IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社藤商事の特許一覧

<>
  • 特開-遊技機 図1
  • 特開-遊技機 図2
  • 特開-遊技機 図3
  • 特開-遊技機 図4
  • 特開-遊技機 図5
  • 特開-遊技機 図6
  • 特開-遊技機 図7
  • 特開-遊技機 図8
  • 特開-遊技機 図9
  • 特開-遊技機 図10
  • 特開-遊技機 図11
  • 特開-遊技機 図12
  • 特開-遊技機 図13
  • 特開-遊技機 図14
  • 特開-遊技機 図15
  • 特開-遊技機 図16
  • 特開-遊技機 図17
  • 特開-遊技機 図18
  • 特開-遊技機 図19
  • 特開-遊技機 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019499
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124265
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】特許業務法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩下 敬一郎
(72)【発明者】
【氏名】木下 雅博
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA02
2C333CA05
2C333DA01
(57)【要約】
【課題】画像表示手段による図柄変動演出をより効果的に行うことが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】普通図柄が所定態様となった場合に、特別図柄始動手段が第2状態から第1状態へと変化する普通利益状態を発生させ、特別図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に変動する特別図柄が特定態様となった場合に特別利益状態を発生させ、特別遊技状態開始条件を満たす場合に、特別利益状態の終了後に通常遊技状態とは異なる特別遊技状態を発生させ、画像表示手段で図柄変動演出を実行可能とした遊技機で、通常遊技状態中は特別図柄の変動に対応して、特別遊技状態中は普通図柄の変動に対応して図柄変動演出を実行し、通常遊技状態中は特別図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、特別遊技状態中は普通図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、デモ演出を開始する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
普通図柄始動手段が遊技球を検出した上で普通図柄変動開始条件を満たす場合に普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段と、
前記普通図柄表示手段の変動後の停止図柄が所定態様となった場合に普通利益状態を発生させる普通利益状態発生手段と、
特別図柄始動手段が遊技球を検出した上で特別図柄変動開始条件を満たす場合に特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段と、
前記特別図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定態様となった場合に特別利益状態を発生させる特別利益状態発生手段と、
特別遊技状態開始条件を満たす場合に、前記特別利益状態の終了後に通常遊技状態とは異なる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
画像表示手段で図柄変動演出を実行可能な図柄変動演出表示手段と、
遊技球が入球可能な第1状態と該第1状態よりも遊技球が入球困難又は入球不可能な第2状態とに変化可能な作動入球手段とを備え、
前記普通利益状態では、前記作動入球手段が複数種類の作動パターンの何れかに従って前記第2状態から前記第1状態へと変化し、
前記特別図柄始動手段は前記作動入球手段を含む
遊技機において、
前記図柄変動演出表示手段は、前記通常遊技状態中は前記特別図柄の変動に対応して、前記特別遊技状態中は前記普通図柄の変動に対応して、前記図柄変動演出を実行し、
前記通常遊技状態中は前記特別図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、前記特別遊技状態中は前記普通図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、デモ演出を開始する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特別図柄の変動が停止し且つ前記特別図柄変動開始条件を満たさない場合、及び前記普通図柄の変動が停止し且つ前記普通図柄変動開始条件を満たさない場合に、遊技状態に拘わらず主制御手段からサブ制御手段に対してデモコマンドを送信し、
前記サブ制御手段は、前記デモコマンドを受信した場合に、遊技状態に応じて前記デモ演出を実行するか否かを決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特別図柄の変動が停止し且つ前記特別図柄変動開始条件を満たさない場合に送信する前記デモコマンドと、前記普通図柄の変動が停止し且つ前記普通図柄変動開始条件を満たさない場合に送信する前記デモコマンドとを異ならせた
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記通常遊技状態中に行われる前記デモ演出と、前記特別遊技状態中に行われる前記デモ演出とを異ならせた
ことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に図柄を変動表示する図柄表示手段と、その図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定態様となった場合に利益状態を発生させる利益状態発生手段とを備えている。この種の遊技機では、図柄表示手段による図柄変動に対応して、画像表示手段上でアニメーションによる図柄変動演出を実行するように構成されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-124357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遊技機では、画像表示手段による図柄変動演出は、遊技状態等に拘わらず常に同種の図柄変動に対応して行われるため、変化に乏しく、得られる演出効果は必ずしも十分なものではなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、画像表示手段による図柄変動演出をより効果的に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、普通図柄始動手段が遊技球を検出した上で普通図柄変動開始条件を満たす場合に普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段と、前記普通図柄表示手段の変動後の停止図柄が所定態様となった場合に普通利益状態を発生させる普通利益状態発生手段と、特別図柄始動手段が遊技球を検出した上で特別図柄変動開始条件を満たす場合に特別図柄を変動表示する特別図柄表示手段と、前記特別図柄表示手段の変動後の停止図柄が特定態様となった場合に特別利益状態を発生させる特別利益状態発生手段と、特別遊技状態開始条件を満たす場合に、前記特別利益状態の終了後に通常遊技状態とは異なる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、画像表示手段で図柄変動演出を実行可能な図柄変動演出表示手段と、遊技球が入球可能な第1状態と該第1状態よりも遊技球が入球困難又は入球不可能な第2状態とに変化可能な作動入球手段とを備え、前記普通利益状態では、前記作動入球手段が複数種類の作動パターンの何れかに従って前記第2状態から前記第1状態へと変化し、前記特別図柄始動手段は前記作動入球手段を含む遊技機において、前記図柄変動演出表示手段は、前記通常遊技状態中は前記特別図柄の変動に対応して、前記特別遊技状態中は前記普通図柄の変動に対応して、前記図柄変動演出を実行し、前記通常遊技状態中は前記特別図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、前記特別遊技状態中は前記普通図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、デモ演出を開始するものである。
また、前記特別図柄の変動が停止し且つ前記特別図柄変動開始条件を満たさない場合、及び前記普通図柄の変動が停止し且つ前記普通図柄変動開始条件を満たさない場合に、遊技状態に拘わらず主制御手段からサブ制御手段に対してデモコマンドを送信し、前記サブ制御手段は、前記デモコマンドを受信した場合に、遊技状態に応じて前記デモ演出を実行するか否かを決定するように構成してもよい。この場合、前記特別図柄の変動が停止し且つ前記特別図柄変動開始条件を満たさない場合に送信する前記デモコマンドと、前記普通図柄の変動が停止し且つ前記普通図柄変動開始条件を満たさない場合に送信する前記デモコマンドとを異ならせてもよい。
また、前記通常遊技状態中に行われる前記デモ演出と、前記特別遊技状態中に行われる前記デモ演出とを異ならせてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画像表示手段による図柄変動演出をより効果的に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ機の全体斜視図である。
図2】同パチンコ機の遊技盤の正面図である。
図3】同パチンコ機の第1特別図柄における大当り態様の種類毎の大当り開放パターン、特別遊技状態及びその振分率を示す図である。
図4】同パチンコ機の普通図柄における当り態様及び特別遊技状態の種類に対応する普通利益状態(開閉パターン)及びその振分率を示す図である。
図5】同パチンコ機の第2特別図柄における大当り/小当り態様の種類毎の大当り/小当り開放パターン、特別遊技状態及びその振分率を示す図である。
図6】同パチンコ機の小当り開放パターン及びそれに対応する振り分けパターンを示す図である。
図7】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
図8】同パチンコ機の普通図柄処理のフローチャートを示す図である。
図9】同パチンコ機の普通図柄変動開始処理のフローチャートを示す図である。
図10】同パチンコ機の普通図柄変動中処理のフローチャートを示す図である。
図11】同パチンコ機の特別図柄処理のフローチャートを示す図である。
図12】同パチンコ機の特別図柄変動開始処理のフローチャートを示す図である。
図13】同パチンコ機の特別図柄変動中処理のフローチャートを示す図である。
図14】同パチンコ機の外部端子管理処理のフローチャートを示す図である。
図15】同パチンコ機の盤側外部端子に対応する出力信号を示す図である。
図16】同パチンコ機の客待ち演出処理のフローチャートを示す図である。
図17】同パチンコ機の通常遊技状態中における液晶表示手段の演出及びそれに関連する各事項のタイムチャートを示す図である。
図18】同パチンコ機の大当り状態終了時(特別遊技状態開始時)における液晶表示手段の演出及びそれに関連する各事項のタイムチャートを示す図である。
図19】同パチンコ機の特別遊技状態中における液晶表示手段の演出及びそれに関連する各事項のタイムチャートを示す図である。
図20】同パチンコ機の特別遊技状態終了時における液晶表示手段の演出及びそれに関連する各事項のタイムチャートを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図20は本発明をいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、正面視矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、ガラス扉5と前面板6とが上下に隣接するように配置され、夫々ヒンジ3と同じ側のヒンジ7により前枠4に開閉自在に枢支されている。もちろん、ガラス扉5と前面板6とを一つの扉体として一体に開閉可能としてもよい。
【0009】
前面板6の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段(図示省略)に供給する上皿8が上部側に配置され、またその上皿8の下側には、上皿8が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿9が左端側に、発射ハンドル10が右端側に夫々配置されている。発射ハンドル10は、発射手段を作動させるためのもので、遊技者がこの発射ハンドル10を把持して回転操作することによってその操作量に応じた発射強度となるように発射手段が作動し、上皿8から供給される遊技球が所定の発射間隔(例えば0.6秒)で遊技領域18(図2)に向けて連続的に発射される。また、上皿8等を前側から覆う上皿カバー11上には、演出用の操作ボタン12,13、球貸し操作部14等が配置されている。
【0010】
前枠4には、ガラス扉5の後側に対応して遊技盤15(図2)が前側から着脱自在に装着されている。遊技盤15は、ベニヤ板等のベース板16を備え、そのベース板16の前側に、発射手段により発射された遊技球を案内するガイドレール17が環状に配置されると共に、そのガイドレール17の内側の遊技領域18に、中央表示枠ユニット21、第1始動入賞ユニット22、第2始動入賞ユニット23、普通入賞ユニット24等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
【0011】
遊技盤15の複数のユニット部品21~24等には、第1普通図柄始動手段31、第2普通図柄始動手段32、第1特別図柄始動手段33、第2特別図柄始動手段34、第1大入賞手段35、第2大入賞手段36、普通入賞手段37、普通図柄表示手段38、普通保留個数表示手段39、右打ちランプ40、第1特別図柄表示手段41、第2特別図柄表示手段42等が設けられている。またベース板16の後側には、液晶表示手段(画像表示手段の一例)43、可動演出手段44等が配置されている。
【0012】
中央表示枠ユニット21は、液晶表示手段43及び可動演出手段44の表示枠を構成するもので、後側の液晶表示手段43に対応する開口窓45が略中央に形成されており、ベース板16に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット21は、図2に示すように、ベース板16の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板46と、液晶表示手段43の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板46の内周側で前向きに突設された装飾枠47と、その装飾枠47の左右の下端部間に配置されるステージ48とを備えている。発射手段により発射され、遊技領域18の上部側に進入した遊技球は、装飾枠47の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット21の左側の左流下経路(第1流下経路)49aと右側の右流下経路(第2流下経路)49bとの何れかを流下する。
【0013】
中央表示枠ユニット21には、左流下経路49a側と右流下経路49b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路49a側に、遊技球が流入可能なワープ入口50が設けられている。左流下経路49aを流下中にワープ入口50に流入した遊技球は、ステージ48上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域18の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部51とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。
【0014】
可動演出手段44は、任意の立体形状に形成された可動体44aを備えている。可動体44aは、図示しない駆動手段の駆動により、所定の原点位置を起点として液晶表示手段43の前側を移動可能に構成されている。
【0015】
中央表示枠ユニット21の下側には、ガイドレール17の内側に沿って左右方向の中央に第1始動入賞ユニット22が、右側に第2始動入賞ユニット23が、左側に普通入賞ユニット24が夫々配置されている。
【0016】
第1普通図柄始動手段(普通図柄始動手段)31は、普通図柄表示手段38による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成され、遊技球の通過を検出する遊技球検出手段31aを備えており、中央表示枠ユニット21の右部における右流下経路49b上に配置されている。
【0017】
第2普通図柄始動手段(普通図柄始動手段)32は、第1普通図柄始動手段31と同じく普通図柄表示手段38による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非作動式入賞手段により構成され、入球した遊技球を検出する遊技球検出手段32aを備えている。この第2普通図柄始動手段32は、右流下経路49bの最下流側に配置された第2始動入賞ユニット23に設けられており、他の入賞手段に入賞することなく右流下経路49bを流下してきた遊技球は、100%ではないものの高い確率(例えば95%以上)でこの第2普通図柄始動手段32に入賞するように構成されている。なお、第2普通図柄始動手段32に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数(ここでは1個)の遊技球が賞球として払い出される。以上のような第2普通図柄始動手段32を設けることで、後述する右打ち期間中に持ち球を減らすことなく遊技を行うことが可能となる。なお図2に示すように、第2普通図柄始動手段32のすぐ上方には遊技釘が配置されており、これらによって第2普通図柄始動手段32への入賞率を調整することが可能である。
【0018】
普通図柄表示手段38は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば2個のLEDで構成されており、第1普通図柄始動手段31、第2普通図柄始動手段32の何れかが遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1普通図柄始動手段31を通過し、遊技球検出手段31aがそれを検出するか、遊技球が第2普通図柄始動手段32に入球し、それを遊技球検出手段32aが検出することを条件に、普通図柄を構成する2個のLEDが普通変動中発光パターンで発光した後、第1,第2普通図柄始動手段31,32による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。
【0019】
普通図柄を構成する2個のLEDは、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当り態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能である。本実施形態では、普通図柄の当り態様として、図4に示すようにa1~a3の3種類が設けられており、それら当り態様a1~a3の振分率は夫々30%,30%,40%に設定されている。
【0020】
また、第1,第2普通図柄始動手段31,32による遊技球検出時に取得された普通乱数情報は、予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通図柄の変動が可能になる毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段39等によって遊技者に報知される。
【0021】
第1特別図柄始動手段(特別図柄始動手段)33は、第1特別図柄表示手段41による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非作動式入賞手段により構成され、入球した遊技球を検出する遊技球検出手段33aを備えている。この第1特別図柄始動手段33は、第1始動入賞ユニット22に設けられ、ステージ48の中央落下部51に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路49a側のワープ入口50からステージ48を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路49bを流下してきた遊技球よりも左流下経路49aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段33に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0022】
第2特別図柄始動手段(特別図柄始動手段、作動入球手段)34は、第2特別図柄表示手段42による図柄変動を開始させるためのもので、可動部52aの作動によって遊技球が入賞口52に入賞可能な第1状態と入賞不可能(又は第1状態よりも入賞困難)な第2状態とに変化可能な作動式入賞手段により構成され、入賞口52に入球した遊技球を検出する遊技球検出手段34aを備えており、普通図柄表示手段38の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生した場合に、所定の作動パターンに従って可動部52aが所定時間第2状態から第1状態に変化するようになっている。この第2特別図柄始動手段34は、右流下経路49b上で且つ第1普通図柄始動手段31の下流側に配置されており、右流下経路49bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。
【0023】
本実施形態では、普通利益状態における第2特別図柄始動手段34の作動パターンとして、図4に示すように、第1状態の時間が極めて短いショートパターンと、このショートパターンよりも第1状態の時間が長いロングパターンの2種類が設けられており、後述する特別遊技状態中であるか否か、及びその特別遊技状態の種類(第1~第3時短状態)に応じて、第1時短状態のときには当り態様a1~a3の何れの場合もロングパターンが選択され(ロング開放率100/100)、第2時短状態のときには当り態様a1,a2の場合はロングパターンが、当り態様a3の場合はショートパターンが夫々選択され(ロング開放率60/100)、第3時短状態のときには当り態様a1の場合はロングパターンが、当り態様a2,a3の場合はショートパターンが夫々選択され(ロング開放率30/100)、第1~第3時短状態の何れでもない通常遊技状態のときには当り態様a1~a3の何れの場合もショートパターンが選択される(ロング開放率0/100)。
【0024】
ロングパターンの場合には、第2状態から第1状態に切り替わった後、所定個数(ここでは1個)の遊技球が入賞した時点で第2状態に切り替わり、普通利益状態が終了するようになっている。即ち本実施形態では、第2特別図柄始動手段34の1回のロングパターンでの作動に対し、入賞個数は1個に限られる。この第2特別図柄始動手段34の入賞口52に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数(例えば2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、通常遊技状態におけるロング開放率を0/100よりも大きな値に設定してもよい。
【0025】
第2特別図柄始動手段34では、入賞口52が横向き開口状に形成され、その上流側(右側)近傍に可動部52aが前後方向にスライド可能な状態で配置されており、第1状態のときには可動部52aが遊技盤15の盤面よりも前側に突出することにより、右流下経路49bを流下してきた遊技球を受けて入賞口52側に案内し、第2状態のときには可動部52aが遊技盤15の盤面よりも後側に退避して遊技球を右流下経路49bの下流側に流下させるようになっている。従って、第1状態のときに可動部52a上に遊技球が乗ったとしても、その遊技球が入賞口52に入球する前に第2状態に切り替わってしまうと遊技球は可動部52aから落下し、入賞口52に入球することはできない。このような第2特別図柄始動手段34の構造とも相俟って、第1状態の時間が極めて短いショートパターンの場合には第2特別図柄始動手段34への入賞は実質的に不可能となっている。
【0026】
なお、入賞口52を閉鎖可能な閉鎖手段を別途設け、第1状態中以外は入賞口52を閉鎖するように構成してもよい。これにより、ロングパターンでの作動中における所定個数(1個)を超える遊技球の入賞を確実に防止できる。この閉鎖手段は、可動部52aの動作と連動させることが望ましい。即ち、可動部52aが第1状態のときに閉鎖手段が入賞口52を開放し、可動部52aが第2状態のときに閉鎖手段が入賞口52を閉鎖するように可動部52aと閉鎖手段とを連動させ、ソレノイド等の駆動手段のON/OFFによって可動部52aと閉鎖手段とが共に作動するように構成してもよい。
【0027】
このように本実施形態では、第2特別図柄始動手段34の作動パターンの選択率を遊技状態に応じて異ならせることにより、普通図柄の当り確率を遊技状態に応じて実質的に異ならせている。即ち、普通図柄の当り抽選で当たりを引いたとしても、ショートパターンが選択されると実質的にはずれと同じであるから、普通図柄の抽選による当り確率を1/73とすると、第1時短状態中の実質的な当り確率は1/73であるのに対し、第2時短状態中の実質的な当り確率は(1/73)×(60/100)≒1/122、第3時短状態中の実質的な当り確率は(1/73)×(30/100)≒1/243となる。
【0028】
なお、本パチンコ機の第2特別図柄始動手段34は、可動部52aにより入賞口52を開閉するものではないが、以下の説明では、便宜上、可動部52aのスライド動作を開閉動作、第1状態を開状態又は開放、第2状態を閉状態又は閉鎖、可動部52aの作動パターンを開閉パターンと称する。
【0029】
第1特別図柄表示手段(特別図柄表示手段)41は、1個又は複数個、例えば1個の第1特別図柄(特別図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄始動手段33が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第1特別図柄始動手段33に入球し、それを遊技球検出手段33aが検出することを条件に第1特別図柄を所定時間変動表示して、第1特別図柄始動手段33への入賞時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様(特定態様)で、小当り判定値と一致する場合には小当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で夫々停止するようになっている。第1特別図柄表示手段41の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には大当り状態が発生し、小当り状態となった場合には小当り状態が発生する(特別利益状態)。
【0030】
本実施形態では、第1特別図柄表示手段41に関しては大当り態様として図3に示すA1~A3の3種類が設けられており、大当り判定乱数値が大当り判定値と一致した場合には、例えば大当り判定乱数値と共に取得された大当り図柄乱数値に基づいて大当り態様A1~A3のうちの何れかが図3に示す振分率で選択されるようになっている。また本実施形態では、第1特別図柄表示手段41に関しては、大当り確率が1/199、小当り確率が0/199に設定されている。即ち、第1特別図柄表示手段41に関しては小当り態様となる場合はなく、従って第1特別図柄の変動によって発生する特別利益状態は大当り状態のみで小当り状態が発生する場合はない。
【0031】
第2特別図柄表示手段(特別図柄表示手段)42は、1個又は複数個、例えば1個の第2特別図柄(特別図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第2特別図柄始動手段34が遊技球を検出すること、即ち遊技球が第2特別図柄始動手段34に入球し、それを遊技球検出手段34aが検出することを条件に第2特別図柄を所定時間変動表示して、第2特別図柄始動手段34への入賞時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には大当り態様(特定態様)で、小当り判定値と一致する場合には小当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で夫々停止するようになっている。第2特別図柄表示手段42の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には大当り状態が発生し、小当り状態となった場合には小当り状態が発生する(特別利益状態)。
【0032】
本実施形態では、第2特別図柄表示手段42に関しては、図5に示すように、大当り態様としてB11の1種類が、小当り態様としてB21~B23の3種類が夫々設けられており、大当り判定乱数値が大当り判定値と一致した場合には100%の確率で大当たり態様B11が選択され、大当り判定乱数値が小当り判定値と一致した場合には、例えば大当り判定乱数値と共に取得された大当り図柄乱数値に基づいて小当り態様B21~B23のうちの何れかが図5に示す振分率で選択されるようになっている。また本実施形態では、第2特別図柄表示手段42に関しては、大当り確率が1/199、小当り確率が198/199に設定されている。即ち、第2特別図柄表示手段42に関しては停止図柄が大当り態様でない場合は必ず小当り態様となり、はずれ態様となる場合はないため、第2特別図柄が変動すれば必ず特別利益状態(小当り状態又は大当り状態)が発生する。
【0033】
また、第1,第2特別図柄始動手段33,34への入賞時に取得された第1,第2特別乱数情報は、夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶され、第1,第2特別図柄の変動が可能になった時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は液晶表示手段41等によって遊技者に報知される。
【0034】
また本実施形態の場合、後述する特別遊技状態中(第1~第3時短状態中)、大当り状態中及び小当たり状態中(以下、特殊遊技状態中という)については第1,第2普通図柄始動手段31,32、第2特別図柄始動手段33,34、第1,第2大入賞手段35,36を狙って右流下経路49b側に遊技球を発射し(以下、「右打ち」という)、それ以外の期間中(非特殊遊技状態中)は第1特別図柄始動手段33を狙って左流下経路49a側に遊技球を発射する(以下、「左打ち」という)ため、特殊遊技状態に含まれる特別遊技状態中は主として第2特別図柄が変動し、それ以外は第1特別図柄が変動する。
【0035】
第1大入賞手段35は、開閉部材53aの作動によって遊技球が第1大入賞口53に入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段であって、第1大入賞口53に入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段35aを備えており、第1,第2特別図柄表示手段41,42の変動後の停止図柄が小当り態様となって小当り状態が発生した場合に、開閉部材53aが所定の小当り開放パターンに従って開放するようになっている。この第2大入賞手段35に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0036】
この第1大入賞手段35は、例えば右流下経路49bにおける第2特別図柄始動手段34よりも下流側で且つ第2普通図柄始動手段32よりも上流側に配置されている。第1大入賞手段35の第1大入賞口53は、例えば左下がりの傾斜通路に沿う細長状で、上向き開口状に形成されている。開閉部材53aは、傾斜通路に沿う左下がりの傾斜状に形成された板状体で、図示しないソレノイド等の開閉駆動手段の駆動により前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面よりも前側に突出して第1大入賞口53を閉鎖するとともに上流側から流下してきた遊技球を傾斜通路の下流側(ここでは左側)に向けて案内し、開状態のときには遊技盤15の盤面よりも後側に退避して第1大入賞口53を開放するようになっている。
【0037】
図6(a)は、小当り状態における第1大入賞手段35の開放パターン(小当り開放パターン)の一例を示している。図6(a)に示す小当り開放パターンでは、一定の小当り開始インターバルが終了して小当たり状態が開始されると、100ms経過後、一定間隔(632ms)で一定時間(48ms)の開放動作を所定回数(14回)繰り返すようになっている。なお、本実施形態の第1大入賞手段35は上述したように構成されているため、閉状態のときに開閉部材53a上に乗った遊技球は、次の開放時に第1大入賞口53内に落下するから、短い開放時間で大量の遊技球を入賞させることが可能である。
【0038】
また第1大入賞手段35は、特定領域54aと、通常領域54bと、第1大入賞口53に入賞した遊技球を特定領域54aと通常領域54bとに振り分ける可動式の振り分け手段55と、特定領域54aに流入した遊技球を検出する特定遊技球検出手段56aと、通常領域54bに流入した遊技球を検出する通常遊技球検出手段56bとを備えている。第1大入賞口53に入賞した遊技球は、遊技球検出手段35aによって検出された後、振り分け手段55によって特定領域54aと通常領域54bとの何れかに案内され、特定遊技球検出手段56aと通常遊技球検出手段56bとの何れかによって検出された後、遊技盤15の後側に案内される。第1大入賞口53に入賞した遊技球が振り分け手段55によって特定領域54a側に案内され、特定遊技球検出手段56aがその遊技球を検出した場合(以下、V入賞という)には大当り状態が発生する。
【0039】
振り分け手段55は、所定の振り分けパターンに従って、遊技球を特定領域54a側に案内するV案内状態と、遊技球を通常領域54b側に案内する非V案内状態とに切り替え可能となっている。図6(b)は、振り分け手段55の振り分けパターンを、図6(a)に示す小当り開放パターンに対応させて表示したものである。図6(b)に示す振り分けパターンは、小当り状態の開始時に所定時間(40ms)V案内状態になった後、第1大入賞手段35の1回目の開放時に再びV案内状態となる。そしてそのV案内状態は、第1大入賞手段35の最後(14回目)の開放が終了し、更に所定時間(2500ms)のV通過待ち時間が経過するまで継続される。これにより、小当り状態中に第1大入賞手段35に入賞した遊技球は略全て特定領域54a側に案内される(V入賞)。即ち本実施形態では、右打ちが行われる特別遊技状態中に普通図柄が当り態様となり、開放した第2特別図柄始動手段34に遊技球が入賞して第2特別図柄が変動すると、実質的に100%の確率で大当り状態を発生させることができる。
【0040】
第1大入賞手段35が図6に示す小当り開放パターンに従って開放し、入賞した遊技球が特定領域54a側に案内されると(V入賞)、大当り状態が発生する。
【0041】
第2大入賞手段36は、開閉部材57aの作動によって遊技球が第2大入賞口57に入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段であって、第2大入賞口57に入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段36aを備えており、第1,第2特別図柄表示手段41,42の変動後の停止図柄が大当り態様となるか、V入賞によって大当り状態が発生した場合に、開閉部材57aが一又は複数種類の大当り開放パターンの何れかに従って開放するようになっている。この第2大入賞手段36に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0042】
この第2大入賞手段36は、例えば右流下経路49bの最上流側、即ち第1普通図柄始動手段31の上流側に配置されている。第2大入賞手段36の第2大入賞口57は、例えば右下がりの傾斜通路に沿う細長状で、上向き開口状に形成されている。開閉部材57aは、傾斜通路に沿う右下がりの傾斜状に形成された板状体で、図示しないソレノイド等の開閉駆動手段の駆動により前後方向にスライド移動可能となっており、閉状態のときには遊技盤15の盤面よりも前側に突出して第2大入賞口57を閉鎖するとともに上流側から流下してきた遊技球を傾斜通路の下流側(ここでは右側)に向けて案内し、開状態のときには遊技盤15の盤面よりも後側に退避して第2大入賞口57を開放するようになっている。
【0043】
また、大当り状態における第2大入賞手段36の開放パターンは、第2大入賞手段36を開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を所定ラウンド数行うようになっており、本実施形態ではそのラウンド数の違いによって3R,10Rの2種類設けられている(図3図5)。
【0044】
図3に示すように、第1特別図柄が大当り態様となった場合に発生する大当り状態では、大当り態様の種類に拘わらず3R開放パターンが選択されるようになっている。また図5に示すように、第2特別図柄が大当り態様となった場合に発生する大当り状態では10R開放パターンが選択され、小当り状態時のV入賞によって発生する大当り状態では、小当り態様に応じて、小当り態様B21の場合は10R開放パターンが、小当り態様B22,B23の場合は3R開放パターンが夫々選択されるようになっている。なお、V入賞による大当り状態の場合、開放パターンの最初の1ラウンド目は小当り状態による第1大入賞手段35の開放(上述した図6(a)に示す小当り開放パターン)となる。従って、3R,10Rの各開放パターンにおいて、V入賞による大当り状態によって第2大入賞手段36が開放されるのは夫々2ラウンド目以降、即ち2R,9Rとなる。
【0045】
また大当り状態の終了後には、特別遊技状態が所定の確率(ここでは100%)で発生する。本実施形態では、特別遊技状態として3種類の時短状態(第1~第3時短状態)を設けており、第1特別図柄が大当り態様となった場合に発生する特別遊技状態では、図3に示すように大当り態様の種類に応じて第1~第3時短状態が50%,30%,20%の振分率で選択され、第2特別図柄が大当り態様となった場合に発生する特別遊技状態では、図5に示すように第1時短状態が選択され、第2特別図柄が小当り態様となった場合のV入賞による特別遊技状態では、図5に示すように小当り態様の種類に応じて第1~第3時短状態が70%,20%,10%の振分率で選択されるようになっている。
【0046】
第1~第3時短状態中(特別遊技状態中)は、普通利益状態における第2特別図柄始動手段34の開閉パターンとして所定の確率でロングパターンが選択されるが、図4に示すように、そのロングパターンが選択される確率(ロング開放率)が時短状態毎に異なっており、第1~第3時短状態のロング開放率は夫々100/100、60/100、30/100となっている。
【0047】
また、特別遊技状態(第1~第3時短状態)は、次の大当り状態が発生した場合の他、普通図柄の変動回数が所定回数(ここでは100回)に達した場合(所定の終了条件を満たす場合)に終了する(図3図5)。
【0048】
また液晶表示手段43は、図2に示すように図柄変動演出表示手段61、保留画像表示手段62、発射方向指示画像表示手段63等を構成している。
【0049】
図柄変動演出表示手段61は、演出図柄64による図柄変動演出を行うもので、遊技状態に応じて、通常遊技状態中は第1,第2特別図柄表示手段41,42による第1,第2特別図柄(実質的には第1特別図柄のみ)の変動表示に対応して、特別遊技状態中は普通図柄表示手段38による普通図柄の変動表示に対応して、演出図柄64による図柄変動演出を実行するようになっている。
【0050】
このように遊技状態に応じて図柄変動演出の対象を変更するのは、特別遊技状態中と通常遊技状態中とでは遊技者が最も注目する対象が異なるためである。即ち、通常遊技状態中は、遊技者が注目するのは第1特別図柄の変動結果であるため、この第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄による図柄変動演出を行うのに対し、特別遊技状態中は、上述したように第2特別図柄については変動さえすれば大当り状態が発生する確率が実質的に100%であることから、遊技者が最も注目するのはその第2特別図柄の変動開始に係る普通図柄の変動結果であるため、この普通図柄の変動表示に対応して演出図柄64による図柄変動演出を行うようになっている。
【0051】
ここで演出図柄64は、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは左右方向に3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、図2に示すように、例えば1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部64aと、この図柄本体部64aに付随するキャラクタその他の装飾部64bとの結合で構成されている。なお演出図柄64は、拡大又は縮小、表示位置の変更、装飾部64bの消去等、表示態様を任意に変化させることが可能である。
【0052】
演出図柄64は、普通図柄又は第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように普通図柄又は第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止する。演出図柄64による図柄変動演出には、有効ライン上の全ての停止図柄が同じとなる当り演出、有効ライン上の何れかの停止図柄が他の停止図柄と異なるはずれ演出等があり、普通図柄又は第1,第2特別図柄の変動結果に対応してそれら当り演出、はずれ演出等の何れかが実行される。なお、普通図柄に対応する図柄変動演出においては、ショートパターンが選択される実質はずれの場合、即ち図4に示すように、第2時短状態中に当り態様a3となる場合、第3時短状態中に当り態様a2,a3となる場合、非時短状態中(通常遊技状態中)に当り態様a1~a3となる場合は当り演出ではなくはずれ演出を実行する。
【0053】
また図柄変動演出表示手段61は、液晶表示手段43に3種類のミニ図柄65,66a,66bを変動表示可能となっている。ミニ図柄65は普通図柄に対応しており、普通図柄の変動と同期して変動表示される。ミニ図柄66a,66bは夫々第1,第2特別図柄に対応しており、第1,第2特別図柄の変動と同期して変動表示される。従って、例えば特別遊技状態中に第2特別図柄が変動しても、液晶表示手段43ではその変動に対応する演出図柄64による図柄変動演出は行われないが、ミニ図柄66bによる図柄変動表示は行われる。同様に、通常遊技状態中に普通図柄が変動しても、液晶表示手段43ではその変動に対応する演出図柄64による図柄変動演出は行われないが、ミニ図柄65による図柄変動表示は行われる。
【0054】
保留画像表示手段62は、第1,第2特別保留個数を表示するもので、第1,第2特別図柄始動手段33,34が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段43上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段41,42による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始されることに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
【0055】
発射方向指示画像表示手段63は、発射時に狙うべき方向を指示するためのもので、特殊遊技状態中(右打ち期間中)に、右流下経路(第1流下経路)49b側を狙うべき旨を示す右打ち指示画像(第1発射方向指示画像)63aを表示し、非特殊遊技状態中(左打ち期間中)に、左流下経路49a側を狙うべき旨を示す左打ち指示画像63bを表示する。
【0056】
なお本実施形態では、発射時に狙うべき方向を報知するための手段として、上述した発射方向指示画像表示手段63以外に右打ちランプ(発射方向示唆ランプ)40を備えている。右打ちランプ40は、特殊遊技状態中(右打ち期間中)は常に右打ちを行うべき旨を示す第1態様(例えば点灯)となるのに対し、液晶表示手段43に右打ち指示画像63aを表示することによる右打ち報知に関しては、特殊遊技状態中(右打ち期間中)の少なくとも一部の期間に実行されるようになっている。なお、右打ち指示画像63aは、特殊遊技状態中(右打ち期間中)に全く表示されない場合があってもよい。左打ち指示画像63bについても同様である。
【0057】
図7は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図7において、71は主制御基板(主制御手段)、72は演出制御基板(サブ制御手段)で、これら各制御基板71,72は、遊技盤15に装着された中央表示枠ユニット21、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤15を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。なお、この図7のブロック図では、主制御基板71、演出制御基板72以外の基板については省略している。
【0058】
主制御基板71は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段81、普通始動口チェック処理手段82、普通乱数記憶手段83、普通図柄処理手段84、普通図柄表示制御手段85、普通利益状態発生手段86、特別乱数作成処理手段87、特別始動口チェック処理手段88、特別乱数記憶手段89、特別図柄処理手段90、特別図柄表示制御手段91、特別利益状態発生手段92、特別遊技状態発生手段93、右打ちランプ制御手段94、外部端子管理手段95、制御コマンド送信手段96等を備えている。
【0059】
普通乱数作成処理手段81は、変動後の普通図柄を当り態様とするか否かの判定に用いる当り判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段82は、第1,第2普通図柄始動手段31,32による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、第1,第2普通図柄始動手段31,32の何れかが遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段81で作成された当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得し、その普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段83に記憶させるように構成されている。
【0060】
普通図柄処理手段84は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、所定時間毎(ここでは4ms毎)の定期割込み時に図8に示す普通図柄処理を実行するようになっている。
【0061】
普通図柄処理(図8)では、普通図柄動作ステータスを参照する(S1)。普通図柄動作ステータスは、普通図柄の挙動を示すステータス値であり、例えばその値が00H又は01Hの場合は「待機中」を、02Hの場合は「変動中」を、03Hの場合は「確認中」を夫々示している。また、「待機中」は普通図柄が次回変動のための待機状態であることを示し、「変動中」は普通図柄が変動中であることを示し、「確認中」は普通図柄の変動が終了して停止(確定)表示中であることを示している。
【0062】
そして、普通図柄動作ステータスが00H又は01H(待機中)であれば普通図柄変動開始処理(S2)を、02H(変動中)であれば普通図柄変動中処理(S3)を、03H(確認中)であれば普通図柄確認時間中処理(S4)を夫々実行する。
【0063】
普通図柄動作ステータスが01H(待機中)である場合の普通図柄変動開始処理(S2)では、図9に示すように、普通保留個数が0であるか否かを判定し(S11)、普通保留個数が0であれば(普通図柄の変動が停止し且つ普通図柄変動開始条件を満たさない場合)、普通図柄動作ステータスに00H(待機中)をセットする(S12)とともに、制御コマンド送信手段96を介して演出制御基板72に客待ちデモコマンド(BA24H)を送信し(S13)、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0064】
一方、S11において普通保留個数が0でないと判定された場合は、普通保留個数をデクリメントする(S14)とともに、普通乱数記憶手段83に記憶されている普通乱数情報の待ち行列の先頭から当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/はずれの判定(S15)を行い、その当り/はずれの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動パターンを決定し(S16)、制御コマンド送信手段96を介して演出制御基板72に普通図柄変動開始コマンドを送信する(S17)。そして、普通図柄動作ステータスに02H(変動中)をセットし(S18)、普通図柄変動開始処理を終了する。なお、普通図柄の当り確率は1/73で、判定結果が当りの場合には当り態様a1~a3の何れかが図4に示す振分率で選択される。
【0065】
図8の普通図柄処理に戻って説明を続ける。S1で普通図柄動作ステータスが02H(変動中)である場合に実行する普通図柄変動中処理(S3)では、図10に示すように、普通図柄の変動時間を計時する普通図柄変動タイマの値を参照し(S21)、普通図柄変動タイマの値が0でなければ、即ち未だ普通図柄の変動停止のタイミングに至っていないと判定された場合にはそのまま普通図柄変動中処理を終了する。
【0066】
S21において普通図柄変動タイマの値が0であれば、即ち普通図柄の変動停止のタイミングに至ったと判定された場合には、制御コマンド送信手段96を介して演出制御基板72に普通図柄停止コマンドを送信する(S22)とともに、図柄停止時の各種設定処理(S23)、例えば普通図柄動作ステータスに03H(確認中)をセットし、普通図柄動作タイマに確定時間(ここでは500ms)に対応する初期値をセットし、例えば変動中フラグ、普通図柄を構成するLEDの点滅に用いる普通図柄変動カウンタ等、変動開始時や変動中に設定された図柄変動に関連する各種フラグをクリアする等の処理を実行する。
【0067】
そして、特殊遊技状態中であるか否かを示す特殊遊技状態中フラグを参照し(S24)、この特殊遊技状態中フラグが5AH(特殊遊技状態中)でなければここで普通図柄変動中処理を終了する。また、当該普通図柄の変動が大当り状態中又は小当り状態中に開始されたか否かを判定し(S25)、大当り状態中又は小当り状態中に開始されたものと判定された場合にはここで普通図柄変動中処理を終了する。
【0068】
S24において特殊遊技状態中フラグが5AH(特殊遊技状態中)であり、S25において当該普通図柄の変動が大当り状態中又は小当り状態中に開始されたものでないと判定された場合には、確定回数カウンタをインクリメントし(S26)、普通図柄変動中処理を終了する。なお、確定回数カウンタは後述する第1外部端子からの信号出力に関するものである。
【0069】
図8の普通図柄処理に戻って説明を続ける。S1で普通図柄動作ステータスが03H(確認中)である場合に実行する普通図柄確認時間中処理(S4)では、普通図柄動作タイマを監視し、その値が0になった場合、即ち普通図柄の変動表示が終了した後の経過時間が確定時間(ここでは500ms)に達した場合には、普通図柄動作ステータスに01H(待機中)をセットするとともに、停止図柄種別(当り態様/はずれ態様)に応じて、普通利益状態の開始前に必要な設定処理を実行し、また今回の変動終了に基づく各種設定処理等を実行する。普通図柄動作ステータスに01H(待機中)がセットされると、次回の普通図柄処理(図8)では再び普通図柄変動開始処理(S2)が行われる。
【0070】
普通図柄表示制御手段85は、普通図柄処理手段84による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段38の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段38が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段83に1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通図柄処理手段84で選択された変動パターンに従って普通図柄表示手段38による普通図柄を変動させた後、普通図柄処理手段84で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0071】
普通利益状態発生手段86は、普通図柄処理手段84による当り判定結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段38の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別図柄始動手段34の可動部52aをショート/ロングパターンの何れかに従って開閉させる普通利益状態を発生させるようになっている。
【0072】
ショートパターンの場合は開放時間が極めて短く、第2特別図柄始動手段34への入賞は実質的に不可能となっている。一方のロングパターンの場合には、開放時間が十分に長く設定されているため、右打ちをすれば第2特別図柄始動手段34への入賞は容易である。なおロングパターンでは、第2特別図柄始動手段34の開放中に所定個数(ここでは1個)の遊技球が入賞した時点で閉鎖し、普通利益状態が終了する。
【0073】
また本実施形態では、図4に示すように、遊技状態に応じてロングパターンが選択される確率(ロング開放率)が異なっており、第1時短状態中のロング開放率は100/100、第2時短状態中のロング開放率は60/100、第3時短状態中のロング開放率は30/100、第1~第3時短状態の何れでもない通常遊技状態中のロング開放率は0/100となっている。このように、通常遊技状態中における普通図柄の当り確率は実質0%であるから、通常遊技状態中(特別利益状態中は含まない)は左打ちをして第1特別図柄を変動させ、まずは特別遊技状態を発生させることが望ましい。
【0074】
特別乱数作成処理手段87は、大当り/小当り/はずれの判定に用いる大当り判定乱数、特別図柄の変動後の停止図柄等の選択に用いる図柄判定乱数、変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0075】
特別始動口チェック処理手段88は、第1,第2特別図柄始動手段33,34への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段33,34の何れかに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段87で作成された大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値等の第1,第2特別乱数情報を取得し、その第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(ここでは各4個)を限度として特別乱数記憶手段89に記憶させるように構成されている。なお、本実施形態では第1,第2特別保留個数の上限を共に4個としているが、これに限られるものではなく、例えば第2特別保留個数の上限を0個(保留記憶なし)、1個等に設定してもよい。
【0076】
特別図柄処理手段90は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、所定時間毎(ここでは4ms毎)の定期割込み時に図11に示す特別図柄処理を実行するようになっている。
【0077】
図11に示す特別図柄処理では、特別図柄動作ステータスを参照する(S31)。特別図柄動作ステータスは、第1,第2特別図柄の挙動を示すステータス値であり、例えばその値が00H又は01Hの場合は「待機中」を、02Hの場合は「変動中」を、03Hの場合は「確認中」を夫々示している。また、「待機中」は第1,第2特別図柄が次回変動のための待機状態であることを示し、「変動中」は第1,第2特別図柄が変動中であることを示し、「確認中」は第1,第2特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中であることを示している。
【0078】
そして、特別図柄動作ステータスが00H又は01H(待機中)であれば特別図柄変動開始処理(S32)を、02H(変動中)であれば特別図柄変動中処理(S33)を、03H(確認中)であれば特別図柄確認時間中処理(S34)を夫々実行する。
【0079】
特別図柄動作ステータスが01H(待機中)である場合の特別図柄変動開始処理(S32)では、図12に示すように、第1,第2特別保留個数が0であるか否かを判定し(S41,S42)、第1,第2特別保留個数が共に0であれば(第1,第2特別図柄の変動が停止し且つ特別図柄変動開始条件を満たさない場合)、特別図柄動作ステータスに00H(待機中)をセットする(S43)とともに、制御コマンド送信手段96を介して演出制御基板72に客待ちデモコマンド(BA14H)を送信し(S44)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0080】
このように、特別図柄変動開始処理(図12)で送信される客待ちデモコマンド(BA14H)は、普通図柄変動開始処理(図9)で送信される客待ちデモコマンド(BA24H)とは異なっている。
【0081】
一方、S41,S42において第1,第2特別保留個数の少なくとも一方が0でなければ、第1特別保留個数又は第2特別保留個数をデクリメントする(S45)とともに、第1特別乱数情報又は第2特別乱数情報の待ち行列から、先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値、小当り判定値と一致するか否かに応じて大当り/小当り/はずれの判定(S46)を行い、その大当り/小当り/はずれの判定結果に基づいて第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄及び変動パターンを決定し(S47)、制御コマンド送信手段96を介して演出制御基板72に特別図柄変動開始コマンドを送信する(S48)。そして、特別図柄動作ステータスに02H(変動中)をセットし(S49)、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0082】
なお本実施形態では、大当り確率は第1,第2特別図柄の何れも1/199であるのに対し、小当り確率は第1特別図柄が0/199、第2特別図柄が198/199となっている。また、第1特別図柄に関する判定で大当りとなった場合には大当り態様A1~A3の何れかが図3に示す振分率で選択され、第2特別図柄に関する判定で大当りとなった場合には大当り態様B11が選択され、第2特別図柄に関する判定で小当りとなった場合には小当り態様B21~B23の何れかが図5に示す振分率で選択される。
【0083】
図11の特別図柄処理に戻って説明を続ける。S31で特別図柄動作ステータスが02H(変動中)である場合に実行する特別図柄変動中処理(S33)では、図13に示すように、第1,第2特別図柄の変動時間を計時する特別図柄変動タイマの値を参照し(S51)、特別図柄変動タイマの値が0でなければ、即ち未だ第1,第2特別図柄の変動停止のタイミングに至っていないと判定された場合にはそのまま特別図柄変動中処理を終了する。
【0084】
S51において特別図柄変動タイマの値が0であれば、即ち第1,第2特別図柄の変動停止のタイミングに至ったと判定された場合には、制御コマンド送信手段96を介して演出制御基板72に特別図柄停止コマンドを送信する(S52)とともに、図柄停止時の各種設定処理(S53)、例えば特別図柄動作ステータスに03H(確認中)をセットし、特別図柄動作タイマに確定時間(ここでは500ms)に対応する初期値をセットし、各種フラグをクリアする等の処理を行う。
【0085】
そして、特別図柄確定カウンタをインクリメントする(S54)とともに、特殊遊技状態中であるか否かを示す特殊遊技状態中フラグを参照し(S55)、この特殊遊技状態中フラグが5AH(特殊遊技状態中)であればここで特別図柄変動中処理を終了するが、特殊遊技状態中フラグが5AH(特殊遊技状態中)でなければ、確定回数カウンタをインクリメントし(S56)、特別図柄変動中処理を終了する。なお、特別図柄確定カウンタは後述する第7外部端子からの信号出力に関するもの、確定回数カウンタは後述する第1外部端子からの信号出力に関するものである。
【0086】
図11の特別図柄処理に戻って説明を続ける。S31で特別図柄動作ステータスが03H(確認中)である場合に実行する特別図柄確認時間中処理(S34)では、特別図柄動作タイマを監視し、その値が0になった場合、即ち第1,第2特別図柄の変動表示が終了した後の経過時間が確定時間(ここでは500ms)に達した場合には、特別図柄動作ステータスに01H(待機中)をセットするとともに、停止図柄種別(大当り態様/小当り態様/はずれ態様)に応じて、特別利益状態(大当り状態、小当り状態)の開始前に必要な設定処理を実行し、また今回の変動終了に基づく各種設定処理等を実行する。特別図柄動作ステータスに01H(待機中)がセットされると、次回の特別図柄処理(図11)では再び特別図柄変動開始処理(S32)が行われる。
【0087】
特別図柄表示制御手段91は、第1,第2特別図柄表示手段41,42の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段90による特別図柄処理に基づいて、第1特別図柄表示手段41による第1特別図柄の変動又は第2特別図柄表示手段42による第2特別図柄の変動を開始させると共に、選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0088】
特別利益状態発生手段92は、遊技者に有利な特別利益状態を発生させるためのもので、特別図柄処理手段90による大当り判定結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には、大当り状態発生手段92aにより、第2大入賞手段36を3R,10R開放パターン(図3図5)の何れかに従って開放する大当り状態を発生させ、特別図柄処理手段90による大当り判定結果が小当りとなり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が小当り態様となった場合には、小当り状態発生手段92bにより、第1大入賞手段35を所定の小当り開放パターン(図5図6)に従って開放する小当り状態を発生させ、小当り状態時にV入賞となった場合には、大当り状態発生手段92aにより、第2大入賞手段36を3R,10R開放パターン(図5)の何れか(3R,10Rのうち、1ラウンド目は小当り状態に対応しているため、大当り状態に対応するラウンドは2ラウンド目以降)に従って開放する大当り状態を発生させるように構成されている。
【0089】
特別遊技状態発生手段93は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、大当り状態の終了後に、時短状態を所定の確率(ここでは100%)で発生させ、次の大当り状態が発生するか、普通図柄が所定回数(ここでは100回)変動したときに時短状態を終了させるように構成されている。なお、時短状態の終了条件としての普通図柄の変動回数は100回に限られるものではなく、また時短状態毎に異ならせてもよい。
【0090】
本実施形態では、時短状態として第1~第3時短状態の3種類が設けられており、大当り態様又は小当り態様に応じて所定の振分率で選択されるようになっている。即ち、第1特別図柄が大当り態様となった場合に発生する特別遊技状態では、図3に示すように大当り態様A1~A3に対応して第1~第3時短状態が50%,30%,20%の振分率で選択され、第2特別図柄が大当り態様となった場合に発生する特別遊技状態では、図5に示すように第1時短状態が選択され、第2特別図柄が小当り態様となった場合のV入賞による特別遊技状態では、図5に示すように小当り態様B21~B23に対応して第1~第3時短状態が70%,20%,10%の振分率で選択されるようになっている。
【0091】
なお、第1~第3時短状態中(特別遊技状態中)は、普通利益状態における第2特別図柄始動手段34の開閉パターンとして所定の確率でロングパターンが選択されるが、図4に示すように、そのロングパターンが選択される確率(ロング開放率)が時短状態毎に異なっており、第1~第3時短状態のロング開放率は夫々100/100、60/100、30/100となっている。
【0092】
右打ちランプ制御手段94は、右打ちランプ(発射方向示唆ランプ)40の発光制御を行うもので、特別遊技状態中(第1~第3時短状態中)、大当り状態中及び小当たり状態中を含む特殊遊技状態中(右打ち期間中)に右打ちランプ40を点灯させ(第2流下経路側を狙うべき旨を示す第1態様)、それ以外の期間中は右打ちランプ40を消灯させる(第2態様)ようになっている。
【0093】
外部端子管理手段(外部信号手段)95は、外部端子からの信号出力を制御するもので、所定時間毎(ここでは4ms毎)の定期割込み時に図14に示す外部端子管理処理を実行するようになっている。
【0094】
なお、本パチンコ機の背面側には、ホール側のコンピュータ等に信号を出力するための外部端子板100(図7)が配置されており、この外部端子板100に、枠側に対応する2個の枠側外部端子と、遊技盤側に対応する10個の盤側外部端子とが設けられている。本実施形態では、10個の盤側外部端子から夫々図15に示す情報を出力するようになっている。
【0095】
外部端子管理処理(図14)では、各種条件を満たすか否かを夫々判定し、条件を満たす場合には対応するビットをセットする(S61)。この場合のビットは図15に示す盤側外部端子の番号に対応している。
【0096】
例えば条件装置作動中であれば、特殊遊技状態信号、大当り信号に対応する第3,第4,第8の各ビットをセットする。また時短状態中であれば特注遊技状態信号に対応する第3番ビットをセットする。
【0097】
また、各カウンタが1以上であるか否かを夫々判定し、1以上であれば、対応するビットをセットする(S62)。例えば特別図柄確定カウンタが1以上であれば第7ビットをセットし、確定回数カウンタが1以上であれば第1ビットをセットする。
【0098】
本実施形態では、特殊遊技状態中に普通図柄が変動停止した場合(大当り、小当り状態中に変動開始した場合を除く)に、普通図柄変動中処理(図10)のS26において確定回数カウンタがインクリメントされ、また非特殊遊技状態中に第1特別図柄が変動停止した場合に、特別図柄変動中処理(図13)のS56において同じく確定回数カウンタがインクリメントされるようになっている。また、第1,第2特別図柄が変動停止した場合には、特殊遊技状態中か否かに拘わらず、特別図柄変動中処理(図13)のS54において特別図柄確定カウンタがセットされるようになっている。なお、各カウンタの値はS62の処理後にデクリメントされる。
【0099】
そして、外部端子信号出力処理(S63)において、セットされたビットに対応する盤側外部端子から信号を出力し、外部端子管理処理を終了する。これによって本実施形態では、特別遊技状態中は普通図柄の変動停止時(大当り状態中又は小当り状態中に変動開始した場合を除く)に第1外部端子(所定外部端子)から確定回数信号が出力されるが、第1,第2特別図柄の変動停止時には出力されず、通常遊技状態中は第1,第2特別図柄の変動停止時に第1外部端子から確定回数信号が出力されるが、普通図柄の変動停止時には出力されない。
【0100】
演出制御基板72は、液晶表示手段43、可動演出手段44、音声出力手段101、電飾手段102等の各種演出手段を制御するためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される特別保留個数表示実行手段103、図柄変動演出実行手段104、発射方向指示実行手段105、客待ち演出制御手段106等を備えている。
【0101】
特別保留個数表示実行手段103は、液晶表示手段43への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1~X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1~Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段43に表示するように構成されている。
【0102】
図柄変動演出実行手段104は、図柄変動演出表示手段61による液晶表示手段43への演出図柄64の表示制御及びそれに伴う音声出力手段101、電飾手段102、可動演出手段44等の制御を行うもので、通常遊技状態中は第1特別図柄表示手段41による第1特別図柄(特別図柄)の変動表示に対応して、特別遊技状態中(第1~第3時短状態中)は普通図柄表示手段38による普通図柄の変動表示に対応して、演出図柄64による図柄変動演出を実行するようになっている。図柄変動演出実行手段104による演出の具体例については後述する。
【0103】
発射方向指示実行手段105は、発射方向指示画像表示手段63による液晶表示手段43への右打ち指示画像63a及び左打ち指示画像63bの表示制御を行うもので、右打ち期間中(特殊遊技状態中)に右打ち指示画像63aを、左打ち期間中(非特殊遊技状態中)に左打ち指示画像63bを、液晶表示手段43の任意の位置に表示するように構成されている。
【0104】
客待ち演出制御手段106は、客待ち状態中における演出の実行を制御するもので、演出制御側のタイマ割込み処理において、図16に示す客待ち演出処理を実行するようになっている。
【0105】
客待ち演出処理(図16)では、まず客待ち状態中フラグが01H,02H(ON)の何れかであるか否かを判定する(S71)。ここで、客待ち状態中フラグは、客待ち状態中であるか否かを示すもので、客待ち状態の開始時(後述するS74,S77)に01H又は02Hに設定される。
【0106】
S71で客待ち状態中フラグが01H,02Hの何れでもないと判定された場合には(S71:No)、客待ちデモコマンド(BA14H又はBA24H)を受信したか否かを判定する(S72,S75)。なお、客待ちデモコマンドBA14Hは、第1,第2特別図柄の変動が停止し且つ特別図柄変動開始条件を満たさない場合(特別図柄変動開始処理(図12)のS44)に送信され、客待ちデモコマンドBA24Hは、普通図柄の変動が停止し且つ普通図柄変動開始条件を満たさない場合(普通図柄変動開始処理(図9)のS13)に送信される。客待ちデモコマンド(BA14H又はBA24H)を受信していない場合(S72:No→S75:No)はそのまま客待ち演出処理を終了する。
【0107】
客待ちデモコマンドBA14Hを受信したと判定された場合には(S72:Yes)、特別遊技状態中とは異なる通常遊技状態中(特別利益状態中、普通利益状態中は含まない)であれば客待ち開始条件成立となり(S73:Yes)、客待ち状態中フラグに01Hをセットする。一方、客待ちデモコマンドBA24Hを受信したと判定された場合には(S75:Yes)、特別遊技状態中(第1~第3時短状態中)であれば客待ち開始条件成立となり(S76:Yes)、客待ち状態中フラグに02Hをセットする。客待ちデモコマンドBA14Hを受信したが通常遊技状態中でない場合(S73:No)、及び客待ちデモコマンドBA24Hを受信したが特別遊技状態中(第1~第3時短状態中)でない場合(S76:No)はそのまま客待ち演出処理を終了する。
【0108】
このように、客待ち開始条件の成立/不成立は、演出制御基板72において、受信した客待ちデモコマンドの種類と遊技状態とに基づいて判断する。即ち、特別遊技状態中(第1~第3時短状態中)については、客待ちデモコマンドBA24Hを受信した場合には客待ち開始条件成立となるが、客待ちデモコマンドBA14Hを受信しても客待ち開始条件は成立しない。一方、通常遊技状態中については、客待ちデモコマンドBA14Hを受信した場合には客待ち開始条件成立となるが、客待ちデモコマンドBA24Hを受信しても客待ち開始条件は成立しない。
【0109】
客待ち開始条件が成立した場合(S74,S77)には、客待ち通常演出を開始する(S78)とともに、デモタイマに初期値をセットし(S79)、客待ち演出処理を終了する。客待ち通常演出では、液晶表示手段43にその直前の表示画像を引き続き表示し、電飾手段102は所定の発光パターンで発光し、音声出力手段101からは所定のBGMを出力する。デモタイマは客待ち通常演出の継続時間を計時するためのもので、初期値として例えば180sに対応する値がセットされる。
【0110】
また、S71で客待ち状態中フラグが01H,02H(客待ち状態中)の何れかであれば(S71:Yes)、客待ち状態終了条件が成立したか否かを判定する(S80)。本実施形態では、特別遊技状態中は普通図柄、通常遊技状態中は第1,第2特別図柄の変動開始タイミングが到来した場合と、遊技者が発射ハンドル10に触れた場合(発射ハンドル10のタッチセンサがONになった場合)との何れかの場合に客待ち状態終了条件が成立したものと判断する。そして、未だ客待ち状態終了条件が成立しない場合には(S80:No)、客待ち通常演出中であるか否か、即ち客待ち通常演出中と後述する客待ちデモ演出中との何れであるかを判定する(S81)。
【0111】
そして、客待ち通常演出中でなければ(S81:No)、客待ちデモ演出をそのまま継続し(S87)、客待ち演出処理を終了する。一方、客待ち通常演出中であれば(S81:Yes)、デモタイマをデクリメントし(S82)、その減算後のデモタイマの値が0であること(S83:Yes)、即ち客待ち状態が開始されてから所定時間(180s)経過したことを条件に、客待ち状態中フラグが01Hであれば第1客待ちデモ演出を、客待ち状態中フラグが02Hであれば第2客待ちデモ演出を開始する(S84~S86)。客待ちデモ演出では、液晶表示手段43に機種イメージ画像や企業ロゴ画像、演出図柄64の停止画像等が所定のパターンで繰り返し表示され、電飾手段102は所定の発光パターンで発光し、音声出力手段101からは所定のBGMを出力する。なお、客待ちデモ演出では音声出力を停止してもよい。
【0112】
特別遊技状態中に行われる第2客待ちデモ演出と、通常遊技状態中に行われる第1客待ちデモ演出とは、その内容を異ならせることが望ましいが、両者は同一であってもよい。この場合、客待ち状態中フラグがONの状態を2種類設ける必要はない。
【0113】
客待ちデモ演出の開始後は(S81:No)、客待ち状態終了条件が成立するまで(S80:Yes)、即ち特別遊技状態中に普通図柄、通常遊技状態中に第1,第2特別図柄の変動開始タイミングが到来するか、遊技者が発射ハンドル32に触れるまで、その客待ちデモ演出を継続する(S87)。その後に客待ち状態終了条件が成立した場合には(S80:Yes)、客待ち状態中フラグを00H(客待ち状態中でない)に設定する(S89)と共に、実行中の客待ち通常演出又は客待ちデモ演出を終了し(S90)、客待ち演出処理を終了する。
【0114】
続いて、本パチンコ機における遊技の流れに従って、液晶表示手段43による図柄変動演出とそれに関連する事項について図17図20に示すタイムチャートを参照しつつ具体的に説明する。
【0115】
まず、通常遊技状態中(特別利益状態中、普通利益状態中は含まない)は、仮に右打ちをし、普通図柄を変動させて当りを引いたとしても、第2特別図柄始動手段34は入賞が期待できないショートパターンでの開放となるから(図4)、遊技者は第1特別図柄始動手段33を狙って左打ちをすることが望ましい。従って、右打ちランプ40は消灯し、液晶表示手段43には左打ち指示画像63bが表示される。左打ちにより遊技球が第1特別図柄始動手段33に入賞すると(図17のT11)、第1特別図柄表示手段41による第1特別図柄の変動が行われ、液晶表示手段43ではこの第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄64による図柄変動演出が行われる。
【0116】
そして、第1特別図柄の変動後の停止図柄が大当り態様となった場合には(T12)、条件装置が作動して大当り状態が発生し(T13)、3R開放パターン(図3)に従って第2大入賞手段36が開放する。大当り状態中は、液晶表示手段43では大当り演出が行われる。なお、第1特別図柄が停止、確定した時点で(T12)、第1外部端子から確定回数信号が出力される。
【0117】
大当り状態中は右流下経路49b側の第2大入賞手段36が開放するから、遊技者は第2大入賞手段36を狙って右打ちをする(特殊遊技状態)。従って、右打ちランプ40は点灯し、液晶表示手段43には右打ち指示画像63aが表示される。
【0118】
大当り状態中は右打ちによって多くの遊技球が第2大入賞手段36に入賞するが、第2大入賞手段36への入賞を逃した遊技球が第1普通図柄始動手段31を通過し、或いは第2普通図柄始動手段32に入賞すれば、大当り状態中であっても普通図柄表示手段38の普通図柄が変動する。なお、本実施形態では通常遊技状態中における第2特別図柄始動手段34のロング開放率が0/100であるため(図4)、この大当り状態中に普通図柄が当り態様となって普通利益状態が発生しても第2特別図柄始動手段34に遊技球が入賞することは極めて稀(又は不可能)である。仮にこの大当り状態中に遊技球が第2特別図柄始動手段34に入賞した場合には、上限保留個数(4個)を限度として保留記憶される。
【0119】
大当り状態が終了(条件装置の作動が終了)すると(図18のT21)、特別遊技状態(第1~第3時短状態の何れか)が開始される。特別遊技状態中は、普通図柄が当り態様となった場合に第2特別図柄始動手段34がロングパターンで開放される可能性があるから(図4)、遊技者は引き続き右打ちを行う(特殊遊技状態)。従って、右打ちランプ40が点灯し、液晶表示手段43には右打ち指示画像63aが表示される。
【0120】
この特別遊技状態中、液晶表示手段43では普通図柄の変動表示に対応して演出図柄64による図柄変動演出が行われる。従って、例えば大当り状態の終了時点で第1特別保留個数が1以上であり、第1特別図柄の変動が開始されても(T21)、液晶表示手段43ではその第1特別図柄の変動に対応した図柄変動演出は開始されない。
【0121】
一方、大当り状態が終了した時点(T21)で既に普通図柄が変動中の場合、液晶表示手段43ではその普通図柄変動に対応する図柄変動演出は行わず、次の普通図柄の変動開始時に(T23)、その普通図柄の変動表示に対応して演出図柄64による図柄変動演出を開始する。なお、その図柄変動演出が開始されるまでの間(T21~T23)、液晶表示手段43では準備中演出を実行する。この準備中演出では、大当り状態中の最後の演出、即ち大当り終了インターバル演出における最後の演出画像(特別利益状態の終了に関連する演出画像)の少なくとも一部を継続して表示するとともに、待機中である旨を示す画像を表示する。この待機中である旨を示す画像は、「WEIT」等、待機中であることを直接的に示す文言等であってもよいし、「○○モード開始」等、特別遊技状態の開始を示す文言等(特別遊技状態の開始に関連する演出画像)により待機中であることを間接的に示すものであってもよい。
【0122】
また特別遊技状態中は、普通図柄が停止、確定した時点で第1外部端子から確定回数信号が出力されるが(T24,T25)、それは特別遊技状態の開始後に開始された普通図柄変動に対してであって、特別遊技状態の開始前に開始された普通図柄変動に関しては、特別遊技状態開始後に停止、確定した場合(T22)であっても第1外部端子から確定回数信号は出力されない(図10のS25,S26参照)。
【0123】
特別遊技状態中に普通図柄が変動後に当り態様で停止すると(図19のT31)、普通利益状態が発生し、当り態様の種類と時短状態の種類とに応じて選択された開閉パターン(ショート/ロングパターンの何れか)で第2特別図柄始動手段34が開放する。なお、ロングパターンが選択される確率(ロング開放率)は、時短状態の種類毎に異なっている(図4)。
【0124】
第2特別図柄始動手段34がロングパターンで開放すると(T32)、液晶表示手段43では好機到来演出を実行する。この好機到来演出は、遊技者に好機の到来を認識させて期待感を喚起するためのもので、好機であることを示す画像の他、第2特別図柄始動手段34への入賞を指示する「ここを狙って打て→」等の入賞指示画像を表示することが望ましい。この入賞指示画像は、例えば右打ち指示画像63aを拡大して表示したものでもよい。
【0125】
第2特別図柄始動手段34に遊技球が入賞すると(T33)、その時点で第2特別図柄始動手段34が閉鎖して普通利益状態は終了するとともに、第2特別図柄表示手段42による第2特別図柄の変動が行われ、大当り態様(1/199)と小当り態様(198/199)の何れかで停止する。
【0126】
第2特別図柄が小当り態様で停止すると(T34)、その小当り態様に応じて10R又は3Rの開放パターンが選択され(図5)、その1ラウンド目として小当り開放パターンに従って第1大入賞手段35が作動する(T35)。なお、図19では1ラウンド目(小当り状態)の開放パターンを簡略化して記載しているが、実際には図6(a)に示すパターンで開閉する。
【0127】
そして小当り状態中に第1大入賞手段35に遊技球が入賞すると、その遊技球は略100%の確率で特定領域54a側に案内されてV入賞となり(T36)、条件装置が作動して大当り状態が発生することにより、10R/3R開放パターンにおける2ラウンド目以降に従って第2大入賞手段36が作動する(T37)。大当り状態が開始されると、液晶表示手段43では好機到来演出に続いて大当り演出が行われる。
【0128】
特別遊技状態は、普通図柄の変動回数が100回(所定回数)に達した場合に、その100回目の普通図柄変動の終了時(図20のT41)に終了する。特別遊技状態が終了すると(T41)、液晶表示手段43では特別遊技状態中の遊技結果に関するリザルト表示を開始し、新たに普通図柄が変動を開始しても(T42)それに対応する演出図柄64による図柄変動表示は行わない。なお、特別遊技状態中の最終(100回目)の普通図柄変動がはずれの場合には、その最終変動中、即ち特別遊技状態の終了前にリザルト表示を開始してもよい。
【0129】
また特別遊技状態が終了すると(T41)、再び左打ち期間(非特殊遊技状態)となり、その時点で右打ちランプ40は消灯するが、左打ち指示画像63bについてはその時点では表示を開始せず、リザルト表示を開始してから所定時間経過後に、例えばそのリザルト表示に重ねて表示する。これにより、リザルト表示の時間を一定時間確保できる。
【0130】
特別遊技状態の終了後は、第1特別図柄が変動後に停止、確定した時点で(T43,T45)、第1外部端子から確定回数信号が出力される。なお本実施形態では、特別遊技状態中に変動を開始した第1特別図柄が特別遊技状態の終了後に停止、確定した場合(T43)についても確定回数信号を出力することとしたが、特別遊技状態中に第1特別図柄の変動を開始した場合については、特別遊技状態の終了後に停止、確定した場合であっても確定回数信号を出力しないように構成してもよい。
【0131】
また、特別遊技状態の終了後に第1特別図柄の変動が開始されると(T44)、液晶表示手段43ではその時点でリザルト表示を終了し、第1特別図柄の変動表示に対応して演出図柄64による図柄変動演出を開始する。なお、特別遊技状態の終了後に第1特別図柄が変動することなく所定時間(180s)経過した場合には、その時点でリザルト表示を終了して客待ちデモ演出を開始する(図16のS85)。
【0132】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機は、第1,第2普通図柄始動手段31,32が遊技球を検出することを条件に普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段38と、普通図柄表示手段38の変動後の停止図柄が当り態様(所定態様)となった場合に普通利益状態を発生させる普通利益状態発生手段86と、第1,第2特別図柄始動手段33,34が遊技球を検出することを条件に第1,第2特別図柄を変動表示する第1,第2特別図柄表示手段41,42と、第1,第2特別図柄表示手段41,42の変動後の停止図柄が大当り態様(特定態様)となった場合に特別利益状態を発生させる特別利益状態発生手段92と、特別遊技状態開始条件を満たす場合に、特別利益状態の終了後に通常遊技状態とは異なる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段93と、液晶表示手段(画像表示手段)43で図柄変動演出を実行可能な図柄変動演出表示手段61と、遊技球が入球可能な第1状態と第1状態よりも遊技球が入球困難又は入球不可能な第2状態とに変化可能な第2特別図柄始動手段(作動入球手段)34と、機外に信号を出力する外部端子管理手段(外部信号手段)95とを備え、普通利益状態では、第2特別図柄始動手段34がショート/ロングパターン(複数種類の作動パターン)の何れかに従って第2状態から第1状態へと変化し、図柄変動演出表示手段61は、通常遊技状態中は第1,第2特別図柄の変動に対応して、特別遊技状態中は普通図柄の変動に対応して、図柄変動演出を実行し、外部端子管理手段95は、通常遊技状態中は第1,第2特別図柄の変動毎に、特別遊技状態中は普通図柄の変動毎に、第1外部端子(所定外部端子)から信号を出力するように構成されているため、液晶表示手段(画像表示手段)43による図柄変動演出をより効果的に行うことが可能である。
【0133】
また、外部端子管理手段95は、普通図柄及び第1,第2特別図柄の変動停止時に第1外部端子から信号を出力可能となっている。即ち、通常遊技状態中は、第1,第2特別図柄の変動停止時に第1外部端子から信号を出力し、普通図柄の変動停止時には第1外部端子から信号を出力せず、特別遊技状態中は、普通図柄の変動停止時に第1外部端子から信号を出力し、第1,第2特別図柄の変動停止時には第1外部端子から信号を出力しないようになっている。
【0134】
そして、図柄変動演出表示手段61は、通常遊技状態中に普通図柄の変動が開始された場合には当該変動に対応する図柄変動演出を行わず、その後の特別遊技状態中に開始された普通図柄の変動に対応して図柄変動演出を行い、外部端子管理手段95は、通常遊技状態中に開始された普通図柄の変動が特別遊技状態中に停止した場合にはその停止時に第1外部端子から信号を出力せず、特別遊技状態中に開始された普通図柄の変動が当該特別遊技状態中に停止した場合にはその停止時に第1外部端子から信号を出力するようになっている。
【0135】
また、図柄変動演出表示手段61は、特別遊技状態中に第1,第2特別図柄の変動が開始された場合には当該変動に対応する図柄変動演出を行わず、その後の通常遊技状態中に開始された第1,第2特別図柄の変動に対応して図柄変動演出を行うようになっている。
【0136】
また、通常遊技状態中は特別図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、特別遊技状態中は普通図柄変動開始条件を満たさないことに基づいて、客待ちデモ演出を開始する。そして、第1,第2特別図柄の変動が停止し且つ特別図柄変動開始条件を満たさない場合、及び普通図柄の変動が停止し且つ普通図柄変動開始条件を満たさない場合に、遊技状態に拘わらず主制御基板(主制御手段)71から演出制御基板(サブ制御手段)72に対して客待ちデモコマンドを送信し、演出制御基板72は、客待ちデモコマンドを受信した場合に、遊技状態に応じて客待ちデモ演出を実行するか否かを決定するようになっている。しかも、第1,第2特別図柄の変動が停止し且つ特別図柄変動開始条件を満たさない場合に送信する客待ちデモコマンドと、普通図柄の変動が停止し且つ普通図柄変動開始条件を満たさない場合に送信する客待ちデモコマンドとを異ならせており、また通常遊技状態中に行われる客待ちデモ演出と、特別遊技状態中に行われる客待ちデモ演出とを異ならせている。
【0137】
また、特別遊技状態の開始時に普通図柄が既に変動している場合には、当該変動が停止するまでは普通図柄の変動に対応する図柄変動演出を行わず、次の普通図柄の変動が開始したときに図柄変動演出を開始し、次の普通図柄の変動が開始するまで、特別利益状態中の最後の演出画像の少なくとも一部を継続するとともに、待機中である旨を示す画像を液晶表示手段43に表示するようになっている。
【0138】
また、特別遊技状態は、普通図柄が100回(所定回数)変動した場合に終了し、特別遊技状態における普通図柄の最終変動中又は最終変動の終了後に液晶表示手段43に当該特別遊技状態に関するリザルト表示を開始し、リザルト表示はその後に第1,第2特別図柄の変動が開始されるまで継続するようになっている。
【0139】
また、特別遊技状態が終了したときに、右打ちランプ(発射方向示唆ランプ)40を、右流下経路49b側を狙うべき旨を示す点灯(第1態様)から消灯(第2態様)に切り替え、リザルト表示を開始してから所定時間経過後に、左流下経路49a側を狙うべき旨を示す左打ち指示画像(第1発射方向指示画像)63bを液晶表示手段43に表示するようになっている。
【0140】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では時短状態の終了条件としての普通図柄の変動回数を、時短状態の種類に拘わらず一律(100回)としたが、時短状態の種類に応じて終了条件(普通図柄の変動回数)を異ならせてもよい。
【0141】
実施形態では、第2特別図柄に関する上限保留個数を4個に設定するとともに、第2特別図柄始動手段34がロングパターンで開放する場合には1個入賞を条件に閉鎖するように構成したが、第2特別図柄に関しては保留記憶を行わないこととし、第2特別図柄始動手段34に遊技球が入賞して第2特別図柄の変動を開始した場合には、2個目以降の入賞を無効とすることにより、第2特別図柄始動手段34への入賞を1個に制限するように構成してもよい。
【0142】
また、第2特別図柄に関する上限保留個数を1個に設定し、第2特別図柄始動手段34に遊技球が入賞して第2特別図柄の変動を開始した場合には、2個目の入賞は保留記憶し、3個目以降の入賞を無効としてもよい。これにより、2回の大当りを繋げることで最大20ラウンド、最低6ラウンド等、大当り状態を多様化することが可能となる。
【0143】
実施形態では、図16に示す客待ち演出処理において、客待ちデモコマンドBA14Hを受診した場合(S72:Yes)、通常遊技状態中である場合(S73:Yes)に客待ち通常演出を開始する(S78)ように構成したが、S73で特別遊技状態中でないと判定された場合に客待ち通常演出を開始する(S78)ように構成してもよい。
【0144】
実施形態では、特別遊技状態の終了時には左打ち指示画像63bの表示を開始せず、リザルト表示を開始してから所定時間経過後に左打ち指示画像63bの表示を開始するように構成したが、特別遊技状態の終了後に新たに第1特別図柄の変動が開始されることに基づいて、リザルト表示を終了して第1特別図柄の変動に対応する図柄変動演出を開始する際に、左打ち指示画像63bの表示を開始するように構成してもよい。
【0145】
実施形態では、第1,第2特別図柄の変動が停止し且つ特別図柄変動開始条件を満たさない場合、及び普通図柄の変動が停止し且つ普通図柄変動開始条件を満たさない場合に、遊技状態に拘わらず主制御基板71から演出制御基板72に対して客待ちデモコマンドを送信し、演出制御基板72は、客待ちデモコマンドを受信した場合に、遊技状態に応じて客待ちデモ演出を実行するか否かを決定するように構成したが、主制御基板71側で、遊技状態に応じて客待ちデモ演出を実行するか否かを決定した上で演出制御基板72側に客待ちデモコマンドを送信するように構成してもよい。
【0146】
実施形態は本発明をいわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機に採用した例を示したが、それ以外のパチンコ機においても、またアレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0147】
31 第1普通図柄始動手段(普通図柄始動手段)
32 第2普通図柄始動手段(普通図柄始動手段)
33 第1特別図柄始動手段(特別図柄始動手段)
34 第2特別図柄始動手段(特別図柄始動手段、作動入球手段)
38 普通図柄表示手段
41 第1特別図柄表示手段(特別図柄表示手段)
42 第2特別図柄表示手段(特別図柄表示手段)
43 液晶表示手段(画像表示手段)
61 図柄変動演出表示手段
86 普通利益状態発生手段
92 特別利益状態発生手段
93 特別遊技状態発生手段
95 外部端子管理手段(外部信号手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20