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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019226
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】カップ保持具
(51)【国際特許分類】
   B65D 67/02 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
B65D67/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123768
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】521333748
【氏名又は名称】高橋 佑太
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佑太
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA23
3E067AB26
3E067AC01
3E067BA07A
3E067BB01A
3E067EE15
3E067EE17
(57)【要約】
【課題】飲み物を注いだカップを保持しつつ指を使うことが可能なカップ保持具を提供すること。
【解決手段】中央部にカップ100を挿入しかつカップ100保持可能な円形の孔部12を有する板状の本体10と、本体における孔部12の両側部に配置される一対の把持部材20と、を備え、把持部材20は、棒状部材からなり、本体10に対して一端部が回転自在に取り付けられ、他端部が前記孔部の上方に向かって回動可能な回動部21b、22bと、使用者が把持可能であり、回動部の他端部から延びる把持部21a、22aと、を有し、一対の把持部材20の把持部21a、22aは、孔部12の上部において使用者が把持部21a、22aを同時に把持可能な部位に位置付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部にカップ体を挿入しかつ当該カップ体を保持可能な円形の孔部を有する板状の本体と、
当該本体に取り付けられる一対の把持手段と、を備え、
前記把持手段は、棒状に延びる使用者が把持可能な把持部と、当該把持部の端部から直角方向に棒状に延びる回動部と、前記回動部の先端部に形成され、前記本体に回転自在に支持される軸部と、を有し、
前記本体は、前記孔部の両側部に、前記一対の把持手段の前記軸部を支持する軸受け部を有し、
前記一対の把持部材の前記回動部の回動軸は互いに平行であり、
前記一対の把持部材の前記把持部は、前記一対の把持部材の前記回動部を互いに反対方向に回動させて、前記孔部の上部でかつ使用者が同時に把持可能な部位に位置付けられることを特徴とするカップ保持具。
【請求項2】
前記把持部材は、略U字形に形成された第1把持部材及び第2把持部材とからなり、
前記第1把持部材は、使用者が把持可能な第1把持部と当該第1把持部の両端部から直角方向に延びる第1回動部と、当該第1回動部の先端部から前記第1回動部に沿った方向に外側に延びる第1軸部と、を有し、
前記第2把持部材は、使用者が把持可能であり前記第1把持部よりも短い第2把持部と、当該第2把持部の両端部から垂直方向に延びる第2回動部と、当該第2回動部の先端部から前記第2回動部に沿った方向に内側に延びる第2軸部と、を有し、
前記本体は、
裏面側の前記孔部の両側部における一方の側部に配置され、前記第1軸部を回転自在に軸支する一対の第1軸受け部と、他方の側部に配置され、前記第2軸部を回転自在に軸支する一対の第2軸受け部と、を有し、
前記一対の第1軸受け部の内側近傍に形成され、前記第1回動部を回動させた場合に前記第1回動部の先端部がそれぞれ通過可能な第1切り欠き部と、前記一対の第2軸受け部の外側近傍に形成され、前記第2回動部を回動させた場合に前記回動部の先端部がそれぞれ通過可能な第2切り欠き部と、を有し、
前記第1把持部及び前記第2把持部は、前記本体の裏面に当接した状態から前記第1回動部及び第2回動部を回動させることによって表面側に移動可能であり、前記孔部の上部において使用者が同時に把持可能な部位に位置付けられることを特徴とする請求項1記載のカップ保持具。
【請求項3】
前記本体は、矩形に形成されており、
前記把持部材は、前記回動部と前記把持部とによって前記本体における隣合う2つの側面にそれぞれ対向配置されるL字形に形成され、
前記一対の把持部材の前記軸受け部は、前記本体の側面の端部でかつ互いに点対称の位置に設けられ、
前記一対の把持部材は、前記回動部と前記把持部とが互いに対向するように、前記本体の側方に配置され、前記一対の把持部材の回動部がそれぞれ回動することによって、前記一対の把持部材の前記把持部が、前記孔部の上部において使用者が同時に把持可能な部位に位置付けられることを特徴とする請求項1記載のカップ保持具。
【請求項4】
前記孔部の内部に挿入される円筒部と、当該円筒部の一方の端部から、前記円筒部の中心軸に対して半径方向に延びるつば部と、有し、前記円筒部の他方の端部から前記孔部の内部に挿入し、前記つば部を前記孔部の縁部に当接させることで、前記孔部の内径を小さくする内径調整部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカップ保持具。
【請求項5】
前記孔部の縁部に互いに対向させて配置され、円弧状に形成された凹部を有する一対の内径調整部を更に備え、
前記内径調整部は、回動によって、前記凹部を前記孔部の内側に配置する第1状態と、前記凹部を前記孔部の外側に配置する第2状態とに切り替え自在であり、
前記第1状態の前記内径調整部を、前記孔部の中心軸方向から視認した場合に、前記凹部の内面を通る円と、前記孔部とによって同心円が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカップ保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙カップ等を保持するカップ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱い飲み物が注がれた紙カップは持ちにくく、しかも運びにくいという問題点がある。このような問題点に対して、従来、特許文献1に記載された技術が提案されている。特許文献1には、台形で横長の用紙の一方の端に爪を設け、他端にこの爪を差し込む切込みを設け、使用する際に用紙を捲回して爪を切込みに差込んで円筒状にしてカップを保持する、というカップホルダについて記載されている。
【0003】
近年、コンビニエンスストア等で淹れ立てのコーヒーをカップに注いで販売するサービスが行われている。このようなコーヒーを持ち運ぶ際に、特許文献1のカップホルダを用いることにより、熱さを感じることなく持ち運ぶことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3152105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のカップホルダの場合、一方の手でカップホルダを持つことになるため、一方の手を使うことができなくなる。このため、例えば、リモコンキーを操作して駐車場にある車のロックを解除するとき、一方の手の指を使うことができないことから、他方の手の指でロック解除ボタンを操作することになる。
【0006】
しかし、コンビニエンスストアで他に買い物をして、他方の手で荷物を持っている場合には、両手の指が使えないことがあり得るため、ボタンを押すという簡単な操作でも容易に行えないという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような問題点に対して鑑みなされたものであり、飲み物を注いだカップを保持しつつ指を使うことが可能なカップ保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、次の構成を備えている。
【0009】
(1) 中央部にカップ体を挿入しかつ当該カップ体を保持可能な円形の孔部を有する板状の本体と、
当該本体に取り付けられる一対の把持手段と、を備え、
前記把持手段は、棒状に延びる使用者が把持可能な把持部と、当該把持部の端部から直角方向に棒状に延びる回動部と、前記回動部の先端部に形成され、前記本体に回転自在に支持される軸部と、を有し、
前記本体は、前記孔部の両側部に、前記一対の把持手段の前記軸部を支持する軸受け部を有し、
前記一対の把持部材の前記回動部の回動軸は互いに平行であり、
前記一対の把持部材の前記把持部は、前記一対の把持部材の前記回動部を互いに反対方向に回動させて、前記孔部の上部でかつ使用者が同時に把持可能な部位に位置付けられることを特徴とするカップ保持具。
【0010】
(1)の発明によれば、把持手段を回動させて、棒状の把持部を孔部の上部におくことにより、飲み物が注がれた紙カップ等を孔部に挿入して本体に保持させた後、2つの把持部を同時に指や手のひらに引っかけることが可能になる。これにより、飲み物を注いだカップを保持しつつ指を使うことが可能になり、指を用いた簡単な操作が可能になる。
【0011】
(2) (1)において、前記把持部材は、略U字形に形成された第1把持部材及び第2把持部材とからなり、
前記第1把持部材は、使用者が把持可能な第1把持部と当該第1把持部の両端部から直角方向に延びる第1回動部と、当該第1回動部の先端部から前記第1回動部に沿った方向に外側に延びる第1軸部と、を有し、
前記第2把持部材は、使用者が把持可能であり前記第1把持部よりも短い第2把持部と、当該第2把持部の両端部から垂直方向に延びる第2回動部と、当該第2回動部の先端部から前記第2回動部に沿った方向に内側に延びる第2軸部と、を有し、
前記本体は、
裏面側の前記孔部の両側部における一方の側部に配置され、前記第1軸部を回転自在に軸支する一対の第1軸受け部と、他方の側部に配置され、前記第2軸部を回転自在に軸支する一対の第2軸受け部と、を有し、
前記一対の第1軸受け部の内側近傍に形成され、前記第1回動部を回動させた場合に前記第1回動部の先端部がそれぞれ通過可能な第1切り欠き部と、前記一対の第2軸受け部の外側近傍に形成され、前記第2回動部を回動させた場合に前記回動部の先端部がそれぞれ通過可能な第2切り欠き部と、を有し、
前記第1把持部及び前記第2把持部は、前記本体の裏面に当接した状態から前記第1回動部及び第2回動部を回動させることによって表面側に移動可能であり、前記孔部の上部において使用者が同時に把持可能な部位に位置付けられることを特徴とするカップ保持具。
【0012】
(2)の発明によれば、第1把持部及び第2把持部が、本体の裏面に当接した状態に置くことが可能なため、使用しないときにはコンパクトな状態にしておくことが可能になる。使用するときには、第1回動部及び第2回動部を本体の表面側に回動が規制されるまで回動させることにより、飲み物が注がれた紙カップ等を保持した本体を、把持部を持って運ぶことが可能となる。この際、本体の軸受け部と切り欠き部に回動部が当接するため、本体が第1回動部及び第2回動部によって安定した状態で維持される。これにより、本体が揺れて飲み物がこぼれるようなことを低減することができる。
【0013】
(3) (1)において、前記本体は、矩形に形成されており、
前記把持部材は、前記回動部と前記把持部とによって前記本体における隣合う2つの側面にそれぞれ対向配置されるL字形に形成され、
前記一対の把持部材の前記軸受け部は、前記本体の側面の端部でかつ互いに点対称の位置に設けられ、
前記一対の把持部材は、前記回動部と前記把持部とが互いに対向するように、前記本体の側方に配置され、前記一対の把持部材の回動部がそれぞれ回動することによって、前記一対の把持部材の前記把持部が、前記孔部の上部において使用者が同時に把持可能な部位に位置付けられることを特徴とするカップ保持具。
【0014】
(3)の発明によれば、一対の把持部材が、本体の側面に当接した状態に置くことが可能なため、使用しないときにはコンパクトな状態にしておくことが可能になる。使用するときには、一対の把持部材の回動部を回動させて把持部を孔部の上部に配置することにより、飲み物が注がれた紙カップ等を保持した本体を、把持部を持って運ぶことが可能となる。
【0015】
(4) (1)~(3)において、前記孔部の内部に挿入される円筒部と、当該円筒部の一方の端部から、前記円筒部の中心軸に対して半径方向に延びるつば部と、を有し、前記円筒部の他方の端部から前記孔部の内部に挿入し、前記つば部を前記孔部の縁部に当接させることで、前記孔部の内径を小さくする内径調整部を更に備えることを特徴とするカップ保持具。
【0016】
(5) (1)~(3)において、前記孔部の縁部に互いに対向させて配置され、円弧状に形成された凹部を有する一対の内径調整部を更に備え、
前記内径調整部は、回動によって、前記凹部を前記孔部の内側に配置する第1状態と、前記凹部を前記孔部の外側に配置する第2状態とに切り替え自在であり、
前記第1状態の前記内径調整部を、前記孔部の中心軸方向から視認した場合に、前記凹部の内面を通る円と、前記孔部とによって同心円が形成されることを特徴とするカップ保持具。
【0017】
(4)、(5)の発明によれば、内径調整部を用いることにより孔部の内径を小さくすることが可能になるため、小さいサイズのカップでも持ち運ぶことが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、飲み物を注いだカップを保持しつつ指を使うことが可能なカップ保持具を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態におけるカップ保持具1の外観を示す斜視図である。
図2図1において内径調整部材30を取り外した状態を示す斜視図である。
図3図1において把持部材20を本体10に収納した状態を示す斜視図である。
図4図3の裏側を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態におけるカップ保持具2の外観を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態におけるカップ保持具2の孔部12の口径を切り替えた状態を示す斜視図である。
図7】本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の外観を示す斜視図である。
図8図7において把持部材20を本体10に収納した状態を示す斜視図である。
図9】本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の正面図・背面図である。
図10】本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の右側面図・左側面図である。
図11】本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の平面図である。
図12】本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のカップ保持具の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態におけるカップ保持具1の外観を示す斜視図である。図2は、図1において内径調整部材30を取り外した状態を示す斜視図である。図3は、図1において把持部材20を本体10に収納した状態を示す斜視図である。図4は、図3の裏側を示す斜視図である。
【0022】
カップ保持具1は、カップ100を保持する本体10と、把持部材20と、内径調整部材30と、を備えている。
【0023】
本体10は、矩形の板状部10aの周囲に壁部10bを形成してなる容器体であり、収納部11と、孔部12と、第1切り欠き部13、13と、第2切り欠き部14、14と、第1軸受け部15、15と、第2軸受け部16、16と、を備えている。なお、以下における説明の便宜上、矩形の板状部10aの長辺が延びる方向を前後方向、短辺が延びる方向を左右方向、板状部10aの板面に対して垂直な方向を上下方向と称することにする。特に、図1中のX1方向を左方向あるいは左側、X2方向を右方向あるいは右側、Y1方向を前方向あるいは前側、Y2方向を後方向あるいは後側、Z1方向を上方向あるいは上側、Z2方向を下方向あるいは下側と称することにする。
【0024】
収納部11は、図4に示すように、板状部10aの裏側において壁部10bに囲まれた領域からなり、把持部材20が収納される。
【0025】
孔部12は、カップ100の下部が挿入されてカップ100上部を保持する円形の貫通孔である。本実施形態において、孔部12の直径は、6.0cm程度に設定されている。このため、5オンス用の紙カップ(高さ7.3cm×口径6.6cm)までは保持可能であるが、7オンス用の紙カップ(高さ8.0cm×口径7.3cm)程度のものを保持させることが望ましい。収納部11における孔部12の縁部には壁部10cが形成されている。この壁部10cは、孔部12の左右方向の側部の一部領域に形成されていない。壁部10b及び壁部10cの上下幅は同じである。
【0026】
第1切り欠き部13、13は、板状部10aの一対の短辺部における一方の短辺部の両端部に形成され、壁部10bの端部を残すように、壁部10bから板状部10aの一部を後方に切り欠かれている。第1切り欠き部13、13の左右幅は、後述する把持部材20の第1回動部21bが遊挿可能な幅に設定されている。
【0027】
第2切り欠き部14、14は、収納部11における他方の短辺部の両端部に形成され、壁部10bから板状部10aの一部を短辺から前方に切り欠かれている。ここで、第2切り欠き部14、14は、他方の短辺における壁部10bの内面から第1切り欠き部13、13の左右幅分だけ内側の部位に形成されている。第2切り欠き部14、14の左右幅は、後述する把持部材20の第2回動部22bが遊挿可能な幅に設定されている。
【0028】
第1軸受け部15、15は、図4に示すように、第1切り欠き部13、13の側方に位置する壁部10bの端部に形成されており、左右方向に延びる円柱状の貫通孔と、この貫通孔の下部に形成され、貫通孔に連通する左右方向に延びるスリットと、によって構成されている。壁部における貫通孔の上部が薄肉であるため、壁部の端部は若干の弾性変形が可能である。
【0029】
第2軸受け部16、16は、収納部11における第2切り欠き部14、14の内側近傍に形成され、本体10の裏面から立設する一対の弾性片によって構成されている。一対の弾性片は対向配置されており、前後方向に弾性変形可能である。また、一対の弾性片の中央部は円弧状に湾曲しており、この湾曲部分が対向することにより、一対の弾性片の間に円柱状の空間が形成される。
【0030】
把持部材20は、第1把持部材21と第2把持部材22とからなる。
第1把持部材21は、棒状の第1把持部21aと、第1把持部21aの両端部から直角に延びる棒状の第1回動部21b、21bと、第1回動部21b、21bの先端部の外側の側面から直角に延びる円柱状の回転軸21c、21cと、を有する略U字状に形成された部材である。第1把持部21aの長さは、収納部11の内部の短辺の長さよりも若干短く、第1回動部21bの長さは、収納部11の内部の短辺の長さよりも若干短く設定されている。
【0031】
第2把持部材22は、棒状の第2把持部22aと、第2把持部22aの両端部から直角に延びる棒状の第2回動部22b、22bと、第2回動部22b、22bの先端部の内側の側面から直角に延びる円柱状の回転軸22c、22cと、を有する略U字状に形成された部材である。第2把持部22aの長さは、第1把持部材21の第1回動部21b、21bの間に収容できる程度に設定されており、第2回動部22b長さは、第1回動部21bの長さと同じに設定されている。
【0032】
第1把持部材21の回転軸21c、21cを第1軸受け部15、15のスリットに当接させて押し込むことにより、回転軸21c、21cは円柱状の貫通孔に嵌合する。これにより、回転軸21c、21cは、第1軸受け部15、15に回転自在に支持され、第1回動部21b、21bは、回転軸21c、21cを軸として回動自在になる。
【0033】
第2把持部材22の回転軸22c、22cを第2軸受け部16、16の一対の弾性片の間に押し込むことにより、回転軸22c、22cは、一対の弾性片の湾曲部分に挟持された状態で支持される。これにより、回転軸22c、22cは、第2軸受け部16、16に回転自在に支持され、第2回動部22b、22bは、回転軸22c、22cを軸として回動自在になる。
【0034】
第1把持部材21及び第2把持部材22は、図4に示すように、収納部11の内部に収納される。第1把持部材21の第1把持部21aは、第2軸受け部16、16と、第2軸受け部16、16の後方の壁部10bとの間に配置され、第1回動部21b、21bは、本体10の長辺から延びる壁部10b、10bの側方に配置される。また、第2把持部材22の第2把持部22aは、第1軸受け部15、15と、第1軸受け部15、15の前方の壁部10bとの間に配置され、第2回動部22b、22bは、第1回動部21b、21bの側方に並べて配置される。このとき、第2回動部22b、22bの中央部は、孔部12の左右方向に形成されている壁部10cがない領域に配置される。
【0035】
図1に戻って、内径調整部材30は、孔部12の内部に挿入される円筒部30aと、円筒部30aの一方の端部から、円筒部30aの中心軸に対して半径方向に延びるリング状の平板体からなるつば部30bと、から構成されている。本実施形態においては、円筒部30aの内径は5.0cm程度に設定されており、円筒部30aの他方の端部から孔部12の内部に挿入し、つば部30bの裏面を孔部12の縁部に当接させることで、内径調整部材30を本体10に取り付けることができる。本実施形態においては、内径調整部材30を本体10に取り付けることにより、孔部12の内径を小さくすることが可能になり、5オンス用の紙カップ(高さ7.3cm×口径6.6cm)を円筒部30a内に挿入した場合に、紙カップの上部を本体10の上面から突出させた状態で保持させることが可能になる。
【0036】
なお、壁部10cの壁面は、カップの斜面に沿うように、内側に傾斜する傾斜面として形成されてもよい。
【0037】
次に、カップ保持具1の使用方法について説明する。
使用者は、図4に示す収納状態から、第1把持部21a及び第2把持部22aを持って、第1把持部材21及び第2把持部材22を回動させ、第1把持部21a及び第2把持部22a本体10の表側に移動させる。そして、図1に示すように、第1把持部21aと第2把持部22aとを当接又は近接させる。このとき、第1把持部21a及び第2把持部22aは孔部12の上方に位置付けられ、使用者は、第1把持部材21及び第2把持部材22を同時に把持することが可能になる。更に、第1回動部21b、21bが第1切り欠き部13、13の端部に当接し、第2回動部22b、22bが第2切り欠き部14、14の端部に当接することにより、それ以上の第1回動部21b、21bの回動が規制される。
【0038】
そして、図1に示す使用状態に切り替えたのちに、カップ100を内径調整部材30によって口径が調整された孔部12に挿入することにより、使用者は、第1把持部材21及び第2把持部材22を同時に把持したり、指に引っかけるたりすることによってカップ100を持ち運ぶことが可能になる。
【0039】
このように構成された第1実施形態のカップ保持具1によれば、棒状部材からなる把持部材20を回動させて、第1把持部21a及び第2把持部22aを孔部12の上部に配置することにより、飲み物が注がれたカップ100を孔部12に挿入して本体10に保持させた後、第1把持部21a及び第2把持部22aを同時に一本の指や手のひらに引っかけることが可能になる。これにより、飲み物を注いだカップ100を持ち運びながら、持ち運びに使用する手の指を使うことが可能になる。これにより、例えば、片方の手でカップ保持具1を持ち、もう片方の手で重い荷物を持っている場合に、片手でカップ保持具1を持ち運びながら同時にリモコンキーを持ち、駐車場の車のロックを解除するために、リモコンキーのロック解除ボタンを押す、といった指を用いた簡単な操作が可能になる。
【0040】
また、第1把持部21a及び第2把持部22aを、本体の裏面に当接した状態に置くことによって、第1把持部材21及び第2把持部材22が収納部11に収納されるため、カップ保持具1を使用しないときにコンパクトな状態にすることが可能になる。このため、カップ保持具1の持ち運びが容易になる。また、カップ保持具1を使用するときには、本体10の裏面にある第1把持部材21及び第2把持部材22を表面側に回動させることにより、飲み物が注がれたカップ100を本体10に保持させて持ち運ぶことが可能となる。この際、第1回動部21b、21bが本体10の切り欠き部13、13の端部に当接し、第2回動部22b、22bが切り欠き部14、14の端部に当接するため、本体10が第1回動部21b、21b及び第2回動部22b、22bによって安定した状態で維持される。これにより、本体10が揺れてカップ100内の飲み物がこぼれるようなことを低減させることができる。
【0041】
[第2実施形態]
図5は本発明の第2実施形態におけるカップ保持具2の外観を示す斜視図である。図6は本発明の第2実施形態におけるカップ保持具2の孔部12の口径を切り替えた状態を示す斜視図である。
【0042】
図5に示す第2実施形態におけるカップ保持具2は、図1に示す第1実施形態におけるカップ保持具1に係る内径調整部材30の代わりに、内径調整部材31を設けたものである。なお、第2実施形態において、図1図4に示す第1実施形態における部材と同一の部材あるいは同一機能の部材については同一の符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
【0043】
内径調整部材31は、本体10における孔部12に対して前後方向に対向する縁部にそれぞれ取り付けられる。
【0044】
内径調整部材31は、長方形の長辺の一つを円弧状に形成した平板部31aと、平板部31aの円弧状の長辺から裏面側に直角方向に延出する壁面部31bと、平板部31aの裏面に長辺に沿って設けられ、壁面部31bに対向する略直方体形の膨出部31cと、を備えている。この膨出部31cは、平板部31aの裏面に形成され、壁面部31bに対して所定の間隔を空けて配置されている。膨出部31cにおける長辺方向に対向する両側面にそれぞれ円柱状の軸部(図示せず)が形成されており、この2つの軸部は同軸に配置されている。
【0045】
本体10には、内径調整部材31が収容される凹状の収容部10d、10dが形成されている。収容部10d、10dは、本体10の表面における孔部12に対して前後方向に対向する縁部に配置されている。収容部10dは段状に形成されており、孔部12から遠い部分が深く形成されている。この深い部分の左右方向の両側面に円柱状の孔部が形成されている。この両側面の孔部は同軸に配置されており、この軸は第1把持部材21及び第2把持部材22の回動軸に対して平行である。
【0046】
そして、収容部10dの両側面の孔部に、内径調整部材31の膨出部31cから延びる軸部を軸支させることにより、内径調整部材31が本体10に対して回動自在に取り付けられ、図5に示す内径調整部材31を下ろした状態と、図6に示す内径調整部材31を上げた状態とに切り替えることが可能になる。
【0047】
内径調整部材31を下ろした状態では、図5に示すように、内径調整部材31が収容部10dに適合して、内径調整部材31の表面と本体10の表面とが面一となり、壁面部31bが孔部12の内部に位置付けられる。この状態で内径調整部材31、31を、孔部12の中心軸に沿って上方から視認した場合に、凹状の壁面部31bの壁面を通る円と、孔部12とによって同心円が形成されるように視認される。第2実施形態においては、壁面部31bの壁面の曲率が半径2.5cmに設定されている。このため、内径調整部材31、31の壁面部31b、31bが互いに対向して、口径5.0cmの円筒の一部が形成される。これにより、第2実施形態においては、第1実施形態において孔部12に内径調整部材30を取り付けた場合と同様に、5オンス用の紙カップ(高さ7.3cm×口径6.6cm)を壁面部31b、31bによって形成された円筒内に挿入した場合に、紙カップの上部を本体10の上面から突出させた状態で保持させることが可能になる。
【0048】
内径調整部材31を上げた状態では、図6に示すように、内径調整部材31が90度回動して、壁面部31bが孔部12の外部に位置付けられる。このため、第1実施形態と同様に、5オンス用の紙カップ(高さ7.3cm×口径6.6cm)よりも大きいサイズの紙カップが保持可能になる。
【0049】
このように構成された第2実施形態によれば、孔部12の内径を調節する機能を本体10に設けたことにより、第1実施形態のように内径調整部材30を別部材として用意する必要がなくなる。
【0050】
なお、壁面部31b、31bの壁面は、カップの斜面に沿うように、内側に傾斜する傾斜面として形成されてもよい。
【0051】
[第3実施形態]
図7は本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の外観を示す斜視図である。図8は本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の把持部材20を本体10に収納した状態を示す斜視図である。図9は本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の正面図・背面図である。図10は本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の右側面図・左側面図である。図11は本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の平面図である。図12は本発明の第3実施形態におけるカップ保持具3の底面図である。なお、第3実施形態において、図1図4に示す第1実施形態における部材と同一の部材あるいは同一機能の部材については同一の符号を付すことで、詳細な説明は省略する。
【0052】
カップ保持具3は、カップ100を保持する本体10と、棒状部材からなる把持部材20と、を備えている。
【0053】
本体10は、厚さが把持部材20の太さ程度の正方形の板状部材に対して、段差部17、17と、欠落部18、18を形成したものであり、更に、中央部に孔部12を形成したものである。
【0054】
段差部17、17は、前後方向に延びる互いに対向する2辺に形成され、表面側から下方に向かって1段下がる段差を有している。段差部17は、一端から他端の手前まで延びている。段差部17の上下幅は把持部材20の太さの半分であり、段差部17の左右幅は把持部材20の太さと同じである。
【0055】
欠落部18、18は、左右方向に延びる互いに対向する2辺の一部を切り欠くことによって形成されている。欠落部18は、一端側に段差部17が形成されていない角部(図中Aに示す部位)の一部を残して、他端まで棒状に切り欠かれている。欠落部18、18の前後幅は把持部材20の太さと同じである。
【0056】
段差部17、17及び欠落部18、18が形成される正方形の板状部材の4つの角部を隣合う順に第1角部、第2角部、第3角部、第4角部とした場合、第1角部の角から第2角部の手前まで段差部17が形成されている。また、第2角部の角から把持部材20の太さの長さ分だけ第3角部寄りの部位から、第3角部の角まで欠落部18が形成されている。第3角部の角から第4角部の手前まで段差部17が形成されている。また、第3角部の角から把持部材20の太さの長さ分だけ第4角部寄りの部位から、第1角部の角まで欠落部18が形成されている。本体10を上面視した場合に、正方形の中心と孔部12の中心が一致しており、段差部17、17及び欠落部18、18は、孔部12の中心に対して点対称の位置にある。
【0057】
また、本体10において欠落部18、18に形成されている左右方向に延びる側面における、第2角部及び第4角部の近傍に円柱状の孔部(図示せず)が形成されている。
【0058】
把持部材20は、L字形に形成されており、把持部23と、この把持部23の基端部から直角に延びる回動部24と、を備えている。把持部23の太さは回動部24の半分であり、把持部材20を回動部24の軸方向に沿って視認した場合、把持部23の下部が欠落している。把持部23におけるL字の内側の長さは、段差部17の長さと同じである。回動部24におけるL字の内側の長さは、欠落部18の長さと同じである。
【0059】
また、回動部24の先端部の側部から、把持部23と同じ方向に延びる円柱状の軸部(図示せず)が形成されている。
【0060】
そして、本体10には、2つの把持部材20が取り付けられ、段差部17が形成されていない角部(第2角部及び第4角部)の近傍に位置するに円柱状の孔部(図示せず)に、回動部24に形成されている円柱状の軸部を挿入して軸支させる。これにより、把持部材20が本体10に回動自在に配置され、2つの把持部材20がそれぞれ本体10を両側から片持ち支持する。
【0061】
2つの把持部材20を下方に回動させると、図8に示すように、把持部23、23及び回動部24、24は本体10の側方に配置される。具体的には、段差部17、17の上に把持部23が載置され、欠落部18、18に回動部24、24が配置される。これにより、カップ保持具3は、正方形形状にコンパクト化される。
【0062】
図8に示す状態から、カップ保持具3を飲料が注がれたカップの持ち運びに利用する場合には、回動部24、24を回動させて、図7に示すように、把持部23、23を孔部12の上方に移動させる。そして、カップを孔部12に挿入して本体10に保持させ、使用者が把持部23、23を同時に持つことにより、飲料が注がれたカップの持ち運びが可能になる。
【0063】
このように構成された第3実施形態によれば、一対の把持部材20、20が、本体10の側面に当接した状態に置くことが可能なため、使用しないときにはコンパクトな状態にしておくことが可能になる。使用するときには、回動部24、24を回動させることにより、飲み物が注がれた紙カップ等を保持した本体10を、把持部23、23を持って運ぶことが可能となる。
【0064】
なお、第3実施形態におけるカップ保持具3の孔部12に、上述した内径調整部材30を取り付けたり、本体10に内径調整部材31を取り付けたりしてもよいことは言うまでもない。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、本体10に形成された孔部12は1つであるが、2つや4つ等複数であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3 カップ保持具
10 本体
10a 板状部
10b、10c 壁部
10d 収容部
11 収納部
12 孔部
13、14 切り欠き部
15 第1軸受け部
16 第2軸受け部
17 段差部
18 欠落部
20 把持部材
21 第1把持部材
21a 第1把持部
21b 第1回動部
21c 回転軸
22 第2把持部材
22a 第2把持部
22b 第2回動部
22c 回転軸
23 把持部
24 回動部
30 内径調整部材
30a 円筒部
30b つば部
31 内径調整部材
31a 平板部
31b 壁面部
31c 膨出部
100 カップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12