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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019466
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】特装車保守者情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20230202BHJP
   H04M 1/72412 20210101ALI20230202BHJP
   B65F 3/00 20060101ALI20230202BHJP
   B65F 3/20 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04M1/72412
B65F3/00 L
B65F3/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124195
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
(72)【発明者】
【氏名】三浦 裕太郎
【テーマコード(参考)】
3E024
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
3E024AA07
3E024BA01
3E024CA03
3E024DB03
3E024DC01
3E024HB03
3E024HE02
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA15
5K127GD03
5K127GE02
5K127HA10
5K201AA05
5K201BA03
5K201BB07
5K201CB10
5K201CB13
5K201CC04
5K201CC09
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】 特装車の保守工場への連絡を簡易化する。
【解決手段】
ログインがなされると初期画面が管理サーバから送信され、ユーザ側管理者端末装置のモニタに表示される(S1)。前記操作者は初期画面で処理「新規保守工場(SS)登録」を選択する(図示せず)。ユーザ側管理者端末装置120は、かかる新規SS登録ボタンが選択されると、SS入力画面を表示する(ステップS5)。ユーザが、登録する詳細情報を入力して完了ボタンをクリックすると(S7)、ユーザ側管理者端末装置120は、入力された詳細情報を含む登録要請を管理サーバ100に送信する(S9)。管理サーバ100は、この登録要請を受け取ると、ログインしているユーザの登録保守工場として、登録する(S13)。ユーザ携帯装置にてエラーとなると、かかる登録保守工場が読み出される。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)特装車管理サーバおよびユーザ端末を備え、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車に関する保守者情報を管理する特装車保守者情報管理システムであって、
B)前記ユーザ端末は、下記を有しており、
b1)前記特装車管理サーバに特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証するユーザ端末認証手段、
b2)保守者を指定した登録要請を前記特装車管理サーバに与える保守者登録要請手段、
C)前記特装車管理サーバは、下記c1)~c2)を有していること、
c1)前記ユーザ端末からのユーザ認証要求に対してユーザ認証処理をおこなうサーバ側認証手段、
c2)前記ユーザ端末から前記登録要請を受け取ると、当該ユーザの登録保守者として登録保守者情報記憶手段に登録する保守者管理手段、
を特徴とする特装車保守者情報管理システム。
【請求項2】
請求項1の特装車保守者情報管理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、
前記ユーザ側管理者端末装置および前記ユーザ携帯装置は、前記特装車管理サーバに特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証するユーザ端末認証手段を有し、
前記ユーザ側管理者端末装置または前記ユーザ携帯装置は、前記保守者登録要請手段を有し、
前記ユーザ携帯装置は、さらに、前記制御対象装置にて発生したエラーデータを前記特装車車両側制御装置から受け取ると、前記特装車管理サーバに記憶された当該ユーザの登録保守者を取得して、この登録保守者を報知する保守者報知手段を有すること、
を特徴とする特装車保守者情報管理システム。
【請求項3】
請求項1または2の特装車稼働動作データ管理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、
前記保守者情報には、各保守者への電子的メッセージ連絡用宛先データが含まれており、
前記特装車管理サーバは、さらに、
前記ユーザ携帯装置から稼働動作データを受け取ると、そのユーザの稼働動作データとして管理するユーザ別稼働動作データ管理手段を有しており、
前記特装車管理サーバの前記サーバ側認証手段によって特定の保守者識別子の保守者として認証されると、前記保守者管理手段は、当該保守者が使用する装置が前記登録保守者として登録されているユーザの稼働動作データを一時的に閲覧可能とする権限データを付与すること、
を特徴とする特装車保守者情報管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの特装車稼働動作データ管理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、
前記特装車管理サーバは、さらに、
前記ユーザ携帯装置から当該ユーザの登録保守者の取得要請を受け取ると前記保守者情報記憶手段から当該ユーザの登録保守者を読み出して、当該ユーザ携帯装置に送信すること、
を特徴とする特装車稼働動作データ管理システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの特装車稼働動作データ管理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、
前記特装車管理サーバは、前記ユーザ携帯装置から受け取った各ユーザの各特装車に関する稼働動作データを記憶しており、
前記ユーザ携帯装置は、さらに位置データを検出する位置データ検出手段を有しており、
前記ユーザ携帯装置は、前記ユーザ管理者端末装置の操作者に前記位置データおよび当該ユーザ携帯装置が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データを特定する特定情報を、または、前記特定した保守者に前記位置データおよび当該ユーザ携帯装置が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データへのアクセスを可能とする権限データを付与すること、
を特徴とする特装車稼働動作データ管理システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかの特装車稼働動作データ管理システムにおいて、
前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、
前記特装車管理サーバは、前記特装車を保守できる保守者情報を記憶する保守者情報記憶手段を有しており、
前記ユーザ携帯装置は、前記保守者情報記憶手段に記憶された保守者のうち、特定された位置データに近接する保守者を前記特装車管理サーバから取得して、これを表示すること、
を特徴とする特装車稼働動作データ管理システム。
【請求項7】
請求項6の特装車稼働動作データ管理システムにおいて、
前記保守者情報には各保守者の電子的メッセージ連絡用宛先が含まれており、
前記ユーザ携帯装置のユーザによって、表示された保守者のいずれかが特定されると、当該保守者の電子的メッセージ連絡用宛先に、当該ユーザ携帯装置が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データへのアクセス可能とする権限データを送ること、
を特徴とする特装車稼働動作データ管理システム。
【請求項8】
請求項5または請求項7の特装車稼働動作データ管理システムにおいて、
前記ユーザ携帯装置は、前記権限データを送信すると、最新の稼働動作データを前記特装車管理サーバに送信すること、
を特徴とする特装車稼働動作データ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特装車の保守者管理システムに関し、特に、サービス工場の特定に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、塵芥車における故障を検知するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5147485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように単にエラー表示を行うだけでは以下のような問題があった。
【0005】
塵芥収集中にエラー表示がなされた場合、エラー内容によっては、すぐにサービス工場へ行き、メンテナンスを受ける必要がある場合もある。一般の車両であれば、近くの修理工場を探せばよいが、特装車の場合、知識のあるサービス工場におけるメンテナンスが必要となる。また特装車の場合、収集した塵芥を投棄場所まで届けるなど、営業所から遠い場所まで移動することも多い。このように、ユーザはエラー表示された場合に、迅速にサービス工場に連絡する際、サービス工場がどこにあるのかを探すのに手間がかかる。
【0006】
かかる問題は、塵芥収集車だけでなく他の特装車についても同様である。
【0007】
この発明は、上記問題を解決し、保守者管理の簡単な特装車保守者情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムは、 A)特装車管理サーバおよびユーザ端末を備え、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車に関する保守者情報を管理する特装車保守者情報管理システムであって、B)前記ユーザ端末は、下記を有しており、b1)前記特装車管理サーバに特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証するユーザ端末認証手段、b2)保守者を指定した登録要請を前記特装車管理サーバに与える保守者登録要請手段、C)前記特装車管理サーバは、下記c1)~c2)を有していること、c1)前記ユーザ端末からのユーザ認証要求に対してユーザ認証処理をおこなうサーバ側認証手段、c2)前記ユーザ端末から前記登録要請を受け取ると、当該ユーザの登録保守者として登録保守者情報記憶手段に登録する保守者管理手段、
このようにユーザ認証したユーザについて登録保守者を登録することができる。
【0009】
(2)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、前記ユーザ側管理者端末装置および前記ユーザ携帯装置は、前記特装車管理サーバに特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証するユーザ端末認証手段を有し、前記ユーザ側管理者端末装置または前記ユーザ携帯装置は、前記保守者登録要請手段を有し、前記ユーザ携帯装置は、さらに、前記制御対象装置にて発生したエラーデータを前記特装車車両側制御装置から受け取ると、前記特装車管理サーバに記憶された当該ユーザの登録保守者を取得して、これを報知する登録保守者報知手段を有する。
【0010】
したがって、エラー発生時に前記登録保守者への連絡を迅速にできる。
【0011】
(3)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、前記保守者情報には、各保守者への電子的メッセージ連絡用宛先データが含まれており、前記特装車管理サーバは、さらに、前記ユーザ携帯装置から稼働動作データを受け取ると、そのユーザの稼働動作データとして管理するユーザ別稼働動作データ管理手段を有しており、前記特装車管理サーバの前記サーバ側認証手段によって特定の保守者識別子の保守者として認証されると、前記保守者管理手段は、当該保守者が使用する装置が前記登録保守者として登録されているユーザの稼働動作データを一時的に閲覧可能とする権限データを付与する。したがって、当該登録保守者は前記保守を行う特装車の稼働動作データを一時的に参照できるので正確なメンテナンスが可能となる。
【0012】
(4)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、前記特装車管理サーバは、さらに、前記ユーザ携帯装置から当該ユーザの登録保守者の取得要請を受け取ると前記保守者情報記憶手段から当該ユーザの登録保守者を読み出して、当該ユーザ携帯装置に送信する。したがって、前記ユーザ携帯装置の記憶領域が小さい場合でも、これをユーザ携帯装置の使用者に必要な情報を得ることができる。
【0013】
(5)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、前記特装車管理サーバは、前記ユーザ携帯装置から受け取った各ユーザの各特装車に関する稼働動作データを記憶しており、前記ユーザ携帯装置は、さらに位置データを検出する位置データ検出手段を有しており、前記ユーザ携帯装置は、前記ユーザ管理者端末装置の操作者に前記位置データおよび当該ユーザ携帯装置が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データを特定する特定情報を、または、前記特定した保守者に前記位置データおよび当該ユーザ携帯装置が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データへのアクセスを可能とする権限データを送信する。これにより、前記ユーザ管理者端末装置の操作者は前記位置データおよび前記稼働動作データの特定ができる。前記特定した保守者は前記位置データおよび前記稼働動作データへアクセスすることができる。
【0014】
(6)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記ユーザ端末は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いるユーザ携帯装置およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置で構成され、前記特装車管理サーバは、前記特装車を保守できる保守者情報を記憶する保守者情報記憶手段を有しており、前記ユーザ携帯装置は、前記保守者情報記憶手段に記憶された保守者のうち、特定された位置データに近接する保守者を前記特装車管理サーバから取得して、これを表示する。したがって、登録保守者に保守を依頼できない場合に、近接する保守者を取得できる。
【0015】
(7)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記保守者情報には各保守者の電子的メッセージ連絡用宛先が含まれており、前記ユーザ携帯装置のユーザによって、表示された保守者のいずれかが特定されると、当該保守者の電子的メッセージ連絡用宛先に、当該ユーザ携帯装置が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データへのアクセス可能とする権限データを送る。登録保守者でなくても保守のための稼働動作データを得ることができる。
【0016】
(8)本発明にかかる特装車保守者情報管理システムにおいては、前記ユーザ携帯装置は、前記権限データを送信すると、最新の稼働動作データを前記特装車管理サーバに送信する。したがって、前記最新の稼働動作データを保守者に閲覧させることができる。
【0017】
請求項にて用いた用語と、実施形態における対応について説明する。
【0018】
「制御対象装置」とは、実施形態では、油圧ポンプP、マルチバルブMV、各種シリンダA1~A4、昇降体4、圧縮板5などが該当する。「制御対象装置制御部」は、実施形態では、架装物側制御装置UKが該当する。「保守者情報」とは、ユーザ携帯装置160またはユーザ側管理者端末装置120を使用するユーザが、保守者を選択等するための属性データをいい,実施形態では図5に示すユーザ別保守工場リストの項目(名称、住所、電話番号、メールアドレス、位置情報)が該当する。「電子的メッセージ連絡用宛先データ」とは実施形態ではメールアドレスを採用したが、ユーザ携帯装置160またはユーザ管理者端末装置120から電子的にメッセージを送るためのデータであればどのようなものであってもよい。
【0019】
「ユーザ端末」とは特装車管理サーバ100からみたユーザ側の端末を含み、実施形態では、ユーザ携帯装置160およびユーザ側管理者端末装置120の双方が該当する。また「ユーザ端末認証手段」とはユーザ携帯装置160のユーザ携帯認証手段161およびユーザ側管理者端末装置120の管理装置側認証手段121の双方が該当する。
【0020】
「保守者」とは、実施形態における「保守工場」のような保守者はもちろん、同じく組織であるメーカのメンテ部門を含み、さらに、前記組織の一員であるサービスマンも含む。
【0021】
「権限データを付与」とは、権限データを電子的メッセージを電子的メッセージ連絡用宛先に送信することはもちろん、それ以外の権限付与の手法を全て含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】特装車保守者情報管理システム1において採用する塵芥収集車Vについて一部を破断した全体側面図である。
図2】塵芥収集車Vにおける各部の制御関係を説明するための概略図である。
図3】特装車保守者情報管理システム1の機能ブロック図である。
図4】特装車管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
図5】特装車管理サーバ100のログインデータ、ユーザ別車両データの一例、ユーザ別保守工場リストを示す図である。
図6】特装車管理サーバ100の稼働動作データの一例を示す図である。
図7】ユーザ携帯装置160のハードウェア構成を示す図である。
図8】登録時のフローチャートである。
図9】SS表示時の画面例である。
図10】表示される画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
(1.特装車の説明)
まず、本特装車保守者情報管理システム1で用いる特装車である塵芥収集車Vについて説明する。
【0025】
図1に示す塵芥収集車Vは、ベース車両Vbと、そのベース車両Vbの組立完成後にその車体F上に架装される塵芥収集作業用の架装物Kとから構成されている。ベース車両Vbには車両側制御装置UVが、また架装物Kには架装物側制御装置UKがそれぞれ配備されている。
【0026】
図2に示すように、ベース車両Vbの車体Fには、エンジンE、バッテリB、電動モータM、動力選択取出機構PS、および車両側制御装置UVが搭載されている。
【0027】
エンジンEは車輪Wに駆動力を付与する。電動モータMはバッテリBにインバータ12を介して接続されてバッテリBからの電力で作動する。動力選択取出機構PSは、エンジンE及び電動モータMを含む駆動系としての車輪駆動系DからエンジンE又は電動モータMの動力を選択的に取出可能である。車両側制御装置UVはマイコンを主要部として構成されており、エンジンE、電動モータM、バッテリB及び電磁クラッチ11を制御する。エンジンEを始動操作するためのスタータスイッチS-SWも、車両側制御装置UVに接続されている。
【0028】
なお、車両側制御装置UVと、エンジンE、電動モータM及びバッテリBとの各間は、実際には複数の電力線及び/又は信号線で各々接続されるが、その表示を図2では簡略的に示している。
【0029】
動力取出装置PTOの出力側は、架装物Kの一部である油圧ポンプPに連動、連結される。また、動力取出装置PTOは、車両側制御装置UVに接続されており、同じく車両側制御装置UVに接続された動力取出スイッチP-SWへの操作入力に応じて、変速機10(図1参照)の出力を車輪W側と油圧ポンプP側とに選択的に切り換えて伝達する。具体的には、動力取出スイッチP-SWがオフ(OFF)の状態では、変速機10の出力が車輪W側に伝達されて走行駆動に利用される。これに対して、同スイッチP-SWがオン操作された状態では、変速機10の出力が油圧ポンプP側に伝達されてポンプ駆動に利用される。
【0030】
架装物Kは、後端を開放したボックス状の塵芥収容箱1をベース体(架装物本体)としており、この塵芥収容箱1は、ベース車両Vbの車体F上に後付けで搭載、固定される。塵芥収容箱1の後端には塵芥投入箱3が連設されている。塵芥投入箱3は、塵芥を塵芥収容箱1内に投入するための塵芥投入口3aを後端に有する。開閉扉3tは塵芥投入口3aを開閉する。
【0031】
塵芥投入箱3内には、作業機としての塵芥積込装置2が設けられる。塵芥積込装置2は、投入箱3が積込位置にあるときに、投入箱3内の投入塵芥を塵芥収容箱1内に強制的に積み込む。
【0032】
塵芥積込装置2の構造は、圧縮板式と呼ばれる従来周知のものであり昇降体4、第2シリンダA2、圧縮板5、第3シリンダA3とを有する。昇降体4は、塵芥収容箱1の後端開口1aに臨む位置で塵芥投入箱3の左右両側壁に昇降可能に支持されている。第2シリンダA2は、昇降体4と、その昇降体4を強制昇降させる。圧縮板5は、昇降体昇降用の第2シリンダA2と、塵芥投入箱3内でその横幅一杯に延び且つ昇降体4の下部に前後回動可能に軸支されている。第3シリンダA3は圧縮板5を強制回動させる。
【0033】
また、図1に示す塵芥投入箱3の塵芥投入口3a周辺の外面には後部操作盤CRが固定、支持されている。後部操作盤CRには、操作スイッチCR-SW1~3、第1動力源選択スイッチM-SW1、および報知ランプL1~L5が設けられる。操作スイッチCR-SW1~3は、塵芥積込装置2の作動態様を選択操作する。特に操作スイッチCR-SW3は危険状態の場合に緊急停止を指示するスイッチである。第1動力源選択スイッチM-SW1はオン操作されたときモータ選択信号を出力する。これにより、油圧ポンプPはエンジンEで駆動されるエンジン駆動状態から、電動モータMで駆動されるモータ駆動状態に切り換えられる。
【0034】
図1に示すように、ベース車両Vbの運転室内には、操作盤CFを有するキャビン内制御装置UFが設けられている。キャビン内制御装置UFは図2に示すように、マイコン61、近距離無線通信ユニット63、アンテナ65、および操作盤CFを有する。
【0035】
操作盤CFには、操作スイッチCF-SW1~3、第2動力源選択スイッチM-SW2、および報知ランプL1~L5が設けられる。操作スイッチCF-SW1~3は、操作スイッチCR-SW1~3と同様、塵芥積込装置2及び塵芥排出装置7の作動態様を選択操作する。第2動力源選択スイッチM-SW2は、前記第1動力源選択スイッチM-SW2と同様、オン操作されたときモータ選択信号を出力する。
【0036】
また、図1に示すように、塵芥投入箱3の上部にはカメラ53が設けられている。かかるカメラ53からの画像は、制御ユニットボックスUKB内に設けられた画像処理部51にて画像が解析される。画像処理部51は架装物側制御装置UKと接続されており、前記画像解析により危険状態と判断すると架装物側制御装置UKに緊急停止信号を出力する。すなわち操作スイッチCR-SW3が押された状態と同じとなる。
【0037】
なお本実施形態においては、特装車として塵芥収集車を例として説明したが、塵芥収集車には限定されない。
【0038】
2. 特装車保守者情報管理システム1の全体概要
装車稼働動作データ管理システム1は、特装車に搭載された制御対象装置210を制御する特装車車両側制御装置201から、制御対象装置210の稼働動作データを取得して、特装車180の稼働動作を管理する特装車稼働動作データ管理システムであって、特装車管理サーバ100、ユーザ端末150、および特装車180aを備えている。
【0039】
特装車180aの特装車車両側制御装置201は、近距離無線送受信手段203、稼働データ記憶手段205、特装車特定データ記憶手段209、および制御手段207を有する。近距離無線送受信手段203は、特装車車両側制御装置201の近距離無線送受信手段164と近距離無線通信によって接続する。稼働データ記憶手段205は、制御対象装置210の稼働動作データを記憶する。特装車特定データ記憶手段209は特装車の識別子を記憶する。制御手段207は稼働データ記憶手段205に記憶された稼動動作データを近距離無線送受信手段203で送信する際の管理を行う。
【0040】
ユーザ端末150は、搭載された制御対象装置を特装車車両側制御装置によって制御する特装車の使用者が用いる1又は2以上のユーザ携帯装置160およびユーザ側の管理者が使用するユーザ側管理者端末装置120で構成されている。ユーザ側管理者端末装置120およびユーザ携帯装置160は、特装車管理サーバ100に、特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証するユーザ端末認証手段(管理装置側認証手段121、およびユーザ携帯認証手段161)を有し、ユーザ側管理者端末装置は保守者登録要請手段125を有する。なお、保守者登録要請手段125は、ユーザ携帯装置160が有していてもよい。
【0041】
特装車管理サーバ100は、登録保守者情報記憶手段101、保守者管理手段102、ユーザ別稼働動作データ管理手段103、サーバ側認証手段105、および保守者情報記憶手段106を備えている。
【0042】
サーバ側認証手段105は、ユーザ端末150からのユーザ認証要求に対してユーザ認証処理をおこなう。保守者管理手段102は、ユーザ端末150から登録要請を受け取ると、当該ユーザの登録保守者として登録保守者情報記憶手段101に登録する。ユーザ別稼働動作データ管理手段103は、ユーザ携帯装置160から稼働動作データを受け取ると、ユーザ別に記憶する。
【0043】
保守者管理手段102は、ユーザ携帯装置160から当該ユーザの登録保守者の取得要請を受け取ると、登録保守者情報記憶手段101から当該ユーザの登録保守者を読み出して、当該ユーザ携帯装置160に送信する。
【0044】
ユーザ携帯装置160は、近距離無線送受信手段164、稼働動作データ管理手段166、ユーザ携帯認証手段161、位置データ検出手段162、および保守者報知手段163を有する。
【0045】
ユーザ携帯認証手段161は、特装車管理サーバ100に特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証する。稼働動作データ管理手段166は、近距離無線送受信手段164に特装車車両側制御装置201と無線通信接続させ、架装物の稼働動作データを取得し、これを記憶する。また、記憶した稼働動作データを定められた送信条件に基づいて、特装車管理サーバ100に送信する。送信条件としては、所定時間毎の自動送信で自動送信モードおよび随時送信モードの双方である。
【0046】
位置データ検出手段162は、保守者報知手段163は、制御対象装置210にて発生したエラーデータを特装車車両側制御装置201から受け取ると、特装車管理サーバ100に記憶された当該ユーザの登録保守者を取得して、これを報知する。
【0047】
ユーザ側管理者端末装置120は、管理装置側認証手段121、および保守者登録要請手段125を有する。管理装置側認証手段121は、特装車管理サーバ100に、特定のユーザ識別子のユーザとしてユーザ認証処理をおこなう。保守者登録要請手段125は、特装車管理サーバ100に保守者を指定した登録要請をおこなう。
【0048】
このようにユーザ識別子ごとに特装車の保守者を登録しておくことで、エラー処理など保守作業が必要となった場合に、迅速かつ容易に連絡が可能となる。
【0049】
前記保守者情報には、各保守者への電子的メッセージ連絡用宛先データを含めておき、特装車管理サーバ100のサーバ側認証手段105によって特定の保守者識別子の保守者として認証されると、保守者管理手段102は、当該保守者が使用する装置が登録保守者として登録されているユーザの稼働動作データを一時的に閲覧可能とする権限データを、電子的メッセージ連絡用宛先に送信するようにしてよい。
【0050】
また、保守者管理手段102は、保守者情報記憶手段106に記憶された未登録の保守者一覧をユーザ端末150に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザ端末150における登録要請の入力を簡易することができる。
【0051】
またユーザ携帯装置160は、ユーザ管理者端末装置120の操作者に前記位置データおよびユーザ携帯装置160が接続された特装車車両側制御装置201の前記稼働動作データを特定する特定情報を、または、前記特定した保守者に前記位置データおよび当該ユーザ携帯装置160が接続された特装車車両側制御装置201の前記稼働動作データへのアクセスを可能とする権限データを送信するようにしてもよい。
【0052】
特装車管理サーバ100の保守者情報記憶手段106に、特装車を保守できる保守者情報を記憶しておき、ユーザ携帯装置160は、特装車管理サーバ100の保守者情報記憶手段106に記憶された保守者のうち、特定された位置データに近接する保守者を取得して、これを表示するようにしてもよい。
【0053】
また、保守者情報に各保守者の電子的メッセージ連絡用宛先を含めておき、ユーザ携帯装置160のユーザによって、表示された保守者のいずれかが特定されると、当該保守者の電子的メッセージ連絡用宛先に、当該ユーザ携帯装置160が接続された特装車車両側制御装置201の前記稼働動作データへのアクセス可能とする権限データを送るようにしてもよい。なお、ユーザ携帯装置160は、前記権限データを送信すると、最新の稼働動作データを特装車管理サーバ100に送信するようにしてもよい。
【0054】
3.ハードウェア構成
(3.1 特装車管理サーバ100のハードウェア構成)
特装車管理サーバ100を、CPUを用いて構成したハードウェア構成について、図4を用いて説明する。
【0055】
特装車管理サーバ100は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、入力デバイス28、通信ボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0056】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26m、地図データ記憶部26c、ユーザID記憶部26u、ユーザ別登録車両データ26t、ユーザ別保守工場記憶部26K、およびユーザ別稼働動作データ記憶部26dを有する。
【0057】
ユーザ別登録車両データ26cのデータ構造を図5Aに示す。ユーザ別登録車両データ記憶部26cには、ユーザIDと当該ユーザが管理する特装車の製造番号を対応づけたユーザ別登録車両データ記憶されている。ユーザID記憶部26uに記憶されるログインデータのデータ構造を図5Bに示す。ログインデータはユーザIDとパスワードが対応づけて記憶されている。ユーザ別保守工場記憶部26Kに記憶されたユーザ別保守工場データを図5Cに示す。本実施形態においては、ユーザ別保守工場データは、ユーザID、登録保守工場ID、名称、住所、電話番号、メールアドレスおよび位置情報で構成した。
【0058】
ユーザ別稼働動作データ記憶部26dに記憶される稼働動作データのデータ構造を図6に示す。稼働動作データは、製造番号に対応付けて、時刻、積算積込回数、積算TG上昇回数、PTO稼働時間、および位置データが記憶されている。かかる稼働動作データはユーザ携帯装置160を介して与えられる。
【0059】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、Windows 10(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0060】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたCD-ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0061】
本実施形態においては、プログラムをCD-ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CD-ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CD-ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0062】
(3.2 ユーザ携帯装置160のハードウェア構成)
ユーザ携帯装置160について図7を用いて説明する。同図は、ユーザ携帯装置160を、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0063】
ユーザ携帯装置160は、一般的なスマートフォンの構成であり、CPU123、メモリ127、フラッシュメモリ126、表示部130、無線通信部128、操作部125、音声入出力部124、位置情報検出部122、近距離無線通信ユニット121、およびバスライン129を備えている。位置情報検出部122は、GNNS(Global Navigation Satellite System)により位置情報を検出するモジュールである。近距離無線通信ユニット121はBluetooth(登録商標)規格での通信をおこなう。本実施形態においては、OSとしてiOS(商標)を採用した。
【0064】
CPU123は、フラッシュメモリ126に記憶された各プログラムにしたがいバスライン129を介して、各部を制御する。
【0065】
フラッシュメモリ126は、オペレーティングシステムプログラム126o(以下OSと略す)、メインプログラム126mを有する。
【0066】
メインプログラム126mの処理は後述する。
【0067】
本実施形態においては、近距離無線通信ユニットとして、Bluetooth(登録商標)を採用したが、これに限定されない。
【0068】
フラッシュメモリ126は、稼働動作データ記憶部126k、送信条件記憶部126dを有する。稼働動作データ記憶部26dの稼働動作データは、以下の手順でユーザ携帯装置160に記憶される。CPU123はメインプログラム126mに基づいて、特装車車両側制御装置201と定期的に(たとえば30秒毎)近距離無線で接続するとともに、稼働動作データの取得命令を与える。特装車の特装車車両側制御装置201はかかる取得命令を受けとると、架装物側制御装置UK内のメモリ(図2にて図示せず)に記憶されている稼働動作データを、ユーザ携帯装置160に送信する。CPU123はかかる稼働動作データを受け取ると稼働動作データ記憶部126kに記憶する。
【0069】
(3.3 ユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成)
図3に示すユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成は、図4と同様であり、ハードディスクに登録されているメインプログラムによる処理が後述するように異なる。
【0070】
4.保守工場登録処理および読み出し処理
図8を用いて、保守工場の登録処理について説明する。以下ではユーザID1001のユーザが、ユーザ側管理者端末装置120にて、前記ユーザIDでログインするユーザ携帯装置が使用する保守工場を登録する場合について説明する。
【0071】
ユーザ側管理者端末装置120の操作者は、ブラウザプログラムにて、所定のURLを入力し、初期画面にてユーザID「1001」にてログインする。かかる認証処理は、ブラウザプログラムにて通常のIDとパスワードを入力して行う処理であるので説明は省略する。
【0072】
ログインがなされると初期画面が管理サーバから送信され、ユーザ側管理者端末装置のモニタに表示される(図8ステップS1)。前記操作者は初期画面で処理「新規保守工場(SS)登録」を選択する(図示せず)。ユーザ側管理者端末装置のCPU(図示せず)は、かかる新規SS登録ボタンが選択されるか否か判断しており(ステップS3)、かかる選択があると、SS入力画面を表示する(ステップS5)。本実施形態においては、入力画面で入力する詳細情報として、名称、住所、電話番号、メールアドレス、位置情報を採用した。
【0073】
前記ユーザが、登録する詳細情報を入力して完了ボタン(図示せず)をクリックすると(ステップS7)、ユーザ側管理者端末装置120のCPUは、入力された詳細情報を含む登録要請を管理サーバ100に送信する(ステップS9)。
【0074】
管理サーバ100のCPU23は、前記登録要請を受け取るか否か判断しており(ステップS11)、前記登録要請を受け取ると、ログインしているユーザの登録保守工場として、登録する(ステップS13)。これにより、図5Cに示すユーザID1001用の登録保守工場として、入力された保守工場が追加される。
【0075】
図9を用いて、ユーザ携帯装置160における保守工場への連絡処理について説明する。以下ではユーザID1001のユーザが、ユーザ携帯装置160の専用アプリにて、ユーザID1001のユーザとして登録した保守工場に連絡する場合について説明する。
【0076】
ユーザ携帯装置160の操作者は、ユーザID1001にてIDとパスワードを入力してログインをする。かかる認証処理は、通常のIDとパスワードを入力して行う処理であるので説明は省略する。
【0077】
ユーザ携帯装置160のCPU123は制御対象装置からエラーを受信したかを判断する(ステップS23)。CPU123はかかるエラーを受け取ると、図10Aに示すエラー画面を表示する(ステップS25)。ユーザはかかるエラー画面をみて、今回のエラーは「E04 コンタクター溶着不良」「E06 モータードライブFETオープン破壊」「E08 モーターブラシ加熱検知」であるをエラーとして受け取ったことがわかる。
【0078】
ユーザ携帯装置160のユーザは、かかるエラー画面をみて、保守工場での点検整備の必要があるか判断する。保守工場での点検整備の必要があると判断した場合、「登録しているSSに連絡する」ボタン71を選択する。
【0079】
CPU123は、前記エラー画面表示後、「近くのSS(保守工場)を探す」ボタンか「登録しているSS(保守工場)」ボタンが選択されるか否か判断しているので(ステップS27,S29)、ステップS31に進み、登録SSデータの送信要求を管理サーバ100に送信する(ステップS31)。
【0080】
管理サーバ100は、ユーザの携帯装置から何らかの要求があるか判断しており(ステップS51)、なんらかの要求があると、「近くのSS検索要求」または「登録SSデータの送信要求」のいずれであるかを判断する(ステップS53,S55、S57)。
【0081】
この場合、登録SSデータの送信要求であるので、CPU23はそのユーザの登録SSデータを読み出して送信する(ステップS56)。この場合、ユーザID1001の登録SSの登録保守工場ID「M123456」「M123457」「M123458」に関するデータ(図5C参照)を読み出す。また読み出した保守工場の位置情報から、必要な範囲の地図データを地図データ記憶部26c(図4参照)から読み出す。これらの保守工場に関するデータ(保守工場データという)をユーザ携帯装置160に送信する(ステップS54)。
【0082】
ユーザ携帯装置160のCPU123は、特装車管理サーバから保守工場データを受信するか否か判断しており(ステップS33)、これを受信すると、かかるデータを受け取って、図10Bに示すような画面を表示する(ステップS35)。
【0083】
ユーザ携帯装置160のユーザは、かかる画面が表示されると、いずれかの保守工場を選択するとともに、選択した保守工場に対する連絡手法を特定する。ここでは、選択SSは「登録SS1」、連絡手法は「メールで連絡」を特定する場合とする。
【0084】
ユーザは、「登録SS1」を選択するとともに、「メールで送るボタン」75を選択する。CPU123は「SSの選択&メールを送る」、「SSの選択&電話をかける」または「SSの選択&地図を表示する」のいずれかが選択されるかを判断している(ステップS37,ステップS40,ステップS43)。したがって、CPU123は、上記選択を受けて、宛先としてステップS33で受け取った登録SSデータに含まれるメールアドレスをメールアプリ(ソフト)に設定して起動する。ユーザは連絡に必要なメール文章を入力して送信処理を行う。かかるユーザ携帯装置160におけるメールアプリの起動から送信処理については、スマートフォンにおけるメール処理として周知なので説明は省略する。
【0085】
ユーザはメール送信が完了すると、メールアプリを終了させる。これによりCPU123はメールアプリの処理は終了したと判断し(ステップS42)、ステップS35の処理に戻る。
【0086】
なお、ステップS35において、ユーザが保守工場を決める場合にその位置を知らない場合もある。その場合には、図10Bが表示された段階で、登録SSを選択するととも、「地図を表示するボタン」79を選択すればよい。
【0087】
CPU123は、「SSの選択&メールを送る」、「SSの選択&電話をかける」または「SSの選択&地図を表示する」のいずれかが選択されるかを判断している(図9ステップS37,ステップS40,ステップS43)。したがって、CPU123は、「地図を表示するボタン」79が選択されると、ステップS43からステップS44に進み、ステップS33で受信した地図データを表示する。
【0088】
なお、ステップS35で図10Bに示すような表示がなされた時に、ユーザ携帯装置160のユーザが電話で登録保守工場に連絡したい場合もある。このような場合には、SSを選択するとともに、「電話をかけるボタン」77を選択すればよい。これによりCPU123は、宛先としてステップS33で受け取った登録SSデータに含まれる電話番号を設定して電話アプリ(ソフト)を起動する。ユーザは電話で保守工場に連絡する。携帯装置160における電話処理については周知なので説明は省略する。
【0089】
なお、ステップS25にて図10Aに示すエラー画面を表示した時に、登録した保守工場以外の保守工場を検索したい場合もある。たとえば通常の周回ルートとは異なる地域にてエラーが発生したような場合である。この場合は、ユーザ携帯装置160のユーザは、「近くのSSを探す」ボタン73を選択する。これによりユーザ携帯装置160のCPU123は、現在の位置データとともに、近くのSS検索要求を送信する(ステップS28)。
【0090】
特装車管理サーバ100のCPU23は、この近くのSS検索要求を受けると(ステップS53)、近くの保守工場を検索してその保守工場情報を送信する。その後の処理は、登録保守工場の場合と同じである。
【0091】
このように、ユーザーごとに保守工場を登録しておけば、エラー検出があると登録した保守工場または近所の保守工場への簡単に連絡することができる。
【0092】
(2.他の実施形態)
本実施形態においては、図3において、1ユーザのユーザ端末として、1のユーザ側管理者端末装置120、1のユーザ携帯装置160であるとして図示したが、ユーザ携帯装置160は、ユーザが同時に使用する特装車の数だけ、必要となる。一般的には、1ユーザで、複数のユーザ携帯装置160、複数の特装車で構成される。なお、ユーザ側管理者端末装置120を複数設けてもよい。
【0093】
本実施形態においては、保守工場にメールする際に、アドレスをメールアプリに渡すようにしたが、エラー内容を併せてメールアプリに渡して、送信できるようにしてもよい。
【0094】
また、ユーザ携帯装置160は、特装車から受け取った稼働動作データを、定期的又は随時、特装車管理サーバ100に送信している。前記メールを送る際に、当該車両の稼働動作データの履歴に一時的にアクセスできるワンタイムパスワードをあわせて送るようにしてもよい。データベースへのアクセス権限として検索範囲を当該車両の稼働動作データだけとしてもいいし、稼働動作データの製造番号(図6参照)が同じデータを読みだして、一次的な画面を生成してそれを送るようにしてもよい。
【0095】
なお、かかる処理は、ユーザ携帯装置160からのメールとは別に、特装車管理サーバ100から送信するようにしてもよい。この場合、たとえばステップS39、ステップS42の後、ユーザ携帯装置160から保守工場へ連絡しことを特装車管理サーバ100に報知するステップを実行すればよい。
【0096】
本実施形態においては、特装車管理サーバ100にユーザ毎の登録SS情報を記憶するようにしたが、これは、ユーザ管理者端末装置120またはユーザ携帯装置160に記憶するようにしてもよい。
【0097】
また、本実施形態においては、ユーザ管理者端末装置120またはユーザ携帯装置160から保守工場データを入力するようにしたが、特装車管理サーバ100に候補となる保守工場データを記憶させておき、このリストをユーザ管理者端末装置120またはユーザ携帯装置160に送信して、これから当該ユーザの登録保守工場として特定されれば、これを記憶するようにしてもよい。
【0098】
なお、本実施形態においては、地図データを特装車管理サーバ100に記憶するようにしたが、特装車管理サーバ100からは保守工場の位置データをユーザ携帯装置160に送信し、ユーザ携帯装置160が別途地図データベースに、必要な縮尺で必要な領域の地図データを要求し、ユーザ携帯装置160で両者を合体して表示するようにしてもよい。
【0099】
なお保守者はメーカのメンテ部門の人間(たとえばサービスマン)であってもよい。
【0100】
また、保守者である保守工場は特装車を販売した(特装車管理サーバを所有する)企業が有するサービス工場でも良いし。 その企業外の者が運営するサービス工場でもよい。
【0101】
また、特装車管理サーバ100は、ステップS54にて、近くの保守工場を検索してその保守工場情報を送信する際に、そのユーザの登録保守工場を除外した保守工場を送信するようにしてもよい。これにより、一旦、登録保守工場を検索した後に、適切な保守工場がなく、登録していな保守工場から候補となる保守工場を探したい場合に、検討済みの保守工場の表示を省くことができる。
【0102】
ユーザ携帯装置160は、ユーザ管理者端末装置120に、位置データおよび当該ユーザ携帯装置160が接続された特装車車両側制御装置の前記稼働動作データを特定する特定情報をメールで送信するようにしてもよい。これによりユーザ管理者端末装置120はエラーがあった特装車に関する位置およびエラー状況を簡易に取得することができる。また、ユーザ携帯装置160は、このようなメールを送った後、最新の稼働動作データを特装車管理サーバ100に送信するようにしてよい。これにより特装車管理サーバ100に、メールを送った際の稼働動作データを記憶させることができる。
【符号の説明】
【0103】
100 特装車管理サーバ
120 ユーザ側管理者端末装置
160 ユーザ携帯装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10