(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001976
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】パイ生地及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A21D 2/18 20060101AFI20221227BHJP
A21D 13/10 20170101ALI20221227BHJP
【FI】
A21D2/18
A21D13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102921
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000188227
【氏名又は名称】松谷化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西山 沙紀
【テーマコード(参考)】
4B032
【Fターム(参考)】
4B032DB13
4B032DB17
4B032DB35
4B032DK12
(57)【要約】
【課題】甘みを付与する目的で砂糖などの糖類をパイ生地の原料として用いると、とくに圧延と折りたたみを繰り返して層状生地となして焼成するパイにあっては、焼成時の膨化が抑制されてパイ独特のサクサク感が得られにくくなるという問題がある。そこで、本発明の目的は、甘さが付与されながらも焼成時の膨化に非常に優れたパイ生地及びパイを提供することにある。
【解決手段】希少糖のひとつであるD-プシコースをパイのドウ生地の組成として使用することにより、上記課題が解決される。具体的には、原料である穀粉100質量部に対し、(A)D-プシコース0.5~20質量部、(B)砂糖10質量部以下、及び(C)D-プシコースは砂糖と同量又はそれ以上の量で含む条件でパイ生地を調製し、さらに圧延と折りたたみを1回以上繰り返してから焼成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを含む、パイ生地用ミックス粉:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
【請求項2】
穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを含んでなる、パイ生地:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
【請求項3】
パイ生地が、D-プシコース0.2~9.0質量%及び砂糖4.5質量%未満を含む、請求項2記載のパイ生地
【請求項4】
パイ生地が、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみを繰り返して層状とされたものである、請求項2又は3のいずれかに記載のパイ生地。
【請求項5】
穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを含み、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみを繰り返して層状となったパイ生地を焼成してなるパイ:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
【請求項6】
比容積が4.6cm3/g以上である、請求項5記載のパイ。
【請求項7】
穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを配合し、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみを繰り返して層状のパイ生地とし、焼成する、パイの製造方法:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
【請求項8】
D-プシコースを有効成分として含む、パイ膨化用組成物。
【請求項9】
穀粉100質量部に対してD-プシコースを0.5~20質量部で用いる、請求項8記載のパイ膨化用組成物。
【請求項10】
穀粉100質量部に対してD-プシコース0.5~20質量部及び砂糖10質量部以下を配合した生地を調製し、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみによって層状のパイ生地となしてから焼成する、パイ生地の膨化改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成時の膨化に優れ、甘みが付与されたパイ生地に関する。
【背景技術】
【0002】
パイは、小麦粉等の穀粉、油脂及び水を主原料とする生地を焼成してなるものであって、その生地の製法には、大別して折りたたみ法と練り込み法とがある。折りたたみ法は、小麦粉を水で練ったドウ生地をまず調製し、そこへバターなどの固形油脂を包み込ながら圧延及び折りたたみを相当回数繰り返し、ドウ生地と油脂とが交互に折り重なる層状生地とする方法である。一方、練り込み法は、固形油脂含むすべての原材料を合一して混練生地とする方法であり、そのまま焼成するほか、さらに圧延と折りたたみを数回繰り返して層状生地とすることもある。これらいずれの方法で得られたパイ生地も、焼成するとドウ生地から水蒸気が発生するとともに溶けた油脂がドウ生地に吸収され、発生した水蒸気は油脂が溶けてできた生地の隙間に入り込んで生地層を持ち上げ、その結果、パイ独特のサクサクとした食感が得られるのであるが、圧延と折りたたみを繰り返した層状生地のほうが、よりパイ独特のサクサク感が得られる。
【0003】
ところで、パイは、パイ生地で具材(小豆餡、ジャム、クリーム、味付けされた魚肉・野菜など)を包餡して焼成する菓子や総菜に用いられることが多く、その場合、パイ生地自体への味付けはそれほど必要とはされない。一方で、パイそのものを味わうパイ菓子の場合は、味や香り付けのために、上述の主原料のほか、食塩、卵、乳、砂糖などの副原料が使用されることもある。しかし、砂糖などの副原料をドウ生地に使用すると、パイに甘みや香りが付与される一方、焼成したときの生地層の持ち上がりが悪く、パイ独特のサクサク感が得られにくくなる。そこで、パイそのものを味わう菓子の場合は、生地焼成後に、砂糖やジャムなどを塗布して味付けするのが一般的となっている。
【0004】
しかし、パイのサクサクした食感を損なわないように、パイ表面に塗付できる砂糖やジャムの量には限界がある一方、パイに甘さを求める消費者は依然として多く、甘さをパイに付与する手段として、折り込み油脂に糖が高度に練り込まれた「高糖分折り込み用油脂組成物」が提案されている(特許文献1)。しかし、高糖分折り込み用油脂組成物は、甘さを付与できるものの油脂主体の組成物であるがために、甘さのみを調節する素材としては使いづらいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、甘みを付与しようと砂糖などの糖類をパイのドウ生地原料として用いると、焼成時の膨化が抑制されてパイ独特のサクサク感が得られにくくなるところ、甘さが付与されながらも焼成時の膨化に優れたパイ生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく種々検討したところ、希少糖のひとつであるD-プシコースをパイのドウ生地の組成として使用することにより、上記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、主に6つの発明からなり、パイ生地用ミックス粉(1)、パイ生地(2~4)、パイ(5,6)、パイの製造方法(6,7)、パイ膨化用組成物(8,9)、及びパイ膨化改善方法(10)である。
[1]穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを含む、パイ生地用ミックス粉:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
[2]穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを含んでなる、パイ生地:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
[3]パイ生地が、D-プシコース0.2~9.0質量%及び砂糖4.5質量%未満を含む、上記[2]記載のパイ生地。
[4]パイ生地が、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみを繰り返して層状とされたものである、上記[2]又は[3]に記載のパイ生地。
[5]穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを含み、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみを繰り返して層状となったパイ生地を焼成してなるパイ:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
[6]比容積が4.6cm3/g以上である、上記[5]記載のパイ。
[7]穀粉100質量部に対し、以下(A)~(C)の条件で砂糖及びD-プシコースを配合し、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみを繰り返して層状のパイ生地とし、焼成する、パイの製造方法:
(A)D-プシコース0.5~20質量部、
(B)砂糖10質量部以下、
(C)D-プシコースは、砂糖と同量又はそれ以上の量で含む。
[8]D-プシコースを有効成分として含む、パイ膨化用組成物。
[9]穀粉100質量部に対してD-プシコースを0.5~20質量部で用いる、上記[8]記載のパイ膨化用組成物。
[10]穀粉100質量部に対してD-プシコース0.5~20質量部及び砂糖10質量部以下を配合した生地を調製し、少なくとも1回以上の圧延と折りたたみによって層状のパイ生地となしてから焼成する、パイ生地の膨化改善方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、焼成時の膨化に優れた、甘いパイ生地を提供することができるため、焼成後に砂糖やジャムの塗付が不要なパイ又は塗付量を抑えたパイを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】パイ(左から試験区3、9、10)の断面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明にいう「パイ生地」とは、小麦粉等の穀粉、油脂及び水を主原料とする生地を焼成してなるものであって、折りたたみ法又は練り込み法のいずれかによって調製された生地をいう。折りたたみ法は、小麦粉等の穀粉を水で練ったドウ生地をまず調製し、そこへバターなどの固形油脂を包み込ながら圧延及び折りたたみを相当回数繰り返し、ドウ生地と油脂とが交互に折り重なる層状生地とする方法である。一方、練り込み法は、固形油脂含むすべての原材料を合一して混練生地とする方法であり、そのまま焼成する場合と、さらに圧延と折りたたみを数回繰り返して層状生地とする場合がある。いずれのパイ生地においても、焼成するとドウ生地から水蒸気が発生するとともに溶けた油脂がドウ生地に吸収され、発生した水蒸気は油脂が溶けてできた生地の隙間に入り込んで生地層を持ち上げ、その結果、パイ独特のサクサクとした食感が得られるが、本発明の効果は、ドウ生地に少なくとも1回以上の折りたたみ工程を経て得られるパイ生地において、特によく認められる。
【0012】
ドウ生地の主原料となる「穀粉」は、主に小麦粉ではあるが、これに限定されず、米粉、コーンフラワー、大豆粉、ライ麦粉、大麦粉、あわ粉、ひえ粉、澱粉などを含んでよく、その澱粉には加工澱粉が含まれる。加工澱粉の具体例は、架橋澱粉(例えば、リン酸架橋澱粉)、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉)、エステル化澱粉(例えば、酢酸澱粉)、これら加工を組合せた加工澱粉(例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉)、オクテニルコハク酸ナトリウム澱粉、酸化澱粉、酸処理澱粉などが挙げられる。
【0013】
ドウ生地に折り込まれる「固形油脂」は、固形状の油脂類であればよく、例えば、バター、マーガリン、ショートニングのほか、加工油脂組成物(油中水型乳化油脂組成物)などが挙げられる。折りたたみ法において、固形油脂を折り込むにあたっては、ドウ生地と交互に層状とできる形状のものであれば、シート状としたものでも、ブロック状(ダイス状、チップ状)としたものでも用いることができる。この固形油脂の使用量は、ドウ生地100質量部に対して、10~100質量部であり、好ましくは20~70、さらに好ましくは、20~50質量部である。また、練り込み法においても、固形油脂の種類に限定はなく、その使用量も、折りたたみ法と同様である。
【0014】
上記ドウ生地の主原料は、上述のとおり、小麦粉等の穀粉、バター等の固形油脂及び水の3つであるが、食塩や砂糖などの副原料を用いることもできる。もっとも、砂糖は生地の膨化に抑制的に作用するため、後述するD-プシコースによる生地の膨化効果を阻害しない範囲で用いることができ、例えば、穀粉100質量部に対して10質量部以下、好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下とする。また、この「砂糖」は、その粒の大きさや精製度により、グラニュー糖、粉糖、上白糖、三温糖などと名称が異なることがあるが、上述の量範囲であれば、いずれの形態のものでも用いることができる。さらに、上記ドウ生地は、上述の量範囲で砂糖以外の糖類を少量含むこともでき、例えば、糖アルコール、二糖、オリゴ糖、水飴、高甘味度甘味料などを含むことができる。
【0015】
本発明のパイ生地は、上記主原料のほか、本発明の膨化効果を得るための必須成分として、「D-プシコース」を含む。D-プシコースは、D-フラクトース(果糖)のエピマーであり、自然界に少量しか存在しない糖であるが、近年、大量生産技術の開発によって入手が比較的容易となり、結晶品(例えば、松谷化学工業株式会社製「Astraea」)や液状混合品(例えば、松谷化学工業株式会社製「レアシュガースウィート」)として入手可能である。D-プシコースの甘味度は、砂糖の約60~70%である。本発明のドウ生地におけるD-プシコースの使用量は、穀粉100質量部に対して、0.5~20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~15質量部、さらに好ましくは0.5~10質量部である。また、D-プシコースよりも砂糖の添加量が多くなると、砂糖に起因する膨化抑制を改善されにくくなるため、砂糖と同量又はそれ以上を使用することが好ましい。
【0016】
本発明にいうパイの「膨化改善」とは、パイ生地を焼成して出来上がったパイの比容積が、糖類無添加のパイと同等であるか、他の糖類を添加したパイよりも大きいことをいい、具体的数値で例示するとすれば、比容積(cm3/g)が4.6以上、好ましくは5.0以上であることをいう。この比容積は、焼成したパイを室温で放冷し、レーザー体積計(例えば、アステックス株式会社製、Selnac Win VM2000シリーズなど)で測定した体積(cm3)を質量(g)で除したもの(cm3/g)をいう。なお、レーザー体積計とは、一定の波長(パルス長)をもったレーザーを対象物に投光し、その反射光を受光部で受光するまでの時間を測定することにより対象物の形状をスキャンし、体積を測定するものである。なお、ここでいう「糖類」とは、単糖、二糖及び三糖を指し、具体的には、ブドウ糖、果糖、砂糖、マルトース、及びこれら糖の水酸基が水素添加された糖アルコールを指す。
【0017】
本発明の「パイ用ミックス」は、先述のとおり、必須成分であるD-プシコースを含めばよく、上述の穀粉等にあらかじめ混合した組成物として提供するのでもよいし、パイの製造者がD-プシコースに対して好みの材料を後から混合して使用することもできるが、本発明の膨化効果を得るためには、D-プシコースを少なくともドウ生地の段階で0.2~9.0質量%、好ましくは、0.4~9.0質量%の範囲で含まれるようにする必要がある。
【実施例0018】
以下、実験例を提示して本発明を詳細かつ具体的に説明するが、本発明は、これら実験例に限定されるものではない。なお、以下の実験例において、とくに断りのない限り、「部」は質量部を、「%」は質量%を示す。
【0019】
<砂糖がパイの比容積に及ぼす影響>
以下[表1]の手順に従って[表2]の配合で各パイを焼成し、レーザー体積計(アステックス製Selnac Win VM2000シリーズ)で比容積を測定した。その比容積の数値は、[表2]中に示す。
【0020】
【0021】
【0022】
ドウ生地に砂糖を添加すればするほど比容積が低下する(浮きが悪くなる)ことがわかった(試験1~4)。一方、甘さとしては、穀粉100質量部に対して砂糖10質量部配合のものでは物足りず、20質量部以上配合したものが好ましかった。パイのボリュームとしては、外観及び食感ともに、少なくとも比容積4.6cm3/g以上のものが好ましかったため、これを目安として以降の検討を行うこととした。
【0023】
<各糖類がパイの比容積に及ぼす影響>
次に、砂糖以外の糖類を使用したときの比容積を検討することとした。具体的には、上の[表1]の手順に従って、下の[表3]の生地配合で各パイを作製し、その比容積をレーザー体積計(同上)で測定した。
【0024】
【0025】
穀粉100質量部に対して砂糖10質量部を添加する配合(試験区2)を基本配合とし、そこへさらにD-プシコース、D-グルコース、D-フラクトース又はエリスリトールを10質量部添加した生地を用いて焼成したパイの比容積を測定したところ、D-グルコース、D-フラクトース又はエリスリトールを10質量部添加したパイの比容積は極度に低下する一方、D-プシコースを10質量部添加しても、パイの比容積は低下しなかった。なお、甘さについては、いずれの試験区のものも十分であった。
【0026】
<D-プシコースがパイの比容積に及ぼす影響(砂糖添加)>
上述のとおり、穀粉100質量部に対して砂糖10質量部を添加する基本配合(試験区2)において、D-プシコースを10質量部添加してもパイの比容積は低下しなかったため、D-プシコースの適切な添加量を検討することとした。具体的には、上の[表1]の手順に従って、下の[表4]の配合で各パイ生地を焼成し、その比容積をレーザー体積計(同上)で測定した。
【0027】
【0028】
穀粉100質量部に対して砂糖を15質量部以上配合した生地においては、D-プシコースには、砂糖添加によるパイ生地の膨化抑制を完全に解消する効果はみられなかったが、砂糖無添加(試験区1)のときよりもパイの膨化を向上させることがわかった(試験区10)。
【0029】
<D-プシコースがパイの比容積に及ぼす影響(砂糖無添加)>
最後に、砂糖その他糖類無添加のドウ生地における、D-プシコースの適切な添加量を検討することとした。具体的には、上の[表1]の手順に従って、下の[表5]の配合で各パイ生地を焼成し、その比容積をレーザー体積計(同上)で測定した。
【0030】
【0031】
砂糖無添加のドウ生地において、穀粉100質量部に対してD-プシコースを25質量部以上配合すると膨化阻害の傾向がみられたが、0.5~20質量部の割合で配合したパイは、砂糖無添加のパイと同等又はそれ以上の膨化状態を維持しており、サクサク感に優れていた。また、自然な甘さもあり、蜜などを塗布することなくそのまま食すパイとしても良好であった。