力供給が行われていない状態に移行したことが含まれる点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、第1検知部位に電力を供給できる電力系統からの電力供給及び第2検知部位に電力を供給できる分散型電源等を自立運転することによる電力供給の何れかが行われている状態から、電力系統からの電力供給及び分散型電源を自立運転することによる電力供給の両方が行われない状態に移行した場合、即ち、電力入力端に接続されている電力供給機能を有する装置の他には電源が無くなった場合に、電力入力端に入力される電力を電力変換回路で所定の電力に変換した上で、電力出力端に供給できる。加えて、電力供給機能を有する装置から供給される電力が、電力系統へと逆潮流しないことが保証される。
それに対して、回路制御部は、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されているとしても、第1検知部位に電力を供給できる電力系統からの電力供給及び第2検知部位に電力を供給できる分散型電源等を自立運転することによる電力供給の何れかが行われている場合には、電力変換回路での電力変換処理を行わない。つまり、電力供給機能を有する装置から電力入力端に入力される電力を無駄に消費しないようにできる。
【0014】
本発明に係る電力供給中継装置の更に別の特徴構成は、前記処理実行条件には、満たすべき条件として、現在時刻が前記電力変換処理を行うことが許容される所定の処理実行時間帯にあることが含まれる点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、回路制御部は、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されており、現在時刻が電力変換処理を行うことが許容される所定の処理実行時間帯にある場合に、電力入力端に入力される電力を電力変換回路で所定の電力に変換した上で、電力出力端に供給する。つまり、予め時間帯を決めて、電力供給機能を有する装置から電力入力端に入力される電力を有効に活用できる。
それに対して、回路制御部は、電力供給機能を有する装置が電力入力端に接続されているとしても、現在時刻が電力変換処理を行うことが許容される所定の処理実行時間帯にない場合には、電力変換回路での電力変換処理を行わない。つまり、電力供給機能を有する装置から電力入力端に入力される電力を無駄に消費しないようにできる。
【0016】
本発明に係る電力供給中継装置の更に別の特徴構成は、発電装置が接続される発電入力端と、
前記電力検知部位への電力供給が正常に行われている場合には、前記電力出力端を前記発電入力端に接続し且つ前記電力出力端を前記電力変換回路に接続せず、前記電力検知部位への電力供給が正常に行われていない場合には、前記電力出力端を前記電力変換回路に接続する切替部とを備える点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、電力入力端に入力される電力を電力出力端に出力する状態と、発電入力端に入力される電力を電力出力端に出力する状態とを切り替えることができる。
【0018】
本発明に係る分散型電源システムの特徴構成は、上記電力供給中継装置と、分散型電源と、前記分散型電源及び前記電力供給中継装置の前記電力出力端が接続されるパワーコンディショナと、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には前記電力系統及び前記パワーコンディショナの少なくとも一方から電力の供給を受けることができ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には前記パワーコンディショナから電力の供給を受けることができる電力線とを備える点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、電力供給中継装置と、分散型電源と、パワーコンディショナと、電力線とを備える分散型電源システムを実現できる。
【0020】
本発明に係る分散型電源システムの別の特徴構成は、前記電力供給中継装置は、前記電力線に接続される受電線を介して前記電力線から供給される電力を、給電対象装置に取り付け可能な給電端子に供給する給電状態と当該電力を前記給電端子に供給しない非給電状態とを切り替える給電切替スイッチ、及び、所定の給電実行条件が満たされる場合に前記給電切替スイッチを前記給電状態に切り替え、前記給電実行条件が満たされない場合に前記給電切替スイッチを前記非給電状態に切り替えるスイッチ制御部を備える点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、電力供給中継装置は、給電端子に給電対象装置が取り付けられており、所定の給電実行条件が満たされる場合には、その給電対象装置に、電力線に接続される受電線を介して電力線から供給される電力を供給できる。
【0022】
本発明に係る分散型電源システムの更に別の特徴構成は、前記給電実行条件には、満たすべき要件として、現在時刻が前記給電端子への電力供給が許容される所定の給電実行時間帯にあることが含まれる点にある。
【0023】
上記特徴構成によれば、電力供給中継装置は、給電端子に給電対象装置が取り付けられており、現在時刻が前記給電端子への電力供給が許容される所定の給電実行時間帯にある場合には、その給電対象装置に、電力線に接続される受電線を介して電力線から供給される電力を供給できる。
【0024】
本発明に係る分散型電源システムの更に別の特徴構成は、前記電力検知部位は、電力系統からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、前記電力系統からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない部位であり、
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、前記電力検知部位に電力供給が行われていないことが含まれる点にある。
【0025】
上記特徴構成によれば、電力供給中継装置は、給電端子に給電対象装置が取り付けられており、電力検知部位への電力系統からの電力供給が正常に行われていない例えば停電時の場合には、その給電対象装置に、電力線に接続される受電線を介して電力線から供給される電力を供給できる。
【0026】
本発明に係る分散型電源システムの更に別の特徴構成は、前記分散型電源は充放電装置を有し、
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、前記充放電装置の蓄電残量が所定値以上であることが含まれる点にある。
【0027】
上記特徴構成によれば、分散型電源としての充放電装置を備える分散型電源システムにおいて、スイッチ制御部は、充放電装置の蓄電残量が所定値以上である場合、即ち、分散型電源システムで大きな電力を確保できている場合に、給電対象装置に対して給電できる。
【0028】
本発明に係る分散型電源システムの更に別の特徴構成は、前記分散型電源は太陽電池装置を有し、
前記給電実行条件には、満たすべき要件として、前記太陽電池装置の発電電力が所定電力以上であることが含まれる点にある。
【0029】
上記特徴構成によれば、分散型電源としての太陽電池装置を備える分散型電源システムにおいて、スイッチ制御部は、太陽電池装置の発電電力が所定電力以上である場合、即ち、分散型電源システムで大きな電力を確保できている場合に、給電対象装置に対して給電できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図2】第1実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図3】第1実施形態の電力供給中継装置において回路制御部が行う動作を説明するフローチャートである。
図4】第2実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図5】第2実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図6】第3実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図7】第3実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図8】第3実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図9】第3実施形態の電力供給中継装置において回路制御部が行う動作を説明するフローチャートである。
図10】第4実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図11】第5実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図12】別実施形態の電力供給中継装置が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
以下に図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る電力供給中継装置20A(20)及びそれが設けられる分散型電源システムについて説明する。
図1及び図2は、第1実施形態の電力供給中継装置20Aが設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。図1は、分散型電源システムの電力系統1への連系運転時の状態を示す図である。図2は、分散型電源システムの自立運転時の状態を示す図である。図1及び図2では、電力が供給されている部分を太線で描いている。
【0032】
図1及び図2に示すように、分散型電源システムは、電力供給中継装置20Aと、分散型電源としての太陽電池装置16及び充放電装置17と、パワーコンディショナ10と、電力線2とを備える。
【0033】
電力負荷装置3が接続される電力線2は、切替盤4に接続される。切替盤4は、電力系統1及びパワーコンディショナ10に接続される。そして、電力負荷装置3は、電力系統1及びパワーコンディショナ10の少なくとも何れか一方から電力の供給を受けることができる。
【0034】
パワーコンディショナ10には、分散型電源としての太陽電池装置16及び充放電装置17と、電力供給中継装置20Aの電力出力端22が接続される。具体的には、パワーコンディショナ10は、太陽電池装置16が接続されるDC/DC変換部13と、充放電装置17が接続されるDC/DC変換部14と、電力供給中継装置20Aの電力出力端22に接続されるDC/DC変換部15とを備える。加えて、パワーコンディショナ10は、各DC/DC変換部13,14,15に接続されて、その直流電力を交流電力に変換するインバータ12と、インバータ12の交流側に接続される切替器11とを備える。切替器11は、インバータ12の交流側に接続される接点aと、連系線8に接続される接点bと、自立線9に接続される接点cとを有する。
【0035】
連系線8は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合にその電力系統1と電気的に接続される線路である。自立線9は、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合にその電力系統1から電気的に切り離され且つ他の電源からの電力供給が行われ得る線路である。
【0036】
切替器11は、接点aと接点bとが接続される状態、即ち、パワーコンディショナ10が連系線8に接続される状態と、接点aと接点cとが接続される状態、即ち、パワーコンディショナ10が自立線9に接続される状態との間で切り替わる。詳細な説明は省略するが、切替器11は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合には図1に示すように接点aと接点bとが接続される連系状態に切り替わり、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合には図2に示すように接点aと接点cとが接続される自立状態に切り替わる。
【0037】
切替盤4は、ブレーカ5と、ブレーカ6と、切替器7とを有する。切替器7は、電力線2に接続される接点aと、電力系統1の側に接続される接点bと、自立線9に接続される接点cとを有する。そして、切替器7は、接点aと接点bとが接続される状態、即ち、電力線2が電力系統1の側に接続される状態と、接点aと接点cとが接続される状態、即ち、電力線2が自立線9に接続される状態との間で切り替わる。詳細な説明は省略するが、切替器7は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合には図1に示すように接点aと接点bとが接続される連系状態に切り替わり、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合には図2に示すように接点aと接点cとが接続される自立状態に切り替わる。このように、電力線2は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合には電力系統1及びパワーコンディショナ10の少なくとも一方から電力の供給を受けることができ、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合にはパワーコンディショナ10から電力の供給を受けることができる。
【0038】
太陽電池装置16は、太陽光を受光して発電する装置である。充放電装置17は、蓄電部(図示せず)で蓄えている電力の放電及び蓄電部への電力の充電を行うことができる装置である。パワーコンディショナ10は、太陽電池装置16で発電された電力を受け取る動作、充放電装置17で電力を充放電させる動作、連系線8又は自立線9に電力を出力する動作などを制御する。加えて、パワーコンディショナ10は、電力供給中継装置20Aから電力を受け取る動作を制御する。
【0039】
電力供給中継装置20Aは、電力が入力される電力入力端21と、電力を出力する電力出力端22と、電力入力端21及び電力出力端22の間に接続され、電力入力端21に入力された電力を所定の電力に変換した上で電力出力端22へ出力する電力変換処理を行う電力変換回路23と、外部の電力検知部位19に接続される検知端24と、検知端24への入力電力に基づいて、電力変換回路23の動作を制御する回路制御部25とを備える。電力検知部位19は連系線8に設けられ、電力検知部位19と検知端24とは連系検知線18によって接続される。電力変換回路23は回路制御部25によって動作が制御され、電力入力端21から供給される交流電力を所定の直流電力に変換して電力出力端22に出力する。
【0040】
加えて、電力供給中継装置20Aは、電力入力端21に接続される電源部26を備え、この電源部26を介して供給される電力、即ち、電力入力端21に入力される電力を利用して動作する。従って、電力入力端21に電力が入力されていない場合には電力供給中継装置20Aの回路制御部25は動作しないため、電力変換回路23での電力変換処理も行われない。
【0041】
電力入力端21に接続される端子40には、様々な種類の電源装置41を取り付けることができ、取り外しできる。例えば、電源装置41は、蓄電装置を備える電気車両、燃料電池を備える燃料電池車両などである。他にも、電源装置41は、交流電力を出力可能な電気コンセントを備える車両、可搬型の発電装置、可搬型の蓄電装置などであってもよい。本実施形態では、電源装置41が交流電力を出力する場合を例示している。そして、電力入力端21に接続される端子40が電源装置41に接続された場合、電源装置41から電力入力端21に入力される電力が、電源部26を介して回路制御部25に供給され、電力変換回路23に供給される。例えば、利用者が、電源装置41としての車両に搭載されている交流100Vの電気コンセントに対して端子40としての電気プラグを装着し、車両から供給される電力が電力供給中継装置20Aを介して分散型電源システムに提供されるような形態が考えられる。
【0042】
図3は、第1実施形態の電力供給中継装置20Aにおいて回路制御部25が行う動作を説明するフローチャートである。回路制御部25は、電源部26を介して電力の供給を受けている場合にこのフローチャートを繰り返し行う。つまり、電力入力端21に電源装置41が接続されている場合にこのフローチャートが行われる。それに対して、電力入力端21に電源装置41が接続されていない場合、回路制御部25は電力の供給を受けることができないため動作していない。
【0043】
工程#10において回路制御部25は、電力検知部位19へ電力供給が行われているか否かに関する条件を少なくとも含む所定の処理実行条件が満たされているか否かを判定する。本実施形態の場合、処理実行条件には、満たすべき条件として、電力検知部位19に電力供給が行われていないことが含まれる。つまり、回路制御部25は、電力検知部位19に電力供給が行われていない場合、処理実行条件が満たされていると判定する。そして、回路制御部25は、処理実行条件が満たされる場合、即ち、電力検知部位19への電力供給が行われていない場合には工程#11に移行し、電力検知部位19への電力供給が行われている場合には工程#12に移行する。
【0044】
工程#11において回路制御部25は、電力変換回路23での電力変換処理を実行する。つまり、回路制御部25は、電力検知部位19への電力供給が正常に行われておらず且つ電力入力端21に入力電圧がある場合には電力変換回路23での電力変換処理を行う。
【0045】
また、工程#12において回路制御部25は、電力変換回路23での電力変換処理を実行しない。つまり、回路制御部25は、電力入力端21に入力電圧があるとしても、電力検知部位19への電力供給が正常に行われている場合には電力変換回路23での電力変換処理を行わない。
【0046】
このように、本実施形態では、回路制御部25は、電力検知部位19への電力供給が正常に行われている場合には電力変換回路23での電力変換処理を行わず、電力検知部位19への電力供給が正常に行われておらず且つ電力入力端21に入力電圧がある場合には電力変換回路23での電力変換処理を行うように構成されている。本実施形態では、電力検知部位19は連系線8に設けられている。つまり、電力検知部位19は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない部位である。そのため、図1に示すように連系線8に電力が供給されている場合、回路制御部25は電力検知部位19への電力供給が正常に行われていると判定し、図2に示すように連系線8に電力が供給されていない場合、回路制御部25は電力検知部位19への電力供給が正常に行われていないと判定する。
【0047】
図1に示す連系状態の場合、太陽電池装置16が発電を行っていれば、その発電電力がパワーコンディショナ10を介して充放電装置17及び連系線8の少なくとも一方に供給される。また、充放電装置17から供給される電力がパワーコンディショナ10を介して連系線8に供給される場合もある。この場合、回路制御部25は、電源装置41が電力入力端21に接続されることでその電力を電源部26を介して受け取ったとしても、電力変換回路23での電力変換処理を行わない。つまり、電力供給中継装置20Aからパワーコンディショナ10への電力供給を行わない。
【0048】
図2に示す自立状態の場合、太陽電池装置16が発電を行っていれば、その発電電力がパワーコンディショナ10を介して充放電装置17及び自立線9の少なくとも一方に供給される。また、充放電装置17から供給される電力がパワーコンディショナ10を介して自立線9に供給される場合もある。更に、電源装置41から供給される電力がパワーコンディショナ10を介して自立線9及び充放電装置17の少なくとも一方に供給される場合がある。この場合、回路制御部25は、電源装置41が電力入力端21に接続されることでその電力を電源部26を介して受け取った場合、電力変換回路23での電力変換処理を行う。つまり、電力供給中継装置20Aからパワーコンディショナ10への電力供給を行う。
【0049】
以上のように、電力供給中継装置20Aは、電力供給機能を有する電源装置41が電力入力端21に接続されている場合、電力入力端21に入力される電力を電力変換回路23で所定の電力に変換した上で、電力出力端22に供給できる。その際、回路制御部25は、電力供給機能を有する電源装置41が電力入力端21に接続されているとしても、処理実行条件が満たされていない場合には電力変換回路23での電力変換処理を行わず、処理実行条件が満たされている場合に電力変換回路23での電力変換処理を行う。つまり、電力供給機能を有する電源装置41が電力入力端21に接続されており、且つ、電力供給機能を有する電源装置41から電力供給を必要とする場合にだけ、電力入力端21に入力される電力を電力変換回路23で所定の電力に変換した上で、電力出力端22に供給できる。
【0050】
<第2実施形態>
第2実施形態の電力供給中継装置20B(20)及び分散型電源システムは、発電装置が接続される発電入力端27を備える点で上記実施形態と異なっている。以下に第2実施形態の電力供給中継装置20B及び分散型電源システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0051】
図4及び図5は、第2実施形態の電力供給中継装置20Bが設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。図4は、分散型電源システムの電力系統1への連系運転時の状態を示す図である。図5は、分散型電源システムの自立運転時の状態を示す図である。図4及び図5では、電力が供給されている部分を太線で描いている。
【0052】
パワーコンディショナ10は、充放電装置17が接続されるDC/DC変換部14と、電力供給中継装置20Bの電力出力端22に接続されるDC/DC変換部15とを備える。加えて、パワーコンディショナ10は、各DC/DC変換部14,15に接続されて、その直流電力を交流電力に変換するインバータ12と、インバータ12の交流側に接続される切替器11とを備える。
【0053】
電力供給中継装置20Bは、発電装置としての太陽電池装置16が接続される発電入力端27と、電力検知部位19への電力供給が正常に行われている場合には、電力出力端22を発電入力端27に接続し且つ電力出力端22を電力変換回路23に接続せず、電力検知部位19への電力供給が正常に行われていない場合には、電力出力端22を電力変換回路23に接続する切替部28とを備える。
【0054】
電力供給中継装置20Bが備える切替部28は、スイッチ28aとコイル28bとを有する。切替部28のコイル28bは、電力検知部位19に接続される連系検知線18と電気的に接続される。切替部28では、スイッチ28aの接点aは電力出力端22に接続され、スイッチ28aの接点cは発電入力端27に接続され、スイッチ28aの接点bは電力変換回路23に接続される。電力出力端22はパワーコンディショナ10に接続され、発電入力端27は太陽電池装置16に接続される。
【0055】
図4に示す連系運転時には、連系線8から供給される電力により切替部28のコイル28bが通電され、その結果、切替部28のスイッチ28aの接点aと接点cとが接続される。そして、太陽電池装置16が発電入力端27とスイッチ28aの接点cと接点aと電力出力端22とを介してパワーコンディショナ10のDC/DC変換部15に接続される。
【0056】
図5に示す自立運転時には、連系線8から電力が供給されないため切替部28のコイル28bが通電されず、その結果、切替部28のスイッチ28aの接点aと接点bとが接続される。そして、電力変換回路23がスイッチ28aの接点bと接点aと電力出力端22とを介してパワーコンディショナ10のDC/DC変換部15に接続される。
【0057】
このように、切替部28は、電力検知部位19への電力供給が正常に行われている場合には、電力出力端22を発電入力端27に接続し且つ電力出力端22を電力変換回路23に接続せず、電力検知部位19への電力供給が正常に行われていない場合には、電力出力端22を電力変換回路23に接続する。
【0058】
<第3実施形態>
第3実施形態の電力供給中継装置20C(20)及び分散型電源システムは、電力供給を受ける方法が上記実施形態と異なっている。以下に第3実施形態の電力供給中継装置20C及び分散型電源システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0059】
図6図8は、第3実施形態の電力供給中継装置20Cが設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。
図6は、分散型電源システムの電力系統1への連系運転時で、電力入力端21に電源装置41が接続されていない状態を示す図である。図7は、分散型電源システムの自立運転時の状態で、電力入力端21に電源装置41が接続されていない状態を示す図である。図8は、分散型電源システムの自立運転時の状態で、電力入力端21に電源装置41が接続されている状態を示す図である。図6図8では、電力が供給されている部分を太線で描いている。
【0060】
電力供給中継装置20Cは、発電装置が接続される発電入力端27と、電力検知部位19への電力供給が正常に行われている場合には、電力出力端22を発電入力端27に接続し且つ電力出力端22を電力変換回路23に接続せず、電力検知部位19への電力供給が正常に行われていない場合には、電力出力端22を電力変換回路23に接続する切替部30とを備える。
【0061】
電力供給中継装置20Cが備える切替部30は、二つのマグネットコンタクタ30a,30bを用いて構成される。マグネットコンタクタ30a,30bの導通状態及び非導通状態の切り替えは回路制御部25が行う。マグネットコンタクタ30aが導通状態になっている場合には電力変換回路23は電力出力端22に接続され、マグネットコンタクタ30aが非導通状態になっている場合には電力変換回路23は電力出力端22に接続されない。マグネットコンタクタ30bが導通状態になっている場合には太陽電池装置16は電力出力端22に接続され、マグネットコンタクタ30bが非導通状態になっている場合には太陽電池装置16は電力出力端22に接続されない。
【0062】
電源部26は電源切替部29から電力の供給を受けることができる。電源切替部29は、スイッチ29aとコイル29bとを有する。電源切替部29のコイル29bは電力入力端21に接続される。スイッチ29aの接点aは電源部26に接続され、スイッチ29aの接点cは電力入力端21に接続され、スイッチ29aの接点bは、電力供給中継装置20Cが備える自立端36に接続され、自立端36は連絡線35を介して自立線9に接続される。図6及び図7に示すように、電力入力端21に電源装置41が接続されていない場合、コイル29bに通電されないため、スイッチ29aの接点aと接点bとが接続される。それに対して、図8に示すように、電力入力端21に電源装置41が接続されている場合、コイル29bに通電されるため、スイッチ29aの接点aと接点cとが接続される。
【0063】
図6に示す連系運転時の場合、電力入力端21に電源装置41は接続されておらず、且つ、自立線9に通電されていない。電源部26に電力が供給されないため、電力供給中継装置20Cは動作できない。この場合、マグネットコンタクタ30a,30bは共に非導通状態になる。
【0064】
図7に示す自立運転時の場合、電力入力端21に電源装置41は接続されていないが、自立線9に通電されている。自立線9から、連絡線35及び自立端36及び電源切替部29を経由して電源部26に電力が供給されるため、電力供給中継装置20Cは動作できる。この場合、回路制御部25は、マグネットコンタクタ30aを非導通状態に切り替え、マグネットコンタクタ30bを導通状態に切り替える。その結果、太陽電池装置16から供給される電力がパワーコンディショナ10に供給される。
【0065】
図8に示す自立運転時の場合、電力入力端21に電源装置41が接続され、且つ、自立線9に通電されている。そして、電源部26には電力入力端21から電力が供給されて、電力供給中継装置20Cは動作できる。加えて、電力変換回路23の入力側(交流側)にも入力電圧がある。この場合、回路制御部25は、マグネットコンタクタ30aを導通状態に切り替え、マグネットコンタクタ30bを非導通状態に切り替える。その結果、電源装置41から供給される電力がパワーコンディショナ10に供給される。
【0066】
図9は、第3実施形態の電力供給中継装置20Cにおいて回路制御部25が行う動作を説明するフローチャートである。回路制御部25は、電源部26を介して電力の供給を受けている場合にこのフローチャートを繰り返し行う。尚、図6に示すように回路制御部25が電力の供給を受けていない場合、回路制御部25は動作できないためこのフローチャートは行われない。
【0067】
本実施形態の場合、電源部26は、電源切替部29を介して、電力入力端21に接続される電源装置41又は自立線9から電力の供給を受けることができる。そのため、回路制御部25が電力の供給を受けているとしても、電力入力端21に電源装置41が接続されていない場合がある。そのため、工程#20において回路制御部25は、電力入力端21に入力電圧があるか否かを判定する。例えば、回路制御部25は、電力変換回路23の入力側(即ち交流側)に入力電圧がある場合には電力入力端21に入力電圧があると判定して工程#21に移行し、電力変換回路23の入力側(即ち交流側)に入力電圧がない場合には電力入力端21に入力電圧がないと判定して工程#23に移行する。
【0068】
工程#21において回路制御部25は、電力検知部位19へ電力供給が行われているか否かに関する条件を少なくとも含む所定の処理実行条件が満たされているか否かを判定する。本実施形態の場合、処理実行条件には、満たすべき条件として、電力検知部位19に電力供給が行われていないことが含まれる。つまり、回路制御部25は、電力検知部位19に電力供給が行われていない場合、処理実行条件が満たされていると判定する。そして、回路制御部25は、処理実行条件が満たされる場合、即ち、電力検知部位19への電力供給が行われていない場合には工程#22に移行し、電力検知部位19への電力供給が行われている場合には工程#23に移行する。
【0069】
工程#22において回路制御部25は、切替部30で、電力変換回路23を電力出力端22に接続し、発電入力端27を電力出力端22に接続しない状態にする。加えて、回路制御部25は、電力変換回路23での電力変換処理を実行する。つまり、回路制御部25は、電力検知部位19への電力供給が正常に行われておらず(即ち、工程#21で「Yes」の場合)且つ電力入力端21に入力電圧がある場合(即ち、工程#20で「Yes」の場合)には電力変換回路23での電力変換処理を行う。この状態は、図8に示す状態に対応する。
【0070】
また、工程#23において回路制御部25は、切替部30で、電力変換回路23を電力出力端22に接続せず、発電入力端27を電力出力端22に接続する状態にする。加えて、回路制御部25は、電力変換回路23での電力変換処理を実行しない。つまり、回路制御部25は、電力検知部位19への電力供給が正常に行われている場合(即ち、工程#21で「No」の場合)、又は、電力入力端21に入力電圧がない場合(即ち、工程#20で「No」の場合)には電力変換回路23での電力変換処理を行わない。
【0071】
<第4実施形態>
第4実施形態の電力供給中継装置20D(20)及び分散型電源システムは、給電対象装置への給電機能を備える点で上記実施形態と異なっている。以下に第4実施形態の電力供給中継装置20D及び分散型電源システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0072】
図10は、第4実施形態の電力供給中継装置20Dが設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。図示するように、電力供給中継装置20Dは、給電切替スイッチ31、及び、スイッチ制御部32を備える。
【0073】
給電切替スイッチ31は、電力線2に接続される受電線37を介して電力線2から供給される電力を、給電対象装置に取り付け可能な給電端子38に供給する給電状態とその電力を給電端子38に供給しない非給電状態とを切り替える。図10に示す例では、給電切替スイッチ31の接点aは電力供給中継装置20Dが備える受電端34に接続される。そして、受電端34は、受電線37を介して、切替盤4と電力負荷装置3との間の電力線2に接続される。本実施形態では、電力線2には連系運転時及び自立運転時の何れの場合でも電力が供給される。そのため、給電切替スイッチ31にも、連系運転時及び自立運転時の何れの場合でも電力が供給される。給電切替スイッチ31の接点bは電力供給中継装置20Dが備える給電端33に接続される。そして、給電端33は給電端子38に接続され、給電端子38に給電対象装置としての電源装置41を接続できる。給電対象装置としての電源装置41は、例えば蓄電装置を備える電気車両、可搬型の蓄電装置などである。そして、給電切替スイッチ31の接点aと接点bとが接続されている場合には上記給電状態になり、給電切替スイッチ31の接点aと接点bとが接続されていない場合には上記非給電状態になる。例えば、利用者が、電源装置(給電対象装置)41としての車両に搭載されている電源ポートに対して給電端子38を装着し、電力線2から供給される電力が電力供給中継装置20Dの給電切替スイッチ31を介して車両に提供されるような形態が考えられる。
【0074】
スイッチ制御部32は、所定の給電実行条件が満たされる場合に給電切替スイッチ31を給電状態に切り替え、給電実行条件が満たされない場合に給電切替スイッチ31を非給電状態に切り替える。スイッチ制御部32には電力線2から電力が供給される。給電実行条件の内容は適宜設定できる。
【0075】
具体的には、上記給電実行条件には、満たすべき要件として、現在時刻が給電端子38への電力供給が許容される所定の給電実行時間帯にあることを含めてもよい。例えば、給電実行時間帯は、時刻7時~時刻17時などである。この時間帯であれば、太陽電池装置16での発電が行われるため、電源装置41に給電を行っても、電力系統1からの受電電力が過大にならないと期待される。
【0076】
他には、上記給電実行条件には、満たすべき要件として、電力検知部位19に電力供給が行われていないことを含めてもよい。本実施形態では、スイッチ制御部32には検知端24への入力電力、即ち、電力検知部位19へ電力供給が行われているか否かを判断できる情報が伝達される。その結果、スイッチ制御部32は、電力系統1からの電力供給が正常に行われているか否かを判定できる。図10に示す場合、電力系統1からの電力供給が正常に行われていないため、スイッチ制御部32は、給電実行条件が満たされると判定する。
【0077】
<第5実施形態>
上述した給電実行条件の内容は適宜変更可能である。以下に第5実施形態の電力供給中継装置20D及び分散型電源システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0078】
図11は、第5実施形態の電力供給中継装置20Dが設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。図示するように、情報通信装置42が、太陽電池装置16及び充放電装置17から情報を収集し、その情報を電力供給中継装置20Dに送信できる。情報通信装置42は、例えばHEMS(Home Energy Management System)などの、制御対象機器(即ち、電力供給中継装置20D、太陽電池装置16、充放電装置17など)の動作を制御する装置であり、制御対象機器との間で通信線を介して情報通信を行って、各機器からの情報を受信すると共に、各機器への情報の伝達を行うことができる。本実施形態の場合、情報通信装置42は、分散型電源としての充放電装置17の蓄電残量についての情報及び分散型電源としての太陽電池装置16の発電電力についての情報を収集し、電力供給中継装置20Dに伝達する。
【0079】
そして、上述した給電実行条件には、満たすべき要件として、充放電装置17の蓄電残量が所定値以上であることが含まれる。つまり、スイッチ制御部32は、伝達される充放電装置17の蓄電残量が所定値以上である場合(即ち、給電実行条件が満たされる場合)に、給電切替スイッチ31を給電状態に切り替えて電源装置41への給電が可能な状態にさせ、充放電装置17の蓄電残量が所定値未満である場合(即ち、給電実行条件が満たされない場合)に、給電切替スイッチ31を非給電状態に切り替えて電源装置41への給電を禁止する状態にさせる。
【0080】
また、給電実行条件には、満たすべき要件として、太陽電池装置16の発電電力が所定電力以上であることを含んでもよい。つまり、スイッチ制御部32は、伝達される太陽電池装置16の発電電力が所定電力以上である場合(即ち、給電実行条件が満たされる場合)に、給電切替スイッチ31を給電状態に切り替えて電源装置41への給電が可能な状態にさせ、太陽電池装置16の発電電力が所定電力未満である場合(即ち、給電実行条件が満たされない場合)に、給電切替スイッチ31を非給電状態に切り替えて電源装置41への給電を禁止する状態にさせる。
【0081】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、本発明の電力供給中継装置20及び分散型電源システムについて具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。
例えば、パワーコンディショナ10に対して接続される太陽電池装置16等の数は上述した例に限定されず、適宜変更可能である。
分散型電源として、太陽電池装置16及び充放電装置17を例示したが、他の電源を用いてもよい。
【0082】
また、電力供給中継装置20が電力入力端21と電力変換回路23との間の導通状態及び非導通状態を切り替えるスイッチを設けてもよい。そして、上記処理実行条件が満たされていない場合にはそのスイッチが非導通状態に切り替わることで電力変換回路23での電力変換処理が行われず、上記処理実行条件が満たされ且つ電力入力端21に入力電圧がある場合にはそのスイッチが導通状態に切り替わることで電力変換回路23での電力変換処理が行われるような構成にしてもよい。
【0083】
<2>
上記実施形態において、処理実行条件の内容は適宜変更可能である。
具体例を挙げると、処理実行条件には、満たすべき条件として、電力検知部位19に電力供給が行われていないことに加えて、現在時刻が電力変換処理を行うことが許容される所定の処理実行時間帯にあることが含まれていてもよい。例えば、電力供給中継装置20Dの記憶部(図示せず)に、電力変換処理を行うことが許容される処理実行時間帯が例えば時刻19時~時刻24時、及び、時刻0時~時刻5時などで記憶されている場合、その時間帯以外では電力変換回路23での電力変換処理は行われない。
【0084】
<3>
上記実施形態において、複数の電力検知部位19,43を設けてもよい。
図12は、別実施形態の電力供給中継装置20E(20)が設けられる分散型電源システムの構成を示す図である。図示するように、電力検知部位は、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われ、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合には電力の供給が行われない第1検知部位19、及び、電力系統1からの電力供給が正常に行われている場合には電力の供給が行われず、電力系統1からの電力供給が正常に行われていない場合には他の電源から電力の供給が行われ得る第2検知部位43を有する。電力検知部位としての第1検知部位19は連系線8に設けられ、第1検知部位19と検知端(第1検知端)24とは連系検知線18によって接続される。電力検知部位としての第2検知部位43は自立線9に設けられ、第2検知部位43と検知端(第2検知端)44とは自立検知線39によって接続される。
【0085】
そして、処理実行条件には、満たすべき条件として、電力変換回路23での電力変換処理が行われておらず且つ第1検知部位19及び第2検知部位43の少なくとも一方に電力供給が行われている状態から、電力変換回路23での電力変換処理が行われておらず且つ第1検知部位19及び第2検知部位43の両方に電力供給が行われていない状態に移行したことが含まれる。
【0086】
例えば、回路制御部25は、自立運転時に、充放電装置17から放電できなくなり、且つ、太陽電池装置16が発電できなくなることでパワーコンディショナ10から自立線9への電力供給が途絶えた場合に、処理実行条件が満たされたと判定する。そして、そのような場合に、電力供給中継装置20Eを介して電源装置41からパワーコンディショナ10に電力が供給され、その電力が電力負荷装置3に供給される。回路制御部25は、処理実行条件が満たされたと判定して電源装置41からパワーコンディショナ10への電力供給を開始した場合、一定時間はその電力供給を継続するような制御を行ってもよい。
【0087】
<4>
上記実施形態では、処理実行条件の例を幾つか例示したが、それらの条件が単独で用いられてもよく、或いは、それらの条件が組み合わされて用いられてもよい。
【0088】
<5>
上記実施形態では、給電実行条件の例を幾つか例示したが、それらの条件が単独で用いられてもよく、或いは、それらの条件が組み合わされて用いられてもよい。
【0089】
<6>
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、電力供給機能を有する装置を有効活用できる電力供給中継装置及び分散型電源システムに利用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 電力系統
16 太陽電池装置
17 充放電装置
18 連系検知線
19 電力検知部位(第1検知部位)
20 電力供給中継装置
21 電力入力端
22 電力出力端
23 電力変換回路
24 検知端(第1検知端)
25 回路制御部
26 電源部
27 発電入力端
28 切替部
30 切替部
31 給電切替スイッチ
32 スイッチ制御部
38 給電端子
40 端子
41 電源装置(給電対象装置)
43 電力検知部位(第2検知部位)
44 検知端(第2検知端)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12