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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019624
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】オーブン調理装置
(51)【国際特許分類】
   A21B 1/22 20060101AFI20230202BHJP
   A47J 27/14 20060101ALI20230202BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20230202BHJP
   A47J 37/00 20060101ALN20230202BHJP
【FI】
A21B1/22
A47J27/14 Z
F24C7/04 301Z
A47J37/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124510
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】山本 凌大
(72)【発明者】
【氏名】水谷 保起
(72)【発明者】
【氏名】小野 啓太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 美帆
(72)【発明者】
【氏名】杉本 拓也
【テーマコード(参考)】
3L087
4B040
4B054
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AA02
3L087BA03
3L087BC13
3L087CC01
3L087DA25
4B040AA01
4B040AB01
4B040AC01
4B040AE04
4B040LA11
4B040LA19
4B040LA20
4B054AA21
4B054AB06
4B054AC14
4B054CH14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】予約機能において誤設定を生じにくくする。
【解決手段】オーブン調理装置では、ユーザは、操作パネルから加熱の開始タイミングを月日情報(運転入日時)及び時刻情報(運転入時刻)で設定することが可能であり、操作パネルのコントローラは、現在の月日情報及び時刻情報に基づいて開始タイミングが到来したと判定した場合、下側及び上側ヒータの加熱を開始する。これにより、ユーザは、運転予約(予約機能)を利用する場合において、月日情報及び時刻情報により加熱の開始タイミングを直接的に設定でき、運転予約において誤設定を生じにくくすることができる。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を焼成するための焼成炉と、
前記焼成炉内を加熱可能に配置されたヒータと、
前記ヒータの加熱を制御する制御部と、
前記加熱の開始タイミングを月日情報及び時刻情報でユーザが設定可能な予約部と、
現在の月日情報及び時刻情報を前記制御部に出力する計時部とを備え、
前記制御部は、前記計時部から入力された前記現在の月日情報及び時刻情報に基づいて前記開始タイミングが到来したと判定した場合に前記ヒータの加熱を開始することを特徴とするオーブン調理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のオーブン調理装置において、
前記予約部は、前記加熱の終了タイミングを時刻情報でユーザが設定可能であり、
前記制御部は、前記計時部から入力された前記現在の月日情報及び時刻情報に基づいて前記開始タイミングの月日における前記終了タイミングが到来したと判定した場合に前記ヒータの加熱を終了することを特徴とするオーブン調理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のオーブン調理装置において、
前記予約部は、前記終了タイミングの時刻情報として、前記時刻情報が午前零時から所定時間Xまでの間における時刻を表す場合には、(24+X)時間制、または翌日情報が付加された12時間制、で表された時刻情報で設定を受け付けることを特徴とするオーブン調理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のオーブン調理装置において、
前記予約部は、前記開始タイミングの月日情報として、現在の日付から1週間を超える所定のN週間までの間の前記月日情報の設定を受け付けることを特徴とするオーブン調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン生地等の被調理物を焼成するオーブン調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パン生地を焼成するデッキオーブン(オーブン調理装置)が開示されている。この種のデッキオーブンでは、炉を使用する前段階として、炉内を焼成に適した設定温度に上昇させておく予備加熱の機能を備えており、機種によってはこのような予備加熱を予め設定した時間に自動的に開始する予約機能を備えているものもある。デッキオーブンは業務用途で使用されることが多いことから、ベーカリー等の日常業務においてはその日の最初に焼くパン生地の準備が整うタイミングで炉内を焼成時の適温にするために予約機能が利用される。
【0003】
予約機能を備えたデッキオーブンは、一般的には、予備加熱を開始する時刻をユーザが入力し、現在時刻が開始時刻に一致した時点で予備加熱を開始するように構成される。これにより、例えば、毎朝6時に予備加熱を開始することが可能になる。また、店舗の休業日を考慮して翌営業日まで待機する日数(待機日数)と翌営業日の予備加熱の開始時刻を入力し得るように構成されるものもある。これにより、数日間の休業日(待機日)を挟んで、休業日の前日に翌営業日のデッキオーブンの予備加熱を予約することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-267104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような予約機能を備えたデッキオーブンのうち、休業日数(待機日数)を入力するものについては、予備加熱の予約を設定したタイミングと翌営業日の予備加熱の開始時刻([発明が解決しようとする課題]の欄において「予約時刻」という)との兼ね合いによっては、待機日数を誤ってカウントするおそれがある。
【0006】
現在時刻が予約時刻に一致した時点で予備加熱を開始するように予約機能を構成する場合においては、例えば、待機日数を時間換算して待機日数を含めた残り時間を求めるよりも、現在時刻が予約時刻に一致した時点で1日分を減算して残り日数を求めた方がアルゴリズムが簡素になる。そのため、例えば、予備加熱の予約を設定したタイミングが休業日の前日の午前7時であり予約時刻が翌営業日の午前6時である場合には、最初の1日分は予約の設定から23時間後(翌日6時)に減算される。これに対して例えば、予備加熱の予約を設定したタイミングが休業日の前日の午前5時であり予約時刻が翌営業日の午前6時である場合には、最初の1日分は予約の設定から1時間後(当日6時)に減算される。
【0007】
つまり、現在時刻が予約時刻に一致した時点で予備加熱を開始するように予約機能を構成する場合においては、予約設定のタイミングが予約時刻に対して前後することによって(日付を無視して時刻だけに着目)、予備加熱を開始する日付が変更されてしまうため、誤設定を招き得るという問題がある。本発明は、予約機能において誤設定を生じにくくするオーブン調理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、被調理物を焼成するための焼成炉と、焼成炉内を加熱可能に配置されたヒータと、ヒータの加熱を制御する制御部と、加熱の開始タイミングを月日情報及び時刻情報でユーザが設定可能な予約部と、現在の月日情報及び時刻情報を制御部に出力する計時部とを備え、制御部は、計時部から入力された現在の月日情報及び時刻情報に基づいて開始タイミングが到来したと判定した場合にヒータの加熱を開始することを特徴とするオーブン調理装置を提供するものである。
【0009】
上記のように構成したオーブン調理装置においては、ユーザは、予約部によって加熱の開始タイミングを月日情報及び時刻情報で設定することが可能であり、制御部は、計時部から入力された現在の月日情報及び時刻情報に基づいて開始タイミングが到来したと判定した場合にヒータの加熱を開始する。ユーザは、予約機能を利用する場合において、月日情報及び時刻情報により加熱の開始タイミングを直接的に設定でき、予約機能において誤設定を生じにくくすることができる。例えば、翌日以降の予約でも間違いにくい。
【0010】
上記のように構成したオーブン調理装置においては、予約部は、加熱の終了タイミングを時刻情報でユーザが設定可能であり、制御部は、計時部から入力された現在の月日情報及び時刻情報に基づいて開始タイミングの月日における終了タイミングが到来したと判定した場合にヒータの加熱を終了することが好ましい。このように構成したときには、加熱の開始タイミングに加えて、加熱の終了タイミングも予め設定できるため、例えば、店舗の営業終了時にユーザが当該オーブン調理装置の加熱スイッチを切り忘れても、予約機能を利用することにより自動的に加熱を終了させることができる。
【0011】
上記のように構成したオーブン調理装置においては、予約部は、終了タイミングの時刻情報として、時刻情報が午前零時から所定時間Xまでの間における時刻を表す場合には、(24+X)時間制、または翌日情報が付加された12時間制、で表された時刻情報で設定を受け付けることが好ましい。このように構成したときには、24時間制においては、24時以降の午前0時~6時までの時刻を、例えば「24:00~30:00」というように表すことができ、また12時間制においては、24時以降の午前0時~6時までの時刻を、例えば「翌日00:00~翌日06:00」というように表すことができる。「24:00~30:00」や「翌日00:00~翌日06:00」というように加熱の終了タイミングを設定する時刻情報を表すことによって、ユーザに対してその時間情報が次の日の時間であることを、わかり易く伝えることができる。
【0012】
また、上記のように構成したオーブン調理装置においては、予約部は、開始タイミングの月日情報として、現在の日付から1週間を超える所定のN週間までの間の月日情報の設定を受け付けることが好ましい。このように構成したときには、例えば、店舗の休業日として、1週間(7日間)を超えて連続して休業(例えば2週間の長期間休業)するような場合においても、ユーザは、加熱の開始タイミングを月日情報及び時刻情報により直接的に設定でき、予約機能を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のオーブン調理装置の正面図である。
図2図1の扉を開放した斜視図である。
図3】上面パネルと右面パネルとを取り外した斜視図である。
図4】扉、化粧部材及び機械室パネルを前側に移動させた斜視図(a)であり、(a)からさらに前面メインパネルを前側に移動させた状態の斜視図である(b)。
図5】A-A線での断面図である。
図6】操作パネルの構成等を示した説明図である。
図7】電気系統のブロック図である。
図8】メインプログラムのフローチャートである。
図9】通常運転プログラムのフローチャートである。
図10】マニュアル運転プログラムのフローチャートである。
図11】マニュアル運転で表示される各画面の説明図である。
図12】機器設定プログラムのフローチャートである。
図13】運転予約設定プログラムのフローチャートである。
図14】運転予約設定で表示される各画面の説明図である。
図15図14に示した画面の続きである。
図16】予約運転プログラムのフローチャートである。
図17】予約運転で表示される各画面の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明のオーブン調理装置の一実施形態を添付図面を参照して説明する。図1及び図2に示したように、本発明のオーブン調理装置10は、パンの生地や焼き菓子の生地(被調理物)を自然対流式の焼成炉20内で加熱して焼成するものであり、焼成炉20の前面部に設けた扉21を開放することによって、前面開口部20aから焼成炉20内に被焼成物を搬入出可能としている。オーブン調理装置10は、店舗や工房等にてテーブル、カウンターまたはドウコンディショナー等の機器の上側に設置され、必要に応じて上下に多段状に設置される。ドウコンディショナーは、パン生地等を焼成に適した発酵状態に整える装置である(以下「ドウコン」という)。
【0015】
図1図3に示したように、オーブン調理装置10は、略直方体形状のケーシング11を備え、ケーシング11内の右側部を機械室12とし、ケーシング11内の残る部分に焼成炉20を配設している。ケーシング11は、底壁に相当するベースプレート13と、ベースプレート13の上側を略直方体形状に区画するように設けられた枠体14と、枠体14により区画形成された前後左右面及び上面を覆うパネル15とを備えている。
【0016】
枠体14は、ベースプレート13の前後に設けた前側及び後側枠部材14a,14bと、前側及び後側枠部材14a,14bの左右両側部を連結する梁部材14cとを備えている。前側及び後側枠部材14a,14bの各々は、ベースプレート13の左右両側部に立設する支柱部と、左右の支柱部の上部を梁部によって連結した下側が開いたコ字形をしている。左右両側の梁部材14cは、前側及び後側枠部材14a,14bの各支柱部の上端部に固定され、前側及び後側枠部材14a,14bの左右両側部を連結している。
【0017】
図2及び図4に示したように、ケーシング11内の焼成炉20の前側には前面パネル15aが設けられ、後側枠部材14bの後側には後面パネル(図示省略)が設けられている。前側枠部材14aと後側枠部材14bとの間の左側部には左面パネル15eが設けられ、前側枠部材14aと後側枠部材14bとの間の右側部には右面パネル15fが設けられている。前側及び後側枠部材14a,14bと左右の梁部材14cの上側には上面パネル15gが設けられている。
【0018】
前面パネル15aは、焼成炉20の前面の下部のみを覆う前面下部パネル15bと、焼成炉20の前面の下部より上側を覆う前面メインパネル15cとを備えている。前面下部パネル15bは、焼成炉20の前面開口部20aの下側ヒータ41が配置される下部を覆っている。前面下部パネル15bには扉21を支持する左右一対のブラケット16が固定されている。焼成炉20の前面開口部20aに被調理物を搬入出可能とするように、前面メインパネル15cは、正面視にて下側が開いた略コ字形をしており、上側ヒータ42と蒸気発生部47が配置される焼成炉20の前面開口部20aの上部を覆っている。
【0019】
図3に示したように、ケーシング11内の機械室12には後述する下側及び上側ヒータ41,42、蒸気発生部47の給水弁48等の制御をする電装部品(後述の制御装置70等を構成する電子部品)を収納する電装箱17が設けられている。電装箱17は内部に電装部品が収納される略直方体形状をしており、電装箱17の下部には前部と後部に脚部17aが設けられている。脚部17aは、電装箱17の下面をベースプレート13の上面から離間させており、焼成炉20からベースプレート13に伝わる熱を電装箱17の内部に伝わりにくくしている。
【0020】
図2及び図5に示したように、焼成炉20はパン生地や菓子の生地等の被調理物を焼成するものであり、前面に被調理物を搬入出する前面開口部20aが形成された略直方体形状をしている。焼成炉20の外周面にはガラスウールを用いた断熱材22が設けられており、断熱材22の外周面にはさらにステンレスの板金部材よりなる外板23が設けられている(図3参照)。焼成炉20内の熱は断熱材22によってケーシング11及び機械室12を含めた周囲に伝わりにくくなっている。図3に示したように、焼成炉20の上側を覆う断熱材22の上面左側部には前後に延びる溝部22aが形成されており、この溝部22aには後述する焼成炉20の排気機構30の各種部品が配設されている。
【0021】
焼成炉20の機械室12側となる右側面には上下及び前後の略中央部に照明窓(図示省略)が設けられており、焼成炉20の機械室12側となる右側外周面を覆う断熱材22には照明窓と対向する位置に凹部(図示省略)が形成されている。図3に示したように、外板23には焼成炉20内を照らすLED照明を用いた炉内用ランプ24がブラケット25を用いて取り付けられている。炉内用ランプ24は、後述する操作パネル50のコントローラによりオンオフが制御されている。この実施形態では、炉内用ランプ24はオーブン調理装置10の電源がオンされた後からオフされるまでの間において点灯する。
【0022】
図1及び図2に示したように、焼成炉20の前側には扉21が開閉自在に設けられており、扉21は前面パネル15aの下部に設けたブラケット16に水平軸線回りに回動可能に支持されている。図2図4及び図5に示したように、焼成炉20の下部にはセラミック製の炉床板27が設けられており、被調理物を入れたトレイは焼成炉20内にて炉床板27の上側に載置可能となっている。炉床板27の左右両縁部には前後方向に沿って延びる左右のガイド28と、炉床板27の後縁部には左右方向に沿って延びるガイド29が設けられている。
【0023】
図3及び図5に示したように、焼成炉20の上側には排気通路31を開閉する開閉機構34が設けられている。開閉機構34は、排気管32の上端開口の上側にて前後に移動可能に設けられたシャッター35と、断熱材22の溝部22a内に設けられてシャッター35を前後に移動させる操作バー36と、ケーシング11の前側にて操作バー36の前端部に設けた操作摘まみ37とを備えている。シャッター35は排気管32の上端開口を開度調節可能に覆うものである。図5に示したシャッター35の位置では排気管32の上端開口は完全に塞がれた状態となり、シャッター35を前側(図5の左側)に少しずつ移動させると、排気管32の上端開口が少しずつ開放される。
【0024】
図5に示したように、焼成炉20内にはヒータ40が設けられている。この実施形態では、焼成炉20の下部にて炉床板27の下側に下側ヒータ41が設けられ、焼成炉20の上部に上側ヒータ42が設けられている。下側及び上側ヒータ41,42は右側が開いた略U字形のシーズヒータよりなるヒータ素子を用いたものであり、下側ヒータ41は3つのヒータ素子を前後に並べて配置し、上側ヒータ42は4つのヒータ素子を前後に並べて配置している。
【0025】
焼成炉20内の右側面下部には下側温度センサ43が設けられ、焼成炉20内の右側面上部には上側温度センサ44が設けられている。下側温度センサ43は、下側ヒータ41の最も前側のヒータ素子と前側から2番目のヒータ素子の間に配設されており、下側ヒータ41の制御をするのに用いられている。また、上側温度センサ44は、上側ヒータ42より下側で前側から2番目のヒータ素子と前側から3番目のヒータ素子との間の位置に配設されており、上側ヒータ42の制御をするのに用いられている。焼成炉20の右側面上部には上側温度センサ44の前側にガード部材(図示省略)が設けられている。なお、図5においては、上側ヒータ42及び上側温度センサ44は、図1に示すA-A断面線よりも手前に現れるため、想像線(二点鎖線)で表している。
【0026】
焼成炉20内の上部には蒸気発生部47が設けられており、蒸気発生部47は焼成炉20内にて上側ヒータ42の上側に配置されている。蒸気発生部47は、給水源から給水管49を通して供給される水を上側ヒータ42により加熱して気化させて蒸気を焼成炉20内に発生させるものである。蒸気発生部47は、主に、蒸気発生皿、蓄熱板、給水部(いずれも図示省略)等により構成されている。給水源からの水は、蓄熱板の上側に送出されて蓄熱板や蒸気発生皿に接触することで気化して蒸気になる。気化した蒸気は、上方に昇って焼成炉20の天井面に当たってから蒸気発生皿と焼成炉20の内側面との間の通路を通って焼成炉20の下部に流れ込んだり、焼成炉20の前部に流れ込む。なお、給水管49には機械室12内にて給水弁48が介装されており、給水源の水は給水弁48を開放したときに給水管49を通って蓄熱板の上側に送出される。
【0027】
図1図4に示したように、ケーシング11の前面右側には機械室パネル18が設けられており、機械室パネル18は操作パネル50及びブザーユニット19を備えている。図6に示したように、操作パネル50は、表示部51、6つの操作ボタン(スチームボタン52、ホームボタン53、戻るボタン54、運転入/切ボタン55、スタート・ストップボタン56、タイマー延長ボタン57、ジョグダイヤル58及びコントローラ(図示省略)を備えている。コントローラは、例えば、制御装置70のマイクロコンピュータとほぼ同様に、CPU、RAM、ROM(EEPROMを含む)や時計機能(計時部)等を備えたマイクロコンピュータであり、この実施形態では制御部として機能する。
【0028】
表示部51は、この実施形態では液晶パネル(LCDパネル)が用いられ、オーブン調理装置10の運転状態、各種設定状態や焼成炉20内の検出温度等を適宜表示するようにコントローラに制御されている。6つの操作ボタン52~57及びジョグダイヤル58もこのコントローラに接続されており、それらの入力に基づいてコントローラが、後述する通常運転(マニュアル運転及びプログラム運転)、予約運転及びそれらに関する各種設定等を制御し得るように構成されている。またブザーユニット19も操作パネル50のコントローラに接続されて、運転制御等に伴い所定のブザー音を出力するように制御される。
【0029】
図7に示したように、オーブン調理装置10は制御装置70を備えており、制御装置70は、下側ヒータ41、上側ヒータ42、下側温度センサ43、上側温度センサ44、給水弁48、操作パネル50に接続されている。制御装置70はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM(EEPROMを含む)、タイマや時計機能(計時部)(いずれも図示省略)を備えている。この実施形態では、制御装置70は下側及び上側ヒータ41,42の制御を主に行う。
【0030】
このようにオーブン調理装置10のハードウェアを構成することによって、操作パネル50のコントローラまたは制御装置70が図8に示したメインプログラムによる主制御処理を実行する。この実施形態では操作パネル50のコントローラが当該メインプログラムを実行する場合を例示して説明する。なお、このメインプログラムはコントローラのROMに格納されている。また、オーブン調理装置10には外部から交流電力が供給されており、操作パネル50の操作による電源オフの状態においても、直流に変換された駆動電力が操作パネル50及び制御装置70に供給されている(待機状態)。
【0031】
[主制御処理]
図8に示したように、操作パネル50のコントローラは、待機状態において起動すると、まずステップ10の初期化処理によりRAMに確保されているワーク領域やフラグ等を初期値に設定したり前回の電源オフ処理(S21)において記憶したマニュアル運転に関する各設定情報をEEPROM等の不揮発性メモリから読み出したりする。その後、コントローラはステップ11において運転開始入力があるかを判定する。運転開始入力は、例えば、ユーザが操作パネル50の運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下することにより入力される情報であり、運転開始入力があれば「YES」と判定した後、ステップ12の電源オン処理により下側ヒータ41及び上側ヒータ42に電力を供給する電源スイッチ等をオンにする。その後、ステップ13の通常運転処理に移行する。この通常運転処理(S100)については、図9図15を参照しながら後で説明する。
【0032】
一方、ステップ11において運転開始入力がなければ、ユーザが未だ操作パネル50の運転入/切ボタン55を操作していないため、操作パネル50のコントローラは「NO」と判定してステップ14で予約運転ありか、即ち運転予約「する」の設定がされているかを判定する。予約運転は、オーブン調理装置10が予め設定された運転の開始日時と終了時刻において後述のマニュアル運転処理(S200)を行う動作態様であり、後述する機器設定処理(S400)の運転予約設定処理(S430)において運転予約「する」と設定された場合に行われる。予約運転ありであればステップ14で「YES」と判定した後、さらに設定されている予約日時が到来したかをステップ15により判定する。このステップ15の判定処理では、操作パネル50のコントローラの時計機能から出力される現在日時情報と予約日時情報を比較し、現在日時が予約日時と一致または予約日時を経過している場合に「YES」と判定しステップ16の予約運転処理に移行する。この予約運転処理(S150)については、図16及び図17を参照して後述する。
【0033】
ステップ14において予約運転ありでない場合や、ステップ15において現在日時が予約日時に達していない場合には、それらのステップで「NO」と判定して、ステップ17に処理を移行する。ステップ17ではドウコン連動ありかを判定する。ドウコン連動は、ドウコンからオーブン調理装置10に操作情報が直接入力されてドウコンがオーブン調理装置10を操作し得る動作態様であり、後述する機器設定処理(S400)のドウコン連動設定処理(S410)において設定され得る。ドウコン連動ありであればステップ17で「YES」と判定した後、さらにステップ18でドウコンから操作情報の入力(ドウコン入力)があるかを判定する。そして、ドウコン入力ありであれば「YES」と判定して、続くステップ19のドウコン連動処理に移行する。なお、ドウコンは外部装置の一例であり、ドウコン入力は外部入力の一例である。
【0034】
一方、ステップ17においてドウコン連動ありでない場合や、ステップ18においてドウコン入力ありでない場合には、それらのステップで「NO」と判定してステップ20で運転終了入力ありを判定する。運転終了入力は、後述する通常運転処理(S100)や予約運転処理(S150)において、運転終了処理(S140,S153,S158)が行われた場合に入力される運転終了情報であり、運転終了入力(運転終了情報)があれば「YES」と判定した後、ステップ21の電源オフ処理により下側ヒータ41及び上側ヒータ42に電力を供給する電源スイッチ等をオフにする。そして、現在設定されているマニュアル運転に関する各設定情報(設定温度やタイマー時間等)をEEPROM等の不揮発性メモリに記憶(格納)した後、ステップ11に戻る。
【0035】
これに対して、ステップ20において運転終了入力がなければ、オーブン調理装置10は運転が行われていない(運転開始前である)ことから「NO」と判定してステップ11に戻って運転開始入力があるか否かを判定する。つまり、操作パネル50のコントローラは、ステップ13の通常運転処理、ステップ16の予約運転処理、ステップ19のドウコン連動処理のいずれかに移行するまで、前述したステップ11,14,17の各判定処理を繰り返し行う。
【0036】
[通常運転処理]
次に図9を参照しながら、通常運転プログラムによる通常運転処理を説明する。なお、この実施形態では、通常運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。図9に示したように、コントローラは、まずステップ110により操作パネル50の表示部51にホームメニューを表示する。図6に示したように、ホームメニューの表示画面60aaは、例えば、ホームアイコン61、マニュアル運転バー62、プログラム運転バー63、機器設定バー64及び点検バー65で構成される。なお、表示画面60aaの左上に表されている12:34は、コントローラの時計機能による現在時刻(12時34分)の24時間制表示である。
【0037】
ホームアイコン61は、当該表示画面60aaがホームメニューであることをユーザに対して視覚的かつ直感的に明示するピクトグラムである。マニュアル運転バー62、プログラム運転バー63、機器設定バー64及び点検バー65は、ユーザが操作パネル50のジョグダイヤル58を周方向に回すことにより選択可能な項目バーである。選択状態の項目バーはその周囲に白枠が表示される(図6ではマニュアル運転バー62が選択状態にある)。選択状態の項目バーは、ユーザがジョグダイヤル58を軸方向に押すことでその項目バーの選択が決定される。
【0038】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作によりマニュアル運転バー62が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「マニュアル運転」)、ステップ200のマニュアル運転処理に移行する。マニュアル運転処理(S200)については、図10,11を参照して後述する。そして、ステップ200のマニュアル運転処理が終了すると、次のステップ120で運転切であるかを判定し、運転切でなければ「NO」と判定して、再度、マニュアル運転処理(S200)に移行する。運転切であれば「YES」と判定してステップ140で運転終了処理に移行する。運転切は、ユーザが運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下した場合にその情報が入力される。なお、図示されていないが、ステップ120においてユーザによりホームボタン53や戻るボタン54が押下されたと判定した場合には、ステップ110に戻って表示部51にホームメニューを表示する。
【0039】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作によりプログラム運転バー63が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「プログラム運転」)、ステップ300のプログラム運転処理に移行する。マニュアル運転処理が前回のマニュアル運転時の設定温度やタイマー時間等の運転条件を引き継いで行われるのに対して、このプログラム運転処理(S300)では、ユーザが予め設定した複数の設定温度やタイマー時間等から任意の運転条件を選択しそれに基づいて処理が行われる。つまり、ユーザが事前に運転条件を選択できる点を除いて、プログラム運転処理(S300)では、後述するマニュアル運転処理(S200)と同様の処理が行われる。プログラム運転処理が終了すると、次のステップ130で運転切であるかを判定し、運転切でなければ「NO」と判定して、再度、プログラム運転処理(S300)に移行する。運転切であれば「YES」と判定してステップ140で運転終了処理に移行する。なお、図示されていないが、ステップ130においてユーザによりホームボタン53や戻るボタン54が押下されたと判定した場合には、ステップ110に戻って表示部51にホームメニューを表示する。
【0040】
運転終了処理(S140)では、前述したメインプログラムによる主制御処理に対して運転終了入力(運転終了情報)を出力する。運転終了処理(S140)が終了すると、本通常運転処理を終えてメインプログラムによる主制御処理(図8)に戻る。
【0041】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により機器設定バー64が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「機器設定」)、ステップ400の機器設定処理に移行する。この機器設定処理(S400)については、図15を参照して後述する。ステップ400では、後述するように、操作パネル50のホームボタン53が押されるまで機器設定処理が繰り返し実行される。
【0042】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により点検バー65が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S110;「点検」)、ステップ500の点検処理に移行する。この点検処理(S500)では、例えば、現在、オーブン調理装置10に発生しているエラー情報やお知らせ情報を点検項目として表示部51に一覧表示する。エラー情報は、例えば、下側温度センサ43、上側温度センサ44やコントローラ基板等の異常情報である。またお知らせ情報は、エラー情報の詳細内容やユーザに対してサービス会社等への連絡を促すメッセージ等である。ステップ500では、操作パネル50のホームボタン53が押されるまで点検処理による表示画面が繰り返し実行される。
【0043】
[マニュアル運転処理]
次に図10及び図11を参照しながら、マニュアル運転プログラムによるマニュアル運転処理を説明する。なお、この実施形態では、マニュアル運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0044】
図10に示したように、操作パネル50のコントローラは、まずステップ201の予備加熱開始により、制御装置70に対して下側及び上側ヒータ41,42による加熱を開始する指示情報(加熱開始情報)を送出する。この加熱開始情報には、前述した電源オフ処理(図8のS21)においてコントローラにより不揮発性メモリに記憶された前回のマニュアル運転に関する各設定情報(設定温度やタイマー時間等)が含まれており、これらの各設定情報はコントローラが当該不揮発性メモリから読み出す。加熱開始情報は、下側及び上側ヒータ41,42の火力レベル、設定温度やタイマーの設定時間等である。火力レベルは、下側及び上側ヒータ41,42のそれぞれに対して、出力を不連続に設定できる段階表示であり、この実施形態ではヒータの最大出力に対する割合(0%、20%、40%、60%、80%、100%)をレベル0(0%)~レベル5(100%)の6段階で設定することができる。
【0045】
制御装置70は、このような加熱開始情報を受けると、下側及び上側ヒータ41,42への電力供給を制御する電源スイッチをオンにして予め設定された火力レベル相当の電力をこれらのヒータ41,42に供給するとともに、下側及び上側ヒータ41,42に対する温度制御を開始する。これにより、焼成炉20内の温度が上昇し始めることから、ステップ202の上下温度検出により下側温度センサ43及び上側温度センサ44から出力される下側温度情報と上側温度情報を、制御装置70を経由して取得する。そして、ステップ202で取得された下側及び上側温度情報等をステップ203により操作パネル50の表示部51に出力して表示する。
【0046】
操作パネル50のコントローラは、ステップ203において、例えば、図11(a)に示した表示画面60maを表示部51に表示する。この表示画面60maには、予備加熱開始直後の情報として、「予熱中」、「Mマニュアル運転」、上火(炉内上側のこと)の現在温度30℃と設定温度200℃と火力レベル5、下火(炉内下側のこと)の現在温度30℃と設定温度200℃と火力レベル3、タイマー時間の10分00秒等が表示されている。
【0047】
そして、操作パネル50のコントローラは、ステップ204により焼成炉20内の温度が設定温度に到達したかを判定する。この実施形態の焼成炉20では、炉内に下側及び上側ヒータ41,42を備えているため、それぞれに対応する下側及び上側温度センサ43,44により検出された温度、つまり下側温度と上側温度のいずれも設定温度以上になっている場合にコントローラは焼成炉20内の温度が設定温度に到達していると判定する。
【0048】
下側温度センサ43及び上側温度センサ44から出力される下側温度情報及び上側温度情報のいずれもがそれぞれの設定温度以上に達しておりコントローラが「YES」と判定した場合には予備加熱が終了するため、ステップ205により、例えば図11(b)に示した「スタンバイ」の表示画面60mbを表示部51に表示したりブザーユニット19を所定のビープ音で鳴動させて予備加熱が終了した旨をユーザに告知したりする。一方、下側温度情報及び上側温度情報のいずれかが設定温度以上に達しておらずコントローラが「NO」と判定した場合には再度ステップ202に戻る。
【0049】
予備加熱が終了して本加熱に移行すると、ステップ206によりスタート・ストップボタン56の入力があるかを判定する。即ち、焼成炉20内の温度が設定温度に到達しているため、ユーザは、オーブン調理装置10の扉21を開けてパン生地等の被調理物を入れたトレイを焼成炉20内に搬入する。そして、扉21を閉じると、予め設定されている焼成時間(図11(c)の例では10分00秒)を計るタイマーをスタートさせるため、ユーザは操作パネル50のスタート・ストップボタン56を押下する。
【0050】
ステップ206によりスタート・ストップボタン56の入力があり「YES」と判定した場合には、タイマーのカウントダウンを開始するとともに次のステップ207により、例えば、図11(c)に示した「調理中」の表示画面60mcを表示部51に表示する。この表示画面60mcの例では、タイマーの残り時間9分59秒がゼロ、つまりタイムアップになるまで、下側温度情報、上側温度情報や残り時間情報を逐次更新して表示を続ける(S208で「NO」)。
【0051】
なお、図10には図示されていないが、前述した予備加熱開始後から予備加熱終了までの間においても、スタート・ストップボタン56の入力判定を行い得るようにアルゴリズムを構成してもよい。この場合、焼成炉20内の温度が設定温度に到達する前でも、スタート・ストップボタン56の入力ありと判定したときには、タイマーのカウントダウンを開始するとともにステップ207により、例えば、図11(c)に示した「調理中」の表示画面60mcを表示部51に表示するようにアルゴリズムを構成する。
【0052】
操作パネル50のコントローラは、ステップ208でタイマーの残り時間がゼロになり「YES」と判定すると、ステップ209により、例えば図11(d)に示した「調理完了」の表示画面60mdを表示部51に表示したりブザーユニット19を所定のビープ音で鳴動させて調理が完了した旨をユーザに告知したりする。これにより、焼成炉20内の被調理物は焼成が完了している蓋然性が高いため、ユーザは、オーブン調理装置10の扉21を開けて焼き上がったパン等の被調理物が入ったトレイを焼成炉20から取り出す。
【0053】
その後、コントローラは、本マニュアル運転処理を終えて通常運転処理(図9)に戻り、ステップ120で運転切でなければ「NO」と判定して、再度、マニュアル運転処理(S200)に移行する。つまり、「調理完了」の表示画面60mdでユーザが運転入/切ボタン55を押下しない場合には、再びマニュアル運転処理(S200)が実行される。これにより、被調理物の搬出等による扉21の開閉により、焼成炉20内の温度が設定温度未満に低下した場合には、ステップ201の予備加熱開始後、設定温度に到達するまで予備加熱されるため(S202~S204)、表示部51には表示画面60maが表示され(図11(a))、設定温度になると表示画面60mbが表示される(図11(b))。
【0054】
[機器設定処理]
次に図12及び図14を参照しながら、機器設定プログラムによる機器設定処理を説明する。なお、この実施形態では、機器設定プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。図14(a)に示したように、ホームメニューの表示画面60abにおいて、ジョグダイヤル58の操作により機器設定バー64が選択かつ決定されると、図12に示したように、コントローラは、まずステップ401により操作パネル50の表示部51に機器設定メニューを表示する。
【0055】
図14(b)に示したように、機器設定メニューの表示画面60saでは、例えば、1ページ目に「ドウコン連動」、「運転予約」、「スチーム時間」、「急速予熱モード」、「タイマー延長時間」等の設定項目が表示される。2ページ以降は画面下方に隠れて図示されていないが、ページ切替えにより「画面の明るさ」、「ブザー音量」、「終了時ブザー種類」、「終了時ブザー間隔」、「終了時ブザー長さ」等の項目も表示される。
【0056】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「ドウコン連動」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「ドウコン連動」)、ステップ410のドウコン連動設定処理に移行する。このドウコン連動設定処理(S410)では、ドウコンによりオーブン調理装置10を操作する(ドウコン連動する)か否か(ドウコン連動しない)を設定する。
【0057】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転予約」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「運転予約」)、ステップ430の運転予約設定処理に移行する。この運転予約設定処理(S430)については、図13図15を参照して後述する。
【0058】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「スチーム時間」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「スチーム時間」)、ステップ450のスチーム時間設定処理に移行する。このスチーム時間設定処理(S450)では、操作パネル50のスチームボタン52をユーザが押下した場合に蒸気発生部47から蒸気を発生させる時間(スチーム時間)を1秒~5秒の範囲で設定する。
【0059】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「急速予熱モード」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「急速予熱モード」)、ステップ470の急速予熱モード設定処理に移行する。この急速予熱モード設定処理(S470)では、オーブン調理装置10の電源オン後、最初(初回)の予熱中において下側及び上側ヒータ41,42の出力を最大に設定して予備加熱を行う(急速予熱モードする)か否か(急速予熱モードしない)を設定する。
【0060】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「タイマー延長時間」の項目が選択かつ決定されたと操作パネル50のコントローラが判定した場合には(S401;「タイマー延長時間」)、ステップ490のタイマー延長時間設定処理に移行する。このタイマー延長時間設定処理(S490)では、操作パネル50のタイマー延長ボタン57をユーザが押下した場合にタイマー時間を延長させる時間(タイマー延長時間)を10秒~60秒の範囲で設定する。
【0061】
なお、「画面の明るさ」、「ブザー音量」、「終了時ブザー種類」、「終了時ブザー間隔」、「終了時ブザー長さ」等の項目が選択された場合については説明を省略する。これらの各設定処理(S410,S430,S450,S470,S490等)が終了すると、ステップ401に戻り、再度、機器設定メニューの表示画面60saを表示する。ホームボタン53が押下されると、ホームメニューの表示画面60abを表示する。
【0062】
[運転予約設定処理]
次に図13図15を参照しながら、運転予約設定プログラムによる運転予約設定処理を説明する。なお、この実施形態では、運転予約設定プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。
【0063】
図14(b)~図14(d)に示したように、機器設定メニューにおいてジョグダイヤル58の操作により「運転予約」の項目が選択かつ決定されると、表示部51の表示は表示画面60sa→表示画面60sb→表示画面60scと遷移する。その後、図13に示したように、操作パネル50のコントローラは、ステップ431により操作パネル50の表示部51に運転予約の設定項目を表示する。図14(e)に示したように運転予約の設定項目の表示画面60raでは、「運転入日時」、「運転入時刻」、「運転切時刻」、「決定」の設定項目が表示される。これらはジョグダイヤル58の操作で選択かつ決定される。「運転入日時」は加熱の開始タイミングの月日情報である。「運転入時刻」は加熱の開始タイミングの時刻情報である。「運転切時刻」は加熱の終了タイミングの時刻情報である。
【0064】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転入日付」の項目が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S432;「運転入日付」)、図14(e)に示したような表示画面60raを表示してステップ433により予約運転を開始する日付(運転入日付)の入力を可能にする。日付として「-- / --」が表示されている場合には、デフォルト値として日付が設定されていなく未入力であることを表す。図14(f)に示した表示画面60rbのように、入力する日付の選択はジョグダイヤル58を左右(時計回りで日付が操作当日以降に進み、反時計回りで日付が操作当日以降の範囲で戻る)に回すことにより可能であり(S434;NO)、ユーザに選択された日付はジョグダイヤル58を押下することで決定される(S434;YES)。
【0065】
選択可能な日付は、ユーザが操作を行っている操作当日(現在の日付)から例えば10日間先や20日間先の範囲や、1週間(7日間)を超える所定のN週間(例えば2週間や3週間)先の範囲である。これにより、操作当日の翌日から、店舗の休業日として2週間の長期間休業を予定している場合においても、休業期間後の翌営業日の日付を選択し決定することが可能になる。このような日付情報は、操作パネル50のコントローラが備える時計機能(計時部)に基づいて作成されるカレンダ情報から取得される。
【0066】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転入時刻」の項目が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S432;「運転入時刻」)、図15(g)に示したような表示画面60rcを表示してステップ435により予約運転を開始する時刻(運転入時刻)の入力を可能にする。時刻として「--:--」が表示されている場合には、デフォルト値として時刻が設定されてなく未入力であることを表す。入力する時刻の選択はジョグダイヤル58を左右(時計回りで時刻が進み、反時計回りで時刻が戻る)に回すことにより可能であり(S436;NO)、ユーザに選択された時刻はジョグダイヤル58を押下することで決定される(S436;YES)。決定後は設定項目の表示に戻って図15(h)に示したような表示画面60rdを表示する。
【0067】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「運転切時刻」の項目が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S432;「運転切時刻」)、「運転入時刻」の項目が選択かつ決定された場合と同様に、ステップ437により予約運転を終了する時刻(運転切時刻)の入力を可能にし、ジョグダイヤル58による時刻の選択や決定を可能する(S438)。決定後は設定項目の表示に戻って図15(i)に示した表示画面60reのように表示する。
【0068】
この実施形態では、時刻を24時間制で表示する場合においては、運転入時刻や運転切時刻は、00:00~23:59の範囲で入力可能であるが、例えば、00:00~30:00の範囲で入力できるように構成してもよい。即ち、24時以降の午前0時~6時までの時刻を、例えば「24:00~30:00」というように表してもよい。また、時刻を12時間制で表示する場合においては、運転入時刻や運転切時刻は、午前00:00~午後11:59の範囲で入力可能であるが、例えば、午前00:00~翌日午前06:00の範囲で入力できるように構成してもよい。即ち、午前0時以降の午前0時~午前6時までの時刻を、例えば「翌日00:00~翌日06:00」というように表してもよい。これにより、ユーザに対してその時間情報が次の日の時間であることを、感覚的にわかり易く伝えることができる。なお、24時以降であれば、例えば、00:00~36:00等や翌日00:00~翌日12:00等の範囲で入力できるように構成してもよい。
【0069】
そして、運転入日付、運転入時刻及び運転切時刻のうち、少なくとも、運転入日付と運転入時刻、または運転切時刻が入力されている場合には(S439;YES)、図15(j)に示したような表示画面60rfが表示されて「決定」の選択が可能になる。つまり、運転入情報(運転入日付及び運転入時刻)または運転切情報(運転切時刻)のいずれか一方が入力されていれば「決定」の選択が可能になる。予約運転として、運転開始日時だけ、または運転終了時刻だけを設定することもできる。
【0070】
ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「決定」の項目が選択され(S432;「決定」)、かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S440;YES)、入力されて決定された予約情報をステップ441によりコントローラの不揮発性メモリに保存(記憶)する(S441)。その後、図15(k)に示したような表示画面60rgを表示した後(S442)、機器設定処理(図12のS401)に戻って図15(m)に示したような機器設定メニューの表示画面60sdを表示する。これにより、運転予約「する」に設定されたことを確認できる。
【0071】
[予約運転処理]
次に図16及び図17を参照しながら、予約運転プログラムによる予約運転処理を説明する。この実施形態では、予約運転プログラムは操作パネル50のコントローラのROMに格納されている。予約運転処理は、前述したメインプログラムによる主制御処理(図8)により、通常運転処理が行われなく(図8のS11;NO)、運転予約「する」に設定されており(同S14;YES)、かつ、予約日時が到来した場合(同S15;YES)に起動される。なお、この実施形態では、図16(a)及び図16(b)に示した2つの予約運転処理S150a,S150bが並行して実行される。予約運転は、オーブン調理装置10が予め設定された運転の開始日時と終了時刻においてマニュアル運転を行う動作態様であり、運転の開始日時(予約日時)の到来を契機にマニュアル運転処理(S200)を開始する一方で、運転の終了時刻の到来を契機にマニュアル運転処理を終了する必要があるからである。
【0072】
まず、図16(a)の予約運転処理S150aから説明する。操作パネル50のコントローラは、まずステップ151によりマニュアル運転を起動する処理を行う。これにより、マニュアル運転が開始される。マニュアル運転の詳細は、既に図10図11を参照して説明しているので、ここでは省略する。そして、このステップ151によるマニュアル運転処理は、ユーザが運転入/切ボタン55を1秒以上連続して押下して運転切の情報が入力されるまで繰り返し行われ(S152;NO)、運転切の情報が入力されると(S152;YES)、運転終了処理(S153)を行った後、本予約運転処理S150aを終えて主制御処理(図8)に戻る。運転終了処理(S153)では、前述の主制御処理に対して運転終了入力(運転終了情報)を出力する。
【0073】
これに対して、図16(b)の予約運転処理S150bでは、操作パネル50のコントローラは、まずステップ154により運転切時刻までの残り時間を計算した後、その残り時間が3分であるかを判定する。そして、残り時間が3分であれば「YES」と判定してステップ155により図17(a)に示した表示画面60rxを操作パネル50の表示部51に表示する。この表示画面60rxには、「お知らせ」の情報として、現在、予約運転されている状態において「運転予約設定」に移行していることや、予約運転による「運転切時間まで残り3分00秒」であること等が表示されている。また、運転予約を解除するか否かを選択することが可能なボタン(デフォルトは「しない」)も表示されている。
【0074】
運転予約を解除するか否かの選択は、ジョグダイヤル58を回すことで、図17(a)や図17(b)に示した表示画面60rx,60ryのように「しない」と「する」を交互に表示することにより行われ、また選択の確定、つまり決定はジョグダイヤル58を押すことにより行われる。ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「しない」が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S156;YES)、運転予約は解除しないことになるので、残り時間がゼロになると(S157;YES)、運転終了処理(S158)を行い、本予約運転処理S150bを終えて主制御処理(図8)に戻る。運転終了処理(S158)では、前述の主制御処理に対して運転終了入力(運転終了情報)を出力する。
【0075】
これに対して、運転切時間までの残り時間がゼロになる前に(S157;NO)、ユーザによるジョグダイヤル58の操作により「する」が選択かつ決定されたとコントローラが判定した場合には(S156;NO)、運転予約を解除することになるので、図17(c)に示した表示画面60rzを操作パネル50の表示部51に表示して、運転予約を解除した旨をユーザに告知する。そして、本予約運転処理S150bを終えて主制御処理(図8)に戻る。運転予約が解除された後は、通常のマニュアル運転の場合(図9のS120,S140)と同様に、ユーザによる運転入/切ボタン55の操作により運転切の情報が入力されるまで(S152;YES)、マニュアル運転処理(S151)が予約運転処理S150aにより繰り返し行われる(S152;NO)。
【0076】
上記のように構成したオーブン調理装置10では、ユーザは、図14及び図15に示したように操作パネル50から加熱の開始タイミングを月日情報(運転入日時)及び時刻情報(運転入時刻)で設定することが可能であり、操作パネル50のコントローラは、現在の月日情報及び時刻情報に基づいて開始タイミングが到来したと判定した場合(図8のS15;YES)、下側及び上側ヒータ41,42の加熱を開始する(図10のS201)。これにより、ユーザは、運転予約(予約機能)を利用する場合において、月日情報及び時刻情報により加熱の開始タイミングを直接的に設定でき、運転予約において誤設定を生じにくくすることができる。したがって、例えば、翌日以降の予約でも間違いにくい。
【0077】
また、上記のように構成したオーブン調理装置10では、ユーザは、図14及び図15に示したように操作パネル50から加熱の終了タイミングを時刻情報(運転切時刻)でユーザが設定可能であり、操作パネル50のコントローラは、現在の月日情報及び時刻情報に基づいて開始タイミングの月日における終了タイミングが到来したと判定した場合(図16(b)のS157;YES)、下側及び上側ヒータ41,42の加熱を終了する(図16(b)のS158、図8のS20;YES,S21)。これにより、加熱の開始タイミングに加えて、加熱の終了タイミングも予め設定できるため、例えば、店舗の営業終了時にユーザが運転入/切ボタン55を操作してオーブン調理装置10の電源を切り忘れても運転予約(予約機能)を利用することで自動的に下側及び上側ヒータ41,42の加熱を終了させることができる。
【0078】
また、上記のように構成したオーブン調理装置10では、操作パネル50は、終了タイミングの時刻情報として、時刻情報が午前零時から所定時間Xまでの間における時刻を表す場合には、(24+X)時間制、または翌日情報が付加された12時間制、で表された時刻情報で設定を受け付けることも可能である。例えば、24時間制においては、24時以降の午前0時~6時や12時までの時刻を、例えば「24:00~30:00」や「24:00~36:00」というように表すことができ、また12時間制においては、24時以降の午前0時~6時や12時までの時刻を、例えば「翌日00:00~翌日06:00」や「翌日00:00~翌日12:00」というように表すことができる。これにより、ユーザに対してその時間情報が次の日の時間であることを、感覚的にわかり易く伝えることができる
【0079】
また、上記のように構成したオーブン調理装置10では、操作パネル50は、開始タイミングの月日情報として、現在の日付から1週間を超える所定のN週間(例えば10日間先や20日間先の範囲)までの間の月日情報の設定を受け付けられる。これにより、例えば、店舗の休業日として、1週間(7日間)を超えて連続して休業(例えば2週間の長期間休業)するような場合においても、ユーザは、加熱の開始タイミングを月日情報及び時刻情報により直接的に設定でき、運転予約(予約機能)を利用することができる。
【0080】
なお、上記のオーブン調理装置10は、開始タイミングの月日情報として、現在の日付から1週間(7日間)以内の月日情報の設定も当然に受け付けるが、例えば、このような1週間以内の月日情報の設定だけを受け付け、1週間を超える月日情報の設定は受け付けないようにオーブン調理装置10を構成してもよい。これにより、直近1週間だけ予約機能が利用できるため、店舗の営業形態上、1週間を超える休業期間の設定があり得ないユーザにニーズに適合した予約機能を提供することができる。
【0081】
また、この実施形態のオーブン調理装置10では、上記の各制御処理等を操作パネル50のコントローラが実行する場合を例示して説明したが、主制御処理(図8)、通常運転処理(図9)、マニュアル運転処理(図10)、機器設定処理(図12)、運転予約設定処理(図13)、予約運転処理(図16)等を制御装置70が実行するように構成してもよい。このような構成においても、上述の操作パネル50のコントローラとほぼ同様に、上記の各制御処理等を実行することによる技術的な作用及び効果を得ることができる。
【0082】
また、この実施形態のオーブン調理装置10では、焼成炉内を加熱するヒータとして、上下2つの下側及び上側ヒータ41,42を備える場合を例示して説明したが、1つのヒータ(下側ヒータ41または上側ヒータ42)で焼成炉20内を加熱するように構成してもよい。また、焼成炉20内の温度を検出するセンサ(温度検出部)についても、上下2つの下側温度センサ43及び上側温度センサ44を備える場合を例示して説明したが、1つのセンサ(下側温度センサ43または上側温度センサ44)で焼成炉20内の温度を検出するように構成してもよい。このような構成においても、上述とほぼ同様の技術的な作用及び効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0083】
10…オーブン調理装置、20…焼成炉、41…下側ヒータ(ヒータ)、42…上側ヒータ(ヒータ)、50…操作パネル(予約部)、70…制御装置(制御部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17