(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019520
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】二重管式熱交換器およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
F28D 7/10 20060101AFI20230202BHJP
F28F 1/36 20060101ALI20230202BHJP
B21D 53/06 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
F28D7/10 A
F28F1/36 Z
B21D53/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124294
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 素子
(74)【代理人】
【識別番号】100196759
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 雪
(72)【発明者】
【氏名】大海 栄一
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103BB38
3L103BB39
3L103CC02
3L103CC08
3L103CC09
3L103CC17
3L103CC18
3L103CC23
3L103CC27
3L103DD10
3L103DD38
3L103DD45
3L103DD64
3L103DD70
(57)【要約】
【課題】構造が簡単で、内管と外管との組付性が高い二重管式熱交換器およびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】二重管式熱交換器1は、外管2と、外管2に挿入される内管3と、を備え、内管3の内部に内側流路4を形成し、内管3と外管2との間に外側流路5を形成し、内側流路4を流れる流体と外側流路5を流れる流体との間で熱交換を行う。内管3は、外周面に凹凸を有する凹凸部32を有する。外管2の軸方向一端部20と内管3との間には、大径シール部S1が介在する。外管2の軸方向他端部21と内管3との間には、大径シール部S1よりも小径の小径シール部S2が介在する。外側流路5、凹凸部32は、大径シール部S1と小径シール部S2との、軸方向位置の違い、径差を利用して配置される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管と、前記外管に挿入される内管と、を備え、前記内管の内部に内側流路を形成し、前記内管と前記外管との間に外側流路を形成し、前記内側流路を流れる流体と前記外側流路を流れる流体との間で熱交換を行う二重管式熱交換器であって、
前記内管は、外周面に凹凸を有する凹凸部を有し、
前記外管の軸方向一端部と前記内管との間には、大径シール部が介在し、
前記外管の軸方向他端部と前記内管との間には、前記大径シール部よりも小径の小径シール部が介在し、
前記外側流路、前記凹凸部は、前記大径シール部と前記小径シール部との、軸方向位置の違い、径差を利用して配置されることを特徴とする二重管式熱交換器。
【請求項2】
前記外管は、前記外管の前記軸方向一端部である外管中径部と、前記外管の前記軸方向他端部である外管小径部と、を有し、
前記内管は、前記外管中径部の径方向内側に配置される内管大径部と、前記内管の軸方向他端を有し前記外管小径部の径方向内側に配置される内管小径部と、前記内管大径部と前記内管小径部との間に配置される前記凹凸部と、を有し、
前記大径シール部は、前記外管中径部と前記内管大径部との間に介在し、前記外側流路の軸方向一端を流体密にシールし、
前記小径シール部は、前記外管小径部と前記内管小径部との間に介在し、前記外側流路の軸方向他端を流体密にシールし、
前記外管中径部の内径をD1、前記外管小径部の内径をD2、前記内管大径部の外径をd1、前記内管小径部の外径をd2、前記凹凸部の最大外径をd3として、以下の式(1)~(3)が全て成立する請求項1に記載の二重管式熱交換器。
D1>D2 ・・・(1)
d1≧d3>d2 ・・・(2)
D1>d2 ・・・(3)
【請求項3】
前記外管中径部は、外管第一中径部であり、
前記外管は、前記外管第一中径部と前記外管小径部との間に、軸方向一端側から軸方向他端側に向かって、前記外管第一中径部よりも内径が大きい外管大径部と、前記外管第一中径部と内径が同じ外管第二中径部と、を有し、
前記外管大径部には、前記外側流路に連通する第一開口部が開設され、
前記外管第二中径部には、前記外側流路に連通する第二開口部が開設される請求項2に記載の二重管式熱交換器。
【請求項4】
前記凹凸部の軸方向一端は、前記外管大径部の軸方向一端よりも軸方向他端側に配置される請求項3に記載の二重管式熱交換器。
【請求項5】
前記凹凸部の軸方向他端は、前記第二開口部の軸方向一端よりも軸方向一端側に配置される請求項3または請求項4に記載の二重管式熱交換器。
【請求項6】
前記外管は、同一の材料により一体的に形成されており、
前記内管は、同一の材料により一体的に形成されており、
前記内管小径部は内管第一小径部であり、
前記内管は、前記内管大径部の軸方向一端側に、前記内管第一小径部と外径が同じ内管第二小径部を有する請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の二重管式熱交換器。
【請求項7】
前記凹凸部は、前記内管の外周面に沿って周回する螺旋状の凹凸を有する螺旋部である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の二重管式熱交換器。
【請求項8】
外管と、前記外管に挿入される内管と、を備え、前記内管の内部に内側流路を形成し、前記内管と前記外管との間に外側流路を形成し、前記内側流路を流れる流体と前記外側流路を流れる流体との間で熱交換を行う二重管式熱交換器の製造方法であって、
前記内管を前記外管に挿入する際の挿入方向前側を前側、挿入方向後側を後側として、
前記内管は、外周面に凹凸を有する凹凸部を有し、
前記外管の後端部と前記内管との間には、大径シール部が介在し、
前記外管の前端部と前記内管との間には、前記大径シール部よりも小径の小径シール部が介在し、
前記内管の前端を前記外管の後端に挿入する挿入工程と、
挿入後の前記内管を前記外管に対して相対的に前進させ、前記内管と前記外管との位置決めを行う位置決め工程と、
位置決め後の前記外管の前記後端部と前記内管とを接続し前記大径シール部を形成すると共に、位置決め後の前記外管の前記前端部と前記内管とを接続し前記小径シール部を形成するシール工程と、
を有することを特徴とする二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項9】
前記外管は、前記外管の前記後端部である外管中径部と、前記外管の前記前端部である外管小径部と、を有し、
前記内管は、前記外管中径部の径方向内側に配置される内管大径部と、前記内管の軸方向他端を有し前記外管小径部の径方向内側に配置される内管小径部と、前記内管大径部と前記内管小径部との間に配置される前記凹凸部と、を有し、
前記大径シール部は、前記外管中径部と前記内管大径部との間に介在し、前記外側流路の後端を流体密にシールし、
前記小径シール部は、前記外管小径部と前記内管小径部との間に介在し、前記外側流路の前端を流体密にシールし、
前記外管中径部の内径をD1、前記外管小径部の内径をD2、前記内管大径部の外径をd1、前記内管小径部の外径をd2、前記凹凸部の最大外径をd3として、以下の式(1)~(3)が全て成立する請求項8に記載の二重管式熱交換器の製造方法。
D1>D2 ・・・(1)
d1≧d3>d2 ・・・(2)
D1>d2 ・・・(3)
【請求項10】
前記挿入工程の前に、
管状の内管素材を金型にセットし、前記内管素材の内部に流体を供給し、前記流体の圧力で前記内管素材を膨張させ前記金型の型面に沿って変形させることにより、前記内管素材と外径が同じ前記内管小径部に対して、前記内管大径部、前記凹凸部を拡径変形させ、前記内管を成形する内管成形工程を有する請求項9に記載の二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項11】
前記外管中径部は、外管第一中径部であり、
前記外管は、前記外管第一中径部と前記外管小径部との間に、後側から前側に向かって、前記外管第一中径部よりも内径が大きい外管大径部と、前記外管第一中径部と内径が同じ外管第二中径部と、を有し、
前記挿入工程の前に、
管状の外管素材を変形させることにより前記外管を成形する外管成形工程と、
成形後の前記外管大径部に、前記外側流路に連通する第一開口部を開設すると共に、成形後の前記外管第二中径部に、前記外側流路に連通する第二開口部を開設する開口部開設工程と、
を有する請求項9または請求項10に記載の二重管式熱交換器の製造方法。
【請求項12】
前記挿入工程の前または前記シール工程の後に、
前記第一開口部に第一配管を接続し、前記第二開口部に第二配管を接続する配管接続工程を有する請求項11に記載の二重管式熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば空調装置などに用いられる二重管式熱交換器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~4には、二重管式熱交換器が開示されている。二重管式熱交換器は、外管と内管とを備えている。内管は、外管の径方向内側に配置されている。内管の内部には、内側流路が形成されている。内管と外管との間には、外側流路が形成されている。内管の管壁には螺旋部が配置されている。
【0003】
二重管式熱交換器は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられている。当該冷凍サイクルにおいて、二重管式熱交換器の内側流路は、蒸発器と圧縮機との間に配置されている。外側流路は、凝縮器と膨張弁との間に配置されている。内管の螺旋部を介して、内側流路を流れる低圧の冷媒と、外側流路を流れる高圧の冷媒と、の間で熱交換が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-162238号公報
【特許文献2】特開2018-025374号公報
【特許文献3】特開2020-109329号公報
【特許文献4】特開2002-318015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二重管式熱交換器の外側流路の軸方向両端は、各々、シール部(外管と内管との接続部)により、流体密にシールされている。特許文献1~4の二重管式熱交換器の場合、双方のシール部の径は同じである。このため、双方のシール部の径差を利用して、外側流路、螺旋部を配置することは困難である。したがって、構造が複雑化しやすい。また、特許文献1~4の二重管式熱交換器の場合、双方のシール部の径は同じであるため、内管を外管に挿入する際、内管が外管に干渉しやすい。このため、内管と外管との組付性が低い。そこで、本開示は、構造が簡単で、内管と外管との組付性が高い二重管式熱交換器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示の二重管式熱交換器は、外管と、前記外管に挿入される内管と、を備え、前記内管の内部に内側流路を形成し、前記内管と前記外管との間に外側流路を形成し、前記内側流路を流れる流体と前記外側流路を流れる流体との間で熱交換を行う二重管式熱交換器であって、前記内管は、外周面に凹凸を有する凹凸部を有し、前記外管の軸方向一端部と前記内管との間には、大径シール部が介在し、前記外管の軸方向他端部と前記内管との間には、前記大径シール部よりも小径の小径シール部が介在し、前記外側流路、前記凹凸部は、前記大径シール部と前記小径シール部との、軸方向位置の違い、径差を利用して配置されることを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本開示の二重管式熱交換器の製造方法は、外管と、前記外管に挿入される内管と、を備え、前記内管の内部に内側流路を形成し、前記内管と前記外管との間に外側流路を形成し、前記内側流路を流れる流体と前記外側流路を流れる流体との間で熱交換を行う二重管式熱交換器の製造方法であって、前記内管を前記外管に挿入する際の挿入方向前側を前側、挿入方向後側を後側として、前記内管は、外周面に凹凸を有する凹凸部を有し、前記外管の後端部と前記内管との間には、大径シール部が介在し、前記外管の前端部と前記内管との間には、前記大径シール部よりも小径の小径シール部が介在し、前記内管の前端を前記外管の後端に挿入する挿入工程と、挿入後の前記内管を前記外管に対して相対的に前進させ、前記内管と前記外管との位置決めを行う位置決め工程と、位置決め後の前記外管の前記後端部と前記内管とを接続し前記大径シール部を形成すると共に、位置決め後の前記外管の前記前端部と前記内管とを接続し前記小径シール部を形成するシール工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
ここで、「シール工程」における「接続」には、外管(後端部、前端部)と内管とを直接接続する形態(例えば、外管と内管とを圧着、接着、溶接、ろう付けなどにより接続する形態)、外管と内管とを間接的に接続する形態(例えば、外管と内管とをシール部材を介して接続する形態)が含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の二重管式熱交換器には、大径シール部と小径シール部との軸方向位置の違い、大径シール部と小径シール部との径差に起因する空間が確保されている。本開示の二重管式熱交換器によると、当該空間を利用して、外側流路の少なくとも一部、凹凸部の少なくとも一部を配置することができる。このため、二重管式熱交換器の構造が簡単になる。
【0010】
また、本開示の二重管式熱交換器の製造方法によると、大径シール部と小径シール部との径差を利用して、簡単に、内管の前端を外管の後端に挿入することができる。このため、内管と外管との組付性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第一実施形態の二重管式熱交換器が配置されている車両用空調装置のヒートポンプサイクルの模式図である。
【
図2】
図2は、同二重管式熱交換器の斜視図である。
【
図3】
図3は、同二重管式熱交換器の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同二重管式熱交換器の前後方向断面図である。
【
図6】
図6(A)は、同二重管式熱交換器の製造方法の内管成形工程(初期)の金型の前後方向断面図である。
図6(B)は、同工程(終期)の金型の前後方向断面図である。
【
図7】
図7(A)は、同製造方法の外管成形工程(初期)の金型の前後方向断面図である。
図7(B)は、同工程(終期)の金型の前後方向断面図である。
【
図8】
図8(A)は、同製造方法の挿入工程(初期)の内管および外管の前後方向断面図である。
図8(B)は、同工程(終期)かつ位置決め工程(初期)の内管および外管の前後方向断面図である。
【
図9】
図9(A)は、同製造方法の位置決め工程(終期)、シール工程の内管および外管の前後方向断面図である。
図9(B)は、同製造方法の配管接続工程の内管および外管の前後方向断面図である。
【
図10】
図10は、第二実施形態の二重管式熱交換器の前後方向断面図である。
【
図11】
図11は、第三実施形態の二重管式熱交換器の前後方向断面図である。
【
図12】
図12(A)は、第四実施形態の二重管式熱交換器の前後方向断面図である。
図12(B)は、
図12(A)のXIIB-XIIB方向断面図である。
【
図13】
図13(A)は、その他の実施形態(その1)の二重管式熱交換器の径方向断面図である。
図13(B)は、その他の実施形態(その2)の二重管式熱交換器の径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の二重管式熱交換器およびその製造方法の実施の形態について説明する。
【0013】
<第一実施形態>
[ヒートポンプサイクルの構成]
まず、本実施形態の二重管式熱交換器が配置されている車両用空調装置のヒートポンプサイクルの構成について説明する。
図1に、本実施形態の二重管式熱交換器が配置されている車両用空調装置のヒートポンプサイクルの模式図を示す。
【0014】
ヒートポンプサイクル9は、圧縮機90と、凝縮器(車室外用熱交換器)91と、膨張弁(膨張器)92と、蒸発器(車室内用熱交換器)93と、を備えている。冷房時において、冷媒(熱媒体)は、ヒートポンプサイクル9を、圧縮機90→凝縮器91→膨張弁92→蒸発器93→再び圧縮機90の順に、循環している。冷媒は、本開示の「流体」の概念に含まれる。
【0015】
圧縮機90は、車両の駆動源(エンジン、バッテリーなど)からの駆動力により、冷媒を高温高圧に圧縮する。凝縮器91は、外気との熱交換により、冷媒を凝縮液化させる。膨張弁92は、等エンタルピー的に冷媒を減圧膨張させる。蒸発器93は、車室内との熱交換により、冷媒を蒸発気化させる。この際、冷媒の蒸発潜熱等により、車室内の空気は冷却される。このように、冷房時において、ヒートポンプサイクル9は、冷媒を介して、車室内から熱を吸収し、車両外部に熱を排出している。本実施形態の二重管式熱交換器1は、ヒートポンプサイクル9の配管の一部を構成している。
【0016】
後述するように、二重管式熱交換器1は、内側流路4と、外側流路5と、を備えている。内側流路4は、蒸発器93の下流端と、圧縮機90の上流端と、の間に配置されている。外側流路5は、凝縮器91の下流端と、膨張弁92の上流端と、の間に配置されている。内側流路4を流れる低圧の冷媒と、外側流路5を流れる高圧の冷媒と、の間で熱交換が行われる。
【0017】
[二重管式熱交換器の構成]
次に、本実施形態の二重管式熱交換器の構成について説明する。以降の図において、前後方向は、本開示の「軸方向」に対応している。後側は、本開示の「軸方向一端側」、「挿入方向後側」に対応している。前側は、本開示の「軸方向他端側」、「挿入方向前側」に対応している。
【0018】
図2に、本実施形態の二重管式熱交換器の斜視図を示す。
図3に、同二重管式熱交換器の分解斜視図を示す。
図4に、同二重管式熱交換器の前後方向断面図を示す。
図5に、
図4のV-V方向断面図を示す。
図2~
図5に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1は、外管2と内管3とを備えている。
【0019】
(外管)
外管2は、全体的に円管状を呈している。外管2は、同一の材料(金属)により、一体的に形成されている。外管2は、外管第一中径部(軸方向一端部、後端部)20と、外管小径部(軸方向他端部、前端部)21と、外管大径部23と、外管第二中径部24と、を備えている。
【0020】
外管第一中径部20は、円管状を呈している。外管第一中径部20は、開口部200を有している。開口部200は、外管2の後端である。外管小径部21は、外管第一中径部20の前側に配置されている。外管小径部21は、円管状を呈している。外管小径部21は、開口部210を有している。開口部210は、外管2の前端である。外管大径部23は、外管第一中径部20の前側に、後側から前側に向かって拡径するテーパ管部29aを介して、連なっている。外管大径部23は、外管第一中径部20よりも、内径(以下、「内径」、「外径」とは、特に断らない限り直径を意味する。)が大きい。外管大径部23の管壁には、第一開口部230が開設されている。第一開口部230は、外側流路5の第一拡張部51に連なっている。第一開口部230には、第一配管94が挿入されている。第一配管94は、
図1に示す膨張弁92の上流端に接続されている。
【0021】
外管第二中径部24は、外管大径部23の前側に、後側から前側に向かって縮径するテーパ管部29bを介して、連なっている。また、外管第二中径部24は、外管小径部21の後側に、後側から前側に向かって縮径するテーパ管部29cを介して、連なっている。外管第二中径部24は、円管状を呈している。外管第二中径部24は、外管第一中径部20と、内径が同じである。外管第二中径部24の管壁には、第二開口部240が開設されている。第二開口部240は、外側流路5の第二拡張部52に連なっている。第二開口部240には、第二配管95が挿入されている。第二配管95は、
図1に示す凝縮器91の下流端に接続されている。
【0022】
(内管)
内管3は、全体的に円管状を呈している。内管3は、同一の材料(金属)により一体的に形成されている。内管3は、外管2の径方向内側に配置されている。内管3は、内管大径部30と、内管第一小径部31と、螺旋部32と、内管第二小径部33と、を備えている。
【0023】
内管大径部30は、外管第一中径部20の径方向内側に配置されている。内管大径部30は、円管状を呈している。内管大径部30の外周面と外管第一中径部20の内周面との間には、大径シール部S1が配置されている。大径シール部S1は、外側流路5の後端を、流体密に(外側流路5から外部に冷媒が漏出しないように)シールしている。
【0024】
内管第一小径部31は、外管小径部21の径方向内側に配置されている。内管第一小径部31は、円管状を呈している。内管第一小径部31の外周面と外管小径部21の内周面との間には、小径シール部S2が配置されている。小径シール部S2は、外側流路5の前端を、流体密にシールしている。小径シール部S2は、大径シール部S1よりも、小径である。小径シール部S2は、大径シール部S1の前側に配置されている。内管第一小径部31は、開口部310を有している。開口部310は、内管3の前端である。開口部310は、開口部210よりも、前側に配置されている。すなわち、内管3の前端は、外管2の前端から、前側に突出している。開口部310は、内側流路4の下流端に連なっている。開口部310は、
図1に示す圧縮機90の上流端に連通している。
【0025】
螺旋部32は、内管大径部30と内管第一小径部31との間に配置されている。螺旋部32は、大径シール部S1と小径シール部S2との、前後方向位置の違い、径差を利用して配置されている。螺旋部32は、螺旋管状を呈している。螺旋部32は、内管3の管壁に沿って周回する螺旋状の凹凸を有している。具体的には、螺旋部32は、螺旋状に延在する三つの凹部32aと、螺旋状に延在する三つの凸部32bと、を備えている。凹部32aを基準として、凸部32bは径方向外側に突出している。反対に、凸部32bを基準として、凹部32aは径方向内側に没入している。
【0026】
螺旋部32の後端は、凸部32bにより、内管大径部30に連なっている。このため、螺旋部32と内管大径部30との間には、径差調整用のテーパ管部が介在していない。螺旋部32の前端は、凹部32aにより、内管第一小径部31に連なっている。このため、螺旋部32と内管第一小径部31との間には、径差調整用のテーパ管部が介在していない。螺旋部32の後端は、外管大径部23の後端よりも前側に配置されている。他方、螺旋部32の前端は、第二開口部240の後端よりも後側に配置されている。
【0027】
内管第二小径部33は、内管大径部30の後側に、後側から前側に向かって拡径するテーパ管部39aを介して、連なっている。内管第二小径部33は、円管状を呈している。内管第二小径部33は、内管第一小径部31と外径、内径が同じである。内管第二小径部33は、開口部330を有している。開口部330は、内管3の後端である。開口部330は、開口部200よりも、後側に配置されている。すなわち、内管3の後端は、外管2の後端から、後側に突出している。開口部330は、内側流路4の上流端に連なっている。開口部330は、
図1に示す蒸発器93の下流端に連通している。
【0028】
(内側流路、外側流路)
内管3の内部には、内側流路4が形成されている。内側流路4は、蒸発器93の下流端と圧縮機90の上流端との間に配置されている。内管3と外管2との間には、外側流路5が形成されている。外側流路5は、凝縮器91の下流端と膨張弁92の上流端との間に配置されている。外側流路5は、螺旋流路部50と、第一拡張部51と、第二拡張部52と、を備えている。外側流路5は、大径シール部S1と小径シール部S2との、前後方向位置の違い、径差を利用して配置されている。
【0029】
螺旋流路部50は、螺旋部32の径方向外側、かつ外管第二中径部24の径方向内側に配置されている。冷媒は、螺旋流路部50を、前側(上流側)から後側(下流側)に向かって、螺旋状に流動する。
【0030】
第一拡張部51は、螺旋流路部50の後側に配置されている。第一拡張部51は、螺旋流路部50よりも、流路断面積が大きい。第一拡張部51は、螺旋部32および内管大径部30の径方向外側、かつ外管大径部23の径方向内側に配置されている。第一拡張部51は、第一配管94に接続されている。
【0031】
第二拡張部52は、螺旋流路部50の前側に配置されている。第二拡張部52は、螺旋流路部50よりも、流路断面積が大きい。第二拡張部52は、内管第一小径部31の径方向外側、かつ外管第二中径部24の径方向内側に配置されている。すなわち、外管小径部21の後端は、内管第一小径部31の後端よりも、前側にずれて配置されている。当該位置ずれに対応して、内管第一小径部31と外管第二中径部24との間には、空間が区画される。第二拡張部52は、当該空間に対応している。第二拡張部52は、第二配管95に接続されている。
【0032】
[二重管式熱交換器の製造方法]
次に、本実施形態の二重管式熱交換器の製造方法について説明する。二重管式熱交換器1の製造方法は、内管成形工程と、外管成形工程と、開口部開設工程と、挿入工程と、位置決め工程と、シール工程と、配管接続工程と、を有している。
【0033】
(内管成形工程)
図6(A)に、本実施形態の二重管式熱交換器の製造方法の内管成形工程(初期)の金型の前後方向断面図を示す。
図6(B)に、同工程(終期)の金型の前後方向断面図を示す。
【0034】
本工程においては、いわゆるハイドロフォーム成形により、管状の内管素材3aから内管3を作製する。
図6(A)、
図6(B)に示すように、金型7は、第一型70と、第二型71と、第一パンチ72と、第二パンチ73と、を備えている。第一型70の型面700と第二型71の型面710との間には、略円柱状のキャビティC1が区画されている。第一型70の型面700、第二型71の型面710には、各々、内管3の外周面の形状(凹凸反転形状)が付与されている。第一パンチ72は、キャビティC1の後端に配置されている。第一パンチ72には、開口部720が開設されている。第二パンチ73は、キャビティC1の前端に配置されている。第二パンチ73には、開口部730が開設されている。
【0035】
本工程においては、まず、型開き状態(第一型70と第二型71とが離間した状態)の金型7のキャビティC1に内管素材3aを配置する。次に、金型7を型開き状態から型締め状態(第一型70と第二型71とが当接した状態)に切り換える。続いて、第一パンチ72により、内管素材3aの後端を封止、押圧する。並びに、第二パンチ73により、内管素材3aの前端を封止、押圧する。それから、開口部720、730を介して、外部から内管素材3aの内部に、高圧の水(圧力媒体)を注入する。水圧により、内管素材3a(詳しくは、内管素材3aのうち、
図4に示す内管3の螺旋部32の凸部32b、内管大径部30、テーパ管部39aに対応する部分)は、拡径変形する。当該変形により、内管素材3aの外周面には、型面700、710の形状が転写される。このようにして、内管3を成形する。
【0036】
(外管成形工程、開口部開設工程)
図7(A)に、本実施形態の二重管式熱交換器の製造方法の外管成形工程(初期)の金型の前後方向断面図を示す。
図7(B)に、同工程(終期)の金型の前後方向断面図を示す。
【0037】
外管成形工程においては、いわゆるハイドロフォーム成形により、管状の外管素材2aから外管2を作製する。
図7(A)、
図7(B)に示すように、金型8の構成は、金型7の構成と同様である。すなわち、金型8は、第一型80と、第二型81と、第一パンチ82と、第二パンチ83と、を備えている。型面800と型面810との間には、略円柱状のキャビティC2が区画されている。型面800、810には、各々、外管2の外周面の形状(凹凸反転形状)が付与されている。
【0038】
前述の内管成形工程と同様に、外管成形工程においては、まず、型開き状態(第一型80と第二型81とが離間した状態)の金型8のキャビティC2に外管素材2aを配置する。次に、金型8を型開き状態から型締め状態(第一型80と第二型81とが当接した状態)に切り換える。続いて、第一パンチ82、第二パンチ83により、外管素材2aの前後両端を封止、押圧する。それから、開口部820、830を介して、外部から外管素材2aの内部に、高圧の水(圧力媒体)を注入する。水圧により、外管素材2a(詳しくは、外管素材2aのうち、
図4に示す外管2の外管小径部21以外の部分(外管第一中径部20、外管大径部23、外管第二中径部24、テーパ管部29a~29c))は、拡径変形する。当該変形により、外管素材2aの外周面には、型面800、810の形状が転写される。このようにして、外管2を成形する。
【0039】
開口部開設工程においては、
図7(B)に示す外管大径部23に、
図4に示す第一開口部230を開設する。並びに、外管第二中径部24に、
図4に示す第二開口部240を開設する。
【0040】
(挿入工程、位置決め工程、接合工程、配管接合工程)
図8(A)に、本実施形態の二重管式熱交換器の製造方法の挿入工程(初期)の内管および外管の前後方向断面図を示す。
図8(B)に、同工程(終期)かつ位置決め工程(初期)の内管および外管の前後方向断面図を示す。
図9(A)に、同製造方法の位置決め工程(終期)、シール工程の内管および外管の前後方向断面図を示す。
図9(B)に、同製造方法の配管接続工程の内管および外管の前後方向断面図を示す。
【0041】
図8(A)、
図8(B)に示すように、挿入工程においては、内管3の前端(内管第一小径部31)を、外管2の後端(外管第一中径部20)に挿入する。
図9(A)に示すように、位置決め工程においては、内管3を、外管2に対して、相対的に前進させる。そして、外管第一中径部20の径方向内側に、内管大径部30を位置決めする。並びに、外管小径部21の径方向内側に、内管第一小径部31を位置決めする。シール工程においては、位置決め後の外管第一中径部20と内管大径部30とを接続する。並びに、位置決め後の外管小径部21と内管第一小径部31とを接続する。すなわち、外側流路5を流体密にシールする。
図9(B)に示すように、配管接続工程においては、第一開口部230に第一配管94を接続する。並びに、第二開口部240に第二配管95を接続する。その後、
図1に示すヒートポンプサイクル9の経路に応じて、適宜、二重管式熱交換器1の少なくとも一部を湾曲させる。
【0042】
[二重管式熱交換器の動き]
次に、本実施形態の二重管式熱交換器の動きについて説明する。
図1に示すように、内側流路4は、蒸発器93の下流端と、圧縮機90の上流端と、の間に配置されている。外側流路5は、凝縮器91の下流端と、膨張弁92の上流端と、の間に配置されている。
図4に示すように、内管3の管壁を介して、内側流路4を流れる低圧の冷媒と、外側流路5を流れる高圧の冷媒と、の間で熱交換が行われる。すなわち、内管3には螺旋部32が配置されている。螺旋部32の外周面、内周面には、螺旋状の凹凸が形成されている。内側流路4の冷媒、外側流路5の冷媒は、凹凸に沿って流動する。すなわち、内側流路4の冷媒、外側流路5の冷媒は、螺旋部32を介して、反対方向に流動する。この際、内側流路4の冷媒と外側流路5の冷媒との間で熱交換が行われる。具体的には、螺旋部32を介して、外側流路5の冷媒から内側流路4の冷媒に熱が移動する。外側流路5の冷媒は冷却され、内側流路4の冷媒は加熱される。
【0043】
[作用効果]
次に、本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法の作用効果について説明する。本実施形態の二重管式熱交換器1には、大径シール部S1と小径シール部S2との軸方向位置の違い、大径シール部S1と小径シール部S2との径差に起因する空間が確保されている。本実施形態の二重管式熱交換器1によると、当該空間を利用して、外側流路5の少なくとも一部、螺旋部32の少なくとも一部を配置することができる。このため、二重管式熱交換器1の構造が簡単になる。
【0044】
また、本実施形態の二重管式熱交換器1の製造方法によると、大径シール部S1と小径シール部S2との径差を利用して、簡単に、内管3の前端を外管2の後端に挿入することができる。このため、内管3と外管2との組付性を向上させることができる。
【0045】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(1)、(2)が成立している。
D1>D2 ・・・(1)
d1≧d3>d2 ・・・(2)
D1:外管第一中径部20の内径
D2:外管小径部21の内径
d1:内管大径部30の外径
d2:内管第一小径部31の外径
d3:螺旋部32の最大外径(
図5に示すように、最大外径d3は、螺旋部32の凸部32bの外周面の径方向外端を周方向に連ねた仮想円A1の直径)
【0046】
すなわち、外管第一中径部20の内径D1は、外管小径部21の内径D2よりも、大きい。また、内管大径部30の外径d1は、螺旋部32の最大外径d3以上である。並びに、螺旋部32の最大外径d3は、内管第一小径部31の外径d2よりも、大きい。
【0047】
式(1)、(2)が成立しているため、
図8(A)に示すように、挿入工程において、内管3を外管2に挿入する際、外管2に対する内管3の挿入方向が判りやすい。
【0048】
また、式(2)が成立しているため、内管大径部30の外径d1が内管第一小径部31の外径d2と同じである場合と比較して、
図9(A)に示すように、位置決め工程において、内管3と外管2との位置決め後に、外管第一中径部20と内管大径部30とを近接して配置することができる。したがって、シール工程において、外管第一中径部20と内管大径部30との接続作業を、簡単に行うことができる。
【0049】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(3)が成立している。
D1>d2 ・・・(3)
【0050】
すなわち、外管2の後端(開口部200)を有する外管第一中径部20の内径D1は、内管3の前端(開口部310)を有する内管第一小径部31の外径d2よりも、大きい。具体的には、外管第一中径部20の内径D1は、内管第一小径部31の外径d2よりも、螺旋部32の最大外径d3と後述の最小外径d4との径差分だけ、大きい。このため、
図8(A)に示すように、挿入工程において、内管3を外管2に挿入する際、内管3の前端が外管2の後端に干渉するのを、抑制することができる。
【0051】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(4)が成立している。
D3>D1=D4 ・・・(4)
D3:外管大径部23の内径
D4:外管第二中径部24の内径
【0052】
すなわち、外管大径部23の内径D3は、外管第一中径部20の内径D1よりも、大きい。また、外管第一中径部20の内径D1は、外管第二中径部24の内径と同じである。このため、
図8(A)に示すように、挿入工程において、内管3を外管2に挿入する際、外管大径部23(第一開口部230)に内管3が干渉するのを抑制することができる。
【0053】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(5)、(6)が成立している。
d2=d4 ・・・(5)
d1=d3 ・・・(6)
d4:螺旋部32の最小外径(
図5に示すように、最小外径d4は、凹部32aの外周面の径方向内端を周方向に連ねた仮想円A2の直径)
【0054】
すなわち、螺旋部32の前端には、凹部32aと同径の内管第一小径部31が連なっている。他方、螺旋部32の後端には、凸部32bと同径の内管大径部30が連なっている。このため、内管第一小径部31(外径d2)と内管大径部30(外径d1)との間に径差(d1>d2)があるにもかかわらず、径差調整用のテーパ管部などを配置する必要がない。したがって、螺旋部32の前後方向長さを長くすることができる。すなわち、伝熱面積を大きくすることができる。
【0055】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(7)、(8)が成立している。
D1>d1 ・・・(7)
D2>d2 ・・・(8)
【0056】
式(7)において、外管第一中径部20の内径D1と、内管大径部30の外径d1と、の径差はわずかである。このため、
図9(A)に示すように、シール工程において、外管第一中径部20と内管大径部30との接続作業(溶接、ろう付け、接着、圧着など)を、簡単に行うことができる。
【0057】
同様に、式(8)において、外管小径部21の内径D2と、内管第一小径部31の外径d2と、の径差はわずかである。このため、
図9(A)に示すように、シール工程において、外管小径部21と内管第一小径部31との接続作業(溶接、ろう付け、接着、圧着など)を、簡単に行うことができる。
【0058】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(9)が成立している。
d3>D2 ・・・(9)
【0059】
すなわち、螺旋部32の最大外径d3は、外管小径部21の内径D2よりも大きい。このため、
図9(A)に示すように、位置決め工程において、螺旋部32が、外管小径部21から前側に脱落するおそれがない。したがって、外管2に対する内管3の位置決めが簡単である。
【0060】
図4に示すように、本実施形態の二重管式熱交換器1およびその製造方法によると、以下の式(10)が成立している。
d5≦d6 ・・・(10)
d5:内管第一小径部31の内径
d6:螺旋部32の最小内径(
図5に示すように、最小内径d6は、凹部32aの内周面の径方向内端を周方向に連ねた仮想円A3の直径)
【0061】
すなわち、内管第一小径部31の内径d5(内管第二小径部33の内径も同じ)は、螺旋部32の最小内径d6以下である。このため、内管第一小径部31、内管第二小径部33の径方向内側まで螺旋部32が突出するのを、抑制することができる。したがって、内側流路4の流路抵抗を小さくすることができる。
【0062】
図2~
図4に示すように、内管3は螺旋部32を備えている。螺旋部32の外周面には、螺旋状の凹凸が形成されている。このため、内管3が螺旋部32を備えていない場合と比較して、螺旋部32の外周面の伝熱面積を大きくすることができる。また、外側流路5において、螺旋状に冷媒を流動させることができる。このため、冷媒と螺旋部32の外周面との接触時間を長くすることができる。同様に、螺旋部32の内周面には、螺旋状の凹凸が形成されている。このため、内管3が螺旋部32を備えていない場合と比較して、螺旋部32の内周面の伝熱面積を大きくすることができる。また、内側流路4において、螺旋状に冷媒(冷媒の少なくとも一部)を流動させることができる。このため、冷媒と螺旋部32の内周面との接触時間を長くすることができる。
【0063】
図4に示すように、内管第一小径部31の後端に対して、外管小径部21の後端は、前側にずれている。このため、内管第一小径部31と外管小径部21との間に、第二拡張部52を確保することができる。すなわち、敢えて、外管2に拡径部を形成したり、内管3に縮径部を形成することなく(ただし、本開示はこれらの態様を除外するものではない)、内管第一小径部31の後端と外管小径部21の後端との位置ずれ、内管第一小径部31と外管小径部21との径差を利用して、第二拡張部52を確保することができる。
【0064】
図4に示すように、第一拡張部51は、螺旋流路部50よりも、流路断面積が大きい。このため、螺旋流路部50から第一拡張部51に流れ込む冷媒を安定的に合流させ、圧力損失を低減させることができる。同様に、第二拡張部52は、第二開口部240(第二配管95)よりも、流路断面積が大きい。このため、第二配管95から第二拡張部52に流れ込む冷媒を安定的に拡散させ、圧力損失を低減させることができる。
【0065】
図4、
図7(A)、
図7(B)に示すように、外管大径部23(第一拡張部51)、外管第二中径部24(第二拡張部52)は、外管成形工程において外管素材2aを拡径変形させることにより、形成されている。このため、内管3を縮径変形させて第一拡張部51、第二拡張部52を形成する場合と比較して(ただし、本開示はこの態様を除外するものではない)、
図6(A)、
図6(B)に示す内管成形工程(ハイドロフォーム成形)だけで、内管3を作製することができる。
【0066】
図4に示すように、螺旋部32の後端は、外管大径部23の後端よりも前側に配置されている。このため、螺旋部32が外管第一中径部20に入り込むのを抑制することができる。したがって、大径シール部S1のシール性が低下するのを抑制することができる。
【0067】
図4に示すように、螺旋部32の前端は、第二開口部240の後端よりも後側に配置されている。このため、螺旋部32の前端が第二開口部240の後端よりも前側に配置されている場合と比較して(ただし、本開示はこの態様を除外するものではない)、第二開口部240の下側に、容積の大きな第二拡張部52を確保することができる。
【0068】
図4に示すように、第二開口部240には、外側流路5に開口する第二配管95が挿入されている。また、第二配管95の下端(挿入端)は、外管第二中径部24の内周面から、下側(径方向内側)に突出している。ここで、螺旋部32の前端は、第二開口部240の後端よりも後側に配置されている。このため、螺旋部32が第二配管95の下端に干渉するのを抑制することができる。
【0069】
外管2は、金属製であって一体的に形成されている。このため、外管2が一体的に形成されていない場合(外管2が継ぎ目を有する場合)と比較して、外側流路5のシール性を確保しやすい。同様に、内管3は、金属製であって一体的に形成されている。このため、内管3が一体的に形成されていない場合(内管3が継ぎ目を有する場合)と比較して、内側流路4、外側流路5のシール性を確保しやすい。
【0070】
図9(B)に示すように、配管接続工程は、シール工程の後に実行される。このため、
図8(A)、
図8(B)に示す挿入工程、
図9(A)に示す位置決め工程、シール工程における、外管2のハンドリング性が向上する。
【0071】
<第二実施形態>
本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、第一実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、の相違点は、外管が二つの外管大径部を備えている点である。ここでは、主に相違点について説明する。
図10に、本実施形態の二重管式熱交換器の前後方向断面図を示す。なお、
図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0072】
図10に示すように、外管2は、外管第一大径部23a(
図4の外管大径部23に対応)と、外管第二大径部23bと、を備えている。外管第二大径部23bは、外管第二中径部24と、外管小径部21と、の間に配置されている。螺旋部32の後端は、外管第一大径部23aの前後方向中央に配置されている。並びに、螺旋部32の前端は、外管第二大径部23bの前後方向中央に配置されている。
【0073】
本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、第一実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の二重管式熱交換器1のように、第一拡張部51と同等の容積を有する第二拡張部52を配置してもよい。
【0074】
螺旋部32の後端が外管第一中径部20に進入する場合、大径シール部S1のシール性が低下するおそれがある。他方、螺旋部32の後端が外管第二中径部24に進入する場合、螺旋流路部50の前後方向長さが短くなる。このため、伝熱面積が小さくなる。この点、螺旋部32の後端は、外管第一大径部23aの前後方向中央に配置されている。このため、大径シール部S1のシール性が低下するのを、抑制することができる。並びに、螺旋流路部50の前後方向長さが短くなるのを、抑制することができる。
【0075】
図9(A)に示す位置決め工程において、「螺旋部32の後端が外管第一大径部23aの前後方向中央に来る位置」を、外管2に対する内管3の目標位置としてもよい。こうすると、目標位置に対して実際の位置が多少ずれている場合であっても、大径シール部S1のシール性が低下するのを、抑制することができる。並びに、螺旋流路部50の前後方向長さが短くなるのを、抑制することができる。
【0076】
同様に、螺旋部32の前端が外管小径部21に進入する場合、小径シール部S2のシール性が低下するおそれがある。他方、螺旋部32の前端が外管第二中径部24に進入する場合、螺旋流路部50の前後方向長さが短くなる。このため、伝熱面積が小さくなる。この点、螺旋部32の前端は、外管第二大径部23bの前後方向中央に配置されている。このため、小径シール部S2のシール性が低下するのを、抑制することができる。並びに、螺旋流路部50の前後方向長さが短くなるのを、抑制することができる。
【0077】
図9(A)に示す位置決め工程において、「螺旋部32の前端が外管第二大径部23bの前後方向中央に来る位置」を、外管2に対する内管3の目標位置としてもよい。こうすると、目標位置に対して実際の位置が多少ずれている場合であっても、小径シール部S2のシール性が低下するのを、抑制することができる。並びに、螺旋流路部50の前後方向長さが短くなるのを、抑制することができる。
【0078】
<第三実施形態>
本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、第一実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、の相違点は、二重管式熱交換器が第一拡張部、第二拡張部を備えていない点である。また、内管が位置決め部を備えている点である。ここでは、主に相違点について説明する。
図11に、本実施形態の二重管式熱交換器の前後方向断面図を示す。なお、
図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0079】
図11に示すように、前側から後側に向かって、内管3は、内管第一小径部31と、螺旋部32と、内管大径部30と、位置決め部34と、テーパ管部39aと、内管第二小径部33と、を備えている。前側から後側に向かって、外管2は、外管小径部21と、テーパ管部29dと、外管中径部20aと、を備えている。
【0080】
外管中径部20aの管壁には、第一開口部200aと、第二開口部201aと、が開設されている。第一開口部200aには、第一配管94が接続されている。第一開口部200aの下側(径方向内側)には、第一拡張部51(
図4参照)が配置されていない。第一開口部200aの下側には、螺旋流路部50(螺旋部32)が配置されている。第二開口部201aには、第二配管95が接続されている。第二開口部201aの下側(径方向内側)には、第二拡張部52(
図4参照)が配置されていない。第二開口部201aの下側には、螺旋流路部50(螺旋部32)が配置されている。
【0081】
位置決め部34は、内管大径部30の後端から、径方向外側に突出している。
図9(A)に示す位置決め工程においては、位置決め部34が外管2の後端に当接するように、内管3と外管2との位置決めが行われる。
【0082】
本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、第一実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の二重管式熱交換器1は、第一拡張部51、第二拡張部52(
図4参照)を備えていない。このため、外管2の構造が簡単である。したがって、外管2延いては二重管式熱交換器1の生産性が向上する。本実施形態の二重管式熱交換器1は、位置決め部34を備えている。このため、
図9(A)に示す位置決め工程において、簡単に、内管3と外管2との位置決めを行うことができる。
【0083】
<第四実施形態>
本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、第一実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、の相違点は、内管が伝熱フィン付きの凹凸部を備えている点である。ここでは、主に相違点について説明する。
図12(A)に、本実施形態の二重管式熱交換器の前後方向断面図を示す。なお、
図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
図12(B)に、
図12(A)のXIIB-XIIB方向断面図を示す。なお、
図5と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0084】
図12(A)、
図12(B)に示すように、前側から後側に向かって、内管3は、内管第一小径部31と、凹凸部35と、テーパ管部39bと、内管大径部30と、テーパ管部39aと、内管第二小径部33と、を備えている。凹凸部35は、基管部35aと、複数の伝熱フィン35bと、を備えている。基管部35aは、内管第一小径部31と、内径、外径が同じである。伝熱フィン35bは、基管部35aの外周面から突設されている。伝熱フィン35bは、前後方向に延在する細板状を呈している。複数の伝熱フィン35bは、周方向に所定角度ずつ離間して配置されている。隣り合う一対の伝熱フィン35bの間には、前後方向に延在する直線流路部53が形成されている。
【0085】
本実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法と、第一実施形態の二重管式熱交換器およびその製造方法とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。内管3は凹凸部35を備えている。凹凸部35は、複数の伝熱フィン35bを備えている。このため、伝熱フィン35bを備えていない場合と比較して、伝熱面積を大きくすることができる。
【0086】
<その他>
以上、本開示の二重管式熱交換器およびその製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0087】
図13(A)にその他の実施形態(その1)の二重管式熱交換器の径方向断面図を示す。
図13(B)にその他の実施形態(その2)の二重管式熱交換器の径方向断面図を示す。なお、
図5と対応する部位については、同じ符号で示す。
【0088】
図13(A)に示すように、外管第二中径部24と、螺旋部32の凸部32bと、の間に隙間Eがあってもよい。勿論、前出の
図5に示すように、外管第二中径部24と、螺旋部32の凸部32bと、の間に隙間がなくてもよい。
図13(B)に示すように、螺旋部32が、螺旋状に延在する四つの凹部32aと、螺旋状に延在する四つの凸部32bと、を備えていてもよい。すなわち、凹部32a、凸部32bの配置数(条数)は特に限定しない。また、前後方向における凸部32bのピッチは特に限定しない。一定であっても一定でなくてもよい。
【0089】
図12(A)、
図12(B)に示す凹凸部35の伝熱フィン35bの形状、延在方向、位置、配置数、材質などは特に限定しない。
図13(A)に示す隙間Eと同様に、外管第二中径部24と、伝熱フィン35bの径方向外端と、の間に隙間があってもよい。また、軸方向に所定間隔ずつ離間して、複数の伝熱フィン35bを連設してもよい。また、伝熱フィン35bを、
図2に示す凸部32bのように、螺旋状に延在させてもよい。また、基管部35aと伝熱フィン35bとは、同一の材料により形成されていてもよく、異なる材料により形成されていてもよい。また、基管部35aと伝熱フィン35bとは、一体的に形成されていてもよく、一体的に形成されていなくてもよい。
【0090】
上述の各実施形態の二重管式熱交換器1の構成を、適宜、組み合わせてもよい。例えば、
図4に示す二重管式熱交換器1の螺旋部32の後端を、
図10に示す二重管式熱交換器1のように、外管大径部23の前後方向中央に配置してもよい。また、
図4に示す二重管式熱交換器1の内管3に、
図11に示す位置決め部34を配置してもよい。
【0091】
外側流路5の全部が、大径シール部S1と小径シール部S2との軸方向位置の違い、径差を利用して、配置されている必要はない。外側流路5のうち、少なくとも一部(例えば、螺旋流路部50、第一拡張部51、第二拡張部52のうち少なくとも一つ)が、大径シール部S1と小径シール部S2との軸方向位置の違い、径差を利用して、配置されていればよい。同様に、螺旋部32の全部が、大径シール部S1と小径シール部S2との軸方向位置の違い、径差を利用して、配置されている必要はない。螺旋部32のうち少なくとも一部が、大径シール部S1と小径シール部S2との軸方向位置の違い、径差を利用して、配置されていればよい。
【0092】
図4、
図10に示すように、第一拡張部51、第二拡張部52の容積は特に限定しない。双方の容積は同一でも異なっていてもよい。また、
図11に示すように、第一拡張部51、第二拡張部52を配置しなくてもよい。
【0093】
凹凸部(
図4、
図13(A)、
図13(B)に示す螺旋部32、
図12(A)、
図12(B)に示す凹凸部35など)の形態は特に限定しない。
図12(A)、
図12(B)に示す基管部35aの外周面に、縞模様、鹿の子模様、水玉模様などの凹凸形状を付与してもよい。凹凸部の位置は特に限定しない。
図4に示す第一開口部230の前端と第二開口部240の後端との間の前後方向区間のうち、少なくとも一部に凹凸部が配置されていればよい。また、外管2に凹凸部を配置してもよい。すなわち、外管2の内周面に凹凸形状を付与してもよい。また、外管2および内管3に凹凸部を配置してもよい。
【0094】
外管2、内管3の材質は特に限定しない。アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ステンレス、チタンなどであってもよい。外管2と内管3とは、同一の材料により形成されていてもよく、異なる材料により形成されていてもよい。外管2、内管3は、各々、一体的に形成されていてもよく、複数の管体の接合体であってもよい。外管2、内管3の形状は特に限定しない。円管状(真円管状、楕円管状)、角管状(三角管状、四角管状など)などであってもよい。二重管式熱交換器1は、直管状、曲管状などであってもよい。二重管式熱交換器1が直管状の場合、二重管式熱交換器1の軸方向は、水平方向、垂直方向、垂直方向および水平方向に対して傾斜する方向に配向していてもよい。また、二重管式熱交換器1は、直管と曲管とが適宜組み合わされた形状であってもよい。すなわち、二重管式熱交換器1は、少なくとも一つの湾曲部を有していてもよい。この場合、二重管式熱交換器1の軸方向は、二重管式熱交換器1の延在形状に応じて湾曲していてもよい。
【0095】
図4に示す外管第一中径部20の内径D1と、内管第一小径部31の外径d2と、の径差は特に限定しない。
図8(A)、
図8(B)に示すように、径差が大きいほど、簡単に挿入工程を実行することができる。好ましくは、以下の式(11)が成立する方がよい。
0.1<{(D1-d2)/D1}×100<5 ・・・(11)
【0096】
二重管式熱交換器1の製造方法において、
図6(A)、
図6(B)に示す内管成形工程、
図7(A)、
図7(B)に示す外管成形工程の順番は特に限定しない。内管成形工程よりも先に、外管成形工程を実行してもよい。また、双方の工程の間に、他の工程(一つでも複数でもよい)を実行してもよい。
【0097】
開口部開設工程は、外管成形工程の後、かつ配管接続工程の前であればよい。例えば、
図8(A)、
図8(B)に示す挿入工程と、
図9(A)に示す位置決め工程と、の間に開口部開設工程を実行してもよい。また、
図9(A)に示す位置決め工程とシール工程との間に開口部開設工程を実行してもよい。また、
図9(A)に示すシール工程と、
図9(B)に示す配管接続工程と、の間に開口部開設工程を実行してもよい。
【0098】
図8(A)、
図8(B)に示す挿入工程の前に、
図9(B)に示す配管接続工程を実行してもよい。この場合、
図4に示すように、第一配管94の下端(挿入端)は、外管大径部23の内周面から、下側(径方向内側)に突出することになる。しかしながら、第一配管94の下端は、外管第一中径部20の内周面よりも、上側(径方向外側)に配置されている。このため、挿入工程、位置決め工程において、内管3の前端が第一配管94の下端に干渉するのを、抑制することができる。同様に、第二配管95の下端(挿入端)は、外管第二中径部24の内周面から、径方向内側に突出することになる。しかしながら、第二配管95の下端は、外管第一中径部20の内周面よりも、径方向外側に配置されている。このため、挿入工程、位置決め工程において、内管3の前端が第二配管95の下端に干渉するのを、抑制することができる。
【0099】
外管2、内管3の製造方法は、ハイドロフォーム成形に限定しない。他の方法により外管2、内管3を製造してもよい。例えば、内管素材3aの外周面に螺旋溝(凹部32a)を凹設することにより、内管3に螺旋部32を形成してもよい。なお、この場合、螺旋溝が凹設されない部分が凸部32bに対応する。
【0100】
図9(A)に示すシール工程における、外管第一中径部20と内管大径部30との接続方法は特に限定しない。例えば、外管第一中径部20と内管大径部30との間にシール部材を介装してもよい。また、位置決め工程後に、外管第一中径部20を縮径変形させ、内管大径部30に接合させてもよい。これらの場合、大径シール部S1の径とは、外管第一中径部20の内径D1と、内管大径部30の外径d1と、の平均径をいう。外管小径部21と内管第一小径部31との接続方法、小径シール部S2の径についても同様である。
【0101】
二重管式熱交換器1における冷媒の流動方向は特に限定しない。内側流路4について、
図4に示す開口部330から開口部310に向かう方向に、冷媒を流してもよい。勿論、反対方向に冷媒を流してもよい。外側流路5について、
図4に示す第二配管95から第一配管94に向かう方向に、冷媒を流してもよい。勿論、反対方向に冷媒を流してもよい。螺旋部32における、内側流路4の冷媒の流動方向、外側流路5の冷媒の流動方向は特に限定しない。双方の冷媒の流動方向は、同じでも(並流)、反対でもよい(向流)。内側流路4を流れる流体と、外側流路5を流れる流体と、は同一であっても、異なっていてもよい。また、内側流路4、外側流路5を流れる流体の相状態は特に限定しない。気相、液相、気液二相であってもよい。
【0102】
二重管式熱交換器1の用途は特に限定しない。ヒートポンプサイクル(冷凍サイクル(冷房サイクル)、暖房サイクル)、EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラー、オイルクーラー、コンデンサーなどに用いることができる。また、バイナリー発電に用いてもよい。また、電気自動車(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車含む)のバッテリーを冷却、暖機するために用いてもよい。
【符号の説明】
【0103】
1:二重管式熱交換器、2:外管、2a:外管素材、20:外管第一中径部、20a:外管中径部、200:開口部、200a:第一開口部、201a:第二開口部、21:外管小径部、210:開口部、23:外管大径部、23a:外管第一大径部、23b:外管第二大径部、230:第一開口部、24:外管第二中径部、240:第二開口部、29a~29d:テーパ管部、3:内管、3a:内管素材、30:内管大径部、31:内管第一小径部、310:開口部、32:螺旋部、32a:凹部、32b:凸部、33:内管第二小径部、330:開口部、34:位置決め部、35:凹凸部、35a:基管部、35b:伝熱フィン、39a~39b:テーパ管部、4:内側流路、5:外側流路、50:螺旋流路部、51:第一拡張部、52:第二拡張部、53:直線流路部、7:金型、70:第一型、700:型面、71:第二型、710:型面、72:第一パンチ、720:開口部、73:第二パンチ、730:開口部、8:金型、80:第一型、800:型面、81:第二型、810:型面、82:第一パンチ、820:開口部、83:第二パンチ、9:ヒートポンプサイクル、90:圧縮機、91:凝縮器、92:膨張弁、93:蒸発器、94:第一配管、95:第二配管、C1:キャビティ、C2:キャビティ、E:隙間、S1:大径シール部、S2:小径シール部