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特開2023-19215飛行場業務の運用システム、プログラムおよび飛行場業務の運用ロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019215
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】飛行場業務の運用システム、プログラムおよび飛行場業務の運用ロボット
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
G08G1/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123748
(22)【出願日】2021-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】520495032
【氏名又は名称】株式会社AOS
(74)【代理人】
【識別番号】100128886
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】大田 正朗
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC12
(57)【要約】
【課題】飛行場における運用業務の業務効率を高める。
【解決手段】飛行場業務の運用システムは、被検知体を検知可能な検知部を有し、飛行場の飛行場面を走行可能な走行体と、複数の走行体を協働させて飛行場の運用業務を実行する実行部と、を備える。このように、複数の走行体を用いることによって、飛行場における運用業務の業務効率を高めることができる。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検知体を検知可能な検知部を有し、飛行場の飛行場面を走行可能な走行体と、
複数の前記走行体を協働させて前記飛行場の運用業務を実行する実行部と、
を備えることを特徴とする飛行場業務の運用システム。
【請求項2】
前記実行部は、一の前記走行体の前記検知部が検知した検知情報に基づいて他の前記走行体を動作させる、ことを特徴とする請求項1に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項3】
前記走行体は、前記飛行場面の落下物を保持する保持部を備えている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項4】
複数の前記走行体は、前記飛行場面において予め定められた位置関係で走行し、
前記検知部は、前記走行体が前記位置関係で走行している状態で前記飛行場面の落下物を検知する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項5】
複数の前記走行体は、一の前記走行体の前記検知部によって他の前記走行体を検知可能な前記位置関係で走行する、ことを特徴とする請求項4に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項6】
複数の前記走行体は、V字状に走行する、ことを特徴とする請求項5に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項7】
前記走行体に対する操作が可能な情報処理装置を備え、
前記走行体は、正常に動作していることを示す信号を前記情報処理装置に対して出力する、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項8】
前記飛行場面の航空機の使用情報を取得する使用情報取得部を備え、
前記実行部は、前記使用情報取得部が取得する前記使用情報を用いて前記飛行場面における複数の前記走行体の走行スケジュールを管理する、ことを特徴とする請求項1に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項9】
前記検知部は、鳥獣を検知可能であり、
前記実行部は、複数の前記走行体を用いて前記鳥獣を追う、ことを特徴とする請求項1に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項10】
前記実行部は、前記検知部の検知に基づいて特定される鳥獣の位置と、前記飛行場において前記走行体が走行可能な位置に関する情報とに基づいて複数の前記走行体の走行ルートを定める、ことを特徴とする請求項9に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項11】
前記検知部は、前記飛行場面に対する侵入者を検知可能であり、
前記実行部は、複数の前記走行体を用いて前記侵入者を追跡する、ことを特徴とする請求項1に記載の飛行場業務の運用システム。
【請求項12】
飛行場の運用業務に用いられるコンピュータに、
被検知体を検知可能な検知部を有して前記飛行場の飛行場面を走行可能な走行体を制御する機能と、
複数の前記走行体を協働させて前記飛行場の運用に関する業務を実行する機能と、
を実現するプログラム。
【請求項13】
飛行場の運用業務に用いられる運用ロボットであって、
前記飛行場の飛行場面を走行可能な走行部を有する本体部と、
前記本体部に設けられ前記飛行場面の落下物を検知可能な検知部と、
前記本体部に設けられるとともに前記検知部によって検知された前記落下物を保持可能な保持部と、
を備えることを特徴とする飛行場業務の運用ロボット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行場業務の運用システム、プログラムおよび飛行場業務の運用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レーザ光を投光する投光部と、レーザ光を水平方向に走査させる水平走査手段と、レーザ光を垂直方向に走査させる垂直走査手段と、レーザ光の反射光を受光して受光情報を発信する受光部と、受光情報から残置物の距離を算出する距離演算部と、投光部、水平走査手段及び垂直走査手段の制御を行う制御部と、を有するレーザセンサを備え、レーザセンサは、平面に近接した高さに配置され、レーザセンサは、受光情報が不連続な計測点又は孤立した計測点を含む場合に残置物として検出するように構成された残置物検出方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-251900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば飛行場を安全に運用するための業務や、侵入者の警備に関する業務など、飛行場においては各種の運用業務が行われている。そして、このような運用業務を行うにあたっては、業務効率を高めることが要求される。
本発明は、飛行場における運用業務の業務効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、被検知体を検知可能な検知部を有し、飛行場の飛行場面を走行可能な走行体と、複数の前記走行体を協働させて前記飛行場の運用業務を実行する実行部と、を備えることを特徴とする飛行場業務の運用システムである。
ここで、前記実行部は、一の前記走行体の前記検知部が検知した検知情報に基づいて他の前記走行体を動作させるとよい。
また、前記走行体は、前記飛行場面の落下物を保持する保持部を備えているとよい。
また、複数の前記走行体は、前記飛行場面において予め定められた位置関係で走行し、前記検知部は、前記走行体が前記位置関係で走行している状態で前記飛行場面の落下物を検知するとよい。
また、複数の前記走行体は、一の前記走行体の前記検知部によって他の前記走行体を検知可能な前記位置関係で走行するとよい。
また、複数の前記走行体は、V字状に走行するとよい。
また、前記走行体に対する操作が可能な情報処理装置を備え、前記走行体は、正常に動作していることを示す信号を前記情報処理装置に対して出力するとよい。
また、前記飛行場面の航空機の使用情報を取得する使用情報取得部を備え、前記実行部は、前記使用情報取得部が取得する前記使用情報を用いて前記飛行場面における複数の前記走行体の走行スケジュールを管理するとよい。
また、前記検知部は、鳥獣を検知可能であり、前記実行部は、複数の前記走行体を用いて前記鳥獣を追うとよい。
また、前記実行部は、前記検知部の検知に基づいて特定される鳥獣の位置と、前記飛行場において前記走行体が走行可能な位置に関する情報とに基づいて複数の前記走行体の走行ルートを定めるとよい。
また、前記検知部は、前記飛行場面に対する侵入者を検知可能であり、前記実行部は、複数の前記走行体を用いて前記侵入者を追跡するとよい。
【0006】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、飛行場の運用業務に用いられるコンピュータに、被検知体を検知可能な検知部を有して前記飛行場の飛行場面を走行可能な走行体を制御する機能と、複数の前記走行体を協働させて前記飛行場の運用に関する業務を実行する機能と、を実現するプログラムである。
【0007】
また、かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、飛行場の運用業務に用いられる運用ロボットであって、前記飛行場の飛行場面を走行可能な走行部を有する本体部と、前記本体部に設けられ前記飛行場面の落下物を検知可能な検知部と、前記本体部に設けられるとともに前記検知部によって検知された前記落下物を保持可能な保持部と、を備えることを特徴とする飛行場業務の運用ロボットである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飛行場における運用業務の業務効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の飛行場の運用システムの概略図である。
図2】本実施形態の飛行場の説明図である。
図3】本実施形態の運用ロボットの概略図である。
図4】運用ロボットのハードウェア構成例を示した図である。
図5】本実施形態の運用ロボットの機能ブロック図である。
図6】現場端末装置の構成例を説明するための図である。
図7】本実施形態の管理サーバ装置の機能ブロック図である。
図8】本実施形態のFOD対策業務の説明図である。
図9】本実施形態のFOD対策業務の説明図である。
図10】運用システム1におけるFOD対策業務の動作フロー図である。
図11】本実施形態の鳥獣対策業務の説明図である。
図12】変形例の運用ロボットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の飛行場の運用システム1の概略図である。
図2は、本実施形態の飛行場の説明図である。
【0012】
〔飛行場の運用システム1〕
図1に示すように、本実施形態の飛行場の運用システム1は、飛行場内を走行することが可能な複数(例えば、10台)の運用ロボット10と、飛行場内の現場で作業する作業員が用いる現場端末装置30と、運用システム1を統括的に管理する管理サーバ装置50と、を備える。
【0013】
なお、運用ロボット10、現場端末装置30および管理サーバ装置50の各々の台数は、本実施形態の例に限定されず、それぞれ複数であってもよい。
【0014】
また、ネットワークは、各装置の間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されない。ただし、本実施形態の運用システム1では、例えばローカル5G(第5世代移動通信システム)を用いている。なお、本実施形態の運用システム1は、飛行場の運用業務という特別なセキュリティ確保が求められるものであるため、飛行場におけるネットワークの外部から内部の情報にアクセスできないようになっている。
【0015】
図2に示すように、本実施形態の飛行場は、航空機900が利用する滑走路91、着陸帯92、エプロン93、管制塔94、空港ターミナル施設95、誘導路(不図示)、格納庫(不図示)、保安道路(不図示)、場周道路96などを備えている。
本実施形態の説明において、滑走路91や着陸帯92などの離着陸区域、エプロン93、管制塔94、誘導路、格納庫、保安道路、場周道路96のことをエアサイド(例えば、制限区域)と呼ぶ。さらに、本実施形態の説明において、エアサイドにおける地表面のことを飛行場面と呼ぶ。図2に示す例の場合、飛行場面には、フェンス99の内側であって、滑走路91や着陸帯92などの離着陸区域、エプロン93、誘導路、保安道路、場周道路96が相当する。なお、飛行場面には、管制塔94、空港ターミナル施設95および格納庫などの建物やその屋内は含まれない。
【0016】
そして、本実施形態の飛行場の運用システム1は、例えば飛行場情報業務、飛行場警備業務、および消防・防災業務など飛行場の運用業務を行うために用いられる。ここで、飛行場情報業務は、飛行場の安全な運用のためのトータルマネジメント、飛行場面の点検、エプロン93の割当て等の飛行場運用業務、エアサイドの安全管理、鳥獣と航空機900の衝突防止対策などが含まれる。また、飛行場警備業務には、エアサイドに設置されたフェンス99(図2参照)を超えてエアサイドに侵入してくる侵入者を発見、排除するとともにパトロールにより事前に防除する業務が含まれる。さらに、消防・防災業務には、航空機900の事故が発生した場合に乗客乗員等の救命、航空機900の消火活動、エアサイドおよび空港ターミナル施設95等での火災に備えた防災業務および出火した場合の消火活動が含まれる。
以下、このような運用システム1について、詳細に説明する。
【0017】
(運用ロボット10)
図3は、本実施形態の運用ロボット10の概略図である。
【0018】
図3に示すように、運用ロボット10は、本体部11と、本体部11に取り付けられる複数のタイヤ12と、周囲を撮影可能な第1カメラ部13と第1カメラ部13とは別に周囲を撮影可能な第2カメラ部14と、を有する。また、運用ロボット10は、前方に向けて光を照射するヘッドライト15と、物体を掴むことが可能なアーム部16と、光を発する回転灯17と、運用ロボット10の動作を統括的に制御する制御部18とを有する。
【0019】
なお、本実施形態の運用ロボット10のサイズは、幅×奥行×高さがそれぞれ約1m×約1m×約1mに設定されている。このように、運用ロボット10は、例えばエアサイドで運用されている業務用の車両よりも小さくすることで、万が一、業務用の車両と接近した場合に草地などに退避できるようにしている。
【0020】
本体部11は、タイヤ12を駆動するモータ(不図示)やモータ等に給電するバッテリ(不図示)を有している。
タイヤ12は、滑走路91や誘導路などの舗装された路面や、着陸帯92などの草地、非舗装地も走行可能になっている。また、タイヤ12は、雨などによって濡れた路面、雪上も走行可能になっている。
【0021】
そして、本実施形態の運用ロボット10は、走行や操作を含めた稼働時間が8時間以上になるように設定されている。また、運用ロボット10は、最大で約60Km/hの速度で走行可能になっている。この運用ロボット10は、例えばドローンのように飛行場面から離れて飛行することなく、飛行場面に接地した状態で移動する。本実施形態の運用システム1は、飛行場という特殊な環境下で用いられるものであり、規則等により飛行体を用いることに制限がある。そこで、本実施形態の運用システム1では、敢えて飛行場面に接地された状態で移動可能なタイヤ12を有する運用ロボット10を用いている。
【0022】
第1カメラ部13は、本体部11の前方に設けられている。本実施形態の第1カメラ部13は、高解像度(例えば4K)での可視画像の撮影が可能になっている。そして、第1カメラ部13は、特に、運用ロボット10が走行する地面および地面上の物体を撮影可能になっている。
【0023】
第2カメラ部14は、例えば第1カメラ部13よりも高い位置に設けられている。第2カメラ部14は、広角レンズを備えている。また、第2カメラ部14は、主に運用ロボット10の前方側に向いて設けられる。そして、第2カメラ部14は、運用ロボット10の移動方向に対して約180の視野角で撮影が可能になっている。また、第2カメラ部14は、高解像度(例えば4K)での可視画像の撮影が可能になっている。本実施形態の第2カメラ部14は、運用ロボット10が走行する地面から上空までを撮影する。
【0024】
なお、本実施形態の説明において、第1カメラ部13と第2カメラ部14とを特に区別しない場合には、「カメラ部」と総称する。
【0025】
そして、本実施形態のカメラ部は、可視光を利用した撮影が可能になっている。したがって、カメラ部は、運用業務において、例えばFOD(後述)、鳥獣および侵入者の可視画像を撮影可能である。本実施形態のカメラ部によって撮影された可視画像は、例えばAIを用いた画像解析に用いられる。また、本実施形態のカメラ部によって撮影された可視画像は、例えばモニタにカラーの画像として表示され、作業員などの人が目視で確認する際にも用いられる。
【0026】
さらに、カメラ部は、本体部11の傾きや振動に応じて撮影画像にブレが生じないようにするスタビライザ(不図示)を有している。スタビライザは、後述する6軸慣性センサ107によって検知される本体部11の角度に応じて、変化した角度をキャンセルするようにカメラ部の角度を変化させる3軸のモータを有している。
【0027】
ヘッドライト15は、運用ロボット10において第1カメラ部13が設けられる前方に設けられる。そして、ヘッドライト15は、運用ロボット10のさらに前方に向けて光を照射する。ヘッドライト15は、夜間など周囲が暗い場合に、カメラ部による撮影を可能にする。
なお、ヘッドライト15は、航空機900に対する影響を抑制するために、水平方向よりも上側に光軸が向かないように設定されている。
【0028】
アーム部16は、運用ロボット10における前方であって上側に設けられる。アーム部16は、複数のリンクおよび関節を有して任意の形状に変形することができる可動部161と、可動部161の端部に設けられ物体を保持することが可能な保持部162とを備える。そして、アーム部16は、可動部161が変形することで保持部162を任意の位置に移動させる。さらに、アーム部16は、対象となる物体を保持部162によって掴むことで、掴んだ物体を操作することが可能になっている。
【0029】
保持部162の形態は、物体を保持できればよく、図3に示す例に限定されない。例えば、保持部162は、物体を挟んで保持するクリップ型の構造を例示できる。また、保持部162は、金属などを吸着可能な電磁石を例示できる。さらに、保持部162は、物体をすくい上げるとともに容器内に収めて搬送できるバケット型の構造を例示できる。
【0030】
回転灯17は、運用ロボット10における上側に設けられる。回転灯17は、光源の光を、光源の周りを回転する反射鏡によって反射させて放光する。また、回転灯17は、例えば赤色に発光するものを用いることができる。
なお、回転灯17は、航空機900に対する影響を抑制するために、水平方向よりも上側に光軸が向かないように設定されている。
【0031】
制御部18は、後述するハードウェア構成のうちCPU101、RAM102、ROM103および記憶部104によって実現される。そして、制御部18は、運用ロボット10の上述した構造部や後述するハードウェア構成を用いて各種の機能を実現する。なお、制御部18が実現する機能については後に詳しく説明する。
【0032】
(運用ロボット10のハードウェア構成)
図4は、運用ロボット10のハードウェア構成例を示した図である。
【0033】
図4に示すように、運用ロボット10は、CPU101と、RAM102と、ROM103と、記憶部104と、スピーカ105と、マイク106と、6軸慣性センサ107と、GPSセンサ108と、ネットワークI/F109と、を備える。
【0034】
CPU101は、ROM103等に記憶された各種プログラムをRAM102にロードして実行することにより、運用ロボット10の各機能を実現する。
RAM102は、CPU101の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM103は、CPU101が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
記憶部104は、各種アプリのプログラム、および当該プログラムによって使用される各種データ等を記憶する例えばフラッシュメモリである。なお、記憶部104は、運用ロボット10に対して取り外し可能な記録メディアを用いることができる。
【0035】
スピーカ105は、記憶部104に記憶されている音声データや、ネットワークI/F109を介して外部から取得した音声データを出力する。
マイク106には、運用ロボット10の外部の音が入力される。例えば、マイク106は、例えば飛行場にいる鳥の鳴き声や、飛行場面への侵入者の声などを取得することができる。
【0036】
6軸慣性センサ107は、運用ロボット10の3軸(前後方向、左右方向、上下方向)の加速度と角速度との合計6軸の慣性力を検出する。
GPSセンサ108は、GPS(Global Positioning System)信号に基づいて、運用ロボット10の位置を特定する。
ネットワークI/F109は、他の通信機器との間でデータを送受信する。ここで、ネットワークI/F109は、ネットワークを介して現場端末装置30や管理サーバ装置50などと相互に通信を行う。
【0037】
なお、本実施形態の運用システム1では、RTK(Real Time Kinematic)測位とローカル5G通信技術とを用いている。そして、本実施形態の運用システム1では、準天頂衛星などのGPS信号を利用してRTK測位を行うことで、高精度な測位が可能になっている。ここで、RTK測位は、固定局と移動局の二つの受信機を利用し、リアルタイムに2点間で情報をやりとりする手法である。
【0038】
なお、CPU101によって実行されるプログラム(アプリケーション)は、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、運用ロボット10などに提供し得る。また、CPU101によって実行されるプログラムは、ネットワークを介して運用ロボット10などにダウンロードしてもよい。
【0039】
図5は、本実施形態の運用ロボット10の制御部18の機能ブロック図である。
【0040】
図5に示すように、運用ロボット10の制御部18は、走行を制御する走行部21と、操作を制御する操作部22と、通信を制御する通信部23と、撮影を制御する撮影部24と、を有する。さらに、制御部18は、位置の特定を制御する位置特定部25と、音声に関する制御を行う音声部26と、発光に関する制御を行う発光部27と、自装置が正常に動作していることに関する制御を行う正常動作部28とを有する。
【0041】
走行部21は、タイヤ12を駆動するモータ(不図示)の回転やタイヤ12の向きを変更するステアリング(不図示)を変化させることで運用ロボット10の走行を制御する。走行部21は、6軸慣性センサ107の情報を用いて運用ロボット10の向き(方向)や加速度を特定する。また、走行部21は、GPSセンサ108の位置情報を用いたり、ネットワークI/F109を介して外部から取得した制御情報に基づいたりして、運用ロボット10の走行を制御する。
【0042】
操作部22は、アーム部16およびカメラ部を用いて、保持部162による操作を制御する。具体的には、操作部22は、可動部161を動かしたり、保持部162を動作させて物体を保持したりする。操作部22は、カメラ部から取得した画像情報を用いて、例えば作業員による操作を介さずにアーム部16を操作することができる。また、操作部22は、ネットワークI/F109を介して外部から入力される例えば作業員の指示に応じてアーム部16を操作することができる。
【0043】
通信部23は、ネットワークI/F109を用いて、例えば管理サーバ装置50などの運用ロボット10の外部の装置との間における情報の通信を制御する通信制御を行う。通信部23は、画像情報、音声情報および位置情報など運用ロボット10が取得可能な各種の情報を外部に送信することができる。一方、通信部23は、運用ロボット10の動作を制御する制御情報などを外部から受信することができる。
【0044】
撮影部24は、第1カメラ部13、第2カメラ部14およびヘッドライト15を用いて、運用ロボット10による撮影を制御する。
【0045】
位置特定部25は、GPSセンサ108を用いて、自装置である運用ロボット10の位置を特定する制御を行う。
音声部26は、スピーカ105およびマイク106を用いて、音声を取得したり、音声を出力したりする制御を行う。
発光部27は、ヘッドライト15を点灯したり、回転灯17を点灯させたりする制御を行う。
【0046】
正常動作部28は、自装置である運用ロボット10における各構成部が正常に動作するか否かに関する確認を行う。正常動作部28は、例えば、タイヤ12を駆動する駆動モータやステアリングが正常に動作するかを確認する。そして、正常動作部28は、正常に動作していることを示す信号を定期的(例えば、10秒ごと)に生成する。さらに、正常動作部28は、通信部23を介してその信号を管理サーバ装置50や現場端末装置30に送信する。
【0047】
(現場端末装置30)
図6は、現場端末装置30の構成例を説明するための図である。
【0048】
現場端末装置30のハードウェア構成は、運用ロボット10のハードウェア構成と基本的に同様である。現場端末装置30には、例えばスマートフォンなどの携帯電話、タブレット型端末などの携帯端末機器を用いることができる。
本実施形態の現場端末装置30は、タッチパネルが設けられており、画面に情報を表示したり、画面を作業員がタッチ操作することで画面に表示される画像に対する操作や指示を受け付けたりする機能を有する。また、現場端末装置30は、音声の入力および音声の出力を行う機能を有する。
【0049】
そして、現場端末装置30は、複数の運用ロボット10の全体の稼働状況を作業員が把握可能にする稼働状況把握部31と、各運用ロボット10から画像や音声を取得する取得部33と、運用ロボット10を個別に操作する個別操作部35と、特定の指示を取得する指示取得部37とを有する。
【0050】
稼働状況把握部31は、管理サーバ装置50から運用ロボット10の稼働スケジュールに関する情報を取得する。そして稼働状況把握部31は、画面に稼働状況を表示することで、作業員に対して運用ロボット10の稼働スケジュールを報知する。
また、稼働状況把握部31は、複数の運用ロボット10の各々の位置情報を取得する。そして、稼働状況把握部31は、画面に運用ロボット10の位置情報を表示することで、作業員に対して運用ロボット10の位置を報知する。
【0051】
また、稼働状況把握部31は、運用ロボット10の正常動作部28から受信した信号に基づいて、各運用ロボット10が正常に稼働しているか否かを作業員が把握可能にする。例えば、稼働状況把握部31は、運用ロボット10に異常が発生することで、運用ロボット10からの信号が受信できなくなった場合、その運用ロボット10に異常が生じたことを作業員などのユーザに報知する。このような場合、作業員は、異常が発生した運用ロボット10を回収するなどの対処を行うことができる。
【0052】
取得部33は、運用ロボット10の第1カメラ部13や第2カメラ部14が撮影している画像情報を取得する。そして、取得部33は、第1カメラ部13や第2カメラ部14が撮影した画像をユーザに対して見せることができる。
また、取得部33は、運用ロボット10のマイク106が集音した音声情報を取得する。そして、取得部33は、マイク106が集音した音声情報をユーザに出力することができる。
【0053】
個別操作部35は、作業員の指示に応じて、運用ロボット10を個別に操作することを可能にする。例えば、個別操作部35は、複数の運用ロボット10のうち任意の運用ロボット10の走行を可能にする。また、個別操作部35は、運用ロボット10のアーム部16の操作を可能にする。個別操作部35は、運用ロボット10の第1カメラ部13や第2カメラ部14を用いた撮影を可能にする。さらに、個別操作部35は、運用ロボット10のマイク106を用いた集音やスピーカ105を介した音の出力を可能にする。
【0054】
個別操作部35は、例えば画面に対象となる運用ロボット10を表示する。さらに、個別操作部35は、対象となる運用ロボット10を操作するための操作画像を画面に表示する。そして、個別操作部35は、操作画面に対するユーザの操作に応じて、対象となる運用ロボット10を操作するための制御信号を作成し、運用ロボット10に送信する。
【0055】
指示取得部37は、現場端末装置30を所持し、現場で作業を行っている作業員に対する指示を取得する。そして、指示取得部37は、作業員に対する指示に関する情報を画面に表示する。例えば、指示取得部37は、作業員に対して運用ロボット10の動作や回収などを指示する指示内容を取得する。この場合、指示取得部37は、ユーザが作業をすべき対象となる運用ロボット10の特定情報および作業内容を画面に表示する。
【0056】
(管理サーバ装置50)
管理サーバ装置50のハードウェア構成は、運用ロボット10のハードウェア構成と基本的の同様である。
図7は、本実施形態の管理サーバ装置50の機能ブロック図である。
【0057】
図7に示すように、管理サーバ装置50は、各種の情報を取得する情報取得部51と、取得した情報を解析する情報解析部53と、複数の運用ロボット10の動作等を管理する業務管理部55と、を備える。
【0058】
情報取得部51は、運用ロボット10および現場端末装置30から画像などの各種の情報を取得する。そして、情報取得部51は、取得した各種の情報に撮影日時や撮影場所などの関連情報を紐づけて記憶する。このようにして、管理サーバ装置50は、複数の運用ロボット10や現場端末装置30を用いて取得した飛行場の運用に関する情報を蓄積する。
【0059】
また、情報取得部51は、運用ロボット10および現場端末装置30以外からも情報を取得することが可能になっている。情報取得部51は、例えば飛行場の管制に関する管制情報を管制塔94に設置される情報処理装置から取得する。管制情報には、滑走路91における航空機900の離着陸の情報、滑走路91や誘導路における航空機900の移動に関する情報が含まれる。また、管制情報には、空港周辺を飛行する航空機900に関する情報も含まれる。また、管制情報には、エプロン93における航空機900の移動、保安道路や場周道路96における車両の移動に関する情報も含まれる。
【0060】
情報解析部53は、情報取得部51が取得した情報のうち特定の情報に対する解析を行う。
【0061】
本実施形態の情報解析部53は、運用ロボット10から取得した画像情報を解析することで、例えば鳥獣を特定する。
本実施形態の情報解析部53は、機械学習を利用して画像から鳥獣を特定する。すなわち、情報解析部53は、運用ロボット10から取得した画像情報に対し、学習済みのモデルを用いることで鳥獣を特定する。
そして、情報解析部53によって特定された鳥獣の情報は、例えば後述する鳥獣対策業務において鳥獣を追いかける際に用いられる。
【0062】
また、情報解析部53は、飛行場や飛行場の周辺にて発見した鳥獣の情報を管理サーバ装置50に蓄積する。そして、例えば現場端末装置30によって、作業員などのユーザが鳥獣発見に関する情報を検索したり、参照したりすることを可能にする。
【0063】
例えば、航空機900の離発着の際に有害な鳥獣が、飛行場や飛行場の周辺におけるどの場所で、いつ出現しているのかということを把握できないと、バードストライク予防のための根本的な対策をとることが難しい。そこで、情報解析部53は、鳥獣がどのようなルートで飛んでいるか、どの場所で滞留しているのか、鳥獣の群れがどの方向に向かうために滑走路91付近を通過するのか、滑走路91付近のどの辺で餌を取っているのか、就寝している場所はどこなのかということを解析する。
【0064】
また、本実施形態の情報解析部53は、運用ロボット10から取得した画像情報を解析することで、例えば滑走路91など航空機900が移動する飛行場面に落下している落下物(以下、FOD(Foreign Object Debris)と呼ぶ)を特定する。ここで、FODは、航空機900もしくはその関連システムに損傷を及ぼす可能性のある物品または物質である。
【0065】
本実施形態の情報解析部53は、機械学習を利用して画像からFODを特定する。すなわち、情報解析部53は、運用ロボット10から取得した画像情報に対し、学習済みのモデルを用いることでFODを特定する。例えば、情報解析部53は、FODというラベルが付されたFODの画像を教師データとして用いて学習が行われた学習済みモデルを用いる。なお、本実施形態の情報解析部53は、新たに取得したFODの画像情報を用いて学習済みモデルに対する更なる学習を行うことができる。これによって情報解析部53は、学習済みモデルによるFODの検出精度の向上を図っている。
【0066】
業務管理部55は、情報取得部51から取得した情報や情報解析部53から取得した解析情報に基づいて運用ロボット10を協働させ、飛行場の運用業務を実行する。つまり、業務管理部55は、各々の運用業務という目的のために、複数の運用ロボット10の力を合わせて働かせるようにする。
本実施形態の業務管理部55は、複数の運用ロボット10を協働させて、飛行場面におけるFODの発見や回収などするFOD対策業務を行う。また、業務管理部55は、複数の運用ロボット10を協働させて、鳥獣の発見や鳥獣の排除などをする鳥獣対策業務を行う。さらに、業務管理部55は、複数の運用ロボット10を協働させてエアサイドに侵入する侵入者の発見や追跡などをする侵入者対策業務を行う。
以下、FOD対策業務、鳥獣対策業務および侵入者対策業務について詳細に説明する。
【0067】
(FOD対策業務)
図8および図9は、本実施形態のFOD対策業務の説明図である。
【0068】
業務管理部55は、複数の運用ロボット10を用いて例えば滑走路91上のFODの対策業務を行う。業務管理部55は、情報取得部51が取得した管制情報に基づいて、航空機900が滑走路91を利用しない時間帯を特定する。業務管理部55は、管制情報(例えば、使用情報の一例)を用いて滑走路91(例えば、飛行場面の一例)における複数の運用ロボット10の走行スケジュールを管理する。そして、業務管理部55は、滑走路91上にて、複数の運用ロボット10を所定の位置関係を維持させながら走行させる。運用ロボット10は、滑走路91を走行しながら、カメラ部を用いて滑走路91を撮影する。
【0069】
なお、本実施形態では、複数の運用ロボット10の後方において、現場端末装置30を所持した作業員が作業車300に乗って複数の運用ロボット10を追尾する。
運用ロボット10に基づく情報は、現場端末装置30に対しても送信される。そのため、作業員は、各運用ロボット10の状況を把握できるようになっている。
【0070】
図8に示すように、業務管理部55は、複数の運用ロボット10が予め定められた形を維持するように走行させる。本実施形態の複数の運用ロボット10は、運用ロボット10の走行方向における前側の運用ロボット10同士の間隔が狭く、後側の運用ロボット10同士の間隔が広くなる、逆V字状になる位置関係に設定される。これによって、複数の運用ロボット10は、運用ロボット10の移動方向においてずれるようなる。そして、本実施形態では、前方にいる運用ロボット10を後方にいる運用ロボット10のカメラ部によって撮影できるようにしている。本実施形態の運用システム1は、複数の運用ロボット10をこのような位置関係にすることで、例えば前方にいる運用ロボット10から万が一、部品が落下した場合や、前方にいる運用ロボット10が停止してしまった場合であっても、後方にいる運用ロボット10によってその事象を特定できるようにしている。
【0071】
一方、運用ロボット10の移動方向と交差する方向(すなわち、滑走路91の横断方向)においては、複数の運用ロボット10が等間隔に配置されることで、滑走路91の横断方向において網羅的にカメラ部による撮影が可能になっている。
【0072】
ここで、本実施形態の運用ロボット10は、比較的地面に近い位置(例えば、滑走路91の路面から0.5mの高さ)に設置される第1カメラ部13を用いてFODの発見を行う。ただし、地面から近い位置に設置された第1カメラ部13によって撮影を行うことで、第1カメラ部13により撮影可能な視野角は狭まる。そこで、本実施形態の運用システム1は、地面に近い位置での撮影を行うことでFODの発見の精度を高めるとともに、複数の運用ロボット10を用いることで効率的に業務を行うようにしている。
【0073】
情報解析部53は、運用ロボット10が撮影した撮影画像を解析する。そして、情報解析部53は、撮影画像を分析することで滑走路91上に存在するFODを解析する。なお、運用ロボット10が撮影した撮影画像は、リアルタイムに情報解析部53に送信される。さらに、情報解析部53は、ほぼ同時に撮影画像の解析を行う。
【0074】
また、本実施形態の業務管理部55は、情報解析部53による撮影画像の解析の結果、FODが存在すると特定された場合、特定された画像を例えば現場端末装置30に送信する。そして、現場端末装置30を操作する作業員が撮影画像を確認することで、作業員による判断でFODであるか否かの判断を行うことも可能である。本実施形態の運用システム1では、FODの特定をカメラ部によって撮影された可視画像で行うことで、作業員という人の目によるFODの特定を行うことも可能になっている。
【0075】
業務管理部55は、運用ロボット10から取得した画像情報に基づいて、滑走路91上のFODを発見した場合、運用ロボット10に対してFODを回収するための指示を行う。回収の指示を受けた運用ロボット10は、第1カメラ部13の撮影画像およびアーム部16を用いて発見したFODの回収を行う。
【0076】
ここで、本実施形態の情報解析部53は、FODの発見のきっかけとなった運用ロボット10の位置をFODの位置とみなす。また、情報解析部53は、その運用ロボット10が撮影したFODが含まれる画像や運用ロボット10の向きの情報などに基づいてFODの位置を特定してもよい。すなわち、情報解析部53は、FODの発見のきっかけとなった運用ロボット10の位置と、その運用ロボット10のカメラ部が撮影した画像におけるFODの位置やサイズなどの情報とに基づいて、FODの位置を特定することができる。
【0077】
なお、業務管理部55は、例えば現場端末装置30に対して、FODの発見情報を送信するとともに、作業員に対してFODの回収指示を送信することができる。この場合、運用ロボット10によるFODの撮影画像やFODが撮影された地点の位置情報などを現場端末装置30に送信する。
【0078】
続いて、FODを発見したとき、FODの撮影画像を収集する機能について説明する。
例えば本実施形態の情報解析部53は、学習済みモデルを用いて運用ロボット10が撮影した撮影画像を解析することで、撮影画像におけるFODの特定を行っている。このような機械学習においては、機械学習の際に用いる教師データの数および種類が多い方が好ましい。そこで、業務管理部55は、FODが発見された場合に、FODを特定した運用ロボット10のみならず、他の複数の運用ロボット10を用いてFODの撮影を行う。そして、情報解析部53は、このようにして得られたFODの撮影画像を機械学習に利用する。
【0079】
例えば図9に示すように、ある運用ロボット10によってFODの発見が行われた場合に、発見したFODを取り囲むようにして複数の運用ロボット10を配置する。さらに、複数の運用ロボット10によってFODの撮影を行う。これによって、例えば1つのFODについて滑走路91という現場にて多角的に撮影を行うことができる。このようにして一つのFODについて多角的に撮影された画像情報は、管理サーバ装置50に送信される。そして、蓄積された画像情報は、上述のとおり機械学習の教師データとして利用される。
【0080】
続いて、FOD対策業務の動作フローについて具体的に説明する。
図10は、運用システム1におけるFOD対策業務の動作フロー図である。
【0081】
図10に示すように、業務管理部55は、管制情報を取得する(S101)。これによって、業務管理部55は、管制情報に基づいて航空機900が滑走路91を利用しない時間帯を特定する。
続いて、業務管理部55は、複数の運用ロボット10を用いた滑走路91上のFOD対策業務のスケジュールを作成する(S102)。
また、業務管理部55は、複数の運用ロボット10の各々の走行ルートを設定する(S103)。業務管理部55は、複数の運用ロボット10によってV字状の形を組みながら複数の運用ロボット10が走行するように、各運用ロボット10の走行ルートを設定する。
【0082】
業務管理部55は、複数の運用ロボット10に対して走行の指示を送信し、複数の運用ロボット10を滑走路91上における走行開始地点まで移動させる(S104)。
さらに、業務管理部55は、走行開始地点にて、複数の運用ロボット10の第2カメラ部14によって滑走路91を全体的に撮影する(S105)。
【0083】
情報解析部53は、複数の運用ロボット10の第2カメラ部14から取得した画像情報を解析することで、滑走路91上にFODがあるか否かを判断する(S106)。本実施形態の第2カメラ部14は、広角レンズを用いている。したがって、この時点で第2カメラ部14によって発見されるFODのサイズは、比較的大きいと予測される。
【0084】
そして、S106にてFODが発見された場合(S106でYES)、業務管理部55は、現場端末装置30に対してFODを回収するための指示を送信する(S107)。比較的大きいと予想されるFODを確実に回収するため、本実施形態では、運用ロボット10ではなく、作業員によってFODを回収するようにしている。
【0085】
その後、複数の運用ロボット10の各々の第1カメラ部13で滑走路91を撮影しながら、複数の運用ロボット10を走行させる(S108)。このとき、複数の運用ロボット10は、逆V字の形を維持しながら走行する(図8参照)。各運用ロボット10の各第1カメラ部13が撮影した撮影画像は、リアルタイムに管理サーバ装置50へと送信される。
【0086】
管理サーバ装置50では、各運用ロボット10から受信した画像情報に対して情報解析部53による画像解析を行い、FODがあるか否かを判断する(S109)。なお、本実施形態の運用システム1では、運用ロボット10に搭載された第1カメラ部13という滑走路91の路面から比較的低い位置で撮影された画像情報を用いている。したがって、本実施形態の運用システム1では、FODの検出精度が高くなっている。
【0087】
そして、情報解析部53によってFODが発見されたと判断された場合(S109にてYES)、業務管理部55は、複数の運用ロボット10に対してFODの発見場所に移動するための指示を送る。さらに、管理サーバ装置50は、その発見場所を取り囲むようにして各第1カメラ部13によって撮影を行うことを複数の運用ロボット10に指示する(S110)。
【0088】
その後、業務管理部55は、一の運用ロボット10に対してFODを回収するための指示を送信する。そして、指示を受信した運用ロボット10は、FODを回収する(S111)。このとき、FODを回収する運用ロボット10は、FODの発見に関わった運用ロボット10でもよく、他の運用ロボット10でもよい。
【0089】
なお、本実施形態では、運用ロボット10のアーム部16によって保持されているFODは、第1カメラ部13によって撮影される。本実施形態の運用システム1では、アーム部16から再び落下することなく保持部162によって保持されていることを確認しながら、運用ロボット10を走行させるようにしている。
【0090】
業務管理部55は、複数の運用ロボット10によるFOD対策業務の走行ルートの走破が完了したか否かを判断する(S112)。
業務管理部55は、走行ルートの走破が完了したと判断した場合(S112でYES)、一連の業務を終了する。そして、業務管理部55は、複数の運用ロボット10を滑走路91上から撤収させる。
【0091】
なお、S106にてFODが発見されない場合(S109にてNO)、S112にて走行ルートの走破が完了していない場合(S112にてNO)には、S108に進んで運用ロボット10で撮影を行いながら運用ロボット10を走行させる。また、S109にてFODが発見されない場合(S109にてYES)、S112に進んで走行ルートの走破が完了しているか否かの判断を行う。
【0092】
以上のように、本実施形態の運用システム1では、複数の運用ロボット10を用いてFOD対策業務を実行することで、飛行場における運用業務の業務効率を高めている。
【0093】
また、本実施形態の運用システム1では、カメラ部によって撮影した可視画像を用いてFOD等の特定を行っている。このように可視画像を用いる場合は、例えばレーダ等を利用する場合と比較して、金属よりも反射特性が比較的低いFOD(例えば、プラスチックや紙など)を高い精度で発見することができる。
【0094】
なお、FOD対策業務では、上述のとおり滑走路91上に複数の運用ロボット10を走行させることでFODを特定しているが、滑走路91に限定されない。FOD対策業務では、滑走路91の他、誘導路やエプロン93など航空機900が利用する飛行場面上のFODの発見に運用ロボット10を用いることができる。
また、運用ロボット10を用いた業務はFODの特定に限定されない。本実施形態の運用システム1は、運用ロボット10を用いて滑走路91や誘導路などにおけるクラックの発生などを発見する業務を行ってもよい。
【0095】
(鳥獣対策業務)
図11は、本実施形態の鳥獣対策業務の説明図である。
【0096】
図11(A)に示すように、鳥獣対策業務では、複数の運用ロボット10を飛行場面において走行させる。この場合に、業務管理部55は、飛行場面において運用ロボット10が走行可能な領域870を設定する。業務管理部55は、この領域870内においてランダムに運用ロボット10が走行するように走行ルートを定める。
そして、運用ロボット10では、第1カメラ部13や第2カメラ部14によって撮影された画像情報を管理サーバ装置50に送信する。
本実施形態の情報解析部53は、取得した画像情報を解析する。そして、情報解析部53は、撮影画像の中に鳥や哺乳類などの鳥獣700がいるか否かを特定する。
【0097】
図11(B)に示すように、情報解析部53によって鳥獣700の存在が確認された場合、業務管理部55は、複数の運用ロボット10によって鳥獣700を追いかけるように指示する。この場合、業務管理部55は、鳥獣700をエアサイドの外に排除するための指示を複数の運用ロボット10に送信する。
【0098】
本実施形態の情報解析部53は、鳥獣700を発見するきっかけとなった運用ロボット10がある場合に、その運用ロボット10が存在する位置を鳥獣700が存在する位置とみなす。また、情報解析部53は、鳥獣700が含まれる画像を解析することで、鳥獣700の位置の特定精度を高める。例えば、情報解析部53は、カメラ部に鳥獣700を捉えた運用ロボット10の位置を鳥獣700の暫定的な位置とする。さらに、情報解析部53は、その運用ロボット10のカメラ部によって撮影された画像における鳥獣700のサイズや位置の情報や運用ロボット10の向きの情報などを用いて暫定的な位置を補正する。これによって、情報解析部53は、鳥獣700の位置を精度よく特定する。
【0099】
なお、情報解析部53によって特定された鳥獣700の存在は、実際に航空機900の運航を行っている管制塔94などに設置される情報処理装置に通報される。
【0100】
図11(C)に示すように、業務管理部55は、一の運用ロボット10によって特定された鳥獣700の位置と、複数の運用ロボット10の位置とを共有している。そして、業務管理部55は、複数の運用ロボット10を連携させて、鳥獣700をエアサイド外に追いやるための走行ルートを設定する。特に、本実施形態では、複数の運用ロボット10によって鳥獣700を取り囲みながら、鳥獣700をエアサイド外の追い出すように複数の運用ロボット10の走行ルートを設定する。業務管理部55は、設定した走行ルートの情報を各運用ロボット10に送信する。そして、運用ロボット10による鳥獣700を追いかける動作は、例えば鳥獣700がエアサイドの外へ出た時点で終了させる。
【0101】
なお、業務管理部55は、運用ロボット10が侵入することが禁止されている特定エリア880や、運用ロボット10自体が走行できなくなる特定エリア880の情報を取得する。そして、業務管理部55は、このような特定エリアに運用ロボット10が侵入しないように運用ロボット10の走行ルートを設定する。すなわち、業務管理部55は、カメラ部による撮影に基づいて特定される鳥獣の位置と、飛行場において運用ロボット10が走行可能な位置に関する情報とに基づいて複数の運用ロボット10の走行ルートを定める。
【0102】
また、一の運用ロボット10による鳥獣の発見場所や鳥獣の発見時間のデータは、業務管理部55に蓄積される。鳥獣は、その種類によって出没する時期、時間帯、場所が異なる。そして、業務管理部55は、運用ロボット10の撮影画像によって蓄積される鳥獣の種類に応じた出没傾向を特定する。業務管理部55は、例えば運用ロボット10を用いた鳥獣の偵察スケジュールを作成する際に、特定した鳥獣の出没傾向に関する情報を参照する。これによって、業務管理部55は、効果的な鳥獣対策のスケジュールを立てることができる。
【0103】
なお、運用ロボット10のカメラ部によって撮影された鳥獣の撮影情報は、情報解析部53による機械学習の精度の向上に用いられる。
【0104】
また、運用ロボット10による第1カメラ部13や第2カメラ部14によって鳥獣の死骸が撮影される場合もある。このような情報は、例えばバードストライクの発生に関わるものである。そのため、情報解析部53によって鳥獣の死骸が撮影された場合、その情報は、管制塔94などに設置される情報処理装置へと送信される。
【0105】
さらに、鳥獣対策業務では、複数の運用ロボット10を用いて特定した鳥獣の情報を解析することで、例えば、現場端末装置30に表示されるマップ上に、鳥獣の生態情報を表示することができる。そして、鳥獣対策業務によって、その内容を解析することで、鳥獣の餌となるものを除去したり、鳥獣が隠れる樹木や草を除去したりする等の対処が可能となる。
【0106】
以上のように、本実施形態の運用システム1では、複数の運用ロボット10を用いて鳥獣対策業務を実行することで、飛行場における運用業務の業務効率を高めている。
【0107】
(侵入者対策業務)
侵入者対策業務では、業務管理部55は、複数の運用ロボット10を飛行場面に走行させる。業務管理部55は、例えば運用ロボット10を場周道路96に沿って走行させる。そして、管理サーバ装置50は、運用ロボット10から第1カメラ部13や第2カメラ部14によって撮影された画像情報を受信する。そして、管理サーバ装置50では、取得した画像情報を情報解析部53によって分析する。そして、情報解析部53は、撮影画像の中に侵入者がいるか否かを特定する。
【0108】
そして、情報解析部53によって侵入者の存在が確認された場合、業務管理部55は、侵入者に関する情報を例えば保安部に設置される情報処理装置に送信する。この場合に、侵入者に関する情報には、第1カメラ部13や第2カメラ部14による侵入者の撮影画像、侵入者を特定したときの時間情報、侵入者が特定されたときの撮影場所の情報が含まれる。
【0109】
一方、業務管理部55は、情報解析部53によって侵入者の存在が確認された場合、運用ロボット10を用いて侵入者を追跡する。なお、情報解析部53を用いた侵入者の位置の特定は、上述した鳥獣対策業務における鳥獣の位置の特定と同様である。すなわち、情報解析部53は、侵入者を発見するきっかけとなった運用ロボット10の位置と、その運用ロボット10のカメラ部が撮影した侵入者の画像の情報とを用いて、侵入者の位置を特定する。
【0110】
そして、業務管理部55は、運用ロボット10を用いて侵入者を追跡する際、運用ロボット10の回転灯17を点灯させる。また、業務管理部55は、侵入者に向けて運用ロボット10のヘッドライト15の光を照射させる。さらに、業務管理部55は、運用ロボット10のスピーカ105から警告音を出力させる。
【0111】
そして、本実施形態の業務管理部55は、複数の運用ロボット10を協働させて侵入者の追跡を行う。業務管理部55は、一の運用ロボット10のカメラ部によって侵入者を捕捉し続けられるように、一の運用ロボット10を走行させる。そして、業務管理部55は、一の運用ロボット10によって侵入者の位置を特定する。さらに、業務管理部55は、特定された侵入者の位置に基づいて、複数の運用ロボット10の走行ルートを設定する。本実施形態の業務管理部55は、一の運用ロボット10によって特定された侵入者の位置に基づいて、他の複数の運用ロボット10の走行ルートを決定する。そして、業務管理部55は、他の複数の運用ロボット10が侵入者に近づくように走行させる。
【0112】
なお、本実施形態の管理サーバ装置50は、例えば最初にカメラ部で侵入者を発見できた運用ロボット10が侵入者を捕捉できなくなった場合、他の運用ロボット10のカメラ部の画像情報に基づいて侵入者の位置を特定する。このように、本実施形態の管理サーバ装置50では、複数の運用ロボット10を協働させて侵入者の位置を特定するようになっている。
【0113】
また、業務管理部55は、フェンス99の外側に運用ロボット10を走行させて、飛行場の外にて侵入者の監視を行うようにしてもよい。
【0114】
以上のように、本実施形態の運用システム1では、複数の運用ロボット10を用いて侵入者対策業務を実行することで、飛行場における運用業務の業務効率を高めている。
【0115】
<変形例>
上述した実施形態においては、複数の運用ロボット10を全て同様な構造によって構成する例を用いているがこの態様に限定されない。
図12は、変形例の運用ロボット210の概略図である。
【0116】
変形例の運用ロボット210の基本構成は、運用ロボット10(図3参照)と同様である。ただし、変形例の運用ロボット210は、本体部211とタイヤ212との構造が運用ロボット10とは異なる。
図12に示すように、変形例の運用ロボット210は、各タイヤ212の外径が本体部211の厚みよりも大きく構成されている。このように構成される変形例の運用ロボット210は、例えば運用ロボット210自体が転倒し、裏返った場合であっても、タイヤ212が地面に接することで走行を続けることが可能になっている。
【0117】
そして、本実施形態の運用システム1では、複数の運用ロボットを運用ロボット10と変形例の運用ロボット210とを組み合わせて稼働させることができる。例えば、運用ロボット10によって飛行場面のパトロールを行う。その結果、管理サーバ装置50の業務管理部55は、例えば運用ロボット10によって鳥獣が発見された際には、変形例の運用ロボット210を走行させて鳥獣対策業務を実行することができる。変形例の運用ロボット210は、自装置の転倒に対応できるため、例えば着陸帯92などにおける草地などの悪路を走行させることが可能である。このように、本実施形態の運用システム1では、異なる複数種類の運用ロボットを用いて業務を実行してもよい。
【0118】
<変形例>
さらに、運用ロボット10には、消防防災に関する機能部を搭載してもよい。例えば、運用ロボット10に消火を行うことが可能な機能を設ける。そして、本実施形態の運用システム1では、例えばアスファルト舗装の工事に伴って草地に炎が広がり小火が発生した場合に、その小火の発生を運用ロボット10のカメラ部を用いて特定する。さらに、本実施形態の運用システム1では、運用ロボット10に搭載した消火機能によって対応することも可能である。この場合に、本実施形態の運用システム1では、複数の運用ロボット10を協働させて消火活動を行う。
また、飛行場において事故等が発生した場合に、人が危険で近寄れない場所に運用ロボット10を配置させる。そして、本実施形態の運用システム1では、現場の撮影画像や現場の音声を、運用ロボット10を用いて収集することができる。また、この場合においても、本実施形態の運用システム1では、複数の運用ロボット10を協働させて、現場の情報を収集することができる。
【0119】
<変形例>
また、本実施形態の運用システム1では、例えば10台の運用ロボット10を用いて飛行場の運用に関わる業務を行うようになっている。ここで、本実施形態の運用システム1は、FOD対策業務において、6台の運用ロボット10を稼働させ、残りの4台の運用ロボット10を待機させることもできる。そして、例えばFOD対策業務を行っている運用ロボット10の第2カメラ部14の撮影画像に鳥獣の存在が確認される場合がある。このような場合に、本実施形態の運用システム1では、待機していた4台の運用ロボット10を稼働させて鳥獣対策業務を行わせることもできる。これは、他の運用業務においても同様である。すなわち、本実施形態の運用システム1では、一の運用業務を実行している運用ロボット10によって得られた情報に基づいて、他の運用ロボット10に対して他の運用業務を実行させてもよい。
【0120】
また、本実施形態の運用システム1において、複数の運用ロボット10を用いて、FOD対策業務、鳥獣対策業務および侵入者対策業務を同時に並行して実行してもよい。この場合においても、例えば一の業務を行っている運用ロボット10が、他の業務に関わる情報を特定することができる。また、運用システム1では、一の業務を行っている複数の運用ロボット10が、他の業務の応援のために他の業務に加わるようにしてもよい。
【0121】
なお、本実施形態の運用システム1によって実現される機能のうち、管理サーバ装置50が実現する機能の一部または全てを、運用ロボット10や現場端末装置30によって実現してもよい。
例えばFOD対策業務において、管理サーバ装置50の情報解析部53が行っていた画像情報からFODを特定する機能は、運用ロボット10に搭載されていてもよい。
また、例えば鳥獣対策業務において、管理サーバ装置50の情報解析部53が行っていた画像情報から鳥獣を特定する機能は、運用ロボット10に搭載されていてもよい。この場合に、一の運用ロボット10がカメラ部の撮影画像に基づいて鳥獣を特定した場合、一の運用ロボット10が他の複数の運用ロボット10と連携して鳥獣を排除することができる。つまり、一の運用ロボット10は、管理サーバ装置50の業務管理部55の機能を実現する。一の運用ロボット10は、他の運用ロボット10との間で自装置の位置や鳥獣の位置を共有し、他の運用ロボット10に対して走行ルートの指示を行ってもよい。
【0122】
なお、本実施形態の運用システム1を実現するプログラムは、各種の記録媒体に格納して提供することができる。また、運用システム1を実現するプログラムは、通信回線を介して提供することもできる。
【0123】
なお、本実施形態のカメラ部は、上述のとおり可視画像を撮影可能になっている。そして、本実施形態の運用システム1では、可視画像に基づいてFOD等を検知している。ただし、FOD等の物体の検知は、可視光を利用した可視画像を用いる態様に限定されない。
例えば、運用システム1は、運用ロボット10に搭載されたレーザ光の発信部および受信部を用いてFOD等の検知を行ってもよい。FOD等の検知にレーザ光を利用する場合には、作業員などの人の目に対する影響が小さいレーザ光の規格を用いることが好ましい。
【0124】
また、運用システム1は、運用ロボット10に搭載された例えば赤外線カメラを用いて撮影を行い、FOD等の物体を検知してもよい。赤外線カメラの配置は特に限定されないが、例えば第1カメラ部13および第2カメラ部14にそれぞれ一つずつ並べて配置することができる。
運用システム1では、夜間の飛行場において運用ロボット10を用いる場合がある。このように周囲が比較的暗い場合に、赤外線カメラを用いることで、FOD等の検知性を高めることが可能になる。
【0125】
ここで、情報解析部53は、例えば赤外線カメラを用いてFOD等を予め撮影した撮影画像を用いて機械学習を行った学習済みモデルを用いる。そして、情報解析部53は、この学習済みモデルと、運用ロボット10に搭載された赤外線カメラによって撮影した実際の滑走路91等の撮影画像とを用いてFOD等の特定を行う。このように、本実施形態の運用システム1は、赤外線カメラを用いる場合であっても、FOD等を精度良く検知することが可能になる。
なお、赤外線カメラを用いる例は、FODの他、鳥獣や侵入者の特定を行う場合においても同様に適用することができる。
【0126】
ここで、運用ロボット10は、走行体および運用ロボットの一例である。本体部11は、本体部の一例である。タイヤ12は、走行部の一例である。第1カメラ部13および第2カメラ部14は、検知部の一例である。保持部162は、保持部の一例である。現場端末装置30は、情報処理装置の一例である。情報取得部51は、使用情報取得部の一例である。業務管理部55は、実行部の一例である。
【0127】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してもよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0128】
1…運用システム、10…運用ロボット、11…本体部、12…タイヤ、13…第1カメラ部、14…第2カメラ部、16…アーム部、30…現場端末装置、50…管理サーバ装置、51…情報取得部、53…情報解析部、55…業務管理部
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