(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023019751
(43)【公開日】2023-02-09
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20230202BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230202BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230202BHJP
F21Y 103/33 20160101ALN20230202BHJP
【FI】
F21V33/00 430
F21S8/04 110
F21Y115:10
F21Y103:33
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124710
(22)【出願日】2021-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長崎 崇
(72)【発明者】
【氏名】山内 哲
(72)【発明者】
【氏名】平崎 琢也
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB00
(57)【要約】
【課題】重量増加及び大型化を抑制しつつ、スピーカ機能を有する照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1であって、複数の光源30と、複数の光源30が実装された基板20と、基板20が固定された本体10と、複数の光源30から出射する光が入光する導光板40と、導光板40と本体10とを固定する固定部材の一例である取付ネジ71と、照明器具1を構成する部材を振動させる振動子50とを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具であって、
複数の光源と、
前記複数の光源が実装された基板と、
前記基板が固定された本体と、
前記複数の光源から出射する光が入光する導光板と、
前記導光板と前記本体とを固定する固定部材と、
前記照明器具を構成する部材を振動させる振動子と、を備える、
照明器具。
【請求項2】
前記振動子は、前記導光板に設置されており、
前記振動子によって振動する前記部材は、前記導光板である、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記振動子は、前記光源より器具中心側に設置している、
請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記振動子は、前記固定部材より器具中心側に設置している、
請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記光源は、器具中心を基準にして前記固定部材よりも遠方に位置している、
請求項2~4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記導光板における前記振動子の周辺部にスリットが設けられている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記スリットは、前記振動子と前記固定部材との間に位置している、
請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記導光板を上面視したときに、前記スリットは、前記器具中心と前記光源の中心とを結ぶ線の延長線上に存在しない、
請求項6又は7に記載の照明器具。
【請求項9】
前記導光板を支持する支持部材を備え、
前記振動子は、前記支持部材に設置されており、
前記振動子によって振動する前記部材は、前記支持部材である、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
前記導光板よりも天井側に位置する振動子取付部材を備え、
前記振動子は、前記振動子取付部材に設置されており、
前記振動子によって振動する前記部材は、前記振動子取付部材である、
請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、特に、スピーカ機能を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
室内を照明する照明器具の一つとして、シーリングライトが知られている(例えば、特許文献1参照)。シーリングライトは、天井に取り付けられる器具本体と、器具本体に固定された基板と、基板に実装された複数のLED(Light Emitting Diode)からなる光源とを備えている。
【0003】
また、シーリングライトには、光源の光を導光して室内に向けて照射する導光タイプの照明器具も提案されている。導光タイプの照明器具として、第1光源の光を導光する導光板と第2光源の光を拡散する拡散カバーとを備えるシーリングライトが知られている。
【0004】
近年、照明器具にスピーカを付加したスピーカ付き照明器具も提案されている。具体的には、スピーカを搭載した導光タイプのシーリングライトが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のスピーカ付き照明器具は、照明器具の基本構造に既存サイズのスピーカを付加するものであったため、重量が増加したり照明器具全体が大型化したりするという課題がある。例えば、光源部が収納された筐体内にスピーカを収納する場合には、筐体のサイズを大きくしなければならないため、照明器具全体が大型化する。一方、光源部が収納された筐体にスピーカを外付けする場合でも、スピーカの分だけ照明器具全体が大型化する。しかも、スピーカを外付けにすると、照明器具全体としてのデザイン性(意匠性)が悪化することもある。また、照明器具の重量が増加したりサイズが大型化したりすると、照明器具を設置する際の施工性が悪くなるという課題もある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、重量増加及び大型化を抑制しつつ、スピーカ機能を有する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る照明器具の一態様は、複数の光源と、前記複数の光源が実装された基板と、前記基板が固定された本体と、前記複数の光源から出射する光が入光する導光板と、前記導光板と前記本体とを固定する固定部材と、前記照明器具を構成する部材を振動させる振動子と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、重量増加及び大型化を抑制しつつ、スピーカ機能を有する照明器具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明器具を床面側から見たときの斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明器具を天井側から見たときの斜視図である。
【
図3】
図3は、拡散カバーを取り外した状態での実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る照明器具を天井に設置したときの状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る照明器具の拡大断面図である。
【
図7】
図7は、光源カバーと電源カバーと拡散カバーと化粧カバーと支持部材とを外した状態での実施の形態に係る照明器具の平面図である。
【
図8】
図8は、変形例1に係る照明器具の拡大断面図である。
【
図9】
図9は、光源カバーと電源カバーと拡散カバーと化粧カバーと支持部材とを外した状態での変形例1に係る照明器具の平面図である。
【
図10】
図10は、光源カバーと電源カバーと拡散カバーと化粧カバーと支持部材とを外した状態での変形例2に係る照明器具の平面図である。
【
図11】
図11は、変形例3に係る照明器具の拡大断面図である。
【
図12】
図12は、変形例4に係る照明器具の拡大断面図である。
【
図13】
図13は、変形例5に係る照明器具の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0013】
(実施の形態)
実施の形態に係る照明器具1について、
図1~
図7を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係る照明器具1を床面側から見たときの斜視図である。
図2は、同照明器具1を天井側から見たときの斜視図である。
図3は、拡散カバー83を取り外した状態での同照明器具1の斜視図である。
図4は、同照明器具1の分解斜視図である。
図5は、同照明器具1を天井2に設置したときの状態を示す断面図である。
図6は、
図5における同照明器具1の拡大断面図である。
図5及び
図6では、断面に表れる線図のみを図示している。
図7は、光源カバー81と電源カバー82と拡散カバー83と化粧カバー84と支持部材60とを外した状態での同照明器具1の平面図である。
【0014】
照明器具1は、例えば、住宅等の建物の造営材に設置される。一例として、照明器具1は、建物の室内の天井に設置されるシーリングライトであり、室内に照明光を照射する。
図5に示すように、照明器具1は、天井2に設けられた引っ掛けシーリング2aに取り付けられることによって天井に設置される。なお、
図5では、便宜上、天井2を下に図示したときの照明器具1を示している。
【0015】
図1~
図7に示すように、照明器具1は、本体10と、基板20と、光源30と、導光板40と、振動子50と、支持部材60と、取付ネジ71及び72とを備える。照明器具1は、さらに、光源カバー81と、電源カバー82と、拡散カバー83と、化粧カバー84とを備える。
【0016】
本実施の形態における照明器具1は、導光板40を備える導光タイプの照明器具であり、光源30の光を導光板40によって導光させて照明光として照射する。
【0017】
本体10は、照明器具1における器具本体である。
図5に示すように、本体10は、基板20を支持する基台である。基板20は、本体10に固定されている。また、本体10は、基板20に実装された光源30で発生する熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。したがって、本体10は、金属材料によって構成されているとよい。本実施の形態において、本体10は、板金製であり、例えば鋼板又はアルミニウム板等の板金をプレス加工することによって所定形状に形成されている。
【0018】
また、本体10は、第1本体10aと第2本体10bとの2つの部品によって構成されている。第1本体10a及び第2本体10bは、いずれも板金製である。第1本体10aと第2本体10bとはネジ等によって互いに固定されている。
【0019】
第1本体10aは、基板20を支持している。具体的には、基板20は、第1本体10aの平面部に載置されて第1本体10aに固定されている。第2本体10bは、照明器具1の外郭部材を構成している。したがって、第2本体10bの外面は、外気に曝されている。なお、本体10は、1つの板金製の部品によって構成されていてもよい。
【0020】
図4及び
図5に示すように、本体10の中央部には、略円形の貫通孔が形成されている。
図5に示すように、この貫通孔には、円筒状の絶縁部材11が固定されている。また、絶縁部材11には、ホルダ12が取り付けられている。ホルダ12には、アダプタ13が着脱可能に取り付けられている。つまり、ホルダ12は、アダプタ13を支持している。アダプタ13は、天井2に設けられた引っ掛けシーリング2aと電気的及び機械的に接続されるプラグである。アダプタ13には、引っ掛けシーリング2aに設けられた一対の孔に係止されて電気的接点を取るための一対のL字状の金具が設けられている。
【0021】
なお、本体10の天井側の面には、ウレタン等で形成されたクッション部材14が複数取り付けられている。具体的には、
図2に示すように、クッション部材14は、第2本体10bの天井側の面に4つ設けられている。
【0022】
本体10に配置された基板20は、光源30が配置される光源基板である。基板20と光源30とによって、照明器具1の光源部となる光源モジュールが構成されている。本実施の形態において、光源30はLEDによって構成されているので、光源モジュールは、LEDモジュールである。
【0023】
基板20は、光源30を実装するための実装基板である。基板20は、光源30が実装される第1の面(床面側の面)と、第1の面に背向する第2の面(天井側の面)とを有する。基板20は、例えば、所定形状の金属配線が形成されたプリント配線基板である。なお、基板20は、複数に分割されていてもよい。
【0024】
図4に示すように、本実施の形態において、基板20は、中央部に貫通孔を有する環状の実装基板である。この基板20の貫通孔は、本体10の貫通孔と連通している。この基板20の貫通孔からアダプタ13から引き出されたリード線が基板20に設けられたコネクタに接続されている。
【0025】
基板20は、例えば、絶縁性樹脂材料によって構成された樹脂基板である。なお、基板20は、樹脂基板に限るものではなく、表面が樹脂被膜された金属材料からなるメタルベース基板、セラミック材料の焼結体であるセラミック基板、又は、ガラス材料からなるガラス基板等であってもよい。また、基板20は、リジッド基板であるが、これに限るものではなく、フレキシブル基板であってもよい。
【0026】
光源30は、基板20に複数実装されている。具体的には、複数の光源30は、基板20の第1の面に実装されている。光源30は、照明器具1によって空間を明るくするための照明光を発する。
【0027】
図4及び
図5に示すように、本実施の形態において、光源30は、第1光源31と第2光源32とを含む。第1光源31及び第2光源32は、基板20の第1の面にそれぞれ複数実装されている。
図7に示すように、複数の第1光源31及び複数の第2光源32は、基板20の周方向に間隔を置いて円環状に一列ずつ配列されている。なお、複数の第1光源31及び複数の第2光源32の一方又は両方は、複数列で配列されていてもよい。
【0028】
図5~
図7に示すように、複数の第1光源31は、導光板40の光入射部41に対向するように配列されている。したがって、第1光源31から出射した光は、光入射部41から導光板40に入光する。導光板40に入光した第1光源31の光は、導光板40の内部を導光して照明器具1の外部に出射する。このように、複数の第1光源31の各々は、導光板用の光源である。
【0029】
図4及び
図7に示すように、複数の第2光源32は、複数の第1光源31の内側に配置されている。
図5に示すように、複数の第1光源31は、光源カバー81で覆われている。したがって、複数の第2光源32から出射した光は、導光板40に入射せずに、光源カバー81に入射する。また、光源カバー81は、拡散カバー83で覆われている。したがって、第2光源32から出射した光は、光源カバー81と拡散カバー83とを透過して照明器具1の外部に出射する。
【0030】
第1光源31及び第2光源32は、LEDによって構成されたLED光源である。本実施の形態において、第1光源31及び第2光源32の各々は、個々にパッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の発光素子である。一例として、第1光源31及び第2光源32の各々は、凹部を有する白色の樹脂製又はセラミック製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップ(ベアチップ)と、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有するLED素子である。封止部材は、例えばシリコーン樹脂等の透光性樹脂材料で構成されている。封止部材は、蛍光体等の波長変換材が含有された蛍光体含有樹脂であってもよい。
【0031】
LEDチップは、所定の直流電力により発光する半導体発光素子の一例であって、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップは、例えば、通電されれば青色光を発する青色LEDチップである。この場合、白色光を得るために、封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有される。
【0032】
このように、第1光源31及び第2光源32の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB-Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして第1光源31及び第2光源32の各々から白色光が出射される。
【0033】
第1光源31及び第2光源32は、いずれも同じ色の光を発するように構成されていてもよいし、互いに異なる色の光を発するように構成されていてもよい。例えば、第1光源31及び第2光源32は、異なる色温度の白色光を発するように構成されていてもよい。この場合、一例として、第1光源31の光の色温度は、第2光源32の光の色温度よりも低い。この場合、第1光源31の光を電球色とし、第2光源32の光を昼白色とすることができる。また、複数の第1光源31同士又は複数の第2光源32同士が、異なる色の光を発するように構成されていてもよい。
【0034】
また、第1光源31と第2光源32とは、同時に発光してもよいし、第1光源31及び第2光源32の一方が発光してもよい。この場合、複数の光源30の中に異なる色の光を発する光源が含まれている場合、照明器具1は、照明光を調光する機能を有しているだけではなく、照明光を調色する機能を有していてもよい。
【0035】
また、本実施の形態における光源モジュールは、電源一体型である。したがって、図示されていないが、基板20には、光源30が実装されているだけではなく、電源回路を構成する複数の回路素子も実装されている。つまり、基板20は、光源基板であるとともに、電源回路基板である。基板20に実装された複数の回路素子は、基板20の第1の面及び第2の面の一方のみに実装されていてもよいし、基板20の第1の面及び第2の面の両方に実装されていてもよい。
【0036】
基板20に実装された複数の回路素子は、光源30(第1光源31、第2光源32)を発光させるための電力を生成する電源回路を構成する回路部品である。複数の回路素子は、商用電源から引っ掛けシーリング2a及びアダプタ13を介して供給される交流電力を直流電力に変換する。電源回路によって生成された直流電力が複数の光源30(第1光源31、第2光源32)の各々に供給されることにより、複数の光源30の各々が発光する。複数の回路素子は、例えば、電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等である。なお、回路素子には、調光回路又は昇圧回路等を構成する回路部品が含まれていてもよいし、無線通信回路を構成する回路部品(通信モジュール)等が含まれていてもよい。
【0037】
なお、電源回路を構成する回路素子が実装される基板は、光源30が実装される基板20とは別体であってもよい。
【0038】
導光板40は、複数の光源30から出射する光が入光する光学部材である。本実施の形態において、導光板40には、複数の第1光源31から出射する光が入光する。導光板40に入光した光は、導光板40の内部を導光して照明器具1の外部に出射する。つまり、導光板40は、複数の第1光源31から出射する光を照明器具1の外部に導くための導光部材である。
【0039】
導光板40は、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂等のアクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透光性樹脂材料によって構成されている。また、導光板40は、向こう側が透けて見える程度に透過率が高い透明樹脂材料を用いて構成されているとよい。本実施の形態において、導光板40は、アクリル樹脂からなる透明板によって構成されている。なお、導光板40は、樹脂材料によって構成された透明樹脂板に限らず、透明ガラスによって構成されたガラス板であってもよい。
【0040】
図4及び
図7に示すように、導光板40は、環状であり、中央部に開口部40aを有する。本実施の形態において、導光板40の外形は、円形である。したがって、導光板40は、略円環状である。複数の第2光源32及び光源カバー81は、導光板40の開口部40aに対向する位置に配置されている。
【0041】
図5~
図7に示すように、導光板40は、導光領域として、光入射部41、湾曲部42及び光出射部43を有する。
【0042】
光入射部41は、湾曲部42の一端部の全周に亘ってリング状に形成されており、導光板40の内周部を規定する。光入射部41は、複数の第1光源31に対向且つ近接する位置に配置されている。すなわち、複数の第1光源31は、導光板40の内周部に対向する位置に配置されている。これにより、光入射部41には、第1光源31から出射した光が入光する。
【0043】
湾曲部42は、一端部(天井側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。本実施の形態において、湾曲部42は、厚みが一定で湾曲する板状である。湾曲部42は、光入射部41に入射した光を一端部から他端部に向けて導く。具体的には、湾曲部42は、光入射部41から入射した第1光源31の光を光出射部43に導光する。湾曲部42は、化粧カバー84と支持部材60とで支持されている。具体的には、湾曲部42は、化粧カバー84と支持部材60とに挟まれている。
【0044】
光出射部43は、湾曲部42の他端部の全周から導光板40の径方向外側に延在していしている。本実施の形態において、光出射部43は、厚みが一定で平面板状である。具体的には、光出射部43は、円環の平面板状であり、天井面に対して略平行な姿勢となるように形成されている。平面視において、光出射部43は、拡散カバー83から導光板40の径方向外側に張り出すように延在している。具体的には、光出射部43は、支持部材60及び化粧カバー84から水平方向に張り出すように形成されている。つまり、光出射部43は、導光板40のうち外部に露出する部分である。したがって、照明器具1をユーザが見上げたときに、ユーザは、光出射部43を視認することができる。
【0045】
光入射部41から入射して湾曲部42から光出射部43へと導光した第1光源31の光は、光出射部43の一方側の面(床面側の面)及び他方側の面(天井側の面)の少なくとも一方から面発光となって外部に出射する。本実施の形態では、光出射部43に入光した第1光源31の光は、主として光出射部43の一方側の面(床面側の面)から外部に出射する。つまり、光出射部43の一方側の面(床面側の面)が光出射面である。この場合、光出射部43の他方側の面(天井側の面)には、ドット状の複数のプリズム(例えば三角錐又は円錐等の凹部)が形成されているとよい。これにより、光出射部43に入光した第1光源31の光をプリズムで全反射させて一方側の面(床面側の面)に向かって進行させて一方側の面から出射させることができる。
【0046】
また、
図4及び
図7に示すように、導光板40は、開口部40aに張り出すように形成された突出部44を有する。具体的には、突出部44は、光入射部41から導光板40の径方向内側に向かって突出するように形成されている。
【0047】
本実施の形態において、導光板40は、複数の突出部44を有する。複数の突出部44のうちの一つの突出部44は、振動子50が設置される振動子設置部44aである。具体的には、3つの突出部44のうちの一つの突出部44が振動子設置部44aである。振動子設置部44aである突出部44は、他の2つの突出部44よりも突出量が大きくなっている。つまり、平面視したときに、振動子設置部44aである突出部44は、他の2つの突出部44よりも面積が大きくなっている。これにより、振動子設置部44aにおいて、導光板40の固定部分に対応する取付ネジ71よりも器具中心側の位置に、振動子50を設置するスペースを確保することができる。
【0048】
複数の突出部44の各々には、取付ネジ71が挿入される貫通孔45が設けられている。貫通孔45に取付ネジ71が挿入されることで導光板40が本体10に取り付けられている。なお、振動子設置部44aである突出部44に形成された貫通孔45は、周囲が囲まれた円形状であり、また、他の2つの突出部44に形成された貫通孔45は、切り欠き状であるが、これに限るものではない。
【0049】
振動子50は、照明器具1を構成する部材を振動させる。本実施の形態において、振動子50は導光板40に設置されているので、照明器具1を構成する部材のうち振動子50によって振動する部材は、導光板40である。
【0050】
振動子50は、コイル及び磁石等によって構成されており、電気信号を振動の機械信号に変換する。本実施の形態において、振動子50は、導光板40に設置されているので、振動子50によって導光板40が振動する。導光板40が振動することで空気が振動し、ユーザに音を伝えることができる。このように、振動子50と導光板40とによって、振動子50に入力された電気信号を音に変えることができる。例えば、振動子50によって導光板40を振動させることで、照明器具1は、音楽又は音声(メッセージ)等の音を出力することができる。
【0051】
振動子50は、導光板40における突出部44に設置されている。具体的には、振動子設置部44aである突出部44に設置されている。本実施の形態において、振動子50は、振動子設置部44aの床面側の面に取り付けられている。
【0052】
図6及び
図7に示すように、導光板40の突出部44は、光源30よりも器具中心側に位置している。したがって、突出部44に設置される振動子50は、光源30より器具中心側に設置している。また、振動子50は、突出部44に形成された貫通孔45よりも器具中心側に設置されている。したがって、振動子50は、貫通孔45に挿通される取付ネジ71より器具中心側に設置されている。
【0053】
振動子50は、小型及び軽量である。振動子50の外形サイズは、一例として、縦、横及び高さがいずれも50mm以内であるが、これに限らない。
【0054】
また、振動子50は、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN等の無線通信機能を有していてもよい。これにより、ユーザが照明器具1によって音楽を流したい場合、ユーザは、スマートフォン等の情報端末によって振動子50に音情報(音源)を送信することで、照明器具1から音楽を流すことができる。つまり、振動子50は、ユーザの情報端末から送信される音情報を受信し、この音情報に応じた電気信号によって振動する。
【0055】
支持部材60は、導光板40を支持する部材である。
図6に示すように、支持部材60は、導光板40の床面側に位置している。また、支持部材60は、導光板40の湾曲部42の内部で導かれた光を反射するための反射部材としても機能する。支持部材60は、例えば白色樹脂によって構成されている。これにより、支持部材60に到達した光を反射させることができる。支持部材60を構成する樹脂材料としては、例えばポリカーボネート又はPBT(ポリブチレンテレフタレート)等を用いることができる。
【0056】
支持部材60は、全体としてリング状に形成されている。具体的には、支持部材60は、リング状の反射部61と、反射部61に形成された突出部62とを有している。
【0057】
反射部61は、表面が反射面になっており、反射部61に到達した光を反射する。反射部61は、一端部(天井側の端部)から他端部(床面側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。反射部61は、導光板40の湾曲部42を覆っている。
【0058】
図4に示すように、突出部62は、支持部材60の開口部に張り出すように形成されている。具体的には、突出部62は、支持部材60の径方向内側に向かって突出するように形成されている。本実施の形態において、突出部62は複数形成されている。複数の突出部62は、導光板40の複数の突出部44に対応して形成されている。具体的には、支持部材60には3つの突出部62が形成されており、この3つの突出部62は、平面視したときに、導光板40の3つの突出部44と重なるように位置にしている。
【0059】
複数の突出部62の各々には、取付ネジ71が挿入される貫通孔が設けられている。各突出部62に形成された貫通孔は、切り欠き状であるが、これに限るものではない。突出部62に形成された貫通孔に取付ネジ71が挿入されることで、支持部材60が本体10に取り付けられる。支持部材60の突出部62に形成された貫通孔は、導光板40の突出部44に形成された貫通孔45と連通している。したがって、取付ネジ71は、支持部材60の突出部62に形成された貫通孔と導光板40の突出部44に形成された貫通孔45とに挿通される。
【0060】
取付ネジ71は、導光板40と本体10とを固定する固定部材である。具体的には、取付ネジ71は、導光板40を本体10に固定している。本実施の形態において、取付ネジ71は、導光板40だけではなく支持部材60及び光源カバー81も本体10に固定している。具体的には、
図6に示すように、取付ネジ71は、光源カバー81に形成された貫通孔と支持部材60の突出部62に形成された貫通孔と導光板40の突出部44に形成された貫通孔45と基板20に形成された貫通孔とに挿通されて、第1本体10aのネジ孔にねじ込まれている。つまり、光源カバー81と支持部材60と導光板40と基板20とは、取付ネジ71によって共締めされている。取付ネジ71は、一例として段付きネジであるが、これに限るものではなく、他の種類のネジを用いてもよい。
【0061】
図6に示すように、取付ネジ71は、光源30よりも器具中心側に位置している。つまり、光源30は、器具中心を基準にして取付ネジ71よりも遠方に位置している。具体的には、取付ネジ71は、第1光源31よりも器具中心側に位置しており、第1光源31は、器具中心を基準にして取付ネジ71よりも遠方に位置している。
【0062】
また、電源カバー82は、取付ネジ72によって本体10に固定されている。本実施の形態において、取付ネジ72は、電源カバー82だけではなく光源カバー81も本体10に固定している。具体的には、取付ネジ72は、電源カバー82に形成された貫通孔と光源カバー81に形成された貫通孔とに挿通されて、第1本体10aのネジ孔にねじ込まれている。
【0063】
光源カバー81は、第2光源32を覆う透光カバーである。したがって、第2光源32から出射した光は、光源カバー81に入射して光源カバー81を透過する。光源カバー81は、円環状に配列された複数の第2光源32を覆うように円環状に形成されている。なお、光源カバー81は、第1光源31及び第2光源32のうち第2光源32のみを覆っており、第1光源31を覆っていない。
【0064】
光源カバー81は、第2光源32から出射する光の配光を制御する配光制御機能を有していてもよい。例えば、光源カバー81は、複数の第2光源32から出射する光の配光角を拡大するレンズ機能を有していてもよい。
【0065】
光源カバー81は、取付ネジ71及び72によって本体10に取り付けられている。光源カバー81には、取付ネジ71が挿通される貫通孔と取付ネジ72が挿通される貫通孔とが形成されている。
【0066】
光源カバー81は、導光板40の内側に位置している。具体的には、光源カバー81は、導光板40の突出部44を覆うようにして導光板40の開口部40aに配置されている。このとき、取付ネジ71に対応する光源カバー81の貫通孔と導光板40の突出部44に形成された貫通孔45とが連通するようにして、光源カバー81が配置されている。
【0067】
光源カバー81は、透光性を有する樹脂材料によって構成されている。光源カバー81は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はポリ塩化ビニル等によって構成されている。光源カバー81の素材は、樹脂材料に限るものではなく、ガラス等であってもよい。
【0068】
なお、本実施の形態において、光源カバー81は、透明であって、光拡散性を有していないが、光源カバー81は、光拡散性を有していてもよい。光源カバー81に光拡散性を持たせることで、第2光源32の光を拡散(散乱)させることができる。この場合、光源カバー81は、例えば、乳白色であり、光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって構成することができる。
【0069】
電源カバー82は、基板20に実装された複数の回路素子を覆うカバー部材である。具体的には、電源カバー82は、複数の回路素子のうち基板20の第1の面(床面側の面)に実装された回路素子を覆っている。
【0070】
電源カバー82は、光源カバー81の内側に配置されている。電源カバー82は、本体10の開口部を囲むリング状である。電源カバー82は、取付ネジ72によって本体10に取り付けられている。電源カバー82には、取付ネジ72が挿通される貫通孔が形成されている。取付ネジ72に対応する光源カバー81の貫通孔と電源カバー82の貫通孔とが連通するようにして、電源カバー82が配置されている。
【0071】
電源カバー82は、金属製の金属カバーであるが、これに限らない。例えば、電源カバー82は、樹脂製の樹脂カバーであってもよい。また、電源カバー82は、光源カバー81を透過した第2光源32の光を反射するために反射性を有していてもよい。
【0072】
拡散カバー83は、透光性及び拡散性を有するカバー部材である。拡散カバー83は、円盤状であり、本体10、光源カバー81、電源カバー82及び支持部材60を覆っている。また、拡散カバー83は、導光板40の開口部40aを覆うように配置されている。具体的には、拡散カバー83は、導光板40の開口部40aに蓋をするようにして配置されている。
図5に示すように、本実施の形態において、拡散カバー83は、照明器具1の外郭を構成する外郭カバーである。
【0073】
拡散カバー83は、支持部材60に着脱自在に取り付けられている。拡散カバー83を回転させることで、支持部材60に取り付けたり支持部材60から取り外したりすることができる。
【0074】
拡散カバー83は、第2光源32が発する光を透過する。具体的には、拡散カバー83は、第2光源32から出射して光源カバー81を透過した光を拡散(散乱)させて透過させる。これにより、拡散カバー83の全体から輝度均斉度の高い均一な照明光を外部に照射させることができる。
【0075】
拡散カバー83は、透光性を有する樹脂材料を用いて形成することができる。拡散カバー83は、例えば、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート又はポリ塩化ビニル等によって構成されている。拡散カバー83は、乳白色であり、例えば光拡散粒子を分散させた樹脂材料によって構成することができる。
【0076】
化粧カバー84は、本体10を側方から覆うカバー部材である。化粧カバー84は、リング状に形成されている。具体的には、化粧カバー84は、一端部(床面側の端部)から他端部(天井側の端部)に向けてラッパ状に広がっている。なお、化粧カバー84は、例えば白色のポリスチレン樹脂等で形成されている。
【0077】
化粧カバー84の一部は、導光板40の湾曲部42に沿って形成されており、湾曲部42を天井側から覆っている。導光板40の湾曲部42は、化粧カバー84の一部と支持部材60の反射部61との間に位置している。
【0078】
このように構成される照明器具1では、電源回路から光源30に直流電力が供給されることにより、光源30(第1光源31、第2光源32)が発光する。
【0079】
この場合、複数の第1光源31の各々から出射する光は、導光板40の光入射部41に入射した後、湾曲部42の内部を導光する。複数の第1光源31の光は、湾曲部42の内部において、支持部材60の反射部61で反射されながら光出射部43に導かれる。光出射部43へと導かれた光は、光出射部43の表面から照明光として外部に出射する。なお、第1光源31から出射した光は、光源カバー81及び拡散カバー83を透過することなく照明器具1の外部に照射される。
【0080】
一方、複数の第2光源32の各々から出射する光は、光源カバー81を透過した後、拡散カバー83に入射する。拡散カバー83に入射した第2光源32の光は、拡散カバー83で拡散されながら拡散カバー83を透過する。このように、第2光源32から出射した光は、導光板40に入射することなく、照明器具1の外部に照射される。
【0081】
以上、本実施の形態に係る照明器具1は、複数の光源30と、複数の光源30が実装された基板20と、基板20が固定された本体10と、複数の光源30から出射する光が入光する導光板40と、導光板40と本体10とを固定する取付ネジ71(固定部材)と、照明器具1を構成する部材を振動させる振動子50とを備えている。
【0082】
この構成により、振動子50によって照明器具1を構成する部材を振動させて照明器具1から音を出力させることができる。これにより、重量増加及び大型化を抑制しつつ、スピーカ機能を有する照明器具1を実現することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る照明器具1において、振動子50は、外部に露出していない。つまり、照明器具1をユーザが下から上に見上げたときに振動子50がユーザの視界に入らないようになっている。具体的には、振動子50は、平面視において拡散カバー83と重なる位置に配置されている。これにより、照明器具1を構成する部材の任意の位置に振動子50を付加したとしても、小型且つ軽量で、デザイン性に優れるスピーカ機能を有する照明器具1を実現することができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る照明器具1において、振動子50は、導光板40に設置されている。つまり、照明器具1において振動子50によって振動する部材は、導光板40である。
【0085】
本実施の形態における導光板40は板状であるので、導光板40に設置された振動子50を振動させることで、導光板40を効果的に振動させることができる。これにより、導光板40から音を出力させることができる。
【0086】
特に、導光板40は、外部に露出する光出射部43を有しているので、振動子50によって導光板40を振動させることで、光出射部43から照明器具1の外部(空気中)に効果的に音を出力させることができる。つまり、光出射部43は、光を出力する機能と音を出力する機能とを有する。
【0087】
ただし、導光板40は光を導光して外部に照明光を照射するので、振動子50によって導光板40を振動させると、導光板40から音を出力させることができる一方、照明器具1の照明光にゆらぎが生じるおそれがある。例えば、導光板40を振動させると、照明器具1の照明光がちらつくおそれがある。
【0088】
ここで、導光板40において、導光板40と本体10との固定部分(取付ネジ71)よりも外側の部位は、振動子50による振動の影響が小さい。そこで、本実施の形態に係る照明器具1では、振動子50は、取付ネジ71よりも器具中心側に設置されている。これにより、導光板40に振動子50を設置したとしても、照明器具1の照明光にゆらぎが生じることを抑制できる。
【0089】
この場合、本実施の形態では、取付ネジ71が挿通される貫通孔45が形成された突出部44を利用して振動子50を設置している。しかも、複数の突出部44のうちの1つを他の突出部44よりも径方向内側に向かって延在させて長くして振動子設置部44aとしている。つまり、導光板40と本体10とを固定する取付ネジ71よりも内側の部位に、面積が広い平坦部である振動子設置部44aを形成し、その振動子設置部44aに振動子50を設置している。これにより、面積が広い平坦部である突出部44(振動子設置部44a)を振動子50によって効果的に振動させて、光出射部43から音を出力させることができる。したがって、照明器具1の照明光にゆらぎが生じることを抑制しつつ、導光板40から出力する音の音量及び音質を向上させることができる。
【0090】
また、本実施の形態において、第1光源31から導光板40に入射する光は、第1光源31よりも外側に進むことになる。したがって、振動子50を第1光源31よりも器具中心側に設置することで、照明器具1の照明光にゆらぎが生じることを効果的に抑制することができる。
【0091】
さらに、本実施の形態のように、導光板40に入射する光を発する第1光源31を取付ネジ71よりも器具中心側に設置することによって、照明器具1の照明光にゆらぎが生じることを一層抑制することができる。つまり、第1光源31は、器具中心を基準にして取付ネジ71よりも遠方に位置しているとよい。
【0092】
また、
図8及び
図9に示される照明器具1Aのように、導光板40における振動子50の周辺部にスリット46が設けられているとよい。具体的には、スリット46は、振動子設置部44aである突出部44に設けられている。
【0093】
これにより、振動子50による導光板40(突出部44)の振動が伝搬することをスリット46で遮断することができる。したがって、振動子50の振動によって導光板40が振動したとしても、導光板40の振動を小さくすることができ、照明器具1Aの照明光にゆらぎが生じることを抑制することができる。
【0094】
この場合、スリット46は、振動子50と取付ネジ71(固定部材)との間に位置しているとよい。これにより、振動子50が振動して導光板40が振動したとしても、導光板40の振動が取付ネジ71の外側に伝搬することを抑制できる。これにより、照明器具1Aの照明光にゆらぎが生じることを抑制できるだけではなく、振動によって取付ネジ71が緩んで取付ネジ71が外れてしまうことを抑制することができる。
【0095】
また、導光板40に設けるスリット46は、直線状に限らず、円弧状等であってもよい。また、スリット46は、1つに限らず、複数であってもよい。この場合、複数のスリット46で振動子50を囲ってもよい。
【0096】
(変形例)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、上記実施の形態において、振動子50は、貫通孔45が形成された突出部44に設置されていたが、これに限らない。具体的には、
図10に示される照明器具1Bのように、貫通孔45が形成された突出部44とは別に突出部44Bを設けて、この突出部44Bを振動子設置部44aとし、突出部44Bに振動子50を設置してもよい。なお、突出部44Bは、突出部44と同様に、開口部40aに向かって張り出すように形成されているが、貫通孔45が形成されていない。また、振動子50が設置される突出部44B(振動子設置部44a)は、他の突出部44と比べて突出量が大きくなっている。
【0098】
また、上記実施の形態において、振動子50は、導光板40に設置されていたが、これに限らない。
【0099】
例えば、
図11に示される照明器具1Cのように、振動子50は、支持部材60Cに設置されていてもよい。具体的には、照明器具1Cでは、支持部材60Cに振動子設置部として突出部63を設けて、この突出部63に振動子50が設置されている。突出部63は、支持部材60Cの開口部に張り出すように径方向内側に向かって突出するように平面板状に形成されている。本変形例では、支持部材60Cに振動子50が設置されているので、照明器具1Cを構成する部材のうち振動子50によって振動する部材は、支持部材60Cである。また、本変形例では、支持部材60Cと導光板40Cとは接触しているので、振動子50によって支持部材60Cが振動することで、導光板40Cも振動する。つまり、振動子50によって振動する部材は、支持部材60Cと導光板40Cとの両方である。なお、本変形例において、導光板40Cには、振動子設置部44aとなる突出部44が形成されていない。
【0100】
このように、振動子50を支持部材60Cに設置することで、振動子50によって支持部材60Cを振動させて照明器具1Cから音を出力させることができる。これにより、重量増加及び大型化を抑制しつつ、スピーカ機能を有する照明器具1Cを実現することができる。しかも、本変形例では、導光板40Cに振動子50が設置されていないので、導光板40Cの振動によって照明器具1Cの照明光がちらつくことを防止できる。さらに、本変形例では、振動子50によって支持部材60Cが振動するだけではなく導光板40Cも振動するので、支持部材60Cと導光板40Cとの両方から音が出力する。これにより、照明器具1Cから出力する音の音量及び音質を向上させることができる。なお、支持部材60Cは、形状、材質及び配置構造等の観点から導光板40Cよりも強度が高いので、支持部材60Cに振動子50を設置することで、振動子50を安定して支持することができる。
【0101】
また、
図12に示される照明器具1Dのように、導光板40Dよりも天井側に位置する振動子取付部材90をさらに配置して、振動子50を振動子取付部材90に設置してもよい。振動子取付部材90は、外部に露出する平板部91と、振動子50が設置される振動子設置部92とを有する。振動子設置部92は、導光板40Dの湾曲部42に対向しており、湾曲部42と化粧カバー84との間に位置している。振動子取付部材90は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。本変形例では、振動子取付部材90に振動子50が設置されているので、照明器具1Dを構成する部材のうち振動子50によって振動する部材は、振動子取付部材90である。なお、本変形例において、導光板40Dには、振動子設置部44aとなる突出部44が形成されていない。また、導光板40Dと振動子取付部材90とは分離して配置されており、導光板40Dと振動子取付部材90とは接触していない。
【0102】
このように、振動子50を振動子取付部材90に設置することで、重量増加及び大型化を抑制しつつ、スピーカ機能を有する照明器具1Dを実現することができる。しかも、本変形例においても、導光板40Dに振動子50が設置されていないので、導光板40Dが振動して照明器具1Dの照明光がちらつくことを防止できる。さらに、本変形例では、振動子取付部材90の素材及び形状を、振動子50の振動により振動子取付部材90が振動しやすいものにすることができるので、照明器具1Dから出力される音の音量及び音質を容易に向上させることができる。さらに、振動子取付部材90は、外部に露出する平板部91を有しているので、振動子50の振動によって振動子取付部材90から出力する音の音量及び音質を効果的に向上させることができる。また、本変形例では、振動子50が設置される振動子設置部92が照明器具1Dの内部に隠されていてユーザから見えないので、振動子50の設置によってデザイン性が悪化することを抑制することもできる。また、本変形例のように、導光板40Dと分離して配置した振動子取付部材90に振動子50を設置することで、導光板40Dからは光が出力する一方で音は出力せず、振動子取付部材90からは音は出力する一方で光は出力しない。つまり、本変形例における照明器具1Dでは、光が出力する機能を有する部材と音を出力する機能を有する部材とが分離している。
【0103】
また、上記実施の形態において、取付ネジ71は、振動子50よりも外側に位置していたが、これに限らない。例えば、
図13に示される照明器具1Eのように、取付ネジ71は、振動子50よりも内側に位置していてもよい。照明器具1Eにおいても、導光板40Eに入光する光を発する第1光源31は、振動子50よりも外側に位置しているとよい。なお、
図13では、導光板40Eと基板20と光源30と取付ネジ71のみを図示しており、その他の部材は、省略している。
【0104】
また、上記実施の形態において、導光板40に形成されたスリット46は、第1光源31よりも内側に位置していたが、これに限らない。具体的には、導光板40に形成されたスリット46は、第1光源31よりも外側に位置していてもよい。この場合、例えば、スリット46は、光出射部43に形成されていてもよい。また、スリット46を第1光源31よりも外側に形成する場合、スリット46は、導光板40を上面視したときに、照明器具の器具中心と第1光源31の中心とを結ぶ線の延長線上に存在しない方がよい。これにより、第1光源31の光が導光板40の内部を径方向外側に向かって導光する際にスリット46によって遮光されてしまうことを抑制することができる。
【0105】
また、上記実施の形態において、振動子50は、導光板40に1つのみ設置されていたが、これに限らない。具体的には、振動子50は、導光板40に複数設置されていてもよい。例えば、導光板40における複数の突出部44の各々に振動子50を設置してもよい。このように、導光板40に複数の振動子50を設置することで、導光板40から出力される音の音質及び音量を向上させることができる。また、複数の振動子50を用いる場合、複数の振動子50の中に、高音用の振動子50と低音用の振動子50とが含まれているとよい。これにより、導光板40から出力される音の音質を一層向上させることができる。なお、導光板40に複数の振動子50を設置するのではなく、異なる部材の各々に振動子50を設置してもよい。例えば、導光板40と支持部材60とのそれぞれに振動子50を設置してもよい。つまり、
図1~
図7に示される照明器具1の導光板40と
図11に示される照明器具1Cの支持部材60Cとを備える照明器具であってもよい。
【0106】
また、上記実施の形態において、導光板40と本体10とを固定する固定部材として、ネジを例示したが、これに限らない。具体的には、導光板40と本体10とを固定する固定部材は、ボルト及びナット等のネジ以外の締結部材であってもよいし、導光板40及び本体10の一方及び両方に形成された係止構造等であってもよい。
【0107】
また、上記実施の形態において、光源30と基板20とからなる発光モジュールは、光源30としてSMD型のLED素子を用いたSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、発光モジュールは、光源30としてLEDチップが用いられたCOB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、発光モジュールは、基板20と、基板20に直接実装された1つ又は複数のLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する蛍光体含有樹脂等の封止部材とによって構成される。
【0108】
また、上記実施の形態では、光源30は、LEDによって構成されていたが、これに限らない。例えば、光源30は、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子によって構成されていてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態において、照明器具1は、シーリングライトであったが、これに限らない。本発明は、導光板を備える導光タイプの照明器具であれば、シーリングライト以外の照明器具に適用してもよい。
【0110】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
1、1A、1B、1C、1D、1E 照明器具
10 本体
20 基板
30 光源
40、40C、40D、40E 導光板
50 振動子
60、60C 支持部材
71、72 取付ネジ(固定部材)
90 振動子取付部材