(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019625
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】特装車作動状況管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230202BHJP
B65F 3/00 20060101ALI20230202BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20230202BHJP
B60P 3/00 20060101ALI20230202BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230202BHJP
H04M 1/72 20210101ALI20230202BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
G06Q50/10
B65F3/00 L
G06Q10/00 300
B60P3/00 Q
H04M11/00 301
H04M1/72
H04M1/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124513
(22)【出願日】2021-07-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】今岡 大策
(72)【発明者】
【氏名】尾原 歩希
(72)【発明者】
【氏名】福原 健大朗
(72)【発明者】
【氏名】三浦 裕太郎
【テーマコード(参考)】
3E024
5K127
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
3E024AA04
3E024BA01
3E024DB03
3E024DC03
3E024FA02
3E024GA01
3E024HB02
3E024HB03
3E024HE01
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127DA15
5K127GA14
5K127GA18
5K127GD03
5K127KA01
5K201BA02
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED04
5L049AA06
5L049CC11
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】 管理者が安全装置の不適切動作を把握する。
【解決手段】 特装車から安全装置作動情報を受信すると停止判定か否か判断する(S5)。緊急停止した場合には、停止判定であると判断して、ユーザ側管理者端末装置120へメッセージを送信する(S11)。ユーザ側管理者端末装置120は、かかるメッセージを受信すると、当該メッセージをモニタに、警告表示する(S23)。この警告表示には、登録番号、車両情報、日時および位置データ等を含む。したがって、ユーザ側管理者端末装置120の操作者がユーザ側管理者端末装置120で、他の特装車に関する情報を閲覧している時でも、前記特装車における安全装置作動を気付きやすい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置から、前記制御対象装置の作動状況を受け取り、前記作動状況を管理する特装車作動状況管理システムであって、
B)少なくとも1のユーザ携帯装置、および少なくとも1のユーザ側管理者端末装置を備え、
C)前記ユーザ携帯装置は、前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、前記ユーザ管理者端末装置に前記安全装置作動情報または前記安全装置作動情報に基づいて生成される安全装置作動出力情報を送信する安全装置作動情報管理手段を有すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項2】
特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置、
前記制御対象装置の作動状況を管理する特装車管理サーバ、
を備えた特装車作動状況管理システムであって、
前記特装車車両側制御装置は、前記架装物の安全装置作動情報を検出するとこの安全装置作動情報を、直接又は間接に前記特装車管理サーバに送信する送信手段を有し、
前記特装車管理サーバは、前記受け取った安全装置作動情報を記憶する安全装置作動情報記憶手段を有すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項3】
請求項1の特装車作動状況管理システムにおいて、
D)前記ユーザ管理者端末装置は、前記受け取った安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報、または前記受け取った安全装置作動出力情報を操作者に伝達する伝達手段を有すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項4】
請求項2の特装車作動状況管理システムにおいて、
前記特装車管理サーバにアクセス可能なユーザ側管理者端末装置をさらに備え、
前記特装車管理サーバは、前記安全装置作動情報または、前記安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を、前記ユーザ管理者端末装置に送信する制御手段を有し、
前記ユーザ管理者端末装置は、前記受け取った安全装置作動情報または前記安全装置作動出力情報を操作者に伝達する伝達手段を有すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの特装車作動状況管理システムにおいて、
前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、前記ユーザ管理者端末装置に前記安全装置作動情報または前記安全装置作動情報に基づいて生成される安全装置作動出力情報を送信する安全装置作動情報管理手段を有するユーザ携帯装置を備え、
前記安全装置作動情報管理手段は、前記特装車車両側制御装置との無線通信接続が切断された切断情報を安全装置作動情報として含むこと、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項6】
請求項1または請求項3の特装車作動状況管理システムにおいて、
前記安全装置作動情報管理手段は、前記安全装置作動情報を一時記憶しておき、あらかじめ定められたタイミングになると、記憶している安全装置作動情報、または前記安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を、前記ユーザ管理者端末装置へ送信すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項7】
請求項2または請求項4の特装車作動状況管理システムにおいて、
前記特装車管理サーバの制御手段は、前記安全装置作動情報を前記安全装置作動情報記憶手段に一時記憶しておき、あらかじめ定められたタイミングになると、記憶している安全装置作動情報、または前記安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を、前記特装車管理サーバへ送信すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかの特装車作動状況管理システムにおいて、
前記ユーザ携帯装置は、直接的に前記ユーザ管理者端末装置へ、または前記特装車管理サーバを介して間接的に前記ユーザ管理者端末装置へ、前記安全装置作動情報または、生成した安全装置作動情報画面を送信するにあたり、危険性が低い場合と高い場合で、送信の有無を設定可能であること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかの特装車作動状況管理システムにおいて、
前記安全装置作動出力情報は、詳細情報を取得可能なURIを含んでおり、
前記詳細情報を取得可能なURIは、前記特装車管理サーバの、前記ユーザ管理者端末装置のユーザ用の前記ユーザ携帯装置と近距離無線通信する特装車用の記憶領域ファイルを示しており、
前記安全装置作動出力情報には前記安全装置が作動したことおよび当該特装車を特定するための特装車識別子が含まれていること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかの特装車作動状況管理システムにおいて、
前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、前記ユーザ管理者端末装置に前記安全装置作動情報または前記安全装置作動情報に基づいて生成される安全装置作動出力情報を送信する安全装置作動情報管理手段を有するユーザ携帯装置を備え、
前記架装物の安全装置は、操作者によって、前記停止状態と前記停止状態から再開する再開状態との切り替えが可能であり、
前記ユーザ携帯装置は、前記安全装置が停止状態また再開状態となると、前記特装車管理サーバへ安全装置作動情報として送信し、
前記特装車管理サーバの制御手段は、前記ユーザ端末から停止状態となった安全装置作動情報を受信後、所定時間内に再開状態となる安全装置作動情報を受信しなかった場合には、前記ユーザ側管理者端末装置に、前記安全装置作動情報または、生成した安全装置作動情報画面を送信すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【請求項11】
請求項1の特装車作動状況管理システムにおけるユーザ携帯装置であって、
前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報に基づいて安全装置作動出力情報を生成するとともに、この安全装置作動出力情報を前記ユーザ側管理者端末装置に送信すること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【請求項12】
特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置から前記制御対象装置の作動状況を受け取ると、特装車管理サーバに前記作動状況を送信するユーザ携帯装置であって、
前記特装車車両側制御装置から前記制御対象装置の作動状況を受け取って、受け取った安全装置作動情報または受け取った安全装置作動情報に基づいて生成した安全装置作動出力情報を、前記作動状況として前記特装車管理サーバに送信する安全装置作動情報管理手段を有すること、
を特徴とするユーザ携帯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特装車作動状況管理システムに関し、特に、特装車の不適切動作データの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には塵芥車の安全装置として、カメラにより投入口に近づく人物を検知して警告、積込装置を停止する安全停止技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の塵芥車の安全停止技術には以下の問題があった。
【0005】
このように安全装置が動作したとしても、現場には管理者がいないため、管理者は、安全装置がいつ作動したのか、さらに、どの程度の危険度であったのかを把握することができない。そのため、そのような原因を取り除く対策を採りにくい。
【0006】
この発明は、上記問題を解決し、管理者が安全装置の不適切動作を把握できる特装車における特装車作動状況管理システム提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明にかかる特装車作動状況管理システムは、A)特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置から、前記制御対象装置の作動状況を受け取り、前記作動状況を管理する特装車作動状況管理システムであって、B)少なくとも1のユーザ携帯装置、および少なくとも1のユーザ側管理者端末装置を備え、C)前記ユーザ携帯装置は、前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、前記ユーザ管理者端末装置に前記安全装置作動情報または前記安全装置作動情報に基づいて生成される安全装置作動出力情報を送信する安全装置作動情報管理手段を有する。
【0008】
したがって、特装車車両側制御装置から送られた前記安全装置作動情報または前記安全装置作動出力情報を前記ユーザ側管理者端末装置に与えることができる。
【0009】
(2)本発明にかかる特装車作動状況管理システムは、特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置、前記制御対象装置の作動状況を管理する特装車管理サーバ、を備えた特装車作動状況管理システムであって、前記特装車車両側制御装置は、前記架装物の安全装置作動情報を検出するとこの安全装置作動情報を、直接又は間接に前記特装車管理サーバに送信する送信手段を有し、前記特装車管理サーバは、前記受け取った安全装置作動情報を記憶する安全装置作動情報記憶手段を有する。
【0010】
したがって、特装車車両側制御装置から送られた安全装置作動情報を特装車管理サーバに記憶することができる。
【0011】
(3)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては前記ユーザ管理者端末装置は、前記受け取った安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報、または前記受け取った安全装置作動出力情報を操作者に伝達する伝達手段を有する。したがって、前記ユーザ管理者端末装置の操作者に、前記受け取った安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を伝達することができる。
【0012】
(4)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記特装車管理サーバにアクセス可能なユーザ側管理者端末装置をさらに備え、前記特装車管理サーバは、前記安全装置作動情報または、前記安全装置作動情報画面データから生成した画面データを、前記ユーザ管理者端末装置に送信する制御手段を有し、前記ユーザ管理者端末装置は、前記受け取った安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報、または前記受け取った安全装置作動出力情報を操作者に伝達する伝達手段を有する。したがって、前記ユーザ管理者端末装置の操作者に、前記受け取った安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を伝達することができる。
【0013】
(5)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、前記ユーザ管理者端末装置に前記安全装置作動情報または前記安全装置作動情報に基づいて生成される安全装置作動出力情報を送信する安全装置作動情報管理手段を有するユーザ携帯装置を備え、前記安全装置作動情報管理手段は、前記特装車車両側制御装置との無線通信接続が切断された切断情報を安全装置作動情報として含む。したがって、前記ユーザ携帯装置と前記特装車車両側制御装置間の無線通信接続が切断された場合も、安全装置が作動した情報とすることができる。
【0014】
(6)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記安全装置作動情報管理手段は、前記安全装置作動情報を一時記憶しておき、あらかじめ定められたタイミングになると、記憶している安全装置作動情報、または前記安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を、前記ユーザ管理者端末装置へ送信する。したがって、特装車車両側制御装置から送られた前記安全装置作動情報または前記安全装置作動出力情報を前記ユーザ側管理者端末装置に、前記あらかじめ定めたタイミングで与えることができる。
【0015】
(7)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記安全装置作動情報管理手段は、前記安全装置作動情報を一時記憶しておき、あらかじめ定められたタイミングになると、記憶している安全装置作動情報、または前記安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を、前記特装車管理サーバへ送信する。したがって、特装車車両側制御装置から送られた前記安全装置作動情報または前記安全装置作動出力情報を前記ユーザ側管理者端末装置に、前記あらかじめ定めたタイミングで与えることができる。
【0016】
(8)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記ユーザ携帯装置は、直接的に前記ユーザ管理者端末装置へ、または前記特装車管理サーバを介して間接的に前記ユーザ管理者端末装置へ、前記安全装置作動情報または、生成した安全装置作動情報画面を送信するにあたり、危険性が低い場合と高い場合で、送信の有無を設定可能である。したがって、危険性の低い場合と高い場合で送信の有無を切り替え可能である。これにより、危険度の低い安全装置作動情報がユーザ側管理者端末装置に頻繁に送られることがない。
【0017】
(9)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記安全装置作動出力情報は、詳細情報を取得可能なURIを含んでおり、前記詳細情報を取得可能なURIは、前記特装車管理サーバの前記ユーザ管理者端末装置のユーザ用の前記ユーザ携帯装置と近距離無線通信する特装車用の記憶領域ファイルを示しており、前記安全装置作動出力情報には前記安全装置が作動したことおよび当該特装車を特定するための特装車識別子が含まれている。したがって、詳細情報が必要でない場合には前記安全装置が作動したことおよび当該特装車を特定するための特装車識別子を、前記詳細情報が必要な場合には、取得可能な特装車作動状況管理システムを実現できる。
【0018】
(10)本発明にかかる特装車作動状況管理システムにおいては、前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、前記ユーザ管理者端末装置に前記安全装置作動情報または前記安全装置作動情報に基づいて生成される安全装置作動出力情報を送信する安全装置作動情報管理手段を有するユーザ携帯装置を、備え、前記架装物の安全装置は、操作者によって、前記停止状態と前記停止状態から再開する再開状態との切り替えが可能であり、前記ユーザ携帯装置は、前記安全装置が停止状態また再開状態となると、前記特装車管理サーバへ安全装置作動情報として送信し、前記特装車管理サーバの制御手段は、前記ユーザ端末から停止状態となった安全装置作動情報を受信後、所定時間内に再開状態となる安全装置作動情報を受信しなかった場合には、前記ユーザ側管理者端末装置に、前記安全装置作動情報または、生成した安全装置作動情報画面を送信する。前記特装車管理サーバは、前記ユーザ端末から停止状態となった安全装置作動情報を受信後、所定時間内に再開状態となる安全装置作動情報を受信しなかった場合には、前記ユーザ側管理者端末装置に、前記安全装置作動情報または、生成した安全装置作動情報画面を送信することができる。
【0019】
(11)本発明にかかるユーザ携帯装置は、前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報に基づいて安全装置作動出力情報を生成し、この安全装置作動出力情報を前記ユーザ側管理者端末装置に送信する。
【0020】
したがって、特装車車両側制御装置から送られた前記安全装置作動情報または前記安全装置作動出力情報を前記ユーザ側管理者端末装置に与えることができる。
【0021】
(12)本発明にかかるユーザ携帯装置は、特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置から前記制御対象装置の作動状況を受け取ると、特装車管理サーバに前記作動状況を送信するユーザ携帯装置であって、前記特装車車両側制御装置から前記制御対象装置の作動状況を受け取って、受け取った安全装置作動情報または受け取った安全装置作動情報に基づいて生成した安全装置作動出力情報を、前記作動状況として前記特装車管理サーバに送信する安全装置作動情報管理手段を有する。
【0022】
したがって、特装車車両側制御装置から送られた前記安全装置作動情報または前記安全装置作動出力情報を前記特装車管理サーバに与えることができる。
【0023】
請求項にて用いた用語と、実施形態における対応について説明する。
【0024】
「制御対象装置」とは、実施形態では、油圧ポンプP、マルチバルブMV、各種シリンダA1~A4、昇降体4、圧縮板5などが該当する。「制御対象装置制御部」は、実施形態では、架装物側制御装置UKが該当する。
【0025】
「安全装置作動情報」とは、特装車の架装物に関する安全装置が作動したこと示す情報をいい、実施形態では
図6に示す安全装置作動情報が該当する。「安全装置作動出力情報」とは、実施形態では「安全装置作動情報」から生成したアラート用の画面が該当する。なお、実施形態では表示画面としたが、ユーザ側管理者端末装置120の操作者に前記安全装置が作動したことを伝達できる物であればよいので、音情報、触覚情報など人間に伝達できる情報であれば、どのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】特装車作動状況管理システム1において採用する塵芥収集車Vについて一部を破断した全体側面図である。
【
図2】塵芥収集車Vにおける各部の制御関係を説明するための概略図である。
【
図3】特装車作動状況管理システム1の機能ブロック図である。
【
図4】特装車管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】ユーザ別車両データ、特装車稼動動作データの一例を示す図である。
【
図6】安全装置作動状況情報の一例を示す図である。
【
図7】ユーザ携帯装置160のハードウェア構成を示す図である。
【
図8】ユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成を示す図である。
【
図9】ユーザ携帯装置160からユーザ側管理者端末装置120へのアラート表示のフローチャートである。
【
図11】ユーザ携帯装置160から特装車管理サーバ100への安全装置作動情報送信のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明における実施形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
(1.特装車の説明)
まず、本特装車作動状況管理システム1で用いる特装車である塵芥収集車Vについて説明する。
【0029】
図1に示す塵芥収集車Vは、ベース車両Vbと、そのベース車両Vbの組立完成後にその車体F上に架装される塵芥収集作業用の架装物Kとから構成されている。ベース車両Vbには車両側制御装置UVが、また架装物Kには架装物側制御装置UKがそれぞれ配備されている。
【0030】
図2に示すように、ベース車両Vbの車体Fには、エンジンE、バッテリB、電動モータM、動力選択取出機構PS、および車両側制御装置UVが搭載されている。
【0031】
エンジンEは車輪Wに駆動力を付与する。電動モータMはバッテリBにインバータ12を介して接続されてバッテリBからの電力で作動する。動力選択取出機構PSは、エンジンE及び電動モータMを含む駆動系としての車輪駆動系DからエンジンE又は電動モータMの動力を選択的に取出可能である。車両側制御装置UVはマイコンを主要部として構成されており、エンジンE、電動モータM、バッテリB及び電磁クラッチ11を制御する。エンジンEを始動操作するためのスタータスイッチS-SWも、車両側制御装置UVに接続されている。
【0032】
なお、車両側制御装置UVと、エンジンE、電動モータM及びバッテリBとの各間は、実際には複数の電力線及び/又は信号線で各々接続されるが、その表示を
図2では簡略的に示している。
【0033】
動力取出装置PTOの出力側は、架装物Kの一部である油圧ポンプPに連動、連結される。また、動力取出装置PTOは、車両側制御装置UVに接続されており、同じく車両側制御装置UVに接続された動力取出スイッチP-SWへの操作入力に応じて、変速機10(
図1参照)の出力を車輪W側と油圧ポンプP側とに選択的に切り換えて伝達する。具体的には、動力取出スイッチP-SWがオフ(OFF)の状態では、変速機10の出力が車輪W側に伝達されて走行駆動に利用される。これに対して、同スイッチP-SWがオン操作された状態では、変速機10の出力が油圧ポンプP側に伝達されてポンプ駆動に利用される。
【0034】
架装物Kは、後端を開放したボックス状の塵芥収容箱1をベース体(架装物本体)としており、この塵芥収容箱1は、ベース車両Vbの車体F上に後付けで搭載、固定される。塵芥収容箱1の後端には塵芥投入箱3が連設されている。塵芥投入箱3は、塵芥を塵芥収容箱1内に投入するための塵芥投入口3aを後端に有する。開閉扉3tは塵芥投入口3aを開閉する。
【0035】
塵芥投入箱3内には、作業機としての塵芥積込装置2が設けられる。塵芥積込装置2は、投入箱3が積込位置にあるときに、投入箱3内の投入塵芥を塵芥収容箱1内に強制的に積み込む。
【0036】
塵芥積込装置2の構造は、圧縮板式と呼ばれる従来周知のものであり昇降体4、第2シリンダA2、圧縮板5、第3シリンダA3とを有する。昇降体4は、塵芥収容箱1の後端開口1aに臨む位置で塵芥投入箱3の左右両側壁に昇降可能に支持されている。第2シリンダA2は、昇降体4と、その昇降体4を強制昇降させる。圧縮板5は、昇降体昇降用の第2シリンダA2と、塵芥投入箱3内でその横幅一杯に延び且つ昇降体4の下部に前後回動可能に軸支されている。第3シリンダA3は圧縮板5を強制回動させる。
【0037】
また、
図1に示す塵芥投入箱3の塵芥投入口3a周辺の外面には後部操作盤CRが固定、支持されている。後部操作盤CRには、操作スイッチCR-SW1~3、第1動力源選択スイッチM-SW1、および報知ランプL1~L5が設けられる。操作スイッチCR-SW1~3は、塵芥積込装置2の作動態様を選択操作する。特に操作スイッチCR-SW3は危険状態の場合に緊急停止を指示するスイッチである。第1動力源選択スイッチM-SW1はオン操作されたときモータ選択信号を出力する。これにより、油圧ポンプPはエンジンEで駆動されるエンジン駆動状態から、電動モータMで駆動されるモータ駆動状態に切り換えられる。
【0038】
図1に示すように、ベース車両Vbの運転室内には、操作盤CFを有するキャビン内制御装置UFが設けられている。キャビン内制御装置UFは
図2に示すように、マイコン61、近距離無線通信ユニット63、アンテナ65、および操作盤CFを有する。
【0039】
操作盤CFには、操作スイッチCF-SW1~3、第2動力源選択スイッチM-SW2、および報知ランプL1~L5が設けられる。操作スイッチCF-SW1~3は、操作スイッチCR-SW1~3と同様、塵芥積込装置2及び塵芥排出装置7の作動態様を選択操作する。第2動力源選択スイッチM-SW2は、前記第1動力源選択スイッチM-SW2と同様、オン操作されたときモータ選択信号を出力する。
【0040】
また、
図1に示すように、塵芥投入箱3の上部にはカメラ53が設けられている。かかるカメラ53からの画像は、制御ユニットボックスUKB内に設けられた画像処理部51にて画像が解析される。画像処理部51は架装物側制御装置UKと接続されており、前記画像解析により危険状態と判断すると架装物側制御装置UKに緊急停止信号を出力する。すなわち操作スイッチCR-SW3が押された状態と同じとなる。
【0041】
なお本実施形態においては、特装車として塵芥収集車を例として説明したが、塵芥収集車には限定されない。
【0042】
2. 特装車作動状況管理システム1の全体概要
特装車作動状況管理システム1は、
図3示すように、特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置201から、制御対象装置210の作動状況を管理するシステムであって、特装車管理サーバ100、ユーザ携帯装置160、ユーザ側管理者端末装置120および特装車180aを備えている。
【0043】
特装車180aの特装車車両側制御装置201は、近距離無線送受信手段203、稼働データ記憶手段205、特装車特定データ記憶手段209、および制御手段207、安全支援手段208を有する。近距離無線送受信手段203は、特装車車両側制御装置201の近距離無線送受信手段164と近距離無線通信によって接続する。稼働データ記憶手段205は、制御対象装置210の稼働動作データを記憶する。特装車特定データ記憶手段209は特装車の識別子を記憶する。安全支援手段208は、制御対象装置210における危険な動作を検知して停止などを行う支援手段である。実施形態では、警告・停止領域に人が存在しないかを画像検出し、警告または停止処理を行っているが、これに限定されず、各種のセンサーなどにより異常を検出してその段階で停止させる場合も含む。制御手段207は稼働データ記憶手段205に記憶された稼動動作データを近距離無線送受信手段203で送信する際の管理を行う。
【0044】
ユーザ携帯装置160は、近距離無線送受信手段164、稼働動作データ管理手段167、および安全装置作動情報管理手段163を有する。
【0045】
安全装置作動情報管理手段163は、近距離無線送受信手段164に特装車車両側制御装置201と無線通信接続させ、架装物の安全装置作動情報を取得するとこの安全装置作動情報を記憶するともに、この安全装置作動情報から安全装置作動出力情報を生成して、定められた送信条件に基づいてユーザ側管理者端末装置120に送信する。また、安全装置作動情報管理手段163は、かかる安全装置作動情報を特装車管理サーバ100に送信する。
【0046】
稼働動作データ管理手段167は、近距離無線送受信手段164に特装車車両側制御装置201と無線通信接続させ、架装物の稼働動作データを取得するとともに、取得した稼働動作データを、定められた送信条件に基づいて特装車管理サーバ100に送信する。
【0047】
ユーザ側管理者端末装置120は、伝達手段121を有する。伝達手段121は、通知管理手段125および表示手段123を有する。
【0048】
通知管理手段125はユーザ携帯装置160から、安全装置作動出力情報を受信すると表示手段123に表示する。すなわち、通知管理手段125および表示手段123で伝達手段121を構成しており、伝達手段121は、前記受け取った安全装置作動出力情報を操作者に伝達する。
【0049】
特装車管理サーバ100は、安全装置作動情報記憶手段103、稼働動作データ記憶手段107、制御手段105を備えている。
【0050】
安全装置作動情報記憶手段103は、ユーザ携帯装置160から受信した安全装置作動情報を記憶する。稼働動作データ記憶手段107はユーザ携帯装置160から受信した稼働動作データを記憶する。これらの処理は制御手段105が行う。
【0051】
本実施形態においては、制御手段105は、ユーザ側管理者端末装置120への送信時に、安全装置作動情報から安全装置作動出力情報を生成するようにしたが、かかる生成時期は、記憶時から送信時の間であればいつであってもよい。
【0052】
本実施形態においては、ユーザ携帯装置160からユーザ側管理者端末装置120へ安全装置作動出力情報を与えるようにしたが、特装車管理サーバ100に、一旦、前記安全装置作動情報を記憶させて、特装車管理サーバ100が安全装置作動情報から安全装置作動出力情報を生成し、これをユーザ側管理者端末装置120に送信するようにしてもよい。また、安全装置作動情報をユーザ管理者端末装置120に送信して、ユーザ管理者端末装置120にて安全装置作動出力情報を生成して通知するようにしてもよい。
【0053】
また、安全装置作動情報管理手段163は、特装車車両側制御装置201との無線通信接続が切断された切断情報を安全装置作動情報として含むようにしてもよい。
【0054】
また、安全装置作動情報管理手段163は、特装車車両側制御装置201から受け取った安全装置作動情報を一時記憶しておき、あらかじめ定められたタイミングになると、記憶している安全装置作動情報から安全装置作動出力情報を生成して、生成した安全装置作動出力情報をユーザ管理者端末装置120へ送信するようにしてもよい。安全装置作動出力情報を生成するタイミングは、送信時だけでなく、任意である。
【0055】
また、安全装置作動情報管理手段163は、前記安全装置作動情報を一時記憶しておき、あらかじめ定められたタイミングになると、記憶している安全装置作動情報を特装車管理サーバ100へ送信するようにしてもよい。
【0056】
ユーザ携帯装置160は、直接的にユーザ管理者端末装置120へ、または特装車管理サーバ100を介して間接的にユーザ管理者端末装置120へ、安全装置作動情報または、生成した安全装置作動情報画面を送信する際、危険性の低い場合と危険性が高い場合とでは、前者の方が、前記特装車車両側制御装置から前記安全装置作動情報を受け取ってからの経過時間が長くなるように、送信するようにしてもよい。
【0057】
安全装置作動出力情報は、詳細情報を取得可能なURIを含んでおり、前記詳細情報を取得可能なURIは、特装車管理サーバ100の、ユーザ管理者端末装置120のユーザ用のユーザ携帯装置160と近距離無線通信する特装車用の記憶領域ファイルを示しており、前記安全装置作動出力情報には前記安全支援手段208が作動したことおよび当該特装車を特定するための特装車識別子を含むようにしてもよい。
【0058】
3.ハードウェア構成
(3.1 特装車管理サーバ100のハードウェア構成)
特装車管理サーバ100を、CPUを用いて構成したハードウェア構成について、
図4を用いて説明する。
【0059】
特装車管理サーバ100は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、入力デバイス28、通信ボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
【0060】
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26m、ユーザ別車両データ記憶部26c、安全装置作動情報記憶部26S、および特装車稼働動作データ記憶部26dを有する。
【0061】
ユーザ別車両データ26cのデータ構造を
図5Aに示す。ユーザ別車両データ26cはユーザIDごとに当該ユーザが管理する特装車の製造番号が対応づけて記憶されている。
【0062】
特装車稼働動作データ記憶部26dに記憶される稼働動作データのデータ構造を
図5Bに示す。稼働動作データは、製造番号に対応付けて、時刻、積算積込回数、積算TG上昇回数、PTO稼働時間、および位置データが記憶されている。かかる稼働動作データはユーザ携帯装置160を介して与えられる。
【0063】
安全装置作動情報記憶部26Sに記憶される安全装置作動情報のデータ構造を
図6Aに示す。安全装置作動情報は、ユーザID、製造番号、判定種別、装置異常の有無、発生日時、位置、画像ファイル名、動画ファイル名で構成されている。判定種別とは、本実施形態においては「警告判定」と「停止判定」としたが、これに限定されない。装置異常とは、後述するように、特装車の架装物Kにおけるセンサが検出する。
【0064】
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、Windows 10(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
【0065】
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたCD-ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
【0066】
本実施形態においては、プログラムをCD-ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CD-ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CD-ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
【0067】
(3.2 ユーザ携帯装置160のハードウェア構成)
ユーザ携帯装置160について
図7を用いて説明する。同図は、ユーザ端末装置160を、CPUを用いて構成したハードウェア構成の一例である。
【0068】
ユーザ端末装置160は、一般的なスマートフォンの構成であり、CPU123、メモリ127、フラッシュメモリ126、表示部130、無線通信部128、操作部125、音声入出力部124、位置情報検出部122、近距離無線通信ユニット121、およびバスライン129を備えている。位置情報検出部122は、GNNS(Global Navigation Satellite System)により位置情報を検出するモジュールである。近距離無線通信ユニット121はBluetooth(登録商標)規格での通信をおこなう。本実施形態においては、OSとしてiOS(商標)を採用した。
【0069】
CPU123は、フラッシュメモリ126に記憶された各プログラムにしたがいバスライン129を介して、各部を制御する。
【0070】
フラッシュメモリ126は、オペレーティングシステムプログラム126o(以下OSと略す)、メインプログラム126mを有する。
【0071】
メインプログラム126mの処理は後述する。
【0072】
本実施形態においては、近距離無線通信ユニットとして、Bluetooth(登録商標)を採用したが、これに限定されない。
【0073】
稼働動作データは、以下の手順でユーザ端末装置160から特装車管理サーバ100に送信される。CPU123はメインプログラム126mに基づいて、特装車車両側制御装置201と定期的に(たとえば30秒毎)近距離無線で接続するとともに、稼働動作データの取得命令を与える。特装車の特装車車両側制御装置201はかかる取得命令を受けとると、架装物側制御装置UK内のメモリ(
図2にて図示せず)に記憶されている稼働動作データを、ユーザ端末装置160に送信する。CPU123はかかる稼働動作データを受け取るとこれを特装車管理サーバ100に送信する。
【0074】
(3.3 ユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成)
図8にユーザ側管理者端末装置120のハードウェア構成を示す。基本的な構成は
図4と同様である。
【0075】
ハードディスク226は、オペレーティングシステムプログラム226o、基本プログラム226mを有する。基本プログラム226mの処理は特装車管理サーバ100へのログイン処理、管理する特装車およびユーザ携帯装置160の管理処理などである。また後述するように、ユーザ携帯装置160から受け取った安全支援装置情報のアラート表示を行う。
【0076】
4.安全装置作動情報の通知処理
(4.1 第1実施形態)
図9を用いて、製造番号18R830001Mの特装車にて、操作スイッチCR-SW3が操作されることにより緊急停止した場合について説明する。
【0077】
特装車の架装物側制御装置UK(
図2参照)は、操作スイッチCR-SW3が操作されると、マイコン61を有するキャビン内制御装置UFへ送信する。マイコン61は、かかる安全装置作動情報を、近距離無線通信ユニット63を介して、ユーザ携帯装置160へ送信する。
【0078】
ユーザ携帯装置160は、かかる安全装置作動情報を、近距離無線通信ユニット121を介して受信するか、およびブルートゥース通信が切断されたかの判断を繰り返している(ステップS1,S3)。
【0079】
したがって、安全装置作動情報を受信すると、停止判定か否か判断する(ステップS5)。
【0080】
この場合、操作スイッチCR-SW3が操作されることにより緊急停止したので、停止判定であると判断して、ユーザ側管理者端末装置120へメッセージを送信する(ステップS11)。
【0081】
ユーザ側管理者端末装置120のCPU223は、かかるメッセージを受信するか否か判断している(ステップS21)。したがって、かかるメッセージを受信すると、当該メッセージをモニタ230(
図8参照)に、警告表示する(ステップS23)。
図10Aに警告表示の例を示す。かかるアラート画面は、ユーザ携帯装置160が、特装車IDである製造番号ごとに、登録番号、行315(車両情報を記憶するURL)を記載したひな形データを記憶しておき、行311の日時および行313の位置データは、位置情報検出部122から取得して、アラート表示画面を生成すればよい。この例では、行315のURLは、ユーザ名および製造番号で特定したがこれに限定されない。
【0082】
なお、かかる警告表示は、ポップアップ表示、警告メッセージ、警告アイコンの点灯、バナー表示いずれであってもよい。
【0083】
このように、本実施形態においては、ユーザ携帯装置160が安全装置作動を受信すると、ユーザ側管理者端末装置120のモニタ画面にアラート表示がなされる。したがって、ユーザ側管理者端末装置120の操作者(管理者)がユーザ側管理者端末装置120で、他の特装車に関する情報を閲覧している時でも、前記特装車における安全装置作動を気付きやすい。
【0084】
なお、ステップS11のあと、特装車管理サーバ100へ安全装置作動情報を送信する(ステップS13)。本実施形態においては、安全装置作動情報として、ユーザID、製造番号、判定種別、装置異常の有無、発生日時、位置、画像ファイル名、動画ファイル名を採用した。前記ユーザIDは、ユーザ携帯装置160が特装車管理サーバ100にログインしたときに、ユーザ携帯装置160に入力されるため、これをフラッシュメモリ126に一時的に記憶しておけばよい。また、ユーザ携帯装置160からは与えることなく、特装車管理サーバ100が、ユーザ別車両データ(
図5A参照)と前記製造番号とから特定して記載するようにしてもよい。
【0085】
これにより、
図6Bに示すように、製造番号18R830001Mの特装車の安全装置作動情報が追加される。なお、画像ファイル「127.jpg」はカメラ53(
図2参照)で自動撮像されたデータである。
【0086】
また、ステップS3にて、ブルートゥース通信が切断されている場合、ユーザ携帯装置160のCPU123は、ユーザ側管理者端末装置120へメッセージを送信する(ステップS15)。ユーザ携帯装置160と特装車車両側制御装置180(
図3参照)間のブルートゥース通信が切断されている場合は、特装車車両側制御装置180の安全装置が作動したとしても、これをユーザ携帯装置160に伝えることができない。したがって、かかるブルートゥース接続が切断されることも、安全装置作動しているのと同視して、前記ブルートゥース通信が切断されている場合には、これをユーザ側管理者端末装置120に送信するようにしている。
【0087】
また、ユーザ携帯装置160のCPU123は、ステップS5にて停止判定ではない場合には、安全装置作動情報をフラッシュメモリ126に一時記憶する(
図9ステップS7)。また、CPU123は、ユーザ携帯装置160の表示部130に表示された「作業終了」(図示せず)が選択されるか否か判断しており(ステップS9)、かかる選択がなされると、一時記憶した安全装置作動情報をアラート表示する画面データをユーザ側管理者端末装置120へ送信する(ステップS11)。これにより、管理者は、危険度の低い安全装置作動情報をまとめて閲覧できる。したがって、都度確認する手間がなくなり、重要な情報を見逃してしまうことがない。
【0088】
図9ステップS11の後のステップS13およびステップS23の処理は、上記と同様である。
【0089】
この場合、操作スイッチCR-SW3が操作されることにより緊急停止したので、停止判定であると判断して、ユーザ側管理者端末装置120へメッセージを送信する(ステップS11)。また、特装車管理サーバ100へ送信する(ステップS13)。
【0090】
このように危険性の低い「警告判定」と危険性の高い「停止判定」について、ユーザ側管理者端末装置120へのアラート表示の有無を設定している。これにより、例えば所有特装車数の多いユーザはアラート表示の頻度を下げるために停止判定時のみアラート表示するなど、ユーザの事情に応じて変更することができる。
【0091】
図10Bに、危険度の低い安全装置作動情報をまとめた閲覧情報画面の一例を示す。この例では、5回の安全装置作動情報が送信され、そのうち2回は、ユーザ携帯装置160の操作者が検知機能オフとし、3回は危険検知が生じたことがわかる。
【0092】
かかるアラート表示の表示時に、前記位置データを含む地図データを合わせて表示するようにすればよい。
【0093】
なお、本実施形態においては、ユーザ携帯装置160にてアラート表示画面を生成して、かかる画面データをユーザ側管理者端末装置120に送信するようにしたが、これに限定されず、ユーザ側管理者端末装置120に画面生成に必要な必要なデータを送り、ユーザ側管理者端末装置120にてアラート画面を生成するようにしてもよい。
【0094】
本実施形態においては、「停止判定」および「ブルートゥース接続切断」のいずれかの場合は、そのタイミングでアラート表示をするようにしたが、他の条件について同様としてもよい。たとえば、以前から、特装車の架装物Kについては各種のセンサ群が設けられており、いずれかのセンサがなんらかの異常を検出すると、特装車の架装物側制御装置UK(
図2参照)は「異常停止」させていた。かかる「異常停止」は再開スイッチ(図示せず)により解除できる。したがって、同じセンサからの「異常停止」が繰り返されるような場合には、その時点でユーザ側管理者端末装置120にアラート表示するようにすればよい。かかる送信条件は、メインプログラム126mに記憶するようにしておけばよい。
【0095】
本実施形態においては、操作スイッチCR-SW3が操作されることにより緊急停止した場合について説明したが、他の安全装置作動の場合も同様である。
【0096】
(4.2 第2実施形態)
第1実施形態では、ユーザ携帯装置160からユーザ側管理者端末装置120に直接アラート表示を送る場合について説明したが、特装車管理サーバ100を介して間接的にアラート表示を送るようにしてもよい。この場合のフローチャートを
図11に示す。
【0097】
ユーザ携帯装置160は、第1実施形態と同様に、前記安全装置作動情報を、近距離無線通信ユニット121を介して受信するか、およびブルートゥース通信が切断されたかの判断を繰り返している(ステップS31,S33)。
【0098】
したがって、安全装置作動情報を受信すると、停止判定か否か判断する(ステップS35)。
【0099】
この場合、操作スイッチCR-SW3が操作されることにより緊急停止したので、停止判定であると判断して、特装車管理サーバ100へ安全装置作動情報を送信する(ステップS39)。
【0100】
特装車管理サーバ100のCPU23は、かかる安全装置作動情報を受信するか否か判断している(ステップS51)。したがって、かかるメッセージを受信すると、当該安全装置作動情報を安全装置作動情報記憶部26S(
図4参照)に記憶する(ステップS53)。これにより安全装置作動情報記憶部26Sに前記安全装置作動情報が追記される。
【0101】
特装車管理サーバ100のCPU23は定められた送信時期となったか否か判断する(ステップS55)。前記送信時期となると、ユーザ側管理者端末装置120にアラート表示画面を送信する(ステップS57)。送信時期は、第1実施形態と同じく、危険性の高い「警告判定」については記憶時に、危険性の低い「停止判定」については、ユーザ携帯装置160から作業終了の通知があったときとすればよい。これは項目「判定」が、「警告」か「停止」かで判断することができる。当然他の条件についても同様である。
【0102】
本実施形態においては、全ての安全装置作動情報をユーザ携帯装置160が特装車車両側制御装置201から受け取ったタイミングで特装車管理サーバ100に送信して、特装車管理サーバ100にてアラート表示のタイミングを決定する場合について説明した。このように、特装車管理サーバ100を介して間接的にユーザ管理者端末装置120にアラート表示する場合であっても、送信タイミングの全部又は一部については、ユーザ携帯装置160で行ってもよい。
【0103】
なお、本実施形態においては、ユーザ携帯装置160を車両側制御装置180aと無線接続したが、これに限定されず、有線接続としてもよい。またユーザ携帯装置160を車両専用の通信機で構成してもよい。
【0104】
また車両側制御装置180aからユーザ携帯装置160を介さずに、前記安全装置作動情報を特装車管理サーバ100に直接、送信するようにしてもよい。この場合、特装車管理サーバ100に前記安全装置作動情報を送信するだけでなく、アラート画面情報を送信するようにしてもよい。
【0105】
(5.他の実施形態)
本実施形態においては、
図3において、1ユーザのユーザ端末150として、1のユーザ側管理者端末装置120、1のユーザ携帯装置160であるとして図示したが、ユーザ携帯装置160は、ユーザが同時に使用する特装車の数だけ、必要となる。一般的には、1ユーザで、複数のユーザ携帯装置160、複数の特装車で構成される。なお、ユーザ側管理者端末装置120を複数設けてもよい。
【0106】
本実施形態においては、特装車として塵芥収集車を採用した場合について説明したが、他の特装車についても同様に適用できる。
【0107】
本実施形態においては、
図10に示すアラート表示にて、車両情報を示す行315のURLは、車両情報まで特定している。しかしこれに限定されず、特装車管理サーバ100のURL、当該ユーザのURLなどどれであってもよい。特装車管理サーバ100にてかかる安全装置作出力動情報を生成する場合には、当該サーバの管理位置なので特定は容易である。一方、ユーザ携帯装置160でかかる画面を生成する場合、既に説明したように、特装車車両側制御装置ごとに、あらかじめひな形を用意しておくか、その都度問い合わせてもよい。また、ユーザ管理者端末装置120でかかるアラート画面を生成する場合、特装車管理サーバ100から安全装置作動情報とともに、必要なデータを送信するようにすればよい。
【0108】
なお、本実施形態においては、危険性の低い場合と危険性が高い場合とで、メール送信の有無を設定可能としたが、前者の方が、前記特装車車両側制御装置から前記安全装置作動情報を受け取ってからの経過時間が長くなるように、送信するようにしてもよい。
【0109】
また、本件実施形態は、以下の発明として把握することができる。
【0110】
A)特装車に搭載された制御対象装置を制御する特装車車両側制御装置から、前記制御対象装置の作動状況を管理する特装車作動状況管理システムであって、
B)特装車管理サーバ、少なくとも1のユーザ携帯装置、および少なくとも1のユーザ側管理者端末装置を備え、
C)前記ユーザ携帯装置は、下記c1)~c2)を有し、
c1)前記特装車車両側制御装置と無線通信接続する近距離無線送受信手段、
c2)前記近距離無線送受信手段により、前記特装車車両側制御装置から架装物の安全装置作動情報を受け取ると、前記安全装置作動情報を記憶するとともに、
前記特装車管理サーバに送信する安全装置作動情報管理手段、
D)前記特装車管理サーバは、前記受け取った安全装置作動情報を記憶する安全装置作動情報記憶手段を有し、
前記ユーザ管理者端末装置は、前記特装車管理サーバを介して前記ユーザ携帯装置から、または前記ユーザ携帯装置から直接的に、前記安全装置作動情報から生成した安全装置作動出力情報を、または前記受け取った安全装置作動出力情報を、操作者に伝達する伝達手段を有すること、
を特徴とする特装車作動状況管理システム。
【符号の説明】
【0111】
100 特装車管理サーバ
120 ユーザ側管理者端末装置
160 ユーザ携帯装置