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  • 特開-破断開封包装体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019229
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】破断開封包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/62 20060101AFI20230202BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
B65D75/62 A
B65D75/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021123779
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】599132384
【氏名又は名称】株式会社中川
(71)【出願人】
【識別番号】521333759
【氏名又は名称】村上 義幸
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】中川 光弘
(72)【発明者】
【氏名】村上 義幸
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA04
3E067AB01
3E067AB81
3E067BA15A
3E067BB14A
3E067BB15A
3E067BB25A
3E067CA16
3E067EA01
3E067EA32
3E067EA35
3E067EB05
3E067EB06
3E067EB22
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】低粘性の液状の内容物を周囲に飛散させることなく、円滑に取り出すことができる破断開封包装体を提供すること。
【解決手段】硬質シートからなる平板部材1と、軟質フィルムからなる可撓部材2との間に、内容物Lを収容する収容部3を形成し、平板部材1に破断開封部4を形成するようにし、収容部3に収容された内容物Lを、平板部材1を折り曲げて、平板部材1の破断開封された破断開封部4から押し出すようにして使用するもので、破断開封部4が、180°対称の位置に非連続部40a、40bを有して対向する半円部41a、41bと、それぞれの半円部41a、41bの一方の180°対称の端部位置から周縁に向けて延びる直線部42a、42bとからなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質シートからなる平板部材と、軟質フィルムからなる可撓部材との間に、内容物を収容する収容部を形成し、平板部材に破断開封部を形成するようにし、収容部に収容された内容物を、平板部材を折り曲げて、平板部材の破断開封された破断開封部から押し出すようにして使用する破断開封包装体において、前記破断開封部が、180°対称の位置に非連続部を有して対向する半円部と、それぞれの半円部の一方の180°対称の端部位置から周縁に向けて延びる直線部とからなることを特徴とする破断開封包装体。
【請求項2】
前記硬質シートからなる平板部材が、収容部側から、低密度ポリエチレンフィルム、変性ポリスチレンシート、ポリスチレンフィルムを、その順に積層したシートからなり、該シートの収容部側の低密度ポリエチレンフィルムから変性ポリスチレンシートに至る切目からなる破断開封部が形成され、軟質フィルムからなる可撓部材が、ナイロン/ポリエチレンフィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の破断開封包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、医薬品、化粧品、食品等において、液状の内容物を個包装する破断開封包装体に関し、さらに詳しくは、低粘性の液状の内容物を周囲に飛散させることなく、円滑に取り出すことができる破断開封包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品、化粧品、食品等において、液状等の内容物を個包装する破断開封包装体としては、様々なものが多数提案され、実用化されている(例えば、特許文献1~2参照。)。
【0003】
これら従来の破断開封包装体は、硬質シートからなる平板部材と、軟質フィルムからなる可撓部材との間に、内容物を収容する収容部を形成し、平板部材に破断開封部を形成するようにし、収容部に収容された内容物を、平板部材を折り曲げて、平板部材の破断開封された破断開封部から押し出すようにして使用するようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-198601号公報
【特許文献2】特表2017-514768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の破断開封包装体に低粘性の液状の内容物を収容し、平板部材を折り曲げた場合、平板部材の破断開封された破断開封部から低粘性の液状の内容物が周囲に飛散するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の破断開封包装体の有する問題点に鑑み、低粘性の液状の内容物を周囲に飛散させることなく、円滑に取り出すことができる破断開封包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の破断開封包装体は、硬質シートからなる平板部材と、軟質フィルムからなる可撓部材との間に、内容物を収容する収容部を形成し、平板部材に破断開封部を形成するようにし、収容部に収容された内容物を、平板部材を折り曲げて、平板部材の破断開封された破断開封部から押し出すようにして使用する破断開封包装体において、前記破断開封部が、180°対称の位置に非連続部を有して対向する半円部と、それぞれの半円部の一方の180°対称の端部位置から周縁に向けて延びる直線部とからなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記硬質シートからなる平板部材が、収容部側から、低密度ポリエチレンフィルム、変性ポリスチレンシート、ポリスチレンフィルムを、その順に積層したシートからなり、該シートの収容部側の低密度ポリエチレンフィルムから変性ポリスチレンシートに至る切目からなる破断開封部が形成され、軟質フィルムからなる可撓部材が、ナイロン/ポリエチレンフィルムからなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の破断開封包装体によれば、破断開封部が、180°対称の位置に非連続部を有
して対向する半円部と、それぞれの半円部の一方の180°対称の端部位置から周縁に向けて延びる直線部とからなるため、低粘性の液状の内容物を周囲に飛散させることなく、円滑に取り出すことができる。
【0010】
また、硬質シートからなる平板部材が、収容部側から、低密度ポリエチレンフィルム、変性ポリスチレンシート、ポリスチレンフィルムを、その順に積層したシートからなり、該シートの収容部側の低密度ポリエチレンフィルムから変性ポリスチレンシートに至る切目からなる破断開封部が形成され、軟質フィルムからなる可撓部材が、ナイロン/ポリエチレンフィルムからなるようにすることにより、酸性、中性、アルカリ性のいずれの内容物に対しても耐性を備えたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の破断開封包装体の一実施例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX-X断面図、(c)は(b)のC部の拡大断面図、(d)は(b)のD部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の破断開封包装体の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に、本発明の破断開封包装体の一実施例を示す。
この破断開封包装体は、硬質シートからなる平板部材1と、軟質フィルムからなる可撓部材2との間に、内容物Lを収容する収容部3を形成し、平板部材1に破断開封部4を形成するようにし、収容部3に収容された内容物Lを、平板部材1を折り曲げて、平板部材1の破断開封された破断開封部4から押し出すようにして使用するものでる。
本明細書において、「シート」とは、200~2000μmの厚みのものを、「フィルム」とは、10~100μmの厚みのものを意味する。
【0014】
この場合において、硬質シートからなる平板部材1は、収容部3側から、低密度ポリエチレンフィルム11、変性ポリスチレンシート12、ポリスチレンフィルム13を、その順に積層したシートからなる。
【0015】
そして、平板部材1は、シートの収容部3側の低密度ポリエチレンフィルム11から変性ポリスチレンシート12に至る切目からなる破断開封部4が形成されている。
【0016】
ここで、破断開封部4は、トムソン刃を用いた加工方法により形成することができる。
破断開封部4の切目は、破断開封部4の破断開封のしやすさと破断開封包装体の取り扱い時の破損を防止する観点から、変性ポリスチレンシート12の厚みの50%以上、好ましくは、70~100%、より好ましくは、80~90%に達するように形成するようにする。
また、破断開封部4は、180°対称の位置に非連続部40a、40bを有して対向する半円部41a、41bと、それぞれの半円部41a、41bの一方の180°対称の端部位置から周縁に向けて延びる直線部42a、42bとからなるようにしている。
非連続部40a、40bは、長さ0.5~2mm程度、半円部41a、41bは、直径3~5mm程度、直線部42a、42bは、平板部材1を折り曲げることで破断開封部4を破断開封でき、かつ、後述のヒートシール5にかからない長さに形成するようにしている。この直線部42a、42bは、連続した切目とするほか、半切り刃(ミシン目形状の刃)を用いて、断続した切目とすることができる。
これにより、平板部材1を折り曲げることで破断開封部4を破断開封したときに、半円部41a、41bで囲まれた部位がデフレクタとなって圧力が加わった内容物Lの放出方向が2方向に偏向され、低粘性の液状の内容物Lの場合でも、内容物Lを周囲に飛散させ
ることなく、円滑に取り出すことができる。
【0017】
また、軟質フィルムからなる可撓部材2は、ナイロン/ポリエチレンフィルムからなる。
ここで、ナイロン/ポリエチレンフィルムのポリエチレン側が収容部3側に位置するようにして、平板部材1と、周縁を2~5mm程度の幅でヒートシール5することで収容部3を形成するようにしている。
【0018】
収容部3に収容する内容物Lは、医薬品、化粧品、食品等の各種液状物質とすることができる。
この液状物質は、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよく、この破断開封包装体は、内容物Lに対して耐性を備えている。
【実施例0019】
以下、この破断開封包装体のより具体的な実施例について説明する。
[破断開封包装体]
・破断開封包装体の寸法:70mm×50mm
[平板部材1(収容部3側から)]
・低密度ポリエチレンフィルム11:LLDPE(片面コロナ処理) 厚さ30μm
・変性ポリスチレンシート12:HIPS(両面コロナ処理) 厚さ350μm
・ポリスチレンフィルム13:PS(片面コロナ処理) 厚さ20μm
[可撓部材2]
・ナイロン/ポリエチレンフィルム:ONY 厚さ15μm/PE 厚さ40μm
[収容部3(内容物L)]
・容量:2ml(2g)
・内容物L:殺菌・除菌液(エチルアルコール、水酸化カルシウム系殺菌・除菌液)
[破断開封部4]
・破断開封部4の切目:変性ポリスチレンシート12の厚みの85%に達するように形成・非連続部40a、40b:長さ1mm
・半円部41a、41b:直径4mm
・直線部42a、42b:長さ18mm
[ヒートシール5]
・ヒートシール5:幅3mm
【0020】
以上、本発明の破断開封包装体について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の破断開封包装体は、低粘性の液状の内容物を周囲に飛散させることなく、円滑に取り出すことができる特性を有していることから、収容部に収容された医薬品、化粧品、食品等の低粘性の液状の内容物を、平板部材を折り曲げて、平板部材の破断開封された破断開封部から押し出すようにして使用する破断開封包装体の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0022】
1 平板部材
2 可撓部材
L 内容物
3 収容部
4 破断開封部
40a 非連続部
40b 非連続部
41a 半円部
41b 半円部
42a 直線部
42b 直線部
5 ヒートシール
図1