(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019423
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】位置測位システム
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20230202BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124127
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】姫野 徹
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA02
5J062BB05
5J062CC15
(57)【要約】
【課題】位置測位の精度が高い位置測位システムを提供する。
【解決手段】位置測位システム1は、1台以上の照明装置101と、制御装置400と、を備え、制御装置400は、1台以上の照明装置101のそれぞれへ、信号受信装置の位置測位に用いられるビーコン信号であって、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信し、1台以上の照明装置のそれぞれは、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1台以上の照明装置と、
前記1台以上の照明装置と無線通信し、前記1台以上の照明装置とは別体の制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記1台以上の照明装置のそれぞれへ、信号受信装置の位置測位に用いられるビーコン信号であって、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信し、
前記1台以上の照明装置のそれぞれは、送信された前記送信指示情報が前記ビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、前記ビーコン信号を間欠的に送信する
位置測位システム。
【請求項2】
4台以上の前記照明装置を備え、
前記制御装置は、前記4台以上の照明装置のそれぞれが配置された位置を示す第1位置情報と、前記4台以上の照明装置のそれぞれによって送信された前記ビーコン信号の到達範囲を示す第1到達範囲情報とに基づいて、前記4台以上の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置による前記ビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する前記送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する前記送信指示情報を送信するかを決定する
請求項1に記載の位置測位システム。
【請求項3】
前記第1位置情報は、前記位置が図示された平面配置図を含み、
前記制御装置は、前記平面配置図での前記4台以上の照明装置を囲む凸包形状領域内のいずれの座標においても、前記4台以上の照明装置のそれぞれによって送信された前記ビーコン信号の到達範囲が重畳する数が3以上9以下となるように、前記4台以上の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置による前記ビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する前記送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する前記送信指示情報を送信するかを決定する
請求項2に記載の位置測位システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記4台以上の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置による前記ビーコン信号の送信強度が第1強度であるか前記第1強度とは異なる第2強度であるかを指示する強度指示情報を送信する
請求項2又は3に記載の位置測位システム。
【請求項5】
前記4台以上の照明装置は、
配置されたピッチが第1幅であって、第1グループに属する複数の第1照明装置と、
配置されたピッチが前記第1幅とは異なる第2幅であって、第2グループに属する複数の第2照明装置と、を含み、
前記制御装置は、
前記複数の第1照明装置のそれぞれが配置された位置を示す第2位置情報と、前記複数の第1照明装置のそれぞれによって送信された前記ビーコン信号の到達範囲を示す第2到達範囲情報とに基づいて、前記複数の第1照明装置のそれぞれへ、当該第1照明装置による前記ビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する前記送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する前記送信指示情報を送信するかを決定し、
前記複数の第2照明装置のそれぞれが配置された位置を示す第3位置情報と、前記複数の第2照明装置のそれぞれによって送信された前記ビーコン信号の到達範囲を示す第3到達範囲情報とに基づいて、前記複数の第2照明装置のそれぞれへ、当該第2照明装置による前記ビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する前記送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する前記送信指示情報を送信するかを決定する
請求項2~4のいずれか1項に記載の位置測位システム。
【請求項6】
4台以上の前記照明装置を備え、
前記制御装置は、ユーザの操作に基づいて、前記4台以上の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置による前記ビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する前記送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する前記送信指示情報を送信するかを決定する
請求項1に記載の位置測位システム。
【請求項7】
前記制御装置は、ユーザの操作に基づいて、前記4台以上の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置による前記ビーコン信号の送信強度が第1強度であるか前記第1強度とは異なる第2強度であるかを指示する強度指示情報を決定する
請求項6に記載の位置測位システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記1台以上の照明装置のそれぞれが配置された位置が図示された配置図を表示し、
前記配置図には、前記1台以上の照明装置のそれぞれによって送信された前記ビーコン信号の到達範囲が重畳する数が示されている
請求項1~7のいずれか1項に記載の位置測位システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測位システムに関する。
【背景技術】
【0002】
位置測位に用いられる信号としてビーコン信号を照明装置から送信することにより、ビーコン信号を受信した信号受信装置の位置を特定する位置測位システムが提案されている。例えば、特許文献1では、それぞれがビーコン信号を送信する複数の照明装置が、天井に設置された位置測位システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示される複数の照明装置が天井に配置され、床を歩くユーザが携帯する信号受信装置の位置測位を行う場合には、複数の照明装置の全てビーコン信号が送信されると、ビーコン信号の密度が高くなり過ぎるときがある。このようなとき、ビーコン信号が干渉し、信号受信装置がビーコン信号を受信できないという状況が発生する。よって、特許文献1に開示される位置測位システムでは、受信装置の位置測位の精度が低いという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、位置測位の精度が高い位置測位システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一形態における位置測位システムは、1台以上の照明装置と、前記1台以上の照明装置と無線通信し、前記1台以上の照明装置とは別体の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記1台以上の照明装置のそれぞれへ、信号受信装置の位置測位に用いられるビーコン信号であって、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信し、前記1台以上の照明装置のそれぞれは、送信された前記送信指示情報が前記ビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、前記ビーコン信号を間欠的に送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置測位の精度が高い位置測位システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る位置測位システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る位置測位システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る位置測位システムの動作例のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態1の実施例に係る制御装置の処理を説明するための図の一例である。
【
図5】
図5は、実施の形態1の実施例に係る制御装置の処理を説明するための図の他の一例である。
【
図6】
図6は、実施の形態1の変形例に係る位置測位システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態1)
[構成]
まず、本実施の形態に係る位置測位システム1について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る位置測位システム1の概略構成を示す図である。位置測位システム1は、信号受信装置の一例である端末装置200の位置測位を行うシステムであり、複数の照明装置101~104と、制御装置400とを備える。本実施の形態においては、位置測位システム1は、空間Sなどの屋内における端末装置200の位置測位を行うシステムである。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、4台の照明装置101~104が図示されているが、位置測位システム1が備える照明装置の台数は、1台以上であればよい。このことは、他の実施の形態でも同様である。
【0013】
照明装置101~104は、位置測位システム1に用いられる照明装置であり、照明光を発する。また、照明装置101~104のそれぞれは、端末装置200の位置測位に用いられる信号であるビーコン信号を送信する。また、ビーコン信号は、自器具に対応づけられた識別情報を含む。本実施の形態では、照明装置101~104は、例えば、工場、倉庫、店舗施設、オフィスなどの空間Sの天井Cに設置される。
【0014】
信号受信装置の一例である端末装置200は、照明装置101~104から送信されるビーコン信号を受信する装置であり、例えば、スマートフォン又はタブレット端末などの汎用の携帯端末であるが、位置測位システム1の専用端末であってもよい。本実施の形態においては、端末装置200は、空間Sの床Fを歩く第1ユーザU1によって携帯されている。第1ユーザU1は、例えば、空間Sの一例である店舗施設にとっての客であり、第1ユーザU1の位置が端末装置200を介して測位される。
【0015】
制御装置400は、複数の照明装置101~104と無線通信し、複数の照明装置101~104を制御する装置である。制御装置400は、複数の照明装置101とは別体の装置であり、例えば、スマートフォン又はタブレット端末などの汎用の携帯端末であるが、位置測位システム1の専用端末であってもよい。制御装置400は、例えば、第2ユーザU2によって携帯されている。第2ユーザU2は、例えば、空間Sの一例である店舗施設の管理者である。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る位置測位システム1の構成を示すブロック図である。
【0017】
まずは、制御装置400について説明する。
【0018】
制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信する装置である。より具体的には、制御装置400は、受付部430と、表示部450と、制御部420と、記憶部440と、通信部410とを備える。
【0019】
受付部430は、第2ユーザU2の操作を受付ける。受付部430は、第2ユーザU2から第1位置情報及び第1到達範囲情報を入力する操作を受付ける。受付部430は、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0020】
第1位置情報は、4台の照明装置101~104のそれぞれが配置された位置を示す情報である。より具体的には、第1位置情報は、空間Sにおける4台の照明装置101~104のそれぞれが配置された位置を示す情報であり、一例として、これらの位置が図示された平面配置図である。
【0021】
また、第1到達範囲情報は、4台の照明装置101~104のそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲を示す情報である。より具体的には、第1到達範囲情報には、同心円状に広がって送信されるビーコン信号の発信中心から到達範囲までの半径の長さなどが示されている。
【0022】
表示部450は、画像を表示する。表示部450は、例えば、受付けた第1位置情報及び第1到達範囲情報に関する画像を表示することができる。表示部450は、例えば、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0023】
制御部420は、表示部450への画像の表示制御などを行う。また、制御部420は、受付部430によって受付けられた第1位置情報及び第1到達範囲情報に基づいて、4台の照明装置101のそれぞれへ送信する送信指示情報の内容を決定する。より具体的には、制御部420は、4台の照明装置101のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する。なお以下では、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせることを指示する送信指示情報を、送信オン指示情報、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオフさせることを指示する送信指示情報を、送信オフ指示情報と記載する場合がある。制御部420は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0024】
記憶部440は、制御部420によって実行されるプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部440は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0025】
通信部410は、制御装置400が4台の照明装置101~104とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部410は、例えば、決定された送信指示情報の内容として、送信オン指示情報及び送信オフ指示情報を4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信する。通信部410によって行われる通信は、例えば、無線通信である。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0026】
さらに、照明装置101について説明する。本実施の形態に係る照明装置101は、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する装置である。
【0027】
また、ここでは、照明装置101は、図示されるように、通信部70、照明部10、制御部30、記憶部40、及び、ビーコン送信部50を備える。なお、本図には、4台の照明装置101~104のうちの照明装置101の構成だけが図示されているが、3台の照明装置102~104についても、照明装置101と同じ構成を備えるので、その図示及び説明を省略する。
【0028】
照明部10は、照明装置101に供給される電力で点灯する光源(つまり、照明光を発する光源)であり、例えば、LED光源である。
【0029】
通信部70は、照明装置101が制御装置400と広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部70は、例えば、通信部410によって送信された送信オン指示情報又は送信オフ指示情報を受信する。通信部70によって行われる通信は、例えば、無線通信である。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0030】
制御部30は、ビーコン送信部50などを制御する処理部である。制御部30は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0031】
記憶部40は、制御部30によって実行されるプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部40は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0032】
ビーコン送信部50は、照明装置101に供給される電力で動作し、ビーコン信号を送信する通信回路である。ビーコン送信部50は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)によるビーコン信号の送信機である。
【0033】
ビーコン送信部50は、通信部70によって取得された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。つまり、送信オン指示情報が通信部70によって取得された場合には、制御部30は、ビーコン送信部50に、ビーコン信号を間欠的に送信させる。例えば、ビーコン送信部50は、ビーコン信号を所定の周期で送信する。所定の周期が1秒周期である場合、ビーコン送信部50は、例えば、1ミリ秒間ビーコン信号の送信を行った後に999ミリ秒間ビーコン信号の送信を停止する処理を繰り返し行う。
【0034】
また、端末装置200は、ビーコン送信部50によって送信されたビーコン信号を受信する。なお、ビーコン信号には、自装置(ここでは、照明装置101)に対応づけられた位置測位用の識別情報が含まれているとよい。このような識別情報を受信した端末装置200は、受信した識別情報を内部に保持するテーブルと照合することで、又は、広域通信ネットワークを介して位置測位用のサーバに問い合わせることで、受信した識別情報に対応する端末装置200の位置を特定する。
【0035】
次に、以上のように構成された本実施の形態における位置測位システム1の動作について説明する。ここでは、位置測位システム1における特徴的な照明装置101~104の動作について説明する。
【0036】
[動作例]
図3は、本実施の形態に係る位置測位システム1の動作例のフローチャートである。
【0037】
上記の通り、端末装置200が受信するビーコン信号の密度が高くなり過ぎると、端末装置200がビーコン信号を受信できないという問題が発生する。このため、制御部420は、ビーコン信号の密度が高くなり過ぎないように、4台の照明装置101~104の一部へ送信オン指示情報を送信し、4台の照明装置101~104の他部へ送信オフ指示情報を送信する。
【0038】
制御装置400の受付部430は、第2ユーザU2から第1位置情報及び第1到達範囲情報を入力する操作を受付ける(ステップS10)。
【0039】
制御部420は、受付けられた第1位置情報及び第1到達範囲情報に基づいて、4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信する送信指示情報の内容を決定する(ステップS20)。より具体的には、制御部420は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信オン指示情報又は送信オフ指示情報を送るかを決定する。例えば、制御部420は、2台の照明装置101及び103へ送信オン指示情報を送り、2台の照明装置102及び104へ送信オフ指示情報を送ることを決定する。つまり、制御部420は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、異なる内容の送信指示情報を送信することを決定することができる。
【0040】
通信部410は、決定された送信指示情報の内容を4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信する(ステップS30)。
【0041】
次に、4台の照明装置101~104のそれぞれにおいて、制御部30は、通信部70によって取得された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示するか否かを判断する(ステップS40)。
【0042】
さらに、通信部70によって取得された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に(ステップS40でYes)、ビーコン送信部50は、ビーコン信号を間欠的に送信する(ステップS50)。つまり、通信部70によって送信オン指示情報が取得された場合には、制御部30は、ビーコン送信部50にビーコン信号を間欠的に送信させる。
【0043】
また、通信部70によって取得された送信指示情報がビーコン信号の送信をオフさせることを指示する場合に(ステップS40でNo)、ビーコン送信部50は、ビーコン信号を送信しない(ステップS60)。つまり、通信部70によって送信オフ指示情報が取得された場合には、制御部30は、ビーコン送信部50にビーコン信号を送信させない。
【0044】
さらに、ステップS50及びステップS60の後に、ステップS40の処理が繰り返し行われる。このため例えば、記憶部40に、送信オン指示情報が保持され続ける場合には、制御部30はステップS40及びステップS50の処理を繰り返し行い続ける。
【0045】
[実施例]
ここで、本実施の形態の実施例に係る位置測位システム1が
図3のステップS20で行う処理(送信指示情報の内容を決定する処理)について、より詳細な実施例について説明する。
【0046】
図4は、本実施の形態の実施例に係る制御装置400の処理を説明するための図の一例である。
図5は、本実施の形態の実施例に係る制御装置400の処理を説明するための図の他の一例である。
【0047】
図4及び
図5はいずれも、オフィスなどの空間Sにおける複数の照明装置(ここでは49台の照明装置)のそれぞれが配置された位置が図示された平面配置図である。
【0048】
ここでは、位置測位システム1は、49台の照明装置と、制御装置400とを備える。実施例では、49台の照明装置は、7行7列の行列状となるように空間Sの天井Cに配置されている。
【0049】
図4及び
図5が示す平面配置図において、白抜きの〇のそれぞれ、及び、内側に×印が付された白抜きの〇のそれぞれが、49台の照明装置が配置された位置を示す。なお、白抜きの〇が示す照明装置はビーコン信号を間欠的に送信し、内側に×印が付された白抜きの〇が示す照明装置はビーコン信号を送信していない。なお、説明のため、4台の照明装置101~104の位置が図示されている。また、4台の照明装置101~104が除かれた残り45台の照明装置についても、
図2で示した照明装置101と同じ構成を備える。
【0050】
49台の照明装置のそれぞれを中心とした破線の円が図示されている。この破線の円は、当該照明装置によって送信されたビーコン信号の到達範囲である。例として、4台の照明装置101~104のそれぞれに対応する4つの到達範囲101r~104rが図示されている。また、
図4及び
図5では、49台の照明装置のそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲が重畳する数(以下、重畳数)がドットの濃さで示されている。つまり、重畳数が多いほど、濃いドットで表現されている。
【0051】
さらに、凸包形状領域A1について説明する。凸包形状領域A1は、平面配置図での49台の照明装置を囲む凸包形状の領域であり、図示されるように矩形状の領域である。ここでは、平面配置図における49台の照明装置のそれぞれの位置を点とみなし、この点集合を含む最小の凸集合を凸包形状領域A1としている。また換言すると、凸包形状領域A1は、この複数の点を凹みなく囲う図形の領域である。
【0052】
仮に、49台の照明装置の全てにおいて、通信部70によって送信オン指示情報が取得された場合には、
図4が示すように、制御部30はビーコン送信部50にビーコン信号を間欠的に送信させる。
【0053】
この場合、49台の照明装置のそれぞれから送信されるビーコン信号の密度が高くなり過ぎる。このため、ビーコン信号が干渉し、端末装置200がビーコン信号を受信できないという状況が発生し、位置測位システム1による端末装置200の位置測位の精度が低下してしまう。
【0054】
そこで、本実施例においては、制御部420は、この平面配置図での凸包形状領域A1内のいずれの座標においても、重畳数が所定数となるように、49台の照明装置のそれぞれへ送信する送信指示情報の内容を決定する。所定数とは、例えば、3以上9以下であり、3以上7以下であるとよりよく、4以上6以下であるとさらによい。
【0055】
ここでは、制御部420は、重畳数が所定数となるように、49の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する。より詳細には、制御部420は、49台の照明装置のそれぞれについて、ビーコン信号の送信をオン又はオフする組み合わせのパターンを算出し、算出された全てのパターンのうち重畳数が所定数となるパターンを選択して、送信指示情報の内容を決定する。
【0056】
例えば、制御部420は、49台の照明装置のそれぞれについて、ビーコン信号の送信をオン又はオフする組み合わせとして、249個のパターンを算出する。つまり、位置測位システム1がn個の照明装置を備えている場合には、2n個のパターンが算出される。
【0057】
そして、通信部410は、決定された送信オン指示情報及び送信オフ指示情報を49台の照明装置のそれぞれへ送信する。
【0058】
この結果、例えば、
図5が示すように、49台の照明装置のうち一部はビーコン信号を送信し、49台の照明装置のうち他部はビーコン信号を送信しない。
【0059】
より具体的には、49台の照明装置のうち一部の照明装置においては、通信部70によって送信オン指示情報が取得される。49台の照明装置のうち他部の照明装置においては、通信部70によって送信オフ指示情報が取得される。通信部70によって送信オン指示情報が取得された照明装置においては、制御部30はビーコン送信部50にビーコン信号を間欠的に送信させる。通信部70によって送信オフ指示情報が取得された照明装置においては、制御部30はビーコン送信部50にビーコン信号を送信させない。
【0060】
一例として、照明装置101及び103では、通信部70が送信オン指示情報を取得し、制御部30がビーコン送信部50にビーコン信号を間欠的に送信させる。照明装置102及び104では、通信部70が送信オフ指示情報を取得し、制御部30はビーコン送信部50にビーコン信号を送信させない。
【0061】
図5で示す場合においては、
図4が示す49台の照明装置の全てがビーコン信号を送信する場合に比べ、ビーコン信号の密度が高くなることが抑制され、ビーコン信号が干渉し難くなる。よって、端末装置200がビーコン信号を受信し易くなり、端末装置200の位置測位の精度が高められる。つまりは、位置測位の精度が高い位置測位システム1が実現される。
【0062】
なお本実施の形態では、制御部420は、送信指示情報の内容を決定したが、これに加えて、ビーコン信号の送信強度も決定してもよい。
【0063】
例えば、制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信強度が、第1強度であることを指示する強度指示情報を送信するか、第2強度であることを指示する強度指示情報を送信するかを決定する。なお、第2強度とは、第1強度とは異なる強度である。この決定する処理は、例えば、制御部420によって行われる。
【0064】
ここでは、制御部420は、上記の平面配置図での凸包形状領域A1内のいずれの座標においても、重畳数が所定数となるように、49台の照明装置のそれぞれへ送信する送信指示情報及び強度指示情報の内容を決定するとよい。
【0065】
決定する方法として、制御部420は、49台の照明装置のそれぞれによるビーコン信号の送信について、オンかつ第1強度、オンかつ第2強度、又は、オフする組み合わせのパターンを算出する。制御部420は、算出された全てのパターンのうち重畳数が所定数となるパターンを選択して、送信指示情報及び強度指示情報の内容を決定する。
【0066】
例えば、制御部420は、49台の照明装置のそれぞれによるビーコン信号の送信について、オンかつ第1強度、オンかつ第2強度、又は、オフの組み合わせとして、349個のパターンを算出する。つまり、位置測位システム1がn個の照明装置を備えている場合には、3n個のパターンが算出される。
【0067】
さらに、通信部70によって、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、送信指示情報及び強度指示情報が送信される。
【0068】
ビーコン送信部50は、通信部70によって取得された強度指示情報が指示する送信強度で、ビーコン信号を間欠的に送信する。例えば、通信部70によって取得された強度指示情報が第1強度であることを指示する場合に、ビーコン送信部50は、ビーコン信号を第1強度で間欠的に送信する。また例えば、通信部70によって取得された強度指示情報が第2強度であることを指示する場合に、ビーコン送信部50は、ビーコン信号を第2強度で間欠的に送信する。
【0069】
[効果など]
本実施の形態に係る位置測位システム1は、1台以上の照明装置(ここでは、照明装置101)と、1台以上の照明装置101と無線通信し1台以上の照明装置101とは別体の制御装置400と、を備える。制御装置400は、1台以上の照明装置101のそれぞれへ、信号受信装置(ここでは端末装置200)の位置測位に用いられるビーコン信号であって当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信する。さらに、1台以上の照明装置101のそれぞれは、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。
【0070】
つまり、照明装置101が取得した送信指示情報の内容によって、照明装置101(ビーコン送信部50)がビーコン信号を送信するか否かが決定される。一例として、
図5が示すように、49台の照明装置が設けられた場合について説明する。この場合には、49台の照明装置のうち一部はビーコン信号の送信をオンさせることを指示する送信指示情報を取得して、ビーコン信号を間欠的に送信する。また、この場合には、49台の照明装置のうち他部はビーコン信号の送信をオフさせることを指示する送信指示情報を取得して、ビーコン信号を送信しない。
【0071】
つまり
図5で示す場合においては、
図4が示す49台の照明装置の全てがビーコン信号を送信する場合に比べ、ビーコン信号の密度が高くなることが抑制され、ビーコン信号が干渉し難くなる。よって、端末装置200がビーコン信号を受信し易くなり、端末装置200の位置測位の精度が高められる。つまりは、位置測位の精度が高い位置測位システム1が実現される。
【0072】
本実施の形態に係る位置測位システム1は、4台以上の照明装置(ここでは照明装置101~104)を備える。制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれが配置された位置を示す第1位置情報と、4台の照明装置101~104のそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲を示す第1到達範囲情報とに基づいて、以下の処理を行う。制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する処理を行う。
【0073】
これにより、ビーコン信号の密度が高くなることがさらに抑制される。このため、端末装置200の位置測位の精度がより高められる。つまりは、位置測位のより精度が高い位置測位システム1が実現される。
【0074】
本実施の形態においては、第1位置情報は、49台の照明装置のそれぞれが配置された位置が図示された平面配置図を含む。制御装置400は、平面配置図での49台の照明装置を囲む凸包形状領域A1内のいずれの座標においても、49台の照明装置のそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲が重畳する数が3以上9以下となるように、以下の処理を行う。制御装置400は、49台の照明装置のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する処理を行う。
【0075】
これにより、ビーコン信号の密度が高くなることがさらに抑制される。このため、端末装置200の位置測位の精度がより高められる。つまりは、位置測位のより精度が高い位置測位システム1が実現される。
【0076】
本実施の形態においては、制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信強度が第1強度であるか第1強度とは異なる第2強度であるかを指示する強度指示情報を送信する。
【0077】
これにより、位置測位システム1が使用される環境に応じて、適切なビーコン信号の送信強度が選択されることができる。ビーコン信号が送信される強度が弱いほど、ビーコン信号の密度が高くなることが抑制され、ビーコン信号が干渉し難くなる。よって、端末装置200がビーコン信号を受信し易くなる。このような位置測位システム1が用いられることで、端末装置200の位置測位の精度が高められる。
【0078】
(変形例)
以下、変形例に係る位置測位システム1aについて説明する。
【0079】
図6は、本実施の形態の変形例に係る位置測位システム1aの概略構成を示す図である。
【0080】
位置測位システム1aは、6台の照明装置と、制御装置400とを備える。
【0081】
6台の照明装置のそれぞれは、照明装置101と同じ構成を備える。6台の照明装置は、第1グループ及び第2グループの2つのグループに分類される。6台の照明装置は、第1グループに属する3台の第1照明装置101a~103aと、第2グループに属する3台の第2照明装置104a~106aとを含む。
【0082】
なお、一般的に、同一の空間であれば、照明装置は同一のピッチ(並び幅)で配置される場合が多い。ここでは、ピッチが第1幅P1である3台の第1照明装置101a~103aは空間S1に配置されており、ピッチが上記の第1幅P1とは異なる第2幅P2である3台の第2照明装置104a~106aは空間S2に配置されている。なお、ここでは、第1幅P1は、第2幅P2より小さい。空間S1と空間S2とは壁Wによって仕切られており、空間S1は例えばオフィスの執務室であり、空間S2は例えばオフィスの会議室であり、空間S1と空間S2とは異なる部屋である。
【0083】
本実施の形態においては、制御装置400は、グループごと(つまりは部屋ごと)に送信指示情報の内容を決定して送信する。
【0084】
制御装置400は、まず第1グループに属する3台の第1照明装置101a~103aについての処理が行われる。
【0085】
制御装置400は、第1グループに属する3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信する。
【0086】
本変形例においては、制御部420は、受付部430によって受付けられた第2位置情報及び第2到達範囲情報に基づいて、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれへ送信する送信指示情報の内容を決定する。より具体的には、制御部420は、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する。
【0087】
なお、第2位置情報は、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれが配置された位置を示す情報であり、第2到達範囲情報は、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲を示す情報である。
【0088】
さらに、本変形例においては、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれは、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。
【0089】
より具体的には、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれにおけるビーコン送信部50は、通信部70によって取得された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。つまり、送信オン指示情報が通信部70によって取得された場合には、制御部30は、ビーコン送信部50に、ビーコン信号を間欠的に送信させる。
【0090】
また、3台の第1照明装置101a~103aのそれぞれは、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオフさせることを指示する場合に、ビーコン信号に送信しない。
【0091】
なお、
図3で示したフローチャートに従って、第1グループに属する3台の第1照明装置101a~103aについての処理が進められるとよい。
【0092】
さらに、制御装置400は、第2グループに属する3台の第2照明装置104a~106aについての処理が行われる。
【0093】
制御装置400は、第2グループに属する3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信をオンさせるかオフさせるかを指示する送信指示情報を送信する。
【0094】
本変形例においては、制御部420は、受付部430によって受付けられた第3位置情報及び第3到達範囲情報に基づいて、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれへ送信する送信指示情報の内容を決定する。より具体的には、制御部420は、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する。
【0095】
なお、第3位置情報は、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれが配置された位置を示す情報であり、第3到達範囲情報は、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲を示す情報である。
【0096】
さらに、本変形例においては、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれは、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。
【0097】
より具体的には、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれにおけるビーコン送信部50は、通信部70によって取得された送信指示情報がビーコン信号の送信をオンさせることを指示する場合に、ビーコン信号を間欠的に送信する。つまり、送信オン指示情報が通信部70によって取得された場合には、制御部30は、ビーコン送信部50に、ビーコン信号を間欠的に送信させる。
【0098】
また、3台の第2照明装置104a~106aのそれぞれは、送信された送信指示情報がビーコン信号の送信をオフさせることを指示する場合に、ビーコン信号に送信しない。
【0099】
なお、
図3で示したフローチャートに従って、第2グループに属する3台の第2照明装置104a~106aについての処理が進められるとよい。
【0100】
これにより、部屋ごとでビーコン信号の密度が高くなることがさらに抑制される。このため、端末装置200の位置測位の精度がより高められる。つまりは、位置測位のより精度が高い位置測位システム1aが実現される。
【0101】
(実施の形態2)
[構成]
以下、実施の形態2に係る位置測位システムについて説明する。
【0102】
本実施の形態に係る位置測位システムは、実施の形態1に係る位置測位システム1と同じ構成を備える。
【0103】
実施の形態1では、制御装置400(制御部420)は、受付けられた第1位置情報及び第1到達範囲情報に基づいて、4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信する送信指示情報の内容を決定したが、本実施の形態においては、異なる処理が行われる。
【0104】
本実施の形態においては、制御装置400(制御部420)は、ユーザの一例である第2ユーザU2の操作に基づいて、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、送信オン指示情報を送信するか、送信オフ指示情報を送信するかを決定する。
【0105】
この場合、表示部450は、ビーコン信号の密度の程度(重畳数)が示されている配置図を表示するとよい。配置図は、4台の照明装置101~104のそれぞれが配置された位置が図示されている。なお、配置図は、平面配置図(2次元配置図)であってもよいが、立体配置図(3次元配置図)であってもよい。第2ユーザU2は、表示部450によって表示されるこの配置図を見ながら、重畳数が所定数となるように、送信指示情報の内容を決定する操作を行うとよい。通信部410は、決定された送信指示情報の内容を4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信する。
【0106】
実施の形態1の実施例で示したように、一例として、49台の照明装置の一部がビーコン信号を間欠的に送信するための、かつ、49台の照明装置の他部がビーコン信号を送信しないための操作が第2ユーザによって行われる。なお、49台の照明装置の一部とは、例えば照明装置101及び103であり、49台の照明装置の他部とは、例えば照明装置102及び104である。
【0107】
この第2ユーザU2の操作に従って、制御部420は、4台以上の照明装置101~104のそれぞれへ、送信オン指示情報を送信するか、送信オフ指示情報を送信するかを決定する。
【0108】
そして、通信部410は、決定された送信オン指示情報及び送信オフ指示情報を49台の照明装置のそれぞれへ送信する。
【0109】
さらに、本実施の形態では、制御部420は、ユーザの一例である第2ユーザU2の操作に基づいて、以下の処理を行うとよい。制御部420は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信強度が第1強度であるか第2強度であるかを指示する強度指示情報を決定する処理を行うとよい。第2ユーザU2は、表示部450によって表示される上記配置図を見ながら、重畳数が所定数となるように、送信指示情報及び強度指示情報の内容を決定する操作を行うとよい。通信部410は、決定された送信指示情報及び強度指示情報の内容を4台の照明装置101~104のそれぞれへ送信する。
【0110】
[効果など]
本実施の形態に係る位置測位システムは、4台の照明装置101~104を備える。制御装置400は、ユーザの一例である第2ユーザU2の操作に基づいて、以下の処理を行う。制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信を、オンさせることを指示する送信指示情報を送信するか、オフさせることを指示する送信指示情報を送信するかを決定する処理を行う。
【0111】
これにより、第2ユーザU2の操作に従い、ビーコン信号の密度が高くなることがさらに抑制される。このため、端末装置200の位置測位の精度がより高められる。つまりは、位置測位のより精度が高い位置測位システムが実現される。
【0112】
本実施の形態においては、制御装置400は、ユーザの一例である第2ユーザU2の操作に基づいて、以下の処理を行う。制御装置400は、4台の照明装置101~104のそれぞれへ、当該照明装置によるビーコン信号の送信強度が第1強度であるか第1強度とは異なる第2強度であるかを指示する強度指示情報を決定する処理を行う。
【0113】
これにより、位置測位システムが使用される環境に応じて、第2ユーザU2の操作に従って、適切なビーコン信号の送信強度が選択されることができる。ビーコン信号が送信される強度が弱いほど、ビーコン信号の密度が高くなることが抑制され、ビーコン信号が干渉し難くなる。よって、端末装置200がビーコン信号を受信し易くなる。このような位置測位システム1が用いられることで、端末装置200の位置測位の精度が高められる。
【0114】
本実施の形態においては、制御装置400は、1台以上の照明装置(ここでは4台の照明装置101~104)のそれぞれが配置された位置が図示された配置図を表示する。配置図には、4台の照明装置101~104のそれぞれによって送信されたビーコン信号の到達範囲が重畳する数が示されている。
【0115】
これにより、第2ユーザU2がより簡便に位置測位システムを利用することが支援される。
【0116】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0117】
また、上記実施の形態及び変形例において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。上記実施の形態において2つの装置が通信を行う場合、2つの装置間には図示されない中継装置が介在してもよい。
【0118】
また、上記実施の形態及び変形例のフローチャートで説明された処理の順序は、一例である。複数の処理の順序は変更されてもよいし、複数の処理は並行して実行されてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0120】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0121】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータで読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0122】
例えば、本発明は、コンピュータによって実行される照明装置101及び位置測位システム1の制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0123】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0124】
1 位置測位システム
101、102、103、104 照明装置
101a、102a、103a 第1照明装置
104a、105a、106a 第2照明装置
400 制御装置
A1 凸包形状領域
P1 第1幅
P2 第2幅
S、S1、S2 空間