(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001952
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】ドア開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05B 9/08 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
E05B9/08 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102874
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000138613
【氏名又は名称】株式会社ユニオン
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】田河 寿一
(57)【要約】
【課題】レバーハンドルの十分な取付け強度を保証しながら、ドアのデザインの自由度を大きくできるドア開閉装置を提供する。
【解決手段】ドア開閉装置は、係止部材10と、ハンドル機構20と、変換機構30と、ケース40と、台座手段50、50Aと、固定部材60とを具備する。係止部材10は、ドア1の戸先2から出没可能に設けられ、ドア1を閉状態に係止する。ハンドル機構20は、レバーハンドル21、及びハンドル軸22を含み、ドア1を開閉する操作を受付ける。台座部材50、50Aは、収納空間3の内部に配設され、ケース40を収納空間3の周壁3aに取付ける。固定部材60は、台座部材50、50Aを収納空間3の周壁3aに固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア(1)の戸先(2)から出没可能に設けられ、前記ドア(1)を閉状態に係止する係止部材(10)と、
レバーハンドル(21)、及び前記レバーハンドル(21)と一体的に回転可能に連結されるハンドル軸(22)を含み、前記ドア(1)の開閉操作を受付けるハンドル機構(20)と、
前記係止部材(10)が、前記戸先(2)から突出するときの突出方向(X1)と反対方向(X2)に移動するように、前記ハンドル軸(22)の回転運動を前記係止部材(10)の直線運動に変換する変換機構(30)と、
前記ドア(1)の内部に形成される収納空間(3)に収納され、前記変換機構(30)を収容し、前記係止部材(10)を進退可能に支持するケース(40)と、
前記ケース(40)に付設され、前記収納空間(3)の周壁(3a)に前記ケース(40)を取付ける台座手段(50、50A)であって、前記収納空間(3)の内部に配設される台座手段(50、50A)と、
前記ハンドル軸(22)が挿通される筒状の本体部(61)、前記本体部(61)に形成され、前記本体部(61)を前記台座手段(50、50A)と連結する連結部(62)、及び前記本体部(61)に形成され、前記周壁(3a)と係合する係合部(63)を有し、前記台座手段(50、50A)を前記収納空間(3)の前記周壁(3a)に固定する固定部材(60)
とを具備するドア開閉装置。
【請求項2】
前記固定部材(60)の前記連結部(62)は、前記固定部材(60)の前記本体部(61)における軸方向の一端に形成される、雄ネジ及び雌ネジの一方を含み、
前記台座手段(50、50A)は、前記連結部(62)の前記雄ネジ及び前記雌ネジの前記一方と螺合する前記雄ネジ及び前記雌ネジの他方を含む被連結部(51)を有し、
前記固定部材(60)の前記係合部(63)は、鍔状であり、前記軸方向の他端に形成され、前記周壁(3a)に形成される挿通孔(3b)に前記本体部(61)が挿通されている状態において前記周壁(3a)を前記台座手段(50、50A)との間に挟む、請求項1に記載のドア開閉装置。
【請求項3】
レバーハンドル(21)の基端部(21a)、及び前記係合部(63)は、略円形であり、前記係合部(63)の外径は、前記基端部(21a)の外径と略等しいか、前記基端部(21a)の外径より小さい、請求項2に記載のドア開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーハンドルを具備し、ドアの開閉操作を受付けるドア開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レバーハンドルを具備し、ドアの開閉操作を受付けるドア開閉装置として、特許文献1には、一対のレバーハンドルと、ラッチボルト等の係止部材とを具備するドア開閉装置が記載されている。一対のレバーハンドルは、ドアの両面に取付けられ、角芯によって、一体的に回動するように互いに連結される。ラッチボルトは、ドアの戸先から突出し、扉枠等と係合し、ドアを閉状態に係止する。
【0003】
レバーハンドルが回動されると、ラッチボルトがドアの内部にしりぞき、ドアの係止状態が解除され、レバーハンドルの押し引きによって、ドアが開閉される。また、ドアにおけるレバーハンドルの取付け位置においては、レバーハンドルを押し引きするドアの開閉操作に対し、十分な強度でレバーハンドルを取付けできるように、円形のハンドル座が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のドア開閉装置においては、レバーハンドルの取付け位置にハンドル座が設けられることによって、ドアのデザインが制約される。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、レバーハンドルの十分な取付け強度を保証しながら、ドアのデザインの自由度を大きくできるドア開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示するドア開閉装置は、係止部材(10)と、ハンドル機構(20)と、変換機構(30)と、ケース(40)と、台座手段(50、50A)と、固定部材(60)とを具備する。前記係止部材(10)は、ドア(1)の戸先(2)から出没可能に設けられ、前記ドア(1)を閉状態に係止する。前記ハンドル機構(20)は、レバーハンドル(21)、及びハンドル軸(22)を含む。前記ハンドル軸(22)は、前記レバーハンドル(21)と一体的に回転可能に連結される。前記変換機構(30)は、前記係止部材(10)が、前記戸先(2)から突出するときの突出方向(X1)と反対方向(X2)に移動するように、前記ハンドル軸(22)の回転運動を前記係止部材(10)の直線運動に変換する。前記ケース(40)は、前記ドア(1)の内部に形成される収納空間(3)に収納され、前記変換機構(30)を収容し、前記係止部材(10)を進退可能に支持する。前記台座手段(50、50A)は、前記ケース(40)に付設され、前記収納空間(3)の周壁(3a)に前記ケース(40)を取付ける。また、前記台座手段(50、50A)は、前記収納空間(3)の内部に配設される。前記固定部材(60)は、本体部(61)、連結部(62)、及び係合部(63)を有し、前記台座手段(50、50A)を前記収納空間(3)の前記周壁(3a)に固定する。前記本体部(61)は、筒状であり、前記ハンドル軸(22)が挿通される。前記連結部(62)は、前記本体部(61)に形成され、前記本体部(61)を前記台座手段(50、50A)と連結する。前記係合部(63)は、前記本体部(61)に形成され、前記周壁(3a)と係合する。
【0008】
本願に開示するドア開閉装置において、前記固定部材(60)の前記連結部(62)は、前記固定部材(60)の前記本体部(61)の軸方向の一端に形成される、雄ネジ及び雌ネジの一方を含む。前記台座手段(50、50A)は、前記連結部(62)の前記雄ネジ及び前記雌ネジの前記一方と螺合する前記雄ネジ及び前記雌ネジの他方を含む被連結部(51)を有する。前記固定部材(60)の前記係合部(63)は、鍔状であり、前記軸方向の他端に形成され、前記周壁(3a)に形成される挿通孔(3b)に前記本体部(61)が挿通されている状態において前記周壁(3a)を前記台座手段(50、50A)との間に挟む。
【0009】
また、本願に開示するドア開閉装置において、レバーハンドル(21)の基端部(21a)、及び前記係合部(63)は、略円形であり、前記係合部(63)の外径は、前記基端部(21a)の外径と略等しいか、前記基端部(21a)の外径より小さい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るドア開閉装置によれば、レバーハンドルの十分な取付け強度を保証しながら、ドアのデザインの自由度を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るドア開閉装置の上面図である。
【
図4】(a)実施形態の台座手段を示す平面図である。(b)実施形態の台座手段を示すA-A線断面図である。
【
図5】(a)実施形態の他の台座手段を示す平面図である。(b)実施形態の他の台座手段を示すB-B線断面図である。
【
図6】(a)実施形態の固定部材を示す平面図である。(b)実施形態の固定部材を示すC-C線断面図である。
【
図7】(a)実施形態のスペーサ部材を示す平面図である。(b)実施形態のスペーサ部材を示すD-D線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るドア開閉装置を図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0013】
〈実施形態〉
以下に、
図1から
図3を参照して、本発明の実施形態に係るドア開閉装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るドア開閉装置の上面図である。
図2は、
図1のドア開閉装置の正面図である。
図3は、
図1のドア開閉装置の側面図である。
【0014】
図1から
図3に示すように、実施形態に係るドア開閉装置は、開き戸であるドア1の開閉操作を受付け、ドア1を開閉する装置であり、係止部材としてのラッチボルト10と、ハンドル機構20と、変換機構30と、ケース40と、台座手段としての台座部材50、50Aと、固定部材60と、スペーサ部材70とを具備する。ドア1は、戸先2の近傍における内部に、ケース40を収納する収納空間3が形成される。収納空間3は、戸先2に開口している。
【0015】
ラッチボルト10は、ドア1の戸先2から出没可能に設けられ、例えば扉枠に設置されるストライクと係合し、ドア1を閉状態に係止する。ラッチボルト10の先端は、斜面となっており、ラッチボルト10がロックされていない状態において、ドア1を閉じる際にはハンドル操作は必要とされず、ドア1を開けるときにだけハンドル操作が必要となる。
【0016】
ハンドル機構20は、レバーハンドル21、及びハンドル軸22を含み、ドア1の開閉操作を受付ける。実施形態においては、ハンドル機構20は、ドア1の両面に取付けられる一対のレバーハンドル21を含む。
【0017】
図1、
図3に示すように、一対のレバーハンドル21は、基端部21aがドア面と略平行となり、握りの部分がドア面と略平行に延びるように、ドア1の両面に取付けられる。また、実施形態においては、基端部21aは、略円形である。略円形とは、円形と認識される、真円に近い形状である。
【0018】
ハンドル軸22は、実施形態においては、横断面形状が略正方形の角芯であり、一対のレバーハンドル21と一体的に回転可能に連結される。また、
図1に示すように、収納空間3における対向する各周壁3aには、ハンドル軸22が挿通される挿通孔3bがそれぞれ形成される。なお、ハンドル軸22がレバーハンドル21と別体の部材であることは必須ではなく、ハンドル軸22は一対のレバーハンドル21の少なくとも一方と一体の部材であってもよい。
【0019】
変換機構30は、
図1、
図2に示すように、ラッチボルト10が、戸先2から突出するときの突出方向X1と反対方向X2に移動するように、ハンドル軸22の回転運動をラッチボルト10の直線運動に変換する。
【0020】
実施形態の変換機構30は、レバーカムを用いた公知の変換機構であり、詳細説明は省略する。また、実施形態においては、ハンドル軸22は、レバーカムに形成される軸孔31に嵌挿されることによって、変換機構30に軸支されており、ハンドル軸22の回転が変換機構30に伝達される。
【0021】
図1、
図2に示すように、ケース40は、方形であり、収納空間3に収納され、変換機構30を収容し、ラッチボルト10を進退可能に支持する。実施形態においては、ケース40は、金属製であり、変換機構30及びラッチボルト10の他に、ラッチボルト10をロックするシリンダ錠等のロック機構44、ラッチボルト10を突出方向X1に付勢するスプリング、及び、操作されていないときの初期位置に回動するように、レバーハンドル21を付勢するスプリングを収容している。
【0022】
また、ケース40は、戸先2側の面に、ケース40の本体部から上下に延出する板状の延出部41を有している。延出部41は、
図2、
図3に示すように、蓋板42とともに、取付けビス43によって、ドア1の戸先2に留められる。
【0023】
次に
図4、
図5を参照して、台座手段としての台座部材50、50Aを説明する。
図4(a)は、実施形態の台座部材を示す平面図である。
図4(b)は、実施形態の台座部材を示すA-A線断面図である。
図5(a)は、実施形態の他の台座部材を示す平面図である。
図5(b)は、実施形態の他の台座部材を示すB-B線断面図である。
【0024】
図4、
図5に示すように、台座部材50、50Aは、板状であり、
図1、
図2に示すように、ケース40に付設され、収納空間3の周壁3aにケース40を取付ける。そして、台座部材50、50Aは、収納空間3の内部に配設される。実施形態においては、台座部材50、50Aは、金属製であるが、樹脂製であってもよい。
【0025】
また、実施形態においては、2つの台座部材50、50Aが、ケース40の内側面と外側面の両面に付設される。ケース40の内側面とは、ドア1が設けられる部屋などの内部に向かう面を言い、外側面とは、外部に向かう面を言う。実施形態においては、2つの台座部材50、50Aの一方である台座部材50がケース40の外側面に付設され、他方の台座部材50Aがケース40の内側面に付設されている。
【0026】
また、実施形態においては、台座部材50、50Aは、円板状であり、中央に、台座部材50、50Aを厚み方向に貫通する雌ネジを含む被連結部51を有している。また、実施形態においては、ケース40の厚みと台座部材50、50Aの厚みとの合計が、収納空間3におけるドア1の厚み方向の寸法と略一致するように、台座部材50、50Aの厚みとケース40の厚みとが設定されている。略一致するとは、ケース40を収納空間3の中に入れるときに、2つの台座部材50、50Aと収納空間3の両側の周壁3aとが擦れ合う程度に両者が一致していることをいう。
【0027】
そして、
図4に示すように、一方の台座部材50においては、被連結部51を間に挟んで直線状に並ぶように、一対のネジ挿通孔52が形成される。一対のネジ挿通孔52には、
図1に示す止めネジ54が挿通される。また、
図4に示すように、ネジ挿通孔52の周囲には、止めネジ54の頭部と嵌合する凹部53が、一対のネジ挿通孔52と同軸心に形成される。
【0028】
また、
図5に示すように、他方の台座部材50Aにおいては、被連結部51を間に挟んで直線状に並ぶように、一対のネジ孔52Aが形成されている。一対のネジ孔52Aは、一方の台座部材50の一対のネジ挿通孔52と対応する位置に形成されており、
図1に示すように、一対のネジ挿通孔52に挿通される止めネジ54が、一対のネジ孔52Aと螺合することによって、2つの台座部材50、50Aがケース40の両面に付設される。
【0029】
次に、
図6を参照して、固定部材60を説明する。
図6(a)は、実施形態の固定部材を示す平面図である。
図6(b)は、実施形態の固定部材を示すC-C線断面図である。
【0030】
図6に示すように、固定部材60は、本体部61、連結部62、係合部63、及び回転操作溝64を有し、台座部材50、50Aを収納空間3の周壁3aに固定する。実施形態においては、固定部材60は金属製であり、2つの固定部材60が使用され、2つの台座部材50、50Aを収納空間3の対向する各周壁3aにそれぞれ固定する。
【0031】
本体部61は、筒状であり、挿通孔3bに挿通されるとともに、中空部にハンドル軸22が挿通される。実施形態においては、本体部61は、円筒状であり、本体部61の軸方向の長さは、収納空間3の周壁3aの厚みよりも大きい長さに設定される。また、実施形態においては、挿通孔3bの形状は略円形であり、挿通孔3bの径は、本体部61が挿通孔3bと隙間なく嵌り合う程度に、本体部61の外径と略等しく設定される。
【0032】
連結部62は、本体部61に形成され、本体部61を台座部材50、50Aと連結する。実施形態においては、連結部62は、固定部材60の本体部61における軸方向の一端に形成される雄ネジを含み、台座部材50、50Aの被連結部51に含まれる雌ネジと螺合し、本体部61を台座部材50、50Aと連結する。
【0033】
係合部63は、本体部61に形成され、周壁3aと係合する。実施形態においては、係合部63は、鍔状であり、本体部61における軸方向の他端に形成され、
図1に示すように、挿通孔3bに本体部61が挿通されている状態において周壁3aを台座部材50、台座部材50Aとの間に挟む。
【0034】
回転操作溝64は、
図6に示すように、10円玉等のコインと嵌合可能に係合部63に形成されており、コインを回転操作溝64と嵌合し、回転することによって、本体部61を回転でき、連結部62の雄ネジを台座部材50、50Aにおける被連結部51の雌ネジにネジ込む操作と、ネジ戻しする操作を簡単にできる。
【0035】
また、実施形態においては、レバーハンドル21の基端部21a、及び係合部63は、略円形であり、係合部63の外径は、基端部21aの外径と略等しいか、基端部21aの外径より小さい。
【0036】
次に、
図7を参照して、実施形態のスペーサ部材70を説明する。
図7(a)は、実施形態のスペーサ部材を示す平面図である。
図7(b)は、実施形態のスペーサ部材を示すD-D線断面図である。
【0037】
図7に示すように、スペーサ部材70は、本体部71と、鍔状の覆い部72と、嵌合部73とを含む。実施形態においては、スペーサ部材70は樹脂製であるが、固定部材60を樹脂製としたとき、スペーサ部材70を省略することもできる。
【0038】
スペーサ部材70の本体部71は、筒状であり、固定部材60の本体部61における中空部に嵌挿され、ハンドル軸22と固定部材60の本体部61との間に配設される。覆い部72は、本体部71における軸方向の一端に形成され、固定部材60の係合部63を覆い、レバーハンドル21の基端部21aと固定部材60の係合部63との間に配設される。嵌合部73は、溝状であり、覆い部72に形成され、固定部材60の係合部63と嵌合する。
【0039】
以上、
図1から
図7を参照して説明したように、実施形態のドア開閉装置によれば、ケース40が、ドア1の内部に形成される収納空間3に収納され、台座部材50、50Aが、収納空間3の内部に配設され、固定部材60が、台座部材50、50Aを収納空間3の周壁3aに固定する。台座部材50、50Aが、収納空間3の内部に配設されることによって、ドア1の外側から台座部材50、50Aが見えないように隠すことができ、台座部材50、50Aの存在によってドア1のデザインが制約されることを防止でき、ドア1のデザインの自由度を大きくできる。
【0040】
また、ハンドル軸22を軸支する変換機構30が、ケース40に収容され、ケース40が、台座部材50、50Aによって、収納空間3の周壁3aに取付けられることから、従来のドア開閉装置においてハンドル台座がドアの外側面に配設される場合と同様の強度によってレバーハンドル21をドア1に取付けできる。
【0041】
更に、
図1を参照して説明したように、ケース40の厚みと台座部材50、50Aの厚みとの合計が、収納空間3におけるドア1の厚み方向の寸法と略一致するように各部材の厚みが設定されていることによって、ハンドル軸22を軸支しているケース40の収納空間3内部におけるガタつきを小さくでき、レバーハンドル21の操作によってドア1を開閉する際の操作感を向上できる。
【0042】
従来のドア開閉装置においては、特許文献1に示されているようなネジ筒を介して、ケースがハンドル台座に支持されており、収納空間の周壁とケースとの間には隙間が生じる。実施形態においては、ドア1の厚みに応じて例えば台座部材50、50Aの厚みを調節することによって、収納空間3の内部におけるケース40のガタつきを小さくでき、レバーハンドル21の操作によってドア1を開閉する際の操作感を向上できる。
【0043】
また、
図1から
図7を参照して説明したように、実施形態のドア開閉装置において、固定部材60の連結部62が、雄ネジを含み、台座部材50、50Aの被連結部51が、雌ネジを含み、固定部材60における鍔状の係合部63が、収納空間3の周壁3aに形成される挿通孔3bに固定部材60の本体部61が挿通されている状態において周壁3aを台座部材50、50Aとの間に挟む。
【0044】
従って、挿通孔3bを通して、固定部材60の雄ネジを台座部材50、50Aの雌ネジに捩じ込むだけの簡単な操作によって、台座部材50、50Aを収納空間3の周壁3aに固定でき、ドア開閉装置を簡単にドア1に設置できる。また、上述したとおり、回転操作溝64を固定部材60に形成することによって、特別の工具を用いずに、例えばコインとねじ回しがあれば、ケース40をドア1に取付け、取外しでき、ドア開閉装置の設置を更に簡単にできる。
【0045】
また、
図1、
図7を参照して説明したように、実施形態のドア開閉装置においては、スペーサ部材70が、固定部材60と、レバーハンドル21の基端部21a、及びハンドル軸22との間に配設される。従って、レバーハンドル21、ハンドル軸22、及び固定部材60を金属製としたときに、金属同士が当接することを防止でき、ハンドル操作の際に異音が発生したり、各部材が損傷したりすることを防止でき、ドア開閉装置の操作性、耐久性を向上できる。
【0046】
また、
図1等を参照して説明したように、実施形態のドア開閉装置においては、レバーハンドル21の基端部21a、及び鍔状の係合部63が、略円形であり、係合部63の外径が、基端部21aの外径と略等しいか、基端部21aの外径より小さい。従って、レバーハンドル21の基端部21aによって固定部材60の係合部63、又はスペーサ部材70の覆い部72を隠すことができ、例えばレバーハンドル21が直接ドア1に取付けられているように見せることもでき、更にドア1のデザインの自由度を大きくできる。
【0047】
なお、固定部材60の係合部63、又はスペーサ部材70の覆い部72の外径が基端部21aの外径より僅かに大きい程度では、固定部材60の係合部63、又はスペーサ部材70の覆い部72は、人の目にはレバーハンドル21と一体のものと認識される。従って、固定部材60の係合部63、又はスペーサ部材70の覆い部72の径が基端部21aの外径より僅かに大きい場合にも、例えばレバーハンドル21が直接ドア1に取付けられているように見せることができ、ドア1のデザインの自由度を大きくできる。
【0048】
以上、図面(
図1から
図7)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1)から(4))。
【0049】
(1)上記実施形態においては、レバーハンドル21の基端部21aの形状は略円形であったがこれに限られず、基端部の形状は、多角形、雲形、楕円形、星形等、適宜の形状とすることができる。このとき、固定部材60の係合部63の形状を基端部21aの形状と同じ形状にすることによって、固定部材60の存在によってドア1のデザインが制約されることを防止でき、更に確実にドア1のデザインの自由度を大きくできる。
【0050】
(2)上記実施形態においては、固定部材60の連結部62が台座部材50、50Aの被連結部51にネジ込まれることによって、固定部材60の本体部61が台座部材50、50Aと連結されているが、これに限定されない。例えば固定部材60の連結部62にネジ挿通孔を形成し、本体部61を内周側から台座部材50、50Aにネジ止めすることによっても固定部材60の本体部61を台座部材50、50Aと連結でき、固定部材60は様々な方法で台座部材50、50Aと連結できる。
【0051】
(3)上記実施形態においては、台座手段は、ケース40と別体の板状の台座部材50、50Aであるが、台座部材50、50Aは、ケース40と一体形成されてもよい。あるいは、台座手段は、ある程度の面積で荷重を受けることができる構造であればよく、ケース40における周壁3aとの対向面が周壁3aと直接当接し、荷重を受けるように、ケース40の厚み、収納空間3におけるドア1の厚み方向の寸法等を設定し、ケース40における周壁3aとの対向面を台座手段としてもよい。このとき、被連結部51はケース40における周壁3aとの対向面に形成される。しかしながら、台座手段は、ケース40と別体の台座部材50、50Aである方が、各種厚みの台座部材50、50Aをケース40に付設することによって、各種厚みのドアにより良く適用でき、好ましい。また、台座部材50、50Aは、収納空間3の内部に配設されていれば、ケース40と必ずしも接している必要はなく、従来のネジ筒等を使用し、ケース40の表面との間に隙間が空くようにしてケース40に付設されてもよい。
【0052】
(4)上記実施形態においては、固定部材60の連結部62が雄ネジを含み、台座部材50、50Aの被連結部51が雌ネジを含んでいるが、これに限られず、固定部材60の連結部62が雌ネジを含み、台座部材50、50Aの被連結部51が雄ネジを含んでもよい。固定部材60の連結部62が雌ネジを含み、台座部材50、50Aの被連結部51が雄ネジを含むとき、台座部材50、50Aにおける周壁3aとの対向面に円環状の突起を形成し、円環状の突起に雄ネジを形成することが考えられる。又は、台座部材50、50Aにおける周壁3aとの対向面に円環状の溝を形成し、円環状の溝の内周側の壁部に雄ネジを形成してもよい。
【符号の説明】
【0053】
X1…突出方向
X2…反対方向
1…ドア
2…戸先
3…収納空間
3a…周壁
10…ラッチボルト(係止部材)
20…ハンドル機構
21…レバーハンドル
21a…基端部
22…ハンドル軸
30…変換機構
40…ケース
50、50A…台座部材
51…被連結部
60…固定部材
61…本体部
62…連結部
63…係合部