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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001936
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】ファスナー面係止ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
A47G29/00 R
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102842
(22)【出願日】2021-06-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】300089817
【氏名又は名称】那須 正和
(72)【発明者】
【氏名】那須正和
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA17
3K100AC06
3K100AD05
3K100AE01
3K100AF05
3K100AH03
3K100AH09
3K100AH16
3K100AJ02
3K100AJ03
3K100AJ07
3K100AJ09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】係止、保持、収納位置、数量、サイズを自由に調整でき、壁への穴等の損傷や汚れを最小限にすることが可能な自由度の高い係止、保持、収納構造物を提供する。
【解決手段】ファスナー面係止ユニット2は、可撓性シート部材10と、可撓性シート部材10の面に設けられたファスナーから成り、ファスナーは、二つのテープ9を備え、それぞれのテープ9に設けられたエレメント70をスライドして移動するスライダー71が移動することによって、エレメント70が互いに係合して脱着可能であり、可撓性シート部材10の略平面に、二つのテープ9がそれぞれ可撓性シート部材10に係止して設けられることによって、ファスナーの幅の二倍より広くは前記ファスナーは開口せず、スライダー71は、アイテム吊設部を備え、可撓性シート部材10は、シート係止部126を備え、様々な設置アイテム18をスライダー71にて単独で、保持可能である構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナー面係止ユニット(2)であり、前記ファスナー面係止ユニット(2)は、可撓性を有するシート部材である可撓性シート部材(10)と、該可撓性シート部材(10)の面に設けられたファスナーから成り、前記ファスナーは、エレメント(70)と複数のスライダー(71)とテープ(9)からなり、
前記ファスナーは、二つのテープ(9)と、それぞれの前記テープ(9)に設けられたエレメント(70)をスライドして移動するスライダー(71)が移動することによって、前記エレメント(70)が互いに係合して脱着可能であり、
前記エレメント(70)をテープ(9)の端部に1列に設け、
前記スライダー(71)を、前記エレメント(70)から抜けないように、スライド可能に設け、
それぞれの前記二つのテープ(9)の端部に並んで1列に設けられた前記エレメント(70)と、複数の前記スライダー(71)を1つのセットとして構成され、
前記可撓性シート部材(10)の略平面に、前記二つのテープ(9)がそれぞれ前記可撓性シート部材(10)に係止して設けられることによって、前記ファスナーの幅の二倍より広くは前記ファスナーは開口せず、
前記スライダー(71)は、アイテム吊設部を備え、前記アイテム吊設部に、設置アイテム(18)または保持部材(19)を係止可能であり、
前記可撓性シート部材(10)は、シート係止部(126)を備え、該シート係止部(126)によって、
壁や支持材に設置可能であり、様々な設置アイテム(18)を前記スライダー(71)にて単独で、保持可能であることを特徴とするファスナー面係止ユニット(2)。
【請求項2】
前記ファスナー面係止ユニット(2)が、複数の可撓性シート部材(10)から成り、可撓性シート部材(10)に設けられたファスナーの一部または全部が、他の可撓性シート部材(10)に覆われていることを特徴とする請求項1に記載のファスナー面係止ユニット(2)。
【請求項3】
前記ファスナー面係止ユニット(2)が、複数の可撓性シート部材(10)から成り、前記複数の可撓性シート部材(10)が、互いに着脱可能に係止して設けられることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載のファスナー面係止ユニット(2)。
【請求項4】
前記複数の可撓性シート部材(10)が、互いに着脱可能に係止して設けられる構成において、前記着脱可能な係止部が、面係止部であり、前記面係止部は、互いの面にて、着脱可能に係止可能な構成であることを特徴とする請求項3に記載のファスナー面係止ユニット(2)。
【請求項5】
前記シート係止部(126)が、前記可撓性シート部材(10)の少なくとも3以上の角部に設けられ、前記可撓性シート部材(10)のスライダー(71)を備えた面を略地側である下方向に向けて設置可能であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のファスナー面係止ユニット(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物の係止、保持、収納についての自由度の高い保持、係止構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物の壁面への係止や保持、収納には、壁に吊り具をねじ止めや画鋲やリベット等で留めて、必要な係止具や保持具や収納具を設置するのが一般的である。
また、突っ張り棒などを利用して、壁際にそうした係止具や保持具を取り付けるという方法も存在する。
また、壁に係止具や保持具を備えたレールをネジ等で設置して、レール上で移動可能な保持具として、ちょっとした絵などを掲示する方法も存在する。
【0003】
また、壁等への損傷を気にせず、自由な場所に係止や保持、収納できるような自由度の高い係止、保持構造は、本願発明者による特許文献3の構成が存在するが、更なる改善点もあり、より自由度が高く、容易で、コスト的にもメリットの高い移動式の係止構造が求められている。
【0004】
また、看板等の案内表示物においても、木製や金属製といった平坦な表面に社名や広告等を表示する方法があり、また、壁等に係止具を設置してシート状の看板を設けるような方法も存在する。しかし、更に看板のサイズや数等の変更が容易で、自由度の高い案内表示が可能な係止構造技術が求められている。
【0005】
このような現状に鑑み、本発明者以外にも従来から種々の技術が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、発明の名称を「壁面取付具」とする技術が開示され、公知技術となっている(特許文献1参照)。
具体的には、パネル上部に取り付ける左右調整具と下部に取り付ける上下調整具とからなり、左右調整具は水平方向に突出するア-ムからなり、該ア-ムは前記保持部内部を左右方向に移動可能に挿通され先端部にパネルを引っ掛けるためのフックが設けられた構成からなる、パネルの取付具であるが、看板のサイズや数等の変更が容易で、自由度の高い案内表示が可能とする係止をするという課題を解決するものではない。
【0007】
また、特許文献2には、発明の名称を「移動式係止構造」とする技術が本願発明者によって提案されており、特許取得済みである(特許文献2参照)。係る提案内容においては、スライダーを二つ一組で係止ペアとして係るファスナーの開閉を抑制する構成であるが、係る構成だと、スライダーを二つ単位で必要であったり、コスト面や使用シーンがやや狭くなる等の課題が残るものである。
また、係る発明の提案者である本願発明者は、更により広く、深い応用、活用範囲、また、よりシンプルあるいは多彩な部材、構造、及び、より発展的な部材、構造、より低いコストと利便性について、その製造方法や構成を開発するといった課題も追及すべきといえる。
【0008】
また、特許文献3には、発明の名称を「歯状移動式係止構造と収納ユニットとその製造方法」とする技術が本願発明者によって提案されており、特許取得済みである(特許文献3参照)。係る提案内容においては、特別なテープを製作する必要があったり、2つのテープを合わせて係止する製造時の作業性、使用時の自由度の広さ等について、コスト面や使用シーンにおいて、より広い、あるいは別の使用シーンにより適した構成が求められているものである。
また、係る発明の提案者である本願発明者は、更により広く、深い応用、活用範囲、また、よりシンプルあるいは多彩な部材、構造、及び、より発展的な部材、構造、より低いコストと利便性について、その製造方法や構成を開発するといった課題も追及すべきといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005-95517号
【特許文献2】特許第6343087号
【特許文献3】特開2019-208724号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
係止、保持、収納位置、数量、サイズを自由に調整でき、壁への穴等の損傷や汚れを最小限にすることが可能な自由度の高い係止、保持、収納構造物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明においては、
ファスナー面係止ユニット(2)であり、前記ファスナー面係止ユニット(2)は、可撓性を有するシート部材である可撓性シート部材(10)と、該可撓性シート部材(10)の面に設けられたファスナーから成り、前記ファスナーは、エレメント(70)と複数のスライダー(71)とテープ(9)からなり、
前記ファスナーは、二つのテープと、それぞれの前記テープに設けられたエレメントをスライドして移動するスライダーが移動することによって、前記エレメントが互いに係合して脱着可能であり、
前記エレメントをテープ(9)の端部に1列に設け、前記エレメントは、抜防止部(6)を備え、
前記スライダー(71)を、前記エレメント(70)に、前記抜防止部(6)と跨ぎ掛部(7)にて抜けないように、スライド可能に設け、
前記抜防止部(6)は、前記スライダーに跨いで設けられた、前記スライダー(71)の抜け防止機能を備えた部分であり、
それぞれの前記テープ(9)の端部に並んで1列に設けられた前記エレメント(70)と、複数の前記スライダー(71)を1つのセットとして構成され、
前記可撓性シート部材(10)の略平面に、前記二つのテープ(9)がそれぞれ前記可撓性シート部材(10)に係止して設けられることによって、前記ファスナーの幅の二倍より広くは前記ファスナーは開口せず、
前記スライダーは、アイテム吊設部を備え、前記アイテム吊設部に、設置アイテムを係止可能であり、
前記可撓性シート部材(10)は、シート係止部(126)を備え、該シート係止部(126)によって、
壁や支持材に設置可能であり、様々な設置アイテム(18)を前記スライダー(71)にて単独で、保持可能である構成を採用する。
【0012】
また、本発明においては、前記シート係止部(126)が、前記可撓性シート部材(10)の少なくとも3以上の角部に設けられ、前記可撓性シート部材(10)のスライダを備えた面を地側に下向きに設置可能である構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明においては、前記ファスナー面係止ユニット(2)が、複数の可撓性シート部材(10)から成り、可撓性シート部材(10)に設けられたファスナーの一部または全部が、他の可撓性シート部材(10)に覆われている構成を採用することもできる。
【0014】
また、本発明においては、前記ファスナー面係止ユニット(2)が、複数の可撓性シート部材(10)から成り、前記複数の可撓性シート部材(10)が、互いに着脱可能に係止して設けられている構成を採用することもできる。
【0015】
また、本発明においては、前記複数の可撓性シート部材(10)が、互いに着脱可能に係止して設けられる構成において、前記着脱可能な係止部が、面係止部であり、前記面係止部は、互いの面にて、着脱可能に係止可能な構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、係止、保持、収納位置が自由であり、製造コストの低減という優れた効果を発揮する。
【0017】
また、本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、素材が可撓性を有する素材で構成されていることから、多様な物品の形状に対応して係止、保持、収納できるという優れた効果を発揮するものである。
【0018】
また、本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、壁に穴等の損傷をより少なく、且つ、汚れ無く係止、保持、収納できるという優れた効果を発揮する。
【0019】
また、本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、省スペースな収納が可能であるという優れた効果を発揮する。
【0020】
また、本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、自由度の高い案内表示の掲示が可能であるという優れた効果を発揮する。
【0021】
また、本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、自由度の高い収納が可能であるという優れた効果を発揮する。
【0022】
また、本発明に係るファスナー面係止ユニットによれば、素材の略すべてが可撓性を有する素材で構成されていることから、多様な物品の形状に対応して装着できるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る基本構成を説明する構成説明図
図2】本発明に係るファスナー面係止ユニットを、天に地方向に向けて設けた構成の説明図
図3】本発明に係るファスナー面係止ユニットを、天に地方向に向けて設けた構成の応用例の説明図
図4】本発明に係るファスナー面係止ユニットを、天に地方向に向けて設けた構成の応用例の説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係るファスナー面係止ユニット2は、可撓性を有するシート部材である可撓性シート部材10と、該可撓性シート部材10の面に設けられたファスナーから成り、係るファスナーは、エレメント70と複数のスライダー71とテープ9からなり、
係るファスナーは、二つのテープ9と、それぞれの係るテープ9に設けられたエレメント70をスライドして移動するスライダー71が移動することによって、係るエレメント70が互いに係合して脱着可能であることによって、開閉可能であり、
それぞれの係るテープ9の端部に並んで1列に設けられた係るエレメント70と、複数の係るスライダー71を1つのセットとして構成され、
係る可撓性シート部材10の略平面に、係る二つのテープ9がそれぞれ係る可撓性シート部材10に係止して設けられることによって、係るファスナーを構成する二つのテープ9の端から端までの幅の二倍より広くは前記ファスナーは開口せず、自由度が高く、係止、保持可能である構造を備えて、スペースを取らない収納に大きな効果を備えたことを最大の特徴とするものである。
【0025】
以下、図面に基づいて本発明について説明する。但し、各図面に示した形状や配置構成等についてはあくまでも例示であり、本願発明の特徴的な効果が発揮される範囲において変更することを可能であり、また、それぞれの図の例示の構成は、それぞれお互いの図面の構成の例において、応用可能とする。
また、図の説明中のファスナーは、スライダー71のスライドによって開閉可能なスライドファスナーを指す。
【0026】
図1は、本発明に係るファスナー面係止ユニット2の基本的な構成の例を示している。
【0027】
図1(a)の構成の例は、エレメント70と、2つのスライダー71が示されており、テープ9と可撓性シート部材10からなる構成の例の、図1(d)に示される係るファスナーと可撓性シート部材10の正面からの部分拡大図であり、図1(b)は係る構成の例と略同等の構成の例の側断面図であり、図1(c)は、係る構成の例の側断面図において、2つの可撓性シート部材10が係止して設けられた構成の例であり、図1(d)が、係る構成の例の正面図である。
【0028】
図1(a)の部分拡大図は、係るファスナーを構成する二本のテープ9を係る可撓性シート部材10に係止部であるテープ係止部127にて係止して設けられている構成の例である。
尚、係るテープ係止部127は、九十九折線で示された部分である。
係るファスナーを構成するスライダー71には、図1(d)の構成の例に示される様に、設置アイテム18を係止して吊設して用いられる構成の例を示しており、係るファスナーを構成する二本のテープ9が、それぞれ係る可撓性シート部材10に係止されている構成とすることによって、係るファスナーは開かず、図1(d)の構成の例に示される様に、係るファスナー面係止ユニット2を形成するスライダー71を移動しても、係るファスナーが開かず、係る設置アイテム18の吊設場所を自由に設定することが可能な構成の例であり、有用である。
【0029】
つまり、図1(d)の構成の例に示される様に、係る設置アイテム18のサイズが、大きく、係るファスナーが多段に設けられている場合は、上から吊設されている設置アイテム18が下の段のスライダー71を覆ってしまい、係る下の段のスライダー71に設置アイテム18を係止して着脱し難い構成となるので、係るスライダー71を移動して、係るスライダー71に設置アイテム18を係止し易くした構成の例であり、図1(d)においては、3段に設けられたファスナーにそれぞれ6個づつのスライダー71が設けられており、最上段のスライダー71には、5つの設置アイテム18が吊設されており、係る設置アイテム18の内、一番右と右から3番目の設置アイテム18は、2段目あるいは3段目のファスナーに係る位大きい為、係る2段目あるいは、3段目のスライダー71を係る1段目に設けられた設置アイテム18にかからない様にスライドして移動し、設置アイテム18を吊設した構成の例である。
尚、図1(d)の一番上のファスナーの、左から2番目のスライダーには、保持部材19としてS字フックを備えた構成となっており、係る保持部材19であるS字フックに、容易にキーホルダーや、帽子等、その他様々な設置アイテム18を吊設可能な構成となっている。
また、係る可撓性シート部材10の上部には、3つのシート係止部126として、穴が設けられている構成の例である。
【0030】
また、係るスライダー71には係る設置アイテム18を係止して保持可能な保持部材19を備えた構成としても良く、係る保持部材19を備えることによって、様々な設置アイテム18を係止して吊設可能な構成となり有用である。
設置アイテム18は、係止部材または保持部材19を介して係るスライダー71に設置されるアイテムであり、例えばポケットや、袋、籠、網等の収納構造物30でも良いし、収納あるいは保持される収納物である、例えば、帽子や衣類、キーホルダー、ハサミ等の文房具や小物、タオル、ホワイトボード等の物品でもよく、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
また、保持部材19は、様々な設置アイテム18に合わせた形態、構造で良く、紐、面ファスナー、ボルトナット、磁石、リング、フック、筒状部材、針金、鎖、粘着テープ9、ゴム、棒、ベルト等、その他その形態を本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0031】
図1(c)の構成の例は、2枚の可撓性シート部材10が係止して設けられた構成の例である。
係る2枚の可撓性シート部材10は、上からと下からの可撓性シート部材10が互いに係止して設けられており、下側の可撓性シート部材10の上端に、係るファスナーの2枚のテープ9がそれぞれ別個に係る下側の可撓性シート部材10に係止して設けられた構成の例であり、係る上側の可撓性シート部材10が、係る下側の上端に設けられたファスナーを覆う様にして下側の可撓性シート部材10と係止して設けられた構成の例である。
係る構成とすることによって、係る下側の可撓性シート部材10の略上端に設けられたファスナーの一部または全部を上側の可撓性シート部材10で隠すことが可能となり、意匠的に有用な構成である。
尚、係る可撓性シート部材10は、2枚以上を係止する構成としても良いし、また、係るファスナーは、1枚の可撓性シート部材10に対して、複数段備える構成としても良い。
尚、図1(c)において、2枚の可撓性シート部材10が互いに係止されている係止部は、7つある九十九折線の内、上から3番目の九十九折線が示している部分である。
【0032】
また、係る上側と下側の可撓性シート部材10の係止部は、例えば、面ファスナーにて着脱可能に係止可能な構成としても良く、係る着脱可能に係止する構成は、面ファスナーでも良いし、ホックでも良いし、マグネットでも良いし、フックでも良いし、自己吸着シートでも良く、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しないが、面係止部である面ファスナーあるいはマグネットシートあるいは自己吸着シートで着脱可能に係止することによって、係る係止部の略全体に渡って係止される構成であるので、例えば、係る係止部がフックで係止する構成であると、係るフックとフックとの間が係止されていない部分となるので、重量で、係る係止されていない部分が垂れ下がって広がってしまう可能性もあり、意匠的に好ましくない場合もあるが、面係止部であることによって、そうした好ましくない状況にならず、意匠的にも、強度的にも有用な構成である。
また、前記面係止部は、面同士で着脱可能に係止可能な構造であり、面ファスナーあるいはマグネットシートあるいは自己吸着シートであり、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状あるいは寸法の範囲内で変更することができるものである。
また、自己吸着シートは、被着体に対して、素材自体が吸着し、粘着剤や糊を使用せずに貼り付けが可能なシートであり、微細な吸盤による吸着、ジェル状による吸着でも良く、その他本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状あるいは寸法の範囲内で変更することができるものである。
この様に、上側と下側の可撓性シート部材10を着脱可能に係止可能な構成とすることによって、係るファスナー面係止ユニット2のサイズを、使用者の必要に応じて変更可能であり、また、違った色やデザインの可撓性シート部材10を組み合わせることも可能で、また、吊設して収納する設置アイテムに合わせて、高さの違う可撓性シート部材10を組み合わせることも可能であり、つまり、例えば最下段には、鍵や小物等を吊設する為に高さの低い可撓性シート部材10を着脱可能に係止し、2段目には、帽子等を吊設する為に、それに合わせた高さの可撓性シート部材10を着脱可能に係止し、一番上には、バッグ等を吊設するのに合わせたサイズのファスナー面係止ユニット2を設ける等、使用者の必要に応じて、自由にアレンジ可能な構成とすることが可能となり、有用である。
【0033】
また、図1の構成の例の係るスライダー71がスライドして移動する係るファスナーのエレメント70は、複数の歯状形状から成り、係る歯状形状が並んで構成されたエレメント70が2つのテープ9それぞれの略端部に設けられており、係る歯状のエレメント70を備えたテープ9が、係る歯状形状が互い違いに噛み合うことによって、係合して係止することによって、開閉可能な構成であり、また、係る歯状形状は、係るエレメント70を抜けて外れない構成においてスライドして移動するスライダー71によって、開閉するファスナーの構成の例であり、つまり、一般的に衣類等の開閉に用いられるスライドファスナーの構成の例である。
係るファスナーは、ビニール袋の開口部を封するタイプのスライドファスナー、つまり、例えば、ジップロック(商標登録名)等に代表するように、係るエレメント70が、可撓性の凹溝部に、凸溝部を嵌め合わせることによって開閉可能な構成で、係る開閉を、係るエレメント70をスライド移動可能なスライダー71によって開閉する構成のスライドファスナーとしても良く、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状あるいは寸法の範囲内で変更することができるものである。
【0034】
また、係る可撓性シート部材10の略平面に、係る二つのテープ9がそれぞれ係る可撓性シート部材10に係止して設けられることによって、係るファスナーの係る二つのテープ9の端から端までの幅の二倍より広くは前記ファスナーは開口せず、1つのスライダー71で1つの設置アイテム18を設けても、係るファスナーが大きく開いてしまわず、有用である。
【0035】
また、係るファスナーを構成するそれぞれのテープ9を、略平面状の係る可撓性シート部材10に直接係止する構成とすることによって、係るファスナーを係る可撓性シート部材10へ容易に係止し易い構成であり、係止する作業のし易さ、工数の削減となり、製造コストの低減に繋がり有用である。
また、係るファスナースライダー71が係る可撓性シート部材10に対して面直に設けられた構成とすることによって、特に、図2に示される様に係る可撓性シート部材10を天側に設けることが可能な構成とし、天側に地に向かって係る設置アイテム18を吊設する際に、係るファスナーが捻じれることなく係る可撓性シート部材10に略面直に係る設置アイテム18を設けることが可能な構成となり、有用である。
尚、破線で囲われて示された部分が、係る設置アイテム18を示している。
【0036】
図2は、本発明に係るファスナー面係止ユニット2を、係る可撓性シート部材10の面を天側から地側に向けて吊設し、係る可撓性シート部材10のスライダー71から、略鉛直方向に係る設置アイテム18が吊設された構成の例である。
尚、係るファスナー面係止ユニット2が天側に設ける為の支持材は、省略している。
【0037】
また、係る設置アイテム18あるいは保持部材19を吊設可能なスライダー71に設けられた係止可能部を、アイテム吊設部124とする。
係るアイテム吊設部124は、係るスライダーに設けられた穴あるいはスライダーのつまみに設けられた穴でも良いし、引掛け部、嵌合部でもよく、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0038】
図2(a)の構成の例は、図2(b)の構成の例と略同等の構成の例の断面図を示しており、図2(b)の構成の例は、係る可撓性シート部材10の面を天側から地側に向けて吊設した構成の例である。
係る構成においては、図1の説明にも記載の様に、係るファスナースライダー71が係る可撓性シート部材10に対して面直に設けられた構成とすることによって、係る可撓性シート部材10を天側に設けることが可能な構成とし、天側から地側に向かって係る設置アイテム18を吊設する際に、係るファスナーが捻じれることなく係る可撓性シート部材10に略面直に係る設置アイテム18を設けることが可能な構成となり、有用である。
また、係る二本のテープ9が、係る可撓性シート部材10の略平面にそれぞれ設けられていることによって、係るファスナーは少なくとも係るファスナーの幅の2倍以上は開かず、且つ、係る可撓性シート部材10の略面直に係るスライダー71を設けることが可能である構成であることによって、略係るファスナーが捻じれずに係る設置アイテム18を吊設可能な構成となり、有用である。
【0039】
図2(b)の構成の例は、係る天側に設けられた係るファスナー面係止ユニット2を、地側から見た正面図であり、係るスライダー71には、16個の設置アイテム18が吊設して設けられた構成の例を示している。
尚、係る可撓性シート部材10には、4隅にシート係止部126として、フックを備えた構成であり、係るフックによって、係る可撓性シート部材10を天側に吊設された構成の例である。
係る構成とすることによって、収納場所として遊んでいる人の頭の上を収納スペースとして活用することが可能な構成となり、有用である。
【0040】
尚、係る4隅に設けられたシート係止部126は、4か所以上でも良いし、係る可撓性シート部材10に棒を通すことによって、係る可撓性シート部材10を支持材に支持する構成としても良く、但し、少なくとも4隅の角に係るシート係止部126を備えることによって、係る角が垂れ下がることを抑制することが可能であり、有用である。
【0041】
尚、図2(b)の構成の例の可撓性シート部材10は、略四角形であるので、係る角部は4隅に設けられた構成となるが、係る可撓性シート部材10は、3角形の場合は少なくとも係る3つの角部に係るシート係止部126を備えた構成とすることによって、係る可撓性シート部材10をしっかりと張って設けることが可能な構成となり、有用である。
尚、係る可撓性シート部材10の形状が5角形以上であれば、それぞれの角部に係るシート係止部126を備えた構成とするのが望ましく、係る可撓性シート部材10が円形の場合は、係る可撓性シート部材10の略円周状に係るシート係止部126を備えた構成とするのが望ましい。
【0042】
図3の構成の例は、図2の構成の例に示される様な、係る可撓性シート部材10が天側に設けられる構成の例の応用例の説明図である。
図3(a)の構成の例においては、図2(a)の構成の例のファスナー面係止ユニット2のシート係止部126に高さ調整具121である紐が設けられた構成の例である。
係る高さ調整具121である紐は、壁125に設けられた高さ調整係止部122にフックを介して引掛けて設けられた構成の例である。
【0043】
係る高さ調整係止部122は、壁125に設けられた手摺である構成の例であり、係る手摺である高さ調整係止部122が、左右の壁125にそれぞれ3段ずつ設けられている構成の例である。
尚、係る高さ調整具121である紐は、可撓性のシート状である構成としても良い。
図3(a)の構成の例においては、係る3段に設けられた高さ調整係止部122の一番下段に、係る高さ調整具121である紐がフックを介して引掛けて設けられている構成の例であり、係る構成とすることによって、係る可撓性シート部材10が図2(d)の構成の例の様に、しっかりと張った状態で設けられている構成の例であり、係るフックを、真ん中の高さ調整係止部122に引掛けることによって、係るファスナー面係止ユニット2に設けられた設置アイテム18の高さを変更可能な構成である。
係る設置アイテム18の高さを調整可能であることによって、収納時は係る設置アイテム18を人の頭に当たらない高い位置に収納し、必要に応じて、違う高さの高さ調整係止部122に係る高さ調整具121を係止して設けて、係る設置アイテム18を手の届く低い位置にて着脱して吊設して収納可能な構成であり、有用である。
【0044】
尚、図3(b)は、図3(a)の構成の例のファスナー面係止ユニット2と略同等の構成の例の、側面からの断面図である。
尚、係る高さ調整具121である紐は、係る高さ調整係止部122である手摺に巻いて係止することによって、係る可撓性シート部材10の高さを変更可能な構成としても良く、係る高さ調整係止部122を、図面には示されていないが、リール等の巻取り具で巻き取る構成とすることによって、係る高さ調整具121の長さを調整可能な構成としても良いし、係る高さ調整係止部122に、違う高さで係る高さ調整係止部122に係止可能なフック等の係止部を備える構成とすることによって、係る可撓性シート部材10の高さを調整可能な構成としても良く、それらの高さ調整係止部122の長さや係止する高さを変更可能な構成を、高さ調整構造123とし、このように、係る高さ調整構造123は、巻き取り構造としても良いし、高さの違う高さ調整係止部122に係止する構造としても良いし、高さ調整係止部122に複数の係止箇所を備えて、手摺等に係止する構成としても良く、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0045】
尚、上記一連の本図内容において、可撓性シート部材10は、可撓性を有する略シートであればその素材を特に限定するものではなく、例えば、ポリエステルやポリアミドなどの合成樹脂、ビニール、ゴム、ガラス繊維、綿や麻の天然素材でもよく、その色についても透明であっても不透明であっても蛍光色でも特に限定せず、また厚さやサイズについても特に限定するものではない。使用場所や想定される係止、保持、収納物によっては、耐水性や強度に優れた素材が望ましい。
【0046】
係るポケットはその他の形態の容器でもよく、係る収納構造物30の形態は本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0047】
また、保持部材19は、様々な設置アイテム18に合わせた形態、構造で良く、紐、面ファスナー、ボルトナット、磁石、リング、フック、筒状部材、針金、鎖、粘着テープ9、ゴム、棒、ベルト等、その他その形態を本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【0048】
また、それぞれの図において、本発明の説明は、可撓性シート部材10の片面だけに設置アイテム18を吊設可能な構成であるが、両面に吊設可能な構成としても良い。
設置アイテム18は、保持部材19を介して係るスライダー71に設置されるアイテムであり、例えばポケットや、袋、籠、網等の収納構造物30でも良いし、収納あるいは保持される収納物である、例えば、帽子や衣類、タオル、ホワイトボード等の物品でもよく、その他、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる範囲内で限定しない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、壁への穴等、損傷や汚れを抑制し、簡単で、自由度が高い係止、保持、収納が可能とすることで、スペースを取らない収納、保管、自由度の高い案内表示の掲示を可能にすることなど、応用、活用の範囲が広く、利用できる魅力的な発明品となり、産業上利用可能性は極めて高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0050】
2 ファスナー面係止ユニット
9 テープ
10 可撓性シート部材
18 設置アイテム
19 保持部材
30 収納構造物(ポケット、容器類)
59 つまみ
70 エレメント
71 スライダー
121 高さ調整具
122 高さ調整係止部
123 高さ調整構造
124 アイテム吊設部
125 壁
126 シート係止部
127 テープ係止部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナー面係止ユニット(2)であり、前記ファスナー面係止ユニット(2)は、可撓性を有するシート部材である可撓性シート部材(10)と、該可撓性シート部材(10)の面に設けられたファスナーから成り、前記ファスナーは、エレメント(70)と複数のスライダー(71)とテープ(9)からなり、
前記ファスナーは、二つのテープ(9)と、それぞれの前記テープ(9)に設けられたエレメント(70)をスライドして移動するスライダー(71)が移動することによって、前記エレメント(70)が互いに係合して脱着可能であり、
前記エレメント(70)をテープ(9)の端部に1列に設け、
前記スライダー(71)を、前記エレメント(70)から抜けないように、スライド可能に設け、
それぞれの前記二つのテープ(9)の端部に並んで1列に設けられた前記エレメント(70)と、複数の前記スライダー(71)を1つのセットとして構成され、
前記可撓性シート部材(10)の略平面に、前記ファスナーが、略密着する様にして、前記二つのテープ(9)がそれぞれ、前記テープに沿って略平行に設けられたテープ係止部(127)によって、前記可撓性シート部材(10)に係止して設けられることによって、前記ファスナーの幅の二倍より広くは前記ファスナーは開口せず、また、前記可撓性シート部材10が、前記ファスナーを開いた際にも、開く前と同様に、平面の状態を保持され、
前記スライダー(71)は、アイテム吊設部を備え、前記アイテム吊設部に、設置アイテム(18)または保持部材(19)を係止可能であり、
前記可撓性シート部材(10)は、シート係止部(126)を備え、該シート係止部(126)によって、
壁や支持材に設置可能であり、様々な設置アイテム(18)を前記スライダー(71)にて単独で、保持可能であることを特徴とするファスナー面係止ユニット(2)。
【請求項2】
前記ファスナー面係止ユニット(2)が、複数の可撓性シート部材(10)から成り、前記複数の可撓性シート部材(10)が、互いに着脱可能に係止して設けられることを特徴とする請求項1に記載のファスナー面係止ユニット(2)。