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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019589
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20230202BHJP
   F23K 5/00 20060101ALN20230202BHJP
【FI】
F24C3/12 F
F23K5/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124430
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】嵜山 美紀
(72)【発明者】
【氏名】正木 涼平
【テーマコード(参考)】
3K068
【Fターム(参考)】
3K068AA01
3K068BA06
3K068BB01
3K068BB14
3K068BB20
3K068BB25
(57)【要約】
【課題】簡素な構成にて、炊飯調理用ガス量に制御することができるガスコンロを提供する。
【解決手段】バーナ1に供給する燃料ガス量を変更調節する燃料調節弁25と、点消火操作具が点火位置に操作されるときには、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に位置させる機械式連動機構とが設けられ、バーナ1の燃料ガス供給路28に、単一の開閉弁26を備える主流路29Aと、設定低流量の燃料ガスを流動させる迂回流路29Bとが並設され、炊飯モードが選択されている場合には、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に維持させた状態でバーナ1に供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御する制御部が、開閉弁26を開状態と閉状態とに繰り返し開閉させることにより、炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナに供給する燃料ガス量を変更調節する手動操作式の燃料調節弁と、
手動操作式の点消火操作具が点火位置に操作されるときには、前記燃料調節弁を点火用ガス量位置に位置させるべく、前記点消火操作具と前記燃料調節弁とを連係する機械式連動機構と、
前記点消火操作具が前記点火位置に操作されて点火処理を実行した後において炊飯モードが選択されている場合には、前記燃料調節弁を前記点火用ガス量位置に維持させた状態で前記バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御する制御部と、が設けられたガスコンロであって、
前記バーナの燃料ガス供給路に、単一の開閉弁を備える主流路と、当該主流路の上流側箇所と下流側箇所を接続して設定低流量の燃料ガスを流動させる迂回流路とが並設され、
前記制御部が、前記開閉弁を開状態と閉状態とに繰り返し開閉させることにより、前記炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節するガスコンロ。
【請求項2】
前記制御部が、前記開閉弁を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、前記炊き上げ用ガス量を複数段に調節する請求項1に記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記燃料調節弁が前記主流路に設けられている請求項1又は2に記載のガスコンロ。
【請求項4】
前記炊飯モードとして、吸水工程と、当該吸水工程に続く炊き上げ工程が定められ、
前記制御部が、前記吸水工程の少なくとも後半部において、前記開閉弁を閉じることにより、前記炊飯調理用ガス量の一つとして、小火力用ガス量に調節し、且つ、前記炊き上げ工程において、前記炊き上げ用ガス量に調整する請求項1~3のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【請求項5】
前記炊き上げ工程が、前側炊き上げ工程と後側炊き上げ工程とからなり、
前記制御部が、前記開閉弁を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、前記前側炊き上げ工程における前記炊き上げ用ガス量を前記後側炊き上げ工程における前記炊き上げ用ガス量よりも多くする請求項4に記載のガスコンロ。
【請求項6】
前記バーナにて加熱される炊飯用調理器の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記制御部が、前記吸水工程の前半部においては、前記開閉弁を開き、且つ、当該前半部において前記温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配に基づいて、前記前側炊き上げ工程を行う前側工程時間を定める請求項5に記載のガスコンロ。
【請求項7】
前記バーナにて加熱される炊飯用調理器の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記制御部が、前記吸水工程の前半部においては、前記開閉弁を開き、且つ、当該前半部において前記温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配に基づいて、前記吸水工程の後半部を行う吸水工程時間を定める請求項4~6のいずれか1項に記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーナに供給する燃料ガス量を変更調節する手動操作式の燃料調節弁と、
手動操作式の点消火操作具が点火位置に操作されるときには、前記燃料調節弁を点火用ガス量位置に位置させるべく、前記点消火操作具と前記燃料調節弁とを連係する機械式連動機構と、
前記点消火操作具が前記点火位置に操作されて点火処理を実行した後において炊飯モードが選択されている場合には、前記燃料調節弁を前記点火用ガス量位置に維持させた状態で前記バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御する制御部と、が設けられたガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるガスコンロは、点消火操作具と燃料調節弁とを連係する機械式連動機構により、点消火操作具が点火位置に操作されるときには、燃料調節弁が点火用ガス量位置に位置されるから、点火処理を点火用ガス量により行うことができるため、バーナを良好に点火することができる。
【0003】
しかも、制御部が、点火処理を実行した後において炊飯モードが選択されている場合には、燃料調節弁を点火用ガス量位置に維持させた状態でバーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御するものであるから、燃料調節弁を操作する面倒なく、バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御できるため、使い勝手が優れている。
【0004】
すなわち、炊飯モードを行うには、バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に調節する必要があるが、燃料調節弁を操作する面倒なく、炊飯調理用ガス量に制御されるため、使い勝手が良い。
ちなみに、炊飯調理用ガス量としては、米を炊き上げる工程において使用する炊き上げ用ガス量があり、その他、米が吸水する吸水工程等に使用する小火力用ガス量がある。
【0005】
かかるガスコンロの従来例として、バーナの燃料ガス供給路に、第1電磁弁が設けられている第1ガス流路と、第2電磁弁が設けられている第2ガス流路と、設定低流量の燃料ガスを流動させる第3ガス流路とが並設される。そして、点消火操作具が点火位置に操作されて点火処理するときには、第1電磁弁及び第2電磁弁を開き、炊飯モードにおいてバーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御するときには、第1電磁弁を開いた状態に維持したまま、第2電磁弁を閉じるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
すなわち、特許文献1においては、第1電磁弁を開いた状態に維持したまま、第2電磁弁を閉じることにより、点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節するように構成されている。
また、第1電磁弁及び第2電磁弁を閉じることにより、点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量の一つとして、小火力用ガス量に調節するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5587939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のガスコンロにおいては、第1電磁弁が設けられている第1ガス流路と第2電磁弁が設けられている第2ガス流路とを設けて、第1電磁弁を開いた状態に維持したまま、第2電磁弁を閉じることにより、点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節するものであるから、第1電磁弁と第2電磁弁との2つの電磁弁を備えさせる必要があることに起因して、バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御するための構成が複雑になる不都合があり、改善が望まれるものであった。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構成にて、炊飯調理用ガス量に制御することができるガスコンロを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のガスコンロは、バーナに供給する燃料ガス量を変更調節する手動操作式の燃料調節弁と、
手動操作式の点消火操作具が点火位置に操作されるときには、前記燃料調節弁を点火用ガス量位置に位置させるべく、前記点消火操作具と前記燃料調節弁とを連係する機械式連動機構と、
前記点消火操作具が前記点火位置に操作されて点火処理を実行した後において炊飯モードが選択されている場合には、前記燃料調節弁を前記点火用ガス量位置に維持させた状態で前記バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御する制御部と、が設けられたものであって、その特徴構成は、
前記バーナの燃料ガス供給路に、単一の開閉弁を備える主流路と、当該主流路の上流側箇所と下流側箇所を接続して設定低流量の燃料ガスを流動させる迂回流路とが並設され、
前記制御部が、前記開閉弁を開状態と閉状態とに繰り返し開閉させることにより、前記炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節する点にある。
【0011】
すなわち、単一の開閉弁を備える主流路と当該主流路の上流側箇所と下流側箇所を接続して設定低流量の燃料ガスを流動させる迂回流路とが、バーナの燃料ガス供給路に並設される。
そして、制御部が、主流路に設けた開閉弁を開状態と閉状態とに繰り返し開閉させることにより、炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節することになる。
【0012】
つまり、開閉弁を開状態にして点火用ガス量に相当する燃料ガス量を流動させる状態と、開閉弁を閉状態にして点火用ガス量よりも十分に少ない設定低流量の燃料ガス量を流動させる状態とを繰り返すことにより、炊飯調理用ガス量の一つとしての、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節することになる。
説明を加えると、開閉弁を開状態に維持している間に流れる燃料ガスの全体量と開閉弁を閉状態に維持している間に流れる燃料ガスの全体量とを加えた燃料ガスの総量を、開閉弁を開状態に維持している時間と開閉弁を閉状態に維持している時間とを加えた単位サイクル時間で除算した量が、単位時間当たりの炊き上げ用ガス量となる。
【0013】
このように、繰り返し開閉される単一の開閉弁を備えさせるだけで、炊飯調理用ガス量の一つとしての、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節できるものであるから、簡素な構成にて、炊飯調理用ガス量に制御することができる。
【0014】
要するに、本発明のガスコンロの特徴構成によれば、簡素な構成にて、炊飯調理用ガス量に制御することができる。
【0015】
本発明のガスコンロの更なる特徴構成は、前記制御部が、前記開閉弁を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、前記炊き上げ用ガス量を複数段に調節する点にある。
【0016】
すなわち、開閉弁を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、炊き上げ用ガス量が複数段に調節されるものであるから、お米を炊き上げる際に、炊き上げ用の火力を強めにすることや、炊き上げ火力を弱めにすることができるため、良好な炊き上げを行うことができる。
【0017】
要するに、本発明のガスコンロの更なる特徴構成によれば、炊き上げ用ガス量を複数段に調節しながら、良好な炊き上げを行うことができる。
【0018】
本発明のガスコンロの更なる特徴構成は、前記燃料調節弁が前記主流路に設けられている点にある。
【0019】
すなわち、燃料調節弁が主流路に設けられているから、主流路の開閉弁を閉じた状態において迂回流路を流動する燃料ガス量は、燃料調節弁の影響を受けないものものとなるため、迂回流路を通して設定低流量の燃料ガスを適切に流動させることができる。
【0020】
要するに、本発明のガスコンロの更なる特徴構成によれば、迂回流路を通して設定低流量の燃料ガスを適切に流動させることができる。
【0021】
本発明のガスコンロの更なる特徴構成は、前記炊飯モードとして、吸水工程と、当該吸水工程に続く炊き上げ工程が定められ、
前記制御部が、前記吸水工程の少なくとも後半部において、前記開閉弁を閉じることにより、前記炊飯調理用ガス量の一つとして、小火力用ガス量に調節し、且つ、前記炊き上げ工程において、前記炊き上げ用ガス量に調整する点にある。
【0022】
すなわち、炊飯を行う際には、先ず、小さな火力にて加熱しながら、米が吸水する吸水工程を行い、その吸水工程に続いて、強めの火力にて加熱しながら、米を炊き上げる炊き上げ工程を行うことが望ましいものである。
ちなみに、吸水工程の前半部においては、迅速な昇温を行うために、吸水工程の後半部よりも強めの火力にて加熱してもよいが、前記吸水工程の少なくとも後半部においては、米の吸水を良好に行うため、小さな火力にて加熱することが望ましいものである。
【0023】
この点に鑑みて、吸水工程の少なくとも後半部においては、開閉弁を閉じることにより、炊飯調理用ガス量の一つとして、小火力用ガス量に調節し、且つ、炊き上げ工程においては、炊き上げ用ガス量に調整するものであるから、小さな火力にて加熱しながら吸水工程を適切に行うことができ、しかも、強めの火力にて加熱しながら炊き上げ工程を適切に行うことができる。
【0024】
要するに、本発明のガスコンロの更なる特徴構成によれば、吸水工程及び炊き上げ工程を適切に行うことができる。
【0025】
本発明のガスコンロの更なる特徴構成は、前記炊き上げ工程が、前側炊き上げ工程と後側炊き上げ工程とからなり、
前記制御部が、前記開閉弁を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、前記前側炊き上げ工程における前記炊き上げ用ガス量を前記後側炊き上げ工程における前記炊き上げ用ガス量よりも多くする点にある。
【0026】
すなわち、米を炊き上げる炊き上げ工程における前側炊き上げ工程においては、水分が十分に存在するものであるため、後側炊き上げ工程よりも強めの火力にて加熱して、沸騰状態を維持しながら炊き上げることが望ましく、水分が少なくなる後側炊き上げ工程においては、前側炊き上げ工程よりも弱めの火力にて加熱して、沸騰状態を維持しながらも鍋底部分に存在する米の着色を抑制することが望ましいものである。
【0027】
この点に鑑みて、開閉弁を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、前側炊き上げ工程における炊き上げ用ガス量を後側炊き上げ工程における炊き上げ用ガス量よりも多くする、換言すれば、前側炊き上げ工程における炊き上げ用ガス量よりも後側炊き上げ工程における炊き上げ用ガス量を少なくするものであるから、水分が十分に存在する前側炊き上げ工程においては、沸騰状態を適切に維持しながら良好に炊き上げることができ、しかも、水分が少なくなる後側炊き上げ工程においては、沸騰状態を維持しながらも鍋底部分に存在する米の着色を抑制しながら良好に炊き上げることができる。
【0028】
ちなみに、前側炊き上げ工程及び後側炊き上げ工程においては、点火用ガス量よりも少ない炊き上げ用ガス量にするものであるから、沸騰状態を適切に維持しながらも、ふきこぼれを極力防止できるものとなる。
【0029】
要するに、本発明のガスコンロの更なる特徴構成によれば、炊き上げ工程における前側炊き上げ工程及び後側炊き上げ工程の夫々において良好に炊き上げることができる。
【0030】
本発明のガスコンロの更なる特徴構成は、前記バーナにて加熱される炊飯用調理器の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記制御部が、前記吸水工程の前半部においては、前記開閉弁を開き、且つ、当該前半部において前記温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配に基づいて、前記前側炊き上げ工程を行う前側工程時間を定める点にある。
【0031】
すなわち、吸水工程の前半部においては、開閉弁が開かれて点火用ガス量に相当する火力にてバーナが燃焼することになり、温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配が、炊飯量が少ないほど急上昇する傾向となる。つまり、温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配にて炊飯量を検出することができる。
【0032】
そして、温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配に基づいて、前側炊き上げ工程を行う前側工程時間を定めるものであるから、前側炊き上げ工程を行う前側工程時間を炊飯量が多いほど長く設定することにより、炊飯量の多少に拘わらず良好な炊き上げを行うことができる。
【0033】
要するに、本発明のガスコンロの更なる特徴構成によれば、炊飯量の多少に拘わらず良好な炊き上げを行うことができる。
【0034】
本発明のガスコンロの更なる特徴構成は、前記バーナにて加熱される炊飯用調理器の温度を検出する温度検出部が設けられ、
前記制御部が、前記吸水工程の前半部においては、前記開閉弁を開き、且つ、当該前半部において前記温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配に基づいて、前記吸水工程の後半部を行う吸水工程時間を定める点にある。
【0035】
すなわち、吸水工程の前半部においては、開閉弁が開かれて点火用ガス量に相当する火力にてバーナが燃焼することになり、温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配が、炊飯量が少ないほど急上昇する傾向となる。つまり、温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配にて炊飯量を検出することができる。
【0036】
そして、温度検出部にて検出される検出温度の温度上昇勾配に基づいて、吸水工程の後半部を行う吸水工程時間を定めるものであるから、吸水工程の後半部を行う吸水工程時間を炊飯量が多いほど長く設定することにより、炊飯量の多少に拘わらず良好な吸水を行うことができる。
【0037】
要するに、本発明のガスコンロの更なる特徴構成によれば、炊飯量の多少に拘わらず良好な吸水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ガスコンロの斜視図である。
図2】ガス燃料の流路構成を示す図である。
図3】制御構成を示すブロック図である。
図4】炊飯調理の工程を示す図である。
図5】吸水工程を行う時間を示す表である。
図6】前側炊き上げ工程を行う時間を示す表である。
図7】前側炊き上げ工程における開閉弁の開閉形態を示す表である。
図8】コンロバーナ操作部の側面図である。
図9】コンロバーナ操作部の縦断側面図である。
図10】器具栓内部の流路構成を示す縦断側面図である。
図11】コンロバーナ操作部の分解斜視図である。
図12】消火状態の器具栓を示す縦断側面図である。
図13】点火状態の器具栓を示す縦断側面図である。
図14】燃焼状態の器具栓を示す縦断側面図である。
図15】消火用操作状態の器具栓を示す縦断側面図である。
図16】強火操作状態の器具栓を示す一部切欠側面図である。
図17】強火から消火する状態の器具栓を示す一部切欠側面図である。
図18】弱火操作状態の器具栓を示す一部切欠側面図である。
図19】弱火から消火する状態の器具栓を示す一部切欠側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、例示するガスコンロは、コンロバーナ1(バーナの一例)としての左コンロバーナ1Aと右コンロバーナ1Bを備えるコンロ部、及び、グリル部Gを備える形態に構成され、そして、キッチンカウンターに組み込まれるビルトインタイプに構成されている。
【0041】
ガスコンロの上面は、ガラス製のトッププレート3にて覆われ、ガスコンロの上面の後部側には、グリル部Gの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成されている。
2つの左コンロバーナ1A及び右コンロバーナ1Bの夫々にて加熱される鍋等の被加熱物を載置するための五徳5が、トッププレート3の上部に設けられている。
【0042】
図2に示すように、コンロバーナ1(左コンロバーナ1A及び右コンロバーナ1B)に対して、点火用の点火プラグPと熱電対等を用いて構成される着火状態検出用の着火センサRとが装備されている。
また、図1及び図2に示すように、コンロバーナ1(左コンロバーナ1A及び右コンロバーナ1B)に対して、鍋等の被加熱物の底部に接触してその温度を検出する温度検出センサS(温度検出部の一例)が装備されている。ちなみに、図2には、被加熱物として、炊飯調理用の鍋M(炊飯用調理器の一例)を例示する。
【0043】
(ガスコンロの操作構成)
図1に示すように、ガスコンロの前面部には、左コンロバーナ1A及び右コンロバーナ1Bの夫々に対する点火及び消火の操作並びに火力調節の操作を行う円柱状の左コンロ用操作具6A及び右コンロ用操作具6Bが、左右両側に分散して設けられ、また、グリル部Gのグリルバーナ(図示せず)に対する点火及び消火の操作及び火力調節の操作を行う円柱状のグリル用操作具7が、右コンロ用操作具6Bの横側に設けられ、加えて、調理情報等の種々の情報を入力するためのコンロ用設定操作部10及びグリル用設定操作部11が、左右両側に分散して設けられている。
【0044】
コンロ用設定操作部10は、コンロバーナ1にて実行する自動調理メニューの一つとして炊飯調理(炊飯モードの一例)を選択できるように構成されている。そして、ガスコンロの運転を制御する運転制御部Q(制御部の一例、図3参照)が、コンロ用設定操作部10の指令に基づいて、コンロバーナ1の燃焼を制御して炊飯調理を実行するように構成されており、その詳細は後述する。
ちなみに、一対の左コンロ用操作具6A及び右コンロ用操作具6Bは、同様に構成されて、同様に操作されるものであるので、以下、左コンロ用操作具6Aと右コンロ用操作具6Bとを、コンロ用操作具6(手動操作式の点消火操作具の一例)と呼称して説明する。
【0045】
図8及び図9に示すように、コンロ用操作具6が、コンロ前後方向に押し移動させることにより、消火位置A、点火位置B、燃焼位置C及び消火操作位置Dに切換自在に構成され、かつ、押し移動操作方向(コンロ前後方向)に沿う操作軸心Xの回りに回転操作自在に構成されている。
【0046】
つまり、コンロ用操作具6が、消火位置Aからの押し移動操作により点火位置Bに移動し、当該点火位置Bでの押し移動操作の解除により消火位置Aを越えて点火位置Bから離れる側に移動した燃焼位置Cに付勢力にて移動し、当該燃焼位置Cからの押し移動操作により消火位置Aに復帰自在に構成されている。
尚、コンロ用操作具6の上述した移動形態は、後述するプッシュ-プッシュ機構を用いて行われる。
【0047】
ちなみに、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火位置Aに操作する際には、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火位置Aを越えた消火操作位置Dに押し移動させ、当該消火操作位置Dにて押し移動操作を解除することにより、コンロ用操作具6が消火位置Aに付勢力により移動するように構成されている。
尚、図8は、コンロ用操作具6が消火位置Aに位置する状態を示し、図9は、コンロ用操作具6が燃焼位置Cに位置する状態を示す。
【0048】
また、コンロ用操作具6を回転操作するときに把持する円筒状の周壁部Haが、操作軸心Xの回りに回転自在に構成されるのに対して、コンロ用操作具6を押し移動操作するときに押圧する端面部Hbが、押し移動する際には非回転状態に維持されるように構成されており、その詳細は後述する。
【0049】
(燃料供給構成)
図2に示すように、都市ガス等のガス燃料が供給される元ガス供給路15に、左コンロバーナ1A及び右コンロバーナ1Bに対する一対のコンロ用分岐路16A、16B、及び、グリルバーナ(図示せず)に対するグリル用分岐路17が接続されている。
一対のコンロ用分岐路16A、16Bの夫々には、コンロ用器具栓19が配設されている。
【0050】
コンロ用器具栓19には、コンロ用操作具6の押し移動操作にて開閉操作されるメイン弁23、閉状態に弾性付勢された電磁操作式の安全弁24、コンロ用操作具6の回転操作により操作されるニードル式の燃料調節弁25(手動操作式の燃料調節弁の一例)、及び、火力を強状態と弱状態とに切換える火力調節用のコンロ側電磁弁26(単一の開閉弁の一例)が装着されている。
【0051】
燃料調節弁25は、コンロ用操作具6が点火位置に操作されるときには、点火用ガス量位置に位置させるべく、後述の如く、機械式連動機構Nにてコンロ用操作具6と連係されている。つまり、コンロ用操作具6が点火位置に操作されると、点火プラグPを作動させる点火処理が実行されることになるが、その際に、燃料調節弁25が点火用ガス量位置に位置されて、点火に適した点火用ガス量がコンロバーナ1に供給されるように構成されている。
尚、本実施形態においては、機械式連動機構Nが、コンロ用操作具6を消火操作位置Dに押し移動させさせたときに、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に位置させるように連係することによって、コンロ用操作具6が点火位置に操作されるときには、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に位置させるように構成されている。
【0052】
そして、メイン弁23及び安全弁24を備える本流路28(燃料ガス供給路の一例)に、燃料調節弁25及びコンロ側電磁弁26を備える主流路29Aと、当該主流路29Aの上流側箇所と下流側箇所とを接続し且つ弱火用オリフィス27を備えて設定低流量の燃料ガスを流動させる分岐流路29B(迂回流路の一例)とが、並列状態で設けられている。
従って、コンロ側電磁弁26の開状態では、ガス燃料が主流路29A及び分岐流路29Bを通して流動し、コンロ側電磁弁26の閉状態では、ガス燃料が分岐流路29Bを通して流動するように構成されている。
【0053】
コンロ側電磁弁26は、運転制御部Qが、コンロ用設定操作部10にて設定された炊飯調理(炊飯モード)を実行する際に、火力を強状態と弱状態とに切換えるために開閉操作される。
つまり、運転制御部Qは、コンロ用操作具6が点火位置に操作されて点火処理を実行した後において、炊飯調理(炊飯モード)が選択されている場合には、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に維持させた状態でコンロバーナ1に供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御するように構成されている。
【0054】
具体的には、運転制御部Qは、コンロ側電磁弁26を開状態と閉状態とに繰り返し開閉させることにより、炊飯調理用ガス量の一つとして、お米を炊き上げる炊き上げ用ガス量に調節するように構成されている。
説明を加えると、コンロ側電磁弁26を開状態に維持している間に流れる燃料ガスの全体量とコンロ側電磁弁26を閉状態に維持している間に流れる燃料ガスの全体量とを加えた燃料ガスの総量を、コンロ側電磁弁26を開状態に維持している時間とコンロ側電磁弁26を閉状態に維持している時間とを加えた単位サイクル時間で除算した量が、単位時間当たりの炊き上げ用ガス量となる。
【0055】
本実施形態では、運転制御部Qが、コンロ側電磁弁26を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、炊き上げ用ガス量を複数段(本実施形態では2段)に調節するように構成されている。
さらに、運転制御部Qは、コンロ側電磁弁26を閉じることにより、炊飯調理用ガス量の一つとして、小火力用ガス量に調節するように構成されている。
炊飯調理(炊飯モード)の詳細は後述する。
【0056】
(コンロ用器具栓の詳細)
図8及び図9に示すように、コンロ用器具栓19の本体ケーシング36が、合成樹脂製の前部側ケーシング36Fと金属製の後部側ケーシング36Rとを、前後に並ぶ状態で接続し、且つ、後部側ケーシング36Rの上部に、金属製の上部側ケーシング36Uを接続した形態に構成されている。
【0057】
図9に示すように、後部側ケーシング36Rには、コンロ前後方向に沿う弁収納用空間が形成され、その弁収納用空間の内部に、メイン弁23及び電磁操作式の安全弁24が装着されており、その詳細は後述する。
上部側ケーシング36Uは、前部側ケーシング36Fの上方箇所に向けて片持ち状に延出する部分を備えており、その延出する部分に、コンロバーナ1に対する燃料調節弁25が装備され、上部側ケーシング36Uの後部に、火力調節用のコンロ側電磁弁26が装着されている。
【0058】
前部側ケーシング36Fには、コンロ前後方向に沿うスライダ収納用空間が形成され、そのスライダ収納用空間に、コンロ用操作具6と一体移動するスライダ40及び当該スライダ40にて押圧移動操作される中継スライダ41が、操作軸心Xの回りでの回転を阻止された状態で操作軸心Xの軸心方向に沿って移動自在に収納されている。
【0059】
本体ケーシング36における後部側ケーシング36Rの下部には、元ガス供給路15から分岐したコンロ用分岐路16A、16Bが接続される導入口38が形成され、上部側ケーシング36Uの上部には、コンロバーナ1に向けてガス燃料を供給する導出口39が形成されている。
そして、本体ケーシング36における後部側ケーシング36R及び上部側ケーシング36Uの内部には、導入口38と導出口39とを連通する状態で、本流路28、主流路29A、及び、分岐流路29Bが形成されている。
【0060】
図10は、メイン弁23、電磁操作式の安全弁24及びコンロ側電磁弁26が開き状態となって、導入口38に導入されたガス燃料が導出口39に流動する状態を示すものであって、ガス燃料の流れを矢印線で示している。
ガス燃料の流れにより、本流路28、主流路29A、及び、分岐流路29Bの夫々の構成を理解することができるので、本流路28、主流路29A、及び、分岐流路29Bについての詳細な説明を省略する。
【0061】
図9及び図10に示すように、後部側ケーシング36Rには、金属製のバルブロッド42が、コンロ用操作具6の押し移動操作方向(コンロ前後方向)に沿って往復移動自在に収納され、このバルブロッド42に、メイン弁23を構成するメイン弁用弁体23Aが一体移動するように装着されている。
また、メイン弁用弁体23Aをコンロ前面側に向けて付勢する第1スプリング43が設けられ、メイン弁用弁体23Aが、第1スプリング43の付勢力にてコンロ前面側に移動することによって、メイン弁用弁座23Bに接当する閉じ位置に移動するように構成されている。
【0062】
図9及び図10に示すように、安全弁24を構成する安全弁用弁体24Aが、第2スプリング44にてコンロ前面側に移動して安全弁用弁座24Bに接当する閉じ位置に移動するように構成されている。
また、バルブロッド42が第1スプリング43の付勢力に抗してコンロ内方側(コンロ後方側)に移動することにより、安全弁24の安全弁用弁体24Aを開き位置に押圧操作されるように構成されている。
そして、安全弁24の励磁部24Cが、開き位置に押圧操作された安全弁用弁体24Aを電磁力にて開き位置に保持するように構成されている。
【0063】
図9及び図10に示すように、燃料調節弁25が、上部側ケーシング36Uに設けられている。
つまり、上部側ケーシング36Uには、燃料調節弁25の燃料調節用弁体としての弁本体25Aが、コンロ用操作具6の押し移動操作方向(コンロ前後方向)に沿って往復移動自在に収納されている。
【0064】
図9及び図10に示すように、上部側ケーシング36Uにおける弁本体25Aを収納する筒部36Wの下壁部に、コンロ用操作具6の押し移動操作方向に沿うスリット45(挿通孔の一例)が形成され、弁本体25Aに装着した連係ピン46(被係止体の一例)が、スリット45を通して下方に突出する状態で設けられている。
そして、この連係ピン46を係止移動操作することによって、燃料調節弁25を調節操作することになるが、その詳細は後述する。
【0065】
図9及び図10に示すように、上部側ケーシング36Uのコンロ内方側の端部には、コンロ側電磁弁26が装着されている。このコンロ側電磁弁26は、閉じ位置に復帰付勢された開閉弁体26Aを電磁弁用弁座26Bに対して接当させることにより、主流路29Aを閉じ、開閉弁体26Aを電磁弁用弁座26Bから離間させることにより、主流路29Aを開くように構成されている。
【0066】
図9に示すように、前部側ケーシング36Fの内部に形成されたスライダ収納用空間のコンロ前後方向の中間部には、スライダ40の中央部からコンロ後方側に突出する突起状の押し部40Aが挿通自在な環状の中間壁部36mが形成され、また、中間壁部36mの下方には、スライダ40の下端部からコンロ後方側に突出する平板状の位置決め板部40Bが、コンロ前後方向に移動自在に挿通されている。
スライダ40は、位置決め板部40Bが中間壁部36mの下部等に接当することによって、操作軸心X回りでの回転が阻止されるように構成されている。
【0067】
中間壁部36mとスライダ40との間には、スライダ40をコンロ前方側に付勢する第3スプリング47が設けられ、前部側ケーシング36Fの前端部には、スライダ40のコンロ前方側への移動範囲を受止め規制する受止部36nが設けられている。
中継スライダ41をコンロ前方側に付勢する第4スプリング48が設けられ、この第4スプリング48にて付勢された中継スライダ41のコンロ前方側への移動範囲が、中間壁部36mにて受止め規制されるように構成されている。
【0068】
また、図示は省略するが、前部側ケーシング36Fの左横側部には、点火用の固定接点や安全用の固定接点などを備えた接点板ブロックY(図3参照)が取り付けられ、スライダ40の摺動に伴って、スライダ40に取り付けた可動接点が各固定接点に対する接触状態と非接触状態とに切り換えられるように構成されている。
図3に示す如く、接点板ブロックYの検出情報が運転制御部Qに入力されて、運転制御部Qが、接点板ブロックYの検出情報に基づいて、点火プラグPの点火作動、及び、安全弁24の開閉作動を制御するように構成されており、その詳細は後述する。
【0069】
(プッシュ-プッシュ機構)
図9及び図10に示すように、前部側ケーシング36Fの下面部には、U字状の係止ピン49が、前部側ケーシング36Fの後部に設けた支点形成部36Pにて後端部が左右方向に揺動自在に支持されることにより、左右方向に揺動自在で、かつ、環状スプリング50にて上方側に向けて付勢された形態で設けられている。
【0070】
スライダ40の位置決め板部40Bの下面には、前部側ケーシング36Fの底壁部を貫通する係止ピン49の先端部(前端部)が係合する位置決め用の係合溝が形成されており、係止ピン49と係合溝とから、コンロ用操作具6の位置決めを行う、いわゆるプッシュ-プッシュ機構が構成されている。
このプッシュ-プッシュ機構は、周知であるため詳細な説明を省略する。
尚、係止ピン49は、後述の如く、中継スライダ41を係止する機能を備える。
【0071】
(コンロ用器具栓による操作の詳細)
次に、コンロ用操作具6の操作に基づく、コンロ用器具栓19の作動及び運転制御部Qの制御作動についてまとめて説明する。
すなわち、図12に示すように、コンロ用操作具6が消火位置Aにあるときは、メイン弁23のメイン弁用弁体23Aが本流路28を閉じ、且つ、安全弁24も弾性的に閉弁されて、安全弁用弁体24Aが本流路28を閉じるように構成されている。
尚、図示は省略するが、コンロ用操作具6が消火位置Aにあるときは、スライダ40の可動接点が接点板ブロックYの点火用の固定接点及び安全用の固定接点に対する非接触状態となる。
【0072】
図13に示すように、コンロ用操作具6を消火位置Aから点火位置Bに押し移動操作すると、スライダ40が中継スライダ41を押し移動し、かつ、中継スライダ41がバルブロッド42を押し移動することにより、メイン弁23のメイン弁用弁体23Aが本流路28を開き、かつ、バルブロッド42の先端が安全弁24の安全弁用弁体24Aを押圧して開弁することになる。
【0073】
図示は省略するが、コンロ用操作具6を点火位置Bに押し移動操作すると、スライダ40の可動接点が接点板ブロックYの点火用の固定接点に接触する接触状態に切り換えられることにより、運転制御部Qが、着火センサRにて着火が検出されるまで点火プラグPを作動させる点火処理を実行し、加えて、着火センサRにて着火が検出されると、安全弁24を開き状態に保持すべく、安全弁24に通電することになる。
【0074】
図14に示すように、コンロバーナ1が着火したのち、コンロ用操作具6の押し移動操作を解除すると、コンロ用操作具6が燃焼位置Cに付勢力にて移動し、スライダ40がコンロ用操作具6と共にコンロ前方側に移動することになるが、中継スライダ41が、係止ピン49の係止により、バルブロッド42を押し移動操作する状態に維持されることになり、メイン弁23のメイン弁用弁体23Aが本流路28を開く状態が維持される。
【0075】
図示は省略するが、コンロ用操作具6が燃焼位置Cに移動すると、スライダ40の可動接点が、接点板ブロックYの点火用固定接点に接触しない非接触状態に切り換えられ、かつ、安全用の固定接点に接触する接触状態に切換えられる。
運転制御部Qは、安全用の固定接点が接触状態に切換えられているので、着火センサRにて着火が検出されているときには、安全弁24を開き状態に操作し、そして、着火センサRにて着火が検出されないときには、安全弁24を閉じ状態に操作する非常停止処理を実行する。
【0076】
図15に示すように、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに押し込み操作すると、係止ピン49による中継スライダ41の係止が解除されて、スライダ40がコンロ前方側に移動することにより、バルブロッド42がコンロ前方側に移動することになり、メイン弁23のメイン弁用弁体23Aが本流路28を閉じることになる。
図示は省略するが、コンロ用操作具6が消火操作位置Dに移動すると、スライダ40の可動接点が接点板ブロックYの点火用の固定接点及び安全用の固定接点に対する非接触状態となるので、運転制御部Qが、安全弁24を閉じ状態に操作する消火処理を実行することになる。
【0077】
(コンロ用操作具の詳細)
図9及び図11に示すように、コンロ用操作具6の周壁部Haを形成する筒状の本体部52が設けられ、その本体部52の前端部に、コンロ用操作具6の端面部Hbを形成する本体キャップ53が設けられている。
本体キャップ53には、コンロ後方側に伸びる脚状でかつ先端部には径方向外方に突出する係止突部を備える複数の脚部53aが設けられている。これに対して、本体部52の内面には、環状の突部52aが形成されている。
【0078】
そして、本体キャップ53の脚部53aが、本体部52の突部52aの内部に嵌合し、かつ、脚部53aの先端の係止突部が突部52aを係止する状態で、本体キャップ53が本体部52に装着されている。
つまり、本体キャップ53が、操作軸心Xの回りに回転自在に本体部52に装着されている。
【0079】
スライダ40の先端に嵌合装着される筒状スペーサ54が設けられ、本体キャップ53の脚部53aが、筒状スペーサ54に外嵌し、かつ、本体キャップ53の裏面(コンロ後方側の面)が、筒状スペーサ54の先端に接当するように構成されている。
したがって、本体キャップ53をコンロ後方側に押し移動すると、本体キャップ53の裏面に接当する筒状スペーサ54がコンロ後方側に押し移動されることにより、スライダ40がコンロ後方側に押し移動されるように構成されている。
【0080】
そして、本体キャップ53の裏面(コンロ後方側の面)は、上述の如く、筒状スペーサ54の先端に接当するものであるから、本体キャップ53が、筒状スペーサ54及びスライダ40に対して、操作軸心Xの回りに回転できるようになっている。
つまり、本体キャップ53は、本体部52及び筒状スペーサ54(スライダ40)の夫々に対して、操作軸心Xの回りに回転自在に装着されている。
【0081】
火力調節用の回転体55の筒状本体55Aが、筒状スペーサ54とスライダ40との接続箇所に、操作軸心Xの回りに回転自在に、かつ、コンロ前後方向での移動を規制された状態で外嵌され、コンロ用操作具6の本体部52が、回転体55の筒状本体55Aに対して、一体回転自在でかつコンロ前後方向での移動を規制された状態で外嵌されている。
つまり、本実施形態においては、コンロ用操作具6の周壁部Haが、回転体55を備える形態に構成されている。そして、回転体55の筒状本体55Aには、火力調節用の操作片55Bが操作軸心Xの軸心方向に沿ってコンロ後方側に延出されており、後述の如く、燃料調節弁25を操作するように構成されている。
【0082】
以上の通り、本実施形態においては、スライダ40と筒状スペーサ54とから、コンロ用操作具6を点火位置B、燃焼位置C及び消火位置Aに切換え自在に支持するスライド式の操作具支持体Jが構成される。この操作具支持体Jは、操作軸心Xの回りでの回転を阻止された状態で操作軸心Xの軸心方向に沿って移動自在に前部側ケーシング(支持体ケーシング)36Fに収納されることになる。
【0083】
そして、コンロ用操作具6の周壁部Haが、端面部Hb及び操作具支持体Jの夫々に対して、操作軸心Xの回りで回転自在に構成され、端面部Hbが、操作具支持体Jに対して、操作軸心Xの回りで回転自在に構成されている。
【0084】
(燃料調節弁の操作構成)
図8及び図11に示すように、前部側ケーシング36Fの上部の半円筒状の外周部に、コンロ用操作具6の押し移動操作方向での移動を規制されかつ操作軸心Xの回りに回転自在な状態で火力調節用の弁操作用回転体56が装着されている。
弁操作用回転体56は、円弧状の円弧状部56Bを主要部として備え、その円弧状部56Bから、操作軸心Xの軸心方向に沿ってコンロ用操作具6の存在側に延出する棒状の被操作片56Aを備える形態に構成されている。
【0085】
前部側ケーシング36Fの上面には、位置決め用の凹溝として、コンロ前後方向に並ぶ一対の位置決め溝Eが操作軸心Xを軸心とする形態で形成され、弁操作用回転体56の下面には、位置決め溝Eに係合する一対の係合突起56aが形成されている(図9参照)。
そして、係合突起56aが位置決め溝Eに嵌合することにより、コンロ用操作具6の押し移動操作方向(コンロ前後方向)での弁操作用回転体56の移動を規制するように構成されている。
【0086】
回転体55の操作片55Bが、操作軸心Xの軸心方向に沿って弁操作用回転体56の存在側に延出される形態で断面形状が逆U字状に形成され、弁操作用回転体56の被操作片56Aが、操作片55Bの内部に、コンロ前後方向に移動自在に、かつ、操作軸心Xの回りに一体回転する状態に挿入するように構成されている。
つまり、操作片55Bと被操作片56Aとから、コンロ用操作具6の周壁部Haと弁操作用回転体56とを操作軸心Xの軸心方向での相対移動を許容する状態で一体回転自在に連結する連結部Zが構成されることになり、そして、操作片55Bと被操作片56Aとが、操作軸心Xの軸心方向での相対移動自在にかつ操作軸心Xの回りに一体回転する状態で係合されている。
【0087】
図8図11に示す如く、前部側ケーシング36Fの上面部に、弁操作用回転体56のコンロ用操作具6から離れる側となる後端部に設けた被押え部56bを上方側(外方側)から受止め支持する受支持部36rが設けられ、被押え部56bが、弁操作用回転体56の操作軸心X回りでの回転を許容される状態で浮き上がりを阻止するように、受支持部36rにて受止められるように構成されている。
また、操作片55Bが、被操作片56Aを上方側(外方側)から受止支持するように構成されている。
【0088】
つまり、回転体55の操作片55Bが、弁操作用回転体56の被操作片56Aの浮き上がりを阻止するように、被操作片56Aを上方側(外方側)から受止め、かつ、前部側ケーシング36Fの上面部に設けた受支持部36rが、弁操作用回転体56の被押え部56bを上方側(外方側)から受止めることによって、弁操作用回転体56が前部側ケーシング36Fの上面部から上方側(外方側)に外れることを阻止するように構成されている。
【0089】
図8図11に示す如く、弁操作用回転体56の円弧状部56Bの上面側には、燃料調節弁25の弁本体25Aに装着した連係ピン46の下端部(先端部)が係合するピン操作溝U(弁操作溝の一例)が、操作軸心Xを中心とする螺旋溝状に形成されている。具体的には、ピン操作溝Uが、ガスコンロの正面視において、左側に位置する溝部分ほどコンロ前方側に位置する状態に形成されている。
【0090】
したがって、コンロ用操作具6の周壁部Haを回転操作することにより、周壁部Haと一体回転する回転体55の操作片55Bが弁操作用回転体56を回転操作し、弁操作用回転体56の回転により、ピン操作溝Uに係合する連係ピン46がコンロ前後方向に移動して、燃料調節弁25の弁本体25Aがコンロ前後方向に移動することによって、ガス燃料の供給量を調節できるように構成されている。
【0091】
そして、ピン操作溝Uが、ガスコンロの正面視において、左側に位置する溝部分ほどコンロ前方側に位置する状態に形成されているため、コンロ用操作具6の周壁部Haを右側に回転操作するほど、燃料調節弁25の弁本体25Aがコンロ前方側に移動されて、ガス燃料の供給量が多くなるように構成されている。
【0092】
(機械式連動機構について)
コンロバーナ1の火力は、燃料調節弁25により弱火(例えば、330kcal/h)から強火(例えば、3000kcal/h)の間で調節されることになるが、本実施形態のコンロバーナ1は、点火させるときには、弱火と強火との間の中火(点火用ガス量、例えば、1800kcal/h)にて点火させることが好ましいものである。
このため、図16図19に示すように、燃料調節弁25が中火(点火用ガス量位置)よりも弱火側や強火側に操作されていても、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたときに、燃料調節弁25を中火(点火用ガス量位置)に対応する位置に位置させる(復帰させる)べく、コンロ用操作具6と燃料調節弁25とを連係する機械式連動機構Nが備えられている。
【0093】
図11に示すように、回転体55における操作片55Bの両側には、回転体55の筒状本体55Aと操作片55Bとを接続する板状のカム形成部55Cが設けられている。つまり、カム形成部55Cが、前部側ケーシング36Fの外部を通して後述するカム操作体57の存在側に延出される状態で、且つ、操作片55Bの側縁部から延出される状態で操作片55Bと一体形成されている。
【0094】
そして、それら一対のカム形成部55Cのうちの、ガスコンロの正面視において左側のカム形成部55Cの後端部が、復帰操作用カムWとして、操作片55Bから離れるほどコンロ前方側に位置する弱火側復帰操作カムWL(図18図19参照)を形成し、一対のカム形成部55Cのうちの、ガスコンロの正面視において右側のカム形成部55Cの後端部が、復帰操作用カムWとして、操作片55Bから離れるほどコンロ前方側に位置する強火側復帰操作カムWR(図16図17参照)を形成するように構成されている。
【0095】
図11図16及び図17に示すように、ガスコンロの正面視において、前部側ケーシング36Fの外周部の右側箇所には、カム操作体57として、点火用の中火力よりも強火力側に操作した状態のコンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたときに、強火側復帰操作カムWRと接当する強火側カム操作用突起57Rが設けられている。
【0096】
したがって、点火用の中火力よりも強火力側に操作した状態のコンロ用操作具6の端面部Hbを押圧しながら、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたときに、強火側復帰操作カムWRが強火側カム操作用突起57Rに接当することにより、回転体55を点火用の中火力に対応する点火用ガス量位置に復帰回転させるように構成されている。
【0097】
図18及び図19に示すように、ガスコンロの正面視において、前部側ケーシング36Fの外周部の左側箇所には、カム操作体57として、点火用の点火用ガス量位置よりも弱火力側に操作した状態のコンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたときに、弱火側復帰操作カムWLと接当する弱火側カム操作用突起57Lが設けられている。
【0098】
したがって、点火用の点火用ガス量位置よりも弱火側に操作した状態のコンロ用操作具6の端面部Hbを押圧しながら、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたときに、弱火側復帰操作カムWLが強火側カム操作用突起57Rに接当することにより、回転体55を点火用の中火力に対応する回転位置に復帰回転させるように構成されている。
【0099】
ちなみに、弱火側復帰操作カムWL及び強火側復帰操作カムWRの前端側部分が、操作軸心Xと平行な状態に形成されており、燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたコンロ用操作具6が、その後、消火位置Aや点火位置Bに位置するときに、中火力に対応する回転位相に復帰回転させた回転体55を、その回転位相に維持できるように構成されている。
【0100】
ところで、コンロ用操作具6の端面部Hbを構成する本体キャップ53が、上述の如く、コンロ用操作具6の周壁部Haを構成する本体部52に対して操作軸心Xの回りに回転自在に構成されているから、コンロ用操作具6の端面部Hbを押圧しながら、コンロ用操作具6を燃焼位置Cから消火操作位置Dに向けて押し移動させたときに、回転体55の回転に伴ってコンロ用操作具6の周壁部Haが回転しても、コンロ用操作具6の端面部Hbが回転しないため、コンロ用操作具6の端面部Hbを押圧操作することを、違和感のない状態で良好に行えるものとなっている。
【0101】
(炊飯調理について)
運転制御部Qは、コンロ用操作具6が点火位置に操作されて点火処理を実行した後において、炊飯調理(炊飯モード)が選択されている場合には、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に維持させた状態で前記バーナに供給する燃料ガス量を点火用ガス量よりも少ない炊飯調理用ガス量に制御して、炊飯調理(炊飯モード)を実行するように構成されている。
【0102】
図4に示す如く、炊飯調理(炊飯モード)は、吸水工程と、当該吸水工程に続く炊き上げ工程、当該炊き上げ工程に続く蒸し煮工程、及び、当該蒸し煮工程に続く蒸らし工程を備えている。
吸水工程は、点火処理後において、温度検出センサSが第1設定温度t1(例えば、90℃)を検出するまでは、点火用ガス量(例えば、1800kcal/h)に相当する中火の力に維持し、その後、小火力用ガス量(330kcal/h)に相当する小火(弱火)で燃焼させる。
【0103】
つまり、本実施形態では、吸水工程の前半部においては、コンロ側電磁弁26を開いて中火を維持し、吸水工程の後半部においては、コンロ側電磁弁26を閉じて小火に変更するように構成されている。
尚、吸水工程の前半部においても、コンロ側電磁弁26を閉じて小火に変更する形態で実施してもよい。
【0104】
小火を実行する小火燃焼時間は、点火処理後において温度検出センサSが第1設定温度t1(例えば、90℃)を検出するまでの経過時間である第1経過時間に基づいて変更設定されることになる。
例えば、図5の表に示すごとく、第1経過時間が180秒未満の場合には、小火燃焼時間を480秒に設定し、第1経過時間が260秒以上の場合には、小火燃焼時間を180秒に設定する等、第1経過時間に基づいて小火燃焼時間を設定することになる。
尚、第1経過時間は、温度検出センサSが初期温度(例えば、常温)から第1設定温度t1(例えば、90℃)を検出するまでの経過時間であり、吸水工程の前半部における温度検出センサSの検出温度の温度上昇勾配に伴って増減変化することになるから、第1経過時間は、吸水工程の前半部における温度検出センサSの検出温度の温度上昇勾配に相当する。
【0105】
炊き上げ工程は、前側炊き上げ工程と後側炊き上げ工程とからなる。前側炊き上げ工程を実行する時間はA制御時間であり、後側炊き上げ工程を実行する時間はB制御時間である。
炊き上げ工程においては、コンロ側電磁弁26を繰り返し開閉させることにより、点火用ガス量(例えば、1800kcal/h)に相当する中火と小火力用ガス量(例えば、330kcal/h)に相当する小火(弱火)とを繰り返すことにより、炊き上げ用ガス量(例えば、1100kcal/h)に相当する炊き上げ火力に調節される。
【0106】
本実施形態では、運転制御部Qが、コンロ側電磁弁26を繰り返し開閉させる開閉比率を異ならせることにより、前側炊き上げ工程における炊き上げ用ガス量を後側炊き上げ工程における炊き上げ用ガス量よりも多くするように構成されている。
【0107】
前側炊き上げ工程を実行するA制御時間は、上述の第1経過時間、つまり、点火処理後において温度検出センサSが第1設定温度t1(例えば、90℃)を検出するまでの経過時間である第1経過時間に基づいて変更設定されることになる。
例えば、図6の表に示す如く、第1経過時間が180秒未満の場合には、A制御時間を210秒に設定し、第1経過時間が260秒以上の場合には、A制御時間を630秒に設定する等、第1経過時間に基づいてA制御時間が5段階に変更設定される。
また、図6の表に示すごとく、第1経過時間に基づいて炊飯量が1~5の5段階に設定される。
【0108】
前側炊き上げ工程に相当するA制御時間が経過すると、後側炊き上げ工程が実行されることになり、後側炊き上げ工程を実行するB制御時間は、温度検出センサSの検出温度に基づいて平衡状態が検出されるまでの時間である。
平衡状態の検出は、例えば、一定の判定期間毎に(例えば30秒毎に)、当該判定期間の終了時点の温度検出センサSの検出温度Teから判定期間の開始時点の温度検出センサSの検出温度Tbを差し引いた温度差TS(=Te-Tb)を求める。そして、その温度差TS(=Te-Tb)が、所定温度範囲、例えば-2℃以上で、+2℃以下の温度範囲(-2℃≦TS≦+2℃)となったときに、平衡状態であると検出する形態で行うように構成されている。
尚、平衡状態が検出されたときの温度が、第2設定温度t2として記憶される。
【0109】
前側炊き上げ工程において、コンロ側電磁弁26を繰り返し開閉させる際において、コンロ側電磁弁26を開いて中火に維持する中火時間は、例えば、10秒で、コンロ側電磁弁26を閉じて小火に維持する小火時間は、例えば、10秒である。
尚、中火に維持する中火時間は、最大20秒にすることが好ましい。中火時間が長すぎると、適切な炊飯を行うことができない虞がある。
後側炊き上げ工程において、コンロ側電磁弁26を繰り返し開閉させる際において、コンロ側電磁弁26を開いて中火に維持する中火時間は、例えば、5秒で、コンロ側電磁弁26を閉じて小火(弱火)に維持する時間は、例えば、15秒である。
【0110】
つまり、後側炊き上げ工程においては、水分が減ってきて、鍋の底部分の米が着色し易くなっている状態のため、後側炊き上げ工程の火力は、前側炊き上げ工程の火力よりも低く制御される。
ただし、本実施形態においては、前側炊き上げ工程において、コンロ側電磁弁26を繰り返し開閉させる際において、コンロ側電磁弁26を開いて中火に維持する中火時間及びコンロ側電磁弁26を閉じて小火に維持する小火時間が、図7の表に示す如く、上述した炊飯量の1~5の5段階に応じて5段階に変更設定されることになる。
【0111】
蒸し煮工程は、小火でC制御時間(例えば、2分)が経過するまで加熱する前側蒸し煮工程を行い、その後、中火でD制御時間の間加熱する後側蒸し煮工程を行う。
D制御時間は、温度検出センサSの検出温度が第2設定温度t2よりも設定上昇温度(例えば、30℃)以上に上昇するまでの時間である。
【0112】
蒸らし工程は、コンロバーナ1を消火した状態で、予め設定した蒸らし時間が経過するとまで待機する工程である。
【0113】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、機械式連動機構Nが、コンロ用操作具6を消火操作位置Dに押し移動させさせたときに、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に位置変更させることによって、コンロ用操作具6が点火位置に操作されるときには、燃料調節弁25を点火用ガス量位置に位置させるように構成されているが、機械式連動機構Nを、コンロ用操作具6を点火位置Bに押し移動させる際に、燃料調節弁25点火用ガス量位置に位置変更させる形態で実施してもよい。
【0114】
(2)上記実施形態では、燃焼操作具Hの周壁部Haが、操作片55Bを備える回転体55の筒状本体55Aに対して一体回転する状態に外嵌されることによって、周壁部Haが操作片55Bを備える場合を例示したが、周壁部Haと操作片55Bと一体的に形成する形態で実施してもよい。
【0115】
(3)上記実施形態では、コンロバーナ1の点火用火力が、中火力である場合を例示したが、コンロバーナ1の点火用火力が、大火力(強火力)である場合にも本発明は適用できるものである。
【0116】
(4)上記実施形態では、燃料調節弁25が主流路29Aに設けられる場合を例示したが、例えば、燃料調節弁25を本流路28に設けるようにする等、燃料調節弁25を主流路29Aとは異なる流路に設けるようにしてもよい。
【0117】
(5)上記実施形態では、点火処理後において温度検出センサSが第1設定温度t1(例えば、90℃)を検出するまでの経過時間である第1経過時間を、吸水工程の前半部における温度検出センサSの検出温度の温度上昇勾配とする場合を例示したが、例えば、点火処理後における数秒後の初期の検出温度と点火処理から数十秒が経過した時点の温度との差を、吸水工程の前半部における温度検出センサSの検出温度の温度上昇勾配として求める形態で実施してもよい。
【0118】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 バーナ
6 点消火操作具
25 燃料調節弁
26 開閉弁
28 燃料ガス供給路
29A 主流路
29B 迂回流路
B 点火位置
N 機械式連動機構
Q 制御部
S 温度検出部
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